説明

無軸負載式無歯車牽引装置

【解決手段】無軸負載式無歯車牽引装置は、底ベース6及び底ベースに取り付けられる軸受けブラケット3、トラクション・モーター1と牽引車輪2を有する。牽引装置にエレベータの総重量を受ける荷重量の主軸4と二つの軸受けブラケットが設けられ、牽引車輪が荷重量の主軸を通じて二つの軸受けブラケットの間に取り付けられ、トラクション・モーターが軸受けブラケットの外側の荷重量の主軸の軸ヘッドに取り付けられ、トラクション・モーターの底部と底ベースの間にたわみ継手が設けられる。
【効果】構造が合理的で簡単であるため、製造しやすく、コストが低く、性能が安定しており、雑音が無く、使用期間が長く、高い応用価値と広い市場の見通しを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータの運行を駆動する牽引装置の構造に関するものであり、エレベータの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
牽引機はエレベータ設備のコアとして、其の性能と取り付けの質はエレベータの性能に直接な影響を与えるため、エレベータのユーザは牽引機の配置と取り付けを重要視している。現在のエレベータに利用されている無歯車牽引装置は、交流非同期式にせよ、永久磁石同期式にせよ、全てはカンチレバー式、ブリッジ式またはスリーポイント式である。カンチレバー式牽引機は、牽引車輪のカンチレバーをトラクション・モーターの軸に取り付けることにより、エレベータの重量の100%を電動機が受ける仕組みである。ブリッジ式またはスリーポイント式牽引機は、その牽引車輪をブリッジのようにトラクション・モーターと軸受けブラケットとの間に取り付けることにより、エレベータ設備の重量の50%をトラクション・モーターが受ける仕組みである。
【0003】
永久磁石同期電動機の回転子と固定子との間には、隙間はわずかの0.7mmである。何トンもするエレベータの重量とカーやウェートの下方の無視できないワイヤロープの引っ張り強さを薄型永久磁石電動機が受けると、電動機回転子と固定子との間の隙間が変えられるため、エレベータの運行に影響を与え、牽引機の運行の質が下がり、ひいてはパワーが下がることもある。このような場合、問題のある牽引機については、重荷と無ロードの状況では機械と電磁の運行雑音は数倍も異なり、電動機の発熱も起きる。重荷をうける無歯車牽引機が原因でエレベータは運行時に震えさえもする。牽引機の使用期間も縮減する。(特許文献1及び2)
【特許文献1】中国実用新案特許第200320120164.5(公開番号CN2666874)
【特許文献2】中国発明特許出願第200410085306.8(公開番号CN1644480)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は既存エレベータ牽引装置の上述短所を克服し、安定した運行で、長期間使用できる無軸負載式無歯車牽引装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は以下のように実現される。底ベース及び底ベースに取り付けられる軸受けブラケット、トラクション・モーターと牽引車輪を有する無軸負載式無歯車牽引装置において、前記牽引装置にはエレベータの総重量を受ける荷重量の主軸と二つの軸受けブラケットが設けられ、牽引車輪が荷重量の主軸を通じて二つの軸受けブラケットの間に取り付けられ、トラクション・モーターが軸受けブラケットの外側の荷重量の主軸の軸ヘッドに取り付けられ、トラクション・モーターの底部と底ベースの間にたわみ継手が設けられることを特徴とする無軸負載式無歯車牽引装置。
【0006】
前記たわみ継手はクッション、圧力調整螺子及びジョイントベースから構成され、ジョイントベースが底ベースに固定連結し、クッションはジョイントベースの中に設けられ、クッションのトップに圧力調整螺子を取り付け、圧力調整螺子をトラクション・モーターの底部の取り付けホールにはめる。圧力螺子を調整する時、圧力センサーを通じて、最終にトラクション・モーターの全部重量が荷重量の主軸の軸ヘッドで“0”に表示されるまで調整される。
【0007】
専用ブロックが前記クッションに取って代わることができる。トラクション・モーターが前記たわみ継手で支えられる。前記圧力調整螺子の位置は、前記トラクション・モーターのセンターラインと前記荷重量の主軸の中心が共線にある位置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の装置は、構造が合理的で簡単であるため、製造しやすく、コストが低く、性能が安定しており、雑音が無く、使用期間が長い。牽引車輪はロードを受けると、そのロードを左右の二つの軸受けブラケットに伝え、トラクション・モーターの底部はたわみ継手を取りつけるため、エレベータからのウェートを受けず、牽引車輪のロードはトラクション・モーターに影響を与えない。トラクション・モーターは動力を提供するだけで、エレベータの重量は牽引車輪の左右の軸受けブラケットによって受けられるため、完全にロードを受けた後でも牽引機が最高の力率と無雑音を確保できる。
【0009】
本発明は軸ロードのない新型無歯車牽引機で、エレベータの重量を受ける牽引車輪を一つの重量受け荷重量の主軸を通じて、二つの軸受けブラケットで該主軸をかけて、薄型トラクション・モーターを該主軸の一端の軸ヘッドに取り付けたと同時に、トラクション・モーターの底部の両側にクッションを1セットずつ設置し、調整する時、圧力センサーを通じて調整や位置定めを行い、トラクション・モーターの全部重量を受けるために、クッションのトップに調整可能な圧力調整螺子を一つずつ設け、トラクション・モーターがクッションと圧力調整螺子からなるたわみ継手ベースの上に浮遊する。トラクション・モーター内の二つの軸受けは軽ロードまたは無ロードで運行するため、トラクション・モーターの軸受けがよりよく回転し、永久磁石同期牽引機も各種の不規則な受力を避けるができるため、トラクション・モーターの回転子と固定子の隙間は何の変化もせず、先に設計された理想の隙間に回転するため、雑音を回避でき、電動機の力率も大いに増加できる。それと同時に、その牽引装置はロード数と速度を持続可能で増加することができる。エレベータの速度とロード数を増加する必要があれば、荷重量の主軸のほかの一端でもう一つのトラクション・モーターを取り付け、同期運行し、牽引車輪の大きさを調整することで、大型エレベータと高速エレベータに対する需要を実現することができる。この牽引装置はユーザに人気があり、高い応用価値と広い市場の見通しがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の装置は、図1に示すように、底ベース6に二つの軸受けが取り付けられている軸受けブラケット3を設置し、荷重量の主軸4に牽引車輪2を取り付け、軸受け取り付けブラケットを通じて荷重量の主軸4と牽引車輪2を二つの軸受けブラケット3に取り付ける。荷重量の主軸4が軸受けブラケット3を超える外側の軸ヘッドにトラクション・モーター1を取り付け、トラクション・モーター1の両側の底部と底ベース6の間にたわみ継手を用い、まずは底ベースにジョイントベース10を設置し、ジョイントベース10の中にクッション5を設け、クッションのトップに圧力調整螺子7を取り付け、圧力調整螺子をトラクション・モーター底部の取り付けホールにはめ、トラクション・モーター1がクッションと圧力調整螺子からなるたわみ継手ベースの上に浮遊する。荷重量の主軸4が軸受けブラケット3を超える外側一端の軸ヘッドにトラクション・モーター1を取り付けても良いし、荷重量の主軸4が軸受けブラケット3を超える外側の二つの端の軸ヘッドにそれぞれトラクション・モーター1を取り付けても良い。
【0011】
図2に、もう1つの本発明の装置の実施例を示す。該実施例は実施例1とほぼ同じであり、実施例1中のクッション5を専用ブロック9に換えるだけである。前記のたわみ継手は専用ブロック9、圧力調整螺子7とジョイントベース10から構成される。ジョイントベース10は底ベース6に固定連結し、ジョイントベース10の中に専用ブロック9を設け、専用ブロック9のトップに圧力調整螺子7を取り付け、圧力調整螺子7をトラクション・モーター底部の取り付けホールにはめる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の無軸負載式無歯車牽引装置の第1実施形態の構造を示す図である。
【図2】本発明の無軸負載式無歯車牽引装置の第2実施形態の側面図である。
【符号の説明】
【0013】
1 トラクション・モーター
2 牽引車輪
3 軸受けブラケット
4 荷重量の主軸
5 クッション
6 底ベース
7 圧力調整螺子
8 圧力センサー
9 専用ブロック
10 ジョイントベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底ベース及び底ベースに取り付けられる軸受けブラケット、トラクション・モーターと牽引車輪を有する無軸負載式無歯車牽引装置において、牽引装置にはエレベータの総重量を受ける荷重量の主軸と二つの前記軸受けブラケットが設けられ、前記牽引車輪が前記荷重量の主軸を通じて二つの前記軸受けブラケットの間に取り付けられ、前記トラクション・モーターが前記軸受けブラケットの外側の荷重量の主軸の軸ヘッドに取り付けられ、前記トラクション・モーターの底部と前記底ベースの間にたわみ継手が設けられることを特徴とする無軸負載式無歯車牽引装置。
【請求項2】
前記たわみ継手はクッション、圧力調整螺子及びジョイントベースから構成され、前記ジョイントベースが底ベースに固定連結し、前記クッションは前記ジョイントベースの中に設けられ、前記クッションのトップに前記圧力調整螺子を取り付け、前記圧力調整螺子を前記トラクション・モーターの底部の取り付けホールにはめることを特徴とする請求項1に記載の無軸負載式無歯車牽引装置。
【請求項3】
前記たわみ継手はブロック、圧力調整螺子及びジョイントベースから構成され、前記ジョイントベースが底ベースに固定連結し、前記ブロックはジョイントベースの中に設けられ、前記ブロックのトップに前記圧力調整螺子を取り付け、前記圧力調整螺子を前記トラクション・モーターの底部の取り付けホールにはめることを特徴とする請求項1に記載の無軸負載式無歯車牽引装置。
【請求項4】
前記トラクション・モーターが前記たわみ継手のみで支えられることを特徴とする請求項2乃至請求項3のいずれかに記載の無軸負載式無歯車牽引装置。
【請求項5】
前記圧力調整螺子の位置は、前記トラクション・モーターのセンターラインと前記荷重量の主軸の中心が共線にある位置であることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の無軸負載式無歯車牽引装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−197217(P2007−197217A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−315340(P2006−315340)
【出願日】平成18年11月22日(2006.11.22)
【出願人】(506390351)
【Fターム(参考)】