説明

焼き鳥箱

【課題】従来、販売する焼き鳥串の本数はまちまちであり、一般的には25本前後であるが、宴会等の場合は、50本、75本、100本と本数は多くなるが、そのそれぞれに合致した箱を用意することは保管場所のスペース確保、また複数種類の大きさの箱を用意しなければ対応できないという実用上の問題があった。
【解決手段】中空状四側板で胴部を形成し、四側板の対向する2片に罫線を介して連続して略中央部に切り欠き部を設けた底板を形成し、他の対向する2片に罫線を介して底用フラップを設けて罫線で折り曲げ、切り欠き部の両側に形成した突出片と底用フラップを挿し込み、組み付け底を形成し、さらに蓋板13は四側板に切り抜き部材19と取手部18を形成し、取手部18に係止フラップ23を形成し、組み付ける際に、係止フラップが挿入できる係止片22に切り目を形成した焼き鳥箱。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1枚の紙製またはプラスチック製のブランク、例えば紙製段ボールを折り曲げ、組み立てて形成され、1ヶの箱でも、2ヶ、3ヶと結合でき、積み重ねでき、2段・3段と重ねることができる焼き鳥箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
段ボール等を使用した組立式の箱の従来技術としては、板紙または段ボールからなり全体が中空の箱体の少なくとも1の面において、平面な2枚の板紙または段ボールの両端を嵌め合わせて結合した組み立て式箱ケースにおいて、該両端の板紙または段ボールのうち、一方側板紙または段ボールは端縁に突出した長さ、幅の差し込み片と該差し込み片の基部から離隔した位置に、前記端縁に平行である長さのスリットを有する構成とし、他方側板紙または段ボールは端縁から離隔した位置に、端縁に平行な折り線を中央部分を除く中抜き直線状に形成し、該折り線を軸として開閉する軸部の長さである扉形状を、前記折り線の形成されない中抜き部の上端と下端を始点として打ち抜きした構成とし、前記差し込み片を前記他方側板紙または段ボールの裏面側から前記扉形状の打ち抜き跡部に差し込みし、扉形状の先端を前記一方側板紙または段ボールの前記スリットに表面側から折り線部分まで差し込みして結合する構造とした組み立て式箱ケース(例えば、特許文献1参照)が存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−241433号公報(特許請求の範囲の欄、発明の詳細な説明の欄、及び図1〜図17を参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、組み立てが簡単で、軽量かつ適切な強度を有する板紙の組み立て構造、箱ケースは先行技術文献で示すように存在していた。
ところが、焼き鳥の箱の場合、販売する焼き鳥串の本数は状況によってまちまちであり、一般的には25本前後であるが、宴会等の場合は、50本、75本、100本と本数は多くなるが、そのそれぞれに合致した箱を用意することは保管場所のスペース確保、また複数種類の大きさの箱を用意しなければ対応できないという実用上の問題があった。これはコスト、管理上、極めてマイナス面になりうる問題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1発明は、請求項1に記載した通りの焼き鳥箱であり、次のようなものである。
1枚の板紙、またはプラスチック板によって四側板、底板、蓋板、取手部を形成し、折り曲げ、嵌め合わせて結合して形成する焼き鳥箱において、一端片に接着剤で貼着できるように結合片を設け、罫線を介して折り曲げ矩形状にして中空状四側板で胴部を形成し、前記四側板の一方の対向する四側板の2片に折り曲げ用罫線を介して連続して略矩形のフラップを形成し、該フラップの略中央部に略台形の切り欠き部を設けた底板を形成し、他の対向する四側板の2片に折り曲げ用罫線を介して略台形の底用フラップを連続して設けて罫線で折り曲げ、前記切り欠き部の両側に形成した突出片を前記略台形の底用フラップに挿し込み、組み付けることにより底を形成し、さらに蓋板は前記四側板に連続して一部切り抜いて形成した切り抜き部材と取手部を形成し、該取手部には両側に係止フラップを形成し、折り曲げ組み付ける際に、前記係止フラップが挿入係止できるように、前記略台形の底用フラップと四側板を挟んで対向する部位に設けた略台形の係止片に切り目を形成し、該切れ目に前記係止フラップを挿入して固定する構成である。
【0006】
本発明の第2発明は、請求項2に記載した通りの焼き鳥箱であり、次のようなものである。
請求項1に記載した発明に加えて、取手部に形成した切り抜き部材の一部が蓋板と両側で連設され、中央部に切り込み部を形成し、焼き鳥箱を重ねる際、下段の焼き鳥箱の切り抜き部材を上段の焼き鳥箱の四側板上部に形成した切れ目に挿入し、さらに上段の焼き鳥箱の四側板上部に形成した係止片を折り曲げ、下段の焼き鳥箱の蓋板を立設し、該蓋板に連続して設けた取手部に形成した切り込み部に挿入係止することで、重ねることができる構成である。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る焼き鳥箱は、上記説明のような構成を有するので、以下に記載する効果を奏する。
(1)要望される販売数に合わせて、同一の折り畳み箱を2段、3段と重ね結合し、しかも持ち運び易いように取っ手を有し、さらに外観上もケーキ等の容器に類似していて、従来の焼き鳥を入れる容器に比べてデザイン性も良いものである。
(2)簡単に組み立てることができ、しかも一種類の箱で対応できるので、コストが低廉で、箱の保管管理が簡単である。
(3)味付けの違う焼き鳥や付け合わせのキャベツなどの別の商品、例えばタレ味と塩味の焼き鳥を別々の箱、例えばタレ味は上段の箱、塩味は中段の箱、付け合わせは下段の箱と別々に入れることもできるので、従来の焼き鳥容器のように仕切りをせずに同一箱に入れて味が混じってしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の焼き鳥箱の一実施例を示す組み立て概略斜視図である。
【図2】本発明の焼き鳥箱の一実施例を示す展開平面図である。
【図3】本発明の焼き鳥箱を2段重ねにして完成した状態を示す概略斜視図である。
【図4】図3における焼き鳥箱の組み立て途中を示す概略斜視図である。
【図5】本発明の焼き鳥箱の2段重ね状態の場合の焼き鳥及び付け合わせのキャベツ類の収納状態の一例を示す概略断面図である。
【図6】本発明の焼き鳥箱における焼き鳥及び付け合わせのキャベツ類の各種収納状態を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1枚の板紙、またはプラスチック板によって四側板、底板、蓋板、取手部を形成し、折り曲げ、嵌め合わせて結合して形成する焼き鳥箱において、一端片に接着剤で貼着できるように結合片を設け、罫線を介して折り曲げ矩形状にして中空状四側板で胴部を形成し、前記四側板の一方の対向する四側板の2片に折り曲げ用罫線を介して連続して略矩形のフラップを形成し、該フラップの略中央部に略台形の切り欠き部を設けた底板を形成し、他の対向する四側板の2片に折り曲げ用罫線を介して略台形の底用フラップを連続して設けて罫線で折り曲げ、前記切り欠き部の両側に形成した突出片を前記略台形の底用フラップを挿し込み、組み付けることにより底を形成し、さらに蓋板は前記四側板に連続して一部切り抜いて形成した切り抜き部材と取手部を形成し、該取手部には両側に係止フラップを形成し、折り曲げ組み付ける際に、前記係止フラップが挿入係止できるように、前記略台形の底用フラップと四側板を挟んで対向する部位に設けた略台形の係止片に切り目を形成し、該切れ目に前記係止フラップを挿入して固定する焼き鳥箱である。
【実施例1】
【0010】
以下、本発明の焼き鳥箱の一実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る焼き鳥箱を示す組み立て斜視図である。
本発明に係る焼き鳥箱1は、組み立て式で、底板、蓋板、取手部と表面四側板からなり、表面四側板には広告文、製造元、消費期限日等を印刷したり、広告等を印刷したシールを貼れるようになっている中空状の箱である。
表面四側板2は、罫線8を介して折り曲げ矩形状にし、一端片4に連続して設けた糊貼りできるようにした結合片3を有していて、この結合片3で他端片5に貼り付け、四角形柱状に結合して、胴部Aを形成する。
底板6は、図2の展開図で示すように略矩形のフラップを形成し、該フラップの略中央部に略台形の切り欠き部7を有する。この底板6を形成する底フラップ14を一方の対向する四側板2の2片に折り曲げ用罫線8を介して連続させて設け、他方の対向する四側板2の2片に罫線8を介して、略台形の底用フラップ11を連続させて設け、これを罫線8で折り曲げ、底板6を組み付けて成るものである。
この組み付けは、前記切り欠き部7の両側に形成されている一方の突出片9、他方の突出片10を交互に他の底フラップ14の切り欠き部7に、前記略台形の底用フラップ11を挿し込むようにして組み付けるものである。
なお、切り欠き部7の側部に形成されている他方の突出片10は、折り曲げを簡易にするためのミシン目等の不連続に点々状に穿設した穴12を形成したり、罫線を形成して前記略台形の底用フラップ11と直接接着固定するものである。
さらに、蓋板13は、前記四側板2に連続して設けた底フラップ14を設けた四側板2の上部に折り曲げ用罫線15とその罫線15の中央部に切れ目16を形成して、連続して蓋板13を形成したものである。この蓋板13と対向して設けた一端片4が連設されている部分に前記した切れ目16で、係止片17を形成し、焼き鳥箱1を重ねた際に係止用の係止片17としての役目を奏するものである。
さらに、前記蓋板13に連設して一部切り抜いて形成した切り抜き部材19を有して取手部18を形成したものである。また、重ねた際に係止片17が挿入できるような切り込み部24を形成する。
なお、必要に応じて左右折り曲げて蓋板13の略中央部に蒸気抜き用の穴20を穿設することもできる。
さらに、四側板2の他の対向する他端片5に罫線8を介して折り曲げ易くして連設した係止片22を設け、蓋板13、取手部18を折り曲げ、箱を組み立て形成した際、係止できるように焼き鳥箱1の原材料である、例えば紙板の2片を重ねた状態でこの2片の厚みより若干厚い切り込み部21を略中央部に形成した係止片22を設けたもので、この係止片22の略中央部に形成した切り込み部21に、前記蓋板13に連設して設けた取手部18の両側の係止フラップ23を挿入して固定するものである。
【0011】
次に、図3、図4に基づいて重ねた焼き鳥箱1について説明する。
これは前記図1、図2で説明した焼き鳥箱1を利用して2段重ねしたものであるが、同様に次々と3段重ね、4段重ねにすることも可能であることはいうまでもない。
最上段になる焼き鳥箱1を図1に示すように組み立て、次に下段の焼き鳥箱1を四側板2、底板6を組み付け、この下段の焼き鳥箱1における四側板2の対向する一端片4、すなわち取手部18を設けた2つの一端片4を取手部18と一緒に外側に折り曲げ開いて最上段の焼き鳥箱1を重ね、取手部18を内側に折り畳み、取手部18に形成した前記切り抜き部19を利用して、最上段の焼き鳥箱1の蓋板13と一端片4との連設部に形成した切れ目16に挿し込み係止し、さらに最上段の焼き鳥箱1の前記切れ目16によって形成されている係止片17を前記切り込み部24に挿入して係止するものである。
【0012】
次に、図5、図6はパッケージパターンの一例を示すもので、図5は2段に重ねた焼き鳥箱1であって、下段の焼き鳥箱1には付け合わせのキャベツ類を、上段の焼き鳥箱1には塩味の焼き鳥、タレ味の焼き鳥を収納したパッケージパターンを示す。
図6に示したパッケージパターンは、(a)は付け合わせのキャベツ類とタレ味の焼き鶏を収納した1段の焼き鳥箱、(b)は付け合わせのキャベツ類と塩味の焼き鳥、タレ味の焼き鳥を収納した焼き鳥箱、(c)は下段に付け合わせのキャベツ類、焼き鳥の塩味、タレ味の本数が相違する場合の塩味の焼き鳥とタレ味の焼き鳥を収納したパッケージパターンを示すものである。
なお、このパッケージパターンは販売量に合わせて種々変えることができ、例えば、塩味の焼き鳥、タレ味の焼き鳥、付け合わせのキャベツ類をそれぞれ別の焼き鳥箱1に収納し、重ね合わせて、仕切りを使用せずに焼き鳥の味が混ざってしまうのを防止するパッケージパターンなど、様々なパッケージパターンが考えられることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0013】
強度、保形、組み立てに都合よくするために底板の一部を相互間で接着剤等で貼着しても良いが、貼着しなくても良いことは言うまでもない。収納できる大きさの物品であれば極めて広範囲なものに利用可能となるものである。
【符号の説明】
【0014】
1・・・・焼き鳥箱
2・・・・四側板
3・・・・結合片
4・・・・一端片
5・・・・他端片
6・・・・底板
7・・・・切り欠き部
8・・・・罫線
9・・・・一方の突出片
10・・・・他方の突出片
11・・・・略台形の底用フラップ
12・・・・穴
13・・・・蓋板
14・・・・底フラップ
15・・・・罫線
16・・・・切れ目
17・・・・係止片
18・・・・取手部
19・・・・切り抜き部材
20・・・・蒸気抜き穴
21・・・・切り込み部
22・・・・係止片
23・・・・係止フラップ
24・・・・切り込み部
A・・・・胴部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚の板紙、またはプラスチック板によって四側板、底板、蓋板、取手部を形成し、折り曲げ、嵌め合わせて結合して形成する焼き鳥箱において、一端片に接着剤で貼着できるように結合片を設け、罫線を介して折り曲げ矩形状にして中空状四側板で胴部を形成し、前記四側板の一方の対向する四側板の2片に折り曲げ用罫線を介して連続して略矩形のフラップを形成し、該フラップの略中央部に略台形の切り欠き部を設けた底板を形成し、他の対向する四側板の2片に折り曲げ用罫線を介して略台形の底用フラップを連続して設けて罫線で折り曲げ、前記切り欠き部の両側に形成した突出片を前記略台形の底用フラップに挿し込み、組み付けることにより底を形成し、さらに蓋板は前記四側板に連続して一部切り抜いて形成した切り抜き部材と取手部を形成し、該取手部には両側に係止フラップを形成し、折り曲げ組み付ける際に、前記係止フラップが挿入係止できるように、前記略台形の底用フラップと四側板を挟んで対向する部位に設けた略台形の係止片に切り目を形成し、該切れ目に前記係止フラップを挿入して固定することを特徴とする焼き鳥箱。
【請求項2】
取手部に形成した切り抜き部材の一部が蓋板と両側で連設され、中央部に切り込み部を形成し、焼き鳥箱を重ねる際、下段の焼き鳥箱の切り抜き部材を上段の焼き鳥箱の四側板上部に形成した切れ目に挿入し、さらに上段の焼き鳥箱の四側板上部に形成した係止片を折り曲げ、下段の焼き鳥箱の蓋板を立設し、該蓋板に連続して設けた取手部に形成した切り込み部に挿入係止することで、重ねることができることを特徴とする請求項1に記載の焼き鳥箱。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−166813(P2012−166813A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−28694(P2011−28694)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(511039511)
【Fターム(参考)】