説明

煙突内掃除機構

【課題】比較的小径の煙突の内面を掃除するための煙突内掃除機構について、収納性に優れるとともに作業の手間を軽減できるようにする。
【解決手段】煙突2A先端側の滑車35と、煙突2A下部側で開口した操作口22bから煙突2A内を登り滑車35で下向きに反転して煙突2A内下って先端側を操作口22bから外に出した操作ロープ33と、操作ロープ33基端側に接続されたブラシ体30Aと、操作口22bに接続されるブラシ体収納ケース34Aとを備えたものとし、ブラシ体収納ケース34Aを外した状態で操作口22bから出た操作ロープ33を手で引くことでブラシ体30Aが上昇し、操作ロープ33を送ることでブラシ体33が下降するものとして、ブラシ体33を手動で摺動させながら煙突2A内部を清掃し、不使用時にはブラシ体収納ケース34Aを接続した状態でその内部にブラシ体30Aと操作ロープ33の先端側が収納されるものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、煙突内掃除機構に関し、殊に、ストーブ用など内径が比較的小さい煙突において内面に付着した汚れを落とすために煙突に設けられる煙突内掃除機構に関する。
【背景技術】
【0002】
煙突の内面に付着したススやタール等の汚れを落とすための機構としては、特開平9−310837号公報にも記載されているように、煙突外部の地上側からワイヤロープを煙突先端まで持ち上げ煙突開口部に配設した滑車を介して煙突内部に降ろして、このワイヤロープで吊り下げた掃除機を駆動させることにより煙突内面の汚れを落とす方式のものが周知である。
【0003】
このような煙突内掃除機構を設けることで、煙突外部の地上側からワイヤロープを引っ張ったり送り出したりして煙突内部で掃除機を上下に移動させながら煙突上端側から下端側までまんべんなく掃除を行うことができる。しかしながら、この方式においては、掃除を行わない通常時に煙道を塞がないように掃除機を煙突内から取り出す必要があるところ、煙突先端側の高所からこれを取り出すことは容易ではない。
【0004】
或いは、燃焼装置側から掃除機を取り出せる構造であっても、掃除機から煙突先端を通って煙突外部の地上側まで延設されているワイヤロープを取り外すのは容易ではなく、また一度取り外すと次に煙突外部の地上側までワイヤロープを通してセッティングするのに多大な手間を要することになる。
【0005】
一方、薪ストーブなどの比較的小規模の燃焼装置に用いる内径の小さい煙突においては、弾性の強いワイヤや竿部材からなる線状支持体の先端にブラシを設けてなる掃除具を、燃焼装置側から煙突内に挿入して手元側にて手動で操作しながら煙突内の掃除を行う方式のものが古くから普及している。このような掃除具による煙突内掃除機構は、構造が簡単で安価であることに加え、燃焼装置又はその付近の煙道の途中で掃除具を挿入する開口部を有したものであれば、高所に登ることなく煙突の清掃を行える点で便利である。
【0006】
しかしながら、この煙突内掃除機構では、清掃終了後の掃除具の収納時に弾性が強く小さく収まりにくい線状支持体が邪魔になって収納しにくいという難点があり、また、この掃除具にススやタールが付着していると、収納の際にこれが手や衣服、或いは周囲に付着して汚してしまい、その清掃に手間を要する結果となる。さらに、煙突の清掃の際には、脱落したススや汚れが燃焼装置側の開口部から粉塵になって飛散することで周囲を汚しやすいとともに、粉塵状になった汚れを一ヶ所に集めて廃棄するのに手間を要するという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−310837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記のような問題を解決しようとするものであり、比較的小径の煙突の内面を掃除するための煙突内掃除機構について、収納性に優れるとともに作業の手間を軽減できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明は、煙突先端側に垂設した滑車と、煙突下部側で開口した操作口から煙突内を登り煙突先端側の滑車で下向きに反転して煙突内を下り先端側を操作口から外部に出して配設した操作ロープと、この操作ロープ基端側に接続されたブラシ体と、操作口の位置で煙突内通路を横向きから下向きのまで範囲で分岐させるように煙突に対し着脱自在に接続された有底円筒状のブラシ体収納ケースとを備えた煙突内掃除機構であって、そのブラシ体には、錘又は/及び牽引用ロープの一端側が接続されており、このブラシ体収納ケースを煙突から外した状態で先端側を操作口から外部に出した操作ロープを手で引くことによりブラシ体が煙突内を上昇し、操作ロープを送ることまたは他端側を操作口から外部に出した牽引ロープを手で引くことによりブラシ体が煙突内を下降するものとされ、少なくとも操作口から滑車の手前までの範囲で手動にてブラシ体を摺動させながら煙突内を清掃し、不使用時にはブラシ体収納ケースを煙突に接続した状態でその内部にブラシ体と操作ロープの先端側が収納される、ことを特徴とするものとした。
【0010】
このように、煙突先端側に設けた滑車で煙突下部側の操作口から挿入した操作ロープを反転させて先端側を操作口から外部に出した構成としたことで、操作口の位置で操作ロープを手に持ってブラシ体を操作しながら清掃が容易に行えるものとなり、清掃作業で脱落したスス等の汚れは煙突下部側で開口した操作口に向かって落下してくることから、これを操作口を介して周囲に拡散させずに容易に回収しやすいものとなり、且つ、不使用時に操作口に接続したブラシ体収納ケースの内部にブラシ体及び操作ロープの先端側を収める方式としたことで、手間を要したり周囲を汚したりすることなくすっきりと収納できるものとなる。
【0011】
また、この煙突内掃除機構において、その操作ロープの先端側は、錘又は牽引用ロープの他端側に接続されて、ブラシ体に付設したロープでクローズドループを形成している、ことを特徴としたものとすれば、操作ロープが操作口から露出する部分の長さを短縮してこれをブラシ体収納ケースに収納しやすいものとしながら、エンドレス的に操作可能なものとなる。
【0012】
さらに、上述した煙突内掃除機構において、屋内から横方向に壁を貫通して屋外で横向きT字状の煙突構成部材により上向きに屈曲してなる壁抜き式の煙突に設けるものであって、その横向きT字状の煙突構成部材の下向きの開口部を操作口として、その開口部にブラシ体収納ケースが接続されることを特徴としたものとすれば、横抜き式の煙突に対して容易に設けることができるものとなり、或いは、屋内から縦方向に屋根を貫通した屋根抜き式の煙突に設けるものであって、縦方向に連なる煙突構成部材の間又はその下端側に配設されて煙道の一部を構成するとともに側面に操作口を有してその位置でブラシ体収納ケースを接続可能とされた略筒状の介装部材を備えており、その操作口の位置にはブラシ体収納ケースを斜め下向き又は横向きに接続させるための構造を有していることを特徴としたものとすれば、屈曲部と開口部のない屋根抜き式の煙突においても容易に操作口を設けてブラシ体収納ケースを接続可能なものとなる。
【0013】
さらにまた、上述した煙突内掃除機構において、その操作ロープの先端側には手で把持するためのグリップ体を兼ねた錘が設けられて、その錘側の重量とブラシ体側の重量とが滑車を介して略釣り合うことを特徴としたものとすれば、ブラシ体側の重さを大きく設定した場合でも小さな力で操作可能なものとなる。
【0014】
加えて、上述した煙突内掃除機構において、そのブラシ体収納ケースを操作口から外した状態にて、その操作口の周縁部分に隙間無く接続され清掃作業で脱落した汚れを受け止めて回収するための樹脂製のスス回収袋を有したものとされ、そのスス回収袋の側面所定位置には、少なくとも操作ロープを内側から挿通して外部に出すためのロープ挿通口が形成されている、ことを特徴としたものとすれば、粉塵状で外部に飛散しやすいスス等の汚れの殆どを外部に漏らさずに回収してそのまま容易に廃棄できるものとなる。
【発明の効果】
【0015】
基端側にブラシ体を有して煙突先端の滑車で反転した操作ロープの先端側を操作口側で操作して清掃を行うものとし、不使用時には操作口に接続したブラシ体収納ケースにブラシ体と操作ロープ先端側を収納するものとした本発明によると、収納性に優れるとともに作業の手間を大きく軽減できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明における第1の実施の形態の煙突内掃除機構を壁抜き式の煙突に設けた状態を示す縦断面図である。
【図2】図1の煙突内掃除機構の構成を示す正面図である(ブラシ体収納ケースは縦断面図)。
【図3】図2のブラシ体を構成するブラシの構造を示す拡大した平面図である。
【図4】図1の煙突内掃除機構の清掃作業中の状態を示す縦断面である。
【図5】図4の煙突内掃除機構において、操作口にスス回収袋を接続した状態を示す拡大した部分正面図である。
【図6】本発明における第2の実施の形態の煙突内掃除機構を屋根抜き式の煙突に設けた状態を示す縦断面図である。
【図7】図1の煙突内掃除機構の清掃作業中の状態を示す拡大した部分縦断面である。
【図8】図1の実施の形態と図6の実施の形態に共通した応用例を示す正面図である。
【図9】(A)及び(B)は図8の応用例の変形例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を説明する。
【0018】
図1は、本発明における第1の実施の形態の煙突内掃除機構3Aを設けた壁抜き式の煙突2Aの縦断面図であり、その収納時の状態を示している。この煙突2Aは、接続する燃焼装置として薪ストーブ1のような比較的小規模のものを想定しており、その内径は12〜20cm程度の比較的小径のものであり、屋内から壁4を横方向に貫通して屋外で横向きT字状の煙突構成部材22により上向きに屈曲し、縦向きI字状の煙突構成部材20,20,20が連結されてなるものである。
【0019】
そして、本実施の形態の煙突内掃除機構3Aは、このような壁抜き式の煙突2Aの施工時または後付けにて設けられ、煙突2A先端側の内側部分に垂設した滑車35と、横向きT字状の煙突構成部材22の下向きの開口部を操作口22bとして、この操作口22bから煙突2A内を登り先端側の滑車35で下向きに反転し煙突2A内を下り先端側を操作口22bから外部に出して配設された操作ロープ33を備えている。
【0020】
この操作ロープ33としては、煙突2A内で高熱と燃焼ガスに曝されることを考慮して耐熱性・耐腐蝕性に優れたもの、例えばステンレス製のワイヤロープ等が好適であるが、その基端側には、煙突2A内周面にブラシ外周側を擦りつけてスス等の汚れを落とすためのブラシ体30Aが接続されている。また、その操作口22bの位置には、煙突内通路の屈曲位置で下向きに分岐させるように煙突2Aに対し着脱自在な状態で接続された有底円筒状のブラシ体収納ケース34Aを備えている。
【0021】
図2を参照して、ブラシ体30Aは、操作ロープ33の基端側が上端に接続され下端に錘300が接続されたチェーン322を、筒状の芯部311の中心を挿通したことにより操作ロープ33基端側に接続された状態となっている。そして、このブラシ体30Aは、その芯部311の周囲に図3の平面図に示すように遠心方向に延びた薄板金属からなる複数本の線体312a,312bの組み合わせによるブラシ312が縦方向に3段設けられてなるものであり、その線体312a,312bの間を操作ロープ33が通るようになっているとともに、チェーン322の下端側から上端側までの範囲で摺動可能となっている。
【0022】
一方、操作ロープ33が滑車35で反転して操作口22bから外部に脱出した先端側には、手で把持して操作ロープ33を用いた操作を行うためのグリップ体31が接続されている。尚、このグリップ体31には、前述のようにブラシ体30に錘300が設けられている場合に、ブラシ体30A側の重量と操作ロープ33先端側の重量がある程度釣り合うように、鉄等で製造され錘として機能するものを使用することが好ましく、このようにすることで、ブラシ体30A側を引き上げる際に要する力を軽減することができる。
【0023】
本発明においては、図1、図2に示したように、不使用時にブラシ体収納ケース34Aを煙突2Aの操作口22bの位置に接続した状態で、そのブラシ体収納ケース34Aの中に、チェーン322及び錘300を付設したブラシ体34A側と、グリップ体31を含む操作ロープ33先端側が総て収まるようになっている点を特徴としており、これにより、スス等が付着して汚れているブラシ体34Aや操作ロープ33が外部に露出しないすっきりとした状態で、簡易な手順により収納されて周囲を汚しにくいものとなる。
【0024】
図4は、本実施の形態の使用手順を説明するための縦断面図を示している。煙突2Aの清掃を行う際には、先ず、ブラシ体収納ケース34を外してブラシ体30Aとグリップ体31を露出させる。尚、この有底円筒状のブラシ体収納ケース34は、煙突構成部材22の下側開口部に対し、図示しないロッキングバンドによる締結やねじ込み式にて接続されており、容易に着脱できるようになっている。
【0025】
そして、露出している操作ロープ33先端側又はグリップ体31を手で把持して下に引くことにより、滑車35を介し反転した操作ロープ33の基端側のブラシ体30Aが煙突2A内部を上昇するようになっている。また、この操作ロープ33を送る(又は緩める)ことでブラシ体30Aが煙突2A内部を下降するようになっている。
【0026】
このようにして、手動にてブラシ体30Aを上下に摺動させ、少なくとも操作口22bから滑車35手前までの範囲をブラシ体30Aのブラシ312外周側で煙突2A内周面を擦りながら汚れを落とすことができる。尚、ブラシ体30Aをチェーン322の範囲で上下に摺動可能としたことにより、ブラシ体30Aが煙突2A内で引っ掛かった場合でも操作ロープ33を上下に動かして振動を与えれば、比較的容易にこれを動かせるようになる。
【0027】
この清掃作業により、擦り落とされたスス等の汚れの殆どは、下向きに開口した操作口22bに向かって落下してくる。そこで、図5に示すように、この操作口22bの周縁部分を開口側で隙間無く覆うようにビニール等の樹脂製のスス回収袋50を接続しておけば、粉塵状になって落下してくる汚れを外部に拡散させることなくその殆ど総てを回収することができ、そのまま容易に廃棄できるものとなる。また、このスス回収袋50には、操作ロープ33を挿通して外部に出すためのスリット又は孔によるロープ挿通口50bが設けてあり、汚れを回収しながら操作ロープ33を用いた操作を行えるようになっている。
【0028】
図6は、本発明における第2の実施の形態の煙突内掃除機構3Bを設けた屋根抜き式の煙突2Bの縦断面図であり、その収納時の状態を示している。この煙突2Bは屋内から屋根5を縦方向に貫通してなるものであるが、これに設ける煙突内掃除機構3Bには、縦方向に連なる煙突構成部材24,24の途中またはその下端側に配設されて煙道の一部を構成するとともに側面に設けた操作口38bでブラシ体収納ケース34Bを接続可能としてなる略筒状の介装部材38を備えている点が特徴となっている。
【0029】
この操作口38bから外部に露出した操作ロープ33の先端側又はグリップ体31を把持して、前述と同様にブラシ体30Aを煙突2B内で上下に摺動させて清掃を行う方式であるが、その介装部材38の操作口38bには、ブラシ体収納ケース34Bを斜め下向きに接続させるための構造を有しており、前述の実施の形態と同様に、不使用時にはブラシ体収納ケース34Bを接続した状態で、ブラシ体30Aとグリップ体31を含む操作ロープ33の両端側を収納できるようになっている。
【0030】
その介装部材38によるブラシ体収納ケース34Bの接続方向は、横向き(水平)でも実施可能であるが、前述の斜め下向きも含めて、清掃作業により脱落したスス等の汚れは下向きの煙道を通りストーブ1に向かって真っすぐ落下することになるため、そのままではこれを操作口38bから回収することができない。
【0031】
そこで、図のように樹脂シートや薄板金属を丸めて円筒にして一端側を斜めに切断した開口部340aを有してなる汚れ受け筒340を、開口部340aを上向きに操作口38bから挿入して下向きの通路を塞ぎながら落下する汚れの進行方向を操作口38b側に導くようにすれば、その下端側の開口部340bに接続したスス回収袋50で導かれた汚れの殆ど総てを回収できるようになる。尚、この汚れ受け筒340もブラシ体収納ケース34B内に収納することができる。
【0032】
図8は、上述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態の両者に共通した応用例を示すものであり、前述の実施の形態においては、ブラシ体30A側の重さを増加させて操作ロープ33先端側を送る(緩める)だけでブラシ体30Aを下降させるために錘300を接続した構成としており、この錘300を接続するためにブラシ体30Aをチェーン322に挿通していたのに対し、その錘300を設ける代わりに、錘を付設していないブラシ体30Bの下端側に牽引ロープ37の一端側を接続してその他端側を操作口から露出させる構成としたものである。
【0033】
即ち、ブラシ体30Bを下降させる際に、操作口から露出した牽引ロープ37の他端側を引くことで錘30の重力による下降と同様の作用が期待され、錘がないことで、図のように操作ロープ33の先端側に錘の重量に釣り合わせる重量を要さない構成となる。そのため、図のような樹脂製等による軽量なグリップ体32を接続してもよく、牽引ロープ37の他端側(下端側)にも同様のグリップ体32を接続することもできる。
【0034】
そして、これらグリップ体32を両手で把持するか少なくとも一方を把持して操作を行うことで、ブラシ体30Bに繊細な動作を与えやすいものとなる。また、図示は省略するが、この応用例においても、牽引ロープ37の他端側と操作ロープ33の先端側は、グリップ体32,32を含んで前述と同様にブラシ体収納ケースの内部に容易に収納することができ、すっきりと収まりながら周囲を汚す心配の少ないものとなる。
【0035】
さらに、図8に示した応用例の変形例として、図9(A)に示すように図8における牽引ロープ37の他端側に操作ロープ33の先端側を接続、即ち、操作ロープ33の基端側と先端側をブラシ体30Bの上端側と下端側に各々接続してクローズドループを形成したり、図9(B)に示すように錘300が接続されたブラシ体30Aの下端側又は錘300に操作ロープ33の先端側を接続してクローズドループを形成したりすることで、操作ロープ33が操作口から露出する部分の長さを短縮してこれをブラシ体収納ケースに収納しやすいものとしながら、ループ構造によりエンドレス的にロープ操作を行えるようになるため、清掃作業が一層容易になるとともに室内を汚しにくいものとなる。殊に、図9(A)はストレートタイプの煙突に好適であり、図9(B)は屈曲タイプの煙突に好適である。
【0036】
以上、述べたように、比較的小径の煙突の内面を掃除するための煙突内掃除機構について、本発明により、極めて収納性に優れることに加え、容易に清掃作業を行えるとともに清掃で脱落した汚れの廃棄も容易なものとなるため、作業の手間が大幅に軽減されたものとなった。
【符号の説明】
【0037】
1 ストーブ、2A,2B 煙突、3A,3B 煙突内掃除機構、20,22,24 煙突構成部材、22b,38b 操作口、30A,30B ブラシ体、31,32 グリップ体、33 操作ロープ、34A,34B ブラシ体収納ケース、35 滑車、37 牽引ロープ、38 介装部材、50 スス回収袋、50b ロープ挿通孔、300 錘、312 ブラシ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
煙突先端側に垂設した滑車と、前記煙突下部側で開口した操作口から前記煙突内を登り前記滑車で下向きに反転して前記煙突内を下り先端側を前記操作口から外部に出して配設した操作ロープと、該操作ロープ基端側に接続されたブラシ体と、前記操作口の位置で煙突内通路を横向きから下向きのまで範囲で分岐させるように前記煙突に対し着脱自在に接続された有底円筒状のブラシ体収納ケースとを備えた煙突内掃除機構であって、
前記ブラシ体には、錘又は/及び牽引用ロープの一端側が接続されており、前記ブラシ体収納ケースを前記煙突から外した状態で先端側を前記操作口から外部に出した前記操作ロープを手で引くことにより前記ブラシ体が煙突内を上昇し、前記操作ロープを送ることまたは他端側を前記操作口から外部に出した前記牽引ロープを手で引くことにより前記ブラシ体が前記煙突内を下降するものとされ、少なくとも前記操作口から前記滑車の手前までの範囲で手動にて前記ブラシ体を摺動させながら前記煙突内を清掃し、不使用時には前記ブラシ体収納ケースを前記煙突に接続した状態でその内部に前記ブラシ体と前記操作ロープの先端側が収納される、ことを特徴とする煙突内掃除機構。
【請求項2】
前記操作ロープの先端側は、前記錘又は前記牽引用ロープの他端側に接続されており、前記ブラシ体に付設した前記ロープでクローズドループを形成している、ことを特徴とする請求項1に記載した煙突内掃除機構。
【請求項3】
屋内から横方向に壁を貫通して屋外で横向きT字状の煙突構成部材により上向きに屈曲してなる壁抜き式の煙突に設けるものであって、前記横向きT字状の煙突構成部材の下向きの開口部を操作口として、前記開口部に前記ブラシ体収納ケースが接続される、ことを特徴とする請求項1または2に記載した煙突内掃除機構。
【請求項4】
屋内から縦方向に屋根を貫通した屋根抜き式の煙突に設けるものであって、縦方向に連なる煙突構成部材の間又は下端側に配設されて煙道の一部を構成するとともに側面に前記操作口を有してその位置で前記ブラシ体収納ケースを接続可能とされた略筒状の介装部材を備えており、前記操作口の位置には前記ブラシ体収納ケースを斜め下向き又は横向きに接続させるための構造を有している、ことを特徴とする請求項1または2に記載した煙突内掃除機構。
【請求項5】
前記操作ロープの先端側には、手で把持するためのグリップ体を兼ねた錘が設けられて、該錘側の重量と前記ブラシ体側の重量とが前記滑車を介して略釣り合うものとされている、ことを特徴とする請求項1,2,3または4に記載した煙突内掃除機構。
【請求項6】
前記ブラシ体収納ケースを前記操作口から外した状態にて、前記操作口の周縁部分に隙間無く接続されて清掃作業で脱落した汚れを受け止めて回収するための樹脂製のスス回収袋を有しており、該スス回収袋の側面所定位置には、少なくとも前記操作ロープを内側から挿通して外部に出すためのロープ挿通口が形成されている、ことを特徴とする請求項1,2,3,4または5に記載した煙突内掃除機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−15248(P2013−15248A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−147830(P2011−147830)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(507348665)株式会社上野商店 (9)
【Fターム(参考)】