説明

照光式押しボタンスイッチおよび操作パネル

【課題】操作ボタンの側方を照光する光量を増大する。
【解決手段】押しボタンスイッチ1は、利用者が操作ボタン8を押圧することにより、スイッチ本体20が動作すると共に、LED21からの光が透過板70を透過して操作ボタン8を照光する。透過板70の下面70bには、LED21からの光を屈折させる構造体700であって、屈折された光が透過板70内にて反射して、透過板70の上部周壁部71へ導かれるようになっている構造体700が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照光式押しボタンスイッチと、該照光式押しボタンスイッチを備えた操作パネルとに関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記照光式押しボタンスイッチは、例えば、エレベータの乗り場壁面に取り付けられるエレベータ用の上方向および下方向の指示スイッチ、エレベータ内に取り付けられる扉の開放、扉の閉鎖、および階番号の指示スイッチなどに利用されている。一般に、照光式押しボタンスイッチは、押しボタンの操作面を押圧操作して操作プランジャを押し込み変位させることによって、スイッチ本体を作動させる構造が採用されている。さらに、照光式押しボタンスイッチは、スイッチ本体が作動されたことを表示するためにLED(Light Emitting Diode)などの光源を用いた照光手段が内蔵されている。
【0003】
近時の照光式押しボタンスイッチは、デザイン的に優れた照光を行うことが求められている。例えば、特許文献1・2に記載の押しボタンスイッチでは、押しボタンの操作面だけでなく、押しボタンの周囲部も照光している。
【0004】
具体的には、特許文献1に記載の押しボタンスイッチでは、操作プランジャの中心にテーパ孔が形成されており、LEDからの光がテーパ孔の形成面にて反射して、上記周囲部に導かれるようになっている。また、特許文献2に記載の照光式押しボタンスイッチでは、操作部の内側をすり鉢状に形成している。これにより、発光素子が発した光が、上記操作部の内側の傾斜部分で屈曲して、上記周囲部を照光することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−011672号公報(2005年01月13日公開)
【特許文献2】特開平10−064358号公報(1998年03月06日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記周囲部における照光のデザインを多様化するため、上記周囲部を照光する光量を増大することが求められている。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、操作ボタンの側方を照光する光量を増大した押しボタンスイッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る照光式押しボタンスイッチは、利用者が操作ボタンを押圧することにより、スイッチ本体が動作すると共に、光源からの光が透過板を透過して操作ボタンを照光する照光式押しボタンスイッチであって、上記課題を解決するために、上記透過板における上記光源側には、上記光源からの光を屈折させる構造体であって、屈折された光が上記透過板内にて反射して、該透過板の周辺部へ導かれるようになっている構造体が設けられていることを特徴としている。
【0009】
上記の構成によると、光源からの光は、構造体によって屈折され、屈折された光は、透過板内にて反射して、透過板の周辺部へ導かれる。反射ではなく、屈折を利用しているので、上記構造体は、上記光源からの光が直接投射される領域に設けることができる。従って、透過板の側方へ伝播する光量を増大させることができ、操作ボタンの側方を照光する光量を増大することができる。
【0010】
なお、上記構造体は、透過板と一体に形成されてもよいし、別体としてそれぞれ形成されてもよい。
【0011】
本発明に係る照光式押しボタンスイッチでは、上記構造体は、傾斜を有する凸部および凹部の少なくとも一方である凸凹部が離散的に配置されたものであることが好ましい。この場合、上記凸凹部が設けられた領域に入射した光は、上記透過板の周辺部に導かれる一方、その他の領域に入射した光は、上記透過板を通過して操作ボタンに到達するので、操作ボタンの照光も十分に確保することができる。
【0012】
なお、上記凸凹部の例としては、円錐、角錐、球の一部が挙げられ、三角形・円などを軸の周りに回転して形成される回転体などが挙げられる。
【0013】
本発明に係る照光式押しボタンスイッチでは、上記凸凹部は、上記光源から上記透過板に照射される光の中心から遠ざかるにつれて、隣接する凸凹部の間における傾斜角の大きさの平均値であるピッチ間平均傾斜角が小さくなっていることが好ましい。
【0014】
具体的には、上記凸凹部は、上記光源から上記透過板に照射される光の中心から遠ざかるにつれて、寸法が小さくなるか、上記凸凹部の間隔が長くなるか、或いは、上記凸凹部の傾斜角が小さくなることが好ましい。
【0015】
一般に、光源からの光の光量は、中心部が多く、周辺部が少ない。一方、上記の構成によると、上記構造体により側方へ導かれる光の割合は、中心部の方が周辺部よりも大きくなる。従って、上記透過板を通過した光を均一化することができ、上記操作ボタンの照光を均一化することができる。
【0016】
本発明に係る照光式押しボタンスイッチでは、上記光源は複数個であることが好ましい。この場合、透過板に入射する光量が増大するので、操作ボタンの操作面および側方をより明るく照光することができる。
【0017】
なお、上記構造体が設けられる領域の中心は、上記複数の光源からの光が上記透過板にそれぞれ照射される複数の照射領域の中心、若しくは、該複数の照射領域の中心における中点または重心となっていることが好ましい。
【0018】
本発明に係る照光式押しボタンスイッチでは、上記透過板における上記操作ボタン側には、上記透過板から出射される光を反射または屈折する構造体がさらに設けられていることが好ましい。この場合、上記透過板を通過した光を均一化することができ、操作ボタンの照光を均一化することができる。
【0019】
上記操作ボタン側の構造体は、上記透過板から出射される光の光量が多い領域に設ければよい。一方、上記光源側の構造体は、上記光源からの光が上記透過板に入射される領域に設けることが望ましい。
【0020】
従って、上記操作ボタン側の構造体が設けられている領域は、上記光源側の構造体が設けられている領域よりも狭い領域でよい。
【0021】
また、上記光源側の構造体が設けられる領域の中心は、上記複数の光源からの光が上記透過板にそれぞれ照射される複数の照射領域の中心における重心となっており、上記操作ボタン側の構造体が設けられる領域の中心は、上記複数の照射領域の中心となっていることが好ましい。また、上記操作ボタン側の構造体は、光を反射または屈折すればよいので、上記凸凹部の傾斜角は、上記光源側の構造体よりも上記操作ボタン側の構造体の方が小さくてよい。
【0022】
本発明に係る照光式押しボタンスイッチは、上記透過板は、上記操作ボタンの押圧方向を規制するプランジャの一部であってもよい。この場合、上記透過板を新たに設ける必要が無く、製造コストを抑えることができる。
【0023】
なお、上記構成の照光式押しボタンスイッチを備えた操作パネルでも、上述の効果を奏することができる。これにより、照光に関するデザインの優れた操作パネルを実現することができる。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明に係る照光式押しボタンスイッチは、反射ではなく屈折を利用することにより、光源からの光が直接投射される領域に構造体を設けることができるので、透過板の側方へ伝播する光量を増大させることができ、操作ボタンの側面を照光する光量を増大することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態である照光式押しボタンスイッチの断面図である。
【図2】上記照光式押しボタンスイッチの概要を示す斜視図である。
【図3】上記照光式押しボタンスイッチの分解組立図である。
【図4】上記照光式押しボタンスイッチにおけるプランジャの底面図である。
【図5】上記プランジャの透過板の下面に形成された構造体における凸部の形状を示す斜視図である。
【図6】上記構造体による光の伝播の変化を示す断面図である。
【図7】(a)は上記透過板に入射された光が、上記凸部の傾斜によってどの方向へ屈折するかを示すグラフであり、(b)は上記グラフにおける入射角αおよび屈折角βを説明するための概略図である。
【図8】上記凸部の寸法の変化による効果を説明する概略図である。
【図9】上記押しボタンスイッチの操作ボタンにおける光量の分布を示すグラフである。
【図10】上記凸部の形状および配置の例を示す断面図である。
【図11】ピッチ間平均傾斜角を具体的に説明するための断面図である。
【図12】上記構造体の一変形例を示す断面図である。
【図13】上記構造体の別の変形例を示す概略図である。
【図14】上記構造体における凸部の底面に含まれ、該底面の中心を通る直線で断面した図である。
【図15】上記構造体の他の変形例を示す斜視図である。
【図16】本発明の別の実施形態における押しボタンスイッチの断面図である。
【図17】上記押しボタンスイッチにおけるプランジャの平面図である。
【図18】上記プランジャの透過板の上面に形成された構造体における凸部の形状を示す斜視図である。
【図19】上記構造体による光の伝播の変化を示す概略図である。
【図20】本発明の別の実施形態における押しボタンスイッチにおいて、2個のLEDを利用する場合における構造体の形成範囲の例を示す概略図である。
【図21】上記押しボタンスイッチにおけるプランジャの透過板の下面に照射する光量の分布を、2個のLEDのそれぞれの光量と、これらを合成した光量とについて示すグラフである。
【図22】上記押しボタンスイッチにおいて、3個のLEDを利用する場合における上記構造体の形成範囲の例を示す概略図である。
【図23】上記押しボタンスイッチにおいて、4個のLEDを利用する場合における上記構造体の形成範囲の例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1〜図15を参照して説明する。図2は、本実施形態の照光式押しボタンスイッチの概要を示す斜視図である。また、図3は、上記照光式押しボタンスイッチの分解組立図であり、図1は、図2のA−A線の矢視断面図である。
【0027】
本実施形態の照光式押しボタンスイッチ1は、例えば、エレベータの乗り場の壁面に取り付けられるエレベータ用の操作パネルに設けられる上方向あるいは下方向などの指示スイッチとして用いられるものである。なお、以下では、照光式押しボタンスイッチ1を「押しボタンスイッチ1」と略称する。
【0028】
図1〜図3に示すように、押しボタンスイッチ1には、プリント基板2がベース部材3の下面に取り付けられ、ベース部材3の上面に、バネ4、リンク機構5、可動カバー6、プランジャ7、および操作ボタン8が順に収容された構造である。
【0029】
プリント基板2は、長板状であり、プリント基板2の上面には、先端部にスイッチ本体20が、中央部に照光用光源であるチップ状のLED21が、そして、基端部にコネクタ22がそれぞれ実装されている。また、スイッチ本体20は、上面に押しボタン200を備えており、スイッチ本体20には、上面を覆うようにクッションゴム23が設けられている。
【0030】
ベース部材3は、プリント基板2のスイッチ本体20およびLED21が配置される領域がそれぞれ開口した開口部30・31を有している。これにより、スイッチ本体20は、開口部30を通過して可動カバー6と、クッションゴム23を介して当接する。また、LED21からの光が開口部31を通過して上方へ照射される。また、ベース部材3は、各種部材と係合する多数の係合片32が上方に突き出ている。
【0031】
リンク機構5は、2つのレバー体からなる枠状構造体であり、先端部50および基端部51が上下方向に連動して移動するようになっている。また、2個のバネ4は、リンク機構5の基端部50とベース部材3との間に配置されている。
【0032】
可動カバー6は、リンク機構5を覆う板状部材であり、先端部60および基端部61が、それぞれ、リンク機構5の先端部50および基端部51と係合している。これにより、可動カバー6は、リンク機構5の先端部50および基端部51と共に、上下方向に移動することができる。また、可動カバー6は、中央に円状の開口部62を有しており、開口部62には、プランジャ7および操作ボタン8と係止するための4つの係止片63が内側に突出している。
【0033】
プランジャ7は、円形の透過板70の上面周縁から上方に上部周壁部71が形成され、下面周縁の稍内側から下方に下部周壁部72が形成されている。下部周壁部72は、可動カバー6の係止片63と嵌合する構造となっており、さらに一部が下方に延びて、ベース部材3の係合片32と係合している。これにより、プランジャ7は、上下方向に移動が規制される。
【0034】
操作ボタン8は、円形の透過板80の周縁から下方に周壁部81が形成されており、この周壁部81の内側に、プランジャ7の上部周壁部71が嵌合する。これにより、操作ボタン8は上下方向(押圧方向)に移動が規制される。また、周壁部81の先端には、可動カバー6に係止するための4つの係止片82が外側に突出している。なお、透過板80の上面が、利用者によって操作される操作面となる。
【0035】
なお、プランジャ7および操作ボタン8は、ポリカーボネート、アクリルなどの透過材料で形成されている。また、プランジャ7は、光の透過率が高いものが望ましい。一方、操作ボタン8は、照光による空間デザインの観点から、光の透過率が適宜選択される。
【0036】
上記構成の押しボタンスイッチ1において、利用者が指などで操作ボタン8を押圧すると、プランジャ7およびリンク機構5により、操作ボタン8および可動カバー6が下方に移動する。そして、可動カバー6が、クッションゴム23を介してスイッチ本体20の押しボタン200を押圧することにより、スイッチ本体20は、スイッチオンなどのスイッチ動作を実行する。
【0037】
また、外部からコネクタ22を介してプリント基板2の実装部品に電力が供給されている場合、LED21は、スイッチ本体20のスイッチ動作、または、外部からの指示に基づき発光する。このとき、LED21からの光は、ベース部材3の開口部31、可動カバー6の開口部62、およびプランジャ7を通過して、操作ボタン8を照光する。
【0038】
そして、利用者が操作ボタン8から指などを離すと、バネ4の復元力により、リンク機構5が上方に移動し、これにより、可動カバー6、プランジャ7、および操作ボタン8が上方に移動して、元に位置に戻る。
【0039】
本実施形態では、図1に示すように、プランジャ7の透過板70の下面70b、すなわちLED21の側の面に、LED21からの光を屈折させる構造体700が形成されている。この構造体700は、屈折させた光が透過板70内にて反射して、周辺部である上部周壁部71へ導かれるようになっている。本実施形態では、反射ではなく、屈折を利用しているので、構造体700は、LED21からの光が直接投射される領域に設けることができる。従って、上部周壁部71へ伝播する光量を増大させることができ、操作ボタン8の周壁部81を照光する光量を増大することができる。
【0040】
なお、ベース部材3の開口部31は、LED21からの光を効率的に上方に照射するために、上方に進むにつれて広くなるようなテーパ状に形成されることが望ましい。また、上記テーパ状の形成面は、ミラー状に形成されることが望ましい。同様に、プリント基板2におけるLED21の設置付近には、板状のミラー部材が設けられることが望ましい。
【0041】
以下、構造体700の詳細について説明する。図4は、プランジャ7の底面図である。図示の例では、構造体700は、透過板70の下面70bに多数の凸部(凸凹部)701が千鳥状に配置されている。なお、凸部701が形成される領域は、広ければ広いほどよく、従って、LED21からの光が照射される領域であることが望ましい。また、上記領域は、図示の例では半径10mmの円領域であるが、光源の大きさや光源と光学部品の位置関係、光源の指向性などによって適宜決定される。
【0042】
図5は、凸部701の形状を示すものであり、同図の(a)は斜視図であり、同図の(b)は断面図である。図示のように、凸部701は、円錐の先端が丸められている。これは、加工の容易性および強度を考慮したものであるが、これに限定されるものではなく、先端が尖っていてもよい。
【0043】
また、図示の例では、凸部701は、傾斜角θは65度である。傾斜角は、底面(透過板70の下面70b)と、円錐の母線とのなす角度である。また、凸部701のうち最大のものは、底面の直径が0.5mmであり、高さが0.263mmであり、丸められた先端の曲率半径は0.2mmである。
【0044】
図6は、図1の要部拡大図であり、図4および図5に示す構造体700により、LED21からの光がどのように伝播するかを示している。同図において、実線は、透過板70の下面70bを通過する光を示しており、一点鎖線は、凸部701を通過する光を示している。
【0045】
図6に示すように、透過板70の下面70bに入射した光は、上方へ屈折されるので、透過板70の上面70uにて屈折されて通過し、操作ボタン8の透過板80に到達する。一方、透過板70の凸部701に入射した光は、側方へ屈折される。そして、側方へ屈折された光は、透過板70の上面70uにおける入射角が全反射の臨界角以上であると、透過板70内で全反射して、上部周壁部71に到達する。
【0046】
従って、透過板70の下面70bに凸部701を形成することにより、操作ボタン8の周壁部81を照光する光が増加することが理解できる。また、凸部701が離散的に配置されているので、透過板70の下面70bを通過した光により、操作ボタン8の透過板80も照光されることが理解できる。
【0047】
また、図6では、凸部701が尖っているが、同図を参照すると、凸部701の頂点付近を通過した光は、凸部701の錐面に再び入射し、全反射されて、操作ボタン8の透過板80に到達する。このことから、凸部701が尖っていても丸められていても、操作ボタン8の周壁部81を照光する光量にさほど影響を与えないと考えることができる。
【0048】
次に、傾斜角θの望ましい範囲について説明する。図7の(a)は、透過板70に入射された光が、凸部701の傾斜によってどの方向へ屈折するかをシミュレーションした結果を示すグラフである。なお、透過板70の材料はポリカーボネートとしている。また、図7の(b)は、上記グラフにおける入射角αおよび屈折角βを説明するための概略図である。図示のように、入射角αは、透過板70の下面70bの法線と、光の入射方向とのなす角とし、屈折角βは、透過板70の下面70bの法線と、光の屈折方向とのなす角としている。なお、透過板70の下面70bは、傾斜角θが0度としている。
【0049】
図7の(a)に示すグラフを参照すると、傾斜角θが大きくなるにつれて、屈折角βが大きくなることが理解できる。また、入射角αが大きくなるにつれて、屈折角βも大きくなることも理解できる。側方へ光を導くためには、屈折角βが全反射の臨界角以上となればよい。ポリカーボネートの場合、上記臨界角は39度である。また、入射角αが大きくなるにつれて、光量が少なくなる。したがって、或る程度の光を側方へ到達させるため、光の強度が或る程度強い入射角αが40度以上の光を使うことを考える。この光が側方へ到達するには、屈折角βが39度以上となればよい。したがって図7の(a)に示すグラフから、傾斜角θが40度以上であればよいことが理解できる。
【0050】
一方、凸部701の先端が尖り過ぎる、すなわち頂角が狭過ぎると強度が弱くなってしまうので、頂角は大きいほうがよい。換言すれば、傾斜角θは小さいほうがよい。これまでの実績より、ポリカーボネートでは頂角が50度(傾斜角θが65度)までは問題がないことが確認できている。また、アクリルなどより硬い材料にすれば、頂角が30度(傾斜角θが75度)程度でも問題がない。従って、傾斜角θは、40度以上75度以下が望ましく、特に65度付近が望ましいことが理解できる。さらに、図5に示すように、凸部701の先端を丸めると強度の脆弱性を抑えることができる。
【0051】
さらに、本実施形態では、図4に示すように、透過板70の中心から離れるにつれて、凸部701の寸法が小さくなっている。図8は、このような凸部701の寸法の変化による効果を説明する概略図である。同図では、矢印が太いほど光量(光の強さ)が多いことを示している。
【0052】
図8に示すように、LED(光源)21からの光は、透過板70の中心へ向けて照射されるので、透過板70の中央部に照射される光量が多く、透過板70の周辺部に照射される光量が少なくなる。
【0053】
一方、図4から理解できるように、透過板70における単位領域当りの凸部701の割合は、中央部が多く、周辺部が少なくなっている。従って、透過板70の中央部では、凸部701に照射される光の割合が多いので、側方へ照射される光の割合が多くなる。また、透過板70の周辺部では、凸部701に照射される光の割合が低いので、側方へ照射される光の割合が低くなる。これにより、透過板70を通過して操作ボタン8の透過板80を照射する光は、中央部に照射される光量が抑えられ、周辺部に照射される光量が維持あるいは増加されるので、均一性を向上させることができる。
【0054】
図9は、押しボタンスイッチ1の操作ボタン8における光量の分布をシミュレーションした結果を示すグラフである。なお、同図のグラフでは、実線が本実施例であり、破線が比較例である。比較例は、本実施例の押しボタンスイッチ1から構造体700を省略したものである。
【0055】
図9の(a)のグラフは、操作ボタン8の透過板80に照射される光量の分布を示しており、縦軸は、明るさを示し、横軸は、透過板80の中心を通る直線における該中心からの距離を示している。また、同図の(b)のグラフは、操作ボタン8の周壁部81に照射される光量を示しており、縦軸は、明るさを示し、横軸は、周壁部81の円周における或る位置からの距離を示している。
【0056】
図9を参照すると、本実施例の押しボタンスイッチ1は、比較例の押しボタンスイッチに比べて、透過板80の中央部における光量が抑えられ、周辺部における光量が維持されるので、均一性が向上していることが理解できる。さらに、周壁部81における光量が1.8倍に増加し、しかも均一性が維持されていることが理解できる。
【0057】
なお、図4の例では、透過板70の中心から離れるにつれて、凸部701の寸法を小さくしているが、他にも様々な形状および配置が考えられる。図10は、図1の要部拡大図であり、本実施形態における凸部701の形状および配置の例を示している。なお、図10では、凸部701を強調して表示している。また、図10における縦のハッチングは、LED21からの光のうち、透過板70の凸部701に照射されずに下面70bに照射される光を示している。
【0058】
図10の(a)に示す凸部701は、図4に示す凸部701と同様に、LED21から離れるにつれて、凸部701どうしの間隔を同じにしているが、寸法を小さくしている。同図の(a)を参照すると、LED21から離れるにつれて、透過板70の下面70bに照射される領域が、透過板70の凸部701に照射される領域よりも大きくなるので、図8および図9に示す効果を奏することが理解できる。
【0059】
図10の(b)に示す凸部701は、LED21から離れるにつれて、寸法を同じにしているが、凸部701どうしの間隔を広くしている。同図の(b)を参照すると、LED21から離れるにつれて、透過板70の下面70bに照射される領域が、透過板70の凸部701に照射される領域よりも大きくなるので、図8および図9に示す効果を奏することが理解できる。
【0060】
図10の(c)に示す凸部701は、LED21から離れるにつれて、凸部701どうしの間隔を同じにしているが、傾斜角θを小さくしている。同図の(c)を参照すると、LED21から離れても、透過板70の下面70bに照射される領域と、透過板70の凸部701に照射される領域とが変化していないことが理解できる。
【0061】
一方、図7の(a)のグラフを参照すると、傾斜角θが小さくなると、屈折角βも小さくなる。すなわち、側方へ照射される光の割合が低くなる。従って、図10の(c)に示す凸部701の場合、LED21から離れるにつれて、側方へ照射される光の割合が低くなるので、図8および図9に示す効果と同様の効果を奏することになる。
【0062】
図10の(a)〜(c)における凸部701の形状および配置を一般化すると、下記のようになる。すなわち、凸部701における傾斜角をθとし、下面70bにおける傾斜角を0度として、凸部701のピッチ間、すなわち或る凸部701の中心から隣接する凸部701の中心までの傾斜角の大きさ(絶対値)の平均値をピッチ間平均傾斜角と定義する。
【0063】
図11は、上記ピッチ間平均傾斜角を具体的に説明するための断面図である。図示のように、隣接する凸部701・701i+1について、傾斜角をそれぞれθ・θi+1とし、底面の半径をそれぞれr・ri+1とし、間隔をdとする。このとき、ピッチp=r+d+ri+1となり、ピッチ間平均傾斜角 avg_pitch(θ)は次式となる。
avg_pitch(θ)=(|θ|×r+0×d+|θi+1|×ri+1)/p ・・・(1)。
【0064】
上記式(1)から、ピッチ間平均傾斜角 avg_pitch(θ)を小さくするには、隣接する凸部701・701i+1について下記のようにすればよいことが理解できる。すなわち、図10の(b)に示すようにピッチ間隔pを広げるか、図10の(a)に示すように底面の半径r・ri+1、すなわち寸法を小さくするか、或いは、図10の(c)に示すように、傾斜角θ・θi+1を小さくすればよい。
【0065】
従って、LED21からの距離が離れるにつれて、すなわち、透過板70の中心から離れるにつれて、ピッチ間平均傾斜角が小さくなるように、凸部701の形成し配置すれば、図8および図9と同様の効果を奏することが理解できる。
【0066】
なお、本実施形態では、凸部701を千鳥状に配置しているが、これに限定されるものではなく、離散的な配置であれば、放射状、渦巻状、同心円状、ランダムなど、任意の配置を行うことができる。また、本実施形態では、円錐の凸部701を利用しているが、角錐など、傾斜面を有する任意の形状の凸部701を利用することができる。
【0067】
次に、本実施形態の構造体700の変形例について、図12〜図15に基づいて説明する。図12は、図1の要部断面図であり、本実施形態の構造体700の一変形例を示している。図12に示す例では、構造体700として、凸部701を多数配置する代わりに、凹部(凸凹部)702を多数配置している。
【0068】
図12に示すように、凹部702であっても、凸部701と同様に光を側方へ照射させることができるので、図8および図9に示す効果と同様の効果を奏することができる。なお、切削加工で透過板70を形成する場合、凸部701よりも凹部702の方が形成が容易である。一方、成形加工で透過板70を形成する場合、凸部701よりも凹部702の方が金型の製造が容易である。なお、凹部702および凸部701の両方を配置しても良い。
【0069】
図13は、本実施形態の構造体700の別の変形例を示す概略図である。図13の(a)(b)に示す例では、凸部703の形状が、円錐に代えて、球の一部(それぞれ、半球およびその一部)となっている。この場合、凸部703の加工が容易となる。
【0070】
なお、図13に示すような、傾きが変化する形状の凸部703は、傾斜角θを下記のように評価することができる。図14は、凸部703の底面に含まれ、該底面の中心を通る直線で断面した図である。図示のように、凸部703の断面を上記直線lに沿って細分化し、細分化された領域において、交点を結ぶ線sと、上記直線lとのなす角を当該領域の傾斜角θとする。そして、次式のように、上記細分化された領域の全てにおける傾斜角の大きさ(絶対値)の平均値avg(θ)を算出する。算出された平均値が、凸部703の傾斜角θとして評価される。
avg(θ)=Σ(|θ|×Δx)/ΣΔx ・・・(2)。
【0071】
なお、図13の例では、凸部703は半球またはその一部であり、方程式で表すことができる。この場合、上記式(2)を積分に置き換えて算出することができる。その結果、例えば、図13の(a)に示すように凸部703が半球である場合、平均値avg(θ)は45度となる。また、図13の(b)に示すように凸部703が半球の一部である場合、該半球の半径をaとし、凸部703の底面の半径をbとすると、平均値avg(θ)は次式で算出できる。
tan(avg(θ))={a−(a−b1/2}/b ・・・(3)。
【0072】
図15は、本実施形態の構造体700の他の変形例を示す斜視図である。図15に示す例では、構造体700として、透過板70の中心を通る透過板の法線を軸として三角形を回転させた形状のものを、透過板70の中心から同心円状に配置したものとなっている。この場合も、上記三角形の底角が傾斜角θとなり、図8および図9に示す効果と同様の効果を奏することができる。このように、構造体700は、連続する構造物を離散的に配置したものであってもよい。
【0073】
〔実施の形態2〕
次に、本発明の別の実施形態について図16〜図19を参照して説明する。図16は、本実施形態に係る押しボタンスイッチ1の概略構成を示す断面図である。図16に示す押しボタンスイッチ1は、図1に示す押しボタンスイッチ1に比べて、プランジャ7の透過板70の上面70u、すなわち操作ボタン8の側の面に、LED21から透過板70を通過する光を反射させる構造体710が新たに形成されている点が異なり、その他の構成は同様である。なお、上記実施形態にて説明した構成と同様の機能を有する構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0074】
以下、構造体710の詳細について説明する。図17は、プランジャ7の平面図である。なお、同図の一点鎖線で囲まれた領域は、透過板70の下面70bにて凸部701が形成される領域を示している。
【0075】
図17の例では、構造体710は、透過板70の上面70uに多数の凸部(凸凹部)711が千鳥状に配置されている。なお、同図に示すように、凸部711が形成される領域は、透過板70を通過する光量の大きい領域、すなわち、図9を参照すると、透過板70の中央領域に形成されればよい。また、上記領域は、図示の例では半径3mmの円領域であるが、光源の大きさや光源と光学部品の位置関係、光源の指向性、透過板70の下面70bの構造体700による光量分布の変化などによって適宜決定される。
【0076】
また、図17に示すように、構造体710の凸部711が形成される領域は、構造体700の凸部701が形成される領域よりも狭いことが望ましく、特に、凸部711が形成される円領域の半径は、凸部701が形成される円領域の半径の半分以下であることが望ましい。
【0077】
図18は、凸部711の形状を示す斜視図である。同図に示す凸部711は、図5に示す凸部701に比べて、傾斜角θが小さくなっている点が異なり、その他の形状は同様である。図18の例では、凸部711は、傾斜角θは45度である。また、凸部711のうち最大のものは、底面の直径が0.5mmであり、高さが0.13mmであり、丸められた先端の曲率半径は0.2mmである。
【0078】
図19は、図17および図18に示す構造体710により、LED21からの光がどのように伝播するかを示す概略図である。図19の(a)〜(c)は、それぞれ、傾斜角θが45度、60度、および30度の場合を示している。なお、透過板70の材料はポリカーボネートとしている。
【0079】
図19の(a)に示すように、傾斜角θが45度の場合、透過板70を伝播する光が上面70uの凸部711にて2回全反射して、下面70bへ戻ることになる。従って、操作ボタン8の透過板80における中央部の光量をさらに抑えることができ、透過板80を照光する光量の均一性をさらに向上することができる。
【0080】
また、図19の(b)に示すように、傾斜角θが60度の場合、透過板70を伝播する光が上面70uの凸部711にて全反射し屈折して側方へ出射することになる。また、同図の(c)に示すように、傾斜角θが30度の場合、透過板70を伝播する光が上面70uの凸部711にて、一部は反射して透過板70を側方に伝播し、他の一部は屈折して斜め上方へ出射することになる。従って、これらの場合でも、操作ボタン8の透過板80における中央部の光量を抑えることができ、透過板80を照光する光量の均一性を向上することができる。
【0081】
従って、透過板70の上面70uの凸部711は、傾斜角θが30度〜60度であることが望ましく、特に45度付近が望ましいことが理解できる。また、透過板70の下面70bの凸部701は、傾斜角θが特に65度付近が望ましいことから、上面70uの凸部711は、下面70bの凸部701に比べて傾斜角θが小さい方が望ましいことが理解できる。また、図10と同様に、LED21から遠ざかるにつれて、すなわち透過板70の中心から遠ざかるにつれて、ピッチ間平均傾斜角が小さくなるように、凸部711の形成し配置すればよい。
【0082】
なお、本実施形態では、構造体710として、凸部711と多数配置しているが、図12〜図15に示す構造体700と同様に変更することもできる。
【0083】
〔実施の形態3〕
次に、本発明の他の実施形態について図20〜図23を参照して説明する。本実施形態の押しボタンスイッチ1は、図1に示す押しボタンスイッチ1に比べて、照光用光源として複数個のLED21が使用されている点が異なり、これに伴い、透過板70の構造体700・710の形成範囲が異なり、その他の構成は同様である。光源の数を増やすことで、押しボタンスイッチ1の明るさを向上させることができる。なお、上記実施形態にて説明した構成と同様の機能を有する構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0084】
図20は、2個のLED21a・21bを利用する場合における構造体700・710の形成範囲の例を示す概略図である。同図の(a)は、構造体700・710が形成される円領域Cgの中心が、2個のLED21からの光が透過板70にそれぞれ照射される2つの照射領域の中心における中点となっている例を示している。また、同図の(b)は、構造体700・710が形成される円領域Ca・Cbの中心が、それぞれ、上記2つの照射領域の中心となっている例を示している。なお、同図において、上記2つの照射領域の中心を白抜き四角で示しており、各円領域Cg・Ca・Cbの中心を×印で示している。
【0085】
また、図21は、透過板70の下面70bに照射する光量の分布を、2個のLED21a・21bのそれぞれの光量と、これらを合成した光量とについて示すグラフである。同図のグラフにおいて、縦軸は、明るさを示し、横軸は、透過板70の下面70bの中心を通る直線における該中心からの距離を示している。
【0086】
図20および図21を参照すると、図20の(a)の場合、LED21a・21bの合成した光量が最大値となる位置を中心とした円領域Cgに構造体700・710が形成されることになる。また、図20の(b)の場合、LED21a・21bのそれぞれの光量が最大値となる位置を中心とした円領域Ca・Cbに構造体700・710が形成されることになる。何れの場合でも、明るい位置を中心に構造体700・710を配置することになるので、LED21が1個の場合である上述の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0087】
なお、透過板70の下面70bに形成される構造体700は、LED21a・21bから透過板70に入射される光を側方へ導くことを目的としている。このため、構造体700が形成される領域は、図20の(a)に示す形状とすることが望ましい。また、透過板70の上面70uに形成される構造体710は、透過板70から出射される光量を抑えることを目的としている。このため、構造体710が形成される領域は、図20の(b)に示す形状とすることが望ましい。実際、これらの場合の上記シミュレーションの結果は良好であった。なお、構造体700・710が形成される領域を図20の(a)および(b)の何れかの形状に揃えてもよい。
【0088】
なお、LED21の数が3個以上の場合、何れか2つの上記照射領域の中心の中点の組合せを利用してもよいが、全ての上記照射領域の中心における重心を利用することが好ましい。
【0089】
図22は、3個のLED21を利用する場合における構造体700・710の形成範囲の例を示す概略図である。同図の(a)は、構造体700・710が形成される円領域Cgの中心が、3個のLED21からの光が透過板70にそれぞれ照射される3つの照射領域の中心における重心となっている例を示している。また、同図の(b)は、構造体700・710が形成される円領域Ca〜Ccの中心が、それぞれ、上記3つの照射領域の中心となっている例を示している。なお、同図において、上記3つの照射領域の中心を白抜き四角で示しており、各円領域Cg・Ca〜Ccの中心を×印で示している。
【0090】
また、図23は、4個のLED21を利用する場合における構造体700・710の形成範囲の例を示す概略図である。同図の(a)は、構造体700・710が形成される円領域Cgの中心が、4個のLED21からの光が透過板70にそれぞれ照射される4つの照射領域の中心における重心となっている例を示している。また、同図の(b)は、構造体700・710が形成される円領域Ca〜Cdの中心が、それぞれ、上記4つの照射領域の中心となっている例を示している。なお、同図において、上記4つの照射領域の中心を白抜き四角で示しており、各円領域Cg・Ca〜Cdの中心を×印で示している。
【0091】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0092】
例えば、上記実施形態では、プランジャ7の透過板70に構造体700・710を形成しているが、別の2枚の透過板に構造体700・710をそれぞれ形成し、形成した2枚の透過板を、透過板70の下面70bおよび上面70uにそれぞれ貼り付ける構成であってもよい。しかしながら、プランジャ7の透過板70に構造体700・710を形成する方が、部品点数を削減でき、コストダウンを図ることができる。
【0093】
また、上記実施形態では、プランジャ7および操作ボタン8を別体としているが、一体に形成してもよい。また、上記実施形態では、照光用光源としてLED21を利用しているが、白熱電球、レーザ、蛍光灯など、任意の光源を利用することができる。
【0094】
また、上記実施形態では、円形の操作ボタン8および透過板70を利用しているが、角形など、任意の形状のものを利用することができる。この場合、透過板70に構造体700・710を形成する領域も、当該形状に合わせることが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0095】
以上のように、本発明に係る照光式押しボタンスイッチは、操作ボタンの側面を照光する光量を増大できるので、照光式タッチボタンスイッチなど、任意の照光式ボタンスイッチに適用することができる。
【符号の説明】
【0096】
1 照光式押しボタンスイッチ
2 プリント基板
3 ベース部材
4 バネ
5 リンク機構
6 可動カバー
7 プランジャ
8 操作ボタン
20 スイッチ本体
21 LED(光源)
31 開口部
70 透過板
70b 下面
70u 上面
71 上部周壁部
72 下部周壁部
80 透過板
81 周壁部
700・710 構造体
701 凸部(凸凹部)
702 凹部(凸凹部)
703 凸部
710 構造体
711 凸部(凸凹部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が操作ボタンを押圧することにより、スイッチ本体が動作すると共に、光源からの光が透過板を透過して上記操作ボタンを照光する照光式押しボタンスイッチであって、
上記透過板における上記光源側には、上記光源からの光を屈折させる構造体であって、屈折された光が上記透過板内にて反射して、該透過板の周辺部へ導かれるようになっている構造体が設けられていることを特徴とする照光式押しボタンスイッチ。
【請求項2】
上記構造体は、傾斜を有する凸部および凹部の少なくとも一方である凸凹部が離散的に配置されたものであることを特徴とする請求項1に記載の照光式押しボタンスイッチ。
【請求項3】
上記凸凹部は、上記光源から上記透過板に照射される光の中心から遠ざかるにつれて、隣接する凸凹部の間における傾斜角の大きさの平均値であるピッチ間平均傾斜角が小さくなっていることを特徴とする請求項2に記載の照光式押しボタンスイッチ。
【請求項4】
上記凸凹部は、上記光源から上記透過板に照射される光の中心から遠ざかるにつれて、寸法が小さくなるか、上記凸凹部の間隔が長くなるか、或いは、上記凸凹部の傾斜角が小さくなることを特徴とする請求項3に記載の照光式押しボタンスイッチ。
【請求項5】
上記光源は複数個であることを特徴とする請求項1から4までの何れか1項に記載の照光式押しボタンスイッチ。
【請求項6】
上記構造体が設けられる領域の中心は、上記複数の光源からの光が上記透過板にそれぞれ照射される複数の照射領域の中心、若しくは、該複数の照射領域の中心における中点または重心となっていることを特徴とする請求項5に記載の照光式押しボタンスイッチ。
【請求項7】
上記透過板における上記操作ボタン側には、上記透過板から出射される光を反射または屈折する構造体がさらに設けられていることを特徴とする請求項1から6までの何れか1項に記載の照光式押しボタンスイッチ。
【請求項8】
上記光源側の構造体が設けられている領域よりも、上記操作ボタン側の構造体が設けられている領域の方が狭いことを特徴とする請求項7に記載の照光式押しボタンスイッチ。
【請求項9】
上記構造体は、傾斜を有する凸部および凹部の少なくとも一方である凸凹部が離散的に配置されたものであり、
上記光源側の構造体よりも、上記操作ボタン側の構造体の方が、上記凸凹部の傾斜角が小さいことを特徴とする請求項7または8に記載の照光式押しボタンスイッチ。
【請求項10】
上記光源は複数個であり、
上記光源側の構造体が設けられる領域の中心は、上記複数の光源からの光が上記透過板にそれぞれ照射される複数の照射領域の中心における重心となっており、
上記操作ボタン側の構造体が設けられる領域の中心は、上記複数の照射領域の中心となっていることを特徴とする請求項7から9までの何れか1項に記載の照光式押しボタンスイッチ。
【請求項11】
上記透過板は、上記操作ボタンの押圧方向を規制するプランジャの一部であることを特徴とする請求項1から10までの何れか1項に記載の照光式押しボタンスイッチ。
【請求項12】
請求項1から11までの何れか1項に記載の照光式押しボタンスイッチを備えた操作パネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−113831(P2012−113831A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259222(P2010−259222)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】