照光装置、及び電子機器
【課題】ストロボを備えるカメラにおいて、外部ストロボを追加することなく、バウンス撮影を可能とする。
【解決手段】光を照射する向きが可変な発光部5と、その発光部5の向きの可変動作に連動して、発光部5の光を反射する向きを変える反射部6と、を備える。具体的には、発光部5の光を照射する向きを可変とする発光部回動軸に一体に設けた第1ピニオン11と、反射部6の光を反射する向きを変える反射部回動軸に一体に設けた第2ピニオン12と、これら第1ピニオン11及び第2ピニオン12がそれぞれ噛み合うラック13と、を備える。また、反射部6は凹面鏡7である。そして、反射部6は、発光部5の光の照射が水平方向の時には光を反射させず、発光部5の光の照射が斜め下方向の時に光を上方向に反射させる。
【解決手段】光を照射する向きが可変な発光部5と、その発光部5の向きの可変動作に連動して、発光部5の光を反射する向きを変える反射部6と、を備える。具体的には、発光部5の光を照射する向きを可変とする発光部回動軸に一体に設けた第1ピニオン11と、反射部6の光を反射する向きを変える反射部回動軸に一体に設けた第2ピニオン12と、これら第1ピニオン11及び第2ピニオン12がそれぞれ噛み合うラック13と、を備える。また、反射部6は凹面鏡7である。そして、反射部6は、発光部5の光の照射が水平方向の時には光を反射させず、発光部5の光の照射が斜め下方向の時に光を上方向に反射させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バウンス撮影を可能とする照光装置と、その照光装置を備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ストロボ内蔵のカメラにおいて、ストロボより発光した光を天井に反射させて間接的に被写体に当てるバウンス撮影を行う場合、カメラ本体にホットシュー等のシンクロ機能を搭載し、外部ストロボを別途装着していた。
【0003】
そして、外部ストロボの発光部の前方に、斜め下向きに反射ミラーを配置することで、ストロボの発光を反射ミラーで上方の天井に反射させ、被写体を間接的に照明して、バウンス撮影を可能とする技術が特許文献1に開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−15691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、バウンス撮影のために従来は、外部ストロボを装着する必要があった。
【0006】
本発明の課題は、ストロボを備えるカメラにおいて、外部ストロボを追加することなく、バウンス撮影を可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、光を照射する向きが可変な発光部と、前記発光部の向きの可変動作に連動して、前記発光部の光を反射する向きを変える反射部と、を備える照光装置を特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の照光装置であって、前記発光部の光を照射する向きを可変とする発光部回動軸に一体に設けた第1ピニオンと、前記反射部の光を反射する向きを変える反射部回動軸に一体に設けた第2ピニオンと、前記第1ピニオン及び第2ピニオンがそれぞれ噛み合うラックと、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の照光装置であって、前記反射部は凹面鏡であることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の照光装置であって、前記反射部は、前記発光部の光の照射が水平方向の時には光を反射させず、前記発光部の光の照射が斜め下方向の時に光を上方向に反射させることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の照光装置であって、前記発光部を光の照射する向きの変化位置に保持するストッパを備えることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の照光装置を備える電子機器を特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ストロボを備えるカメラにおいて、外部ストロボを追加することなく、バウンス撮影が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明を適用した電子機器の一実施形態の構成を示すもので、カメラの正面図である。
【図2】図1のカメラの平面図である。
【図3】図2の矢印A−A線に沿った断面図である。
【図4】図2の矢印B−B線に沿った断面図である。
【図5】図2の矢印C−C線に沿った断面図である。
【図6】図4の発光部及び反射部の連動機構を示す側面図である。
【図7】図6の発光部が起き上がる途中を示した図である。
【図8】図7の矢印A部の詳細を示した拡大図である。
【図9】図6の発光部が起立した状態を示した図である。
【図10】図4の発光部及び反射部のストッパを示すもので、ストロボ収納時を示した側面図である。
【図11】図10の発光部が起き上がる途中のバウンス発光時を示した図である。
【図12】図10の発光部が起立した通常発光時を示した図である。
【図13】図3の発光部が起立した通常発光状態を示した図である。
【図14】図13の発光部が起き上がる途中位置でのバウンス発光状態を示した図である。
【図15】図14の発光部の起き上がり角度が増した位置でのバウンス発光状態を示した図である。
【図16】図15の発光部の起き上がり角度がさらに増した位置でのバウンス発光状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図を参照して本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
(実施形態)
図1及び図2は本発明を適用した電子機器の一実施形態の構成としてカメラを示したもので、図3から図5は図2の矢印A−A線、B−B線、C−C線にそれぞれ沿った断面図、図6から図9は発光部及び反射部の連動機構を示す図、図10から図12は発光部及び反射部のストッパを示す図である。
【0016】
図中、1はカメラ本体、2はレンズ鏡筒、3はストロボ収納部、4はストロボケース、5はストロボ発光部、6は反射部、7は凹面鏡、8はストッパ、9は操作摘み、11は第1ピニオン、12は第2ピニオン、13はラックバー、14はラックである。
【0017】
図示のように、カメラ本体1は、前部にレンズ鏡筒2を備えて、上部にストロボ収納部3を備えている。ストロボ収納部3は、上方に開放された内部にストロボケース4と反射部6を収納する。
【0018】
ストロボケース4は、ストロボ収納部3内の後部に回動軸を介して起倒自在に組み込まれている。このストロボケース4は、回動軸と反対側端部にストロボ発光部5を備えている。すなわち、ストロボ発光部5は、ストロボケース4が回動軸を支点に回動することで、光を照射する向きが前方から下方へと可変となっている。
【0019】
ここで、ストロボケース4を起こすための動力源は、例えばコイルバネやモーターなど種類は問わない。また、ストロボケース4の起こし動作を開始させるための構成は、例えばスライドフックによる手動解除や、ソレノイド等による自動解除など種類は問わない。
【0020】
反射部6は、ストロボ収納部3内の前部に回動軸を介して回動自在に組み込まれている。この反射部6は、ストロボ発光部5の光を反射する凹面鏡7を備えている。このように、平面による反射面でなく湾曲させた凹面鏡7により、後述するバウンス撮影時におけるストロボ周辺部の形状でのケラレを減少させることが可能となる。
【0021】
また、ストロボ収納部3には、ストロボケース4をそのストロボ発光部5から光の照射する向きの変化位置に保持するストッパ8が組み込まれている。このストッパ8には、ストロボ収納部3の一側部から外部に露出する操作摘み9が一体に備えられている。
【0022】
そして、ストロボケース4の回動軸と一体に第1ピニオン11が設けられて、反射部6の回動軸と一体に第2ピニオン12が設けられるとともに、これら第1ピニオン11及び第2ピニオン12にラックバー13が架け渡されている。すなわち、ラックバー13は、上面に沿って第1ピニオン11と噛み合うラック14を有して、下面に沿って第2ピニオン12と噛み合うラック14を有している。
【0023】
ここで、第1ピニオン11と第2ピニオン12の異なるギヤ比により、ストロボケース4と反射部6の回転角度を調整して、ストロボケース4が垂直に起立する状態に至る手前において、ストロボ発光部5の照射する光を凹面鏡7が上方に反射するように設定する。
【0024】
なお、ストロボケース4の回動軸側の端部外周には、ストロボケース4が垂直に起立した状態でストッパ8に当接する第1規制面41と、ストロボケース4が斜めの角度で起き上がる途中の状態でストッパ8に当接する第2規制面42が形成されている。この第2規制面42は、ストロボケース4の回動軸からの距離が第1規制面41の内周側にくるように設定されている。
【0025】
次に、以上の構成によるストロボ照光装置の動作を説明する。
【0026】
図1から図6及び図10はストロボ収納時を示したものである。このとき、反射部6はその凹面鏡7を後方に向けている。
【0027】
ここで、次の撮影がバウンス撮影か通常ストロボ撮影かに応じて操作摘み9の操作によりストッパ8を所定位置に予め調整しておく。例えば通常ストロボ撮影を行う場合は、ストロボケース4が垂直に起立した状態で第1規制面41に当接する位置にストッパ8の位置を調整する。また、バウンス撮影を行う場合には、ストロボケース4が斜めの角度で起き上がる途中の状態で第2規制面42に当接する位置にストッパ8の位置を調整する。
【0028】
図9、図12及び図13は通常ストロボ撮影時を示したものである。すなわち、図示しないストロボポップアップスイッチを操作すると、ストロボ収納部3に収納状態のストロボケース4が回動軸と一体に回動して、その下端部の第1規制面41がストッパ8に当接し、図示のように、ストロボケース4が垂直に起立して、ストロボ発光部5が前方へ向いた状態に保たれる。
【0029】
同時に、ストロボケース4の回動軸と一体の第1ピニオン11に上面のラック14が噛み合うラックバー13が前方に移動するとともに、そのラックバー13の下面のラック14に噛み合う第2ピニオン12が回動軸に一体の反射部6が回動して、凹面鏡7が前方へ向いた状態になる。
【0030】
この状態で、図示しないシャッターボタンを押すと、図13に示したように、同時に前方へ向いたストロボ発光部5から光が照射されて、通常ストロボ撮影が行われる。
【0031】
図7、図11及び図16はバウンス撮影時を示したものである。すなわち、図示しないバウンススイッチを操作すると、ストロボ収納部3に収納状態のストロボケース4が回動軸と一体に回動して、その下端部の第2規制面42がストッパ8に当接し、図示のように、ストロボケース4が起き上がる途中の斜めの状態で、ストロボ発光部5が斜め前下方へ向いた状態に保たれる。
【0032】
同時に、ストロボケース4の回動軸と一体の第1ピニオン11に上面のラック14が噛み合うラックバー13が前方に移動するとともに、そのラックバー13の下面のラック14に噛み合う第2ピニオン12が回動軸に一体の反射部6が回動して、凹面鏡7が上方へ向いた状態になる。
【0033】
この状態で、図示しないシャッターボタンを押すと、図16に示したように、同時に斜め前下方へ向いたストロボ発光部5から照射された光が凹面鏡7により上方に反射されて、図示しない天井に反射させてから間接的に被写体に当てるバウンス撮影が行われる。
【0034】
以上のように、ストロボを備えるカメラにおいて、外部ストロボを追加することなく、バウンス撮影することができる。
【0035】
(変形例)
図14、図15はバウンス撮影時の変形例を示したものである。すなわち、ストロボ発光部5の起き上がり角度が小さい二位置でのバウンス発光状態を示したもので、ストロボケース4が斜めの角度で起き上がる途中の状態でストッパ8に当接する第3規制面、第4規制面が形成される。その第3規制面、第4規制面は、ストロボケース4の回動軸からの距離が第2規制面42の内周側に順次くるように設定される。
【0036】
(他の変形例)
なお、以上の実施形態においては、カメラとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、カメラを備える携帯電話などの機器であってもよい。
また、発光部及び反射部の形状・構成等も任意であり、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0037】
1 カメラ本体
2 レンズ鏡筒
3 ストロボ収納部
4 ストロボケース
5 ストロボ発光部
6 反射部
7 凹面鏡
8 ストッパ
9 操作摘み
11 第1ピニオン
12 第2ピニオン
13 ラックバー
14 ラック
41 第1規制面
42 第2規制面
【技術分野】
【0001】
本発明は、バウンス撮影を可能とする照光装置と、その照光装置を備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ストロボ内蔵のカメラにおいて、ストロボより発光した光を天井に反射させて間接的に被写体に当てるバウンス撮影を行う場合、カメラ本体にホットシュー等のシンクロ機能を搭載し、外部ストロボを別途装着していた。
【0003】
そして、外部ストロボの発光部の前方に、斜め下向きに反射ミラーを配置することで、ストロボの発光を反射ミラーで上方の天井に反射させ、被写体を間接的に照明して、バウンス撮影を可能とする技術が特許文献1に開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−15691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、バウンス撮影のために従来は、外部ストロボを装着する必要があった。
【0006】
本発明の課題は、ストロボを備えるカメラにおいて、外部ストロボを追加することなく、バウンス撮影を可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、光を照射する向きが可変な発光部と、前記発光部の向きの可変動作に連動して、前記発光部の光を反射する向きを変える反射部と、を備える照光装置を特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の照光装置であって、前記発光部の光を照射する向きを可変とする発光部回動軸に一体に設けた第1ピニオンと、前記反射部の光を反射する向きを変える反射部回動軸に一体に設けた第2ピニオンと、前記第1ピニオン及び第2ピニオンがそれぞれ噛み合うラックと、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の照光装置であって、前記反射部は凹面鏡であることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の照光装置であって、前記反射部は、前記発光部の光の照射が水平方向の時には光を反射させず、前記発光部の光の照射が斜め下方向の時に光を上方向に反射させることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の照光装置であって、前記発光部を光の照射する向きの変化位置に保持するストッパを備えることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の照光装置を備える電子機器を特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ストロボを備えるカメラにおいて、外部ストロボを追加することなく、バウンス撮影が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明を適用した電子機器の一実施形態の構成を示すもので、カメラの正面図である。
【図2】図1のカメラの平面図である。
【図3】図2の矢印A−A線に沿った断面図である。
【図4】図2の矢印B−B線に沿った断面図である。
【図5】図2の矢印C−C線に沿った断面図である。
【図6】図4の発光部及び反射部の連動機構を示す側面図である。
【図7】図6の発光部が起き上がる途中を示した図である。
【図8】図7の矢印A部の詳細を示した拡大図である。
【図9】図6の発光部が起立した状態を示した図である。
【図10】図4の発光部及び反射部のストッパを示すもので、ストロボ収納時を示した側面図である。
【図11】図10の発光部が起き上がる途中のバウンス発光時を示した図である。
【図12】図10の発光部が起立した通常発光時を示した図である。
【図13】図3の発光部が起立した通常発光状態を示した図である。
【図14】図13の発光部が起き上がる途中位置でのバウンス発光状態を示した図である。
【図15】図14の発光部の起き上がり角度が増した位置でのバウンス発光状態を示した図である。
【図16】図15の発光部の起き上がり角度がさらに増した位置でのバウンス発光状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図を参照して本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
(実施形態)
図1及び図2は本発明を適用した電子機器の一実施形態の構成としてカメラを示したもので、図3から図5は図2の矢印A−A線、B−B線、C−C線にそれぞれ沿った断面図、図6から図9は発光部及び反射部の連動機構を示す図、図10から図12は発光部及び反射部のストッパを示す図である。
【0016】
図中、1はカメラ本体、2はレンズ鏡筒、3はストロボ収納部、4はストロボケース、5はストロボ発光部、6は反射部、7は凹面鏡、8はストッパ、9は操作摘み、11は第1ピニオン、12は第2ピニオン、13はラックバー、14はラックである。
【0017】
図示のように、カメラ本体1は、前部にレンズ鏡筒2を備えて、上部にストロボ収納部3を備えている。ストロボ収納部3は、上方に開放された内部にストロボケース4と反射部6を収納する。
【0018】
ストロボケース4は、ストロボ収納部3内の後部に回動軸を介して起倒自在に組み込まれている。このストロボケース4は、回動軸と反対側端部にストロボ発光部5を備えている。すなわち、ストロボ発光部5は、ストロボケース4が回動軸を支点に回動することで、光を照射する向きが前方から下方へと可変となっている。
【0019】
ここで、ストロボケース4を起こすための動力源は、例えばコイルバネやモーターなど種類は問わない。また、ストロボケース4の起こし動作を開始させるための構成は、例えばスライドフックによる手動解除や、ソレノイド等による自動解除など種類は問わない。
【0020】
反射部6は、ストロボ収納部3内の前部に回動軸を介して回動自在に組み込まれている。この反射部6は、ストロボ発光部5の光を反射する凹面鏡7を備えている。このように、平面による反射面でなく湾曲させた凹面鏡7により、後述するバウンス撮影時におけるストロボ周辺部の形状でのケラレを減少させることが可能となる。
【0021】
また、ストロボ収納部3には、ストロボケース4をそのストロボ発光部5から光の照射する向きの変化位置に保持するストッパ8が組み込まれている。このストッパ8には、ストロボ収納部3の一側部から外部に露出する操作摘み9が一体に備えられている。
【0022】
そして、ストロボケース4の回動軸と一体に第1ピニオン11が設けられて、反射部6の回動軸と一体に第2ピニオン12が設けられるとともに、これら第1ピニオン11及び第2ピニオン12にラックバー13が架け渡されている。すなわち、ラックバー13は、上面に沿って第1ピニオン11と噛み合うラック14を有して、下面に沿って第2ピニオン12と噛み合うラック14を有している。
【0023】
ここで、第1ピニオン11と第2ピニオン12の異なるギヤ比により、ストロボケース4と反射部6の回転角度を調整して、ストロボケース4が垂直に起立する状態に至る手前において、ストロボ発光部5の照射する光を凹面鏡7が上方に反射するように設定する。
【0024】
なお、ストロボケース4の回動軸側の端部外周には、ストロボケース4が垂直に起立した状態でストッパ8に当接する第1規制面41と、ストロボケース4が斜めの角度で起き上がる途中の状態でストッパ8に当接する第2規制面42が形成されている。この第2規制面42は、ストロボケース4の回動軸からの距離が第1規制面41の内周側にくるように設定されている。
【0025】
次に、以上の構成によるストロボ照光装置の動作を説明する。
【0026】
図1から図6及び図10はストロボ収納時を示したものである。このとき、反射部6はその凹面鏡7を後方に向けている。
【0027】
ここで、次の撮影がバウンス撮影か通常ストロボ撮影かに応じて操作摘み9の操作によりストッパ8を所定位置に予め調整しておく。例えば通常ストロボ撮影を行う場合は、ストロボケース4が垂直に起立した状態で第1規制面41に当接する位置にストッパ8の位置を調整する。また、バウンス撮影を行う場合には、ストロボケース4が斜めの角度で起き上がる途中の状態で第2規制面42に当接する位置にストッパ8の位置を調整する。
【0028】
図9、図12及び図13は通常ストロボ撮影時を示したものである。すなわち、図示しないストロボポップアップスイッチを操作すると、ストロボ収納部3に収納状態のストロボケース4が回動軸と一体に回動して、その下端部の第1規制面41がストッパ8に当接し、図示のように、ストロボケース4が垂直に起立して、ストロボ発光部5が前方へ向いた状態に保たれる。
【0029】
同時に、ストロボケース4の回動軸と一体の第1ピニオン11に上面のラック14が噛み合うラックバー13が前方に移動するとともに、そのラックバー13の下面のラック14に噛み合う第2ピニオン12が回動軸に一体の反射部6が回動して、凹面鏡7が前方へ向いた状態になる。
【0030】
この状態で、図示しないシャッターボタンを押すと、図13に示したように、同時に前方へ向いたストロボ発光部5から光が照射されて、通常ストロボ撮影が行われる。
【0031】
図7、図11及び図16はバウンス撮影時を示したものである。すなわち、図示しないバウンススイッチを操作すると、ストロボ収納部3に収納状態のストロボケース4が回動軸と一体に回動して、その下端部の第2規制面42がストッパ8に当接し、図示のように、ストロボケース4が起き上がる途中の斜めの状態で、ストロボ発光部5が斜め前下方へ向いた状態に保たれる。
【0032】
同時に、ストロボケース4の回動軸と一体の第1ピニオン11に上面のラック14が噛み合うラックバー13が前方に移動するとともに、そのラックバー13の下面のラック14に噛み合う第2ピニオン12が回動軸に一体の反射部6が回動して、凹面鏡7が上方へ向いた状態になる。
【0033】
この状態で、図示しないシャッターボタンを押すと、図16に示したように、同時に斜め前下方へ向いたストロボ発光部5から照射された光が凹面鏡7により上方に反射されて、図示しない天井に反射させてから間接的に被写体に当てるバウンス撮影が行われる。
【0034】
以上のように、ストロボを備えるカメラにおいて、外部ストロボを追加することなく、バウンス撮影することができる。
【0035】
(変形例)
図14、図15はバウンス撮影時の変形例を示したものである。すなわち、ストロボ発光部5の起き上がり角度が小さい二位置でのバウンス発光状態を示したもので、ストロボケース4が斜めの角度で起き上がる途中の状態でストッパ8に当接する第3規制面、第4規制面が形成される。その第3規制面、第4規制面は、ストロボケース4の回動軸からの距離が第2規制面42の内周側に順次くるように設定される。
【0036】
(他の変形例)
なお、以上の実施形態においては、カメラとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、カメラを備える携帯電話などの機器であってもよい。
また、発光部及び反射部の形状・構成等も任意であり、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0037】
1 カメラ本体
2 レンズ鏡筒
3 ストロボ収納部
4 ストロボケース
5 ストロボ発光部
6 反射部
7 凹面鏡
8 ストッパ
9 操作摘み
11 第1ピニオン
12 第2ピニオン
13 ラックバー
14 ラック
41 第1規制面
42 第2規制面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を照射する向きが可変な発光部と、
前記発光部の向きの可変動作に連動して、前記発光部の光を反射する向きを変える反射部と、を備えることを特徴とする照光装置。
【請求項2】
前記発光部の光を照射する向きを可変とする発光部回動軸に一体に設けた第1ピニオンと、
前記反射部の光を反射する向きを変える反射部回動軸に一体に設けた第2ピニオンと、
前記第1ピニオン及び第2ピニオンがそれぞれ噛み合うラックと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の照光装置。
【請求項3】
前記反射部は凹面鏡であることを特徴とする請求項1または2に記載の照光装置。
【請求項4】
前記反射部は、前記発光部の光の照射が水平方向の時には光を反射させず、前記発光部の光の照射が斜め下方向の時に光を上方向に反射させることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の照光装置。
【請求項5】
前記発光部を光の照射する向きの変化位置に保持するストッパを備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の照光装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の照光装置を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項1】
光を照射する向きが可変な発光部と、
前記発光部の向きの可変動作に連動して、前記発光部の光を反射する向きを変える反射部と、を備えることを特徴とする照光装置。
【請求項2】
前記発光部の光を照射する向きを可変とする発光部回動軸に一体に設けた第1ピニオンと、
前記反射部の光を反射する向きを変える反射部回動軸に一体に設けた第2ピニオンと、
前記第1ピニオン及び第2ピニオンがそれぞれ噛み合うラックと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の照光装置。
【請求項3】
前記反射部は凹面鏡であることを特徴とする請求項1または2に記載の照光装置。
【請求項4】
前記反射部は、前記発光部の光の照射が水平方向の時には光を反射させず、前記発光部の光の照射が斜め下方向の時に光を上方向に反射させることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の照光装置。
【請求項5】
前記発光部を光の照射する向きの変化位置に保持するストッパを備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の照光装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の照光装置を備えることを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−224266(P2010−224266A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−72044(P2009−72044)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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