説明

照光装置および前記照光装置を使用した入力装置

【課題】 光源から発せられ導光層内に導かれて複数の照光指示部に与えられる光の光量をそれぞれの照光指示部に応じて調整できるようにした照光装置および入力装置を提供する。
【解決手段】 導光層3に光源8が対向して照光装置30が構成されている。導光層3の面に、複数の乱反射部35A,35Bが形成され、乱反射部35A,35Bに凹状の反射線37A,37Bが形成されている。光源8から延びる光経路線LA,LBに対する反射線37A,37Bの交差角度が、乱反射部35A,35Bごとに相違している。その結果、乱反射部35A,35Bに反射されてその上の照光指示部に与えられる光の量と、乱反射部35A,35Bを通過する光の量とを調整できるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作部に設けられた照光指示部に照明光を与える照光装置および前記照光装置を使用した入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ用のキーボード装置、携帯機器やその他の電子機器、遠隔操作装置、自動車の操作部などに、押圧操作などを行う複数の入力装置と、この入力装置に照明光を与える照光装置とが設けられている。
【0003】
特許文献1には、携帯用装置のキーパッドのキーを照らすためのライトガイドが開示されている。
【0004】
このライトガイドは、複数のキーを有するキーパッドの背部に位置するフィルムと、このフィルムに光学的に結合された発光ダイオードとを有している。フィルムには、それぞれのキーに光を与える円形領域が設けられ、この円形領域に、フィルム内に凹状に切り込まれた微小構造化形状が形成されている。発光ダイオードから発せられた光は、フィルムの内部を伝播し、微小構造化形状で乱反射されフィルムの外へ向けられてキーに与えられる。
【0005】
複数の円形領域に設けられた微小構造化形状は、その平面形状が円弧状であり、微小構造化形状が1つの円形領域の複数条設けられている。そして、全ての円形領域に設けられた微小構造形状の曲率方向が、発光ダイオードが配置された方向に向けて全て同じ向きに揃えられている。
【0006】
特許文献2に記載されたキーボードは、複数のキートップと、発光ダイオードから照射された光をそれぞれのキートップに導く導光板を有している。
【0007】
導光板の表面には光拡散板が積層されており、光拡散板に複数の光拡散部が形成されている。この光拡散部は、光拡散板の表面に模様を印刷することで形成されている。導光板には複数の発光ダイオードが対向しており、光拡散部は発光ダイオードから離れるにしたがって模様の面積が段階的に小さくなるように形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特表2010−503155号公報
【特許文献2】特開2010−129374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載されたライトガイドには、発光ダイオードに近い場所から、発光ダイオードから離れた場所まで、複数の円形領域が配置されているが、複数の円形領域に形成された微小構造化形状が全て同じ向きに揃えられている。そのため、全ての円形領域で光を均一に反射することが難しい。
【0010】
例えば、発光ダイオードに近い位置にある円形領域で多くの光量が乱反射されて消化されるために、その円形領域よりも発光ダイオードから離れた位置にある複数の円形領域に光が届きにくくなり、発光ダイオードから離れた位置にあるキーを照光する光量が低下しがちである。
【0011】
特許文献1に記載のライトガイドは、1つの発光ダイオードを起点とする放射方向の各方向に延びる仮想線を想定したときに、仮想線によってその上に位置している円形領域の数が相違している。全ての円形領域において微小構造化形状が全て同じ向きに揃えられているため、仮想線上で数多く配列している円形領域のそれぞれに至る光量が、仮想線上での配置数の少ない円形領域に至る光量よりも多くなり、全ての円形領域に光を均一に至らせるのが難しい。
【0012】
機種によっては、ひとつのライトガイドに複数の発光ダイオードが配置されることがある。この場合、ライトガイドの内部では、複数の発光ダイオードからの光が多く重複する領域と、重複度が低く光量がさほど多くならない領域とがある。特許文献1に記載のように、全ての円形領域において微小構造化形状が全て同じ向きに揃えられていると、重複度が大きい領域の輝度が高くなりすぎて、全体の輝度むらが大きくなりやすい。
【0013】
特許文献2に記載されたキーボードは、拡散部が印刷模様で形成されているため、導光板の内部を伝搬した光を乱反射させる能力が低く、キートップに与えられる光量が低下しがちである。
【0014】
また、特許文献2では、導光板に複数の発光ダイオードが対向しているため、複数の発光ダイオードから発せられる光が重複する領域では、それ以外の領域よりも光量が多くなり、これにより不均一な照光が発生しやすい。
【0015】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、導光層に多数設けられた乱反射部に対して、光を均一に与えることが可能な照光装置および前記照光装置を使用した入力装置を提供することを目的としている。
【0016】
また本発明は、導光層に複数の光源が対向している場合に、複数の光源からの光が重複しやすい領域と重複しにくい領域での照光輝度のむらを解消しやすい構造の照光装置および前記照光装置を使用した入力装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、少なくとも1つの面に複数の乱反射部を有する導光層と、前記導光層の側部に対向して導光層の内部に光を与える光源とが設けられた照光装置において、
それぞれの乱反射部に、凹部または凸部が線状に連続しあるいは複数の凹部または凸部が線状に配列した反射線が設けられており、
光源から延びて乱反射部を通過する仮想線を光経路線としたときに、いずれかの乱反射部の反射線と光経路線との交差角度と、他の乱反射部の反射線と同じ光源から延びる他の光経路線との交差角度が互いに相違していることを特徴とするものである。
【0018】
本発明の照光装置は、1つの光源に複数の乱反射部が対向しており、光源に対する反射線の対向角度が、乱反射部ごとに相違している。その結果、乱反射部に与えられる光の光量の大小に応じて乱反射する光の度合いを調整でき、複数の乱反射部に極端な輝度むらが発生するのを防止しやすくなる。
【0019】
本発明は、ひとつの光経路線が複数の乱反射部を通過しており、前記光経路線と反射線との交差角度が、乱反射部ごとに相違しているものとして構成できる。
【0020】
本発明は、第1の乱反射部を通過した光経路線の進行方向前方に位置する他の乱反射部の数と、第2の乱反射部を通過した光経路線の進行方向前方に位置する他の乱反射部の数とが相違しており、
第1の乱反射部と第2の乱反射部のうち、進行方向前方に位置する他の乱反射部の数が多い乱反射部に設けられた反射線と光経路線との交差角度が、進行方向前方に位置する他の乱反射部の数が少ない乱反射部に設けられた反射線と光経路線との交差角度よりも小さいものが好ましい。
【0021】
上記発明では、光源から延びる光経路線上に複数の乱反射部が並んでいる場合に、光源に近い乱反射部の反射線の角度を浅くすることで、光源から離れた位置にある乱反射部に光が到達しやすくなる。その結果、場所によって光経路線上に配列する乱反射部の数に差があっても、乱反射部で反射される光の光量が極端に相違するのを防止しやすくなる。
【0022】
本発明は、前記導光層に対向する複数の光源が設けられ、第1の光源から延びる第1の光経路線と第2の光源から延びる第2の光経路線の双方が通過する位置に乱反射部が設けられており、この乱反射部に設けられた反射線は、第1の光経路線との交差角度と、第2の光経路線との交差角度とが互いに相違しているものとして構成できる。
【0023】
上記照光装置では、複数の光源から発せられる光が重複しやすい領域に位置する乱反射部において、いずれか一方の光源から発せられる光を乱反射させる能力を高くし、他方の光源から発せられる多くの光を通過させやすくなる。その結果、複数の光源からの光が重複しやすい領域と重複しにくい領域とで乱反射の光量に極端なむらが発生しないように調整できる。
【0024】
また、本発明は、乱反射部を通過した第1の光経路線の進行方向前方に位置する他の乱反射部の数と、同じ乱反射部を通過した第2の光経路線の進行方向前方に位置する他の乱反射部の数とが相違しており、
第1の光経路線と第2の光経路線のうち、進行方向前方に位置する他の乱反射部の数が多い光経路線と前記乱反射部に設けられた反射線との交差角度が、進行方向前方に位置する他の乱反射部の数が少ない光経路線と前記乱反射部に設けられた反射線との交差角度よりも小さいことが好ましい。
【0025】
上記発明では、複数の光源の双方に近い位置の乱反射部と、光源から離れた位置にある乱反射部の双方に、光を均一に与えやすくなる。
【0026】
また、本発明は、導光層に穴または切り欠き部が形成されており、光源と前記穴または切り欠き部との間に位置する少なくとも1つの乱反射部の反射線が、光経路線とほぼ直交している。
【0027】
また、本発明は、導光層に穴または切り欠き部が形成されており、光源から延びて前記穴または切り欠き部を通過する光経路線上に位置する複数の乱反射部のうち、前記穴または切り欠き部に近い位置にある乱反射部の反射線と光経路線との交差角度が、前記穴または切り欠き部から離れた位置にある乱反射部の反射線と光経路線との交差角度よりも大きいものである。
【0028】
導光層に穴または切り欠き部が形成されていると、導光層の内部を伝搬する光が穴または切り欠き部で遮られる。この場合に、その直前に位置する乱反射部で多くの光を乱反射することで、光の損失を低減でき、穴または切り欠き部の境界部が極端に明るく照らさせるのも防止しやすくなる。
【0029】
本発明の入力装置は、照光指示部を有する複数の操作部と、操作部が表側から操作されたときに電気信号を変化させる動作部と、前記操作部の裏側に設けられた前記照光装置とを有しており、乱反射部で反射された光が前記照光指示部に与えられることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0030】
本発明は、導光層に設けられた複数の乱反射部のそれぞれで乱反射する光量に極端な差が生じるのを防止しやすくなり、照光指示部の輝度が極端に暗くなったり極端に明るくなるのを防止できるようになる。
【0031】
また、導光層に複数の光源が対向しているものにおいて、複数の光源からの光が重複する領域と、重複しづらい領域とで、乱反射部で反射される光量の差を制御できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態の入力装置の一部を示す断面図、
【図2】本発明の実施の形態の入力装置の一部を示す分解斜視図、
【図3】光源から延びる光経路線と乱反射部に設けられた反射線との対向関係を示す説明図、
【図4】導光層と乱反射部を示す断面図、
【図5】複数の光源から延びる光経路線と複数の乱反射部に設けられた反射線との対向関係を示す説明図、
【図6】複数のキートップの配置例を示す平面図、
【図7】図6に示すキートップに照明光を与える照光装置の平面図、
【図8】乱反射部の変形例を示す平面図、
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図1と図2に、本発明の実施の形態の入力装置1が示されている。入力装置1は、ブック型またはラップトップ型あるいはディスクトップ型のパーソナルコンピュータなどに装備されるキーボード装置である。
【0034】
図1に示すように、入力装置1は、シャーシ2を有している。シャーシ2は、パーソナルコンピュータの本体ケースの一部である底板、または前記底板の上に設置される金属板で構成されている。
【0035】
図1と図2に示すように、シャーシ2の上に照光装置30が設けられている。照光装置30は、導光層3と、導光層3とシャーシ2との間に設けられた反射シート4と、導光層3の側部に対向する光源8とで構成されている。導光層3は、ポリカーボネートなどの透光性の合成樹脂で形成されたフィルムまたはシートである。光源8は発光ダイオードである。反射シート4は、導光層3との対面する境界面に金属蒸着膜や白色の塗装膜が形成されている。
【0036】
本明細書において、透光性とは、全光線透過率が90%以上のいわゆる透明であることが好ましいが、全光線透過率がそれよりも低くても内部で光を伝搬する機能を有するものであればいわゆる半透明であってもよい。例えば、全光線透過率は40%以上であればよい。
【0037】
図1と図2に示すように、導光層3の上に支持板5が設けられている。支持板5は金属板で形成されている。
【0038】
入力装置1に、複数の押圧操作部10が設けられている。それぞれの押圧操作部10は、キートップ15と、キートップ15を支持板5上で昇降自在に支持する支持機構とで構成されている。
【0039】
図2に示すように、押圧操作部10が設けられる部分では、前記支持板5に開口部7が形成され、開口部7の縁部から、一対の第1の支持片6aと一対の第2の支持片6bが上向きに折り曲げられている。
【0040】
図1と図2に示すように、支持板5の上にメンブレン積層体20が設置されている。メンブレン積層体20は、表側基材21と裏側基材22、および表側基材21と裏側基材22の間に設けられたスペーサ23を有している。表側基材21は、透光性で且つ可撓性であり、PETなどの樹脂フィルムで形成されている。裏側基材22は透光性である。裏側基材22は可撓性である必要はないが、この実施の形態では、表側基材21と同じPETフィルムで形成されて、メンブレン積層体20が薄く構成されている。
【0041】
スペーサ23は、表側基材21と裏側基材22と同じPETフィルムで形成されている。ただし、スペーサ23は、表側基材21の裏面21bまたは裏側基材22の表面22aに印刷された有機絶縁層などであってもよい。
【0042】
表側基材21と裏側基材22およびスペーサ23が積層され互いに接着されてメンブレン積層体20が構成されている。メンブレン積層体20には上下に貫通する対を成す挿通穴20aおよび対を成す挿通穴20bが形成されている。図1に示すように、メンブレン積層体20が支持板5の上に設置されると、支持板5に形成された第1の支持片6a,6aが、挿通穴20a,20a内を通過して表側基材21の表面21aよりも上方へ突出し、第2の支持片6b,6bが挿通穴20b,20b内を通過して表側基材21の表面21aよりも上方へ突出する。
【0043】
図1に示すように、押圧操作部10では、メンブレン積層体20の上に、キートップ15を上下動自在に支える第1の可動支持部材16と第2の可動支持部材17が設けられている。
【0044】
第1の可動支持部材16は、その一端16aが支持板5に折り曲げられた第1の支持片6aに回動自在に支持され、他端16bがキートップ15の下部に回動自在で且つ図1の図示左右方向へスライド自在に支持されている。第2の可動支持部材17は、一端17aがキートップ15の下部に回動自在に支持され、他端17bが支持板5に折り曲げられた第2の支持片6bに回動自在で且つ図示左右方向へスライド自在に支持されている。第1の可動支持部材16と第2の可動支持部材17は、その中央部どうしが回動自在に連結されており、第1の可動支持部材16と第2の可動支持部材17とでX型の支持リンクが構成されている。このX型の支持リンクが、キートップ15を昇降自在に支持する支持機構である。
【0045】
図1に示すように、それぞれの押圧操作部10では、メンブレン積層体20の表側基材21の表面21aとキートップ15との間に弾性部材18が設けられている。弾性部材18は合成ゴムで形成されており、弾性部材18によってそれぞれのキートップ15がメンブレン積層体20から離れるように上向きに付勢されている。弾性部材18の下側の内部は空洞であり、この空洞内に下向きの押圧凸部18aが一体に形成されている。
【0046】
図1と図2に示すように、それぞれの押圧操作部10では、メンブレン積層体20に、前記押圧凸部18aと対向する動作部25が設けられている。動作部25では、スペーサ23に円形空間23aが形成されている。図2に示すように、円形空間23aの内部では、裏側基材22の表面22aに固定電極26が設けられている。円形空間23aの内部では、表側基材21の裏面21bに可動電極27a,27bが形成されている。表側基材21の裏面21bには、それぞれの可動電極27a,27bに個別に導通する複数の配線層28が形成されている。
【0047】
固定電極26と可動電極27a,27bは、カーボンを含む導電層、または、銀や銅などの低抵抗の金属材を含む導電層である。配線層28は、銀や銅などの低抵抗の金属材を含む導電層である。固定電極26は、裏側基材22の表面22aに、印刷工程によって形成されている。同様に、可動電極27a,27bと配線層28は、表側基材21の裏面21bに印刷工程で形成されている。
【0048】
キートップ15が押されると、メンブレン積層体20の動作部25において、弾性部材18の押圧凸部18aによって表側基材21の一部が押され、可動電極27a,27bが固定電極26に接触し、可動電極27a,27bどうしが導通してON入力となる。
【0049】
なお、可動電極と固定電極が、互いに抵抗値が相違する抵抗体で形成されており、キートップの押圧力を変化させると、可動電極と固定電極との接触面積が変化し、抵抗値が変化するものであってもよい。
【0050】
それぞれの押圧操作部10に設けられたキートップ15は、透光性の合成樹脂材料によって形成されている。図1にはキートップ15の断面形状が示されているが、キートップ15の前面15sには、白色の下地層の上に黒色または濃緑色などの表面層が形成されている。下地層と表面層は塗装やメッキなどで形成されている。
【0051】
図6に示すように、キートップ15の前面15sの一部に照光指示部31が設けられており、照光指示部31では、表面層の一部がレーザ加工などで除去されて文字や記号の表示部が形成されている。図6に示すように、それぞれのキートップ15ごとに、照光指示部31の形成位置およびその表示内容が相違している。
【0052】
図2に示すように、照光装置30を構成する導光層3は、その裏面3bの複数箇所に乱反射部35が形成されている。それぞれの乱反射部35は、複数のキートップ15に形成された照光指示部31の下側に対向している。
【0053】
図6に示す複数のキートップ15のひとつであるキートップ15aは、照光指示部31に文字および記号を示す3個の表示部が形成されている。そこで、その下に対向している乱反射部35は、図2に示すように、3つの円形領域36に区分されており、円形領域36が3個の表示部のそれぞれに対向している。
【0054】
図3に示すように、乱反射部35は、円形領域36の内側に複数の反射線37が平行に形成されている。それぞれの反射線37は、連続する直線であり、図4の断面図に示すように導光層3の裏面3bに凹状に形成されている。反射線37は、例えばレーザ加工などで形成される。なお、円形領域36とは複数の反射線37が収められる領域が円形であることを意味しているだけであり、円形領域36の輪郭に、凹部や凸部さらには印刷などが形成されているものではない。
【0055】
入力装置1の照明が必要なときは、光源8から導光層3の内部へ照明光が与えられる。導光層3の内部を伝搬する照明光は、乱反射部35の反射線37のそれぞれによって乱反射され、反射された光の一部が、導光層3の表面3aを透過して上方に放射される。導光層3を出た光は、支持板5の開口部7などを通過し、メンブレン積層体20を透過して、キートップ15の照光指示部31に与えられ、照光指示部31の文字や記号が明るく照らされる。
【0056】
なお、導光層3とキートップ15の間に、乱反射部35で乱反射されて上方に放射される光の範囲を照光指示部31の範囲に限定するための絞り穴を有する遮蔽シートなどが設けられていてもよい。
【0057】
導光層3の内部を伝搬する光の一部を乱反射部35の反射線37によって上方に向けて有効に乱反射させ、且つ導光層3内を伝搬する光の一部を乱反射部35の上で通過させるためには、導光層3の裏面3bからの反射線37の凹部の深さdが、導光層3の板厚tの1/3以下が好ましい。また、円形領域36内での反射線37のピッチは、0.2〜2mmの範囲であることが好ましい。
【0058】
図3には、2つの乱反射部35A,35Bを有する導光層3と、導光層3の側部に対向する1つの光源8とを有する照光装置30が示されている。
【0059】
乱反射部35A,35Bは、同じ面積の円形領域36A,36Bにそれぞれ反射線37A,37Bが設けられている。円形領域36Aに設けられた反射線37Aの数およびピッチと、円形領域36Bに設けられた反射線37Bの数およびピッチは同じである。
【0060】
光源8の中心から導光層3に向けて直線状に延びる放射線は無数存在するが、そのうちの乱反射部を通過する放射状の仮想線を光経路線として設定する。図3では、光源8の中心と乱反射部35Aの円形領域36Aの中心OAとを結ぶ放射状の仮想線が光経路線LAであり、光源8の中心と乱反射部35Bの円形領域36Bの中心OBとを結ぶ放射状の仮想線が光経路線LBである。
【0061】
同じ光源8から延びる複数の光経路線のうち、光経路線LAと反射線37Aとの交差角度θAと、光経路線LBと反射線37Bとの交差角度θBとが相違している。光経路線LAに対して反射線37Aが反時計回りに90度未満の交差角度θAで交差しており、光経路線LBに対して反射線37Bがほぼ90度の交差角度θBで交差している。本明細書では、光経路線と反射線との交差角度の最大値が90度であり、それ以外では、光経路線に対する反射線の時計回りの角度または反時計回りの角度が90度未満となる。
【0062】
図3に示す乱反射部35Bでは、光経路線LBと反射線37Bとの交差角度θBが最大の90度であるため、乱反射部35Bから上方に向けて反射される光量が比較的多くなり、乱反射部35Bの上方に対向するキートップ15の照光指示部31に比較的多くの光が与えられる。乱反射部35Aでは、光経路線LAと反射線37Aとの時計回り方向の交差角度θAが90度未満であるため、乱反射部35Aから上方に反射する光成分の他に斜め左上方へ反射する光成分が発生する。すなわち、乱反射部35Aは、その上方に対向するキートップ15の照光指示部31に光を与える機能を有するとともに、光源8から発せられる光の多くの成分を、光経路線LAの前方(光源8から離れる方向)に向けて通過させる機能を有している。
【0063】
図3に示すように、同じ光源8から延びて乱反射部の同じ位置を通過する光経路線を設定したときに、乱反射部ごとに、光経路線と反射線との交差角度を変化させることにより、その乱反射部で捉える光量とその乱反射部を通過させる光量とのバランスを調整することが可能となる。それぞれの乱反射部から複数の照光指示部31に与える光量を可変することが可能となるため、全ての照光指示部31の照光輝度の差をなるべく低減させて、複数の照光指示部31を均一な明るさで照らしやすくなる。あるいは、複数の照光指示部31のそれぞれに与える光量にあえて差をつけることも可能となる。例えば、照光する表示文字や記号の大きい照光指示部31に多くの光を与え、表示文字や記号が小さい照光指示部31に少ない光を与えることも可能になる。
【0064】
なお、乱反射部ごとに光経路線と反射線との交差角度を比較するためには、共通の光源から延びて複数の乱反射部のそれぞれの同じ点を通過する放射線を光経路線として設定して比較すればよく、必ずしも乱反射部35の中心Oを通過する放射線を光経路線として設定する必要はない。
【0065】
図5には、複数の乱反射部35が形成された導光層3と、この導光層3に対向する3個の光源8a,8b,8cを有する照光装置30が示されている。
【0066】
光源8aから延びる放射線のうち、乱反射部35aの中心Oaを通る放射線を光経路線La、乱反射部35bの中心Obを通る放射線を光経路線Lb、乱反射部35cの中心Ocを通る放射線を光経路線Lc、乱反射部35dの中心Odを通る放射線を光経路線Ld、乱反射部35eの中心Oeを通る放射線を光経路線Le、乱反射部35fの中心Ofを通る放射線を光経路線Lfと設定する。
【0067】
光経路線Laと乱反射部35aの反射線37aとの交差角度、光経路線Lbと乱反射部35bの反射線37bとの交差角度、および光経路線Lfと乱反射部35fの反射線37fとの交差角度はいずれも最大、すなわちほぼ90度である。
【0068】
光経路線Ldと乱反射部35dの反射線37dとの交差角度および光経路線Leと乱反射部35eの反射線37eとの交差角度は、90度未満であり、光経路線Ldに対する反射線37dの時計回り方向の交差角度と、光経路線Leに対する反射線37eの反時計回りの交差角度が互いに同じである。
【0069】
光経路線Lcと乱反射部35cの反射線37cとの交差角度は、前記のそれぞれの交差角度とは相違している。
【0070】
また、光経路線Leが通過する乱反射部35b,35e,35g,35hは、いずれも、光経路線Leと反射線37b,37e,37g,37hとの交差角度が同じである。これに対し、光経路線Lfが通過する乱反射部35f,35i,35j,35kでは、光経路線Lfと反射線37fとの交差角度と、光経路線Lfと反射線37i,37j,37kとの交差角度が互いに相違している。
【0071】
このように、同じ光源8aから延びる光経路線に対する反射線の対向角度が、それぞれの乱反射部ごとに相違している。また、同じ光経路線が通過する複数の乱反射部において光経路線と反射線との交差角度が相違している。その結果、それぞれの乱反射部において、反射線によって上向きに反射する光量と、その乱反射部を通過させる光量を調整することができる。
【0072】
次に、光源8bと乱反射部35cの中心Ocとを結ぶ仮想線を光経路線Lgとすると、乱反射部35cは、光源8aから延びる光経路線Lcと前記光経路線Lgの双方が交差する位置にある。乱反射部35cに形成された反射線37cは、一方の光源8aから延びる光経路線Lcとの交差角度が最大のほぼ90度となっており、他方の光源8bから延びる光経路線Lgとの交差角度が、光経路線Lcとの交差角度よりも小さく、交差角度がほぼ0度となっている。
【0073】
乱反射部35cは、光源8aと光源8bの双方からの光が重複する領域に位置しているが、この乱反射部35cに形成された反射線37cは、一方の光源8aから発せられる光を上方に向けて反射させやすく、他方の光源8bからの光に対しては乱反射する能力が低く、その光を光経路線Lgに沿う方向へ通過させやすい。そのため、2つの光源8a,8bからの光が重複する領域である乱反射部35cが必要以上に明るく照らされるのを防止しやすくなる。また、光経路線Lgに沿う光が乱反射部35cを通過しやすいため、光経路線Lgが延びる前方において、光源8bから離れた位置にある乱反射部に光を与えやすくなる。
【0074】
同様に、乱反射部35mは、その中心Omを、光源8bから延びる光経路線Lhと、光源8cから延びる光経路線Liの双方が通過している。そして、乱反射部35mに形成された反射線37mは、光経路線Liとの交差角度が大きく、光経路線Lhとの交差角度が小さくなっている。そのため、光源8bから発せられる光よりも光源8cから発せられる光の方が、乱反射部35mによって多く上向きに反射される。また、乱反射部35mは、光源8bから発せられる光の成分を多く通過させて、光経路線Lhに沿ってその前方へ送ることができる。すなわち、乱反射部35mを通過して光経路線Liに沿って前方へ伝搬する光量よりも、乱反射部35mを通過して光経路線Lhに沿って前方へ伝搬する光量の方が多くなる。
【0075】
図5に示すように、乱反射部35mの中心Omを通過した光経路線Liの進行方向の前方には、主に2箇所の乱反射部35jと35nが位置し、乱反射部35mの中心Omを通過した光経路線Lhの進行方向の前方には、主に3箇所の乱反射部35p,35q,35rが位置している。また、光経路線Liに沿う方向において乱反射部35mから最も離れた位置にある乱反射部35nと、光経路線Lhに沿う方向において乱反射部35mから最も離れた位置にある乱反射部35rとを比較すると、乱反射部35rが、乱反射部35mよりも中心Omから離れた位置にある。乱反射部35mは、光経路線Lhに沿う光を、光経路線Liに沿う光よりも多く通過させることができるため、光経路線Lh上に位置する多くの乱反射部35p,35q,35rに多く光を与えることができ、また乱反射部35mから離れた位置にある乱反射部35rに光を与えやすくなっている。
【0076】
乱反射部35mの反射線37mを、光経路線Liとの交差角度と、光経路線Lhとの交差角度とが互いに相違するように形成することで、乱反射部35mを通過する光の量を調整でき、乱反射部35mよりも進行方向の前方に位置し、また乱反射部35mよりも遠方に位置する乱反射部35rに光源8bからの光を与えやすくなる。
【0077】
図5に示すように、導光層3には、穴39(または切り欠き部)が設けられている。この穴39(または切り欠き部)は、導光層3およびその前後に重ねられている層を互いに固定するため、あるいは他の層の突起物を避けるために形成されている。
【0078】
光源8bから延びて穴39に至る光経路線Lj上に乱反射部35sが位置しており、この乱反射部35sに設けられた反射線37sと光経路線Ljとの交差角度がほぼ90度となっている。同様に、光源8cから穴39に至る光経路線Lk上に乱反射部35tが位置しており、乱反射部35tに形成された反射線37tと光経路線Lkとの交差角度がほぼ90度になっている。
【0079】
穴39が形成されていると、光源8b,8cからの光が穴39で遮られ、それよりも前方へ伝搬しにくい。そこで、乱反射部35s,35tでは、光源8b,8cから発せられて穴39に至る直前の光をなるべく上向きに反射させて照光指示部31の照光に使用できるようにし、光の無駄を低減させている。また穴39(または切り欠き部)の縁部に多くの光が当たると穴39(または切り欠き部)の縁部が必要以上に明るく照らされて、照光指示部31以外の場所に向けて光が反射されるおそれがある。しかし、穴39(または切り欠き部)の手前に位置する乱反射部35s,35tで多くの光を捉えることで、穴39(または切り欠き部)の縁部が光るのを抑制しやすく、縁部から反射される光量を低減しやすくなる。
【0080】
また、図5に示す導光層3では、その縁部に沿って位置する乱反射部35a,35h,35k,35n,35rなどに形成された反射線37のピッチが他の乱反射部よりも短くなっている。これによって、導光層3の縁部に至ろうとする光を乱反射部35a,35h,35k,35n,35rなどで多く捕らえやすくし、光源から離れた位置の乱反射部35a,35h,35k,35n,35rなどに対向する照光指示部31の照光輝度の低下を防止しやすくしている。また、導光層3の縁部が必要以上に明るく照らされるのを防止しやすくしている。
【0081】
図6は、キーボード装置である入力装置1の押圧操作部10の詳細な配列例を示し、図7は、押圧操作部10の真下に位置する照光装置30の構造を示している。
【0082】
図6に示すように、それぞれの押圧操作部10にキートップ15が設けられ、それぞれのキートップ15には、文字や記号などを表わす照光指示部31が設けられている。図7に示すように、照光装置30に導光層3が設けられ、導光層3の複数箇所に乱反射部135が設けられている。それぞれの乱反射部135は複数の円形領域36によって構成されている。図6に示すように、それぞれの円形領域36は、キートップ15に形成された照光指示部31の文字や記号の表示部に個別に対向している。
【0083】
図7には、導光層3の複数箇所に設けられた円形領域36が多数示されている。多数の円形領域36のうち説明に使用しているものに反射線37が記入され、説明に使用しない円形領域36は反射線37の記入が省略されている。ただし、実際は全ての円形領域36に反射線37が設けられている。また、図7に記載されている丸のうち十字の中心線が記入されているのは、全て導光層3を貫通して形成された穴39である。
【0084】
図7に示す照光装置30では、導光層3の側部に3個の光源8d,8e,8fが対向している。
【0085】
光源8dから延びる複数の放射線のうち、乱反射部135aを構成する複数の円形領域36のうちのひとつの中心を通る放射状の仮想線を光経路線L1と設定する。乱反射部135bを構成する複数の円形領域36のうちの2つの中心および乱反射部135cを構成する複数の円形領域36のうちの2つの中心を通る放射状の仮想線を光経路線L2と設定する。また、乱反射部135bを構成するひとつの円形領域36の中心を通過する放射線を光経路線L3とし、乱反射部135dを構成するひとつの円形領域36の中心を通過する放射線を光経路線L4と設定する。
【0086】
図7に示すように、光経路線L1,L2,L3,L4と、その上に位置する乱反射部135a,135b,135c,135dの反射線37との交差角度は、光経路線L1,L2,L3,L4ごとに相違し、乱反射部135a,135b,135c,135dごとに相違している。
【0087】
乱反射部135aと乱反射部135bとを比較すると、光経路線L1と乱反射部135aの反射線37との交差角度は、光経路線L2と乱反射部135bの反射線37との交差角度よりも大きい。乱反射部135aの交差角度がほぼ90度であり、乱反射部135bの交差角度がほぼ0度である。
【0088】
乱反射部135bよりも前方(光源8dから離れる方向)において、光経路線L2上に位置する乱反射部の数は、乱反射部135aよりも前方(光源8dから離れる方向)において、光経路線L1上に位置する乱反射部の数よりも多くなっている。また、乱反射部135bを通過して光経路線L2に沿って進む光が照光すべき領域の距離は、乱反射部135aを通過して光経路線L1に沿って進む光が照光すべき領域の距離よりも十分に広い。
【0089】
そのため、乱反射部135aでは、反射線37が光経路線L1とほぼ直交して、光経路線L1に沿って進む光をなるべく多く捉えるようにしている一方で、乱反射部135bでは、反射線37が光経路線L2とほぼ平行に配置されて、光源8dから発せられて光経路線L2に沿って進む光を遠方へ伝搬しやすくしている。
【0090】
光源8dから延びる光経路線L3の進行方向の前方に穴39aが存在している。光源8dと穴39aとの間に位置する乱反射部135b,135eのうち、穴39aに近い位置にある乱反射部135eの円形領域36に形成された反射線37と光経路線L3との交差角度が、光源8dに近い位置にある乱反射部135bの反射線37と光経路線L3との交差角度よりも大きくなっている。
【0091】
そのため、光源8dから発せられる光は、乱反射部135bを多くの成分が通過して、その前方に位置する乱反射部135eに伝搬されやすくなっている。そして、乱反射部135eでは、反射線37と光経路線L3との交差角度が90度の最大値に近く設定されているため、上向きに反射される光量が多くなり、穴29aに至る光量ができるだけ少なくなるように調整されている。
【0092】
図7に示す例においても、乱反射部135eが、光源8dからの光と光源8eからの光の双方が重複しやすい領域に配置されている。この乱反射部135eの反射線37は、光源8dから延びる光経路線L3との交差角度が大きく、光源8eから延びる光経路線L5との交差角度が小さくなっている。そのため、光源8eから発せられ、光経路線L5に沿って乱反射部135eを通過した光が、その前方に位置する他の乱反射部135fに至りやすいようになっている。
【0093】
また、光源8eから延びる光経路線L6は穴39bに至るが、その手前に位置する乱反射部135gの反射線37と光経路線L6とがほぼ直交することで、光が穴39bに至る前に乱反射部135gでなるべく多く捉えられやすくしている。
【0094】
図8は、乱反射部の変形例を示している。
図8(A)に示す乱反射部235aは円形領域の内部に、反射線37が、ピッチP1,P2,P3が段階的に変化するように形成されている。図8(B)に示す乱反射部235bは、円形領域の内部に形成された反射線137が、短い直線が間隔を空けて直線状に配列したものとなっている。短い直線の線方向の配列ピッチは0.2〜2mmである。図8(C)に示す乱反射部235cは、円形領域にドット状の凹部が間隔を空けて直線状に配列して反射線237が形成されている。
【0095】
なお、乱反射部において反射線が形成される領域は、円形領域に限られるものではなく、長円形の領域や、四角や三角などの領域であってもよい。また、反射線は、導光層3の裏面3bから突出する凸形状や、裏面3bを基準として凹部と凸部が混在した状態で形成されてもよい。
【0096】
本発明の入力装置は、前記実施の形態のようなキーボード装置に限られず、携帯用機器などの各種電子機器の操作装置、遠隔操作装置、自動車に搭載された操作装置であってもよい。これら操作装置では、押圧操作部にキートップが設けられるではなく、通常の押釦や、金属が反転して表側基材21を押圧するドーム型の押圧部が設けられる。
【符号の説明】
【0097】
1 入力装置
2 シャーシ
3 導光層
5 支持板
6a 第1の支持片
6b 第2の支持片
8 光源
10 押圧操作部
15 キートップ
16 第1の可動支持部材
17 第2の可動支持部材
18 弾性部材
20 メンブレン積層体
25 動作部
26 固定電極
27a,27b 可動電極
28 配線層
30 照光装置
31 照光指示部
35 乱反射部
36 円形領域
37 反射線
39 穴
L 光経路線
θ 交差角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの面に複数の乱反射部を有する導光層と、前記導光層の側部に対向して導光層の内部に光を与える光源とが設けられた照光装置において、
それぞれの乱反射部に、凹部または凸部が線状に連続しあるいは複数の凹部または凸部が線状に配列した反射線が設けられており、
光源から延びて乱反射部を通過する仮想線を光経路線としたときに、いずれかの乱反射部の反射線と光経路線との交差角度と、他の乱反射部の反射線と同じ光源から延びる他の光経路線との交差角度が互いに相違していることを特徴とする照光装置。
【請求項2】
ひとつの光経路線が複数の乱反射部を通過しており、前記光経路線と反射線との交差角度が、乱反射部ごとに相違している請求項1記載の照光装置。
【請求項3】
第1の乱反射部を通過した光経路線の進行方向前方に位置する他の乱反射部の数と、第2の乱反射部を通過した光経路線の進行方向前方に位置する他の乱反射部の数とが相違しており、
第1の乱反射部と第2の乱反射部のうち、進行方向前方に位置する他の乱反射部の数が多い乱反射部に設けられた反射線と光経路線との交差角度が、進行方向前方に位置する他の乱反射部の数が少ない乱反射部に設けられた反射線と光経路線との交差角度よりも小さい請求項1または2記載の照光装置。
【請求項4】
前記導光層に対向する複数の光源が設けられ、第1の光源から延びる第1の光経路線と第2の光源から延びる第2の光経路線の双方が通過する位置に乱反射部が設けられており、この乱反射部に設けられた反射線は、第1の光経路線との交差角度と、第2の光経路線との交差角度とが互いに相違している請求項1ないし3のいずれかに記載の照光装置。
【請求項5】
乱反射部を通過した第1の光経路線の進行方向前方に位置する他の乱反射部の数と、同じ乱反射部を通過した第2の光経路線の進行方向前方に位置する他の乱反射部の数とが相違しており、
第1の光経路線と第2の光経路線のうち、進行方向前方に位置する他の乱反射部の数が多い光経路線と前記乱反射部に設けられた反射線との交差角度が、進行方向前方に位置する他の乱反射部の数が少ない光経路線と前記乱反射部に設けられた反射線との交差角度よりも小さい請求項4記載の照光装置。
【請求項6】
導光層に穴または切り欠き部が形成されており、光源と前記穴または切り欠き部との間に位置する少なくとも1つの乱反射部の反射線が、光経路線とほぼ直交している請求項1ないし5のいずれかに記載の照光装置。
【請求項7】
導光層に穴または切り欠き部が形成されており、光源から延びて前記穴または切り欠き部を通過する光経路線上に位置する複数の乱反射部のうち、前記穴または切り欠き部に近い位置にある乱反射部の反射線と光経路線との交差角度が、前記穴または切り欠き部から離れた位置にある乱反射部の反射線と光経路線との交差角度よりも大きい請求項1ないし6のいずれかに記載の照光装置。
【請求項8】
照光指示部を有する複数の操作部と、操作部が表側から操作されたときに電気信号を変化させる動作部と、前記操作部の裏側に設けられた請求項1ないし7のいずれかに記載の照光装置とを有しており、乱反射部で反射された光が前記照光指示部に与えられることを特徴とする入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−190748(P2012−190748A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−55334(P2011−55334)
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】