照度計算システム、および、照度計算方法
【課題】照明設計のための照度計算システムにおいて、平均照度を求めるときに、入力ミス、測定ミスを排除し、作業を効率的におこなうことができるようにする。
【解決手段】CADプログラムにより、照度マップ図とそれに対応する照度マップ図データを作成し、CADデータベースに保存しておき、その照度マップ図データを、照度計算データベースにインポートする。そして、照度計算プログラムを実行することにより、照度計算の対象となる照度マップ図データの部屋の間口、奥行に基づき、室指数を演算する。次に、演算された室指数に基づき、照明器具の型式に対応する照明率を求め、照明器具に関するデータと照明率に基づき、照度計算の対象となる部屋の計算照度を求める。
【解決手段】CADプログラムにより、照度マップ図とそれに対応する照度マップ図データを作成し、CADデータベースに保存しておき、その照度マップ図データを、照度計算データベースにインポートする。そして、照度計算プログラムを実行することにより、照度計算の対象となる照度マップ図データの部屋の間口、奥行に基づき、室指数を演算する。次に、演算された室指数に基づき、照明器具の型式に対応する照明率を求め、照明器具に関するデータと照明率に基づき、照度計算の対象となる部屋の計算照度を求める。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照度計算システム、および、照度計算方法に係り、特に、原子力プラントのような建屋の構造が複雑であり、そのために照度計算が複雑な建物に用いて好適な照度計算システム、および、照度計算方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明設計のためにコンピュータなどの情報処理機器により、照度計算をおこなうシステムが知られている。例えば、特許文献1には、建物内の床面積、目標照度、および照明器具の全光束に基づいて、照明器具の台数と照明器具の配置を決定し、建物の天井面、床面、および壁面での照度を算出するシステムが開示されている。
【0003】
一方、室内照度を求めるために、照明率という概念により、平均照度を求める手法が広く知られている。照明率は、通常、照明器具メーカから提供される照明率表というテーブルにより、室指数、天井、壁、床での各々の反射率をパラメータとして求める。
【0004】
このとき、室指数Krは、以下の(式1)で求められる。
【0005】
Kr=(XY)/(X+Y)H … (式1)
ここで、Xは、室の間口、Yは、室の奥行、Hは、作業面から光源までの高さである。
【0006】
このようにして、室内照度を求める手法は、例えば、非特許文献1に記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−9475号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】「電気工学ハンドブック第6版」、電気学会編、2001年2月、p.1913〜1916
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のように、平均照度を求めるためには、各建物内の部屋の間口と、奥行が必要である。
以下、図16を用いて従来技術による間口と奥行の求め方について説明する。
図16は、従来技術による照度マップ図から部屋の間口と奥行を求める過程を説明する図である。
【0010】
図16(a)に示される照度マップ図の建屋の部屋についての間口と奥行を求める場合について考える。照度マップ図は、照明設計の対象となる建屋の図に、必要な照度を書き込んだ図である。この場合は、照度のデータを持っている必要はなく、建屋の図面として利用する。
【0011】
対象となる部屋は、複雑な六角形形状をしているが、図16(b)に示されるように、これを二つの長方形Ra,Rbに分割し、長方形Raの面積をSa、長方形Rbの面積をSbとする。面積Sa,Sbを求めるときには、照度マップ図に定規を当てて、長方形の各辺(Xa,Ya),(Xb,Yb)を測定する。そして、以下の(式2)、(式3)により、それぞれの面積を求める。
【0012】
Sa=Xa×Ya … (式2)
Sb=Xb×Yb … (式3)
部屋の面積Sは、Sa+Sbとなる。そこで、部屋の間口Xを定規で採寸し、図16(c)に示されるように、以下の(式4)により、奥行Yを求める。
【0013】
Y=S/X … (式4)
ここで、間口は、部屋の長辺にあたる部分にしている。部屋の形状が複雑になったときには、間口をどのようにとるかは、照明設計者のノウハウによる所が大きい。
【0014】
ところが、原子力発電所の建屋は、オフィスなどとは異なり、多くの小部屋に仕切られており、かつ、それらの小部屋の形状は複雑である。そのような場合に、上述のように面積、間口を、照度マップ図に定規を当てて採寸するという手作業をおこなっていたのでは、手間が非常に煩雑になり、入力ミス、測定ミスが発生するという問題点があった。
【0015】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、その目的は、照明設計のための照度計算システムにおいて、平均照度を求めるときに、入力ミス、測定ミスを排除し、作業を効率的におこなうことができる照度計算システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の照度計算システムでは、CADプログラムにより、CADデータベース中に、照度マップ図とそれに対応する照度マップ図データを作成し、CADデータベースに保存しておく。
【0017】
次に、照度計算プログラムのインポートモジュールを実行することにより、照度マップ図データを照度データベースにインポートする。
【0018】
そして、照度計算プログラムを実行することにより、照度計算の対象となる照度マップ図データの部屋の間口、奥行に基づき、室指数を演算する。
【0019】
次に、演算された室指数に基づき、照明器具の型式に対応する照明率を求め、照明器具に関するデータと照明率に基づき、照度計算の対象となる部屋の計算照度を求める。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、照明設計のための照度計算システムにおいて、平均照度を求めるときに、入力ミス、測定ミスを排除し、作業を効率的におこなうことができる照度計算システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係る照度計算システムの構成図である。
【図2】CADプログラム、CADデータベースと照度計算プログラム、照度計算データベースの関係を説明する図である。
【図3】照度マップ図の一例を示す図である。
【図4】各室の照度を求める処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態による照度マップ図から部屋の間口と奥行を求める過程を説明する図である。
【図6】照度計算システムのメイン画面を示す図である。
【図7】照度マップ図データインポートダイアローグを示す図である。
【図8】照度計算編集画面を示す図である。
【図9】照明率編集画面を示す図である。
【図10】建屋編集画面を示す図である。
【図11】フロア編集画面を示す図である。
【図12】設定値編集画面を示す図である。
【図13】光束値編集画面を示す図である。
【図14】照度計算書表示画面を示す図である。
【図15】省エネ計算書表示画面を示す図である。
【図16】従来技術による照度マップ図から部屋の間口と奥行を求める過程を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態を、図1ないし図15を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る照度計算システムの構成図である。
図2は、CADプログラム、CADデータベースと照度計算プログラム、照度計算データベースの関係を説明する図である。
【0023】
本実施形態に係る照度計算システムは、図1に示されるように、パーソナルコンピュータ100上に照度計算プログラム200と、CADプログラム220をインストールして実行する形態である。なお、本実施形態では、一台のパーソナルコンピュータで、照度計算プログラム200、CADプログラム220が実行されることとしたが、別々のパーソナルコンピュータで実行される形態であってもよい。
【0024】
また、本実施形態で採り上げる例としては、原子力発電所の建屋における各部屋の照度計算をする場合とする。
【0025】
パーソナルコンピュータ100は、CPU(Central Processing Unit)101、メモリ102、ネットワークI/F103、グラフィックI/F104、入出力I/F105、補助記憶装置I/F106が、バスにより結合された形態になっている。
【0026】
CPU101は、パーソナルコンピュータ100の各部を制御し、メモリ102に照度計算プログラム200とCADプログラム220をロードして実行する。
【0027】
メモリ102は、いわゆる主記憶装置であり、通常、RAMなどの揮発メモリで構成され、CPU101が実行する照度計算プログラム200とCADプログラム220、参照するデータが記憶される。
【0028】
ネットワークI/F103は、外部ネットワーク50と接続するためのインタフェースである。
【0029】
グラフィックI/F104は、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置20を接続するためのインタフェースである。
【0030】
入出力I/F105は、入出力装置を接続するためのインタフェースである。図1の例では、キーボード31とポインティングデバイスのマウス32が接続されている。
【0031】
補助記憶装置I/F106は、HDD(Hard Disk Drive)41やDVDドライブ(Digital Versatile Disk)42などの補助記憶装置を接続するためのインタフェースである。
【0032】
HDD41は、大容量の記憶容量を有しており、本実施形態を実行するための照度計算プログラム200とCADプログラム220と、照度計算データベース210とCADデータベース230が格納されている。
【0033】
DVDドライブ42は、DVDやCDなどの光学ディスクにデータを書き込んだり、光学ディスクからデータを読み込んだりする装置である。
【0034】
照度計算プログラム200は、図2に示されるように、照度計算モジュール201、省エネ計算モジュール202、インポートモジュール203からなる。
【0035】
照度計算モジュール201は、照明を設置する各部屋での照度を計算するモジュールである。
【0036】
省エネ計算モジュール202は、特に、省エネルギーの照明情報計算するモジュールである。
【0037】
インポートモジュール203は、照度マップ図データ232を、照度計算プログラム200が利用できるように、インポートデータ214として取り込むモジュールである。
【0038】
照度計算データベース210は、照度計算プログラム200が参照するテーブルからなるデータベースであり、建屋データ211、器具光束値データ212、器具照明率データ213、インポートデータ214からなる。
【0039】
建屋データ211は、照度を設置する建屋に関するデータである。
【0040】
器具光束値データ212は、照明器具の光束などの照明器具の仕様に関するデータである。
【0041】
器具照明率データ213は、室指数と各々の器具の照明率の対応を示すデータである。
【0042】
インポートデータ214は、インポートモジュール203により、CADマップ図データから取り込んだデータである。
【0043】
CADプログラム220は、CADデータベース230を参照し、プラントの建屋の設計をおこなうプログラムである。
【0044】
CADデータベース230には、CADデータ231、照度マップ図データ232が含まれる。
【0045】
CADデータ231は、コンピュータ上で設計をおこなうための元になるデータである。照度マップ図データ232は、各々の照度マップ図に付随するデータである。
【0046】
本実施形態では、図2に示されるように、CADデータベース230の照度マップ図データ232を、照度計算データベース210上のインポートデータ214として取り込むものである。
【0047】
次に、図3ないし図5を用いて照度マップ図と、それに関連するデータの算出手順について説明する。
図3は、照度マップ図の一例を示す図である。
【0048】
照度マップ図240は、図3に示されるように、室番号、部屋の形状、入室口、照明設備の配置が分かるようにした図である。この照度マップ図240には、付随データとして、照度マップ図データ232が含まれている。
【0049】
照度マップ図データ232は、室番号、室名称、面積、間口、奥行、設計照度が含まれている。室番号は、部屋につけられた番号であり、室名称は、部屋につけられた名称である。本実施形態では、室番号は、「2」とし、室名称は、「非常用DG」であるとする。
【0050】
面積は、CADプログラムの面積算出機能により求められる各々の部屋の面積である。
【0051】
間口は、ユーザが指定して、CADプログラムの距離算出機能により求められる部屋の一辺を示す距離である。通常は、扉または出入り口のある辺を指定する。
【0052】
奥行は、上述の(式4)で求められるように、面積を間口で割ったものであり、通常は、部屋の短辺になる。
【0053】
本実施形態では、間口が「2.1m」、奥行が「6.3m」、面積が「13.2m2」になるものとする。
【0054】
設計照度は、その部屋で求められる照度である。通常、原子力発電設備には、複数の照度が設定されるようにしている。本実施形態は三種類の照度が定義されることとし、「全般」と記すのは、交流電源で動作する照明器具の照度とし、「常・非」と記すのは、交流電源で動作する照明器具の内で、常時点灯していて、交流電源喪失時に設備内のディーゼル発電機などの非常電源で動作する照明器具の照度とし、「直流」と記すのは、直流電源で動作する照明器具の照度とする。
【0055】
次に、図4および図5を用いてCADプログラムを利用して計算照度を求める手順について説明する。
図4は、各室の照度を求める処理を示すフローチャートである。
図5は、本発明の一実施形態による照度マップ図から部屋の間口と奥行を求める過程を説明する図である。
【0056】
先ず、CADプログラム220により、照度マップ図を作成する(S01)。
【0057】
そして、各部屋ごとに、室番号、室名称、設計照度を入力する(S02)。
【0058】
次に、図5(a)に示されるように、面積を算出する。先ず、ユーザは、対象となる部屋の内壁を区画して、その後、各部屋ごとにCADプログラム220の面積算出機能を利用して、各部屋ごとに面積を求める(S03)。
【0059】
次に、図5(b)に示されるように、間口を指定し、CADプログラム220の距離算出機能により間口を求める(S04)。また、奥行は、(式4)で示したように、S02で求めた面積を間口で割ることにより求められる。
【0060】
次に、照度計算プログラム200のインポートモジュール203により、照度マップ図データ232をインポートする(S05)。
【0061】
次に、対象となっている部屋の室指数を算出する(S06)。室指数は、奥行、間口が分かっているときには、(式1)で求められる。
【0062】
次に、ユーザは、照明器具の形式、灯数を入力する(S07)。ここで、灯数は、三種類の照明器具の種類ごとに入力するものとする。これらは、後に説明する照度計算編集画面より入力する。
【0063】
次に、照度計算プログラム200は、入力された照明器具の形式と室指数に基づき照明率を求める(S08)。
【0064】
次に、照度計算プログラム200は、光束法に基づき計算照度を算出する(S09)。光束法による計算照度Eは、以下の(式5)で求められる(非特許文献1参照)。
【0065】
E=(F・U・D・N)/A …(式5)
ここで、F:ランプの光束、U:器具の照明率、D:保守率、N:灯数、A:部屋の面積である。F:ランプの光束は、1灯あたりの定格光束である。U:器具の照明率は、ステップS08で、照明器具の形式と室指数により求められた照明率である。M:保守率は、設計の対象となっている作業面での計算照度が、ある一定の期間で器具を使用した後でも維持できるように見込むための率である。この値は、ランプの種類、照明器具の構造、使用環境のほかに、ランプ交換やランプと照明器具の構造によっても違ってくる。この保守率は、部屋ごとに設定可能とする。N:灯数は、ランプの灯数であるから、照明器具の台数×器具の1台あたりの灯数に等しくなる。A:部屋の面積は、間口×奥行で表される各部屋の面積である。
【0066】
次に、ユーザは、ステップS09で算出された計算照度を評価する(S10)。部屋ごとに、望ましい設計照度が取り込まれているので、それが評価の基準とすることができる。
【0067】
ユーザが計算照度を評価して、OKだったときには、照度計算書を出力する(S11)。
【0068】
ユーザが計算照度を評価して、NGだったときには、ステップS07に戻り、照明器具の形式、灯数を再入力する。
【0069】
次に、図6ないし図15を用いて本発明の一実施形態に係る照度計算システムのユーザインタフェースについて説明する。
図6は、照度計算システムのメイン画面を示す図である。
図7は、照度マップ図データインポートダイアローグを示す図である。
図8は、照度計算編集画面を示す図である。
図9は、照明率編集画面を示す図である。
図10は、建屋編集画面を示す図である。
図11は、フロア編集画面を示す図である。
図12は、設定値編集画面を示す図である。
図13は、光束値編集画面を示す図である。
図14は、照度計算書表示画面を示す図である。
図15は、省エネ計算書表示画面を示す図である。
【0070】
照度計算システムのメイン画面300は、建屋と対象となる階数を指定し、各機能を選択する画面である。
【0071】
建屋入力メニュー301は、原子力プラントの中の建屋を指定する。図6の例では、CBは、コントロール建屋を意味する。
【0072】
階数メニュー302は、建屋の中の階数を指定する。図6の例では、1F(T.P.12300)が指定されている。ここで、T.P.12300は、地表高さである。
【0073】
照度計算編集ボタン303は、照度計算編集画面を呼びだすボタンである。
【0074】
建屋編集ボタン304は、建屋編集画面を呼びだすボタンである。
【0075】
フロア編集ボタン305は、フロア編集画面を呼びだすボタンである。
【0076】
設定値編集ボタン306は、設定値編集画面を呼びだすボタンである。
【0077】
光束値編集ボタン307は、光束値編集画面を呼びだすボタンである。
【0078】
照明率編集ボタン308は、照明率編集画面を呼びだすボタンである。
【0079】
照度計算書ボタン310は、照度計算書表示画面を表示するボタンである。
【0080】
省エネ計算書ボタン311は、省エネ計算書表示画面を表示するボタンである。
【0081】
インポートボタン320は、照度マップ図データインポートダイアローグ400を呼びだすボタンである。
【0082】
照度マップ図データインポートダイアローグ400は、照度マップ図データを取り込むために、ファイル名を指定するダイアローグであり、図7に示されるように、建屋と階数に対応する照度マップ図データのファイル名を指定する。本実施形態では、ファイル名の生成規則としては、建屋と階数の入力した文字列を連結した「CB1F(T.P.12300)」となっている。
【0083】
照度計算編集画面500は、照度計算のために取り込んだ値を表示し、必要な値を入力する画面である。
【0084】
照度計算編集画面500は、図8に示されるように、メイン情報表示エリア510、室情報表示エリア520、付随情報入力エリア530、器具情報表示入力エリア540、結果表示エリア550からなる。
【0085】
メイン情報表示エリア510には、メイン画面より引き継いだ建屋、階数などの情報が表示される。
【0086】
室情報表示エリア520には、CADマップ図データから取り込んだインポートデータが表示される。図8の例では、室番号:「2」、室名称:「非常用DG」、設計照度(全般、常・非、直流):「200、10、1」、間口:「2.1」、奥行:「6.3」が表示されている。面積は、間口×奥行で求められて、面積:「13.2」が表示されている。
【0087】
付随情報入力エリア530には、照度計算、省エネ計算のために必要なデータを入力することができる。図8の例では、工事エリア:「a3」、保守率:「0.6」、カテゴリ:「4」、年間照明点灯時間:4500、制御補正係数:1.0、種類補正係数:1.0、照度補正係数:1.0が入力されている。
【0088】
この内で、保守率は、照度計算のために用いられ、カテゴリ〜照度補正係数は、省エネ計算のために用いられる。
【0089】
器具情報表示入力エリア540には、照明器具ごとの入力される情報と算出される値が表示される。
【0090】
図8の例では、型式:「C1」、高さ:「3.00」、室指数:「0.53」、全光束:「3520」、照明率:「0.30」、最小灯数(全般、常・非、直流):「5、1、1」、灯数(全般、常・非、直流):「5、1、0」、計算照度(全般、常・非、直流):「239.4、47.8、0.0」が表示されている。
【0091】
型式は、照明器具の型式を表すコードである。高さは、照明器具を設置する高さであり、室指数を求めるときに用いられる。全光束は、照明器具の光束量である。照明率は、この型式の照明器具の照明率であり、室指数から求められる。最小灯数は、全般、常・非、直流の各照明種類ごとに、この型式の照明器具が室情報表示エリア520に表示されている設計照度を満たすための最小の照明器具の灯数である。灯数は、全般、常・非、直流の各照明種類ごとに、ユーザが入力した灯数である。計算照度は、全般、常・非、直流の各照明種類ごとに、ユーザが入力した灯数により、(式5)に基づいて求められる計算照度である。
【0092】
結果表示エリア550は、ユーザが入力した灯数と計算した計算照度を結果として表示するエリアであり、計算照度が室情報表示エリア520に表示されている設計照度を満たないときには、例えば、赤色で文字を表示しユーザの警告とする。
【0093】
メイン情報表示エリア510、室情報表示エリア520、付随情報入力エリア530、器具情報表示入力エリア540、結果表示エリア550は、あわせて、1ページとなり、異なるページに移動するときに、画面下段の前ページ移動ボタン561、次ページ移動ボタン563をクリックする。ページ番号は、ページ番号表示エリア562に表示される。
【0094】
照明率編集画面600は、照明器具の型式ごとに各室指数に対する照明率を示した画面であり、図9に示すように、照明器具の型式表示エリア601、室指数入力エリア602、室指数入力エリア602に対応する照明率入力エリア603からなる。
【0095】
照明率編集画面600は、照明器具の型式ごとに表示され、画面下段のレコード移動ボタンにより、表示する照明器具の型式を切り換えることができる。室指数は、最小値(min)から最大値(max)のレンジで指定される。
【0096】
照度計算データベース210の中の器具照明率データ213の中に、この照明率編集画面600を反映した室指数と照明率の対応テーブルが、各照明器具の型式ごとに作られる。
【0097】
建屋編集画面700は、図10に示されるように、建屋のコードと名称を対応付けて編集する画面である。照度計算データベース210の中の建屋データ211の中に、この建屋編集画面700を反映したテーブルが作られる。
【0098】
フロア編集画面800は、図11に示されるように、建屋のコードと各階の構成を対応付けて編集する画面である。照度計算データベース210の中の建屋データ211の中に、このフロア編集画面800を反映したテーブルが作られる。
【0099】
設定値編集画面900は、図12に示されるように、各種の設定値を入力する画面である。図2には特に図示しなかったが、照度計算データベース210の中に、この設定値編集画面900を反映したテーブルが作られる。
【0100】
光束値編集画面1000は、図13に示されるように、各照明器具の型式ごとに、器具の仕様を対応付けて編集する画面である。
【0101】
照度計算データベース210の中の器具光束値データ212の中に、この光束値編集画面1000を反映したテーブルが作られる。
【0102】
照度計算書表示画面1100は、図14に示されるように、各部屋ごとに照度計算の結果を詳細に表示する画面である。
【0103】
省エネ計算書表示画面1200は、図15に示されるように、各部屋ごとに計算された省エネルギーの指標と成る照明エネルギー消費係数(CEC/L,Coefficient of Energy Consumption for Lighting)を表示し、省エネルギーの度合いを評価する省エネ計算書を表示する画面である。
【0104】
照明エネルギー消費係数CEC/Lは、以下の(式6)で与えられる。
【0105】
CEC/L=(ΣWT×A×T×FT)/(ΣWS×A×T×Q1×Q2) …(式6)
ここで、WT:照明消費電力[W/m2]、WS:標準照明消費電力[W/m2]、A:室面積[m2]、T:年間照明点灯時間[h/年]、FT:照明設備の制御補正係数、Q1:照明設備の種類補正係数、Q2:照明設備の照度補正係数である。
【0106】
また、Σは、部屋の中で使用されている各照明器具ごとに各項を計算して、総和をとることを意味している。
【符号の説明】
【0107】
100…パーソナルコンピュータ、101…CPU(Central Processing Unit)、102…メモリ、103…ネットワークI/F、104…グラフィックI/F、105…入出力I/F、106…補助記憶装置I/F、
31…キーボード、32…マウス、41…HDD(Hard Disk Drive)、42…DVDドライブ(Digital Versatile Disk)、50…外部ネットワーク、
200…照度計算プログラム、210…照度計算データベース、220…CADプログラ ム、230…CADデータベース。
【技術分野】
【0001】
本発明は、照度計算システム、および、照度計算方法に係り、特に、原子力プラントのような建屋の構造が複雑であり、そのために照度計算が複雑な建物に用いて好適な照度計算システム、および、照度計算方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明設計のためにコンピュータなどの情報処理機器により、照度計算をおこなうシステムが知られている。例えば、特許文献1には、建物内の床面積、目標照度、および照明器具の全光束に基づいて、照明器具の台数と照明器具の配置を決定し、建物の天井面、床面、および壁面での照度を算出するシステムが開示されている。
【0003】
一方、室内照度を求めるために、照明率という概念により、平均照度を求める手法が広く知られている。照明率は、通常、照明器具メーカから提供される照明率表というテーブルにより、室指数、天井、壁、床での各々の反射率をパラメータとして求める。
【0004】
このとき、室指数Krは、以下の(式1)で求められる。
【0005】
Kr=(XY)/(X+Y)H … (式1)
ここで、Xは、室の間口、Yは、室の奥行、Hは、作業面から光源までの高さである。
【0006】
このようにして、室内照度を求める手法は、例えば、非特許文献1に記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−9475号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】「電気工学ハンドブック第6版」、電気学会編、2001年2月、p.1913〜1916
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のように、平均照度を求めるためには、各建物内の部屋の間口と、奥行が必要である。
以下、図16を用いて従来技術による間口と奥行の求め方について説明する。
図16は、従来技術による照度マップ図から部屋の間口と奥行を求める過程を説明する図である。
【0010】
図16(a)に示される照度マップ図の建屋の部屋についての間口と奥行を求める場合について考える。照度マップ図は、照明設計の対象となる建屋の図に、必要な照度を書き込んだ図である。この場合は、照度のデータを持っている必要はなく、建屋の図面として利用する。
【0011】
対象となる部屋は、複雑な六角形形状をしているが、図16(b)に示されるように、これを二つの長方形Ra,Rbに分割し、長方形Raの面積をSa、長方形Rbの面積をSbとする。面積Sa,Sbを求めるときには、照度マップ図に定規を当てて、長方形の各辺(Xa,Ya),(Xb,Yb)を測定する。そして、以下の(式2)、(式3)により、それぞれの面積を求める。
【0012】
Sa=Xa×Ya … (式2)
Sb=Xb×Yb … (式3)
部屋の面積Sは、Sa+Sbとなる。そこで、部屋の間口Xを定規で採寸し、図16(c)に示されるように、以下の(式4)により、奥行Yを求める。
【0013】
Y=S/X … (式4)
ここで、間口は、部屋の長辺にあたる部分にしている。部屋の形状が複雑になったときには、間口をどのようにとるかは、照明設計者のノウハウによる所が大きい。
【0014】
ところが、原子力発電所の建屋は、オフィスなどとは異なり、多くの小部屋に仕切られており、かつ、それらの小部屋の形状は複雑である。そのような場合に、上述のように面積、間口を、照度マップ図に定規を当てて採寸するという手作業をおこなっていたのでは、手間が非常に煩雑になり、入力ミス、測定ミスが発生するという問題点があった。
【0015】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、その目的は、照明設計のための照度計算システムにおいて、平均照度を求めるときに、入力ミス、測定ミスを排除し、作業を効率的におこなうことができる照度計算システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の照度計算システムでは、CADプログラムにより、CADデータベース中に、照度マップ図とそれに対応する照度マップ図データを作成し、CADデータベースに保存しておく。
【0017】
次に、照度計算プログラムのインポートモジュールを実行することにより、照度マップ図データを照度データベースにインポートする。
【0018】
そして、照度計算プログラムを実行することにより、照度計算の対象となる照度マップ図データの部屋の間口、奥行に基づき、室指数を演算する。
【0019】
次に、演算された室指数に基づき、照明器具の型式に対応する照明率を求め、照明器具に関するデータと照明率に基づき、照度計算の対象となる部屋の計算照度を求める。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、照明設計のための照度計算システムにおいて、平均照度を求めるときに、入力ミス、測定ミスを排除し、作業を効率的におこなうことができる照度計算システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係る照度計算システムの構成図である。
【図2】CADプログラム、CADデータベースと照度計算プログラム、照度計算データベースの関係を説明する図である。
【図3】照度マップ図の一例を示す図である。
【図4】各室の照度を求める処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態による照度マップ図から部屋の間口と奥行を求める過程を説明する図である。
【図6】照度計算システムのメイン画面を示す図である。
【図7】照度マップ図データインポートダイアローグを示す図である。
【図8】照度計算編集画面を示す図である。
【図9】照明率編集画面を示す図である。
【図10】建屋編集画面を示す図である。
【図11】フロア編集画面を示す図である。
【図12】設定値編集画面を示す図である。
【図13】光束値編集画面を示す図である。
【図14】照度計算書表示画面を示す図である。
【図15】省エネ計算書表示画面を示す図である。
【図16】従来技術による照度マップ図から部屋の間口と奥行を求める過程を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態を、図1ないし図15を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る照度計算システムの構成図である。
図2は、CADプログラム、CADデータベースと照度計算プログラム、照度計算データベースの関係を説明する図である。
【0023】
本実施形態に係る照度計算システムは、図1に示されるように、パーソナルコンピュータ100上に照度計算プログラム200と、CADプログラム220をインストールして実行する形態である。なお、本実施形態では、一台のパーソナルコンピュータで、照度計算プログラム200、CADプログラム220が実行されることとしたが、別々のパーソナルコンピュータで実行される形態であってもよい。
【0024】
また、本実施形態で採り上げる例としては、原子力発電所の建屋における各部屋の照度計算をする場合とする。
【0025】
パーソナルコンピュータ100は、CPU(Central Processing Unit)101、メモリ102、ネットワークI/F103、グラフィックI/F104、入出力I/F105、補助記憶装置I/F106が、バスにより結合された形態になっている。
【0026】
CPU101は、パーソナルコンピュータ100の各部を制御し、メモリ102に照度計算プログラム200とCADプログラム220をロードして実行する。
【0027】
メモリ102は、いわゆる主記憶装置であり、通常、RAMなどの揮発メモリで構成され、CPU101が実行する照度計算プログラム200とCADプログラム220、参照するデータが記憶される。
【0028】
ネットワークI/F103は、外部ネットワーク50と接続するためのインタフェースである。
【0029】
グラフィックI/F104は、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置20を接続するためのインタフェースである。
【0030】
入出力I/F105は、入出力装置を接続するためのインタフェースである。図1の例では、キーボード31とポインティングデバイスのマウス32が接続されている。
【0031】
補助記憶装置I/F106は、HDD(Hard Disk Drive)41やDVDドライブ(Digital Versatile Disk)42などの補助記憶装置を接続するためのインタフェースである。
【0032】
HDD41は、大容量の記憶容量を有しており、本実施形態を実行するための照度計算プログラム200とCADプログラム220と、照度計算データベース210とCADデータベース230が格納されている。
【0033】
DVDドライブ42は、DVDやCDなどの光学ディスクにデータを書き込んだり、光学ディスクからデータを読み込んだりする装置である。
【0034】
照度計算プログラム200は、図2に示されるように、照度計算モジュール201、省エネ計算モジュール202、インポートモジュール203からなる。
【0035】
照度計算モジュール201は、照明を設置する各部屋での照度を計算するモジュールである。
【0036】
省エネ計算モジュール202は、特に、省エネルギーの照明情報計算するモジュールである。
【0037】
インポートモジュール203は、照度マップ図データ232を、照度計算プログラム200が利用できるように、インポートデータ214として取り込むモジュールである。
【0038】
照度計算データベース210は、照度計算プログラム200が参照するテーブルからなるデータベースであり、建屋データ211、器具光束値データ212、器具照明率データ213、インポートデータ214からなる。
【0039】
建屋データ211は、照度を設置する建屋に関するデータである。
【0040】
器具光束値データ212は、照明器具の光束などの照明器具の仕様に関するデータである。
【0041】
器具照明率データ213は、室指数と各々の器具の照明率の対応を示すデータである。
【0042】
インポートデータ214は、インポートモジュール203により、CADマップ図データから取り込んだデータである。
【0043】
CADプログラム220は、CADデータベース230を参照し、プラントの建屋の設計をおこなうプログラムである。
【0044】
CADデータベース230には、CADデータ231、照度マップ図データ232が含まれる。
【0045】
CADデータ231は、コンピュータ上で設計をおこなうための元になるデータである。照度マップ図データ232は、各々の照度マップ図に付随するデータである。
【0046】
本実施形態では、図2に示されるように、CADデータベース230の照度マップ図データ232を、照度計算データベース210上のインポートデータ214として取り込むものである。
【0047】
次に、図3ないし図5を用いて照度マップ図と、それに関連するデータの算出手順について説明する。
図3は、照度マップ図の一例を示す図である。
【0048】
照度マップ図240は、図3に示されるように、室番号、部屋の形状、入室口、照明設備の配置が分かるようにした図である。この照度マップ図240には、付随データとして、照度マップ図データ232が含まれている。
【0049】
照度マップ図データ232は、室番号、室名称、面積、間口、奥行、設計照度が含まれている。室番号は、部屋につけられた番号であり、室名称は、部屋につけられた名称である。本実施形態では、室番号は、「2」とし、室名称は、「非常用DG」であるとする。
【0050】
面積は、CADプログラムの面積算出機能により求められる各々の部屋の面積である。
【0051】
間口は、ユーザが指定して、CADプログラムの距離算出機能により求められる部屋の一辺を示す距離である。通常は、扉または出入り口のある辺を指定する。
【0052】
奥行は、上述の(式4)で求められるように、面積を間口で割ったものであり、通常は、部屋の短辺になる。
【0053】
本実施形態では、間口が「2.1m」、奥行が「6.3m」、面積が「13.2m2」になるものとする。
【0054】
設計照度は、その部屋で求められる照度である。通常、原子力発電設備には、複数の照度が設定されるようにしている。本実施形態は三種類の照度が定義されることとし、「全般」と記すのは、交流電源で動作する照明器具の照度とし、「常・非」と記すのは、交流電源で動作する照明器具の内で、常時点灯していて、交流電源喪失時に設備内のディーゼル発電機などの非常電源で動作する照明器具の照度とし、「直流」と記すのは、直流電源で動作する照明器具の照度とする。
【0055】
次に、図4および図5を用いてCADプログラムを利用して計算照度を求める手順について説明する。
図4は、各室の照度を求める処理を示すフローチャートである。
図5は、本発明の一実施形態による照度マップ図から部屋の間口と奥行を求める過程を説明する図である。
【0056】
先ず、CADプログラム220により、照度マップ図を作成する(S01)。
【0057】
そして、各部屋ごとに、室番号、室名称、設計照度を入力する(S02)。
【0058】
次に、図5(a)に示されるように、面積を算出する。先ず、ユーザは、対象となる部屋の内壁を区画して、その後、各部屋ごとにCADプログラム220の面積算出機能を利用して、各部屋ごとに面積を求める(S03)。
【0059】
次に、図5(b)に示されるように、間口を指定し、CADプログラム220の距離算出機能により間口を求める(S04)。また、奥行は、(式4)で示したように、S02で求めた面積を間口で割ることにより求められる。
【0060】
次に、照度計算プログラム200のインポートモジュール203により、照度マップ図データ232をインポートする(S05)。
【0061】
次に、対象となっている部屋の室指数を算出する(S06)。室指数は、奥行、間口が分かっているときには、(式1)で求められる。
【0062】
次に、ユーザは、照明器具の形式、灯数を入力する(S07)。ここで、灯数は、三種類の照明器具の種類ごとに入力するものとする。これらは、後に説明する照度計算編集画面より入力する。
【0063】
次に、照度計算プログラム200は、入力された照明器具の形式と室指数に基づき照明率を求める(S08)。
【0064】
次に、照度計算プログラム200は、光束法に基づき計算照度を算出する(S09)。光束法による計算照度Eは、以下の(式5)で求められる(非特許文献1参照)。
【0065】
E=(F・U・D・N)/A …(式5)
ここで、F:ランプの光束、U:器具の照明率、D:保守率、N:灯数、A:部屋の面積である。F:ランプの光束は、1灯あたりの定格光束である。U:器具の照明率は、ステップS08で、照明器具の形式と室指数により求められた照明率である。M:保守率は、設計の対象となっている作業面での計算照度が、ある一定の期間で器具を使用した後でも維持できるように見込むための率である。この値は、ランプの種類、照明器具の構造、使用環境のほかに、ランプ交換やランプと照明器具の構造によっても違ってくる。この保守率は、部屋ごとに設定可能とする。N:灯数は、ランプの灯数であるから、照明器具の台数×器具の1台あたりの灯数に等しくなる。A:部屋の面積は、間口×奥行で表される各部屋の面積である。
【0066】
次に、ユーザは、ステップS09で算出された計算照度を評価する(S10)。部屋ごとに、望ましい設計照度が取り込まれているので、それが評価の基準とすることができる。
【0067】
ユーザが計算照度を評価して、OKだったときには、照度計算書を出力する(S11)。
【0068】
ユーザが計算照度を評価して、NGだったときには、ステップS07に戻り、照明器具の形式、灯数を再入力する。
【0069】
次に、図6ないし図15を用いて本発明の一実施形態に係る照度計算システムのユーザインタフェースについて説明する。
図6は、照度計算システムのメイン画面を示す図である。
図7は、照度マップ図データインポートダイアローグを示す図である。
図8は、照度計算編集画面を示す図である。
図9は、照明率編集画面を示す図である。
図10は、建屋編集画面を示す図である。
図11は、フロア編集画面を示す図である。
図12は、設定値編集画面を示す図である。
図13は、光束値編集画面を示す図である。
図14は、照度計算書表示画面を示す図である。
図15は、省エネ計算書表示画面を示す図である。
【0070】
照度計算システムのメイン画面300は、建屋と対象となる階数を指定し、各機能を選択する画面である。
【0071】
建屋入力メニュー301は、原子力プラントの中の建屋を指定する。図6の例では、CBは、コントロール建屋を意味する。
【0072】
階数メニュー302は、建屋の中の階数を指定する。図6の例では、1F(T.P.12300)が指定されている。ここで、T.P.12300は、地表高さである。
【0073】
照度計算編集ボタン303は、照度計算編集画面を呼びだすボタンである。
【0074】
建屋編集ボタン304は、建屋編集画面を呼びだすボタンである。
【0075】
フロア編集ボタン305は、フロア編集画面を呼びだすボタンである。
【0076】
設定値編集ボタン306は、設定値編集画面を呼びだすボタンである。
【0077】
光束値編集ボタン307は、光束値編集画面を呼びだすボタンである。
【0078】
照明率編集ボタン308は、照明率編集画面を呼びだすボタンである。
【0079】
照度計算書ボタン310は、照度計算書表示画面を表示するボタンである。
【0080】
省エネ計算書ボタン311は、省エネ計算書表示画面を表示するボタンである。
【0081】
インポートボタン320は、照度マップ図データインポートダイアローグ400を呼びだすボタンである。
【0082】
照度マップ図データインポートダイアローグ400は、照度マップ図データを取り込むために、ファイル名を指定するダイアローグであり、図7に示されるように、建屋と階数に対応する照度マップ図データのファイル名を指定する。本実施形態では、ファイル名の生成規則としては、建屋と階数の入力した文字列を連結した「CB1F(T.P.12300)」となっている。
【0083】
照度計算編集画面500は、照度計算のために取り込んだ値を表示し、必要な値を入力する画面である。
【0084】
照度計算編集画面500は、図8に示されるように、メイン情報表示エリア510、室情報表示エリア520、付随情報入力エリア530、器具情報表示入力エリア540、結果表示エリア550からなる。
【0085】
メイン情報表示エリア510には、メイン画面より引き継いだ建屋、階数などの情報が表示される。
【0086】
室情報表示エリア520には、CADマップ図データから取り込んだインポートデータが表示される。図8の例では、室番号:「2」、室名称:「非常用DG」、設計照度(全般、常・非、直流):「200、10、1」、間口:「2.1」、奥行:「6.3」が表示されている。面積は、間口×奥行で求められて、面積:「13.2」が表示されている。
【0087】
付随情報入力エリア530には、照度計算、省エネ計算のために必要なデータを入力することができる。図8の例では、工事エリア:「a3」、保守率:「0.6」、カテゴリ:「4」、年間照明点灯時間:4500、制御補正係数:1.0、種類補正係数:1.0、照度補正係数:1.0が入力されている。
【0088】
この内で、保守率は、照度計算のために用いられ、カテゴリ〜照度補正係数は、省エネ計算のために用いられる。
【0089】
器具情報表示入力エリア540には、照明器具ごとの入力される情報と算出される値が表示される。
【0090】
図8の例では、型式:「C1」、高さ:「3.00」、室指数:「0.53」、全光束:「3520」、照明率:「0.30」、最小灯数(全般、常・非、直流):「5、1、1」、灯数(全般、常・非、直流):「5、1、0」、計算照度(全般、常・非、直流):「239.4、47.8、0.0」が表示されている。
【0091】
型式は、照明器具の型式を表すコードである。高さは、照明器具を設置する高さであり、室指数を求めるときに用いられる。全光束は、照明器具の光束量である。照明率は、この型式の照明器具の照明率であり、室指数から求められる。最小灯数は、全般、常・非、直流の各照明種類ごとに、この型式の照明器具が室情報表示エリア520に表示されている設計照度を満たすための最小の照明器具の灯数である。灯数は、全般、常・非、直流の各照明種類ごとに、ユーザが入力した灯数である。計算照度は、全般、常・非、直流の各照明種類ごとに、ユーザが入力した灯数により、(式5)に基づいて求められる計算照度である。
【0092】
結果表示エリア550は、ユーザが入力した灯数と計算した計算照度を結果として表示するエリアであり、計算照度が室情報表示エリア520に表示されている設計照度を満たないときには、例えば、赤色で文字を表示しユーザの警告とする。
【0093】
メイン情報表示エリア510、室情報表示エリア520、付随情報入力エリア530、器具情報表示入力エリア540、結果表示エリア550は、あわせて、1ページとなり、異なるページに移動するときに、画面下段の前ページ移動ボタン561、次ページ移動ボタン563をクリックする。ページ番号は、ページ番号表示エリア562に表示される。
【0094】
照明率編集画面600は、照明器具の型式ごとに各室指数に対する照明率を示した画面であり、図9に示すように、照明器具の型式表示エリア601、室指数入力エリア602、室指数入力エリア602に対応する照明率入力エリア603からなる。
【0095】
照明率編集画面600は、照明器具の型式ごとに表示され、画面下段のレコード移動ボタンにより、表示する照明器具の型式を切り換えることができる。室指数は、最小値(min)から最大値(max)のレンジで指定される。
【0096】
照度計算データベース210の中の器具照明率データ213の中に、この照明率編集画面600を反映した室指数と照明率の対応テーブルが、各照明器具の型式ごとに作られる。
【0097】
建屋編集画面700は、図10に示されるように、建屋のコードと名称を対応付けて編集する画面である。照度計算データベース210の中の建屋データ211の中に、この建屋編集画面700を反映したテーブルが作られる。
【0098】
フロア編集画面800は、図11に示されるように、建屋のコードと各階の構成を対応付けて編集する画面である。照度計算データベース210の中の建屋データ211の中に、このフロア編集画面800を反映したテーブルが作られる。
【0099】
設定値編集画面900は、図12に示されるように、各種の設定値を入力する画面である。図2には特に図示しなかったが、照度計算データベース210の中に、この設定値編集画面900を反映したテーブルが作られる。
【0100】
光束値編集画面1000は、図13に示されるように、各照明器具の型式ごとに、器具の仕様を対応付けて編集する画面である。
【0101】
照度計算データベース210の中の器具光束値データ212の中に、この光束値編集画面1000を反映したテーブルが作られる。
【0102】
照度計算書表示画面1100は、図14に示されるように、各部屋ごとに照度計算の結果を詳細に表示する画面である。
【0103】
省エネ計算書表示画面1200は、図15に示されるように、各部屋ごとに計算された省エネルギーの指標と成る照明エネルギー消費係数(CEC/L,Coefficient of Energy Consumption for Lighting)を表示し、省エネルギーの度合いを評価する省エネ計算書を表示する画面である。
【0104】
照明エネルギー消費係数CEC/Lは、以下の(式6)で与えられる。
【0105】
CEC/L=(ΣWT×A×T×FT)/(ΣWS×A×T×Q1×Q2) …(式6)
ここで、WT:照明消費電力[W/m2]、WS:標準照明消費電力[W/m2]、A:室面積[m2]、T:年間照明点灯時間[h/年]、FT:照明設備の制御補正係数、Q1:照明設備の種類補正係数、Q2:照明設備の照度補正係数である。
【0106】
また、Σは、部屋の中で使用されている各照明器具ごとに各項を計算して、総和をとることを意味している。
【符号の説明】
【0107】
100…パーソナルコンピュータ、101…CPU(Central Processing Unit)、102…メモリ、103…ネットワークI/F、104…グラフィックI/F、105…入出力I/F、106…補助記憶装置I/F、
31…キーボード、32…マウス、41…HDD(Hard Disk Drive)、42…DVDドライブ(Digital Versatile Disk)、50…外部ネットワーク、
200…照度計算プログラム、210…照度計算データベース、220…CADプログラ ム、230…CADデータベース。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータにより実行される照度計算システムにおいて、
前記コンピュータは、CPUと、メモリとを有し、
前記メモリは、CADプログラムにより作成した照度計算の対象となる室の照度マップ図に関する照度マップ図データと、照度計算の対象となる室の照明器具に関するデータとを保持し、
前記照度マップ図データは、各部屋の間口、奥行を含み、
前記CPUは、前記照度マップ図データの照度計算の対象となる部屋の間口、奥行に基づき、室指数を演算し、
前記CPUは、演算された前記室指数に基づき、照明器具の型式に対応する照明率を求め、
前記CPUは、前記照明器具に関するデータと前記照明率に基づき、照度計算の対象となる部屋の計算照度を求めることを特徴とする照度計算システム。
【請求項2】
前記照度マップ図データは、さらに、各部屋の設計照度を含むことを特徴とする請求項1記載の照度計算システム。
【請求項3】
コンピュータにより実行される照度計算方法において、
前記コンピュータは、CPUと、メモリと、補助記憶装置とを有し、
前記メモリは、CADプログラムと照度計算プログラムとを保持し、
前記補助記憶装置は、前記CADプログラムがアクセスするCADデータベースと、前記照度計算プログラムがアクセスし、照明器具に関するデータを含む照度計算データベースとを保持し、
前記CPUが前記CADプログラムを実行することにより、照度マップ図を作成するステップと、
前記CPUが前記CADプログラムを実行することにより、前記照度マップ図に関するを前記照度マップ図データを、前記照度計算データベースに作成するステップと、
前記CPUが前記照度計算プログラムを実行することにより、前記前記照度計算データベースの中の前記照度マップ図データを、前記照度計算データベースにインポートデータとして取り込むステップと、
前記CPUが前記照度計算プログラムを実行することにより、前記インポートデータとして取り込まれた前記照度マップ図データの部屋の間口、奥行に基づき、室指数を演算するステップと、
前記CPUが前記照度計算プログラムを実行することにより、演算された前記室指数に基づき、照明器具の型式に対応する照明率を求めるステップと、
前記CPUが前記照度計算プログラムを実行することにより、前記照明器具に関するデータと前記照明率に基づき、照度計算の対象となる部屋の計算照度を求めるステップとを有することを特徴とする照度計算方法。
【請求項1】
コンピュータにより実行される照度計算システムにおいて、
前記コンピュータは、CPUと、メモリとを有し、
前記メモリは、CADプログラムにより作成した照度計算の対象となる室の照度マップ図に関する照度マップ図データと、照度計算の対象となる室の照明器具に関するデータとを保持し、
前記照度マップ図データは、各部屋の間口、奥行を含み、
前記CPUは、前記照度マップ図データの照度計算の対象となる部屋の間口、奥行に基づき、室指数を演算し、
前記CPUは、演算された前記室指数に基づき、照明器具の型式に対応する照明率を求め、
前記CPUは、前記照明器具に関するデータと前記照明率に基づき、照度計算の対象となる部屋の計算照度を求めることを特徴とする照度計算システム。
【請求項2】
前記照度マップ図データは、さらに、各部屋の設計照度を含むことを特徴とする請求項1記載の照度計算システム。
【請求項3】
コンピュータにより実行される照度計算方法において、
前記コンピュータは、CPUと、メモリと、補助記憶装置とを有し、
前記メモリは、CADプログラムと照度計算プログラムとを保持し、
前記補助記憶装置は、前記CADプログラムがアクセスするCADデータベースと、前記照度計算プログラムがアクセスし、照明器具に関するデータを含む照度計算データベースとを保持し、
前記CPUが前記CADプログラムを実行することにより、照度マップ図を作成するステップと、
前記CPUが前記CADプログラムを実行することにより、前記照度マップ図に関するを前記照度マップ図データを、前記照度計算データベースに作成するステップと、
前記CPUが前記照度計算プログラムを実行することにより、前記前記照度計算データベースの中の前記照度マップ図データを、前記照度計算データベースにインポートデータとして取り込むステップと、
前記CPUが前記照度計算プログラムを実行することにより、前記インポートデータとして取り込まれた前記照度マップ図データの部屋の間口、奥行に基づき、室指数を演算するステップと、
前記CPUが前記照度計算プログラムを実行することにより、演算された前記室指数に基づき、照明器具の型式に対応する照明率を求めるステップと、
前記CPUが前記照度計算プログラムを実行することにより、前記照明器具に関するデータと前記照明率に基づき、照度計算の対象となる部屋の計算照度を求めるステップとを有することを特徴とする照度計算方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−98877(P2012−98877A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−245424(P2010−245424)
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【出願人】(000005452)株式会社日立プラントテクノロジー (1,767)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【出願人】(000005452)株式会社日立プラントテクノロジー (1,767)
【Fターム(参考)】
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