照明システム及びこの照明システムに用いる調光制御装置
【課題】照明負荷を分割して調光制御する場合に、パッチ情報の書き換えを行うことにより、パッチ情報を増やすことなく、パッチ情報の変更作業を簡単に行うこと。
【解決手段】本発明の照明システム1は、複数の照明負荷Sと、複数のフェーダ操作部Fを有する複数の操作端末器Cと、複数の照明負荷Sのそれぞれと複数の操作端末器Cの各フェーダ操作部Fとの対応関係を示すパッチ情報を記憶したRAM11を有し、操作端末器Cの複数のフェーダ操作部Fの操作内容及びパッチ情報に基づき照明負荷Sを調光制御するものであって、RAM11は、複数の照明負荷Sを分割して調光を行うための、前記パッチ情報の書き換えが可能である調光制御装置2とを具備している。
【解決手段】本発明の照明システム1は、複数の照明負荷Sと、複数のフェーダ操作部Fを有する複数の操作端末器Cと、複数の照明負荷Sのそれぞれと複数の操作端末器Cの各フェーダ操作部Fとの対応関係を示すパッチ情報を記憶したRAM11を有し、操作端末器Cの複数のフェーダ操作部Fの操作内容及びパッチ情報に基づき照明負荷Sを調光制御するものであって、RAM11は、複数の照明負荷Sを分割して調光を行うための、前記パッチ情報の書き換えが可能である調光制御装置2とを具備している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会議室やホール等に用いられる照明システム及びこの照明システムに用いる調光制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、会議室やホール等の屋内施設には、照明システムが設置されている。
この種の照明システムは、屋内施設に配置した複数の照明負荷と、これら複数の照明負荷の内、調光すべき照明負荷を任意の明るさの調光状態に操作するための複数のフェーダ操作部を有する複数の操作端末器と、これら複数の操作端末の複数のフェーダ操作部による操作に基づき、対応する照明負荷の調光を制御する調光制御装置とを有して構成される。
【0003】
このような従来の照明システムの調光制御装置としては、例えば、特許文献1に記載されているように、プリセットフェーダを有する操作部を用いて、照明負荷を制御するための単位であるチャネルに対してシーンを割り当て、この割り当てた情報をシーン再生レベルデータとして記憶部に格納するようにした調光装置がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−132084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の照明システムは、会議室やホール等の屋内施設を有効活用するために、複数の照明負荷を一括で調光制御する他に、複数の照明負荷を所定数の数でグループ分けするなど分割して調光制御する場合がある。
【0006】
複数の照明負荷を一括して調光制御する場合、複数の操作端末器において、割り当てられた照明負荷の調光制御を行うための設定内容が全て同一である。この設定内容には、複数の照明負荷のそれぞれと複数の操作端末器の各フェーダ操作部との対応関係を示すパッチ情報がある。このパッチ情報は、各操作端末器のフェーダ操作部と照明負荷とが全て一対一に対応するように割り付けられている。
【0007】
しかしながら、従来の照明システムは、複数の照明負荷を所定数の数でグループ分けするなど分割して調光制御する場合には、上述したように、各操作端末器のフェーダ操作部と各照明負荷とが全て一対一に対応するように割り付けられて固定したものであるため、グループ分けした操作端末毎に新たにフェーダ操作部とこれに対応する照明負荷とを割り付けたりするなど、パッチ情報を変更しなければならない。このため、従来の照明システムは、照明負荷の分割に伴うパッチ情報の変更作業が繁雑であり、また、パッチ情報が増えてしまったりするなどの問題点があった。
【0008】
特許文献1に記載の調光装置は、単に照明負荷を制御するための単位であるチャネルに対してシーンを割り当て、この割り当てた情報をシーン再生レベルデータとして記憶部に格納するようにしたものであって、前記問題点を解決することはできない。
【0009】
そこで、本発明は前記問題点に鑑みてなされたもので、照明負荷を分割して調光制御する場合に、パッチ情報の書き換えを行うことにより、パッチ情報を増やすことなく、パッチ情報の変更作業を簡単に行うことができる照明システム及びこれに用いる調光制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の請求項1に係る照明システムは、複数の照明負荷と; 複数の照明負荷の内、調光すべき照明負荷を任意の明るさの調光状態に操作するための複数の操作部を有する複数の操作端末器と;複数の照明負荷のそれぞれと複数の操作端末器の各操作部との対応関係を示すパッチ情報を記憶したメモリを有し、複数の照明負荷と複数の操作端末器とが対応付けられ、操作端末器の複数の操作部の操作内容及び前記パッチ情報に基づき照明負荷を調光制御するものであって、前記メモリは、前記複数の照明負荷を分割して調光をために、前記パッチ情報の書き換えが可能であり、この複数の照明負荷を分割して調光を行うための前記パッチ情報の書き換えと複数の照明負荷を一括して調光を行うためのパッチ情報の書き換えとは、切替え手段によって切り替える調光制御装置と;を具備している。
【0011】
本発明及び以下の請求項の各発明において、特に限定しない限り、用語の定義及び技術的意味は次による。
操作端末器は、例えば、コントローラであって、前記複数の操作部がスライド型のフェーダスイッチ、あるいはタッチパネル式のフェーダスイッチで構成したものであるが、これに限定されるものではなく、フェーダスイッチ以外の操作部であってもよい。また、操作端末器は、制御信号を有線で伝送する有線伝送式のコントローラで構成するが、例えば、制御信号を無線で伝送する無線伝送式のコントーラで構成してもよい。
【0012】
メモリは、例えば、RAMであるが、これに限定されるものではなく、電源を切っても記憶内容が消えないメモリであってもよい。
【0013】
切替え手段は、例えば、切替スイッチであるがこれに限定されるものではない。調光制御装置は、この切替スイッチの操作による操作信号に基づき、複数の照明負荷を分割して調光を行うためのパッチ情報の書き換えと複数の照明負荷を一括して調光を行うためのパッチ情報の書き換えとを切り替えるように制御する。
【0014】
本発明の請求項2に係る照明システムは、請求項1に記載の照明システムにおいて、前記メモリの前記パッチ情報を書き換えるのに必要な情報は、複数の部屋と、これら複数の部屋のそれぞれに対応する1又は2以上の前記照明負荷と、前記1又は2以上の照明負荷のそれぞれと前記複数のフェーダ操作部のそれぞれとの対応関係を示す情報であることを特徴とする。
【0015】
複数の部屋とは、例えば、会議室やホール等の屋内施設をパーティション部材で仕切られた複数の部屋を意味するが、これに限定されるものではない。例えば、あたかも仮想のパーティション部材で仕切られた仮想空間の部屋として構成してもよい。
【0016】
本発明の請求項3に係る調光制御装置は、複数の照明負荷と、複数の照明負荷の内、調光すべき照明負荷を任意の明るさの調光状態に操作するための複数の操作部を有する複数の操作端末器とが接続可能である調光制御装置であって、複数の照明負荷のそれぞれと複数の操作端末器の各操作部との対応関係を示すパッチ情報を記憶したメモリと、 複数の照明負荷と複数の操作端末器とが対応付けられ、複数の操作端末器の複数の操作部のそれぞれの操作内容に基づき、前記パッチ情報に基づく照明負荷を調光制御する制御部を有し、前記メモリは、前記複数の照明負荷を分割して調光を行うための、前記パッチ情報の書き換えが可能であり、前記制御部は、複数の照明負荷を分割して調光を行うための前記パッチ情報の書き換えと複数の照明負荷を一括して調光を行うためのパッチ情報の書き換えとを切替え手段による操作に基づき切替え制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の本発明に係る照明システムによれば、照明負荷を分割して調光制御する場合に、パッチ情報の書き換えを行うことにより、パッチ情報を増やすことなく、パッチ情報の変更作業を簡単に行うことができる。
【0018】
請求項2の本発明によれば、請求項1と同様の効果が得られる他に、照明負荷を部屋毎に分割した分割モードに基づくパッチ情報の変更作業を簡単に行うことができる。
【0019】
請求項3の本発明によれば、請求項1と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態に係る照明システムの構成を示す構成図。
【図2】図1の調光制御装置の構成を示すブロック図。
【図3】図2のRAM内のパッチ情報の記憶領域を示す説明図。
【図4】図1の複数照明負荷を部屋毎に分割した場合の構成を示す構成図。
【図5】図2の複数の部屋を、パーティション部材を用いて分割した場合の構成を示す構成図。
【図6】図1の照明システムにおいて、複数の照明負荷を一括で制御する場合のパッチ情報の構成を示す図。
【図7】図4の照明システムにおいて、書き換えるのに必要な、部屋Noと照明負荷Noと操作端末器Noとの対応関係のパッチ情報の構成を示す図。
【図8】図4の照明システムにおいて、書き換えるのに必要な、フェーダNoと照明負荷Noと操作端末器Noとの対応関係のパッチ情報の構成を示す図。
【図9】図4の照明システムにおいて、書き換えるのに必要な、フェーダNoと照明負荷Noと操作端末器Noとの対応関係のパッチ情報の構成を示す図。
【図10】図5の照明システムにおいて、書き換えるのに必要な、パーティションNoと部屋Noと照明負荷Noと操作端末器Noとの対応関係のパッチ情報の構成を示す図。
【図11】本実施の形態の調光制御装置の分割モード設定時に伴う処理手順を示すフローチャート。
【図12】本実施の形態の調光制御装置のCPUにおける制御内容の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0022】
図1(a)は本発明の実施の形態に係る照明システムの構成を示す模式的な構成図であり、図1(b)は、操作端末器の構成を示す構成図であり、図2は図1の照明システムに用いられる調光制御装置の構成を示すブロック図である。
【0023】
図1(a)に示す照明システム1は、会議室やホール等の屋内施設3に設置されるもので、複数の照明負荷S1〜S10と、複数の操作端末器(コントローラともいう)C1〜C5と、調光制御装置2とを有して構成される。
なお、本実施の形態では、10個の照明負荷S1〜S10、5個の操作端末器C1〜C5を備えて照明システム1を構成した場合ついて説明するが、これらの数に限定されるものではない。
【0024】
複数の照明負荷S1〜S10は、制御信号線4aにより、調光制御盤である調光制御装置2に接続される。また、複数の操作端末器C1〜C5は、制御信号線4bにより、調光制御装置2に接続される。なお、制御信号線4a及び4bは、図においては1本で示してあるが、複数の信号線から構成される。
【0025】
各操作端末器Cは、図1(b)に示すように、複数の照明負荷S1〜S10の内、対応する照明負荷を任意の明るさの調光状態に操作するための操作部を構成する複数のフェーダ操作部F1〜F8を有している。これら複数のフェーダ操作部F1〜F8は、フェーダスイッチとして構成される。
なお、フェーダスイッチであるこれら複数のフェーダ操作部F1〜F8は、図1(b)に示すように8個に限定されるものではなく、必要に応じてそれ以上設けてもよい。
【0026】
また、複数のフェーダ操作部F1〜F8は、スライド型のフェーダスイッチを用いて構成しても、あるいは、タッチパネル式のフェーダスイッチを用いて構成してもよい。
【0027】
また、複数のフェーダ操作部F1〜F8は、フェーダスイッチに限定されるものではなく、フェーダスイッチ以外の操作スイッチで構成してもよい。
【0028】
さらに、複数の操作端末器C1〜C5は、制御信号を有線で伝送する有線伝送式のコントローラで構成したが、例えば、制御信号を無線で伝送する無線伝送式のコントーラで構成してもよい。
【0029】
次に、照明システム1に用いられる調光制御装置2の構成について図2を用いて説明する。
【0030】
図2に示すように、本実施の形態の調光制御装置2は、切替スイッチ2aと、接続部2bと、バス5に接続される、4つのインターフェース部(以下、I/Fと略す)6〜9、ROM10、RAM11、及びCPU12とを有して構成される。
【0031】
切替スイッチ2aは、複数の照明負荷S1〜S10を一括で調光制御する一括モードと、複数の照明負荷S1〜S10を所定数の数でグループ分けするなど分割して調光制御する分割モードとのいずれかを指示するためのスイッチである。
【0032】
この切替スイッチ2aは、例えば、トグルスイッチやそれ以外のスイッチで構成し、押下操作により、一括モード又は分割モードの操作信号をI/F8に出力する。このI/F8は、入力された操作信号を指示信号に変換してバス5を介してCPU12に出力する。
【0033】
接続部2bは、例えば、外部装置であるパーソナルコンピュータ(以下、PCと略す)13等が接続される接続ケーブルコネクタである。この接続部2bを介して供給された情報は、I/F9によって変換された後、バス5に出力される。
【0034】
複数の照明負荷S1〜S10に接続される制御信号線4aは、I/F7に接続される。このI/F7は、CPU12からの制御信号を、照明負荷Sに出力する。なお、調光器等の照明制御手段は、照明負荷S側又は調光制御装置2あるいはこれら以外の場所に設けることができ、設置場所等に応じて、調光制御装置2及び各照明負荷Sの間の配線及び信号の形態を設定することができる。
【0035】
複数の操作端末器C1〜C5に接続される制御信号線4bは、I/F6に接続される。このI/F6は、複数の端末器C1〜C5から供給される制御信号を、バス5を介してCPU12に出力する。
【0036】
ROM10は、制御手段であるCPU12が操作端末器C及び切替スイッチ2aの操作に基づき照明負荷Sを調光制御するのに必要なプログラム等を格納している。CPU12は、ROM10に格納された所定のプログラムを実行することで、照明システム1全体の調光制御を行ったり、後述するが照明負荷Sの分割モード実行時に必要なRAM11内のパッチ情報の書き換え制御等を行う。
【0037】
また、CPU12は、複数のフェーダ操作部F1〜F8のそれぞれの操作入力に基づき、前記パッチ情報に基づく照明負荷Sを調光制御する。
【0038】
なお、RAM11は、後述するように、パッチ情報を記憶するが、その記憶エリアはフラッシュメモリとして構成してもよい。
【0039】
このRAM11は、例えば、図3に示すように、少なくとも一括モード領域20と、分割モード領域30との各記憶エリアを有している。この一括モード領域20の記憶エリアには、一括モードに対応した、複数の照明負荷S1〜S10と複数の操作端末器C1〜C5のフェーダ操作部F1〜F8との対応関係を示すパッチ情報(一括パッチ情報ともいう)が記憶されている。
【0040】
このような一括モード時に対応した一括パッチ情報の一例を図6に示す。
図1に示す照明システム1において、複数の照明負荷SのそれぞれのIDNoをS1〜S10とし、複数の操作端末器CのそれぞれのIDNoをC1〜C5とし、さらに、各操作端末器Cの各フェーダ操作部FのIDNoをF1〜F8として、それぞれIDNoを割り付けたとする。なお、ここで、照明負荷S9、S10については、個別に設けた図示しないスイッチで制御するものとする。
【0041】
すると、図6に示すように、各フェーダ操作部(フェーダと略記)Noと各照明負荷Noとの対応関係を示す一括パッチ情報は、“F1→S1”、“F2→S2”、“F3→S3”…“F8→S8”といったものとなり、このような一括パッチ情報がRAM11の一括モード領域20に格納されている。
【0042】
一方、RAM11の分割モード領域30の記憶エリアには、所定の分割モードに対応した、複数の照明負荷S1〜S10のそれぞれと複数の操作端末器C1〜C5の各フェーダ操作部F1〜F8との対応関係を示すパッチ情報(分割パッチ情報ともいう)が記憶されている。
【0043】
本実施の形態の調光制御装置2において、RAM11は、複数の照明負荷S1〜S10を分割して調光を行う場合、すなわち、実行する分割モードに対応するために、分割モード領域30における分割パッチ情報の書き換えが可能である。勿論、一括モード領域20における一括バッチ情報の書き換えも可能である。
【0044】
このような分割モードを実行する場合に必要な分割パッチ情報の書き換え処理手順、及び書き換え処理内容について図4〜図11を用いて説明する。
【0045】
本実施の形態の調光制御装置2は、分割モードを実行する場合の準備処理として、予めRAM11の分割モード領域30内に記憶された分割パッチ情報を、所望する形態の分割モードに基づく分割パッチ情報に書き換える書き換え処理を行う。
【0046】
図11に、このような本実施の形態の調光制御装置の分割モード設定時に伴う処理手順のフローチャートを示す。
【0047】
作業者は、予め、外部装置としてのPC13内に、所望する複数の照明負荷S1〜S10の分割形態に応じた分割パッチ情報を格納しておく。そして、作業者は、ステップS1の処理で、PC13を、接続ケーブル等を用いて調光制御装置2の接続部2bに接続する。
【0048】
そして、作業者によるPC13側の操作により、所望する分割モードに基づく分割パッチ情報が、接続部2bを介してI/F9に出力される。出力された分割パッチ情報は、I/F9を介して、バス5に出力される(ステップS2)。
【0049】
その後、作業者によるPC13側の操作により、調光制御装置2内のCPU12が制御されて、バス5に出力された分割パッチ情報がRAM11の分割モード領域30の記憶エリアに書き込まれ、既に記憶されている分割パッチ情報に上書きするなどして供給された分割パッチ情報が書き換えられる(ステップS3)。
なお、本実施の形態では、RAM11の分割パッチ情報の書き換えは、外部装置としてのPC13側から行ったが、これに限定されることはなく、例えば、調光制御装置2のバス5に接続された操作パネル13を用いて行ってもよい。
このようにして、RAM11の分割パッチ情報の書き換え処理を完了する。
【0050】
次に、上記の如く書き換えられる分割パッチ情報としては、少なくとも2つのタイプの分割モードに対応したものがある。
これら少なくとも2つの分割モードにおける照明負荷S、操作端末器C等の構成、及び分割パッチ情報の内容について、図4及び図5、図7〜10を用いて説明する。
【0051】
まず、1つ目のタイプの分割モードについて説明する。図4(a)は、図1の複数の照明負荷を部屋毎に分割した場合の構成を示す構成図で、図4(b)は操作端末器の構成示す構成図である。
【0052】
図4(a)に示す分割モードにおける照明システム1は、屋内施設3を、例えば、移動可能な4つのパーティション部材3A〜3Dにより分割して5つの部屋R1〜R5を形成するとともに、これら5つの部屋R1〜R5に、それぞれ対応する2つの照明負荷を配置して構成される。また、これら5つの部屋R1〜R5には、2つの照明負荷にそれぞれ対応する操作端末器C1〜C5の複数のフェーダ操作部F1〜F8(図4(b)参照)が配置される。
【0053】
このようなタイプの分割モード、すなわち部屋分割モード、において、RAM11の分割パッチ情報を書き換えるのに必要な情報は、複数の部屋R1〜R5と、これら複数の部屋R1〜R5のそれぞれに対応する2つの照明負荷S(S1〜S10の内2つ)と、照明負荷Sのそれぞれと複数のフェーダ操作部F1〜F8のそれぞれとの対応関係を示す情報である。
【0054】
このようなタイプの分割モードを実行するために、PC13より書き換えるための分割パッチ情報の一例を、図7及び図8に示す。
【0055】
図7は、図4(a)の照明システムにおいて、書き換えるのに必要な、部屋Noと照明負荷Noと操作端末器Noとの対応関係のパッチ情報の構成を示す図であり、図8は、図4の照明システムにおいて、書き換えるのに必要な、フェーダNoと照明負荷Noと操作端末器Noとの対応関係のパッチ情報の構成を示す図である。
【0056】
図4(a)に示す照明システム1において、複数の照明負荷S1〜S10、複数の操作端末器C1〜C5、及び複数のフェーダ操作部F1〜F8の他に、複数の部屋RのそれぞれのIDNoをR1〜R5として、それぞれIDNoを割り付けたとする。
【0057】
すると、図7に示すように、各部屋RNoと各照明負荷Noと操作端末器Noとの対応関係を示す分割パッチ情報は、“R1→S1、S2→C1”、“R2→S3、S4→C2”、“R3→S5、S6→C3”…“R5→S9、S10→C5”といったものとなり、このような分割パッチ情報が上記の如くRAM11の分割モード領域30に書き換えられる。
【0058】
さらに、図8に示すように、フェーダNoと各照明負荷Noと操作端末器Noとの対応関係を示す分割パッチ情報は、“F1→S1→C1”、“F2→S2→C1”、“F1→S3→C2”、“F2→S4→C2”、“F1→S5→C3” “F2→S6→C3”、“F1→S7→C4”、“F2→S8→C4”、“F1→S9→C5”、“F2→S10→C5”といったものとなり、このような分割パッチ情報が上記の如くRAM11の分割モード領域30に書き換えられる。
【0059】
次に、もう1つのタイプの分割モードについて説明する。図5(a)は、図4(a)の複数の部屋を、パーティション部材を用いて分割した場合の構成を示す構成図であり、図5(b)は操作端末器の構成示す構成図である。
【0060】
図5(a)に示す分割モードにおける照明システム1は、図4(a)に示す複数の部屋R1〜R5を、例えば、移動可能な2つのパーティション部材3A、3Bにより分割して3つのパーティション部屋P1〜P3を形成する。この場合、パーティション部屋P1には、部屋R1、R2に対応する照明負荷S1〜S4、2つの操作端末器C1,C2が配置される。また、パーティション部屋P2には、部屋R3に対応する照明負荷S5、S6、1つの操作端末器C3が配置され、パーティション部屋P3には、部屋R4、R5に対応する照明負荷S7〜S10、2つの操作端末器C4、C5が配置される。
【0061】
このようなタイプの分割モード、すなわちパーティション部屋分割モード、では、RAM11の分割パッチ情報を書き換えるのに必要な情報において、複数の部屋R1〜R5の情報は、分割した複数のパーティション部屋P1〜P3を示す情報である。
【0062】
このようなタイプの分割モードを実行するために、PC13より書き換えるための分割パッチ情報の一例を、図9及び図10に示す。
【0063】
図9は、図4(a)の照明システムにおいて、書き換えるのに必要な、フェーダNoと照明負荷Noと操作端末器Noとの対応関係のパッチ情報の構成を示す図であり、図10は、図5の照明システムにおいて、書き換えるのに必要な、パーティションNoと部屋Noと照明負荷Noと操作端末器Noとの対応関係のパッチ情報の構成を示す図である。
【0064】
図5に示す照明システム1において、複数の照明負荷S1〜S10、複数の操作端末器C1〜C5、複数のフェーダ操作部F1〜F8及び複数の部屋R1〜R5の他に、パーティション部屋PのそれぞれのIDNoをP1〜R3として、それぞれIDNoを割り付けたとする。
【0065】
すると、図9に示すように、フェーダNoと各照明負荷Noと操作端末器Noとの対応関係を示す分割パッチ情報は、“F1→S1→C1、C2”、“F2→S2→C1、C2”、“F3→S3→C1、C2”、“F4→S4→C1、C2”、“F1→S5→C3” “F2→S6→C3”、“F1→S7→C4、C5”、“F2→S8→C4、C5”、“F3→S9→C4、C5”、“F4→S10→C4、C5”といったものとなり、このような分割パッチ情報が上記の如くRAM11の分割モード領域30に書き換えられる。
【0066】
さらに、図10に示すように、パーティションNoと部屋Noと照明負荷Noと操作端末器Noとの対応関係のパッチ情報は、“P1→R1、R2→S1〜S4→C1、C2”、“P2→R3→S5、S6→C3”、“P3→R4、R5→S7〜S10→C4、C5”、といったものとなり、このような分割パッチ情報が上記の如くRAM11の分割モード領域30に書き換えられる。
【0067】
なお、本実施の形態においては、図4(a)及び図5(a)に示すようなタイプの異なる2つの分割モードの構成について説明したが、勿論これに限定されるものではなく、適宜所望する分割形態に応じて変更可能であり、また、変更された分割形態に応じて分割パッチ情報も変更される。
【0068】
次に、本実施の形態の調光制御装置のCPU12の制御例について図12用いて説明する。
なお、予め作業者によって図7〜図10に示す分割パッチ情報がRAM11に書き換えられているものとして説明する。図12は、本実施の形態の調光制御装置のCPUにおける制御内容の一例を示すフローチャートである。
【0069】
いま、本実施の形態の照明システム1の電源を投入したとする。すると、調光制御装置2のCPU12は、ROM10から、図12に示すプログラムを読み出して実行する。
CPU12は、ステップS10の判断処理により、切替スイッチ2aによる操作の有無を判断し、操作があった場合には処理をステップS11に移行し、操作が無かった場合には操作があるまで判断処理を行う。
【0070】
ステップS11の判断処理では、CPU12は、切替スイッチ2aによる操作が一括モードであるか否かを判断する。この場合、CPU12は、一括モードであると判断した場合には処理をステップS12に移行し、一括モードではないと判断、すなわち、分割モードであると判断した場合には、処理をステップS13に移行する。
【0071】
一括モードであると判断した場合、CPU12は、ステップS12の判断処理で、任意の操作端末器Cの任意のフェーダ操作部Fの操作の有無を判断し、操作があった場合には処理をステップS16に移行し、操作が無かった場合には処理をステップS11に戻す。
【0072】
その後、CPU12は、ステップS16の処理により、予め設定されているRAM11の一括モード領域20に格納されているパッチ情報(例えば、図6参照)に基づいて、操作された任意のフェーダ操作部Fに対応する照明負荷Sを判別し、この判別した照明負荷Sに対して予め設定された調光量などの制御情報を取得して、処理をステップS19に進む。ステップS19では、・・・。
【0073】
一方、前記ステップS11の判断処理で分割モードが指示された場合、CPU12は、ステップS13の判断処理で、その指示された分割モードが、部屋分割であるか否かを判断する。
【0074】
この場合、CPU12は、部屋分割である分割モードであると判断した場合、ステップS14の判断処理に進み、部屋分割ではない分割モード、すなわち、パーティション部屋分割の分割モードであると判断して処理をステップS15に移行する。
【0075】
部屋分割である分割モードあると判断した場合、CPU12は、ステップS14の判断処理で、任意の操作端末器Cの任意のフェーダ操作部Fの操作の有無を判断し、操作があった場合には処理をステップS17に移行し、操作が無かった場合には処理をステップS13に戻す。
【0076】
その後、CPU12は、ステップS17の処理により、予め設定されているRAM11の分割モード領域30に格納されている分割パッチ情報(例えば、図7及び図8参照)に基づいて、部屋Rとフェーダ操作部Fと照明負荷Sとを対応付けすると同時に、部屋Rと操作された任意のフェーダ操作部Fとこのフェーダ操作部Fに対応する照明負荷Sとを判別し、この判別した照明負荷Sに対して予め設定された調光量などの制御情報を取得して、処理をステップS19に進む。
【0077】
前記ステップS13の判断処理にてパーティション部屋分割の分割モードであると判断した場合、CPU12は、ステップS15の判断処理で、任意の操作端末器Cの任意のフェーダ操作部Fの操作の有無を判断し、操作があった場合には処理をステップS18に移行し、操作が無かった場合には処理をステップS13に戻す。
【0078】
その後、CPU12は、ステップS18の処理により、予め設定されているRAM11の分割モード領域30に格納されている分割パッチ情報(例えば、図9及び図10参照)に基づいて、パーティション部屋Pとフェーダ操作部Fと照明負荷Sとを対応付けすると同時に、パーティション部屋Pと操作された任意のフェーダ操作部Fとこのフェーダ操作部Fに対応する照明負荷Sとを判別し、この判別した照明負荷Sに対して予め設定された調光量などの制御情報を取得して、処理をステップS19に進む。
【0079】
なお、前記ステップS16〜ステップS18において、予め設定された各照明負荷Sの調光量などの制御情報は、ROM10又はRAM11内のその他の記憶領域に記憶されており、あるいは一括パッチ情報及び分割パッチ情報と関連づけて記憶されている。
【0080】
その後、CPU12は、ステップS19の処理において、取得した制御情報に基づく調光量で該当する照明負荷Sを点灯させるように調光制御する。
【0081】
このように、調光制御装置2は、CPU12による制御処理によって一括モード又は分割モードが判別され、判別された一括モード又は分割モードに基づく照明負荷Sの調光制御が可能である。
【0082】
したがって、本実施の形態によれば、調光制御装置2のRAM11は、照明負荷を分割して調光制御する場合、すなわち、実行する分割モードに対応するために、予めRAM11の分割モード領域30内に記憶された分割パッチ情報を、所望する形態の分割モードに基づく分割パッチ情報に書き換えることができるので、パッチ情報を増やすことなく、パッチ情報の変更作業を簡単に行うことができる。
【0083】
このため、照明負荷を一括で調光制御する一括モードを実行することは勿論、使用目的に応じた形態の分割モードを迅速に設定でき、かつ実行することができるので、屋内施設の有効活用の拡大に寄与できる照明システム及びこれに用いる調光制御装置の実現が可能となる。
【0084】
なお、本実施の形態において、分割モードにおける照明負荷の分割形態は、会議室やホール等の屋内施設3をパーティション部材3A〜3Dで仕切られた複数の部屋R1〜R5、あるいは任意の部屋数R毎にパーティション部材3A、3Bで仕切られたパーティション部屋P1〜P3に応じて配置されたものであるが、これに限定されるものではない。例えば、あたかも仮想のパーティション部材で仕切られた仮想空間の部屋R、あるいはパーティション部屋として構成してもよい。
【0085】
また、本実施の形態において、より演出効果を高めるために、例えば、複数の操作端末器C1〜C5にシーン再生スイッチをそれぞれ設け、このシーン再生スイッチを押下することにより、各フェーダ操作部F1〜F8に対応する照明負荷S1〜S10による調光量が、予めシーン毎に設定された調光量となるように調光制御するシーン再生モードを設けて構成してもよい。
【0086】
本発明は、上述した実施の形態及び変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【符号の説明】
【0087】
1…照明システム、
2…調光制御装置、
2a…切替スイッチ、
2b…接続部、
3…屋内施設、
3A〜3D…パーティション部材、
4a、4b…制御信号線
5…バス、
6〜9…I/F、
10…ROM、
11…RAM、
12…CPU、
20…一括モード領域、
30…分割モード領域、
C1〜C5…操作端末器、
F1〜F8…フェーダ操作部、
R1〜R5…部屋、
P1〜P3…パーティション部屋、
S1〜S10…照明負荷。
【技術分野】
【0001】
本発明は、会議室やホール等に用いられる照明システム及びこの照明システムに用いる調光制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、会議室やホール等の屋内施設には、照明システムが設置されている。
この種の照明システムは、屋内施設に配置した複数の照明負荷と、これら複数の照明負荷の内、調光すべき照明負荷を任意の明るさの調光状態に操作するための複数のフェーダ操作部を有する複数の操作端末器と、これら複数の操作端末の複数のフェーダ操作部による操作に基づき、対応する照明負荷の調光を制御する調光制御装置とを有して構成される。
【0003】
このような従来の照明システムの調光制御装置としては、例えば、特許文献1に記載されているように、プリセットフェーダを有する操作部を用いて、照明負荷を制御するための単位であるチャネルに対してシーンを割り当て、この割り当てた情報をシーン再生レベルデータとして記憶部に格納するようにした調光装置がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−132084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の照明システムは、会議室やホール等の屋内施設を有効活用するために、複数の照明負荷を一括で調光制御する他に、複数の照明負荷を所定数の数でグループ分けするなど分割して調光制御する場合がある。
【0006】
複数の照明負荷を一括して調光制御する場合、複数の操作端末器において、割り当てられた照明負荷の調光制御を行うための設定内容が全て同一である。この設定内容には、複数の照明負荷のそれぞれと複数の操作端末器の各フェーダ操作部との対応関係を示すパッチ情報がある。このパッチ情報は、各操作端末器のフェーダ操作部と照明負荷とが全て一対一に対応するように割り付けられている。
【0007】
しかしながら、従来の照明システムは、複数の照明負荷を所定数の数でグループ分けするなど分割して調光制御する場合には、上述したように、各操作端末器のフェーダ操作部と各照明負荷とが全て一対一に対応するように割り付けられて固定したものであるため、グループ分けした操作端末毎に新たにフェーダ操作部とこれに対応する照明負荷とを割り付けたりするなど、パッチ情報を変更しなければならない。このため、従来の照明システムは、照明負荷の分割に伴うパッチ情報の変更作業が繁雑であり、また、パッチ情報が増えてしまったりするなどの問題点があった。
【0008】
特許文献1に記載の調光装置は、単に照明負荷を制御するための単位であるチャネルに対してシーンを割り当て、この割り当てた情報をシーン再生レベルデータとして記憶部に格納するようにしたものであって、前記問題点を解決することはできない。
【0009】
そこで、本発明は前記問題点に鑑みてなされたもので、照明負荷を分割して調光制御する場合に、パッチ情報の書き換えを行うことにより、パッチ情報を増やすことなく、パッチ情報の変更作業を簡単に行うことができる照明システム及びこれに用いる調光制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の請求項1に係る照明システムは、複数の照明負荷と; 複数の照明負荷の内、調光すべき照明負荷を任意の明るさの調光状態に操作するための複数の操作部を有する複数の操作端末器と;複数の照明負荷のそれぞれと複数の操作端末器の各操作部との対応関係を示すパッチ情報を記憶したメモリを有し、複数の照明負荷と複数の操作端末器とが対応付けられ、操作端末器の複数の操作部の操作内容及び前記パッチ情報に基づき照明負荷を調光制御するものであって、前記メモリは、前記複数の照明負荷を分割して調光をために、前記パッチ情報の書き換えが可能であり、この複数の照明負荷を分割して調光を行うための前記パッチ情報の書き換えと複数の照明負荷を一括して調光を行うためのパッチ情報の書き換えとは、切替え手段によって切り替える調光制御装置と;を具備している。
【0011】
本発明及び以下の請求項の各発明において、特に限定しない限り、用語の定義及び技術的意味は次による。
操作端末器は、例えば、コントローラであって、前記複数の操作部がスライド型のフェーダスイッチ、あるいはタッチパネル式のフェーダスイッチで構成したものであるが、これに限定されるものではなく、フェーダスイッチ以外の操作部であってもよい。また、操作端末器は、制御信号を有線で伝送する有線伝送式のコントローラで構成するが、例えば、制御信号を無線で伝送する無線伝送式のコントーラで構成してもよい。
【0012】
メモリは、例えば、RAMであるが、これに限定されるものではなく、電源を切っても記憶内容が消えないメモリであってもよい。
【0013】
切替え手段は、例えば、切替スイッチであるがこれに限定されるものではない。調光制御装置は、この切替スイッチの操作による操作信号に基づき、複数の照明負荷を分割して調光を行うためのパッチ情報の書き換えと複数の照明負荷を一括して調光を行うためのパッチ情報の書き換えとを切り替えるように制御する。
【0014】
本発明の請求項2に係る照明システムは、請求項1に記載の照明システムにおいて、前記メモリの前記パッチ情報を書き換えるのに必要な情報は、複数の部屋と、これら複数の部屋のそれぞれに対応する1又は2以上の前記照明負荷と、前記1又は2以上の照明負荷のそれぞれと前記複数のフェーダ操作部のそれぞれとの対応関係を示す情報であることを特徴とする。
【0015】
複数の部屋とは、例えば、会議室やホール等の屋内施設をパーティション部材で仕切られた複数の部屋を意味するが、これに限定されるものではない。例えば、あたかも仮想のパーティション部材で仕切られた仮想空間の部屋として構成してもよい。
【0016】
本発明の請求項3に係る調光制御装置は、複数の照明負荷と、複数の照明負荷の内、調光すべき照明負荷を任意の明るさの調光状態に操作するための複数の操作部を有する複数の操作端末器とが接続可能である調光制御装置であって、複数の照明負荷のそれぞれと複数の操作端末器の各操作部との対応関係を示すパッチ情報を記憶したメモリと、 複数の照明負荷と複数の操作端末器とが対応付けられ、複数の操作端末器の複数の操作部のそれぞれの操作内容に基づき、前記パッチ情報に基づく照明負荷を調光制御する制御部を有し、前記メモリは、前記複数の照明負荷を分割して調光を行うための、前記パッチ情報の書き換えが可能であり、前記制御部は、複数の照明負荷を分割して調光を行うための前記パッチ情報の書き換えと複数の照明負荷を一括して調光を行うためのパッチ情報の書き換えとを切替え手段による操作に基づき切替え制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の本発明に係る照明システムによれば、照明負荷を分割して調光制御する場合に、パッチ情報の書き換えを行うことにより、パッチ情報を増やすことなく、パッチ情報の変更作業を簡単に行うことができる。
【0018】
請求項2の本発明によれば、請求項1と同様の効果が得られる他に、照明負荷を部屋毎に分割した分割モードに基づくパッチ情報の変更作業を簡単に行うことができる。
【0019】
請求項3の本発明によれば、請求項1と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態に係る照明システムの構成を示す構成図。
【図2】図1の調光制御装置の構成を示すブロック図。
【図3】図2のRAM内のパッチ情報の記憶領域を示す説明図。
【図4】図1の複数照明負荷を部屋毎に分割した場合の構成を示す構成図。
【図5】図2の複数の部屋を、パーティション部材を用いて分割した場合の構成を示す構成図。
【図6】図1の照明システムにおいて、複数の照明負荷を一括で制御する場合のパッチ情報の構成を示す図。
【図7】図4の照明システムにおいて、書き換えるのに必要な、部屋Noと照明負荷Noと操作端末器Noとの対応関係のパッチ情報の構成を示す図。
【図8】図4の照明システムにおいて、書き換えるのに必要な、フェーダNoと照明負荷Noと操作端末器Noとの対応関係のパッチ情報の構成を示す図。
【図9】図4の照明システムにおいて、書き換えるのに必要な、フェーダNoと照明負荷Noと操作端末器Noとの対応関係のパッチ情報の構成を示す図。
【図10】図5の照明システムにおいて、書き換えるのに必要な、パーティションNoと部屋Noと照明負荷Noと操作端末器Noとの対応関係のパッチ情報の構成を示す図。
【図11】本実施の形態の調光制御装置の分割モード設定時に伴う処理手順を示すフローチャート。
【図12】本実施の形態の調光制御装置のCPUにおける制御内容の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0022】
図1(a)は本発明の実施の形態に係る照明システムの構成を示す模式的な構成図であり、図1(b)は、操作端末器の構成を示す構成図であり、図2は図1の照明システムに用いられる調光制御装置の構成を示すブロック図である。
【0023】
図1(a)に示す照明システム1は、会議室やホール等の屋内施設3に設置されるもので、複数の照明負荷S1〜S10と、複数の操作端末器(コントローラともいう)C1〜C5と、調光制御装置2とを有して構成される。
なお、本実施の形態では、10個の照明負荷S1〜S10、5個の操作端末器C1〜C5を備えて照明システム1を構成した場合ついて説明するが、これらの数に限定されるものではない。
【0024】
複数の照明負荷S1〜S10は、制御信号線4aにより、調光制御盤である調光制御装置2に接続される。また、複数の操作端末器C1〜C5は、制御信号線4bにより、調光制御装置2に接続される。なお、制御信号線4a及び4bは、図においては1本で示してあるが、複数の信号線から構成される。
【0025】
各操作端末器Cは、図1(b)に示すように、複数の照明負荷S1〜S10の内、対応する照明負荷を任意の明るさの調光状態に操作するための操作部を構成する複数のフェーダ操作部F1〜F8を有している。これら複数のフェーダ操作部F1〜F8は、フェーダスイッチとして構成される。
なお、フェーダスイッチであるこれら複数のフェーダ操作部F1〜F8は、図1(b)に示すように8個に限定されるものではなく、必要に応じてそれ以上設けてもよい。
【0026】
また、複数のフェーダ操作部F1〜F8は、スライド型のフェーダスイッチを用いて構成しても、あるいは、タッチパネル式のフェーダスイッチを用いて構成してもよい。
【0027】
また、複数のフェーダ操作部F1〜F8は、フェーダスイッチに限定されるものではなく、フェーダスイッチ以外の操作スイッチで構成してもよい。
【0028】
さらに、複数の操作端末器C1〜C5は、制御信号を有線で伝送する有線伝送式のコントローラで構成したが、例えば、制御信号を無線で伝送する無線伝送式のコントーラで構成してもよい。
【0029】
次に、照明システム1に用いられる調光制御装置2の構成について図2を用いて説明する。
【0030】
図2に示すように、本実施の形態の調光制御装置2は、切替スイッチ2aと、接続部2bと、バス5に接続される、4つのインターフェース部(以下、I/Fと略す)6〜9、ROM10、RAM11、及びCPU12とを有して構成される。
【0031】
切替スイッチ2aは、複数の照明負荷S1〜S10を一括で調光制御する一括モードと、複数の照明負荷S1〜S10を所定数の数でグループ分けするなど分割して調光制御する分割モードとのいずれかを指示するためのスイッチである。
【0032】
この切替スイッチ2aは、例えば、トグルスイッチやそれ以外のスイッチで構成し、押下操作により、一括モード又は分割モードの操作信号をI/F8に出力する。このI/F8は、入力された操作信号を指示信号に変換してバス5を介してCPU12に出力する。
【0033】
接続部2bは、例えば、外部装置であるパーソナルコンピュータ(以下、PCと略す)13等が接続される接続ケーブルコネクタである。この接続部2bを介して供給された情報は、I/F9によって変換された後、バス5に出力される。
【0034】
複数の照明負荷S1〜S10に接続される制御信号線4aは、I/F7に接続される。このI/F7は、CPU12からの制御信号を、照明負荷Sに出力する。なお、調光器等の照明制御手段は、照明負荷S側又は調光制御装置2あるいはこれら以外の場所に設けることができ、設置場所等に応じて、調光制御装置2及び各照明負荷Sの間の配線及び信号の形態を設定することができる。
【0035】
複数の操作端末器C1〜C5に接続される制御信号線4bは、I/F6に接続される。このI/F6は、複数の端末器C1〜C5から供給される制御信号を、バス5を介してCPU12に出力する。
【0036】
ROM10は、制御手段であるCPU12が操作端末器C及び切替スイッチ2aの操作に基づき照明負荷Sを調光制御するのに必要なプログラム等を格納している。CPU12は、ROM10に格納された所定のプログラムを実行することで、照明システム1全体の調光制御を行ったり、後述するが照明負荷Sの分割モード実行時に必要なRAM11内のパッチ情報の書き換え制御等を行う。
【0037】
また、CPU12は、複数のフェーダ操作部F1〜F8のそれぞれの操作入力に基づき、前記パッチ情報に基づく照明負荷Sを調光制御する。
【0038】
なお、RAM11は、後述するように、パッチ情報を記憶するが、その記憶エリアはフラッシュメモリとして構成してもよい。
【0039】
このRAM11は、例えば、図3に示すように、少なくとも一括モード領域20と、分割モード領域30との各記憶エリアを有している。この一括モード領域20の記憶エリアには、一括モードに対応した、複数の照明負荷S1〜S10と複数の操作端末器C1〜C5のフェーダ操作部F1〜F8との対応関係を示すパッチ情報(一括パッチ情報ともいう)が記憶されている。
【0040】
このような一括モード時に対応した一括パッチ情報の一例を図6に示す。
図1に示す照明システム1において、複数の照明負荷SのそれぞれのIDNoをS1〜S10とし、複数の操作端末器CのそれぞれのIDNoをC1〜C5とし、さらに、各操作端末器Cの各フェーダ操作部FのIDNoをF1〜F8として、それぞれIDNoを割り付けたとする。なお、ここで、照明負荷S9、S10については、個別に設けた図示しないスイッチで制御するものとする。
【0041】
すると、図6に示すように、各フェーダ操作部(フェーダと略記)Noと各照明負荷Noとの対応関係を示す一括パッチ情報は、“F1→S1”、“F2→S2”、“F3→S3”…“F8→S8”といったものとなり、このような一括パッチ情報がRAM11の一括モード領域20に格納されている。
【0042】
一方、RAM11の分割モード領域30の記憶エリアには、所定の分割モードに対応した、複数の照明負荷S1〜S10のそれぞれと複数の操作端末器C1〜C5の各フェーダ操作部F1〜F8との対応関係を示すパッチ情報(分割パッチ情報ともいう)が記憶されている。
【0043】
本実施の形態の調光制御装置2において、RAM11は、複数の照明負荷S1〜S10を分割して調光を行う場合、すなわち、実行する分割モードに対応するために、分割モード領域30における分割パッチ情報の書き換えが可能である。勿論、一括モード領域20における一括バッチ情報の書き換えも可能である。
【0044】
このような分割モードを実行する場合に必要な分割パッチ情報の書き換え処理手順、及び書き換え処理内容について図4〜図11を用いて説明する。
【0045】
本実施の形態の調光制御装置2は、分割モードを実行する場合の準備処理として、予めRAM11の分割モード領域30内に記憶された分割パッチ情報を、所望する形態の分割モードに基づく分割パッチ情報に書き換える書き換え処理を行う。
【0046】
図11に、このような本実施の形態の調光制御装置の分割モード設定時に伴う処理手順のフローチャートを示す。
【0047】
作業者は、予め、外部装置としてのPC13内に、所望する複数の照明負荷S1〜S10の分割形態に応じた分割パッチ情報を格納しておく。そして、作業者は、ステップS1の処理で、PC13を、接続ケーブル等を用いて調光制御装置2の接続部2bに接続する。
【0048】
そして、作業者によるPC13側の操作により、所望する分割モードに基づく分割パッチ情報が、接続部2bを介してI/F9に出力される。出力された分割パッチ情報は、I/F9を介して、バス5に出力される(ステップS2)。
【0049】
その後、作業者によるPC13側の操作により、調光制御装置2内のCPU12が制御されて、バス5に出力された分割パッチ情報がRAM11の分割モード領域30の記憶エリアに書き込まれ、既に記憶されている分割パッチ情報に上書きするなどして供給された分割パッチ情報が書き換えられる(ステップS3)。
なお、本実施の形態では、RAM11の分割パッチ情報の書き換えは、外部装置としてのPC13側から行ったが、これに限定されることはなく、例えば、調光制御装置2のバス5に接続された操作パネル13を用いて行ってもよい。
このようにして、RAM11の分割パッチ情報の書き換え処理を完了する。
【0050】
次に、上記の如く書き換えられる分割パッチ情報としては、少なくとも2つのタイプの分割モードに対応したものがある。
これら少なくとも2つの分割モードにおける照明負荷S、操作端末器C等の構成、及び分割パッチ情報の内容について、図4及び図5、図7〜10を用いて説明する。
【0051】
まず、1つ目のタイプの分割モードについて説明する。図4(a)は、図1の複数の照明負荷を部屋毎に分割した場合の構成を示す構成図で、図4(b)は操作端末器の構成示す構成図である。
【0052】
図4(a)に示す分割モードにおける照明システム1は、屋内施設3を、例えば、移動可能な4つのパーティション部材3A〜3Dにより分割して5つの部屋R1〜R5を形成するとともに、これら5つの部屋R1〜R5に、それぞれ対応する2つの照明負荷を配置して構成される。また、これら5つの部屋R1〜R5には、2つの照明負荷にそれぞれ対応する操作端末器C1〜C5の複数のフェーダ操作部F1〜F8(図4(b)参照)が配置される。
【0053】
このようなタイプの分割モード、すなわち部屋分割モード、において、RAM11の分割パッチ情報を書き換えるのに必要な情報は、複数の部屋R1〜R5と、これら複数の部屋R1〜R5のそれぞれに対応する2つの照明負荷S(S1〜S10の内2つ)と、照明負荷Sのそれぞれと複数のフェーダ操作部F1〜F8のそれぞれとの対応関係を示す情報である。
【0054】
このようなタイプの分割モードを実行するために、PC13より書き換えるための分割パッチ情報の一例を、図7及び図8に示す。
【0055】
図7は、図4(a)の照明システムにおいて、書き換えるのに必要な、部屋Noと照明負荷Noと操作端末器Noとの対応関係のパッチ情報の構成を示す図であり、図8は、図4の照明システムにおいて、書き換えるのに必要な、フェーダNoと照明負荷Noと操作端末器Noとの対応関係のパッチ情報の構成を示す図である。
【0056】
図4(a)に示す照明システム1において、複数の照明負荷S1〜S10、複数の操作端末器C1〜C5、及び複数のフェーダ操作部F1〜F8の他に、複数の部屋RのそれぞれのIDNoをR1〜R5として、それぞれIDNoを割り付けたとする。
【0057】
すると、図7に示すように、各部屋RNoと各照明負荷Noと操作端末器Noとの対応関係を示す分割パッチ情報は、“R1→S1、S2→C1”、“R2→S3、S4→C2”、“R3→S5、S6→C3”…“R5→S9、S10→C5”といったものとなり、このような分割パッチ情報が上記の如くRAM11の分割モード領域30に書き換えられる。
【0058】
さらに、図8に示すように、フェーダNoと各照明負荷Noと操作端末器Noとの対応関係を示す分割パッチ情報は、“F1→S1→C1”、“F2→S2→C1”、“F1→S3→C2”、“F2→S4→C2”、“F1→S5→C3” “F2→S6→C3”、“F1→S7→C4”、“F2→S8→C4”、“F1→S9→C5”、“F2→S10→C5”といったものとなり、このような分割パッチ情報が上記の如くRAM11の分割モード領域30に書き換えられる。
【0059】
次に、もう1つのタイプの分割モードについて説明する。図5(a)は、図4(a)の複数の部屋を、パーティション部材を用いて分割した場合の構成を示す構成図であり、図5(b)は操作端末器の構成示す構成図である。
【0060】
図5(a)に示す分割モードにおける照明システム1は、図4(a)に示す複数の部屋R1〜R5を、例えば、移動可能な2つのパーティション部材3A、3Bにより分割して3つのパーティション部屋P1〜P3を形成する。この場合、パーティション部屋P1には、部屋R1、R2に対応する照明負荷S1〜S4、2つの操作端末器C1,C2が配置される。また、パーティション部屋P2には、部屋R3に対応する照明負荷S5、S6、1つの操作端末器C3が配置され、パーティション部屋P3には、部屋R4、R5に対応する照明負荷S7〜S10、2つの操作端末器C4、C5が配置される。
【0061】
このようなタイプの分割モード、すなわちパーティション部屋分割モード、では、RAM11の分割パッチ情報を書き換えるのに必要な情報において、複数の部屋R1〜R5の情報は、分割した複数のパーティション部屋P1〜P3を示す情報である。
【0062】
このようなタイプの分割モードを実行するために、PC13より書き換えるための分割パッチ情報の一例を、図9及び図10に示す。
【0063】
図9は、図4(a)の照明システムにおいて、書き換えるのに必要な、フェーダNoと照明負荷Noと操作端末器Noとの対応関係のパッチ情報の構成を示す図であり、図10は、図5の照明システムにおいて、書き換えるのに必要な、パーティションNoと部屋Noと照明負荷Noと操作端末器Noとの対応関係のパッチ情報の構成を示す図である。
【0064】
図5に示す照明システム1において、複数の照明負荷S1〜S10、複数の操作端末器C1〜C5、複数のフェーダ操作部F1〜F8及び複数の部屋R1〜R5の他に、パーティション部屋PのそれぞれのIDNoをP1〜R3として、それぞれIDNoを割り付けたとする。
【0065】
すると、図9に示すように、フェーダNoと各照明負荷Noと操作端末器Noとの対応関係を示す分割パッチ情報は、“F1→S1→C1、C2”、“F2→S2→C1、C2”、“F3→S3→C1、C2”、“F4→S4→C1、C2”、“F1→S5→C3” “F2→S6→C3”、“F1→S7→C4、C5”、“F2→S8→C4、C5”、“F3→S9→C4、C5”、“F4→S10→C4、C5”といったものとなり、このような分割パッチ情報が上記の如くRAM11の分割モード領域30に書き換えられる。
【0066】
さらに、図10に示すように、パーティションNoと部屋Noと照明負荷Noと操作端末器Noとの対応関係のパッチ情報は、“P1→R1、R2→S1〜S4→C1、C2”、“P2→R3→S5、S6→C3”、“P3→R4、R5→S7〜S10→C4、C5”、といったものとなり、このような分割パッチ情報が上記の如くRAM11の分割モード領域30に書き換えられる。
【0067】
なお、本実施の形態においては、図4(a)及び図5(a)に示すようなタイプの異なる2つの分割モードの構成について説明したが、勿論これに限定されるものではなく、適宜所望する分割形態に応じて変更可能であり、また、変更された分割形態に応じて分割パッチ情報も変更される。
【0068】
次に、本実施の形態の調光制御装置のCPU12の制御例について図12用いて説明する。
なお、予め作業者によって図7〜図10に示す分割パッチ情報がRAM11に書き換えられているものとして説明する。図12は、本実施の形態の調光制御装置のCPUにおける制御内容の一例を示すフローチャートである。
【0069】
いま、本実施の形態の照明システム1の電源を投入したとする。すると、調光制御装置2のCPU12は、ROM10から、図12に示すプログラムを読み出して実行する。
CPU12は、ステップS10の判断処理により、切替スイッチ2aによる操作の有無を判断し、操作があった場合には処理をステップS11に移行し、操作が無かった場合には操作があるまで判断処理を行う。
【0070】
ステップS11の判断処理では、CPU12は、切替スイッチ2aによる操作が一括モードであるか否かを判断する。この場合、CPU12は、一括モードであると判断した場合には処理をステップS12に移行し、一括モードではないと判断、すなわち、分割モードであると判断した場合には、処理をステップS13に移行する。
【0071】
一括モードであると判断した場合、CPU12は、ステップS12の判断処理で、任意の操作端末器Cの任意のフェーダ操作部Fの操作の有無を判断し、操作があった場合には処理をステップS16に移行し、操作が無かった場合には処理をステップS11に戻す。
【0072】
その後、CPU12は、ステップS16の処理により、予め設定されているRAM11の一括モード領域20に格納されているパッチ情報(例えば、図6参照)に基づいて、操作された任意のフェーダ操作部Fに対応する照明負荷Sを判別し、この判別した照明負荷Sに対して予め設定された調光量などの制御情報を取得して、処理をステップS19に進む。ステップS19では、・・・。
【0073】
一方、前記ステップS11の判断処理で分割モードが指示された場合、CPU12は、ステップS13の判断処理で、その指示された分割モードが、部屋分割であるか否かを判断する。
【0074】
この場合、CPU12は、部屋分割である分割モードであると判断した場合、ステップS14の判断処理に進み、部屋分割ではない分割モード、すなわち、パーティション部屋分割の分割モードであると判断して処理をステップS15に移行する。
【0075】
部屋分割である分割モードあると判断した場合、CPU12は、ステップS14の判断処理で、任意の操作端末器Cの任意のフェーダ操作部Fの操作の有無を判断し、操作があった場合には処理をステップS17に移行し、操作が無かった場合には処理をステップS13に戻す。
【0076】
その後、CPU12は、ステップS17の処理により、予め設定されているRAM11の分割モード領域30に格納されている分割パッチ情報(例えば、図7及び図8参照)に基づいて、部屋Rとフェーダ操作部Fと照明負荷Sとを対応付けすると同時に、部屋Rと操作された任意のフェーダ操作部Fとこのフェーダ操作部Fに対応する照明負荷Sとを判別し、この判別した照明負荷Sに対して予め設定された調光量などの制御情報を取得して、処理をステップS19に進む。
【0077】
前記ステップS13の判断処理にてパーティション部屋分割の分割モードであると判断した場合、CPU12は、ステップS15の判断処理で、任意の操作端末器Cの任意のフェーダ操作部Fの操作の有無を判断し、操作があった場合には処理をステップS18に移行し、操作が無かった場合には処理をステップS13に戻す。
【0078】
その後、CPU12は、ステップS18の処理により、予め設定されているRAM11の分割モード領域30に格納されている分割パッチ情報(例えば、図9及び図10参照)に基づいて、パーティション部屋Pとフェーダ操作部Fと照明負荷Sとを対応付けすると同時に、パーティション部屋Pと操作された任意のフェーダ操作部Fとこのフェーダ操作部Fに対応する照明負荷Sとを判別し、この判別した照明負荷Sに対して予め設定された調光量などの制御情報を取得して、処理をステップS19に進む。
【0079】
なお、前記ステップS16〜ステップS18において、予め設定された各照明負荷Sの調光量などの制御情報は、ROM10又はRAM11内のその他の記憶領域に記憶されており、あるいは一括パッチ情報及び分割パッチ情報と関連づけて記憶されている。
【0080】
その後、CPU12は、ステップS19の処理において、取得した制御情報に基づく調光量で該当する照明負荷Sを点灯させるように調光制御する。
【0081】
このように、調光制御装置2は、CPU12による制御処理によって一括モード又は分割モードが判別され、判別された一括モード又は分割モードに基づく照明負荷Sの調光制御が可能である。
【0082】
したがって、本実施の形態によれば、調光制御装置2のRAM11は、照明負荷を分割して調光制御する場合、すなわち、実行する分割モードに対応するために、予めRAM11の分割モード領域30内に記憶された分割パッチ情報を、所望する形態の分割モードに基づく分割パッチ情報に書き換えることができるので、パッチ情報を増やすことなく、パッチ情報の変更作業を簡単に行うことができる。
【0083】
このため、照明負荷を一括で調光制御する一括モードを実行することは勿論、使用目的に応じた形態の分割モードを迅速に設定でき、かつ実行することができるので、屋内施設の有効活用の拡大に寄与できる照明システム及びこれに用いる調光制御装置の実現が可能となる。
【0084】
なお、本実施の形態において、分割モードにおける照明負荷の分割形態は、会議室やホール等の屋内施設3をパーティション部材3A〜3Dで仕切られた複数の部屋R1〜R5、あるいは任意の部屋数R毎にパーティション部材3A、3Bで仕切られたパーティション部屋P1〜P3に応じて配置されたものであるが、これに限定されるものではない。例えば、あたかも仮想のパーティション部材で仕切られた仮想空間の部屋R、あるいはパーティション部屋として構成してもよい。
【0085】
また、本実施の形態において、より演出効果を高めるために、例えば、複数の操作端末器C1〜C5にシーン再生スイッチをそれぞれ設け、このシーン再生スイッチを押下することにより、各フェーダ操作部F1〜F8に対応する照明負荷S1〜S10による調光量が、予めシーン毎に設定された調光量となるように調光制御するシーン再生モードを設けて構成してもよい。
【0086】
本発明は、上述した実施の形態及び変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【符号の説明】
【0087】
1…照明システム、
2…調光制御装置、
2a…切替スイッチ、
2b…接続部、
3…屋内施設、
3A〜3D…パーティション部材、
4a、4b…制御信号線
5…バス、
6〜9…I/F、
10…ROM、
11…RAM、
12…CPU、
20…一括モード領域、
30…分割モード領域、
C1〜C5…操作端末器、
F1〜F8…フェーダ操作部、
R1〜R5…部屋、
P1〜P3…パーティション部屋、
S1〜S10…照明負荷。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の照明負荷と;
複数の照明負荷の内、調光すべき照明負荷を任意の明るさの調光状態に操作するための複数の操作部を有する複数の操作端末器と;
複数の照明負荷のそれぞれと複数の操作端末器の各操作部との対応関係を示すパッチ情報を記憶したメモリを有し、複数の照明負荷と複数の操作端末器とが対応付けられ、操作端末器の複数の操作部の操作内容及び前記パッチ情報に基づき照明負荷を調光制御するものであって、前記メモリは、複数の照明負荷を分割して調光を行うための前記パッチ情報の書き換えが可能であり、この複数の照明負荷を分割して調光を行うための前記パッチ情報の書き換えと複数の照明負荷を一括して調光を行うためのパッチ情報の書き換えとは、切替え手段によって切り替える調光制御装置と;
を具備したことを特徴とする照明システム。
【請求項2】
前記メモリの前記パッチ情報を書き換えるのに必要な情報は、複数の部屋と、これら複数の部屋のそれぞれに対応する1又は2以上の前記照明負荷と、前記1又は2以上の照明負荷のそれぞれと前記複数のフェーダ操作部のそれぞれとの対応関係を示す情報であることを特徴とする請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
複数の照明負荷と、複数の照明負荷の内、調光すべき照明負荷を任意の明るさの調光状態に操作するための複数の操作部を有する複数の操作端末器とが接続可能である調光制御装置であって、
複数の照明負荷のそれぞれと複数の操作端末器の各操作部との対応関係を示すパッチ情報を記憶したメモリと、
複数の照明負荷と複数の操作端末器とが対応付けられ、複数の操作端末器の複数の操作部のそれぞれの操作内容に基づき、前記パッチ情報に基づく照明負荷を調光制御する制御部を有し、
前記メモリは、前記複数の照明負荷を分割して調光を行うための、前記パッチ情報の書き換えが可能であり、前記制御部は、複数の照明負荷を分割して調光を行うための前記パッチ情報の書き換えと複数の照明負荷を一括して調光を行うためのパッチ情報の書き換えとを切替え手段による操作に基づき切替え制御することを特徴とする調光制御装置。
【請求項1】
複数の照明負荷と;
複数の照明負荷の内、調光すべき照明負荷を任意の明るさの調光状態に操作するための複数の操作部を有する複数の操作端末器と;
複数の照明負荷のそれぞれと複数の操作端末器の各操作部との対応関係を示すパッチ情報を記憶したメモリを有し、複数の照明負荷と複数の操作端末器とが対応付けられ、操作端末器の複数の操作部の操作内容及び前記パッチ情報に基づき照明負荷を調光制御するものであって、前記メモリは、複数の照明負荷を分割して調光を行うための前記パッチ情報の書き換えが可能であり、この複数の照明負荷を分割して調光を行うための前記パッチ情報の書き換えと複数の照明負荷を一括して調光を行うためのパッチ情報の書き換えとは、切替え手段によって切り替える調光制御装置と;
を具備したことを特徴とする照明システム。
【請求項2】
前記メモリの前記パッチ情報を書き換えるのに必要な情報は、複数の部屋と、これら複数の部屋のそれぞれに対応する1又は2以上の前記照明負荷と、前記1又は2以上の照明負荷のそれぞれと前記複数のフェーダ操作部のそれぞれとの対応関係を示す情報であることを特徴とする請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
複数の照明負荷と、複数の照明負荷の内、調光すべき照明負荷を任意の明るさの調光状態に操作するための複数の操作部を有する複数の操作端末器とが接続可能である調光制御装置であって、
複数の照明負荷のそれぞれと複数の操作端末器の各操作部との対応関係を示すパッチ情報を記憶したメモリと、
複数の照明負荷と複数の操作端末器とが対応付けられ、複数の操作端末器の複数の操作部のそれぞれの操作内容に基づき、前記パッチ情報に基づく照明負荷を調光制御する制御部を有し、
前記メモリは、前記複数の照明負荷を分割して調光を行うための、前記パッチ情報の書き換えが可能であり、前記制御部は、複数の照明負荷を分割して調光を行うための前記パッチ情報の書き換えと複数の照明負荷を一括して調光を行うためのパッチ情報の書き換えとを切替え手段による操作に基づき切替え制御することを特徴とする調光制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−233481(P2011−233481A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−105548(P2010−105548)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】
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