説明

照明システム

【課題】ユーザの利便性を損なうことなく快適な光環境を実現しつつ省エネを図る照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置は、時間帯によって照度を変更させる制御モードである「光環境制御」モードおよび所定時間に照度を規定のものとする制御モードであるタイマ設定を、時刻に応じて照明状態を異ならせる制御モードとして有し、リモコンにてこれらモードが入力された場合(S200でYES、またはS204でYES)、リモコンからは入力された制御モード用の制御コマンドに加えて、現在時刻を示す時刻情報を照明装置に出力する(S202,S206,S210)。これらの制御モード以外の、時刻を用いない制御モードが入力された場合には(S200,S204でNO)、入力された制御モード用の制御コマンドのみ出力されて時刻情報は出力されない(S208、S210)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、照明システムに関し、特に発光ダイオード(LED(Light Emitting Diode))を光源とする照明装置を含む照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の照明装置は、白熱電球や蛍光灯を使用したものが一般的であり、点灯、消灯、出力調整による調光、常夜灯(豆球)の点灯などがあった。
【0003】
近年、発光ダイオード(LED)の進化がめざましく、高輝度・高出力でさまざまな波長出力を持つLEDが実用化されてきている。このようなLEDを用いた照明装置であっても、従来の照明装置と同様に省エネ機能が要求されるようになっている。
【0004】
従来の照明装置での省エネ機能として、特開2009−289483号公報においては、時刻を示す機能を備えて、予め規定した時間帯ごとに照度を調整する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−289483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、時刻を示す機能を備えた照明装置において、たとえば壁面等に設置された電源スイッチが操作されるなどして電源の供給が遮断されると適正に時刻が示されなくなる。その場合、その後に同様に照度の調整を行なう場合には、照明装置に対して電源スイッチをONするたびに現在時刻を設定する必要があり、操作が煩雑となるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、ユーザの利便性を損なうことなく快適な光環境を実現しつつ省エネを図る照明システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、照明システムは、照明装置と照明装置と通信して制御を行なう制御装置とを含む。制御装置は、当該通信を制御するための通信制御手段と、照明装置の制御モードの入力を受付けるための入力手段とを備え、通信制御手段は、入力された制御モードに応じて時刻情報を送信するか否かを判断し、入力された制御モードが時刻情報を送信すると判断された制御モードである場合には制御モード用のコマンドと共に時刻情報を送信し、時刻情報を送信しないと判断された制御モードである場合には制御モード用のコマンドを送信する。
【0009】
好ましくは、通信制御手段は、入力された制御モードが時刻に応じて照明装置での照明状態が異なる制御モードである場合に時刻情報を送信すると判断する。
【0010】
好ましくは、照明装置は、計時手段と、計時手段に電源を供給するための電源供給回路とを備え、制御装置は、照明装置において計時手段に電源の供給が遮断されているときに入力された制御モードでの制御を開始する場合であって、入力された制御モードが時刻情報を送信すると判断された制御モードである場合に制御モード用のコマンドと共に時刻情報を送信する。
【発明の効果】
【0011】
この発明によると、ユーザの利便性を損なうことなく快適な光環境を実現しつつ省エネを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に従う照明装置の外観構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に従う照明装置のハードウェアを説明する概略ブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に従うLEDモジュールの構成を説明する図である。
【図4】LEDモジュールが照明装置1に配置されている場合の一例を説明する図である。
【図5】本発明の実施の形態に従うリモコンの外観構成図である。
【図6】本発明の実施の形態に従うリモコンのハードウェアを説明する概略ブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態に従う光環境制御モードの調光率を説明する図である。
【図8】光環境制御モードの各期間における照明部の動作を説明する動作テーブル図である。
【図9】図8の期間のうちの期間tAにおける本発明の実施の形態に従う昼光色および電球色の調光率のグラフを説明する図である。
【図10】図8の期間のうちの期間tCにおける本発明の実施の形態に従う昼光色および電球色の調光率のグラフを説明する図である。
【図11】図8の期間のうちの期間tEにおける本発明の実施の形態に従う電球色の調光率のグラフを説明する図である。
【図12】図8の期間のうちの期間tEにおける本発明の実施の形態に従う電球色の調光率の別のグラフを説明する図である。
【図13】本発明の実施の形態に従う照明装置のメインフローを説明する図である。
【図14】本発明の実施の形態に従う点灯調整モードの処理を説明するフロー図である。
【図15】本発明の実施の形態に従う光環境制御モードのフローを説明する図である。
【図16】本発明の実施の形態に従う我が家流設定における起床時刻、夕食時刻、就寝時刻の設定時刻について説明する図である。
【図17】本発明の実施の形態に従うリモコンの液晶パネルにおける我が家流設定の画面について説明する図である。
【図18】本発明の実施の形態に従う我が家流設定のフローを説明する図である。
【図19】本発明の実施の形態に従うリモコンでのコマンド送信処理を説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を附してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態に従う照明装置1の外観構成図である。
図1を参照して、本発明の実施の形態に従う照明装置1には、本体部を取り付けるためのシャーシ2と、シャーシ2とともに本体部全面を覆うカバー8,9とが設けられている場合が示されている。本例においては、一例として、照明装置1のシャーシ2が天井に取り付けられているものとする。
【0015】
カバー8は、照明用のLEDモジュールが配置される領域に対応して設けられる。当該カバー8の領域から光が照射される。
【0016】
カバー8の中央付近に設けられている別のカバー9は、LEDモジュールを制御する基板等の制御装置が配置される領域に対応して設けられる。当該カバー9に対応する領域には、LEDモジュールは設けられていないため光は照射されない。
【0017】
また、当該照明装置1を操作するための携帯型のリモコン50が設けられている。リモコン50を操作することにより照明装置1に対して各種動作指示を与えることが可能となる。リモコン50の詳細については後述する。
【0018】
図2は、本発明の実施の形態に従う照明装置1のハードウェアを説明する概略ブロック図である。
【0019】
図2を参照して、本発明の実施の形態に従う照明装置1は、電源回路10と、照明制御部20と、照明部30と、インタフェース部40とを含む。
【0020】
電源回路10は、交流電源入力(AC入力)(100V)を受けて直流電圧に変換して装置の各部に電圧を供給する。なお、本例においては、一例として制御電源供給回路21および照明部30のみに電圧が供給されているように示されているが、特にこれに限られず、他の部位に対しても必要な電圧が供給されるものとする。
【0021】
照明制御部20は、電源回路10から供給される電圧をCPU22に供給するために調整する制御電源供給回路21と、照明装置1全体を制御するためのCPU(Central Processing Unit)22と、PWM(Pulse Width Modulation)制御回路23と、信号受信部25と、SW入力部26と、水晶発振子27と、照度センサ28と、メモリ29とを含む。CPU22とメモリ29とPWM制御回路23とはマイコン(マイクロコンピュータ)によって構成される。
【0022】
CPU22は、各部と接続されるとともに、照明装置1全体を制御するために必要な動作を指示する。
【0023】
PWM制御回路23は、CPU22からの指示に従ってLEDモジュール31,32を駆動するために必要なPWMパルスを生成する。
【0024】
信号受信部25は、インタフェース部40に含まれる赤外線受光部41と接続されて、赤外線受光部41で受光された赤外線信号に応答した指示をCPU22に出力する。
【0025】
SW入力部26は、操作SW(スイッチ)42と接続されて、操作SWの操作に応答した指示をCPU22に出力する。
【0026】
水晶発振子27は、所定の周期で発振信号を生成してCPU22に出力する。CPU22は、水晶発振子27から発振される発振信号(クロック信号)の入力を受けて、当該クロック信号に同期した各種動作を実行する。なお、CPU22は、水晶発振子27から出力される発振信号に従って時刻を正確に計測することが可能であるものとする。
【0027】
照度センサ28は、照明装置1周辺の照度を計測してCPU22に出力する。CPU22は、照度センサ28からの測定結果に基づいて調光率を制御することが可能である。
【0028】
メモリ29は、各種照明装置1を制御するためのプログラムおよび初期値等が格納されるとともに、CPU22のワーキングメモリとしても用いられる。
【0029】
照明部30は、互いに色温度の異なるLEDモジュール31,32と、LEDモジュール31,32を駆動するために用いられるFET(Field Effect Transistor)スイッチ33,34とを含む。本例において、LEDモジュール31の色温度は、6700K程度、LEDモジュール32の色温度は、2700K程度とする。以下、LEDモジュール31を昼光色LED(単に昼光色)とも称する。また、LEDモジュール32を電球色LED(単に電球色)とも称する。なお、ここでは、LEDモジュール31,32は、それぞれ1つずつ1組として設けられている場合が示されているが、複数組が設けられる構成とすることも可能である。また、FETスイッチ33,34はPWM制御回路23にあってもよい。
【0030】
インタフェース部40は、赤外線受光部41と、操作SW42とを含む。
赤外線受光部41は、上述したリモコン50からの赤外線信号を受光する。そして、赤外線信号を光電変換して信号受信部25に出力する。
【0031】
操作SW42は、電源スイッチ等を含み、ユーザの電源スイッチ等のスイッチ操作に応答した指示がSW入力部26を介してCPU22に出力される。なお、電源スイッチがオンの場合には、照明装置1には必要な電源が供給され、電源スイッチがオフの場合には、照明装置1には電源が供給されないものとする。本例における各種動作については、電源スイッチがオンの場合とする。
【0032】
図3は、本発明の実施の形態に従うLEDモジュール31,32の構成を説明する図である。
【0033】
図3を参照して、CPU22は、PWM制御回路23に指示してLEDモジュール31,32の少なくとも一方を駆動するためのPWMパルスS1,S2を生成して出力する。
【0034】
LEDモジュール31,32は、電源回路10から必要な電圧の供給を受ける。LEDモジュール31,32と接地電圧GNDとの間には、FETスイッチ33,34とがそれぞれ設けられている。
【0035】
そして、PWMパルスS1,S2に応答してFETスイッチ33,34が導通/非導通となることによりLEDモジュール31,32に電流が供給/遮断される。LEDモジュール31,32に電流が供給されることによりLEDモジュール31,32はそれぞれ発光する。なお、ここでは、LEDモジュール31,32を駆動する構成について説明したが、他のLEDモジュールがさらに複数個設けられている場合についても同様である。
【0036】
図4は、LEDモジュール31,32が照明装置1に配置されている場合の一例を説明する図である。
【0037】
図4を参照して、LEDモジュール31,32を互いに隣接して配置し、かつ、複数組円形状に配列して実装した場合が示されている。色温度の異なるLEDモジュール31,32を互いに隣接して実装することにより、それぞれのLEDモジュールから発光される光を混ざりやすくし、照射面での色のバラツキ、ムラを無くすことが可能となる。
【0038】
図5は、本発明の実施の形態に従うリモコン50の外観構成図である。
図5を参照して、リモコン50は、液晶パネル52と、各種ボタンが設けられている。液晶パネル52は、液晶以外の他の表示装置を用いることも可能である。
【0039】
また、ここでは、複数のボタンが設けられている。具体的には、「全灯」ボタン54と、「消灯」ボタン53と、調光率の上げ下げを指示するための「アップ」ボタン57Aおよび「ダウン」ボタン57Bと、「電球色」ボタン59Aおよび「昼光色」ボタン59Bと、「光環境制御」ボタン58と、「我が家流」設定ボタン62と、「明るさプラス」ボタン64と、「おやすみ前」ボタン66と、「時刻設定」ボタン68と、「照度センサ」ボタン70と、「お気に入り」ボタン72と、数値等の上げ下げを指示するための「+/−」ボタン74と、「タイマ」ボタン76とが設けられる。
【0040】
ユーザが「全灯」ボタン54を押下することにより全点灯制御指示がリモコン50から出力される。照明装置1のCPU22は、リモコン50からの全点灯制御指示の入力を受けて、PWM制御回路23に対して照明部30への全点灯制御を開始するように指示する。これにより、「全灯」ボタン54の押下すなわち、リモコン50からの全点灯制御指示の入力に従って、照明部30から調光率100%の光が照射される。
【0041】
照明部30から照射される光の調光率は、「アップ」ボタン57Aおよび「ダウン」ボタン57Bの操作によって段階的に全灯(調光率100%)から微灯(調光率30%)まで調整される。具体的には、例えば、「全灯」ボタン54が押下されて全灯(調光率100%)である状態で「ダウン」ボタン57Bが押下されたときには半灯(調光率50%)となり、その状態で「ダウン」ボタン57Bが押下されたときには微灯(調光率30%)となる。また、その状態で「アップ」ボタン57Aが押下されたときには半灯(調光率50%)となり、その状態で「アップ」ボタン57Aが押下されたときには全灯(調光率100%)となる。なお、現在の調光率はメモリ29に記憶されているものとする。
【0042】
点灯中にユーザが「消灯」ボタン53を押下することにより消灯制御指示がリモコン50から出力される。照明装置1のCPU22は、リモコン50からの消灯制御指示の入力を受けて、PWM制御回路23に対して照明部30を消灯するように指示する。これにより、「消灯」ボタン53の押下すなわち、リモコン50からの消灯制御指示の入力に従って、照明部30からの光の照射が終了する。
【0043】
また、ユーザが「電球色」ボタン59Aおよび「昼光色」ボタン59Bを押下することにより色調の切り替え指示がリモコン50から出力される。照明装置1のCPU22は、リモコン50からの色調の切り替え指示の入力を受けてPWM制御回路23に対して照明部30への点灯切り替えを指示する。ここで、「電球色」ボタン59Aおよび「昼光色」ボタン59Bの押下すなわち、リモコン50からの色調の切り替え指示の入力に従って、照明部30から照射する光の色調を調整可能であるものとする。具体的には、「電球色」ボタン59Aが押下された場合には、調光率は維持しつつ昼光色から電球色に段階的に切り替わるように設定されるものとする。例えば、昼光色の全灯(調光率100%)である「昼光色」の状態で「電球色」ボタン59Aが押下されたときには、昼光色を調光率70%、電球色を調光率30%の「半昼光色」に設定して、調光率は維持しつつ色味を昼光色から電球色側に変化させる。その状態でさらに「電球色」ボタン59Aが押下されたときには、昼光色を調光率30%、電球色を調光率70%の「半電球色」に設定して、調光率は維持しつつ色味をさらに昼光色から電球色側に変化させる。また、「昼光色」ボタン59Bが押下された場合には、調光率は維持しつつ電球色から昼光色に段階的に切り替わるように設定されるものとする。例えば、電球色の全灯(調光率100%)である「電球色」の状態で「昼光色」ボタン59Bが押下されたときには、電球色を調光率70%、昼光色を調光率30%の「半電球色」に設定して、調光率は維持しつつ色味を電球色から昼光色側に変化させる。その状態でさらに「昼光色」ボタン59Bが押下されたときには、電球色を調光率30%、昼光色を調光率70%の「半昼光色」に設定して、調光率は維持しつつ色味をさらに電球色から昼光色側に変化させる。なお、現在の色調はメモリ29に記憶されているものとする。
【0044】
当該操作に従って、ユーザが「アップ」ボタン57Aおよび「ダウン」ボタン57Bあるいは「電球色」ボタン59Aおよび「昼光色」ボタン59Bを操作することによりユーザの好みの調光率および色調に変化させて快適な光環境を実現することが可能である。
【0045】
また、ユーザが「光環境制御」ボタン58を押下することにより、光環境制御モード指示がリモコン50から出力される。照明装置1のCPU22は、リモコン50からの光環境制御指示の入力を受けてPWM制御回路23に対して照明部30への光環境制御モードにおける点灯制御を開始するように指示する。光環境制御モードについては後述する。
【0046】
また、ユーザが「我が家流」設定ボタン62を押下することにより我が家流設定における動作を開始することが可能となる。我が家流の設定については後述する。
【0047】
また、ユーザが「明るさプラス」ボタン64を押下することにより、明るさプラス指示がリモコン50から出力される。照明装置1のCPU22は、リモコン50からの明るさプラス指示の入力を受けてPWM制御回路23に対して照明部30への明るさプラスモードにおける点灯制御を開始するように指示する。明るさプラスモードについては後述する。
【0048】
また、ユーザが「おやすみ前」ボタン66を押下することによりおやすみ前指示がリモコン50から出力される。照明装置1のCPU22は、リモコン50からのおやすみ前指示の入力を受けてPWM制御回路23に対して照明部30へのおやすみ前モードにおける点灯制御を開始するように指示する。おやすみ前モードについては後述する。
【0049】
また、ユーザが「時刻設定」ボタン68を押下することにより時刻設定における動作を開始することが可能となる。具体的には、当該「時刻設定」ボタン68を押下することにより時刻設定画面(図示せず)が液晶パネル52に表示される。そして、時刻設定画面において、ユーザは、「+/−」ボタン74を用いて現在の時刻を設定することが可能である。そして、再度、「時刻設定」ボタン68を押下することにより現在の時刻情報がリモコン50から出力される。照明装置1のCPU22は、リモコン50からの時刻情報の入力を受けて、当該入力された時刻情報を基準に以降、水晶発振子27から発振される発振信号(クロック信号)に従って正確な時刻を計測することが可能であるものとする。なお、本例における光環境制御モードは、時刻に応じた点灯制御が実行されるため照明装置1において時刻が設定されていない場合には、光環境制御モードは実行されないものとする。
【0050】
また、ユーザが「照度センサ」ボタン70を押下することにより、照度センサの動作指示がリモコン50から出力される。照明装置1のCPU22は、リモコン50からの照度センサ28の動作指示の入力を受けて、照度センサ28において計測された測定結果を取得する。そして、CPU22は、照度センサ28から取得した測定結果に基づいて調光率を制御する。例えば、照度センサ28の測定結果に基づいて、太陽光(自然光)の入光により部屋等の室内環境が十分に明るいと判断される場合には、設定されている調光率を下げて照度を調整することが可能である。これにより消費電力を低減することが可能である。また、逆に太陽光(自然光)が遮断されて部屋等の室内環境が暗いと判断される場合には、設定されている調光率を限度として、再び調光率を上げることにより適切な照度となるように調整することが可能である。また、ユーザが「照度センサ」ボタン70を再度押下することにより、照度センサの動作停止指示がリモコン50から出力される。照明装置1のCPU22は、リモコン50からの照度センサ28の動作停止指示の入力を受けて、照度センサ28において計測された測定結果に基づく調光率の制御を停止する。これにより照度センサ28での測定結果に係わらずユーザの望む調光率に設定することが可能となる。
【0051】
また、ユーザが「お気に入り」ボタン72を押下することにより、押下する時点の照明装置1の調光率および色調がメモリ29に記憶される。これにより、ユーザが次回以降、「お気に入り」ボタン72を押下することによりメモリ29に記憶された調光率および色調にワンタッチで設定することが可能となり、ユーザの利便性に供する。
【0052】
また、ユーザが「タイマ」ボタン76を押下することによりタイマ設定における動作を開始することが可能となる。具体的には、当該「タイマ」ボタン76を押下することによりタイマ設定画面(図示せず)が液晶パネル52に表示される。そして、タイマ設定画面において、ユーザは、「+/−」ボタン74を用いて点灯時刻あるいは消灯時刻を設定することが可能である。そして、再度、「タイマ」ボタン76を押下することによりタイマ設定情報がリモコン50から出力される。照明装置1のCPU22は、リモコン50からのタイマ設定情報の入力を受けて、当該入力されたタイマ設定情報に従ってタイマ動作を実行する。具体的には、点灯時刻が設定された場合には、当該時刻となった場合に点灯制御を実行する。あるいは、消灯時刻が設定された場合には、当該時刻となった場合に消灯動作を実行する。なお、本例におけるタイマ動作は、照明装置1において時刻が設定されていない場合には、実行されないものとする。
【0053】
図6は、本発明の実施の形態に従うリモコン50のハードウェアを説明する概略ブロック図である。
【0054】
図6を参照して、本発明の実施の形態に従うリモコン50は、電源回路51と、リモコン制御部55と、インタフェース部56とを含む。
【0055】
電源回路51は、2次電池等のバッテリからの電力の供給を受けて装置の各部に電圧を供給する。なお、本例においては、一例として制御電源供給回路81にのみ電圧が供給されているように示されているが、特にこれに限られず、他の部位に対しても必要な電圧が供給されるものとする。
【0056】
リモコン制御部55は、電源回路51から供給される電圧をCPU86に供給するために調整する制御電源供給回路81と、リモコン50全体を制御するためのCPU(Central Processing Unit)86と、液晶パネル52を駆動する液晶駆動回路82と、信号送信部84と、SW入力部83と、水晶発振子85と、メモリ80とを含む。
【0057】
CPU86は、各部と接続されるとともに、リモコン50全体を制御するために必要な動作を指示する。
【0058】
液晶駆動回路82は、CPU86からの指示に従って所望の画面を表示する液晶パネル52を駆動する。
【0059】
信号送信部84は、CPU86からの指示をインタフェース部56に含まれる赤外線投光部87に出力する。
【0060】
SW入力部83は、操作SW(スイッチ)88と接続されて、操作SWの操作に応答した指示をCPU86に出力する。
【0061】
水晶発振子85は、所定の周期で発振信号を生成してCPU86に出力する。CPU86は、水晶発振子85から発振される発振信号(クロック信号)の入力を受けて、当該クロック信号に同期した各種動作を実行する。なお、CPU86は、水晶発振子85から出力される発振信号に従って時刻を正確に計測することが可能であるものとする。
【0062】
なお、リモコン50には必ずしも水晶発振子85が含まれなくてもよい。この場合、CPU86は、「時刻設定」ボタン68や「+/−」ボタン74などが押下されることによって時刻の入力を受け付けて、入力された時刻に基づいて以降の現在時刻を計測するようにしてもよい。
【0063】
メモリ80は、リモコン50を制御するためのプログラムおよび初期値等が格納されるとともに、CPU86のワーキングメモリとしても用いられる。
【0064】
インタフェース部56は、赤外線投光部87と、操作SW88と、液晶パネル52とを含む。
【0065】
赤外線投光部87は、信号送信部84から出力された信号を赤外線信号に変換して照明装置1に投光する。
【0066】
操作SW88は、上述したリモコン50に設けられた各種のボタンで構成されている。具体的には、「全灯」ボタン54と、「消灯」ボタン53と、調光率の上げ下げを指示するための「アップ」ボタン57Aおよび「ダウン」ボタン57Bと、「電球色」ボタン59Aおよび「昼光色」ボタン59Bと、「光環境制御」ボタン58と、「我が家流」設定ボタン62と、「明るさプラス」ボタン64と、「おやすみ前」ボタン66と、「時刻設定」ボタン68と、「照度センサ」ボタン70と、「お気に入り」ボタン72と、数値等の上げ下げを指示するための「+/−」ボタン74と、「タイマ」ボタン76とが設けられる。
【0067】
リモコン50のCPU86は、SW入力部83を介して操作SW88における各ボタンの入力指示を受けて、信号送信部84に各ボタンに応じた送信信号の出力を指示する。信号送信部84は、CPU86からの指示に応答して、赤外線投光部87を介して各ボタンに応じた送信信号を赤外線信号として照明装置1に出力する。照明装置1の赤外線受光部41は、リモコン50の赤外線投光部87から投光された赤外線信号を受信する。そして、赤外線受光部41は、受光された赤外線信号を光電変換する。そして、信号受信部25は、光電変換により得られたリモコン50から指示された送信信号をCPU22に出力する。当該動作により、CPU22は、リモコン50からの入力指示に応じた動作を実行する。
【0068】
具体的には、上述したようにユーザが「アップ」ボタン57Aまたは「ダウン」ボタン57Bを押下することによりCPU22は、照明部30におけるLEDモジュール31,32の発光に従う調光率を調整する。
【0069】
例えば、全灯(調光率100%)である状態で「ダウン」ボタン57Bが押下されるに従って「全灯」→「半灯」→「微灯」と変化し、その状態(調光率30%)「アップ」ボタン57Aが押下されるに従って「微灯」→「半灯」→「全灯」と変化する。
【0070】
また、上述したようにユーザが「電球色」ボタン59Aまたは「昼光色」ボタン59Bを押下することによりCPU22は、照明部30におけるLEDモジュール31,32の発光に従う色調を調整する。例えば、昼光色の全灯(調光率100%)である「昼光色」の状態で「電球色」ボタン59Aが押下されるに従って「昼光色」→「半昼光色」→「半電球色」→「電球色」と変化し、その状態(電球色)で「昼光色」ボタン59Bが押下されるに従って「電球色」→「半電球色」→「半昼光色」→「昼光色」と変化する。
【0071】
なお、本例においては、携帯型のリモコン50について説明したが、特にこれに限られず、壁面に設けられた固定式のリモコンとすることも可能である。また、当該リモコンを照明装置1のインタフェース部40の一部として設けるようにしても良い。その場合、赤外線信号により操作SWの信号を送信するのではなく、直接、信号線を用いて操作SWからの指示信号を送信する構成とすることも可能である。また、信号の送受信は、赤外線に限られず、無線等を用いるようにしても良い。
【0072】
次に、本発明の実施の形態に従う光環境制御モードについて説明する。
<光環境制御モード>
図7は、本発明の実施の形態に従う光環境制御モードの調光率を説明する図である。
【0073】
図7を参照して、ここでは、24時間のヒトの生体リズムとの相関関係に基づいて昼光色と電球色との調光率を調整する場合が示されている。
【0074】
具体的には、24時間を期間tA〜tfの6つの期間にそれぞれ分けて、各期間における昼光色と電球色との調光率を設定する。
【0075】
具体的には、期間tAは、5時30分〜6時30分に設定されている。期間tBは、6時30分〜18時00分に設定されている。期間tCは、18時00分〜19時00分に設定されている。期間tDは、19時00分〜21時00分に設定されている。期間tEは、21時00分〜22時00分に設定されている。期間tFは、23時00分〜5時30分に設定されている。ここで、起床時刻6時30分、夕食時刻19時00分、就寝時刻23時00分は、デフォルトとして予め設定されているものとする。なお、後述するが、我が家流の設定において当該起床時刻6時30分、夕食時刻19時00分、就寝時刻23時00分を変更することも可能である。この点については後述する。
【0076】
図8は、光環境制御モードの各期間における照明部30の動作を説明する動作テーブル図である。
【0077】
図8を参照して、期間tA(時刻5時30分〜6時30分)である起床時刻1時間前からの1時間においては、早朝動作が実行される。具体的には、明るさとして、夜間調光率30%から調光率100%に変化させる。また、色調として電球色から昼光色に変化させる。なお、後述するが夜間調光率についても変更することが可能である。
【0078】
期間tB(6時30分〜18時00分)である起床時刻から夕食時刻の1時間前までにおいては、日中動作が実行される。具体的には、明るさとして、調光率100%を維持する。また、色調として昼光色を維持する。
【0079】
期間tC(18時00分〜19時00分)である夕食時刻1時間前からの1時間においては、日没動作が実行される。具体的には、明るさとして、調光率100%を維持する。また、色調として昼光色から電球色に変化させる。
【0080】
期間tD(19時00分〜21時00分)である夕食時刻から就寝時刻2時間前までにおいては、夕食動作が実行される。具体的には、明るさとして、調光率100%を維持する。また、色調として電球色を維持する。
【0081】
期間tE(21時00分〜22時00分)である就寝時刻2時間前からの2時間においては、就寝動作が実行される。具体的には、明るさとして、調光率100%から夜間調光率30%に変化させる。また、色調としては電球色を維持する。
【0082】
期間tF(23時00分〜5時30分)である就寝時刻から起床時刻1時間前までにおいては、夜間動作が実行される。具体的には、明るさとして、夜間調光率30%を維持する。また、色調として電球色を維持する。
【0083】
なお、上記動作テーブルは、一例であり、動作テーブルに設定されている時刻および期間は、それぞれ別の時刻および期間とすることも可能であるし、また、さらに、別の動作を設けるようにすることも可能である。
【0084】
再び、図7を参照して、期間tAの起床前においては、調光率を徐々に調整して明るくするとともに、色調を電球色から昼光色に変化させることにより起床時刻に合わせて徐々に眠りを浅くし、そして、起床時刻に調光率100%とすることにより昼間の自然光に近い昼光色でさわやかな目覚めを促進することが可能である。
【0085】
そして、期間tBの日中は、自然光の色調と近い昼光色とすることによりヒトの活動期間において快適な作業を促進することが可能である。
【0086】
そして、期間tCの夕食前においては、色調を昼光色から夕方の自然光の色調と近い電球色に徐々に変化させることによりリラックス効果を生み出し、落ち着いた暖かい雰囲気に自然に環境を変化させることが可能である。
【0087】
そして、期間tDの夕食後においては、電球色を維持することによりヒトの沈静期間において落ち着いた暖かい雰囲気のもと、安らぎ感を得ることが可能である。
【0088】
そして、期間tEの就寝前においては、調光率を徐々に調整して暗くすることにより、ヒトの覚醒度を下げ、ヒトの生体リズムと関係のあるメラトニン分泌の上昇を促してスムーズな入眠を促進することが可能である。
【0089】
そして、期間tFの就寝中においては、調光率を低く維持することにより深い睡眠を促すとともに、ユーザが物を認識できる程度の調光率とすることにより夜間における動作も可能である。
【0090】
したがって、上述した照明装置1の光環境制御モードにより、ヒトの生体リズムに合わせた明るさおよび色調に自動的に調整する光環境を実現することが可能である。そして、特に、本実施の形態に従う光環境制御モードにおいては、調光率および色調を変化させる各期間においてヒトに違和感あるいは不快感を生じさせないように自然に変化させる。
【0091】
例えば、期間tAにおいて、調光率30%の電球色から調光率100%の昼光色に徐々に調整する。
【0092】
図9は、期間tAにおける本発明の実施の形態に従う昼光色および電球色の調光率のグラフを説明する図である。
【0093】
図9を参照して、ここでは、昼光色の調光率、電球色の調光率、全体の調光率の変化が示されている。
【0094】
期間tAにおいて、初期状態においては、電球色の調光率は30%であり、昼光色の調光率は0%である。したがって、全体の調光率は30%に設定されている場合が示されている。
【0095】
上記グラフにおける調光率を算出する式について説明する。
全体の調光率Rとして初期状態の調光率Aから期間Tの間に調光率Bまで線形に変化させる場合については、次式(1)で表される。なお、変数tは、時間である。
【0096】
【数1】

【0097】
次に、昼光色および電球色の調光率P,Qの一般式を次式(2),(3)とする。
【0098】
【数2】

【0099】
これにより、式(1)を式(2),(3)にそれぞれ代入すると、昼光色および電球色の調光率P,Qは次式(4),(5)で表される。
【0100】
【数3】

【0101】
そして、式(4),(5)に期間T=60、調光率A=30、調光率B=100を代入した場合の昼光色および電球色の調光率P,Qは次式(6),(7)で表される。
【0102】
【数4】

【0103】
当該式(6)および(7)に基づいて昼光色および電球色の調光率P,Qを設定することが可能となる。
【0104】
例えば、初期状態から12分後、すなわち、t=12とした場合の昼光色Pおよび電球色Rは、次式の如く算出される。
【0105】
【数5】

【0106】
当該式に基づいて、全体の調光率を線形に変化させるとともに、電球色から昼光色に自然に変化させることが可能となる。すなわち、電球色から昼光色に変化するにあたり、電球色と昼光色が混ざった中間色に変化して最終的に昼光色に変化するためヒトに違和感あるいは不快感を生じさせることなく調光率を変化させることが可能となり、快適かつ自然な光環境を実現することが可能となる。
【0107】
また、本実施の形態に従う光環境制御モードにおいては、期間tCにおいて、調光率100%の昼光色から調光率100%の電球色に徐々に調整する。
【0108】
図10は、期間tCにおける本発明の実施の形態に従う昼光色および電球色の調光率のグラフを説明する図である。
【0109】
図10を参照して、ここでは、昼光色の調光率、電球色の調光率、全体の調光率の変化が示されている。
【0110】
期間tCにおいて、初期状態においては、電球色の調光率は100%であり、昼光色の調光率は0%である。したがって、全体の調光率は100%に設定されている場合が示されている。
【0111】
上述した方式と同様に昼光色および電球色の調光率の式を算出すると次式(8),(9)で表される。
【0112】
【数6】

【0113】
当該式(8),(9)に基づいて昼光色および電球色の調光率P,Qを設定することが可能となる。
【0114】
当該式に基づいて、全体の調光率を維持しつつ電球色から昼光色に自然に変化させることが可能となる。すなわち、昼光色から電球色に変化するにあたり、昼光色と電球色が混ざった中間色に変化して最終的に電球色に変化するためヒトに違和感あるいは不快感を生じさせることなく色調を変化させることが可能となり、快適かつ自然な光環境を実現することが可能となる。
【0115】
また、本実施の形態に従う光環境制御モードにおいては、期間tEにおいて、調光率100%の電球色を調光率30%の電球色に徐々に調整する。
【0116】
図11は、期間tEにおける本発明の実施の形態に従う電球色の調光率のグラフを説明する図である。
【0117】
図11を参照して、期間tEにおいて、初期状態においては、電球色の調光率は100%であり、全体の調光率は100%に設定されている。
【0118】
上述した方式と同様に電球色の調光率の式を算出すると次式(10)で表される。
【0119】
【数7】

【0120】
当該式(10)に基づいて電球色の調光率Qを設定することが可能となる。
当該式に基づいて、電球色の調光率Qを徐々に変化させてヒトに違和感あるいは不快感を生じさせることなく快適な光環境を実現することが可能となる。
【0121】
なお、当該電球色の調光率の設定の方式は一例であり、例えば、次のような変化率で調整するようにすることも可能である。
【0122】
図12は、期間tEにおける本発明の実施の形態に従う電球色の調光率の別のグラフを説明する図である。
【0123】
図12(A)を参照して、本例においては、縦軸および横軸が対数である両対数グラフが示されている。縦軸の単位は、0.1%である。横軸の単位は分である。
【0124】
当該両対数グラフにおいて、調光率と時間との関係が線形となるように設定される場合が示されている。具体的には、両対数グラフにおいて期間60分の間に調光率100%が調光率30%に調整される場合が示されている。
【0125】
図12(B)を参照して、上記図12(A)の両対数グラフを通常のグラフとした場合が示されている。
【0126】
当該方式により電球色の調光率Qを調整することにより、ヒトに違和感あるいは不快感をさらに生じさせることなく調光率を変化させることが可能となり、快適かつ自然な光環境を実現することが可能となる。
【0127】
図13は、本発明の実施の形態に従う照明装置1のメインフローを説明する図である。
当該メインフローは電源スイッチがオンされることで開始され、CPU22がメモリ29に格納されたプログラムを読み込むことにより実行されるものとする。
【0128】
電源スイッチがオンされてフローが開始されると、図13を参照して、まず、CPU22は、PWM制御回路23に対して照明部30における点灯制御を指示する(ステップS4)。これにより部屋内に照明部30からの光が照射される。なお、ステップS4でCPU22は、後述する各モードの処理が行なわれた後の場合にはそのモードで設定された調光率、色調での点灯制御を指示する。そうでない場合、つまり、後述する各モードの処理が行なわれておらず、電源スイッチがオンされた直後や後述する光環境制御モードが終了した場合には通常の点灯制御として、予め設定されている、LEDモジュール31を用いた昼光色の光を100%の調光率で照射する点灯制御を指示するものとする。
【0129】
次に、CPU22は、入力指示があったかどうかを判断する(ステップS6)。CPU22は、ステップS6において、入力指示があったと判断した場合(ステップS6においてYES)には、次に、点灯調整指示の入力があったかどうかを判断する(ステップS8)。具体的には、リモコン50に設けられた調光率を調整するための「アップ」ボタン57Aまたは「ダウン」ボタン57Bの入力指示あるいは、色調を調整するための「電球色」ボタン59Aまたは「昼光色」ボタン59Bの入力指示があったかどうかを判断する。
【0130】
CPU22は、点灯調整指示の入力があったと判断した場合(ステップS8においてYES)には、点灯調整モードに移行する(ステップS10)。点灯調整モードの処理については後述する。
【0131】
一方、CPU22は、点灯調整指示の入力がなかったと判断した場合(ステップS8においてNO)には、次に光環境制御の指示入力があったかどうかを判断する(ステップS12)。具体的には、CPU22は、リモコン50に設けられた「光環境制御」ボタン58の入力指示があったかどうかを判断する。
【0132】
CPU22は、光環境制御の指示入力があったと判断した場合(ステップS12においてYES)には、光環境制御モードに移行する(ステップS14)。光環境制御モードの処理については後述する。
【0133】
一方、CPU22は、光環境制御の指示入力が無かったと判断した場合(ステップS12においてNO)には、次に、我が家流設定の指示入力があったかどうかを判断する(ステップS16)。
【0134】
具体的には、CPU22は、リモコン50に設けられた「我が家流」設定ボタン62の入力指示があったかどうかを判断する。
【0135】
CPU22は、我が家流設定の指示入力があったと判断した場合(ステップS16においてYES)には、我が家流設定モードに移行する(ステップS18)。我が家流設定モードの処理については後述する。
【0136】
一方、CPU22は、我が家流設定の指示入力が無かったと判断した場合(ステップS16においてNO)には、その他の処理を実行する(ステップS24)。そして、再び、ステップS4に戻る。
【0137】
<点灯調整モード>
図14は、本発明の実施の形態に従う点灯調整モードの処理を説明するフロー図である。
【0138】
当該フローは、CPU22がメモリ29に格納されたプログラムを読み込むことにより実行されるものとする。
【0139】
図14を参照して、まず、CPU22は、「アップ」ボタン57Aまたは「ダウン」ボタン57Bの入力指示であったかどうかを判断する(ステップS100)。「アップ」ボタン57Aまたは「ダウン」ボタン57Bの入力指示でなかったと判断した場合(ステップS100においてNO)には、ステップS110に進む。
【0140】
一方、CPU22は、「アップ」ボタン57Aまたは「ダウン」ボタン57Bの入力指示であったと判断した場合(ステップS100においてYES)には、次に、押下されたボタンが「アップ」ボタン57Aであるか「ダウン」ボタン57Bであるかを特定する(ステップS102)。
【0141】
押下されたボタンが「アップ」ボタン57Aである場合(ステップS102においてYES)には、CPU22は、現在の調光率を予め規定された調光率分増加させる(ステップS104)。押下されたボタンが「ダウン」ボタン57Bである場合(ステップS102においてNO)には、CPU22は、現在の調光率を予め規定された調光率分減少させる(ステップS106)。そして、処理を終了する(リターン)。すなわち、再び、ステップS6に戻る。
【0142】
具体的には、全点灯(調光率100%)の状態でユーザが「ダウン」ボタン57Bを押下した場合には、半灯(調光率50%)に設定される。半灯(調光率50%)の状態で「ダウン」ボタン57Bを押下した場合には、微灯(調光率30%)に設定される。また、微灯(調光率30%)の状態でユーザが「アップ」ボタン57Aを押下した場合には、半灯(調光率50%)に設定される。半灯(調光率50%)の状態で「アップ」ボタン57Aを押下した場合には、全点灯(調光率100%)に設定される。
【0143】
ステップS110において、CPU22は、「アップ」ボタン57Aまたは「ダウン」ボタン57Bの入力指示でなかったと判断した場合(ステップS100においてNO)には、「電球色」ボタン59Aまたは「昼光色」ボタン59Bの入力指示であったかどうかを判断する(ステップS110)。
【0144】
CPU22は、「電球色」ボタン59Aまたは「昼光色」ボタン59Bの入力指示であったと判断した場合(ステップS110においてYES)には、次に、押下されたボタンが「電球色」ボタン59Aであるか「昼光色」ボタン59Bであるかを特定する(ステップS112)。押下されたボタンが「電球色」ボタン59Aである場合(ステップS112においてYES)には、CPU22は、調光率は維持しつつ現在の色調の電球側の調光率を予め規定された調光率分増加させ、昼光色側の調光率を予め規定された調光率分減少させる(ステップS114)。押下されたボタンが「昼光色」ボタン59Bである場合(ステップS112においてNO)には、CPU22は、調光率は維持しつつ現在の色調の電球側の調光率を予め規定された調光率分減少させ、昼光色側の調光率を予め規定された調光率分増加させる(ステップS116)。そして、処理を終了する(リターン)。すなわち、再び、ステップS6に戻る。
【0145】
具体的には、昼光色の全灯(調光率100%)である「昼光色」の状態でユーザが「電球色」ボタン59Aを押下した場合には、「半昼光色」に設定される。「半昼光色」の状態で「電球色」ボタン59Aを押下した場合には、「半電球色」に設定される。「半電球色」の状態で「電球色」ボタン59Aを押下した場合には、「電球色」に設定される。また、「電球色」の状態でユーザが「昼光色」ボタン59Bを押下した場合には、「半電球色」に設定される。「半電球色」の状態で「昼光色」ボタン59Bを押下した場合には、「半昼光色」に設定される。「半昼光色」の状態で「昼光色」ボタン59Bを押下した場合には、「昼光色」に設定される。
【0146】
<光環境制御モード>
図15は、本発明の実施の形態に従う光環境制御モードのフローを説明する図である。
【0147】
当該フローは、CPU22がメモリ29に格納されたプログラムを読み込むことにより実行されるものとする。
【0148】
図15を参照して、CPU22は、我が家流設定が有るかどうか判断する(ステップS30)。
【0149】
ステップS30において、CPU22は、我が家流設定が有ると判断した場合には、我が家流情報を取得する(ステップS32)。なお、我が家流情報については後述する。
【0150】
ステップS30において、CPU22は、我が家流設定が無いと判断した場合には、デフォルト値を取得する(ステップS34)。
【0151】
そして、次に、CPU22は、我が家流情報あるいはデフォルト値に基づいて光環境制御動作期間を設定する(ステップS36)。具体的には、上述した起床時刻、夕食時刻、就寝時刻に従って期間tA〜tFを設定する。
【0152】
そして、CPU22は、現在時刻を確認する(ステップS38)。
そして、次に、CPU22は、現在時刻に従って、現在時刻が期間tA〜tFのいずれの期間内であるかどうかを判断する(ステップS40)。
【0153】
ステップS40において、CPU22は、期間tA〜tFのいずれの期間内であるかを判断して、期間tB,tD,tFの期間内である場合には、ステップS42に進む。
【0154】
一方、ステップS40において、CPU22は、期間tA〜tFのいずれの期間内であるかを判断して、期間tA,tC,tEの期間内である場合には、ステップS52に進む。
【0155】
まず、CPU22は、現在時刻が期間tB,tD,tFの期間内であると判断した場合には、対応する期間の動作に従う調光率に設定する(ステップS42)。
【0156】
そして、次に、CPU22は、対応する期間の残り時間が10分未満であるかどうかを判断する(ステップS44)。
【0157】
ステップS44において、10分未満であると判断した場合には、対応する期間の動作に従う調光率に10分間設定する(ステップS48)。
【0158】
そして、10分が経過したかどうかを判断する(ステップS50)。10分が経過した場合には、次のステップに進む。
【0159】
すなわち、光環境制御モードを開始する現在時刻が、光環境制御動作期間の対応する期間の動作が終了する間際であるような場合、本例においては、10分未満であるような場合には、10分は、光環境制御動作期間の対応する期間の動作を継続する方式としている。当該方式により、光環境制御動作期間の対応する期間の次の期間の動作がすぐに実行されてユーザに違和感や不快感を生じさせないようにすることが可能である。なお、本例においては、一例として10分を基準に設定しているが、特にこれに限られず、ユーザの好みに合わせて調整するようにしても良い。
【0160】
ステップS44において、CPU22は、対応する期間の残り時間が10分未満でないと判断した場合(ステップS44においてNO)には、期間が終了したかどうかを判断する(ステップS46)。
【0161】
ステップS46において、期間が終了した場合には、次のステップに進む。
再び、ステップS40において、CPU22は、現在時刻が期間tA、tC,tFの期間内であると判断した場合には、期間tA,tC,tFの開示時刻から10分未満であるかどうかを判断する(ステップS52)。
【0162】
そして、ステップS52において、10分未満であると判断した場合(ステップS52においてYES)には、前の期間の動作に従う調光率に10分間設定する(ステップS54)。
【0163】
そして、次に10分が経過したかどうかを判断する(ステップS56)。
ステップS56において、10分が経過したと判断した場合には、対応する期間の動作に従う調光率に設定する(ステップS58)。
【0164】
そして、期間が満了したかどうかを判断する(ステップS60)期間が満了した場合には、次のステップS52に進む。
【0165】
すなわち、光環境制御モードを開始した現在時刻が、光環境制御動作期間において、調光率および/または色調を変化させる期間に対応する期間であるような場合(期間tA,tC,tEの期間)には、期間の開始時刻から10分未満であれば、ユーザに違和感や不快感を生じさせることなく当該動作を実行する。
【0166】
具体的には、まず、前の期間の動作に従う調光率に10分間設定し、そして、10分後に、調光率および/または色調を変化させる対応する期間の動作を開始する。当該方式により、光環境制御動作期間において、調光率および/または色調を変化させる対応する期間の動作がすぐに実行されてユーザに違和感や不快感を生じさせないようにすることが可能である。なお、本例においては、一例として10分を基準に設定しているが、特にこれに限られず、ユーザの好みに合わせて調整するようにしても良い。
【0167】
一方、ステップS52において、CPU22は、10分未満でないと判断した場合には、次のステップに進む。
【0168】
すなわち、光環境制御モードを開始した現在時刻が、光環境制御動作期間において、調光率および/または色調を変化させる期間に対応する期間であるような場合(期間tA,tC,tEの期間)には、期間の開始時刻から10分以上であれば、次の期間の動作に従う調光率に設定する。当該動作により、調光率および/または色調を変化させる対応する期間の動作がすぐに実行されてユーザに違和感や不快感を生じさせることを回避することができる。
【0169】
そして、ステップS62において、次の期間の動作に従う調光率に設定する(ステップS62)。
【0170】
そして、期間が終了したかどうかを判断する(ステップS64)。期間が終了していると判断した場合(ステップS62においてYES)には、ステップS62に戻り、さらに次の期間の動作に従う調光率に設定する。
【0171】
なお、当該処理を繰り返すことにより一例として、例えば、期間tA→tB→tC→tD→tE→tF→tAの動作が繰り返されて24時間のヒトの生活リズムに合わせた調光を実行することが可能となる。
【0172】
なお、光環境制御モードを終了する場合には、ユーザがリモコン50の光環境制御ボタンを再度押下することにより割込み処理により光環境制御モードが停止されて、図13のステップS4に戻り、通常の点灯が実行されるものとする。
【0173】
また、ユーザが電源スイッチを操作して、電源スイッチをオフした場合には、電源の供給が停止するため光環境制御モードも終了する。なお、再度、ユーザが電源スイッチをオンした場合には、図13のステップS4に戻り、通常の点灯が実行されるものとする。
【0174】
<我が家流設定>
次に、我が家流設定について説明する。
【0175】
我が家流設定は、上述した光環境制御モードにおける起床時刻、夕食時刻、就寝時刻をユーザの個々の生活リズムに合わせた時刻に設定するモードである。
【0176】
ユーザがリモコン50の「我が家流」設定ボタン62を押下することにより、我が家流設定モードに移行する。
【0177】
図16は、本発明の実施の形態に従う我が家流設定における起床時刻、夕食時刻、就寝時刻の設定時刻について説明する図である。
【0178】
図16を参照して、ここでは、起床時刻、夕食時刻、就寝時刻についてそれぞれ0時00分〜23時59分の間で自由に設定することが可能である場合が示されている。
【0179】
なお、起床時刻については、就寝時刻から1時間59分以内の時刻設定は受け付けないように設定される。
【0180】
また、夕食時刻については、起床時刻から59分後以内の時刻設定は受け付けないように設定される。なお、受け付けない場合には、初期のプリセットされた時刻に設定されるものとする。
【0181】
以下、具体的に我が家流設定の流れについて説明する。
ユーザがリモコン50の「我が家流」設定ボタン62を押下すると、リモコン50側では設定画面が表示される。具体的には、CPU86がメモリ80に格納されたプログラムを読み出すことにより以下に従う設定画面が液晶パネル52に表示される。
【0182】
図17は、本発明の実施の形態に従うリモコン50の液晶パネル52における我が家流設定の画面について説明する図である。
【0183】
図17(A)を参照して、「我が家流」設定ボタン62を押下すると、まず、起床時刻の設定が可能な画面が液晶パネル52に表示される。ユーザは、「+/−」ボタン74を操作することにより起床時刻を任意の値に設定することが可能である。なお、本例においては、一例として、液晶パネル52に「起床時刻を設定して下さい。」の表示とともに、「+/−」ボタン74を操作することにより起床時刻のデフォルト値として設定された「6:30」から「7:00」に変更された場合が示されている。そして、「OKの場合には、「我が家流」設定ボタンを押して下さい。」との案内表示がなされている場合が示されている。リモコン50は、ユーザが「我が家流」設定ボタンを押下することに従って当該液晶パネル52に表示されている起床時刻情報(ここでは7:00)を照明装置1に出力する。そして、次に、夕食時刻の設定に移行する。
【0184】
図17(B)を参照して、夕食時刻の設定が可能な画面が液晶パネル52に表示される。ユーザは、「+/−」ボタン74を操作することにより夕食時刻を任意の値に設定することが可能である。なお、本例においては、一例として、液晶パネル52に「夕食時刻を設定して下さい。」の表示とともに、「+/−」ボタン74を操作することにより夕食時刻のデフォルト値として設定された「19:00」から「19:30」に変更された場合が示されている。そして、「OKの場合には、「我が家流」設定ボタンを押して下さい。」との案内表示がなされている場合が示されている。リモコン50は、ユーザが「我が家流」設定ボタンを押下することに従って当該液晶パネル52に表示されている夕食時刻情報(ここでは19:30)を照明装置1に出力する。そして、次に、就寝時刻の設定に移行する。
【0185】
図17(C)を参照して、就寝時刻の設定が可能な画面が液晶パネル52に表示される。ユーザは、「+/−」ボタン74を操作することにより就寝時刻を任意の値に設定することが可能である。なお、本例においては、一例として、液晶パネル52に「就寝時刻を設定して下さい。」の表示とともに、「+/−」ボタン74を操作することにより就寝時刻のデフォルト値として設定された「23:00」から「23:30」に変更された場合が示されている。そして、「OKの場合には、「我が家流」設定ボタンを押して下さい。」との案内表示がなされている場合が示されている。リモコン50は、ユーザが「我が家流」設定ボタンを押下することに従って当該液晶パネル52に表示されている就寝時刻情報(ここでは23:30)を照明装置1に出力する。そして、次に、夜間調光率の設定に移行する。本例においては、我が家流設定において、起床時刻、夕食時刻、就寝時刻とともに、夜間動作における夜間調光率も設定可能とされている。
【0186】
図17(D)を参照して、夜間調光率の設定が可能な画面が液晶パネル52に表示される。ユーザは、「+/−」ボタン74を操作することにより、夜間調光率の数値を任意の値に設定することが可能である。また、当該設定の際、照明装置1のCPU22は、PWM制御回路23に対して照明部30から発光される調光率が液晶パネル52に表示されている調光率となるように制御する。具体的には、まず、照明装置1の調光率は30%に設定される。そして、リモコン50からの「+/−」ボタン74の入力に従って調光率の上昇/下降の指示が照明装置1に出力される。照明装置1のCPU22は、調光率の上昇/下降の指示に従ってPWM制御回路23に対して照明部30から発光される調光率を調整する。
【0187】
なお、本例においては、一例として、液晶パネル52に「夜間調光率を設定して下さい。」の表示とともに、「+/−」ボタン74を操作することにより夜間調光率のデフォルト値として設定された「30%」が示されている。そして、「OKの場合には、「我が家流」設定ボタンを押して下さい。」との案内表示がなされている場合が示されている。リモコン50は、ユーザが「我が家流」設定ボタンを押下することに従って、当該液晶パネル52に最終的に表示されている夜間調光率情報(ここでは30%)を照明装置1に出力する。
【0188】
図18は、本発明の実施の形態に従う我が家流設定のフローを説明する図である。
当該フローは、CPU22がメモリ29に格納されたプログラムを読み込むことにより実行されるものとする。
【0189】
図18を参照して、我が家流設定モードに移行した場合に、CPU22は、起床時刻情報の入力があるかどうか判断する(ステップS120)。具体的には、図17で説明したリモコン50からの起床時刻情報を受信したかどうかに基づいて判断する。
【0190】
ステップS120において、CPU22は、起床時刻情報の入力があると判断した場合(ステップS120においてYES)には、入力された内容に従って起床時刻を設定する(ステップS122)。そして、再び、ステップS120に戻る。
【0191】
次に、ステップS120において、CPU22は、起床時刻情報の入力がなかったと判断した場合(ステップS120においてNO)には、次に夕食時刻情報の入力があるかどうかを判断する(ステップS124)。具体的には、図17で説明したリモコン50からの夕食時刻情報を受信したかどうかに基づいて判断する。
【0192】
ステップS124において、CPU22は、夕食時刻情報の入力があると判断した場合(ステップS124においてYES)には、入力された内容に従って夕食時刻を設定する(ステップS126)。そして、再び、ステップS120に戻る。
【0193】
次に、ステップS124において、CPU22は、時刻情報の入力がなかったと判断した場合(ステップS124においてNO)には、次に就寝時刻情報の入力があるかどうかを判断する(ステップS128)。具体的には、図17で説明したリモコン50からの就寝時刻情報を受信したかどうかに基づいて判断する。
【0194】
ステップS128において、CPU22は、就寝時刻情報の入力があると判断した場合(ステップS128においてYES)には、入力された内容に従って就寝時刻を設定する(ステップS130)。
【0195】
そして、CPU22は、調光率を30%に設定する(ステップS172)。具体的には、CPU22は、PWM制御回路23に対してLEDモジュール32の発光に従う調光率が30%となるように制御する。当該動作により、ユーザは、調光率30%の夜間調光率の明るさを認識することが可能となる。
【0196】
そして、ステップS120に戻る。
次に、ステップS128において、CPU22は、就寝時刻情報の入力がないと判断した場合(ステップS128においてNO)には、「+/−」ボタンの入力指示が有るかどうかを判断する(ステップS134)。
【0197】
ステップS134において、「+/−」ボタンの入力指示があると判断した場合(ステップS134においてYES)には、「+/−」ボタンの入力指示に従って調光率を調整する(ステップS136)。
【0198】
そして、再びステップS120に戻る。当該動作により、ユーザは、「+/−」ボタンの入力指示に従って調光率の調整に従う夜間調光率の明るさを認識することが可能となる。
【0199】
そして、ユーザが任意に「+/−」ボタンを操作することにより所望の明るさに従う夜間調光率に設定することが可能となる。
【0200】
ステップS134において、「+/−」ボタンの入力指示が無いと判断した場合(ステップS134においてNO)には、夜間調光率情報の入力があるかどうかを判断する(ステップS138)。具体的には、図17で説明したリモコン50からの夜間調光率情報を受信したかどうかに基づいて判断する。
【0201】
ステップS138において、夜間調光率情報の入力があると判断した場合(ステップS138においてYES)には、入力された内容に従って夜間調光率を設定する(ステップS140)。そして、処理を終了する(リターン)。
【0202】
一方、ステップS138において、夜間調光率情報の入力がないと判断した場合(ステップS138においてNO)には、ステップS120に戻る。
【0203】
当該動作により、光環境制御モードにおける我が家流情報である起床時刻情報、夕食時刻情報、就寝時刻情報および夜間調光率情報を設定することが可能となる。当該我が家流情報は、メモリ29に格納されるものとする。そして、我が家流情報がメモリ29に格納されることにより図15のステップS30において我が家流設定有りと判断される。
【0204】
そして、光環境制御モードにおいて、図15で説明したステップS36において、メモリ29に格納された我が家流情報である、我が家流設定に関する起床時刻、夕食時刻、就寝時刻に基づいて光環境制御動作期間が設定されて、我が家流設定に従う光環境制御モードを実行することが可能となる。また、夜間調光率情報に従う夜間調光率に設定することが可能となる。
【0205】
したがって、各ヒトの個々の生活リズムに合わせた調光を実行して、快適な光環境を実現することが可能となる。
【0206】
なお、上述した光環境制御モードが実行されている場合においても、ユーザがリモコン50の「我が家流」設定ボタン62を押下することにより、割込み処理により、我が家流設定モードに移行する。そして、我が家流設定モードが終了した場合には、再び、図15における光環境制御モードの処理が再度実行される。当該処理により、新たに設定された我が家流情報に基づいて、光環境制御モードが実行され、快適な光環境を実現することが可能となる。
【0207】
なお、本例においては、我が家流設定モードにおいて、3つの時刻と、夜間調光率を設定する場合について説明したが、特にこれに限られず、図8に示されるそれぞれ期間および動作をユーザの好みに合わせて設定可能とするようにしても良い。
【0208】
なお、以上の説明では、照明装置1が水晶発振子27を備えて、CPU22が水晶発振子27からの発振信号に従って時刻を正確に計測して光環境制御モード等における制御を行なうものとしている。しかしながら、水晶発振子27は電源回路10から電圧が供給されることで発振信号を出力するものであるため、操作SW42に含まれた図示しない電源スイッチの操作によって電圧の供給が遮断されるとCPU22での時刻の計測が不可となってしまう。その場合、次に電源スイッチの操作によって電圧の供給が開始されたときに時刻合わせをすることでCPU22での時刻の計測が再開されるものではあるが、リモコン50からコマンド送信処理によって照明装置1が現在時刻を得るようにしてもよい。以下に、リモコン50でのコマンド送信処理を説明する。
【0209】
図19は、本発明の実施の形態に従うリモコン50でのコマンド送信処理を説明するフロー図である。
【0210】
図19を参照して、リモコン50のCPU86は、「光環境制御」ボタン58が押されたことを示す操作信号の入力を受けると(ステップS200においてYES)、信号送信部84に光環境制御モード指示の送信信号(コマンド)を赤外線投光部87に出力させる。このとき、CPU86は、水晶発振子85からの発振信号に従って時刻を計測して、当該コマンドと共に現在時刻を示す信号も赤外線投光部87に出力する(ステップS202)。
【0211】
「光環境制御」ボタン58ではなく「タイマ」設定ボタン76が押されたことを示す操作信号の入力を受けると(ステップS200においてNO、かつステップS204においてYES)、信号送信部84にタイマ設定指示の送信信号(コマンド)を赤外線投光部87に出力させる。このとき、CPU86は、水晶発振子85からの発振信号に従って時刻を計測して、当該コマンドと共に現在時刻を示す信号も赤外線投光部87に出力する(ステップS206)。
【0212】
入力された操作信号が「光環境制御」ボタン58の操作によるものでも「タイマ」設定ボタン76の操作によるものでもない場合には(ステップS200においてNO、かつステップS204においてNO)、信号送信部84に操作信号に応じた送信信号(コマンド)を赤外線投光部87に出力させる(ステップS208)。このときには現在時刻を示す信号は出力しない。
【0213】
その後、信号送信部84はCPU86からの指示に従う送信信号を赤外線投光部87に出力し、赤外線投光部87から赤外線信号が照明装置1に出力される(ステップS210)。
【0214】
なお、本例は照明装置1での制御モードのうちの時刻に応じて照明状態が異なる制御モードが光環境制御モードとタイマ設定に従う制御モードとであるものとしているが、その他の制御モードが時刻に応じて照明状態が異なる制御モードに含まれる場合には、当該モードが選択された場合にも、制御用コマンドと共に現在時刻を示す信号を出力してもよい。
【0215】
また、本例では、CPU86が水晶発振子85からの発振信号に基づいた現在時刻を示す信号を出力するものとしているが、リモコン50には水晶発振子85が含まれず、「時刻設定」ボタン68や「+/−」ボタン74などが押下されることによって受け付ける時刻の入力に基づいた現在時刻を示す信号を出力してもよい。
【0216】
当該動作により、照明装置1の電源スイッチの操作によって電圧の供給が遮断されて照明装置1のCPU22での時刻の計測が不可となった場合であって、次に、時刻情報を必要とするモードの起動がリモコン50から指示された場合であっても、照明装置1に対して時刻合わせのための操作を行なうことなくリモコン50からの時刻情報によって当該モードが稼動することになる。
【0217】
さらに、当該動作においては、時刻情報を必要とするモードの起動を指示する場合に時刻情報が送信され、そうでない指示の場合には時刻情報が送信されないようにするため、リモコン50から出力する情報量を抑えることができる。これにより、通信に必要なリモコン50での消費電力を抑えることができる。
【0218】
なお、本発明にかかる光源はLEDに限定されず、蛍光灯、EL(Electro-Luminescence)等の光源であってもよい。
【0219】
なお、コンピュータを機能させて、上述のフローで説明したような制御を実行させるプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどの一時的でないコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0220】
なお、プログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0221】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0222】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0223】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0224】
1 照明装置、2 シャーシ、8,9 カバー、10,51 電源回路、20 照明制御部、21,81 制御電源供給回路、23 制御回路、25 信号受信部、26,83 入力部、27,85 水晶発振子、28 照度センサ、29,80 メモリ、30 照明部、31,32,31,32 モジュール、33,34 スイッチ、40,56 インタフェース部、41 赤外線受光部、50 リモコン、52 液晶パネル、55 リモコン制御部、53,54,57A,57B,58,59A,59B,62,64,66,68,70,72,74,76 ボタン、82 液晶駆動回路、84 信号送信部、87 赤外線投光部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明装置と前記照明装置と通信して制御を行なう制御装置とを含んだ照明システムであって、
前記制御装置は、
前記通信を制御するための通信制御手段と、
前記照明装置の制御モードの入力を受付けるための入力手段とを備え、
前記通信制御手段は、前記入力された制御モードに応じて時刻情報を送信するか否かを判断し、前記入力された制御モードが前記時刻情報を送信すると判断された制御モードである場合には前記制御モード用のコマンドと共に時刻情報を送信し、前記時刻情報を送信しないと判断された制御モードである場合には前記制御モード用のコマンドを送信する、照明システム。
【請求項2】
前記通信制御手段は、前記入力された制御モードが時刻に応じて前記照明装置での照明状態が異なる制御モードである場合に時刻情報を送信すると判断する、請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
前記照明装置は、
計時手段と、
前記計時手段に電源を供給するための電源供給回路とを備え、
前記制御装置は、前記照明装置において前記計時手段に電源の供給が遮断されているときに前記入力された制御モードでの制御を開始する場合であって、前記入力された制御モードが前記時刻情報を送信すると判断された制御モードである場合に前記制御モード用のコマンドと共に時刻情報を送信する、請求項1または2に記載の照明システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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