説明

照明器具の放熱構造

【課題】LED素子を光源とした照明器具においてLED素子が執政して熱を効率的に放熱する。
【解決手段】照明器具1のボディ5内に取り付けた放熱体10に,LED素子を取り付けたLED支持部20を取り付けて,LED素子をボディ5内の所定の位置に配置する。放熱体10には,放熱体10の内部を上下方向に貫通する放熱孔13を設け,この放熱孔13の下端をLED支持部20の取付部14で開口させる。そして前記LED支持部20には,この放熱孔13に連通する貫通孔25を設けている。この構造によりLED素子21の熱により放熱体10が加熱されると,放熱孔13内の空気も加熱されて煙突効果によって放熱孔13内に上向きの対流が生じ,放熱孔13の下端に連通した貫通孔25に外気が吸引される。その結果,LED支持部20に取り付けたLED素子21は,この吸入空気流と接触して効率的に冷却される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は照明器具の放熱構造に関し,より詳細にはLED素子を光源とする照明器具の放熱構造に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDは従来の白熱電球や蛍光灯に比較して同じ照度をより低い消費電力で得ることができると共に,白熱電球や蛍光灯に比較して長寿命であることから,従来照明器具の光源として使用されていた白熱電球や蛍光灯に代えて,LEDを光源として使用する照明器具も普及しつつある。
【0003】
しかしながら,照明用の高出力LEDは高熱を発生する一方,半導体であるLED素子は熱に弱い性質があるために,LED素子で発生した熱を適切に処理しなければ,LEDの特性として挙げられる長寿命という特性を失い兼ねない。
【0004】
そのため,LED素子を光源とした照明器具にあっては,LED素子を熱から保護するための熱対策が講じられている。
【0005】
このような熱対策の一例として,複数のLEDを配置した際の相互間の熱影響を抑制し,空気の対流を促して総発熱量を下げ,LEDをより高出力で駆動させることを可能と成すと共に,LEDを密集して配置することを可能とするために,LEDを実装する実装基板のLED間の間隔に,切欠乃至は穴を設けるといった対策も採られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−179443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし,特許文献1として紹介した実装基板にあっては,LED素子相互間の熱の影響をある程度遮断することができるものの,放熱性能自体を大幅に改善できるものとはなっていない。
【0008】
そこで本発明は,LED素子を光源として使用した照明器具において,より効率的に放熱を行い得る放熱構造を提供することにより,照明器具の光源として使用するLED素子を熱から適切に保護することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下に,課題を解決するための手段を,発明を実施するための形態で使用する符号と共に記載する。この符号は,特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態の記載との対応を明らかにするためのものであり,言うまでもなく,本願発明の特許請求の範囲の技術的範囲の解釈に制限的に用いられるものではない。
【0010】
上記目的を達成するために,本発明の照明器具1の放熱構造は,LED素子21を備えるLED基板22を取り付けたLED支持部20と,
照明器具1のボディ5に取り付けられると共に前記LED支持部20が設けられる取付部14を備え,該取付部14に設けた前記LED支持部20を前記ボディ5内の所定の位置に配置する放熱体10を設け,
前記放熱体10に,前記放熱体10を貫通すると共に前記取付部14で下端を開口する放熱孔13を形成すると共に,前記LED支持部20に,前記放熱孔13と連通する貫通孔25を設けたことを特徴とする(請求項1)。
【0011】
前記放熱構造において,前記放熱体10の外周には放熱フィン15,16を設けることが好ましい(請求項2)。
【0012】
前記LED支持部20を,前記取付部14とし,ここに直接LED素子21を備えるLED基板22を配置することも可能である。
【0013】
また,一方の面にLED素子21を備えるLED基板22と,前記LED基板22の他方の面に設けられた高熱伝導性の材質によって形成された支持板23によって構成することができる(請求項3;図4参照)。
【0014】
更に,上記支持板23を備える放熱構造において,前記放熱体10に対し,前記LED支持部20を着脱可能に取り付けるものとすることが好ましい(請求項4)。
【0015】
また,前記放熱体10を,前記取付部14を備えた第1部分11と,前記ボディ5に対して固定される第2部分12によって構成し(図3,5,6参照),
前記第1部分11又は第2部分12のいずれか一方(実施形態において第1部分11)に前記放熱孔13の少なくとも一部分を構成する中空空間が形成された柱状部17を設けると共に,他方(実施形態において第2部分12)に前記柱状部17を挿入可能な挿孔18を形成し,前記挿孔18に対する前記柱状部17の挿入長を可変として,前記放熱孔13の長手方向に前記放熱部10の長さを可変とすることもできる(請求項5)。
【0016】
また,前記ボディ5に対する前記放熱体10の取付位置より離間した位置,例えば放熱体10の下端側において,前記放熱体10と前記ボディ5の双方に接触して前記放熱体10と前記ボディ5間に熱伝導を生じさせる放熱アダプタ40を設けることもできる(請求項6)。
【発明の効果】
【0017】
以上で説明した本発明の構成により,本発明の放熱構造を備えた照明器具1にあっては,以下のような顕著な効果を得ることができた。
【0018】
LED支持部20に設けた貫通孔25と,この貫通孔25と連通する放熱孔13を,LED支持部20を取り付ける放熱体10に設けたことにより,LED素子21が発生した熱は放熱体10に伝導されて放熱されるだけでなく,LED素子21によって発生した熱によって放熱孔13内の空気が熱せられることで煙筒効果によって図1中に矢印Aで示すように放熱孔13内を上昇する空気の対流が生じる。
【0019】
その結果,放熱孔13の下端部が負圧となってこれに連通するLED支持部20に設けた貫通孔25を介して周囲の空気が放熱孔13内に吸引され,LED支持部20に取り付けたLED素子21を,この貫通孔25に向かう空気流である冷却風(図1中の矢印B)と接触させて放熱させることができるために,LED素子21を効率的に冷却することができた。
【0020】
その結果,比較的熱に弱いLED素子21を確実に冷却することで,LED素子21が熱によって破壊等されることに伴う寿命の減少等を好適に防止することができた。
【0021】
前述した放熱体10の外周に放熱フィン15,16を設けた構成にあっては,放熱体10に熱伝導されたLED素子21の熱をより一層効率的に放熱することができた。
【0022】
更に,前述したLED支持部20をLED基板22と,LED基板22に取り付けられた高熱伝導性の材質によって形成された支持板23(例えば,アルミ板)によって構成することでLED素子21の熱を放熱体10に好適に伝達することができた。
【0023】
前記放熱体10に対し,前記LED支持部20を着脱可能に取り付けた構成にあっては,LED素子21に破損等が生じた場合であっても,照明器具1を例えば天井等に取り付けた状態のままで光源部分のみを容易に交換することができた。
【0024】
更に,前記放熱体10を第1部分11と第2部分12の組合せによって形成し,放熱体10の長さを前記放熱孔13の長手方向に可変とした構成にあっては,照明器具1のボディ5内における前記取付部14の位置,従って,LED素子21の位置を可変とすることができた。
【0025】
その結果,放熱体10の伸縮により,ボディ5に取り付けられているリフレクタ31等に対するLED素子(光源)の配置を微調整することができた。
【0026】
なお,前記ボディ5に対する前記放熱体10の取付位置より離間した位置において,前記放熱体10と前記ボディ5間を接触する放熱アダプタ40を設けた構成にあっては,放熱体10の熱をボディ5に吸収させることにより更に効率的に放熱を行うことができ,その結果,LED素子21に対する熱の影響をより確実に排除することができた。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の放熱構造を備えた照明器具の要部断面側面図。
【図2】本発明の放熱構造を備えた照明器具の要部断面分解側面図。
【図3】本発明の放熱構造を備えた照明器具の要部断面分解側面図。
【図4】LED支持部の(A)は平面図,(B)は側面図,(C)は底面図。
【図5】放熱体の(A)は第2部分の平面図,(B)は第2部分の側面図,(C)は第1部分の平面図,(D)は第1部分の側面図。
【図6】放熱体の分解断面図。
【図7】放熱体の上端部分の拡大断面図。
【図8】放熱アダプタの(A)は平面図,(B)は側面図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に,添付図面を参照しながら本発明の放熱構造を備えた照明器具について説明する。
【0029】
〔照明器具の全体構造〕
図1〜3は照明器具1の一例として,ダウンライトに本発明の放熱構造を適用した例である。
【0030】
図示の実施形態において,この照明器具1は,照明器具1の本体部分を成すボディ5と,このボディ5に取り付けられた放熱体10,前記放熱体10に取り付けられたLED支持部20を備えていると共に,前記ボディ5の下端開口部5a(図2,3参照)に取り付けられる,リフレクタ31,レンズ及び/又はフィルタ32,コーン33等を備えたオプティカルユニット30を備えている(図1,2参照)。
【0031】
この照明器具1は,図1に示すように,例えば天井板6等に形成した開口6a内に,照明器具取付用の保持枠7を嵌合すると共に,この保持枠7内に,室内側より天井裏側に向かって照明器具1を挿入すると,挿入された照明器具1のコーン33が,前記保持枠7内に係止されて,照明器具1を天井板に取り付けることができるように構成されている。
【0032】
前述したボディ5は,全体として略逆カップ状の形状に形成されており,図3に示すように下端部にオプティカルユニット30を取り付けるための下端開口部5aが形成されていると共に,上端部に放熱体10の一部分が挿入される上端開口部5bが形成されている。
【0033】
このボディ5は,ボディ5内に対する外気の導入,及びボディ内の空気の外部への排出を好適に行うことができるようにするために,側面を部分的に除去して形成した空気流通口5cを設けることが冷却効率の向上を図る上で好ましい。
【0034】
〔放熱構造〕
以上のように構成された照明器具1において,本発明の放熱構造は,LED素子21が配置されるLED支持部20,前記LED支持部20を取り付ける放熱体10,及び,必要に応じて設けられる放熱アダプタ40によって実現される。
【0035】
LED支持部
前述のLED支持部20は,一方の面にLED素子が取り付けられた,全体として板状を成し,図示の実施形態にあっては樹脂基板の片面にLED素子21を取り付ける等して形成したLED基板22を,アルミニウムや銅,その他の熱伝導性の良い材質(本実施形態ではアルミニウム)によって形成された支持板23に取り付けた構造を有している(図4参照)。
【0036】
このLED支持部20に設けたLED素子21には,図4(B)に示すように配線27を介してソケット24が取り付けられており,これを図示せざる制御装置に接続することで,LEDの点灯,消灯,必要に応じて明るさ等を制御することができるように構成されている。
【0037】
このLED支持部20には,LED素子21の配置されていない位置,図示の実施形態にあってはその中央位置に貫通孔25が設けられており,LED支持部20を後述する放熱体10に取り付けた際,放熱体10を貫通する放熱孔13に,前記貫通孔25を連通させることができるように構成されている。
【0038】
なお,このLED支持部20を,後述取付部14とし,ここに直接LED素子21を備えるLED基板22を配置することも可能である。
【0039】
放熱体
以上のように構成されたLED支持部20は,放熱体10に取り付けられることにより,前述したボディ5内の所定の位置に取り付けることができるように構成されている。
【0040】
この放熱体10は,図1,2に示すようにその上端側が前述したボディ5の上端開口部5b内に挿入されてボディ5に固定されていると共に,下端側に前述したLED支持部20を設けるための取付部14が,図示の実施形態にあっては平坦面として形成されており,この取付部14に対して前述したLED支持部20を例えば螺旋止めすることにより取り付けることができるように構成されている。
【0041】
この放熱体10には,前述した取付部14で下端を開口する放熱孔13が,放熱体10内を上下方向に貫通して形成されており,LED支持部20に形成した螺旋孔26と,取付部14に設けた螺旋孔(図示せず)とを位置合わせして,両螺旋孔に螺旋を挿入,螺合させて固定すると,LED支持部20に形成した貫通孔25を放熱孔13の下端と連通させて取り付けることができるように構成されている。
【0042】
この放熱体10の外周には,その長手方向(上下方向)を長手方向とする複数の放熱フィン15が形成されており,この放熱フィン15によって表面積を増大することにより放熱性を向上させている。
【0043】
また,ボディ5の上端開口部5bより上方に突出してボディ5外に配置された部分には,外周方向に伸びる放熱フィン16を設け,同様に放熱効率の向上を図っている。
【0044】
以上のように構成された放熱体10は,これを全体として一体のものとして形成しても良いが,本実施形態にあってはこの放熱体10を,第1部分11と第2部分12の2つの構成部分に分離可能に構成している。
【0045】
そして,第1,第2部分11,12のいずれか一方に,前記放熱孔13の少なくとも一部分を構成する中空空間が形成された柱状部(図示の例では円筒部)17を設けると共に,他方に前記柱状部17を外嵌可能な挿孔18を形成し,前記柱状部17を前記挿孔18に挿入したテレスコピックに類似の構造とすることで,挿孔18に対する柱状部17の挿入長さを変化させることで,前記放熱孔13の長手方向における前記放熱体10の長さを可変としている。
【0046】
図示の実施形態にあっては,第1部分11の取付部14とは反対側(上端側)に前述の柱状部である円筒部17を設けると共に,ボディ5の上端開口部5bに取り付ける第2部分12に,この円筒部17を挿入する挿孔18を設け,挿孔18内に前記円筒部17を挿入した状態で両者を固定することができるように構成することで,挿孔18に対する円筒部17の挿入長を調整することで放熱体10の全長を放熱孔13の長さ方向に可変とすることができるように構成している。
【0047】
なお,図示の実施形態にあっては,前述した柱状部17を円筒状に形成すると共に,挿孔18をこれに対応した形状に形成するものとして説明したが,柱状部17の形状は図示の例に限定されず,例えば角柱状のものとして構成するものとしても良く,また,外周にキーや溝を設け,スプラインに類似の構造のものとして形成しても良い。
【0048】
以上のように構成された放熱体10の第2部分12には,ボディ5の上端開口部5b内に挿入,嵌合される嵌合部19と,この嵌合部19の上端側の周縁より外周方向に伸びる放熱フィン16が設けられており,第2部分12に設けた前記嵌合部19をボディ5の上端開口部5b内に下向きに挿入すると,上端開口部5bの周縁に放熱フィン16が係止されて,第2部分12をボディ5の所定の位置に固定することができるようになっている(図2参照)。
【0049】
そして,この第2部分12に設けた挿孔18内に,第1部分11の円筒部17を上向きに挿入して固定することで,第1部分11をボディ5内の所定の位置に取り付けることができるようになっている。
【0050】
図5(A),(C)及び図7に示すように,第1部分11と第2部分12間の固定は,一例として第2部分12の上端開口縁より内向きに突出したフランジ部12aに形成した貫通孔乃至は切欠(図示の例は切欠)12d〔図5(A)参照〕に挿入乃至は嵌合した螺旋81の先端を,第1部分11の円筒部17上端に設けた螺旋孔17aに螺合すると共に緊締することによって行っている。
【0051】
本実施形態にあっては,前述した固定用の螺旋81を挿入する切欠12dの他に,別途螺旋82を螺合させる螺旋孔12bを前記フランジ部12aより突設した舌片12cに形成し,この螺旋孔12bを螺合,貫通した螺旋82先端部の突出長さを調整することで,第2部材12に設けた挿孔18に対する第1部材11の円筒部17の挿入長さを調整することができるようにしている。
【0052】
その結果,螺旋82の突出長さを調整しながら,螺旋81を締め込んでいくことで,放熱体の全長を微調整することができると共に,調整後の位置で両者を固定することができるようになっている。
【0053】
このように,放熱体10の全長を微調整することで,放熱体10の下端に位置する取付部14,従って,この取付部14に設けられるLED支持部20のLED素子21のボディ5内における配置を微調整して,最適な配置とすることができる。
【0054】
放熱アダプタ
なお,前述の放熱体10には,図8(A),(B)に示す放熱アダプタ40を取り付けることもできる。
【0055】
この放熱アダプタ40は,放熱体10の熱をボディ5に伝導することで放熱体10の放熱性を更に向上させるために設けられたものであり,放熱体10とボディ5の双方に接触して前述した伝熱作用を発揮するものであれば,その形状,材質,構造等は特に限定されず,本実施形態にあっては前述した放熱体10とは別体として形成しているが,放熱体10と一体に形成しても良い。
【0056】
本実施形態にあっては,この放熱アダプタ40をアルミニウムや銅等のような高熱伝導性の材質(本実施形態ではアルミニウム)によって形成された板体を加工して製造しており,この板体の中央部に,内周縁に放熱体の第1部分に形成した放熱フィン15間に嵌合する鋸歯片42が形成された開口41を設けると共に,この板体の外周縁より外周方向四方に突出する接触片43備えており,放熱アダプタ40の開口41内に挿入した放熱体10の第1部分11を,ボディ5に固定した第2部分12に取り付けると,放熱アダプタ40の接触片43がボディ5の内壁に設けたリブ等と接触し(図2参照),これにより放熱体10の熱をボディ5に救出させて放熱性を向上させることができるようになっている。
【0057】
〔作用等〕
以上のように構成された本発明の放熱構造を備えた照明器具1において,LED支持部20に取り付けたLED素子21を発光させて点灯すると,LED素子21で発生した熱は,放熱体10に伝熱されて放熱体10に設けられた放熱フィン15,16等と周囲の空気との接触による熱交換によって放熱される。
【0058】
このようにして,放熱体10に熱が伝わると,放熱体10内に放熱体10を貫通して上下方向に設けた放熱孔13内の空気が暖められる結果,煙突効果によって放熱孔13内には図1中に矢印Aで示すように上方に向かって空気が流れる,熱対流が発生する。
【0059】
この熱対流によって,放熱孔13の下端側は負圧となり,LED支持部20に設けた貫通孔25を介して放熱孔13内に図1中矢印Bで示すように外気の吸引が行われる結果,この貫通孔25の周辺に取り付けられたLED基板22のLED素子21に対しては,貫通孔25に吸引される外気が冷却風として当たることで,より一層,LED素子21の冷却効率を向上させることができるものとなっている。
【0060】
なお,上記構成の放熱構造を備えた照明器具1において,前記放熱体10に対し前記LED支持部20を着脱可能とした構成にあっては,LED素子21が破損等した場合であってもこれを,LED支持部20と共に外すことで,容易に着脱,交換等を行うことが可能である。
【0061】
すなわち,放熱体10に対してLED支持部20が着脱不能に取り付けられている場合には,LED素子21が破損した場合には照明器具1の全体を交換し,あるいは,少なくとも放熱体10の第1部分11と共に交換する。いずれの場合においても,一旦,天井板6から照明器具1の全体を外す作業は必要となる。
【0062】
しかし,上記のように構成した場合には,照明器具1を天井板6に取り付けたままの状体で,LED支持部20を放熱体10に固定している螺旋を室内側より取り外すという比較的簡単な作業によって取り外すことが可能であり,交換作業の際の作業性を大幅に改善することができるものとなっている。
【0063】
なお,放熱体10を第1部分11と,第2部分12の組合せによって形成した構成にあっては,前述したように放熱孔13の長手方向に放熱体10の全長を可変とすることができるものとなっている。
【0064】
その結果,放熱体10に取り付けたLED支持部20,従って光源であるLED素子21のボディ5内における配置を微調整することができ,これにより,リフレクタ31とLED素子21との相対的な位置関係を変化させることで,照明器具より照射される光の照射範囲等を最適な状態に調整することができるものとなっている。
【0065】
なお,上記説明では,本発明の放熱構造をダウンライトに適用した場合を例として説明したが,本発明の放熱構造が適用される照明器具は,ダウンライトに限定されず,スポットライト,ウォールウォッシャー,ペンダントライト等の各種の照明器具に採用可能であり,実施形態で説明した構成に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0066】
1 照明器具
5 ボディ
5a 下端開口
5b 上端開口
5c 空気流通口
6 天井板
6a 開口
7 保持枠
10 放熱体
11 第1部分(放熱体の)
12 第2部分(放熱体の)
12a フランジ部
12b 螺旋孔
12c 舌片
12d 切欠
13 放熱孔
14 取付部
15,16 放熱フィン
17 円筒部(柱状部)
17a 螺旋孔
18 挿孔
19 嵌合部
20 LED支持部(取付部14)
21 LED素子
22 LED基板
23 支持板
24 ソケット
25 貫通孔
26 螺旋孔
27 配線
30 オプティカルユニット
31 リフレクタ
32 レンズ及び/又はフィルタ
33 コーン
40 放熱アダプタ
41 開口
42 鋸歯片
43 接触片
81,82 螺旋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED素子を取り付けたLED支持部と,
照明器具のボディに取り付けられると共に前記LED支持部が設けられる取付部を備え,前記取付部に取り付けた前記LED支持部を前記ボディ内の所定の位置に配置する放熱体を設け,
前記放熱体に,前記放熱体を貫通すると共に前記取付部で下端を開口する放熱孔を形成すると共に,前記LED支持部に,前記放熱孔と連通する貫通孔を設けたことを特徴とする照明器具の放熱構造。
【請求項2】
前記放熱体の外周に放熱フィンを設けたことを特徴とする請求項1記載の照明器具の放熱構造。
【請求項3】
前記LED支持部が,一方の面にLED素子が取り付けられたLED基板と,前記LED基板の他方の面に取り付けられた高熱伝導性の材質によって形成された支持板によって構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の照明器具の放熱構造。
【請求項4】
前記放熱体に対し,前記LED支持部を着脱可能に取り付けたことを特徴とする請求項3記載の照明器具の放熱構造。
【請求項5】
前記放熱体が,前記取付部を備えた第1部分と,前記ボディに対して固定される第2部分によって構成されており,
前記第1部分又は第2部分のいずれか一方に前記放熱孔の少なくとも一部分を構成する中空空間が形成された柱状部を設けると共に,他方に前記柱状部を挿入可能な挿孔を形成し,前記挿孔に対する前記柱状部の挿入長を可変として,前記放熱孔の長手方向に前記放熱部の長さを可変としたことを特徴とする請求項1〜4いずか1項記載の照明器具の放熱構造。
【請求項6】
前記ボディに対する前記放熱体の取付位置より離間した位置において,前記放熱体と前記ボディの双方に接触して前記放熱体と前記ボディ間に熱伝導を生じさせる放熱アダプタを設けたことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の照明器具の放熱構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−22817(P2012−22817A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−158299(P2010−158299)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【出願人】(592064110)株式会社ウシオスペックス (16)
【Fターム(参考)】