説明

照明器具

【課題】簡易な構造により低コストで、雨水等が当たる屋外に取付けて上向きに光を照射することができる照明器具を提供する。
【解決手段】光源12の上方をパンチングメタル15で覆うので、雨水等の水は枠体14の内部に浸入するが光源12は防水性を有するので、雨天等の場合でも上方への光を照射することができる。また、枠体14の下方を覆う底板部17に、壁面11側へ向かって下降する傾斜面を設けるとともに、水抜き部20を設けたので、枠体14に浸入した雨水等の水は、水抜き部20から外部に排水される。このため、従来のように遮水版やパッキン等の防水部材を必要としないので、部品点数を減少させてコストダウンを図ることができる。なお、水抜き部と光源との間に遮光部材25を設けたので光源12からの光は遮光部材25により遮断され、水抜き部20に照明が当たらず見えないので、外観を損なうことがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雨水等が当たる屋外に取付けて主に上向きに光を照射することができる照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
雨水等が当たる屋外で使用できる従来の照明器具として、雨水等が器具本体内に浸入しても、器具本体に取付けられた電気部品に影響が及ばないように防水具が設けられている(例えば特許文献1参照)。
図4(A)および(B)に示すように、特許文献1に記載の照明器具100は、雨水等が当たる屋外の壁面101に固定される箱状の器具本体102と、この器具本体102の前面に嵌め込まれてネジ103aで固定される透光性を有するグローブ103とを有している。器具本体102の内部には、光源である蛍光灯104や安定器等の多数の点灯用電気機器105のような水に弱い部品が取付けられており、これらの上方には、防水具として器具本体102内部に進入した水を遮って蛍光灯104や点灯用電気機器105を水から保護するための遮水壁106が設けられている。また、器具本体102の底壁102aには、器具本体102内部に進入した水を排出するための水抜き穴107が設けられている。
【特許文献1】特開2005−158404号公報(第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前述した特許文献1に記載されているような従来の照明器具100においては、器具内に浸入した水から電気機器105等を保護するために、遮水壁106を設けたり、グローブ103と器具本体102との間に防水用のパッキンを設けたりする必要があり、部品点数が増加する。また、上方に光を照射するためには、さら反射板のような部品が要求されるので、さらに部品点数が増加して製造コストが高くなるという問題があった。また、グローブ103を器具本体102に取付ける際に、防水性を高めるように組み付けることが要求され、組立性が悪くなるという問題もある。
【0004】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、簡易な構造により低コストで、雨水等が当たる屋外に取付けて上向きに光を照射することができる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の照明器具は、壁面に取付可能であるとともに防水性を有する光源を支持する取付部と、前記光源を覆い、かつ、前記光源の光を上方に照射できるように前記取付部に支持される枠体と、前記枠体の上方を覆うパンチングメタルと、前記枠体の下方を覆い、かつ、前記取付部側に向かって下向きに傾斜面となる底板部と、前記枠体の下方、かつ、前記壁面側に設けられた水抜き部と、前記光源の光が前記水抜き部に到達しないように前記枠体内に設置された遮光部材とを備えた構成を有している。
【0006】
この構成により、光源の上方をパンチングメタルで覆うので、雨水等の水は枠体の内部に浸入するが光源は防水性を有するので、雨天等の場合でも上方への光を照射することができる。また、枠体の下方を覆う底板部に、壁面側へ向かって下降する傾斜面を設けるとともに、水抜き部を設けたので、枠体に浸入した雨水等の水は、水抜き部から外部に排水される。このため、従来のように遮水版やパッキン等の防水部材を必要としないので、部品点数を減少させてコストダウンを図ることができる。なお、水抜き部と光源との間に遮光部材を設けたので光源からの光は遮光部材により遮断され、水抜き部に照明が当たらず見えないので、外観を損なうことがない。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、光源の上方をパンチングメタルで覆うので、雨水等の水は枠体の内部に浸入するが光源は防水性を有するので、雨天等の場合でも上方への光を照射することができる。また、枠体の下方を覆う底板部に、壁面側へ向かって下降する傾斜面を設けるとともに、水抜き部を設けたので、枠体に浸入した雨水等の水は、水抜き部から外部に排水される。このため、従来のように遮水版やパッキン等の防水部材を必要としないので、部品点数を減少させてコストダウンを図ることができるという効果を有する照明器具を提供することができるものである。なお、水抜き部と光源との間に遮光部材を設けたので光源からの光は遮光部材により遮断され、水抜き部に照明が当たらず見えないので、外観を損なうのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態の照明器具について、図面を用いて説明する。
図1(A)は本発明の実施の形態にかかる照明器具の平面図、図1(B)は照明器具の正面図、図1(C)は照明器具の断面図、図2は照明器具の分解断面図である。
【0009】
図1(A)および(B)に示す照明器具10は、雨水等が当たる屋外に取付けて主に上向きに光を照射することができるものであり、壁面11に取付可能な取付部13と、取付部13に取り付けられる枠体14とを有している。
【0010】
図1および図2に示すように、取付部13は、壁面11に接触するベースプレート13aを有しており、ベースプレート13aはアンカーボルト等の取付手段により壁面11に取付けられる。ベースプレート13aの前面には前方(図2において左方)へ突出するリブ13bが設けられており、リブ13bの先端には枠体14を取付ける取付板13cが設けられている。
【0011】
枠体14は、前面には前板16が取付けられ、下面には底板(底板部)17が取付けられ、壁面11側には背板19が設けられて、枠体14の左右(図1(A)および(B)において左右)端部には側板18、18が取付けられている。これにより、枠体14は略矩形状をした箱状構造を形成している。背板19にはネジ穴19aが設けられており、取付部13に設けられているネジ13dをネジ穴19aに通してナット19eを締め付けることにより、枠体14を取付部13に取付けるようになっている。
【0012】
なお、上面は開口しており、パンチングメタル15が、背板19から前方に突出して設けられている全体L字状の取付ブラケット19bに、ネジ15aによって取付けられている。このパンチングメタル15は、板状部材に穴をパンチングにより多数形成したものであり、光を十分に透過させるものである。
【0013】
枠体14の内部における図1(A)中左側の側板18には、ソケット台21が取付けられており、ソケット台21には防水性を有する光源である防水ランプ12を取付けて電力を供給する防水仕様のソケット22が取付けられている。ソケット22に電力を供給する電線23は、ソケット台21の内部を通って、枠体14の背板19を貫通し、取付部13に配線されている。また、枠体14の内部における右側端部付近の底板17上面には、防水ランプ12の先端部付近を支持する支持バネ24が取付けられている。
【0014】
底板17は、取付部13側に向かって下向きに傾斜面(図2中矢印A)となっており、パンチングメタル15から枠体14の内部に浸入した雨水等の水は、底板17に沿って壁面11側へ流れる。一方、背板19の下端部には左右方向に1個または複数個の切欠き20が設けられており、底板17との間に空間が形成されて水抜き部を形成している(図2参照)。なお、切欠き20を1個設ける場合には、切欠き20の位置が最も低くなるように底板17に左右方向の傾斜を設けるようにする。
【0015】
これにより、底板17に沿って流れてきた水は、切欠き20から枠体14の外部に排水される。なお、底板17の上面における水抜き部20の前方、すなわち防水ランプ12側には、防水ランプ12の光が水抜き部20に到達しないように、遮光部材25が取付けられている。なお、遮光部材25は、切欠き20に光が照射しない幅および高さを有しておればよく、背板19と遮光部材25との距離を小さくすれば遮光部材25も小さくできるが、底板17を伝って流れる水がスムーズに排水できる間隔を保持する必要がある。また、切欠き20を複数個設ける場合には、切欠き20ごとに設ける。
【0016】
以上、説明した照明器具10によれば、防水ランプ12の上方をパンチングメタル15で覆うので、雨水等の水は枠体14の内部に浸入するが防水ランプ12が防水性を有するので、雨天等の場合でも上方への光を照射することができる。また、枠体14の下方を覆う底板17に、壁面11側へ向かって下降する傾斜面を設けるとともに、水抜き部20を設けたので、枠体14に浸入した雨水等の水は、水抜き部20から外部に排水される。このため、従来のように遮水版やパッキン等の防水部材を必要としないので、部品点数を減少させてコストダウンを図ることができる。また、枠体14自身の防水性を考慮する必要がなく、構造が簡易となるので組立性も改善される。
【0017】
なお、本発明の照明器具は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0018】
以上のように、本発明にかかる照明器具は、光源の上方をパンチングメタルで覆うので、雨水等の水は枠体の内部に浸入するが光源は防水性を有するので、雨天等の場合でも上方への光を照射することができる。また、枠体の下方を覆う底板部に、壁面側へ向かって下降する傾斜面を設けるとともに、水抜き部を設けたので、枠体に浸入した雨水等の水は、水抜き部から外部に排水される。このため、従来のように遮水版やパッキン等の防水部材を必要としないので、部品点数を減少させてコストダウンを図ることができる。また、水抜き部と光源との間に遮光部材を設けたので光源からの光は遮光部材により遮断され、水抜き部に照明が当たらず見えないので、外観を損なうのを防止することができるという効果を有し、雨水等が当たる屋外に取付けて主に上向きに光を照射することができる照明器具等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】(A)は本発明の実施の形態にかかる照明器具の平面図、(B)は照明器具の正面図、(C)は照明器具の断面図
【図2】照明器具の分解断面図
【図3】水抜き孔と遮光部材との関係を示す斜視図
【図4】(A)は従来の屋外用の照明器具を示す斜視図、(B)は同じく分解斜視図
【符号の説明】
【0020】
10 照明器具
11 壁面
12 防水ランプ(光源)
13 取付部
14 枠体
15 パンチングメタル
17 底板(底板部)
20 水抜き部
25 遮光部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面に取付可能であるとともに防水性を有する光源を支持する取付部と、
前記光源を覆い、かつ、前記光源の光を上方に照射できるように前記取付部に支持される枠体と、
前記枠体の上方を覆うパンチングメタルと、
前記枠体の下方を覆い、かつ、前記取付部側に向かって下向きに傾斜面となる底板部と、
前記枠体の下方、かつ、前記壁面側に設けられた水抜き部と、
前記光源の光が前記水抜き部に到達しないように前記枠体内に設置された遮光部材とを備えたことを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−129757(P2009−129757A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−304456(P2007−304456)
【出願日】平成19年11月26日(2007.11.26)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【出願人】(590004729)ミサキ電機株式会社 (3)
【Fターム(参考)】