説明

照明器具

【課題】照明の方向を変えるための回動動作を妨げない構成の照明器具を提供する。
【解決手段】光源11aおよび光源を制御する制御部を設けた灯具11と;灯具を支持する口金部12、口金部に一端部が接続され屈曲可能な支柱部13、支柱部の他端部に接続され、被設置部に対し回動可能に支持される固定部14を有し、口金部、支柱部および固定部が略線状をなすように形成されたアーム15と;を具備する照明器具10を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明の高さ、位置等を自在に調整することが可能な照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の照明器具は、従来、病院における病室や医療福祉施設の療養室等でのベッド灯、さらに勉強机や作業机などの電気スタンドとして用いられている。
【0003】
これら照明器具の構成は、例えば、特許文献1に示されるように、先端に灯具を連結した上部の支柱と、ベッドなどの固定部に回動可能に固定される固定棒を下端に連結した下部の支柱と、これら上下2本の支柱を関節部で連結し、その屈曲動作と固定棒における回動動作により、照明の高さや方向を自在に調整するようにしている。
【0004】
さらに、特許文献2には、消費電力の少ない発光ダイオードを光源とした灯具を360°回転することができるアームに支持して、光の照射方向を選択できるようにすると共に、アームをフレキシブルチューブで構成して光の照射方向を微調整できるようにしたものが示されている。
【特許文献1】特開2000−138008号公報
【特許文献2】特開2004−146315号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示されるものは、それぞれの連結部分、すなわち、灯具と上部の支柱、上下の支柱同士および下部の支柱と固定棒はそれぞれ関節部を有して連結されており、構造が複雑になると共に、特に下部の支柱と固定棒とを連結するための関節部が支柱から側方に突出し(特許文献1の図1参照)、固定棒を中心にして支柱の回動動作を行う際に、その関節部が一緒に回動することから、ベッド周辺の機材や物に当たり回動が困難になる場合がある。このため、設置場所を変えなければならず、所望の方向への照明がし難くなる問題が生じる。
【0006】
これは、ベッド灯に限らず、勉強机や作業机などに使用される電気スタンドにおいても、卓上の機材や物に当たる場合があり、同様に設置場所が自由に選べず所望の照明がし難くなる問題がある。
【0007】
このため、特許文献2に示されるように、屈曲動作を行う支柱部分をフレキシブルチューブで構成し、連結部分の関節部をなくす方法がとられている。しかしながら、特許文献2に示されるものは、フレキシブルチューブの下端と本体は回動せずに固定されているため、光の方向を微調整する機能しか果たすことができず、別途の360°回転させるための構成が必要となり構造が複雑になる。
【0008】
これらの問題を解決するために、近時、図6に示す構成のベッド灯が提案されている。すなわち、図6(a)には、先端に灯具が取り付けられたフレキシブルチューブ1の下端部に発光ダイオードの電源部2を設け、電源部の下端に固定棒3を設け、この固定棒をベッド近辺の壁面などに設置したブラケット4に回動できるように支持している。しかし、この構成でも発光ダイオードを点灯制御するため電源部2を収納するケース部分がフレキシブルチューブ1の径より大きいため側方に突出しており、回動動作の妨げになる。
【0009】
また、図6(b)に示されるように、発光ダイオードの電源部2を灯具5内に収納し、フレキシブルチューブ1の下端部側方に平行して固定棒3´を一体に形成し、この固定棒3´をベッド近辺の壁面などに設置したブラケット4に回動できるように支持して構成している。しかし、固定棒3´の側方にフレキシブルチューブ1の下端部が突出し、回動動作の妨げになっている。特に、固定棒3´とブラケット4の先端部との間隔寸法bが大きいと固定棒がブラケットに差し込めず汎用性が低下する問題がある。また、灯具4から導出される電線6をフレキシブルチューブ1の下端部から引き出しているために、引き出された電線6がブラケット4の側方に突出しており回動動作の妨げになる。
【0010】
このため、この種の照明器具においては、照明の方向を変えるための回動動作に妨げとならず、病室等においての設置場所も自由に選択することが可能な照明器具を如何に実現するかが重要な課題となっている。
【0011】
本発明は、上述した課題に鑑みなされたもので、照明の方向を変えるための回動動作を妨げない構成の照明器具を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の照明器具の発明は、光源および光源を制御する制御部を設けた灯具と;灯具を支持する口金部、口金部に一端部が接続され屈曲可能な支柱部、支柱部の他端部に接続され、被設置部に対し回動可能に支持される固定部を有し、口金部、支柱部および固定部が略線状をなすように形成されたアームと;を具備することを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、口金部、支柱部および固定部が略線状をなすように形成されたアームにより、照明の方向を変えるための回動動作を妨げない照明器具が構成される。
【0014】
本発明において、灯具の光源は、消費電力が少なく放射光の指向性が比較的強い発光ダイオードで構成することが好ましいが、クリプトン電球やハロゲン電球等の白熱電球、電球形蛍光ランプやコンパクト形蛍光ランプ等の放電ランプ、さらにはEL素子等で構成した面状光源であってもよい。光源は、目的とする照明を得るために、レンズ、反射鏡、遮光体等を設けてスポット配光をなすようにしてもよい。
【0015】
また、光源を制御する制御部は、光源が発光ダイオードの場合には、発光ダイオードの電源回路を構成する電源部であっても、また放電ランプの場合には点灯制御するための電子安定器であってもよく、さらに白熱電球の場合には点灯、消灯を行う電源スイッチを構成するスイッチボックス等であっても、さらには、これら光源を調光するための調光制御部等であってもよい。
【0016】
アームの口金部および固定部は、真鍮等の金属で構成されることが好ましいが、強固な合成樹脂で構成してもよい。また、また、屈曲可能な支柱部は、金属または合成樹脂からなるフレキシブルチューブで構成することが好ましいが、屈曲が可能な複数本のアームで構成しても、アームとフレキシブルチューブを組み合わせて構成してもよく、屈曲が可能な全ての構成の支柱部が許容される。また、口金部、支柱部および固定部は、ネジ結合等の手段で着脱ができるように支持されていても、例えば、カシメや溶接あるいは接着等の手段で固着されるものであってもよい。
【0017】
アームの口金部、支柱部および固定部が略線状をなすように形成されるが、直線をなすように線状に形成されても、略円弧を描くように線状をなして形成されていてもよい。また、自由に折り曲げが可能なフレキシブルチューブのように、直線から略円弧に変化する線状、または複数の屈曲部を有する曲線状であってもよい。また、口金部、支柱部および固定部の太さが略同様の太さを有して線状をなすように形成されることが好ましいが、一部に太さの異なる部分があってもよく、要は、固定部を中心にしてアームを回動した際に、回動を妨げない範囲で略線状をなして形成されていればよい。
【0018】
アームの口金部、支柱部および固定部は、電線を挿通する中空部を有して構成し、電線をアームの内部に収納して構成することが好ましいが、ここでは、中空にせずに電線をアームの外側に沿わせて構成するものであってもよい。
【0019】
被設置部に対して回動可能に支持するとは、例えば、アームの固定部を被設置部に固定されたブラケットを介して回動可能に支持してもよく、固定部が被設置部に対して回動する構成であればよい。ブラケットを介して固定部を支持する場合には、ブラケット側に縦穴を形成して、アームの棒状をなす固定棒を差し込み、360°自由に回動ができるように構成しても、または、特定の角度の範囲内で回動ができるようにしてもよい。また、固定部の抜き差しができるようにして着脱が可能な状態で支持しても、着脱ができない状態で支持するようにしてもよい。逆に、ブラケット側に固定棒を形成しアームの固定部に縦穴を形成して、アームの縦穴をブラケットの固定棒に差し込むように構成してもよい。
【0020】
被設置部とは、ベッド頭部に近い壁面等または机等の卓板などであるが、照明器具が取り付け可能な箇所全てを含むものである。ブラケットを介して固定部を支持する場合、ブラケットは、被設置部であるベッド頭部に近い壁面等に直接取り付けられるものであっても、被設置部である机等の卓板に挟み込み蝶ネジ等で着脱ができるように取り付けるものであってもよい。材質は、真鍮やアルミダイカスト製等の金属で構成されることが好ましいが強固な合成樹脂で構成してもよい。
【0021】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の照明器具において、前記アームの支柱部は、フレキシブルチューブで構成したことを特徴とする。
【0022】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の照明器具において、前記アームの口金部、支柱部および固定部は、電線を挿通する中空部を有して構成され、固定部の側面に中空部に連通し電線を挿通するための挿通孔を形成したことを特徴とする。
【0023】
挿通孔は、ブッシュで覆いブッシュの孔から電線を挿通し、挿通孔近辺の外観を向上させるように構成してもよい。
【発明の効果】
【0024】
請求項1の発明によれば、口金部、支柱部および固定部が略線状をなすように形成されたアームにより、固定部を中心にしてアームを回動した際に、その回動を妨げることが防止され、照明の方向を変えるための回動動作を妨げない照明器具を提供することができる。
【0025】
請求項2の発明によれば、アームの支柱部は、フレキシブルチューブで構成したので、簡易な構成で、かつ照明の方向を自由に変えることが可能な照明器具を提供することができる。
【0026】
請求項3の発明によれば、アームの口金部、支柱部および固定部は、電線を挿通する中空部を有して構成され、固定部の側面に中空部に連通し電線を挿通するための挿通孔を形成したので、電線をアーム内に収納することができ、電線が側方に突出する量が少なくなって、アームの回動を妨げることが防止される。さらに電線をアーム内に収納することができるので、安全でかつ外観、意匠的に優れた照明器具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明に係る照明器具の実施形態について説明する。
【実施例1】
【0028】
本実施例の照明器具は、病院のベッドに設置するためのベッド灯として構成されたもので、以下図1〜図5に従い説明する。
【0029】
照明器具10は、灯具11と、口金部12、支柱部13および固定部14を有するアーム15で構成し、アームの固定部14は被設置部Aに対してブラケット16により回動可能に支持される。
【0030】
灯具11は、光源11aおよび光源を制御する制御部11bを収納する本体ケース11cで構成する。光源11aは、発光ダイオード(以下「LED」と称す)で、本実施例では同心円状に配置された5個の白色LEDで構成する。LED11aは、レンズ体および反射体により、スポット配光がなされるように構成される。制御部11bは、LED11aを点灯制御するための電源回路で構成される。
【0031】
本体ケース11cは、合成樹脂等からなる一端開放の略円筒状をなし、内部に制御部11bを収納すると共に、開放部分に上記光源をなすLED11aを配設する。また、閉塞された他端部には、灯具を後述するアーム15の口金部12に支持するための雌ネジ部からなる支持部11dを形成する。なお、本体ケースの開放部分は、透明なガラスまたは合成樹脂からなる透光板で閉塞してもよい。
【0032】
アーム15は、図2に示すように、灯具11を支持する口金部12、口金部に一端部が接続された屈曲可能な支柱部13、支柱部の他端部に接続された固定部14からなる。口金部12は、真鍮製で、断面円形の中空の短いパイプ状をなして形成され、一端部に後述する支柱部13の一端部を挿入して固着するための固着部12aを一体に形成し、他端部には上記灯具11の雌ネジ部からなる支持部11dにねじ込み固着するための中空の雄ネジ部12bが一体に形成されている。
【0033】
支柱部13は、金属からなる屈曲が可能な断面円形のフレキシブルチューブで構成し、一端部が口金部12の固着部12aに挿入されて固着され、他端部が後述する固定部14に固着される。
【0034】
固定部14は、真鍮製で、断面円形の中空部14aを有する短いパイプ状をなして形成され、一端部に前記支柱部13の他端部を挿入して固着するための固着部14bを一体に形成し、他端部には直径を若干細くして形成した固定棒14cを、固定部に一体に連続して形成する。固定部の中空部14aは、固定棒14cの上部まで形成され、固定棒の部分は無垢の真鍮棒で構成して強度が強くなるように構成する。固定部14の側面には、垂直方向に形成された中空部14aに対して略直交して連通する挿通孔14dを形成する。図中14eは、固定棒14cの側面に形成された抜け止め用の凹部、14fは、挿通孔14dに嵌め込まれたゴム等の柔軟性を有する部材で形成されたブッシュである。
【0035】
上記に構成した口金部12、支柱部13および固定部14は、それぞれの固着部12a、14bに支柱部13の両端部を挿入してカシメや溶接あるいは接着等の手段で一体に固着する。これにより、口金部12、支柱部13および固定部14が、固定部の固定棒14cの直径が若干小径であるが、全体として略同径をなし略直線をなす線状(図2)のアーム15が構成される(フレキシブルチューブを曲げた場合には略円弧を描いた線状(図1))。
【0036】
それぞれの固着部12a、14bおよび支柱部13は、柔軟性を有する不透明なゴム製のチューブ15aによって被覆され、フレキシブルチューブからなる支柱部の屈曲段部を覆い外観性を向上させている。
【0037】
ブラケット16は、図3に示すように、真鍮製で、ボックス状をなす形状に構成され、上面には鉛直方向の縦穴からなる支持穴16aを形成し、この支持穴にアーム15の固定棒14cを差し込み、アームを360°自由に回動ができるように支持する。これにより、口金部12、支柱部13、固定部14、固定部の固定棒14cおよびブラケット16の支持穴16aが略直線をなす線状に配置される。
【0038】
また、ブラケット16の背面、図3(a)中、右側面部には、壁面A等の被設置部にブラケット16を設置するための平坦な面からなる設置面16bを形成する。設置面には木ネジ等で支持するための複数個の取付孔16cが形成されている。図中16dは、正面、図3(a)中、左側面部に設けられたストッパー用のネジで、ネジ孔から上述したアーム15の固定棒14cに形成された凹部14eに対してねじ込み、係合させて固定棒14cの上方への抜け止めを行う。なお、ネジ16dを外すことにより凹部14eとの係合が解除され固定棒14c、すなわち、アーム15を引き抜くことができる。
【0039】
なお、制御部11bの出力端子がリード線により光源であるLED11aに接続され、制御部の入力端子には商用電源に接続される電線Cが接続される。電線Cは制御部の入力端子から灯具11の雌ネジ部11d、口金部12の雄ネジ部12bの中空部、支柱部13の中空部を介して固定部14の中空部14aに導出され、固定部14の側面に形成された挿通孔14dから外部に引き出される(図2)。電線Cの先端には商用電源のコンセントに接続するためのプラグPが接続される(図4)。
【0040】
なお、制御部11bの入力端子と電線Cとの間にはプッシュ式のスイッチSWが設けられ、灯具11の上面からボタンを押すことにより点灯および消灯ができるように構成する。
【0041】
次に、上記に構成されたベッド灯としての照明器具の作用につき説明する。まず、ブラケット16を被設置部であるベッド頭部に近い壁面Aに取り付ける。すなわち、ブラケット16の縦穴からなる支持穴16aを上側にして、平坦な設置面16bを壁面Aに押し当て、木ネジを複数個の取付孔16cに挿入して壁面Aにねじ込み固定する(図1)。
【0042】
この際、アーム15は、全体として略同径をなし略直線をなす線状に構成され、特に固定部14には、従来の特許文献1に示されるような関節部が支柱から側方に突出していない。また従来例の図6(a)(b)に示されるような電源部2やフレキシブルチューブ1の下端部側方に形成した固定棒3´がない。このため、アーム15の回動動作を妨げるものがなく、ベッド周辺の機材や物に当たりアームの回動が困難になることがなく、これにより、機材や物の存在に応じて設置場所を変更することなく、設置場所を自由に選択することができる。
【0043】
次に、灯具11が取り付けられたアーム15の固定棒14cをブラケット16の縦穴からなる支持穴16aに差し込む。さらに、正面からストッパー用のネジ16dをねじ込んで、固定棒14cの凹部14eに係合させ固定棒14cの上方への抜け止めを行う。
【0044】
この際、アーム15は、全体として略同径をなし略直線をなす線状に構成され、特に固定部14には、従来の特許文献1、また従来例の図6(a)(b)に示されるようなアームの回動動作を妨げるものがなく、アーム15は固定棒14cを中心にして360°自由に回動ができるように支持される。
【0045】
上記に設置された状態で電線CのプラグPをコンセントに差し込み電線を介して制御部11bに商用電源を供給する。この際、アーム15は、全体として略同径をなし略直線をなす線状に構成され、固定部14と壁面Aとの間には十分な幅の間隔aが形成される。このため、アーム15の固定部14の側面から引き出された電線Cが、アームを回動したときに電線が壁面との隙間に挟まれて引っ掛かることがなく回動を妨げることがない。
【0046】
次に、灯具11のスイッチSWをONすることにより光源であるLED11aが点灯する。この状態でアーム15を握りフレキシブルチューブからなるアーム15の支柱部13を上下に自在に曲げて、上下方向の照明の位置を調整する。さらに、固定棒14cを中心にして左右に回動させ左右方向の照明位置を調整する。これにより、使用者は所望する照明の位置を自在に調整し決めることができる。使用が終わり消灯するときはスイッチSWを押し電源をOFFする。
【0047】
なお、照明器具の修理、点検等の際には、ネジ16dを外すことにより凹部14eとの係合を解除し、ブラケット16の支持穴16aから固定棒14cを引き抜けば、灯具11およびアーム15を取り外すことができる(図4の状態)。
【0048】
また、ブラケット16を各ベッドに対応して設置しておけば、取り外した灯具11およびアーム15を、所望のベッドに移動したり、ベッド毎の灯具およびアームを交換することもできる。
【0049】
本実施形態において、ブラケット16を被設置部であるベッド頭部に近い壁面A等に直接取り付けるもので構成したが、図5に示すように、コ字形をなすブラケット20で構成し、被設置部である机等の卓板Bにコ字部分を挟み込み蝶ネジ20aで着脱ができるように取り付けるものであってもよい。
【0050】
アーム15の固定部14は、固定棒14cをブラケット16の縦穴からなる支持穴16aに差し込んで回動できるように構成したが、ブラケットに球形をなす穴を形成し、アームの固定部に球形のボールを一体に形成し、この球形のボールをブラケットの球形の穴に嵌合して、所謂ボールジョイントを構成してもよい。
【0051】
灯具11の光源であるLED11aを白色LEDで構成したが、使用態様に応じ、赤色、緑色、青色等で発光するLEDで構成してもよい。若しくはこれらを混合するなど、複数個で構成してもよい。
【0052】
本実施例の照明器具は、病院や医療福祉施設等のベッド灯として構成したが、一般家庭、オフィス、ホテル等の施設、業務用のベッド灯または電気スタンドなどの照明器具として構成してもよい。
【0053】
以上、本実施形態によれば、光源11aを制御する制御部11bを灯具11に設けることにより、アーム15は、全体として略同径をなし略直線をなす線状に構成され、固定部14には、従来の特許文献1、また従来例の図6(a)(b)に示されるようなアームの回動動作を妨げるものがない。
【0054】
このため、アーム15は固定棒14cを中心にして360°自由に回動ができるように支持される。また、ベッド周辺の機材や物に当たり回動が困難になることがなく設置場所を自由に選択することができる。さらに、固定部14と壁面Aとの間には十分な幅の間隔aが形成され、固定部14の側面から引き出された電線Cが、アーム15の回動時に引っ掛かることがなく回動を妨げることがない。
【0055】
また、アーム15の固定棒14cは、全体として略同径をなし略直線をなす線状になるように固定部14に一体に連続して形成したので、従来の図6(b)に示されるように、フレキシブルチューブ1の下端部側方に別個の固定棒3´を形成することなく、部品点数が削減され、構造も簡素化されてコスト的にも有利な照明器具を提供することができる。さらに、別個の固定棒3´を設ける必要がないため、固定棒3´とブラケット4先端部との間隔寸法bによる制約を受けることがない。これにより、従来問題となっていた汎用性の低下を解消することができる。
【0056】
また、アーム15の固定棒14cは、ブラケット16の縦穴からなる支持穴16aの穴径で保持される単純な構成のため、例えば、壁面用や机用など多様なブラケットに対応することが可能となり、さらに汎用性に富んだ照明器具を提供することができる。
【0057】
アーム15の支柱部13をフレキシブルチューブで構成したので、アームを全体として略同径をなし略直線をなす線状に容易に構成することができ、構造も簡易化され、さらに照明の方向を自由に変えることができる。
【0058】
固定部14の側面に中空部に連通し電線Cを挿通するための挿通孔14dを形成したので、電線Cをアーム15内に収納することができ、電線が側方に突出する量が少なくなって、アームの回動を妨げることが防止され、同時に電線をアーム内に収納することができるので、安全でかつ外観、意匠的に優れた照明器具を提供することができる。また、従来の図6(b)のように、引き出された電線6がブラケット4の側方に突出していないので、回動を妨げる恐れがない。
【0059】
灯具11の光源として比較的の指向性の強いLED11aを使用し、レンズ体および反射体により、スポット配光がなされるように構成したので、設置したベッドの人のみが必要な範囲で照明することができ、隣のベッドの人には光が届かず、就寝中の隣の患者などが眩しく感じることはない。同時に小型、軽量で、白熱電球のように発熱量が多くなく不快にならず、さらに省エネ形の照明器具を提供することができる。
【0060】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は上述の実施例に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の設計変更を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施形態に係る照明器具を示し、(a)は一部を切り欠いて示す側面図、(b)は灯具の光源を(a)の矢印方向から見た正面図。
【図2】同じく照明器具のアームを、一部を省略し一部を切り欠いて示す側面図。
【図3】同じく照明器具のブラケットにアームの固定部を差し込んだ状態を示し、(a)は一部を切り欠いて示す側面図、(b)は正面図。
【図4】同じく照明器具を示す斜視図。
【図5】同じく照明器具の変形例を、一部を切り欠いて示す側面図。
【図6】従来の照明器具を示し、(a)は第一の従来例を、一部を切り欠いて示す側面図、(b)は第二の従来例を、一部を切り欠いて示す側面図。
【符号の説明】
【0062】
10 照明器具
11 灯具
11a 光源
11b 制御部
12 口金部
13 支柱部
14 固定部
14a 中空部
14d 挿通孔
15 アーム
A 被設置部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源および光源を制御する制御部を設けた灯具と;
灯具を支持する口金部、口金部に一端部が接続され屈曲可能な支柱部、支柱部の他端部に接続され、被設置部に対し回動可能に支持される固定部を有し、口金部、支柱部および固定部が略線状をなすように形成されたアームと;
を具備することを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記アームの支柱部は、フレキシブルチューブで構成したことを特徴とする請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
前記アームの口金部、支柱部および固定部は、電線を挿通する中空部を有して構成され、固定部の側面に中空部に連通し電線を挿通するための挿通孔を形成したことを特徴とする請求項1または2記載の照明器具。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−146638(P2009−146638A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−320551(P2007−320551)
【出願日】平成19年12月12日(2007.12.12)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】