説明

照明器具

【課題】照明器具の配光パターンを変更する際に、容易かつ安価で廃材の発生の少ない照明器具を提供することにある。
【解決手段】ランプ5が装着されるソケット4を一面に具備した灯具本体3と、灯具本体3の一面とランプ5の間に配置されて、灯具本体3に取り付けられる反射笠6とを備え、反射笠6は一面が凹面、他面が凸面または平面に形成され、反射笠6の一面と他面とのいずれを灯具本体3の一面に対向させた場合でも灯具本体3に取り付け可能となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、照明器具として図10に示すような、長尺状に形成されてレースウェイ等に取り付けられる灯具本体21と、灯具本体21に取り付けられるソケット22と、ソケット22に支持されるランプ23と、灯具本体21とランプ23との間に配設される反射笠24とを備えたものが提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
まず、灯具本体21は、下面を開放した長尺の中空箱型に形成されて長尺方向の両端の下面側には、それぞれソケット22が設けられ、灯具本体21の上面には、所定の間隔を空けてそれぞれ挿通孔21aが設けられている。挿通孔21aには、灯具本体21をレースウェイ等に固定するための取り付け金具(図示せず)のねじ部25が上面側より挿通し、挿通孔21aを挿通したねじ部25がワッシャ26を介してナット27に螺合されることで灯具本体21はレースウェイ等に固定される。また、灯具本体21の下面側には、所定の間隔を空けて楕円形状の回転自在な固定具21bが2箇所に配設されている。さらに、灯具本体21内部には、ランプ23を点灯させる点灯回路28が収納されている。
【0004】
ソケット22は、樹脂等の非導電性材料から形成され、一対の端子穴22aを有する。
【0005】
ランプ23は、所謂直管型のランプで、両端の口金23aには、一対の端子23bが各々設けられ、各端子23bがソケット22に設けられた端子穴22aに各々挿入されることでランプ23はソケット22に支持される。
【0006】
反射笠24は、下方に湾曲したお椀型の長尺状に形成され、上面が灯具本体21の下面に対向して配設される。また、反射笠24には、所定の間隔を空けて固定具21bが挿通する楕円形状の挿通孔24aが2箇所設けられており、固定具21bが挿通孔24aを挿通した後に90度回転することによって反射笠24は灯具本体21に固定される。そして、反射笠24は、その下面側に配設されるランプ23の光を反射する。
【特許文献1】特開平4−144004号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来例における照明器具では、工場等のように頻繁にレイアウトが変更されるような場所において、配光パターンの変更を行う際に、既存の照明器具を取り外して配光パターンの異なる新たな照明器具に変更する必要があり、配光パターンの変更にかかる費用が高価となり、さらには廃材が多く発生して不向きなものであった。
【0008】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、配光パターンを容易且つ安価に変更でき、配光パターンの変更後に発生する廃材の少ない照明器具を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、ランプが装着されるソケットを一面に具備した灯具本体と、灯具本体の一面とランプの間に配置されて、灯具本体に取り付けられる反射笠とを備え、反射笠は、一面が凹面、他面が凸面または平面に形成され、反射笠の一面と他面とのいずれを灯具本体の一面に対向させた場合でも、灯具本体に取り付けられることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、反射笠の取り付け方向を変更するだけで、拡散配光と下面配光とのいずれかの配光パターンに切り替えることができるため、配光パターンを容易且つ安価に変更でき、配光パターンの変更後に発生する廃材の少ない照明器具を提供することができる。。
【0011】
請求項2の発明は、前記灯具本体は、1つの直管型ランプが1組のソケットに装着される1灯用の灯具本体と、2つの直管型ランプが2組のソケットに各々装着される2灯用の灯具本体とのいずれか一方であり、前記反射笠に対する1灯用の灯具本体のソケットの配置と、反射笠に対する2灯用の灯具本体のソケットの配置とは互いに異なり、反射笠は、1灯用の灯具本体に設けられたソケットが挿通するためのノックアウト部と、2灯用の灯具本体に設けられたソケットが挿通するための切り欠き部または孔部とが設けられることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、当該反射笠を2灯用の灯具本体に取り付ける際には、反射笠には特に加工を施す必要がなくそのまま取り付けることができる。また、2灯用の灯具本体を1灯用の灯具本体に変更する際には、反射笠に設けられたノックアウト部をニッパまたは、手で取り除くことで取り付けが可能となる。以上のことから、2灯用の灯具本体に反射笠を取り付けた際に、反射笠に不必要な切り欠き等がないため見栄えが良く、1灯用の灯具本体に変更する際には、反射笠のノックアウト部を取り除くことで簡単に付け替えが行える。
【0013】
請求項3の発明は、前記灯具本体は、1つの直管型ランプが1組のソケットに装着される1灯用の灯具本体と、2つの直管型ランプが2組のソケットに各々装着される2灯用の灯具本体とのいずれか一方であり、前記反射笠に対する1灯用の灯具本体のソケットの配置と、反射笠に対する2灯用の灯具本体のソケットの配置とは互いに異なり、反射笠は、2灯用の灯具本体に設けられたソケットが挿通するためのノックアウト部と、1灯用の灯具本体に設けられたソケットが挿通するための切り欠き部または孔部とが設けられることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、当該反射笠を1灯用の灯具本体に取り付ける際には、反射笠には特に加工を施すことがなくそのまま取り付けることができる。また、1灯用の灯具本体を2灯用の灯具本体に変更する際には、反射笠に設けられたノックアウト部をニッパまたは、手で取り除くことで取り付けが可能となる。以上のことから、1灯用の灯具本体に反射笠を取り付けた際に、反射笠に不必要な切り欠き等がないため見栄えが良く、2灯用の灯具本体に変更する際には、反射笠のノックアウト部を取り除くことで簡単に付け替えが行える。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明では、配光パターンを容易且つ安価に変更でき、配光パターンの変更後に発生する廃材の少ない照明器具を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
(実施形態1)
本発明における照明器具は図1、図2に示すように、レースウェイ1等に取り付けられる照明器具であって、取り付け金具2を介してレースウェイ1に取り付けられる灯具本体3と、灯具本体3に配設される一対のソケット4と、一対のソケット4に支持されるランプ5と、灯具本体3とランプ5との間に配設される反射笠6とを備えている。
【0018】
レースウェイ1は、断面が矩形で長尺状に形成され、下面略中央にレースウェイ1の長尺方向に沿って開口部1aが形成されている。そして、開口部1aによって2分された下面はそれぞれ、レースウェイ1の内部方向へ折曲され、取り付け金具2を係止する係止部1bを形成している。
【0019】
取り付け金具2は、矩形状の係止板2aとねじ2bとから構成され、係止板2aは、長手方向両端がレースウェイ1の係止部1aに沿って各々折曲され、係止板2aの略中央には、ねじ2bが上方より挿通する挿通孔(図示せず)が設けられている。また、取り付け金具2は、レースウェイ1の長手方向に沿ってスライド可能となっており、係止板2aがレースウェイ1に係止された状態から90°回転されることでレースウェイ1から着脱可能となっている。
【0020】
灯具本体3は、下面が開口した長尺箱型の本体ケース7と、長尺板状の給電ユニット8とから構成されている。
【0021】
本体ケース7は、所定の間隔を空けて2つの挿通孔7aと2つのねじ孔部7bとが設けられており、挿通孔7aを挿通した取り付け金具2のねじ部2bが蝶ナット15に螺合されることによって、レースウェイ1に固定される。
【0022】
給電ユニット8は、所定の間隔を空けて2つの挿通孔8aと2つのねじ孔部8bとが設けられている。そして、給電ユニット8の下面側には、ランプ5を点灯させる点灯回路9が配設されている。また、給電ユニット8の挿通孔8aが下方よりねじ10に各々挿通され、ねじ10が本体ケース7のねじ孔部7bに螺合されることによって、給電ユニット8はケース本体7の下面側に固定される。
【0023】
ソケット4は、例えば樹脂等の非導電性材料から形成されて、給電ユニット8の長手方向両端における下面側にそれぞれ配設されている。また、ソケット4には、一対の端子穴4aが設けられている。
【0024】
ランプ5は、所謂直管型のランプで、長手方向両端に口金部5aが配設され、口金部5aには一対の端子部5bが突設されている。ここで、ランプ5の各端子部5bがソケット4の端子穴4aにそれぞれ挿入されることにより、ランプ5はソケット4に支持接続される。
【0025】
反射笠6は、長尺矩形の平板部6fと、平板部6fの短手方向両端から平板部6fの一面6α側へ互いの距離を広げながら延設された一対の延設部6gとを有する富士型形状に形成され、長手方向に所定の間隔を空けて2箇所の挿通孔16が平板部6fに設けられている。反射笠6は、給電ユニット8の下面に平板部6fを対向して配設され、反射笠6に設けられた挿通孔16がねじ11に下方より挿通され、ねじ11が給電ユニット8のねじ孔部8bに螺合されることによって、反射笠6は給電ユニット8に固定される。また、平板部6fの長手方向両端には、切り欠き部6bが設けられており、切り欠き部6bには短手方向に沿って2つの突起部6aが等間隔に設けられている。そして、切り欠き部6bに設けられた2つの突起部6aの間にソケット4が挿通することで、反射笠6はソケット4と干渉することなく給電ユニット8に取り付けられる。
【0026】
ここで、本実施形態における照明器具では、給電ユニット8の下面に対して反射笠6の平板部6fは、一面6α側と他面6β側のいずれの面においても取り付け可能となっており、反射笠6の取り付け方向を上下逆にすることで配光パターンを変更することができる。
【0027】
まず、反射笠6が延設部6gを下方に向けて、他面6β側を灯具本体8の下面に当接して取り付けられた照明器具では、図2に示すように下方から反射笠6を見るとランプ5を覆う様な凹形状となっており、ランプ5から照射された光は、平板部6fまたは延設部6gで反射して下方を照射する経路、平板部6fで反射した後に延設部6gで反射して下方を照射する経路、直接下方を照射する経路のいずれかを通り、照射範囲はランプ5から延設部6gの先端を結ぶ直線の内側の範囲に限られ、ランプ5の直下を中心として、限定された範囲に光を照射する下方配光となっている。
【0028】
次に、下方配光の照明器具の配光パターンを変更する際には、反射笠は延設部6gを上方に向け、平板部6fの一面6α側を灯具本体8の下面に当接して取り付ける。そうすることによって、図3に示すように下方から反射笠6を見ると平面形状となっている。この反射笠6では、ランプ5から照射された光の内、反射笠6の短手方向へ照射された光は、前記下方配光時のように延設部6gで反射されるという制限がないため、下方配光時よりも広範囲に渡って光を照射する拡散配光となる。
【0029】
従って、本実施形態における照明器具においては、反射笠6の取り付け方向を上下逆に変更するだけで配光パターンの変更が行えるので、新規に配光パターンの異なる照明器具を用意する必要がなく、元の照明器具の部品のみを用いて配光パターンを変更することができる。
【0030】
このように本実施形態における照明器具では、灯具本体3に対する反射笠6の取り付け方向を変えるだけで、照明器具の配光パターンを変更でき、新たに配光パターンの異なる照明器具を用意する必要がない。よって、配光パターンを容易且つ安価に変更でき、配光パターンの変更後に廃材は発生しない。
【0031】
なお、本実施形態では、反射笠6における平板部6fは平面形状となっているが、延設部6gを上方に向けて反射笠6を給電ユニット8の下面に取り付けた場合に、下方から見て平板部6fが下方に突出した凸形状となるように形成され、拡散配光を行う構成でもよい。
【0032】
(実施形態2)
以下、本発明の実施形態2について図4,5,6を用いて説明する。但し、実施形態1と共通する部分については説明を省略する。本実施形態における灯具本体は、1灯用の灯具本体3と2灯用の灯具本体13のいずれか一方を選択して用いることができ、灯具本体3は実施形態1と同様の構成からなる。
【0033】
灯具本体13は、本体ケース7と、長尺板状の2灯用の給電ユニット14とから構成されており、本体ケース7は、実施形態1と同様の構成から成り、給電ユニット14は、所定の間隔を空けて2つの挿通孔14aと2つのねじ孔部14bとが設けられ、その下面側には、ランプ5を点灯させる点灯回路9が配設されている。そして、給電ユニット14の挿通孔14aが下方よりねじ10に各々挿通され、ねじ10が本体ケース7のねじ孔部7bに螺合されることによって、給電ユニット14はケース本体7の下面側に固定される。さらに、給電ユニット14の長手方向両端における下面側には、2組のソケット4が各々給電ユニット14の短手方向に所定の間隔を空けて並設されている。
【0034】
すなわち、灯具本体3は1灯用の照明器具に用いられ、灯具本体13は2灯用の照明器具に用いられる。
【0035】
また、反射笠6Aは図5に示すように、実施形態1における反射笠6の切り欠き部6bが、平板部6fの短手方向に等間隔に形成された2つの突片6cによって3つの切り欠き部6dに分割され、中央の切り欠き部6dにノックアウト部6eが設けられたものである。ノックアウト部6eは手又はニッパを用いて簡単に取り外すことができる。
【0036】
ここで、本実施形態では2灯用の照明器具から1灯用の照明器具に変更する場合についての説明を行う。
【0037】
まず、灯具本体13に反射笠6Aが取り付けられた2灯用の照明器具において反射笠6Aは、長手方向両端に設けられた2つの切り欠き部6bに2組のソケット4がそれぞれ挿通されることで、反射笠6Aとソケット4とが干渉することなく反射笠6Aが灯具本体13に取り付けられる。また、2灯用の灯具本体13に反射笠6Aが取り付けられている時には、反射笠6Aにノックアウト部6eが設けられているため不必要な切り欠きがなく、見栄えが良くなり、加えて反射笠6Aと給電ユニット14との間に埃が侵入するのを防ぐことができる。
【0038】
さらに、上記2灯用の照明器具において、反射笠6Aが図6に示すように、延設部6gを下方に向けて灯具本体13に取り付けられた際には、実施形態1と同様に下方配光となり、図7に示すように、延設部6gを上方に向けて取り付けられた際には、実施形態1と同様に拡散配光となる。
【0039】
次に、2灯用の照明器具を1灯用の照明器具に変更する際には、2灯用の給電ユニット14を取り外して1灯用の給電ユニット8に組み替え、反射笠6Aのノックアウト部6eを取り除き、ノックアウト部6eが取り除かれた箇所に出来る切り欠き部6dに1灯用の給電ユニット8に配設された1組のソケット4が各々挿通することで、反射笠6Aとソケット4とが干渉せず、反射笠6Aは給電ユニット8の下面に取り付けられる。以上の様にして2灯用の照明器具は、1灯用の照明器具に変更される。
【0040】
そして、当該1灯用の照明器具についても、2灯用の照明器具の時と同様に、反射笠6Aが延設部6gを下方に向けて灯具本体13に取り付けられた際には下方配光となり、延設部6gを上方に向けて取り付けられた際には拡散配光となる。
【0041】
以上のことから、本実施形態における照明器具でも、実施形態1で示した照明器具と同様に配光パターンを下方配光と拡散配光のいずれかに容易且つ安価に切り替えることができ、配光パターン変更後に廃材を発生しない。
【0042】
また、2灯用の照明器具を1灯用の照明器具に変更する際には、2灯用の給電ユニット14を1灯用の給電ユニット8に交換し、反射笠6Aに設けられたノックアウト部6eを取り除いた後に、反射笠6Aを給電ユニット8の下面へ組み付けることで灯数の変更をすることができ、給電ユニット以外の部品については既存の照明器具の部品が使用できるため、廃材の発生を抑えることが出来る。
【0043】
よって、2灯用から1灯用の照明器具への灯数の変更についても容易且つ安価に行うことができ、灯数変更後に廃材の発生の少ない照明器具を提供できる。
【0044】
なお、本実施形態における反射笠6Aの平板部6fの長手方向両端には、切り欠き部6dが形成されているが、切り欠き部6dを形成する代わりに孔部を設け、反射笠6Aが給電ユニット14の下面に取り付けられる際にソケット4と反射笠6Aとが干渉しないように、ソケット4が当該孔部を挿通する構成でもよい。
【0045】
(実施形態3)
以下、本発明の実施形態3について図8,9を用いて説明する。但し、実施形態1、2と共通する部分については説明を省略する。本実施形態における灯具本体は、1灯用の灯具本体3と2灯用の灯具本体13のいずれか一方を選択して用いることができ、灯具本体3は実施形態1と、灯具本体13は実施形態2と同様の構成からなる。
【0046】
すなわち、灯具本体3は1灯用の照明器具に用いられ、灯具本体13は2灯用の照明器具に用いられる。
【0047】
また、反射笠6Bは図9に示すように、実施形態1における反射笠6の切り欠き部6bが、平板部6fの短手方向に等間隔に形成された2つの突片6cによって3つの切り欠き部6dに分割され、3つの切り欠き部6dの内の両端の2つの切り欠き部6dにノックアウト部6eが各々設けられたものである。ノックアウト部6eは手又はニッパを用いて簡単に取り外すことができる。
【0048】
ここで、本実施形態では1灯用の照明器具から2灯用の照明器具に変更する場合についての説明を行う。
【0049】
まず、灯具本体3に反射笠6Bが取り付けられた1灯用の照明器具において反射笠6Bは、長手方向両端に設けられた切り欠き部6dに1組のソケット4がそれぞれ挿通されることで、反射笠6Bとソケット4とが干渉することなく反射笠6Bが灯具本体3に取り付けられる。また、1灯用の灯具本体3に反射笠6Bが取り付けられている時には、反射笠6Bにノックアウト部6eが設けられているため不必要な切り欠きがなく、見栄えが良くなり、加えて反射笠6Bと給電ユニット8との間に埃が進入するのを防ぐことができる。
【0050】
さらに、上記1灯用の照明器具において、反射笠6Bが延設部6gを下方に向けて灯具本体3に取り付けられた際には、実施形態1と同様に下方配光となり、延設部6gを上方に向けて取り付けられた際には、実施形態1と同様に拡散配光となる。
【0051】
次に、1灯用の照明器具を2灯用の照明器具に変更する際には、1灯用の給電ユニット8を取り外して2灯用の給電ユニット14に組み替え、反射笠6Bのノックアウト部6eを取り除き、ノックアウト部6eが取り除かれた箇所に出来る切り欠き部6dに灯具本体13の2組のソケット4が各々挿通することで、反射笠6Bとソケット4とが干渉せず、反射笠6Bは給電ユニット14の下面に取り付けられる。以上の様にして1灯用の照明器具は、2灯用の照明器具に変更される。
【0052】
そして、当該2灯用の照明器具についても、1灯用の照明器具の時と同様に、反射笠6Bが延設部6gを下方に向けて灯具本体3に取り付けられた際には下方配光となり、延設部6gを上方に向けて取り付けられた際には拡散配光となる。
【0053】
以上のことから、本実施形態における照明器具でも、実施形態1で示した照明器具と同様に配光パターンを下方配光と拡散配光のいずれかに容易且つ安価に切り替えることができ、配光パターン変更後に廃材を発生しない。
【0054】
また、1灯用の照明器具を2灯用の照明器具に変更する際には、1灯用の給電ユニット8を2灯用の給電ユニット14に交換し、反射笠6Bに設けられたノックアウト部6eを取り除いた後に、反射笠6Bを給電ユニット14の下面へ組み付けることで灯数の変更をすることができ、給電ユニット以外の部品については既存の照明器具の部品が使用できるため、廃材の発生を抑えることが出来る。
【0055】
よって、1灯用から2灯用の照明器具への灯数の変更についても容易且つ安価に行うことができ、灯数変更後に廃材の発生の少ない照明器具を提供できる。
【0056】
なお、本実施形態における反射笠6Bの平板部6fの長手方向両端には、切り欠き部6dが形成されているが、切り欠き部6dを形成する代わりに孔部を設け、反射笠6Bが給電ユニット8の下面に取り付けられる際にソケット4と反射笠6Bとが干渉しないように、ソケット4が当該孔部を挿通する構成でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施形態1の照明器具の分解斜視図を示す。
【図2】同上における照明器具の側面断面図を示す。
【図3】同上における照明器具の配光パターン変更後の側面断面図を示す。
【図4】本発明の実施形態2の照明器具の分解斜視図を示す。
【図5】同上における反射笠の要部を示す。
【図6】同上における照明器具の側面断面図を示す。
【図7】同上における照明器具の配光パターン変更後の側面断面図を示す。
【図8】本発明の実施形態3の照明器具における斜視図を示す。
【図9】同上における反射笠の要部を示す。
【図10】従来例における照明器具の分解斜視図を示す。
【符号の説明】
【0058】
3 灯具本体
4 ソケット
5 ランプ
6 反射笠
7 本体ケース
8 給電ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランプが装着されるソケットを一面に具備した灯具本体と、
灯具本体の一面とランプの間に配置されて、灯具本体に取り付けられる反射笠とを備え、
反射笠は、一面が凹面、他面が凸面または平面に形成され、反射笠の一面と他面とのいずれを灯具本体の一面に対向させた場合でも、灯具本体に取り付けられることを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記灯具本体は、1つの直管型ランプが1組のソケットに装着される1灯用の灯具本体と、2つの直管型ランプが2組のソケットに各々装着される2灯用の灯具本体とのいずれか一方であり、前記反射笠に対する1灯用の灯具本体のソケットの配置と、反射笠に対する2灯用の灯具本体のソケットの配置とは互いに異なり、
反射笠は、1灯用の灯具本体に設けられたソケットが挿通するためのノックアウト部と、2灯用の灯具本体に設けられたソケットが挿通するための切り欠き部または孔部とが設けられることを特徴とする請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
前記灯具本体は、1つの直管型ランプが1組のソケットに装着される1灯用の灯具本体と、2つの直管型ランプが2組のソケットに各々装着される2灯用の灯具本体とのいずれか一方であり、前記反射笠に対する1灯用の灯具本体のソケットの配置と、反射笠に対する2灯用の灯具本体のソケットの配置とは互いに異なり、
反射笠は、2灯用の灯具本体に設けられたソケットが挿通するためのノックアウト部と、1灯用の灯具本体に設けられたソケットが挿通するための切り欠き部または孔部とが設けられることを特徴とする請求項1記載の照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−238543(P2009−238543A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−82136(P2008−82136)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】