説明

照明器具

【課題】ガーデンライトにも、またブラケットタイプとしても使用可能とする。
【解決手段】光源であるランプ装置1と;ランプ装置1に結合して電力を供給するためのソケット2と;一方の面にソケット2が取り付けられ、他方の面に、端子台7を取り付けるための取付手段を備えると共に、ポール10に取り付けるための取付金具9と結合する結合手段と、造営材に直付する場合に防水パッキン6を保持する保持手段及び防水パッキン6を介して造営材に取り付けられる取付手段を具備する本体3と;ソケット2に取り付けられたランプ装置1を覆った状態で本体に取り付けられる透光性カバー4とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、庭園などの地中に埋設されたポールに設けることによってガーデンライトとして使用することができ、また、所謂ブラケットタイプとして室内における壁面などの造営材に直付することができる照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のガーデンライトは、照明器具と金属性のポールと照明器具に装着される透光性のグローブとから構成され、照明器具を構成する本体によってポールに取り付けられる構成となっている(特許文献1参照)。
【0003】
上記照明器具は単独で使用することも考えられているが、実際にはガーデンライトに使用する構成となっており、ブラケットタイプとして使用するための十分な構成を備えるものでなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−99330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記のような照明器具の現状に鑑みてなされたもので、その目的は、ガーデンライトにも、またブラケットタイプとしても使用することのできる照明器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る照明器具は、光源と;光源に結合して電力を供給するためのソケットと;一方の面にソケットが取り付けられ、他方の面に、端子台を取り付けるための取付手段を備えると共に、ポールに取り付けるための取付金具と結合する結合手段と、造営材に直付する場合に防水パッキンを保持する保持手段及び防水パッキンを介して造営材に取り付けられる取付手段を具備する本体と;ソケットに取り付けられた光源を覆った状態で本体に取り付けられる透光性カバーとを具備することを特徴とする。
【0007】
光源としては、蛍光灯やLEDによる各種のランプを採用することもでき、また、基板上にLEDなどを実装した光源ユニットを採用することもできる。更に、ランプ内に点灯回路を備えるものであっても良い。透光性カバーは、透光性であれば透明であっても乳白色等の半透明でも良い。
【0008】
ポールは、庭園等に基端部が埋設された金属性や樹脂性の円筒管であれば特に限定されない。造営材は、建造物の壁などブラケットタイプの照明器具が取り付けられる部材を指す。
【0009】
本発明に係る照明器具は、ソケットから端子台へ到る電力ラインを、本体における端子台取付面の中央部を回避して配線したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、本体が、端子台を取り付けるための取付手段を備えると共に、ポールに取り付けるための取付金具と結合する結合手段と、造営材に直付する場合に防水パッキンを保持する保持手段及び防水パッキンを介して造営材に取り付けられる取付手段を具備することにより、ポールに取り付けてガーデンライトとして使用することも、また、造営材に直付することにより、ブラケットタイプとして使用することもでき、一つの照明器具を二通りに使用することができる。このため、目的の異なる照明器具の部品を共通化することができ、コスト低減を図ることが可能である。
【0011】
本発明によれば、本体における端子台取付面の中央部を回避して配線したので、光源からの熱が最も集中する部位を回避した配線がなされ、電力ラインを保護することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る照明器具の実施形態に係る照明器具をブラケットタイプとして構成した場合の断面図。
【図2】本発明に係る照明器具の実施形態に係る照明器具をブラケットタイプとして構成した場合の側面図。
【図3】本発明に係る照明器具の実施形態に係る照明器具をガーデンライトとして構成した場合の断面図。
【図4】本発明に係る照明器具の実施形態に係る照明器具をガーデンライトとして構成した場合の側面図。
【図5】本発明に係る照明器具の実施形態に係る照明器具のランプ装置とソケットとの組立斜視図。
【図6】本発明に係る照明器具の実施形態に係る照明器具のソケットが取り付けられた本体の平面図。
【図7】本発明に係る照明器具の実施形態に係る照明器具をブラケットタイプとして構成した場合の本体の底面図。
【図8】本発明に係る照明器具の実施形態に係る照明器具をガーデンライトとして構成するための取付金具の斜視図。
【図9】本発明に係る照明器具の実施形態に係る照明器具をガーデンライトとして構成した場合の本体の底面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本発明に係る照明器具の実施形態を説明する。各図において、同一の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を省略する。図1は、実施形態に係る照明器具をブラケットタイプとして構成した場合の断面図であり、図2は、その側面図である。また、図3は、実施形態に係る照明器具をガーデンライトとして構成した場合の断面図であり、図4は、その側面図である。図5は、ランプ装置1とソケット2との組立斜視図である。図6は、実施形態に係る照明器具のソケット2が取り付けられた本体3の平面図である。
【0014】
照明装置は、光源であるランプ装置1、ソケット2、本体3、透光性カバー4、ガード5を備える。ランプ装置1は、偏平な円盤形状を有している基部11内にLEDや蛍光灯と共に点灯回路が収納固定されたものである。基部11には、一体にGX53形式の口金部が設けられている。基部11には図5に示されるように、ホルダ13と口金体14と口金ピン15とが備えられている。口金ピン15は、円柱状の軸部の先端に軸部より太径の頭部15aを備えた構成となっている。基部11から光が出射される面は、透光性のグローブ16により覆われている。基部11の周縁部における下方から半分程度の高さの部分には、放熱フィン17が形成されている。
【0015】
ソケット2は、本体3にネジなどにより固定されている円環状のケース体21を備える。ケース体21内には給電ラインに接続された一対の接続金具が収容されている。ケース体21の平面部には、各接続金具に沿ってソケット部を構成する給電孔22が形成されている。各給電孔22はケース体21の中心に対して回転対称に位置しており、円弧状の溝部の一端に円形の丸孔部22aが形成されている。
【0016】
ケース体21の中央部分は、円形の貫通孔により構成される収容部23となっている。この収容部23を囲繞するケース体21における壁面の対称位置には、一対の係合保持部24が形成されている。
【0017】
各給電孔22に近接するケース体21の円形外周面は、一対の縦長に矩形状の切欠部25が形成されており、この切欠部25から概ね90度回転した位置には、一対の縦長に半円柱形状の凹部26が形成されている。
【0018】
本体3は、有底円筒形状を有し、底板31の中央にソケット2が固定されている。ケース体21の凹部26に対応する底板31の位置には、底板31の裏面側へ円筒形に突出しているネジ収容部32が形成されている。ネジ収容部32の底面には、ネジを貫通させる穴32aが形成されている。ネジ収容部32は、内側にネジを入れて穴32aを貫通させて造営材である壁などにネジを螺合して、本体3を取り付け固定する取付手段として機能するものである。
【0019】
本体3の最内壁33は上記ネジ収容部32の方向へ延びており、その最下端部33aは例えば樹脂製の防水パッキン6を保持する保持手段として機能する。本体3の最内壁33における最下端部33aに防水パッキン6が保持された状態において、ネジ収容部32の先端平面に防水パッキン6が当接することになる。造営材である壁などに本体3を取り付ける場合には、ネジが防水パッキン6を介して壁などに螺合される。
【0020】
図7に示す通り、ブラケットタイプとして使用するために、底板31の裏面側には端子台7を取付けるための取付手段であるネジが底板31の表面側から突出するように穴35が形成されている。端子台7は方形状であり、一端部から電力ライン36が延びて底板31の外周部に設けられた気密孔37を介してケース体21の接続金具へ接続される。図7のように、電力ライン36は底板31の裏面における中央部を回避して配線されており、ランプ装置1により発生された熱が集中する中央部に配線されず、防水パッキン6により蓋がされた状態においてもランプ装置1による熱的な影響を受けることがないように配置されている。
【0021】
本体3における底板31の中央部には、気密孔体30が装着されており、ブラケットタイプとして使用するときには、使用されない。ガーデンライトとして使用するときには、口出線としての電力ライン36が気密孔体30を介して引き出される。図3に示すように、気密孔体30に隣接するようにボス38が突出して形成されている。ボス38の軸に沿ってネジ穴が形成されており、ワイヤクランプ39がネジ止めされている。このワイヤクランプによって電力ライン36が吊られて固定されている。
【0022】
図8には、ガーデンライトとして使用される場合に、本体3をポール10に取り付ける取付金具9が示されている。取付金具9は、中央部が円形に切欠された開口穴92を有する円板状の蓋部91を備える。蓋部91における外周部の4か所には、略直角に折り曲げられた脚部93が設けられている。
【0023】
蓋部91の4か所には、ネジが貫通される穴94が穿設されており、また、各脚部93にもネジが螺合されるネジ孔95が形成されている。一方、本体3における底板31の裏面側には、上記穴94に対応する位置にボス51が突設されており、このボス51の軸に沿ってネジ穴が形成されている。本体3と取付金具9の結合は、このボス51のネジ穴を結合手段としてネジを螺合することによって行われる。このとき、本体3における底板31の裏面側に突出しているネジ収容部32の先端平面と取付金具9の間にはパッキン52が介装され、本体3の内側は封止される。
【0024】
本体3の最内壁33の最上端部には、端面を一周するように溝53が形成されている。溝53には、有蓋円筒形状を有している透光性カバー4の開口端面41が挿入される。透光性カバー4には、金属性あるいは樹脂製のガード5が被せられ、ガード5の側部に形成された穴55を介してネジによりガード5と本体3が結合固定される。
【0025】
ガード5は、穴55が形成された筒状の基部56と中央部が開口されたリング状の円環枠部57との間を、対向位置に設けられた二条の細い側柱58により一体に連結した構成を有する。円環枠部57の開口部及び基部56より上側で側柱58が存在しない部分からは透光性カバー4が露出しており、ランプ装置1から出射された光が放出される。
【0026】
本体3は、最内壁33の上端部から折り返された最外壁34を有しており、この最外壁34の下部34b側が段部34aを介して外側に大径とされて、ガード5の下側において露出している。
【0027】
以上の通りに構成された照明器具において、ブラケットタイプとして使用する場合には、図7に示す通り、本体3における底板31の裏面側には端子台7をネジにより取付ける。電力ライン36の配線は前述した通りである。ソケット2が取り付けられた状態の本体3に対して、その最内壁33における最下端部33aに防水パッキン6を保持させる。端子台7に対して、商用交流電源に接続された電源線を接続する。
【0028】
この状態において、本体3を造営材である壁等の所望位置に位置付け、ソケット2側からネジ収容部32の内側にネジ61を入れて穴32aを貫通させ、ネジ61を螺合することにより本体3を壁等に固定する。次に、ランプ装置1を持ち、口金ピン15の頭部15aをソケット2の丸孔部22aに挿入して口金ピン15が給電孔22の他端側に移動するようにランプ装置1を回転させて、ランプ装置1をソケット2に固定する。
【0029】
次に、本体3の溝53に、透光性カバー4の開口端面41を挿入して、ガード5を被せてガード5の側部に形成された穴55を介してネジ62を挿入し、ネジ62を螺合することによりガード5と本体3を結合固定する。
【0030】
また、上記の照明器具をガーデンライトとして使用する場合には、図9に示す通り、本体3における底板31の裏面側には端子台7を取付けることはない。本体3における二つのネジ収容部32の先端平面にそれぞれパッキン52を載置した状態で、取付金具9を本体3の裏面側に位置付け、取付金具9の穴94を、本体3におけるボス51のネジ穴に位置付け、ネジ63を穴94からボス51のネジ穴に螺合して固定する。
【0031】
口出線としての電力ライン36を、ポール10内の商用交流電源に接続された電源線と接続する。次に、本体3が固定された取付金具9における各脚部93をポール10内に挿入し、各脚部93のネジ孔95をポール10の穴10aに位置付けて、ネジ64をポール10の穴10aに挿入して取付金具9のネジ孔95に螺合させてポール10と取付金具9を結合固定する。これより先にあるいは後に、ランプ装置1、透光性カバー4及びガード5の取り付けをブラケットタイプの場合と同様に行い、ガーデンライトを完成する。
【0032】
以上の通り、本実施形態に係る照明器具は、ブラケットタイプとして使用するときにもガーデンライトとして使用するときにも、ランプ装置1、ソケット2、本体3、透光性カバー4及びガード5により構成される基本的構成は共通であり、コスト低減を図ることができる。
【符号の説明】
【0033】
1 ランプ装置
2 ソケット
3 本体
4 透光性カバー
5 ガード
6 防水パッキン
7 端子台
9 取付金具
10 ポール
13 ホルダ
14 口金体
15 口金ピン
16 グローブ
21 ケース体
23 収容部
30 気密孔体
36 電力ライン
38、51 ボス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と;
光源に結合して電力を供給するためのソケットと;
一方の面にソケットが取り付けられ、他方の面に、端子台を取り付けるための取付手段を備えると共に、ポールに取り付けるための取付金具と結合する結合手段と、造営材に直付する場合に防水パッキンを保持する保持手段及び防水パッキンを介して造営材に取り付ける取付手段を具備する本体と;
ソケットに取り付けられた光源を覆った状態で本体に取り付けられる透光性カバーと
を具備することを特徴とする照明器具。
【請求項2】
ソケットから端子台へ到る電力ラインを、本体における端子台取付面の中央部を回避して配線したことを特徴とする請求項1に記載の照明器具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−165499(P2011−165499A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−27444(P2010−27444)
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】