説明

照明器具

【課題】 隣接する照明器具を取り外すことなく、単独で取り外しが可能な照明器具を提供する。
【解決手段】 複数本を長手方向に連続して被設置面Wに設置し、送り線L2で相互に電気的に接続する照明器具であって、筐体12と、筐体12の内部に配置される光源部13と、筐体12の両端部に設けられ、隣接する照明器具から独立して筐体12を被設置面Wに固定するための固定部17と、筐体12の長手方向の両端に形成される端面から、被設置面Wに対向する底面にかけて形成され、送り線L2を挿通させる通線部18と、を備えた照明器具とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数本を長手方向に連続して設置する照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば屋内の壁面や床面等に沿って複数本を長手方向に連続して設置し、壁面や床面の間接照明を行う照明器具が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このような照明器具の光源としてLEDが用いられているものも知られており、点光源であるLED素子が照明器具の筐体内部に所定のピッチで複数配置されている。
【0003】
この種の照明器具は、例えば壁面や床面に沿った被設置面上において長手方向に複数本連結され、ネジ等で固定される。複数本連結される照明器具のうち、一方の端に設置される照明器具には、電源線に接続されて電力が供給される。その他の照明器具には、隣接する照明器具同士が送り線で電気的に接続されることで電力が供給される。
【0004】
従来の照明器具を複数本連結して被設置面に設置する施工の一例について、図を用いて説明する。図10は、従来の照明器具の平面図である。図10Aに示すように、端にある第1の照明器具111aには電源線L1が接続される。一端側はネジ119で被設置面に固定される。他端側には、第1の照明器具111aと第2の照明器具111bを連結するための連結金具J1が差し込まれる。連結金具J1をネジ119で被設置面に固定することで第1の照明器具111aの他端側が固定される。
【0005】
第2の照明器具111bは、第1の照明器具111aと送り線(図示せず)で接続され、第1の照明器具111aに差し込まれた連結金具J1に一端側が差し込まれる。連結金具J1で第1の照明器具111aと第2の照明器具111bが連結されることにより、第2の照明器具111bの一端側が固定される。第2の照明器具111bの他端側には、第2の照明器具111bと第3の照明器具111cを連結するための連結金具J2が差し込まれる。連結金具J2をネジ119で被設置面に固定することで第2の照明器具111bの他端側が固定される。
【0006】
第3の照明器具111c以降は、第2の照明器具111bと同様に施工していき、第1の照明器具111aの反対側の端に位置する第n番目の照明器具111nは、端部に連結金具を差し込まずに、ネジ119で端部を被設置面に固定する。
【0007】
このように、連結金具Jを用いて隣接する照明器具同士を連結していくことにより、ネジ119の使用本数を減らすことができ、少ない手数で複数の照明器具の施工を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008―300242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来の照明器具は、設置時の施工性は比較的良好であるが、故障した照明器具を交換する場合等、メンテナンス時の施工性が低いという問題がある。
【0010】
例えば、図10において、第3の照明器具111cに不具合が生じ、取り外して交換する場合を考える。第3の照明器具111cを取り外す場合、第3の照明器具111cは連結金具J2によって隣接する第2の照明器具111bと第4の照明器具(図示せず)と連結されているため、第2の照明器具111bと第4の照明器具のいずれか一方を取り外して長手方向にずらさないと第3の照明器具111cを取り外すことができない。また、第2の照明器具111bは第1の照明器具111aに接続されているため、第2の照明器具111bを取り外すには第1の照明器具111aも取り外さなくてはならない。このように、複数本連続して設置された照明器具のうち、中間部にある照明器具を取り外すには、端から全ての照明器具を取り外さなければならないという問題がある。
【0011】
また、連結金具を用いて隣接する照明器具を連結するため、隣接する照明器具を近づけて設置できないという問題もある。隣接する照明器具を近づけて設置できないと、LEDのピッチを一定距離以下にできないという問題、あるいは配光性が低下するという問題が生じる。
【0012】
つまり、LEDは基板の設計上、照明器具の端部に一定距離以上寄せることができない。また、上記従来の照明器具では連結部に連結金具が介在する。このため、照明器具を連結した場合に、照明器具の連結部を跨いだLEDのピッチを短くするには限界がある。例えば、照明器具の連結部を跨いだLEDのピッチの最小値(限界ピッチ)が70mmであるとすると、連結された照明器具全体でLEDのピッチを均一にする場合には、それぞれの照明器具内部でのLEDのピッチも70mm以下にすることができない。つまり、LEDのピッチを均一にしようとすると、LEDのピッチを限界ピッチより短くすることができないという制限がある。
【0013】
一方、照明器具の照度を上げるため、照明器具内部でのLEDのピッチを限界ピッチより短くせざるを得ない場合がある。上記の例で、例えば、照明器具内部でのLEDのピッチを50mmにしたとする。しかし、限界ピッチは70mmのままであるので、連結された照明器具全体でLEDのピッチを一定にすることができない。LEDのピッチが一定でないと照度が均一とならず、配光性が低下する。
【0014】
このように、連結金具を用いて隣接する照明器具を連結すると、LEDの限界ピッチが長くなる問題があり、照明器具内部でのLEDのピッチを限界ピッチより短くした場合には、複数の照明器具を連結した場合の配光性が低下するという問題がある。
【0015】
また、連結金具を用いるため、部品点数が多くなるという問題もある。
【0016】
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものである。第1の目的は、隣接する照明器具を取り外すことなく、単独で取り外しが可能な照明器具を提供することである。第2の目的は、照明器具の接続部における点光源の限界ピッチを短くすることが可能な照明器具を提供することである。第3の目的は、部品点数を少なくした照明器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0018】
即ち、第1の発明は、複数本を長手方向に連続して被設置面に設置し、送り線で相互に電気的に接続する照明器具であって、筐体と、光源と、固定部と、通線部とを備える。光源は、筐体の内部に配置される。固定部は、筐体の両端部に設けられ、隣接する照明器具から独立して筐体を被設置面に固定する。通線部は、筐体の長手方向の両端に形成される端面から、被設置面に対向する底面にかけて形成され、送り線を挿通させる。
【0019】
第2の発明は、第1の発明であって、固定部は、筐体の端面において、筐体の長手方向の中心線に対して一方の側に、筐体の長手方向に突出するとともに、固着部が配置される突起部が設けられており、隣接する照明器具の突起部同士を筐体の短手方向に重複するように組み合わせて、長手方向に連続して被設置面に設置する。
【0020】
第3の発明は、第1又は第2のいずれかの発明であって、光源は複数の点光源からなり、照明器具を長手方向に連続して設置した状態において、点光源の間隔が一定になるように点光源を配置する。
【発明の効果】
【0021】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0022】
第1の発明によれば、筐体の両端部に設けられ、隣接する照明器具から独立して筐体を被設置面に固定するための固定部を備えている。このため、複数本連続して設置された照明器具のうち、中間部にある照明器具を取り外す場合に、当該照明器具の固定部における固定を解除すれば、照明器具を取り外すことが可能となる。また、筐体の長手方向の両端に形成される端面から、被設置面に対向する底面にかけて形成され、送り線を挿通させる通線部を備えている。このため、照明器具を取り外す場合に、当該照明器具を隣接する照明器具に対して動かしていくに従い、当該照明器具に接続された送り線は通線部内を端面側から底面側に移動し、隣接する照明器具との間で送り線が干渉することがない。よって、複数本連続して設置された照明器具のうち、中間部にある照明器具を取り外す場合であっても、端から全ての照明器具を取り外す必要がなく、単独で取り外すことができる。また、連結金具を用いないため、部品点数を少なくすることができる。
【0023】
第2の発明によれば、固定部は、筐体の端面において、筐体の長手方向の中心線に対して一方の側に、筐体の長手方向に突出するとともに、固着部が配置される突起部が設けられており、隣接する照明器具の突起部同士を筐体の短手方向に重複するように組み合わせて、長手方向に連続して被設置面に設置する。このため、連結金具を用いて照明器具を連結する場合と比較して連結部における光源の間隔を短くすることができる。更に、隣接する照明器具の固定部同士を突き合わせて設置する場合と比較しても、固定部の突起部同士を筐体の短手方向に重複させる分、連結部の長さを短くすることができ、連結部における光源の間隔を短くすることができる。
【0024】
第3の発明によれば、照明器具を長手方向に連続して設置した状態において、点光源の間隔が一定になるように点光源を配置しているため、連結された照明器具全体で照度が均一となり、配光性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施例1に係る照明器具11の斜視図。
【図2】照明器具11を長手方向に連続させた斜視図。
【図3】図1の3−3線における断面図。
【図4】端板部31とエンドキャップ41を器具主体21に取り付ける状態を示す斜視分解図。
【図5】エンドキャップ41の(A)内側、(B)外側の斜視図。
【図6】LED素子82のピッチを示す側面図。
【図7】照明器具11を長手方向に連続させた状態での(A)長手方向中心線における断面図、(B)平面図、(C)底面図。
【図8】照明器具11を長手方向に連続させた状態で、照明器具11を取り外す状態を説明する側面図。
【図9】本発明の実施例2に係る照明器具11を長手方向に連続させた状態を示す平面図。
【図10】従来の照明器具111を説明する平面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、発明の実施の形態について図を用いて説明する。
【実施例1】
【0027】
本発明の実施例1に係る照明器具11について、図1から図8を用いて説明する。図1に示すように、実施例1の照明器具11の形状は、短手方向の長さに対して長手方向の長さの比率が大きい細長い略直方体である。照明器具11は、壁面や床面等に沿った被設置面Wに単独で設置されたり、図2に示すように、複数本を長手方向に連続して設置される。複数本の照明器具11を連続して設置する場合は、一方の端に設置される照明器具11には、電源線L1に接続されて電力が供給される。その他の照明器具11には、隣接する照明器具11同士が送り線L2で電気的に接続されることで電力が供給される。照明器具11を設置する向きは特に制限されず、光を上向き、下向き、横向き、いずれの方向に照射するように設置してもよい。以下の説明では、被設置面Wに対向する面を底面とし、その反対側である光を照射する側の面を上面とする。
【0028】
照明器具11は、図1、3に示すように、筐体12、光源部13、点灯装置14、端子台15を有している。筐体12は、器具主体21、端板部31、エンドキャップ41、底板部61、セード71を有している。器具主体21、端板部31及び底板部61は、熱伝導性を有するアルミニウム等の金属素材を用いて形成されている。図4に示すように、器具主体21は、断面形状が略H字型の押し出し材で形成されており、横板部22と横板部22の両側に形成される側板部23を有している。器具主体21の横板部22の上方、下方は開放されており(開放部27、28)、両端部も開放されている。側板部23の上部には、セード71を差し込んで保持させる上部溝部24が対向して形成され、両側の側板部23の下部には、底板部61を保持する突条25が対向して形成されている。横板部22の下部の両側には、端板部31をネジ37で取り付けるためのネジ取付部26が形成されている。
【0029】
図3、図4に示すように、端板部31とエンドキャップ41は、器具主体21の両端部に取り付けられて、器具主体21の両端部の開放された部分を閉塞するものである。また、端板部31とエンドキャップ41は、筐体12を被設置面Wに固定する固定部17を構成するとともに、電源線L1あるいは送り線L2を挿通させる通線部18を構成する。端板部31とエンドキャップ41は、器具主体21の両端部に取り付けられるため、1本の照明器具11について2組用いられるが、両端部に共通の端板部31とエンドキャップ41を用いるため、端板部31とエンドキャップ41はそれぞれ1種類である。
【0030】
図4Aに示すように、端板部31は、器具主体21の端部を閉塞する端板主体32と、端板主体32の下部から突出する取付部34と、切欠部36とを備えている。端板主体32には、端板部31を器具主体21にネジ37で取り付けるための貫通孔33が形成されている。取付部34には、筐体12を被設置面Wに固着部としてのネジ19で固定するための貫通孔35が形成されている(図4C参照。)。取付部34の幅は、端板部31を器具主体21に取り付けた状態で、器具主体21の長手方向の中心線に対して一方の側に偏在するように設定される。本実施例では、取付部34の幅は、器具主体21の短手方向の長さの略半分に設定されている。
【0031】
端板部31の切欠部36は、電源線L1あるいは送り線L2を挿通させる通線部18を構成するものであり(図4C参照。)、端子台15に接続される電源線L1あるいは送り線L2を挿通できる形状を有している。切欠部36は、端板部31を器具主体21に取り付けた状態で、器具主体21の長手方向の中心線に対して前述した取付部34の反対側に偏在するように形成される。本実施例では、切欠部36の幅は、器具主体21の短手方向の長さの略半分に設定されている。切欠部36は、少なくとも下方が開放され、端板部31を器具主体21に取り付けた状態で、器具主体21の下部の開放部28と切欠部36とが連通するように形成される。
【0032】
図4、図5に示すように、エンドキャップ41は、器具主体21の両端に取り付けられて筐体12の端面(妻面)を構成するものである。エンドキャップ41は、端面部42、上面部43、側面部44、下面部45を有している。エンドキャップ41の上面部43と下面部45は、器具主体21に取り付けた状態で、それぞれ器具主体21の上部と下部に対して面一となり、側面部44は、器具主体21の側板部23と面一になるように構成されている。器具主体21に取り付けられる側は開放されている。
【0033】
エンドキャップ41の下面部45は、エンドキャップ41を器具主体21に取り付けた状態で、端板部31の取付部34の下部に配置されるように形成されており、取付部34の貫通孔35に対応する位置にU字形の切欠部46が形成されている。下面部45の幅は、エンドキャップ41を器具主体21に取り付けた状態で、器具主体21の長手方向の中心線に対して一方の側に偏在するように設定される。
【0034】
エンドキャップ41の上面部43には、取付孔47が設けられている。取付孔47はエンドキャップ41を器具主体21に取り付けた状態で、端板部31の取付部34に形成した貫通孔35の上方となる位置に設けられている。エンドキャップ41の内側には、ネジ挿通部48が設けられている。ネジ挿通部48は、内部にネジ19を挿通できるように空間が形成されており、取付孔47の内側の周囲から下面部45の切欠部46に向けて形成されている。ネジ挿通部48の下端部と下面部45との間には、端板部31の取付部34を差し込むことのできる幅の空間が確保されている。
【0035】
図5Aに示すように、エンドキャップ41の端面部42には、切欠部50を形成できるように切取り用溝49が形成されている。切取り用溝49は、エンドキャップ41を器具主体21に取り付けた状態で、端板部31の切欠部36と同じ側に形成されている。切取り用溝49に沿って端面部42の一部を切り取ることにより、図5Bに示すように、切欠部50が形成される。エンドキャップ41の切欠部50は、端板部31の切欠部36とともに電源線L1あるいは送り線L2を挿通させる通線部18を構成するものであり、端子台15に接続される電源線L1あるいは送り線L2を挿通できる形状を有している。切欠部50の幅は、器具主体21の短手方向の長さの半分よりも長く設定されている。つまり、エンドキャップ41を器具主体21に取り付けた状態で器具主体21の長手方向の中心線を越えて下面部45側まで切り欠かれるようにしている。切欠部50は、少なくとも下方が開放され、エンドキャップ41を器具主体21に取り付けた状態で、器具主体21の下部の開放部28及び端板部31の切欠部36と連通するように形成される。
【0036】
尚、エンドキャップ41に電源線L1又は送り線L2を挿通させる必要がない箇所では、エンドキャップ41に切欠部50を形成する必要はない。すなわち、照明器具11を単独で設置する場合、及び複数本を長手方向に連続して設置する場合において、電源線L1が接続される側と反対側の端部には、エンドキャップ41に電源線L1又は送り線L2を挿通させる必要がない。また、電源線L1を端面側からではなく底面側から引き込む場合にもエンドキャップ41に切欠部50を形成する必要がない。このような場合は、エンドキャップ41に切欠部50を形成せず、そのまま器具主体21に取り付ければよい。
【0037】
図3に示すように、底板部61は、器具主体21の下部の開放部28の一部を閉塞するものである。底板部61は薄い板状部材で形成されている。底板部61は器具主体21の下方に被せて突条25に当接させる。底板部61の両端部は折り曲げられており、ネジ62で器具主体21の横板部22に固定される。底板部61は、器具主体21の長手方向の長さよりも短く、器具主体21に取り付けられた状態で、器具主体21の下部の開放部28のうち、両端側は閉塞せずに開放された状態としている。この器具主体21の両端部の下部の開放部28は、エンドキャップ41の切欠部50及び端板部31の切欠部36とともに電源線L1あるいは送り線L2を挿通させる通線部18を構成するものである。
【0038】
セード71は、器具主体21の上部の開放部27を閉塞し、光源部13からの光を透過させて、照射面を形成する部材である。セード71は、透光性を有する半透明のアクリル樹脂素材等で形成され、器具主体21の上部溝部24の端部から差し込んで保持される。
【0039】
端子台15は、外部電源からの電源線L1又は、隣接する照明器具11からの送り線L2の端子が差込口に差し込まれて電気的に接続されるものである。端子台15は、器具主体21の横板部22の下部において、器具主体21の両端側に2個設けられる。端子台15の差込口はそれぞれ器具主体21の端部側に向けられている。
【0040】
点灯装置14は、光源部13のLED素子82を点灯させるものである。点灯装置14は、器具主体21の横板部22の下部に配置されている。点灯装置14は、端子台15と電線15aによって電気的に接続されている。
【0041】
光源部13は、基板81及び点光源としての複数のLED素子82を有しており、器具主体21の横板部22の上部に配置される。光源部13と点灯装置14は、電線(図示せず)によって電気的に接続されている。LED素子82は、照明器具11を長手方向に連続して設置した状態において、ピッチが一定になるように基板81上に配置されている。つまり、図6に示すように、隣接する照明器具11a、11bの端部を跨いだLED素子82のピッチがP1であるとし、それぞれの照明器具11内部でのLED素子82のピッチをP2であるとしたときに、P1とP2が等しくなるようにLED素子82を配置している。
【0042】
連続する照明器具11a、11b全体でLED素子82のピッチを均一にするために、第1の照明器具11aの端部からLED素子82までの距離D1と、第2の照明器具11bの端部からLED素子82までの距離D2と、第1の照明器具11aと第2の照明器具11bを設置する際の隙間D3とを加えた値がP1となるように、距離D1、距離D2、隙間D3を設定する。尚、距離D1、距離D2は必ずしも等しい値である必要はない。
【0043】
このように、照明器具11を長手方向に連続して設置した状態において、LED素子82のピッチが一定になるようにLED素子82を配置しているため、連結された照明器具11全体で照度が均一となり、配光性が向上する。
【0044】
次に、複数の照明器具11aから11nを長手方向に連続して被設置面Wに設置する手順について説明する。まず、複数の照明器具11aから11nのうち、一端側に設置される照明器具11aの施工を行う。照明器具11aの一方の端子台15には、電源線L1の端子を接続する。電源線L1に接続された照明器具11aの他方の端子台15には、次に隣に施工する照明器具11bに接続するための送り線L2の端子を接続する(図7参照。)。
【0045】
続いて、電源線L1に接続された照明器具11aの器具主体21の両端部に、固定部17を構成する端板部31とエンドキャップ41を取り付ける。セード71及び底板部61はすでに器具主体21に取り付けられているものとし、図4A、図4Bに示すように、端板部31を器具主体21にネジ37で取り付ける。端板部31を器具主体21に取り付けた後、図4Cに示すように、エンドキャップ41を器具主体21に取り付ける。このとき、エンドキャップ41の内側に形成されるネジ挿通部48の下端部と下面部45との間の隙間に、端板部31の取付部34を差し込むようにする。尚、エンドキャップ41は予め端面部42の切取り用溝49に沿って端面部42の一部を切り取って切欠部50を形成しているものとする。そして、一方の側の電源線L1と他方の側の送り線L2をそれぞれ通線部18に挿通させ、照明器具11aを設置すべき位置に配置する。固着部としてのネジ19をエンドキャップ41の取付孔47から挿入してねじ込むことで、エンドキャップ41の下面部45と端板部31の取付部34がネジ19で締め付けられ、エンドキャップ41と端板部31とが固定されるとともに、照明器具11aが被設置面Wに固定される。
【0046】
次に、照明器具11aに隣接する照明器具11bの施工を行う。先に施工した照明器具11aの送り線L2の端子を照明器具11bの一方の端子台15に接続し、照明器具11aと照明器具11bを電気的に接続する。照明器具11bの他方の端子台15には次に隣に施工する照明器具11cに接続するための送り線L2の端子を接続する。照明器具11bの器具主体21の両端部には、照明器具11aと同様に固定部17を構成する端板部31とエンドキャップ41を取り付ける。図7に示すように、両端部の送り線L2をそれぞれ通線部18に挿通させ、照明器具11bを設置すべき位置に配置する。このとき、隣接する照明器具11a、11bの端部同士をわずかな隙間をおいて対向させるが、エンドキャップ41の切欠部50の幅は、器具主体21の短手方向の長さの半分よりも長く設定されている。つまり、エンドキャップ41を器具主体21に取り付けた状態で器具主体21の長手方向の中心線を越えて切り欠かれるようにしている。このため、対向させたエンドキャップ41の切欠部50が中央付近で重複し、それぞれの通線部18が連通するため、照明器具11aと照明器具11bとの間で送り線L2を挿通させることができる。以下、照明器具11bに隣接して設置する照明器具11cから11nについても同様の手順により施工を行う。
【0047】
続いて、上記のように設置された複数の照明器具11aから11nのうち、中間部に設置した照明器具11bを取り外す手順について図8を用いて説明する。照明器具11bは、両端部に固定部17が設けられており、照明器具11bは、隣接する照明器具11a及び照明器具11c(図示せず)から独立して被設置面Wに固定されている。このため、中間部にある照明器具11bを取り外す場合には、図8Aに示すように、当該照明器具11bの両端部を固定しているネジ19を外せば、照明器具11bを取り外すことが可能となる。
【0048】
また、筐体12の長手方向の両端に形成される端面から、被設置面Wに対向する底面にかけて、エンドキャップ41の切欠部50、端板部31の切欠部36、及び器具主体21の両端部の下部の開放部28により、送り線L2を挿通させる通線部18が構成されている。このため、中間部の照明器具11bを取り外す場合に、当該照明器具11bを隣接する照明器具11a及び照明器具11cに対して動かしていくに従い、図8Bに示すように、当該照明器具11bに接続された送り線L2は通線部18内を端面側から底面側に移動し、隣接する照明器具11a及び照明器具11c(図示せず)との間で送り線L2が干渉することがない。よって、複数本連続して設置された照明器具11aから11nのうち、中間部にある照明器具11bを取り外す場合であっても、端から全ての照明器具11を取り外す必要がなく、単独で取り外すことができる。
【実施例2】
【0049】
次に、本発明の実施例2に係る照明器具11について、図9を用いて説明する。実施例2では、エンドキャップ41に突起部51が設けられ、この突起部51に固着部としてのネジ19を配置する点が実施例1とは大きく異なっている。実施例1と同一部分は同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0050】
図9に示すように、エンドキャップ41は、器具主体21に取り付けた状態で、器具主体21の長手方向の中心線に対して一方の側に、器具主体21の長手方向に突出する突起部51が設けられている。突起部51にはネジ19を配置するための取付孔47が形成されている。これを換言すると、実施例2のエンドキャップ41の形状は、実施例1のエンドキャップ41の端面部42において、取付孔47が形成されている側と反対側の部分に、器具主体21の長手方向に窪んだ段部52を形成した形状である。
【0051】
突起部51の幅は、エンドキャップ41を器具主体21に取り付けた状態で、器具主体21の長手方向の中心線に対して一方の側に偏在するように設定される。また、エンドキャップ41の端面部42には、実施例1と同様に切欠部50を形成できるように切取り用溝49が形成されている。切取り用溝49は、エンドキャップ41を器具主体21に取り付けた状態で、端板部31の切欠部50と同じ側に形成されている。切欠部50の幅は、器具主体21の短手方向の長さの半分よりも長く設定され、突起部51との境界付近まで形成されている。つまり、エンドキャップ41を器具主体21に取り付けた状態で器具主体21の長手方向の中心線を越えて下面部45側まで切り欠かれるようにしている。
【0052】
次に、実施例2の照明器具11を長手方向に連続して被設置面Wに設置する手順について説明する。複数の照明器具11aから11nを電源線L1及び送り線L2を用いて電気的に接続する手順については実施例1と同様であるため、説明を省略する。
【0053】
実施例2の照明器具11では、エンドキャップ41に突起部51が形成されているため、隣接する照明器具11aと照明器具11bを被設置面Wに配置する際に、隣接する照明器具11aと照明器具11bの突起部51同士を照明器具11aと照明器具11bの短手方向に重複するように組み合わせて配置する。そして実施例1と同様に、固着部としてのネジ19をエンドキャップ41の取付孔47から挿入してねじ込むことで、エンドキャップ41の下面部45と端板部31の取付部34がネジ19で締め付けられ、エンドキャップ41と端板部31とが固定されるとともに、照明器具11が被設置面Wに固定される。
【0054】
このように、隣接する照明器具11aと照明器具11bの突起部51同士を照明器具11aと照明器具11bの短手方向に重複するように組み合わせて配置することにより、隣接する照明器具11aと照明器具11bの固定部17同士を突き合わせて設置する場合と比較して、固定部17の突起部51同士を照明器具11aと照明器具11bの短手方向に重複させる分、連結部の長さを短くすることができる。このため、連結部におけるLED素子82の限界ピッチを短くすることができる。
【0055】
つまり、図9において、第1の照明器具11aの端部からLED素子82までの距離をD11とし、第2の照明器具11bの端部からLED素子82までの距離をD12としたときに、突起部51同士を照明器具11aと照明器具11bの短手方向に重複させる分、ピッチPは、距離D11に距離D12を加えた距離よりも小さくなる。つまり、隣接する照明器具11の端部を跨いだLED素子82の限界ピッチPは短くなる。
【0056】
また、隣接する照明器具11の突起部51同士を照明器具11の短手方向に重複するように組み合わせて配置することにより、複数の照明器具11を設置する際の位置の目安となるため、照明器具11を直線的に設置することが容易となる。
【0057】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、照明器具11、端板部31、エンドキャップ41等の形状は実施例に限定されない。
【0058】
また、端板部31、エンドキャップ41は共通部品であり、光源部13はユニットになっているため、器具主体21を長くして、器具主体21内に配置する光源部13の数を増減させることにより、長さの異なる照明器具11を容易に製造することができる。
【0059】
以上説明した本発明の技術的範囲は、上記実施例に限定されるものではなく、上記実施例の形状に限定されない。
本発明の技術的範囲は、本明細書及び図面に記載した事項から明らかになる本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及ぶものである。
【符号の説明】
【0060】
11 照明器具
12 筐体
13 光源部
14 点灯装置
15 端子台
15a 電線
17 固定部
18 通線部
19 固着部としてのネジ
21 器具主体
22 横板部
23 側板部
24 上部溝部
25 突条
26 ネジ取付部
27 開放部
28 開放部
31 端板部
32 端板主体
33 貫通孔
34 取付部
35 貫通孔
36 切欠部
37 ネジ
41 エンドキャップ
42 端面部
43 上面部
44 側面部
45 下面部
46 切欠部
47 取付孔
48 ネジ挿通部
49 切取り用溝
50 切欠部
51 突起部
52 段部
61 底板部
62 ネジ
71 セード
81 基板
82 LED素子
L1 電源線
L2 送り線
W 被設置面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本を長手方向に連続して被設置面に設置し、送り線で相互に電気的に接続する照明器具であって、
筐体と、
前記筐体の内部に配置される光源と、
前記筐体の両端部に設けられ、隣接する照明器具から独立して前記筐体を被設置面に固定するための固定部と、
前記筐体の長手方向の両端に形成される端面から、被設置面に対向する底面にかけて形成され、前記送り線を挿通させる通線部と、
を備えたことを特徴とする照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具であって、
前記固定部は、前記筐体の端面において、前記筐体の長手方向の中心線に対して一方の側に、前記筐体の長手方向に突出するとともに、固着部が配置される突起部が設けられており、
隣接する照明器具の前記突起部同士を前記筐体の短手方向に重複するように組み合わせて、長手方向に連続して被設置面に設置することを特徴とする照明器具。
【請求項3】
請求項1又は2のいずれか1項に記載の照明器具であって、
前記光源は複数の点光源からなり、
照明器具を長手方向に連続して設置した状態において、前記点光源の間隔が一定になるように前記点光源を配置したことを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−33401(P2012−33401A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−172385(P2010−172385)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(505455945)コイズミ照明株式会社 (65)
【Fターム(参考)】