照明用レンズおよび照明装置
【課題】斜め照射用の照明用レンズとこれを用いた照明装置を提供する。
【解決手段】照明用レンズ6は、俯仰方向の一端側が遠方部配光用レンズ部14を形成し、他端側が近傍部配光用レンズ部15を形成し、これら両レンズ部の前面が照射部17を形成し、背面に入光部18が設けられ、外側面がLED5からの光11を照射部17方向に全反射させる反射部19を形成している。遠方部配光用レンズ部14は、LED5からの光11を照射面の遠方部方向に集中させる形状に形成され、近傍部配光用レンズ部15は光11を照射面の近傍部方向に指向させる形状に形成されている。このため、照射部17のうち遠方部配光用レンズ部14における照射部分17A1 は平坦面に形成され、近傍部配光用レンズ部15における照射部分17A2 は凸状の湾曲面に形成されて背面に接続されている。
【解決手段】照明用レンズ6は、俯仰方向の一端側が遠方部配光用レンズ部14を形成し、他端側が近傍部配光用レンズ部15を形成し、これら両レンズ部の前面が照射部17を形成し、背面に入光部18が設けられ、外側面がLED5からの光11を照射部17方向に全反射させる反射部19を形成している。遠方部配光用レンズ部14は、LED5からの光11を照射面の遠方部方向に集中させる形状に形成され、近傍部配光用レンズ部15は光11を照射面の近傍部方向に指向させる形状に形成されている。このため、照射部17のうち遠方部配光用レンズ部14における照射部分17A1 は平坦面に形成され、近傍部配光用レンズ部15における照射部分17A2 は凸状の湾曲面に形成されて背面に接続されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明用レンズおよび照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
照明装置で広い照射面を均一に照射するには、遠くを照射する光は強く、近くを照射する光は弱くする等、所定の配光にする必要がある。LEDを光源としてこのような照明を行うには2通りの方法がある。1つは照射面にLEDを正対させて照明する方法で、他の1つは照射面に対してLEDを傾斜させて照明する方法である。後者は、光源から照射面までの距離が短くても広い面積を照射することができ、例えば特許文献1、2、3に開示されている照明装置が知られている。
【0003】
特許文献1に記載されている照明装置は、光源と複合レンズとを備え、この複合レンズを、照射面の遠近方向(俯仰方向)に連接された複数の部分レンズで構成し、各部分レンズによって光源から放射された光を屈折、全反射させることにより照射面を斜め方向から照射するようにしている。
【0004】
特許文献2に記載されている照明装置は、外周壁が疑似放物面からなる軸対称なボウル形状のコリメータレンズを備え、このコリメータレンズの頂部に円筒状の窪みを形成して入光部とし、この入光部に光源を配置し、この光源から放射され入光部からレンズ内に入射する光を略平行な平行ビームに変換し、この平行ビームを前面に設けた断面鋸歯状のレンズによって斜め前方に屈折させて照射面を照射するようにしている。
【0005】
特許文献3に記載されているLED照明システムは、LEDから放射された光をLEDの主放射方向に関して非対称に偏向する照明光学系を備え、これにより照射面を斜め方向から照射するようにしている。照明光学系は、LEDと対向する面が凹面で、照射面側が放物面状の凸面に形成されており、照射面の面形状とは無関係に目的に対応した面の照明を可能にしている。
【0006】
本発明は、このような照射面を斜めに照明する際に用いて好適な照明用レンズおよびこれを用いた照明装置の改良に関するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−153154号公報
【特許文献2】特表2002−528861号公報
【特許文献3】特開2003−209288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
LED用の照明用レンズで、LEDとレンズが一対一(少数の複数対一)で付くようなものの多くは、円周配光、もしくはレンズを正面から見た際に2面対称となるものである。これらのレンズを単体で使用し、より広い範囲を照明するためにLEDを照射面に傾斜させて配置した場合、対称の配光をもつために広い照射範囲を均一に照明することは難しい。このため、照明装置の内部でLEDやレンズを複数の指向軸へ振り向けるか、または装置ごと振り向ける必要がある。場合によっては、複数の異なる配光特性を有するレンズを用いることもある。LEDやレンズを装置ごと振り向ける手法は、主に壁面や看板等を照明する投光器で使用される。配光上のピーク光度部分を遠くへ振り向けることで照射面に対し、均一な照明を可能にするが、ピーク光度の軸より遠くに向かう光を有効に利用できないという問題があった。
【0009】
前記特許文献1に記載されている照明装置は、ピーク光度の最大点を照射面の遠端部に有しているので、上記した従来の問題を解決するものとして有効である。しかしながら、この照明装置は、レンズを正面から見たときにレンズに対して互いに直交する2つの面、すなわち、部分レンズの左右方向(延設方向)と平行な面と、部分レンズの連接方向(レンズの前後方向)と平行な面のうち、部分レンズの連接方向と平行な面方向の光のみを制御し、レンズの左右方向と平行な面方向の光については制御していないため、光の有効利用という点で未だ改良の余地があった。
【0010】
前記特許文献2に記載されている照明装置は、軸対称なボウル形状のコリメータレンズを用いているため、広い照射面を斜め照射する場合、照射面全体を均一に照明することが難しい。
【0011】
前記特許文献3に記載されているLED照明システムは、レンズの幅方向の光を制御していないため、上記した特許文献1に記載の照明装置と同様な問題があった。また、照射面側を放物面状の凸面に形成しただけでは、光を照射面の遠方部に有効に導くことが難しいため、特許文献2と同様に照射面全体を均一に照明することが難しいという問題があった。
【0012】
本発明は上記した従来の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、比較的簡単な形状で、光の利用効率を向上させるとともに照射面全体を効率よく均一に照射することができる照明用レンズおよびこれを用いた照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明は、光源から放射された光を照射面に斜めに照射する照明用レンズであって、俯仰方向の一端側を遠方部配光用レンズ部とし、他端側を近傍部配光用レンズ部とし、これら両レンズ部の前面を照射部とし、背面に入光部を設け、外側面を前記光源からの光を前記照射部方向に全反射する反射部とし、前記遠方部配光用レンズ部を前記光を前記照射面の遠方部方向に集中させる形状に形成し、前記近傍部配光用レンズ部を前記光を前記照射面の近傍部方向に指向させる形状に形成したものである。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、前記照射部のうち前記遠方部配光用レンズ部における照射部分を平坦面に形成し、前記近傍部配光用レンズ部における照射部分を凸状に湾曲した面に形成して背面に接続したものである。
【0015】
また、本発明は、上記発明において、前記照射部が内側照射部分と、この内側照射部分の外側を取り囲む外側照射部分とからなり、前記内側照射部分のうち前記遠方部配光用レンズ部における照射部分を平坦面または緩やかに湾曲する凸面に形成し、前記近傍部配光用レンズ部における照射部分を凸状の湾曲面に形成して背面に接続し、前記外側照射部分を前面側に傾斜した斜面に形成したものである。
【0016】
また、本発明は、上記発明において、前記光源が多数の発光部を有し、前記照射部の内側照射部分のうち近傍部配光用レンズ部における照射部分に、レンズの幅方向に細長い多数の平面からなり、前記発光部に起因する配光むら補正用の多段プリズムを形成したものである。
【0017】
また、本発明は、上記発明において、前記照射部の外側照射部分に、光を拡散させるプリズムレンズを形成したものである。
【0018】
また、本発明は、上記発明において、前記入光部を背面に形成された凹陥部とし、前記反射部を背面の高さおよび幅が前面より小さくなるように内側に傾斜した斜面に形成したものである。
【0019】
さらに、本発明に係る照明装置は、上記照明用レンズと光源を備えているものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明においては、俯仰方向の一端側を遠方部配光用レンズ部とし、他端側を近傍部配光用レンズ部とし、これら両レンズ部の前面を照射部とし、背面に入光部を設け、外側面を光源からの光を照射部方向に全反射する反射部とし、遠方部配光用レンズ部を光を照射面の遠方部方向に集中させる形状に形成し、近傍部配光用レンズ部を光を照射面の近傍部方向に指向させる形状に形成したので、レンズ全体として配光が調整され、照射面全体の均一照明を可能にする。
【0021】
本発明においては、照射部を内側照射部分と外側照射部分とで構成し、外側照射部分は前面側に傾斜した斜面に形成している。光軸方向へ光の方向制御を行なう際、外側照射部を光軸方向へ直交させ出射面での屈折をさせずに、全反射部による反射のみで制御する方法に比べ、全反射部と出射部に光の制御を割りふり、出射部の屈折を使用すると、出射部が傾斜するため、レンズの幅方向を小さくできる。
【0022】
本発明においては、照射部の内側照射部分のうち近傍部配光用レンズ部における照射部分に、レンズの幅方向に細長い多数の平面からなる多段プリズムを形成しているので、光源の発光部に起因する配光のむらを抑えることができる。すなわち、光源として、複数の発光部(LED素子)を所要の間隔をおいて複数列配列したLEDを用いた場合、光度分布が不均一になる。そこで、多段プリズムによって光の屈折方向を調整すると、配光のむらを防止することができる。
【0023】
本発明においては、照射部の外側部分に光を拡散させるプリズムレンズを形成しているので、照射面の幅を補正することができ、照射面全体の幅を全長にわたって略等しくすることができる。すなわち、プリズムレンズのないレンズで照射面を照射すると、照射面は、近傍部側から遠方部に向かって幅が徐々に増大する台形状となる。プリズムレンズは、光を幅方向に屈折して拡散させることで照射面幅を拡げる。プリズムレンズを照射部の外側部分で近傍部配光用レンズ部側に設けておくと、照射面の幅が遠方部側から近傍部に向かって徐々に拡がり、照射面全体の幅を俯仰方向全長にわたって略一定にすることができる。
【0024】
本発明においては、入光部を背面に形成した凹陥部で構成し、その壁面および底面を光の入光面とし、レンズ内に所定方向に屈折させて入光させ、その一部が照射部を屈折透過し、他の一部が反射部に当たって全反射した後、照射部を透過することにより照射面を照射する。したがって、光束の利用率が高くなり、効率よく照射することができる。
【0025】
本発明に係る照明装置は、上記照明用レンズと光源を備えているので、照射面を効率よく均一に照明することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る照明装置の一実施の形態を示す外観斜視図である。
【図2】照明装置の正面図である。
【図3】照明装置の断面図である。
【図4】照明装置の配光を示す図である。
【図5】照明用レンズの斜視図である。
【図6】照明用レンズの正面図である。
【図7】照明用レンズの背面図である。
【図8】照明用レンズの右側面図である。
【図9】照明用レンズの底面図である。
【図10】照明用レンズの平面図である。
【図11】図6のA−A線断面図である。
【図12】図6のB−B線断面図である。
【図13】図6のC−C線断面図である。
【図14】図6のA−A断面配光追跡図である。
【図15】図6のB−B断面配光追跡図である。
【図16】図6のC−C断面配光追跡図である。
【図17】配光特性を示す図である。
【図18】本発明に係る照明装置の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図19】照明装置の配光を示す図である。
【図20】配光特性を示す図である。
【図21】本発明に係る照明用レンズの他の実施の形態を示す外観斜視図である。
【図22】照明用レンズの正面図である。
【図23】照明用レンズの背面図である。
【図24】図22のA−A線断面図である。
【図25】図22のB−B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
先ず、図1〜図4を参照して、本実施の形態に係る照明装置の構成を概略説明する。
この照明装置1は、例えば路面2の一部(照射面)7を斜め上方から照射する足元灯として用いられるもので、ハウジング3と、ハウジング3の内部に取付板4を介して配設された光源としてのLED5および照明用レンズ6等で構成されている。照明装置1によって照射される照射面7は、レンズの遠近方向(俯仰角θ方向)に長い矩形の領域である。
【0028】
ハウジング3は、前面が開放する縦長箱型に形成され、例えば広場等に垂直に設置されている。ハウジング3の前面開口部8は、ガラス板9によって覆われている。取付板4の前面中央部には、LED5と照明用レンズ6が固定されている。取付板4は、照明用レンズ6のレンズ光軸12(図3、図4)が斜め下方向に所要角度傾斜してハウジング3内に配設されている。
【0029】
LED5としては、例えば図7に示すように複数のLED素子(発光部)5aを備えたものが用いられる。LED5の光軸13(図3、図4)は、レンズ6の背面6bと直交している。
【0030】
照明用レンズ6は、LED5から放射された光11を照射面7に斜め上方から照射するもので、俯仰方向の一端部(図3、図4において上端側)が照射面7の遠方部7Aを照射する遠方部配光用レンズ部14を形成し、他端部(図3、図4において下端側)が照射面7の近傍部7Bを照射する近傍部配光用レンズ部15を形成し、複数の取付部16(図2、図3)を介して前記取付板4にねじ止め固定されている。照明用レンズ6の遠方部配光用レンズ部14と近傍部配光用レンズ部15は、互いに境界はなく、滑らかに光度が減衰している。
【0031】
前記取付部16は、遠方部配光用レンズ部14と近傍部配光用レンズ部15の配光特性に影響を与えないように照明用レンズ6の上端部と下端部に突設されている。
【0032】
レンズ光軸12は、レンズ設計上の光軸であって、本発明においては、照明用レンズ6の背面6bに対して垂直ではなく、遠方部配光用レンズ部14側(図4において上方側)に所要角度(5〜10°程度)傾斜している。また、本発明においては、均一な配光パターンを得るためにLED5そのものの配光も利用しているため、レンズ光軸12とLED5の光軸13をずらしている。
【0033】
次に、図4〜図17を参照して照明用レンズ6の詳細な構成等について説明する。
照明用レンズ6は、透明なガラス、プラスチック等によって形成され、前述した通り遠方部配光用レンズ部14と、近傍部配光用レンズ部15とからなり、これら両レンズ部14、15の前面6a(図4)全体が照射面7を照射する照射部17を形成し、背面6bに入光部18(図7、図11)が設けられ、外側面6c(図4、図7)全体がLED5から出た光11を前方、言い換えれば前記照射部17方向に全反射させる反射部19を形成している。
【0034】
照明用レンズ6の遠方部配光用レンズ部14は、光11を照射面7の遠方部7A方向に集中させる形状に形成されている。一方、近傍部配光用レンズ部15は、光11を照射面7の近傍部7B方向に指向させる形状に形成されている。具体的には、照明用レンズ6は、図4に示すように側面視形状がレンズ光軸12に対して非対称な概略扇型を呈するブロック状で、遠方部配光用レンズ部14の前面が図5に示すように略摺り鉢状に形成され、近傍部配光用レンズ部15の前面が背面6bに向かって凸状に湾曲した疑似曲面に形成され、厚みが遠方部配光用レンズ部14から近傍部配光用レンズ部15の終端に向かって減少している。また、照明用レンズ6は、正面視形状が左右対称で、上端部(遠方部配光用レンズ部14側端部)の正面視形状が略半円形で、下端部(近傍部配光用レンズ部15側端部)の両側部が中央部より長く形成され、外側面6cが後方内側に向かって所要角度傾斜した斜面に形成されている。このため、背面6bは、図7に示すように上端部が略半円形で、前面6aの上端より低く、また幅も狭く、下端部が略台形を呈している。
【0035】
図5および図6において、照明用レンズ6の照射部17は、内側照射部分17Aと、この内側照射部分17Aの外側を取り囲む外側照射部分17Bとで構成されている。内側照射部分17Aは、上端部、すなわち遠方部配光用レンズ部14における照射部分17A1 が背面6bと略平行な平坦面に形成され、下端部、すなわち近傍部配光用レンズ部15における照射部分17A2 が凸状に湾曲した多段のプリズム21を形成している。多段プリズム21は、近傍部7B方向への光の振り向けを行なうとともに複数のLED素子5aに起因する配光のむらを補正するもので、レンズ6の幅方向に細長い多数の平面21aからなり、下方に至るにしたがって傾斜角度が徐々に大きくなるように形成され、これにより照射部分17A2 が凸状に湾曲した疑似曲面を形成し背面6bに接続されている。
【0036】
照明用レンズ6の外側照射部分17Bは、正面視逆U字状に形成されることにより、上端部が内側照射部分17Aの上端部を取り囲む半円形の帯状で、下端部が内側照射部分17Aの左右両側面に沿って下方に延在するとともに、内側照射部分17Aと同様に凸状に湾曲して背面6bに接続されている。また、外側照射部分17Bは、レンズ6の前方に傾斜、言い換えれば内側照射部分17Aに向かって傾斜した斜面に形成されることにより、外側縁が内側照射部分17Aより前方に突出し、下端部にプリズムレンズ23が形成されている。
【0037】
プリズムレンズ23は、外側照射部分17Bの下端部から前方に出射する光を幅方向に拡散させるもので(図13、図16)、図5に示すように左右にそれぞれ3つずつ並設されている。また、プリズムレンズ23は、外側照射部分17Bの高さ方向中間部から外側照射部分17Bの下端、言い換えれば遠方部配光用レンズ部14の中間部から近傍部配光用レンズ部15の終端にまで連続して延在する左右非対称な三角形(V字状)の凹状体に形成されている。プリズムレンズ23の上端部は、光の幅方向への量を減少させるために幅が徐々に減少する。
【0038】
図7および図11において、照明用レンズ6の入光部18は、背面6bの幅方向中央部で上端寄りに、遠方部配光用レンズ部14と近傍部配光用レンズ部15の両部に跨って延在するように形成された縦長矩形の凹陥部20からなり、この凹陥部20の後方にLED5が対向して配設されている。凹陥部20の壁面20aと底面20bは、LED5の光が入光する第1、第2の入光面18a、18bを形成し、これらによって入光部18を形成している。
【0039】
第1の入光面18aは、U字状で凹陥部20の内側に向かって傾斜した斜面に形成され、LED5から出た光11a(図14)を屈折し、反射部19に導く。
【0040】
第2の入光面18bは、凹陥部20の底面20bに一体に突設された凸レンズ24の表面で構成され、LED5から出た光11bは18b上部で集光されて遠方部へ導かれ、光11cは幅方向は入光面18b下部で集光され、俯仰方向に指向される。
【0041】
照明用レンズ6の背面6bの上端は、図7に示すように前面6aの上端より下方に位置して凹陥部20の上端部を取り囲み、下端部が末広がり状に広がった台形状を呈し、外側照射部分17Bの下端外側縁に接続されている。
【0042】
図7および図8において、照明用レンズ6の反射部19は、上端部が背面6b側に傾斜するとともに半円弧状の凸面に形成され、主として第1の入光面18aからレンズ6内に入射した光11aを前方に全反射させて遠方部配光用レンズ部14の上端部に導く第1の反射部19Aを形成している。一方、反射部19の下端部は内側に傾斜した斜面に形成され、主として第1の入光面18aからレンズ6内に入射した光11e(図15、図16)を全反射させて近傍部配光用レンズ部15に導く第2の反射部19Bを形成している。
【0043】
このような照明装置1において、LED5から出射した光11のうち図11および図14に示すように第1の入光面18aからレンズ6内に入射した光11aは、第1の入光面18aによって上方に屈折した後、第1の反射部19Aによって全反射され、所定の角度で集光されることにより、照射面7の遠方部7Aの照射に必要な光度に調整される。そして、この光11aは、照射部17の上部から外部に出射して照射面7の遠方部7A全体を所定の明るさで照射する。
【0044】
また、LED5から出射し第2の入光面18b(図14〜図16)の上部からレンズ6内に入射した光11bは、第2の入光面18bによって屈折して俯仰方向に集光され、照射部17の中間部から外部に出射し照射面7の遠方部7Aを所定の明るさで照射する。
【0045】
LED5から出射した光11のうち同じく第2の入光面18bの下部からレンズ6内に入射した光11cは、第2の入光面18bによって屈折して幅方向へ集光されると同時に俯仰方向に指向され、照射面7の近傍部7Bの照射に必要な光度に調整され、照射部17の下部から外部に出射して照射面7の近傍部7Bを所定の明るさで照射する。
【0046】
このように、遠方部7Aに対しては、光11a、11bを集中させて光度を高め、遠方部7Aから近傍部7Bにかけては光11cの光度を徐々に低下させているため、照射面7全体を広い範囲にわたって略均一な照度で照明することができる。
【0047】
また、照明用レンズ6の照射部分17A2 に多段プリズム21を形成しているので、複数の光源に起因する配光のむらを取り除くことができる。すなわち、LED5として複数のLED素子5aを用いた場合、内側照射部分17Aの照射部分17A2 を凸曲面に形成すると、俯仰方向の光度に強弱が出てむらが生じる。そこで、内側照射部分17Aの下側照射部分17A2 に多段プリズム21を形成して、その各平面21aによって配光が滑らかになるように光の屈折方向を制御する。なお、光源として、LED素子5aが1つのLED5を用いた場合は、光源が分かれることによる配光のむらが殆ど発生しないため、配光むら補正用の多段プリズム21を形成する必要がなく、湾曲した凸曲面に形成すればよい。
【0048】
また、外側照射部分17Bの下端部にプリズムレンズ23を形成しているので、照射面7全体の幅を照射面7の全長にわたって略一定になるように補正することができる。すなわち、照射面7の幅方向の照射角度が一定な場合、照射面7の幅は近傍部7Bより遠方部7Aに至るほど拡大する。外側照射部分17Bの下端部にプリズムレンズ23を形成しておくと、プリズムレンズ23が光を内外に拡散させるため、近傍部7Bにおける照射面7の幅が拡大し、照射面7全体の幅を照射面7の全長にわたって略一定になるように補正する。
【0049】
さらに、照明用レンズ6の外側面6cは、全体がLED5の光11を前方に全反射させる反射部19を形成しているので、LED5の光束の利用率を高くでき、効率よく照射面7を照射することができる。
【0050】
図17は、照明用レンズ6の配光特性を示す図で、縦軸は光度、横軸は照射角度である。同図から明らかなように、照明用レンズ6は、照射面7に対する俯仰角方向において、照射面7の遠方部7Aの遠方側に光度の最大ピークPを有し、この最大ピークPから照射面7の近傍部7Bに向かって徐々に光度が減衰し、また最大ピークPから遠方部7Aを越えると同じく光度が減衰する配光特性となる。
【0051】
図18〜図20は、本発明の他の実施の形態に係る照明装置とその配光特性を示す図である。本実施の形態は、道路等の上方に設置され、路面を照射する街路灯50に適用した例を示す。この街路灯50は、ハウジング51内にフレーム52を介して配設した4つの照明用レンズ6と、1つの補助照明用レンズ53とを備えている。ハウジング51は、路肩に立設した図示を省略したポールに下向きに取り付けられている。
【0052】
照明用レンズ6は、取付板4を介してアルミニウム等からなるフレーム52にLED5とともに取り付けられている。なお、照明用レンズ6は、上記した実施の形態の照明装置1に用いた照明用レンズ6と同一であるため、その詳細については説明を省略する。
【0053】
フレーム52は、矩形板状の本体52Aと、この本体52Aの互いに対向し道路の長手方向(進行方向)と直交する2辺54a、54bの端部にそれぞれ突設した4つの取付部52Bとを有し、本体52Aの前面中央に前記補助照明用レンズ53がLED(図示せず)ととともに取り付けられ、4つの取付部52Bに照明用レンズ6が取付板4を介してそれぞれ取付けられている。
【0054】
4つの取付部52Bは、道路の長手方向において互いに対向する2つの取付部どうしがハの字状になるように同一角度で斜め下方に傾斜しているとともに、本体52Aの中心方向に所要角度傾斜している。このため、各取付部52Bに取り付けられている4つの照明用レンズ6は、斜め下方を指向し、照射面55を広く照射する。各照明用レンズ6の照射領域は、近傍部の領域が互いに重なり合っている。
【0055】
一方、補助照明用レンズ53は、左右対称な半円柱状のレンズからなり、フレーム52の前面中央に取り付けられることにより、照射面55全体を照射する。このため、補助照明用レンズ53の照射域は、各照明用レンズ6による照射領域と重なり合っている。なお、照射面55は、道路の長手方向に長い矩形の領域である。
【0056】
このような街路灯50の配光特性は、図20に実線Aで示すように略M字状の配光特性、すなわち、照射面55の遠方側に光度の最大ピークPをそれぞれ有し、これらの最大ピークP間が略V字状(ましくはU字状)で中央に向かって徐々に光度が低下し、最大ピークPを過ぎると同じく光度が減衰する配光特性となり、これによって照射面55全体の均一照明を可能にしている。
【0057】
一方、2点鎖線Bは、補助照明用レンズ53を用いないときの配光特性であり、補助照明用レンズ53を用いた場合の配光特性Aに比べて俯仰角度が0°付近において光度が低下する。
【0058】
図21〜図25は本発明に係る照明用レンズの他の実施の形態を示す外観斜視図、正面図、背面図、図22のA−A線断面図およびB−B線断面図である。
この照明用レンズ60は、一端側が遠方部配光用レンズ部14を形成し、他端側が近傍部配光用レンズ部15を形成し、前面6a全体を1つの面で形成して照射部17としている。照射部17は、遠方部配光用レンズ部14における照射部分17xが平坦面に形成され、近傍部配光用レンズ部15における照射部分17yが凸状に湾曲した面に形成されて背面6bに接続されている。すなわち、本実施の形態の照明用レンズ60は、前面6aを内側照射部分17Aと外側照射部分17Bに分けずに1つの面で構成することにより、照射部17での光の制御を簡略化したものであり、多段プリズム21とプリズムレンズ23を形成しない点が上記した実施の形態の照明用レンズ6と異なり、その他の構成は同一であるため、その説明を省略する。
【0059】
このような照明用レンズ60においても、上記した照明用レンズ6と同様に照射面を効率よく均一に照射することができる。
【0060】
なお、本発明は上記した実施の形態に何ら特定されるものではなく、種々の変更が可能であり、例えば、照明用レンズ6において、内側照射部分17Aの上端側照射部分17A1を平坦面に形成する代わりに、凸面に形成したり、あるいは照明用レンズ60において、光源として複数のLED素子5aを用いたLED5を使用する場合、近傍部配光用レンズ部15側に図5に示した屈曲面21を形成し、照明用レンズ6と同様に配光のむらを補正するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、路面を照射する足元灯と街路灯に適用した例について説明したが、これに限らず床面、壁面などの照射面を照射する照明装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0062】
1…照明装置、2…路面、5…LED、6…照明用レンズ、6a…前面、6b…背面、6c…外側面、7…照射面、7A…遠方部、7B…近傍部、11、11a〜11c、11e…光、12…レンズ光軸、13…LEDの光軸、14…遠方部配光用レンズ部、15…近傍部配光用レンズ部、17…照射部、17A…内側照射部分、17B…外側照射部分、18…入光部、18a…第1の入光面、18b…第2の入光面、19…反射部、20…凹陥部、21…多段プリズム、23…プリズムレンズ、24…凹陥部、60…照明用レンズ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明用レンズおよび照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
照明装置で広い照射面を均一に照射するには、遠くを照射する光は強く、近くを照射する光は弱くする等、所定の配光にする必要がある。LEDを光源としてこのような照明を行うには2通りの方法がある。1つは照射面にLEDを正対させて照明する方法で、他の1つは照射面に対してLEDを傾斜させて照明する方法である。後者は、光源から照射面までの距離が短くても広い面積を照射することができ、例えば特許文献1、2、3に開示されている照明装置が知られている。
【0003】
特許文献1に記載されている照明装置は、光源と複合レンズとを備え、この複合レンズを、照射面の遠近方向(俯仰方向)に連接された複数の部分レンズで構成し、各部分レンズによって光源から放射された光を屈折、全反射させることにより照射面を斜め方向から照射するようにしている。
【0004】
特許文献2に記載されている照明装置は、外周壁が疑似放物面からなる軸対称なボウル形状のコリメータレンズを備え、このコリメータレンズの頂部に円筒状の窪みを形成して入光部とし、この入光部に光源を配置し、この光源から放射され入光部からレンズ内に入射する光を略平行な平行ビームに変換し、この平行ビームを前面に設けた断面鋸歯状のレンズによって斜め前方に屈折させて照射面を照射するようにしている。
【0005】
特許文献3に記載されているLED照明システムは、LEDから放射された光をLEDの主放射方向に関して非対称に偏向する照明光学系を備え、これにより照射面を斜め方向から照射するようにしている。照明光学系は、LEDと対向する面が凹面で、照射面側が放物面状の凸面に形成されており、照射面の面形状とは無関係に目的に対応した面の照明を可能にしている。
【0006】
本発明は、このような照射面を斜めに照明する際に用いて好適な照明用レンズおよびこれを用いた照明装置の改良に関するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−153154号公報
【特許文献2】特表2002−528861号公報
【特許文献3】特開2003−209288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
LED用の照明用レンズで、LEDとレンズが一対一(少数の複数対一)で付くようなものの多くは、円周配光、もしくはレンズを正面から見た際に2面対称となるものである。これらのレンズを単体で使用し、より広い範囲を照明するためにLEDを照射面に傾斜させて配置した場合、対称の配光をもつために広い照射範囲を均一に照明することは難しい。このため、照明装置の内部でLEDやレンズを複数の指向軸へ振り向けるか、または装置ごと振り向ける必要がある。場合によっては、複数の異なる配光特性を有するレンズを用いることもある。LEDやレンズを装置ごと振り向ける手法は、主に壁面や看板等を照明する投光器で使用される。配光上のピーク光度部分を遠くへ振り向けることで照射面に対し、均一な照明を可能にするが、ピーク光度の軸より遠くに向かう光を有効に利用できないという問題があった。
【0009】
前記特許文献1に記載されている照明装置は、ピーク光度の最大点を照射面の遠端部に有しているので、上記した従来の問題を解決するものとして有効である。しかしながら、この照明装置は、レンズを正面から見たときにレンズに対して互いに直交する2つの面、すなわち、部分レンズの左右方向(延設方向)と平行な面と、部分レンズの連接方向(レンズの前後方向)と平行な面のうち、部分レンズの連接方向と平行な面方向の光のみを制御し、レンズの左右方向と平行な面方向の光については制御していないため、光の有効利用という点で未だ改良の余地があった。
【0010】
前記特許文献2に記載されている照明装置は、軸対称なボウル形状のコリメータレンズを用いているため、広い照射面を斜め照射する場合、照射面全体を均一に照明することが難しい。
【0011】
前記特許文献3に記載されているLED照明システムは、レンズの幅方向の光を制御していないため、上記した特許文献1に記載の照明装置と同様な問題があった。また、照射面側を放物面状の凸面に形成しただけでは、光を照射面の遠方部に有効に導くことが難しいため、特許文献2と同様に照射面全体を均一に照明することが難しいという問題があった。
【0012】
本発明は上記した従来の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、比較的簡単な形状で、光の利用効率を向上させるとともに照射面全体を効率よく均一に照射することができる照明用レンズおよびこれを用いた照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明は、光源から放射された光を照射面に斜めに照射する照明用レンズであって、俯仰方向の一端側を遠方部配光用レンズ部とし、他端側を近傍部配光用レンズ部とし、これら両レンズ部の前面を照射部とし、背面に入光部を設け、外側面を前記光源からの光を前記照射部方向に全反射する反射部とし、前記遠方部配光用レンズ部を前記光を前記照射面の遠方部方向に集中させる形状に形成し、前記近傍部配光用レンズ部を前記光を前記照射面の近傍部方向に指向させる形状に形成したものである。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、前記照射部のうち前記遠方部配光用レンズ部における照射部分を平坦面に形成し、前記近傍部配光用レンズ部における照射部分を凸状に湾曲した面に形成して背面に接続したものである。
【0015】
また、本発明は、上記発明において、前記照射部が内側照射部分と、この内側照射部分の外側を取り囲む外側照射部分とからなり、前記内側照射部分のうち前記遠方部配光用レンズ部における照射部分を平坦面または緩やかに湾曲する凸面に形成し、前記近傍部配光用レンズ部における照射部分を凸状の湾曲面に形成して背面に接続し、前記外側照射部分を前面側に傾斜した斜面に形成したものである。
【0016】
また、本発明は、上記発明において、前記光源が多数の発光部を有し、前記照射部の内側照射部分のうち近傍部配光用レンズ部における照射部分に、レンズの幅方向に細長い多数の平面からなり、前記発光部に起因する配光むら補正用の多段プリズムを形成したものである。
【0017】
また、本発明は、上記発明において、前記照射部の外側照射部分に、光を拡散させるプリズムレンズを形成したものである。
【0018】
また、本発明は、上記発明において、前記入光部を背面に形成された凹陥部とし、前記反射部を背面の高さおよび幅が前面より小さくなるように内側に傾斜した斜面に形成したものである。
【0019】
さらに、本発明に係る照明装置は、上記照明用レンズと光源を備えているものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明においては、俯仰方向の一端側を遠方部配光用レンズ部とし、他端側を近傍部配光用レンズ部とし、これら両レンズ部の前面を照射部とし、背面に入光部を設け、外側面を光源からの光を照射部方向に全反射する反射部とし、遠方部配光用レンズ部を光を照射面の遠方部方向に集中させる形状に形成し、近傍部配光用レンズ部を光を照射面の近傍部方向に指向させる形状に形成したので、レンズ全体として配光が調整され、照射面全体の均一照明を可能にする。
【0021】
本発明においては、照射部を内側照射部分と外側照射部分とで構成し、外側照射部分は前面側に傾斜した斜面に形成している。光軸方向へ光の方向制御を行なう際、外側照射部を光軸方向へ直交させ出射面での屈折をさせずに、全反射部による反射のみで制御する方法に比べ、全反射部と出射部に光の制御を割りふり、出射部の屈折を使用すると、出射部が傾斜するため、レンズの幅方向を小さくできる。
【0022】
本発明においては、照射部の内側照射部分のうち近傍部配光用レンズ部における照射部分に、レンズの幅方向に細長い多数の平面からなる多段プリズムを形成しているので、光源の発光部に起因する配光のむらを抑えることができる。すなわち、光源として、複数の発光部(LED素子)を所要の間隔をおいて複数列配列したLEDを用いた場合、光度分布が不均一になる。そこで、多段プリズムによって光の屈折方向を調整すると、配光のむらを防止することができる。
【0023】
本発明においては、照射部の外側部分に光を拡散させるプリズムレンズを形成しているので、照射面の幅を補正することができ、照射面全体の幅を全長にわたって略等しくすることができる。すなわち、プリズムレンズのないレンズで照射面を照射すると、照射面は、近傍部側から遠方部に向かって幅が徐々に増大する台形状となる。プリズムレンズは、光を幅方向に屈折して拡散させることで照射面幅を拡げる。プリズムレンズを照射部の外側部分で近傍部配光用レンズ部側に設けておくと、照射面の幅が遠方部側から近傍部に向かって徐々に拡がり、照射面全体の幅を俯仰方向全長にわたって略一定にすることができる。
【0024】
本発明においては、入光部を背面に形成した凹陥部で構成し、その壁面および底面を光の入光面とし、レンズ内に所定方向に屈折させて入光させ、その一部が照射部を屈折透過し、他の一部が反射部に当たって全反射した後、照射部を透過することにより照射面を照射する。したがって、光束の利用率が高くなり、効率よく照射することができる。
【0025】
本発明に係る照明装置は、上記照明用レンズと光源を備えているので、照射面を効率よく均一に照明することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る照明装置の一実施の形態を示す外観斜視図である。
【図2】照明装置の正面図である。
【図3】照明装置の断面図である。
【図4】照明装置の配光を示す図である。
【図5】照明用レンズの斜視図である。
【図6】照明用レンズの正面図である。
【図7】照明用レンズの背面図である。
【図8】照明用レンズの右側面図である。
【図9】照明用レンズの底面図である。
【図10】照明用レンズの平面図である。
【図11】図6のA−A線断面図である。
【図12】図6のB−B線断面図である。
【図13】図6のC−C線断面図である。
【図14】図6のA−A断面配光追跡図である。
【図15】図6のB−B断面配光追跡図である。
【図16】図6のC−C断面配光追跡図である。
【図17】配光特性を示す図である。
【図18】本発明に係る照明装置の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図19】照明装置の配光を示す図である。
【図20】配光特性を示す図である。
【図21】本発明に係る照明用レンズの他の実施の形態を示す外観斜視図である。
【図22】照明用レンズの正面図である。
【図23】照明用レンズの背面図である。
【図24】図22のA−A線断面図である。
【図25】図22のB−B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
先ず、図1〜図4を参照して、本実施の形態に係る照明装置の構成を概略説明する。
この照明装置1は、例えば路面2の一部(照射面)7を斜め上方から照射する足元灯として用いられるもので、ハウジング3と、ハウジング3の内部に取付板4を介して配設された光源としてのLED5および照明用レンズ6等で構成されている。照明装置1によって照射される照射面7は、レンズの遠近方向(俯仰角θ方向)に長い矩形の領域である。
【0028】
ハウジング3は、前面が開放する縦長箱型に形成され、例えば広場等に垂直に設置されている。ハウジング3の前面開口部8は、ガラス板9によって覆われている。取付板4の前面中央部には、LED5と照明用レンズ6が固定されている。取付板4は、照明用レンズ6のレンズ光軸12(図3、図4)が斜め下方向に所要角度傾斜してハウジング3内に配設されている。
【0029】
LED5としては、例えば図7に示すように複数のLED素子(発光部)5aを備えたものが用いられる。LED5の光軸13(図3、図4)は、レンズ6の背面6bと直交している。
【0030】
照明用レンズ6は、LED5から放射された光11を照射面7に斜め上方から照射するもので、俯仰方向の一端部(図3、図4において上端側)が照射面7の遠方部7Aを照射する遠方部配光用レンズ部14を形成し、他端部(図3、図4において下端側)が照射面7の近傍部7Bを照射する近傍部配光用レンズ部15を形成し、複数の取付部16(図2、図3)を介して前記取付板4にねじ止め固定されている。照明用レンズ6の遠方部配光用レンズ部14と近傍部配光用レンズ部15は、互いに境界はなく、滑らかに光度が減衰している。
【0031】
前記取付部16は、遠方部配光用レンズ部14と近傍部配光用レンズ部15の配光特性に影響を与えないように照明用レンズ6の上端部と下端部に突設されている。
【0032】
レンズ光軸12は、レンズ設計上の光軸であって、本発明においては、照明用レンズ6の背面6bに対して垂直ではなく、遠方部配光用レンズ部14側(図4において上方側)に所要角度(5〜10°程度)傾斜している。また、本発明においては、均一な配光パターンを得るためにLED5そのものの配光も利用しているため、レンズ光軸12とLED5の光軸13をずらしている。
【0033】
次に、図4〜図17を参照して照明用レンズ6の詳細な構成等について説明する。
照明用レンズ6は、透明なガラス、プラスチック等によって形成され、前述した通り遠方部配光用レンズ部14と、近傍部配光用レンズ部15とからなり、これら両レンズ部14、15の前面6a(図4)全体が照射面7を照射する照射部17を形成し、背面6bに入光部18(図7、図11)が設けられ、外側面6c(図4、図7)全体がLED5から出た光11を前方、言い換えれば前記照射部17方向に全反射させる反射部19を形成している。
【0034】
照明用レンズ6の遠方部配光用レンズ部14は、光11を照射面7の遠方部7A方向に集中させる形状に形成されている。一方、近傍部配光用レンズ部15は、光11を照射面7の近傍部7B方向に指向させる形状に形成されている。具体的には、照明用レンズ6は、図4に示すように側面視形状がレンズ光軸12に対して非対称な概略扇型を呈するブロック状で、遠方部配光用レンズ部14の前面が図5に示すように略摺り鉢状に形成され、近傍部配光用レンズ部15の前面が背面6bに向かって凸状に湾曲した疑似曲面に形成され、厚みが遠方部配光用レンズ部14から近傍部配光用レンズ部15の終端に向かって減少している。また、照明用レンズ6は、正面視形状が左右対称で、上端部(遠方部配光用レンズ部14側端部)の正面視形状が略半円形で、下端部(近傍部配光用レンズ部15側端部)の両側部が中央部より長く形成され、外側面6cが後方内側に向かって所要角度傾斜した斜面に形成されている。このため、背面6bは、図7に示すように上端部が略半円形で、前面6aの上端より低く、また幅も狭く、下端部が略台形を呈している。
【0035】
図5および図6において、照明用レンズ6の照射部17は、内側照射部分17Aと、この内側照射部分17Aの外側を取り囲む外側照射部分17Bとで構成されている。内側照射部分17Aは、上端部、すなわち遠方部配光用レンズ部14における照射部分17A1 が背面6bと略平行な平坦面に形成され、下端部、すなわち近傍部配光用レンズ部15における照射部分17A2 が凸状に湾曲した多段のプリズム21を形成している。多段プリズム21は、近傍部7B方向への光の振り向けを行なうとともに複数のLED素子5aに起因する配光のむらを補正するもので、レンズ6の幅方向に細長い多数の平面21aからなり、下方に至るにしたがって傾斜角度が徐々に大きくなるように形成され、これにより照射部分17A2 が凸状に湾曲した疑似曲面を形成し背面6bに接続されている。
【0036】
照明用レンズ6の外側照射部分17Bは、正面視逆U字状に形成されることにより、上端部が内側照射部分17Aの上端部を取り囲む半円形の帯状で、下端部が内側照射部分17Aの左右両側面に沿って下方に延在するとともに、内側照射部分17Aと同様に凸状に湾曲して背面6bに接続されている。また、外側照射部分17Bは、レンズ6の前方に傾斜、言い換えれば内側照射部分17Aに向かって傾斜した斜面に形成されることにより、外側縁が内側照射部分17Aより前方に突出し、下端部にプリズムレンズ23が形成されている。
【0037】
プリズムレンズ23は、外側照射部分17Bの下端部から前方に出射する光を幅方向に拡散させるもので(図13、図16)、図5に示すように左右にそれぞれ3つずつ並設されている。また、プリズムレンズ23は、外側照射部分17Bの高さ方向中間部から外側照射部分17Bの下端、言い換えれば遠方部配光用レンズ部14の中間部から近傍部配光用レンズ部15の終端にまで連続して延在する左右非対称な三角形(V字状)の凹状体に形成されている。プリズムレンズ23の上端部は、光の幅方向への量を減少させるために幅が徐々に減少する。
【0038】
図7および図11において、照明用レンズ6の入光部18は、背面6bの幅方向中央部で上端寄りに、遠方部配光用レンズ部14と近傍部配光用レンズ部15の両部に跨って延在するように形成された縦長矩形の凹陥部20からなり、この凹陥部20の後方にLED5が対向して配設されている。凹陥部20の壁面20aと底面20bは、LED5の光が入光する第1、第2の入光面18a、18bを形成し、これらによって入光部18を形成している。
【0039】
第1の入光面18aは、U字状で凹陥部20の内側に向かって傾斜した斜面に形成され、LED5から出た光11a(図14)を屈折し、反射部19に導く。
【0040】
第2の入光面18bは、凹陥部20の底面20bに一体に突設された凸レンズ24の表面で構成され、LED5から出た光11bは18b上部で集光されて遠方部へ導かれ、光11cは幅方向は入光面18b下部で集光され、俯仰方向に指向される。
【0041】
照明用レンズ6の背面6bの上端は、図7に示すように前面6aの上端より下方に位置して凹陥部20の上端部を取り囲み、下端部が末広がり状に広がった台形状を呈し、外側照射部分17Bの下端外側縁に接続されている。
【0042】
図7および図8において、照明用レンズ6の反射部19は、上端部が背面6b側に傾斜するとともに半円弧状の凸面に形成され、主として第1の入光面18aからレンズ6内に入射した光11aを前方に全反射させて遠方部配光用レンズ部14の上端部に導く第1の反射部19Aを形成している。一方、反射部19の下端部は内側に傾斜した斜面に形成され、主として第1の入光面18aからレンズ6内に入射した光11e(図15、図16)を全反射させて近傍部配光用レンズ部15に導く第2の反射部19Bを形成している。
【0043】
このような照明装置1において、LED5から出射した光11のうち図11および図14に示すように第1の入光面18aからレンズ6内に入射した光11aは、第1の入光面18aによって上方に屈折した後、第1の反射部19Aによって全反射され、所定の角度で集光されることにより、照射面7の遠方部7Aの照射に必要な光度に調整される。そして、この光11aは、照射部17の上部から外部に出射して照射面7の遠方部7A全体を所定の明るさで照射する。
【0044】
また、LED5から出射し第2の入光面18b(図14〜図16)の上部からレンズ6内に入射した光11bは、第2の入光面18bによって屈折して俯仰方向に集光され、照射部17の中間部から外部に出射し照射面7の遠方部7Aを所定の明るさで照射する。
【0045】
LED5から出射した光11のうち同じく第2の入光面18bの下部からレンズ6内に入射した光11cは、第2の入光面18bによって屈折して幅方向へ集光されると同時に俯仰方向に指向され、照射面7の近傍部7Bの照射に必要な光度に調整され、照射部17の下部から外部に出射して照射面7の近傍部7Bを所定の明るさで照射する。
【0046】
このように、遠方部7Aに対しては、光11a、11bを集中させて光度を高め、遠方部7Aから近傍部7Bにかけては光11cの光度を徐々に低下させているため、照射面7全体を広い範囲にわたって略均一な照度で照明することができる。
【0047】
また、照明用レンズ6の照射部分17A2 に多段プリズム21を形成しているので、複数の光源に起因する配光のむらを取り除くことができる。すなわち、LED5として複数のLED素子5aを用いた場合、内側照射部分17Aの照射部分17A2 を凸曲面に形成すると、俯仰方向の光度に強弱が出てむらが生じる。そこで、内側照射部分17Aの下側照射部分17A2 に多段プリズム21を形成して、その各平面21aによって配光が滑らかになるように光の屈折方向を制御する。なお、光源として、LED素子5aが1つのLED5を用いた場合は、光源が分かれることによる配光のむらが殆ど発生しないため、配光むら補正用の多段プリズム21を形成する必要がなく、湾曲した凸曲面に形成すればよい。
【0048】
また、外側照射部分17Bの下端部にプリズムレンズ23を形成しているので、照射面7全体の幅を照射面7の全長にわたって略一定になるように補正することができる。すなわち、照射面7の幅方向の照射角度が一定な場合、照射面7の幅は近傍部7Bより遠方部7Aに至るほど拡大する。外側照射部分17Bの下端部にプリズムレンズ23を形成しておくと、プリズムレンズ23が光を内外に拡散させるため、近傍部7Bにおける照射面7の幅が拡大し、照射面7全体の幅を照射面7の全長にわたって略一定になるように補正する。
【0049】
さらに、照明用レンズ6の外側面6cは、全体がLED5の光11を前方に全反射させる反射部19を形成しているので、LED5の光束の利用率を高くでき、効率よく照射面7を照射することができる。
【0050】
図17は、照明用レンズ6の配光特性を示す図で、縦軸は光度、横軸は照射角度である。同図から明らかなように、照明用レンズ6は、照射面7に対する俯仰角方向において、照射面7の遠方部7Aの遠方側に光度の最大ピークPを有し、この最大ピークPから照射面7の近傍部7Bに向かって徐々に光度が減衰し、また最大ピークPから遠方部7Aを越えると同じく光度が減衰する配光特性となる。
【0051】
図18〜図20は、本発明の他の実施の形態に係る照明装置とその配光特性を示す図である。本実施の形態は、道路等の上方に設置され、路面を照射する街路灯50に適用した例を示す。この街路灯50は、ハウジング51内にフレーム52を介して配設した4つの照明用レンズ6と、1つの補助照明用レンズ53とを備えている。ハウジング51は、路肩に立設した図示を省略したポールに下向きに取り付けられている。
【0052】
照明用レンズ6は、取付板4を介してアルミニウム等からなるフレーム52にLED5とともに取り付けられている。なお、照明用レンズ6は、上記した実施の形態の照明装置1に用いた照明用レンズ6と同一であるため、その詳細については説明を省略する。
【0053】
フレーム52は、矩形板状の本体52Aと、この本体52Aの互いに対向し道路の長手方向(進行方向)と直交する2辺54a、54bの端部にそれぞれ突設した4つの取付部52Bとを有し、本体52Aの前面中央に前記補助照明用レンズ53がLED(図示せず)ととともに取り付けられ、4つの取付部52Bに照明用レンズ6が取付板4を介してそれぞれ取付けられている。
【0054】
4つの取付部52Bは、道路の長手方向において互いに対向する2つの取付部どうしがハの字状になるように同一角度で斜め下方に傾斜しているとともに、本体52Aの中心方向に所要角度傾斜している。このため、各取付部52Bに取り付けられている4つの照明用レンズ6は、斜め下方を指向し、照射面55を広く照射する。各照明用レンズ6の照射領域は、近傍部の領域が互いに重なり合っている。
【0055】
一方、補助照明用レンズ53は、左右対称な半円柱状のレンズからなり、フレーム52の前面中央に取り付けられることにより、照射面55全体を照射する。このため、補助照明用レンズ53の照射域は、各照明用レンズ6による照射領域と重なり合っている。なお、照射面55は、道路の長手方向に長い矩形の領域である。
【0056】
このような街路灯50の配光特性は、図20に実線Aで示すように略M字状の配光特性、すなわち、照射面55の遠方側に光度の最大ピークPをそれぞれ有し、これらの最大ピークP間が略V字状(ましくはU字状)で中央に向かって徐々に光度が低下し、最大ピークPを過ぎると同じく光度が減衰する配光特性となり、これによって照射面55全体の均一照明を可能にしている。
【0057】
一方、2点鎖線Bは、補助照明用レンズ53を用いないときの配光特性であり、補助照明用レンズ53を用いた場合の配光特性Aに比べて俯仰角度が0°付近において光度が低下する。
【0058】
図21〜図25は本発明に係る照明用レンズの他の実施の形態を示す外観斜視図、正面図、背面図、図22のA−A線断面図およびB−B線断面図である。
この照明用レンズ60は、一端側が遠方部配光用レンズ部14を形成し、他端側が近傍部配光用レンズ部15を形成し、前面6a全体を1つの面で形成して照射部17としている。照射部17は、遠方部配光用レンズ部14における照射部分17xが平坦面に形成され、近傍部配光用レンズ部15における照射部分17yが凸状に湾曲した面に形成されて背面6bに接続されている。すなわち、本実施の形態の照明用レンズ60は、前面6aを内側照射部分17Aと外側照射部分17Bに分けずに1つの面で構成することにより、照射部17での光の制御を簡略化したものであり、多段プリズム21とプリズムレンズ23を形成しない点が上記した実施の形態の照明用レンズ6と異なり、その他の構成は同一であるため、その説明を省略する。
【0059】
このような照明用レンズ60においても、上記した照明用レンズ6と同様に照射面を効率よく均一に照射することができる。
【0060】
なお、本発明は上記した実施の形態に何ら特定されるものではなく、種々の変更が可能であり、例えば、照明用レンズ6において、内側照射部分17Aの上端側照射部分17A1を平坦面に形成する代わりに、凸面に形成したり、あるいは照明用レンズ60において、光源として複数のLED素子5aを用いたLED5を使用する場合、近傍部配光用レンズ部15側に図5に示した屈曲面21を形成し、照明用レンズ6と同様に配光のむらを補正するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、路面を照射する足元灯と街路灯に適用した例について説明したが、これに限らず床面、壁面などの照射面を照射する照明装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0062】
1…照明装置、2…路面、5…LED、6…照明用レンズ、6a…前面、6b…背面、6c…外側面、7…照射面、7A…遠方部、7B…近傍部、11、11a〜11c、11e…光、12…レンズ光軸、13…LEDの光軸、14…遠方部配光用レンズ部、15…近傍部配光用レンズ部、17…照射部、17A…内側照射部分、17B…外側照射部分、18…入光部、18a…第1の入光面、18b…第2の入光面、19…反射部、20…凹陥部、21…多段プリズム、23…プリズムレンズ、24…凹陥部、60…照明用レンズ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から放射された光を照射面に斜めに照射する照明用レンズであって、
俯仰方向の一端側を遠方部配光用レンズ部とし、他端側を近傍部配光用レンズ部とし、これら両レンズ部の前面を照射部とし、背面に入光部を設け、外側面を前記光源からの光を前記照射部方向に全反射させる反射部とし、
前記遠方部配光用レンズ部を前記光を前記照射面の遠方部方向に集中させる形状に形成し、前記近傍部配光用レンズ部を前記光を前記照射面の近傍部方向に指向させる形状に形成した照明用レンズ。
【請求項2】
請求項1記載の照明用レンズにおいて、
前記照射部のうち前記遠方部配光用レンズ部における照射部分を平坦面に形成し、前記近傍部配光用レンズ部における照射部分を凸状に湾曲した面に形成して背面に接続してなる照明用レンズ。
【請求項3】
請求項1記載の照明用レンズにおいて、
前記照射部は、内側照射部分と、この内側照射部分の外側を取り囲む外側照射部分とからなり、前記内側照射部分のうち前記遠方部配光用レンズ部における照射部分を平坦面または緩やかに湾曲する凸面に形成し、前記近傍部配光用レンズ部における照射部分を凸状の湾曲面に形成して背面に接続し、前記外側照射部分を前面側に傾斜した斜面に形成してなる照明用レンズ。
【請求項4】
請求項3記載の照明用レンズにおいて、
前記光源が多数の発光部を有し、
前記照射部の内側照射部分のうち近傍部配光用レンズ部における照射部分に、レンズの幅方向に細長い多数の平面からなり、前記発光部に起因する配光むら補正用の多段プリズムを形成してなる照明用レンズ。
【請求項5】
請求項3または4記載の照明用レンズにおいて、
前記照射部の外側照射部分に、光を拡散させるプリズムレンズを形成してなる照明用レンズ。
【請求項6】
請求項1、2、3、4、5のうちのいずれか一項記載の照明用レンズにおいて、
前記入光部を背面に形成した凹陥部とし、前記反射部を背面の高さおよび幅が前面より小さくなるように内側に傾斜した斜面に形成してなる照明用レンズ。
【請求項7】
請求項1〜6のうちのいずれか一項記載の照明用レンズと光源とを備えた照明装置。
【請求項1】
光源から放射された光を照射面に斜めに照射する照明用レンズであって、
俯仰方向の一端側を遠方部配光用レンズ部とし、他端側を近傍部配光用レンズ部とし、これら両レンズ部の前面を照射部とし、背面に入光部を設け、外側面を前記光源からの光を前記照射部方向に全反射させる反射部とし、
前記遠方部配光用レンズ部を前記光を前記照射面の遠方部方向に集中させる形状に形成し、前記近傍部配光用レンズ部を前記光を前記照射面の近傍部方向に指向させる形状に形成した照明用レンズ。
【請求項2】
請求項1記載の照明用レンズにおいて、
前記照射部のうち前記遠方部配光用レンズ部における照射部分を平坦面に形成し、前記近傍部配光用レンズ部における照射部分を凸状に湾曲した面に形成して背面に接続してなる照明用レンズ。
【請求項3】
請求項1記載の照明用レンズにおいて、
前記照射部は、内側照射部分と、この内側照射部分の外側を取り囲む外側照射部分とからなり、前記内側照射部分のうち前記遠方部配光用レンズ部における照射部分を平坦面または緩やかに湾曲する凸面に形成し、前記近傍部配光用レンズ部における照射部分を凸状の湾曲面に形成して背面に接続し、前記外側照射部分を前面側に傾斜した斜面に形成してなる照明用レンズ。
【請求項4】
請求項3記載の照明用レンズにおいて、
前記光源が多数の発光部を有し、
前記照射部の内側照射部分のうち近傍部配光用レンズ部における照射部分に、レンズの幅方向に細長い多数の平面からなり、前記発光部に起因する配光むら補正用の多段プリズムを形成してなる照明用レンズ。
【請求項5】
請求項3または4記載の照明用レンズにおいて、
前記照射部の外側照射部分に、光を拡散させるプリズムレンズを形成してなる照明用レンズ。
【請求項6】
請求項1、2、3、4、5のうちのいずれか一項記載の照明用レンズにおいて、
前記入光部を背面に形成した凹陥部とし、前記反射部を背面の高さおよび幅が前面より小さくなるように内側に傾斜した斜面に形成してなる照明用レンズ。
【請求項7】
請求項1〜6のうちのいずれか一項記載の照明用レンズと光源とを備えた照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2011−81999(P2011−81999A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−232733(P2009−232733)
【出願日】平成21年10月6日(2009.10.6)
【出願人】(390010054)小糸工業株式会社 (136)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月6日(2009.10.6)
【出願人】(390010054)小糸工業株式会社 (136)
【Fターム(参考)】
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