説明

照明用光学部品、ランプ装置、及び照明器具

【課題】紫外線の照射を抑制するとともに、光束を大きくする。
【解決手段】電球形蛍光ランプの発光管18を覆うグローブ14の内面に、波長変換部22を膜状に形成する。波長変換部22は、紫外線を受けて可視光を発光する有機蛍光材料と、光を拡散する無機微粒子と、結着剤である高分子材料とを混合して形成する。発光管18から照射された紫外線が波長変換部22を通過する際に、波長変換部22が紫外線を可視光に変換して発光する。効率が向上し、光束が大きくなるとともに、紫外線の照射を容易に抑制でき、低誘虫効果を大きくできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機蛍光材料を用いる照明用光学部品、ランプ装置、及び照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、蛍光ランプあるいは高圧ナトリウムランプなどのランプを光源とする照明器具において、ランプから照射される紫外線あるいは近紫外線が虫を引き寄せる作用を抑制するため、ランプを酸化亜鉛(ZnO)などを用いた黄色系のフィルタで覆う構成が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。この特許文献1の構成では、有機染料を用いて作成されたパイプによりフィルタが構成されている。しかしながら、紫外線などの照射を抑制する効果を高めようとすると、ランプの光束が小さくなり、あるいは意図しない光色の変化が生じるなどの問題を有している。また、特許文献2の構成では、高圧ナトリウムランプについて、黄色顔料を用いて550nm以下の波長をカットしているが、透過波長域が狭く、汎用性が低いため、蛍光ランプなどには適していない。
【特許文献1】特開平11−273625号公報
【特許文献2】特開平11−307054号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のように、ランプを黄色系のフィルタで覆う構成では、紫外線などの照射を抑制する効果を高めようとすると、ランプの全光束が低下し、あるいは意図しない光色の変化が生じるなどの問題を有している。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、紫外線などの照射を効果的に抑制しつつ、効率良く光を照射できる照明用光学部品、ランプ装置、及び照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の照明用光学部品は、光源を覆う透光性を有する基体と;基体に設けられ紫外線を受けて可視光を発光する有機蛍光材料を含有する波長変換部と;を具備しているものである。
【0006】
基体は、例えば、透明なガラスあるいは樹脂で形成される。
【0007】
光源は、例えば、蛍光ランプの発光管である。
【0008】
有機蛍光材料は、例えば、有機蛍光色素として、例えば、キナクドリン、クマリン6、ローダミンB base、ペリレン系色素などを用いることができ、あるいは、高分子系の有機蛍光材料として、ポリパラフェニレンビニレン(PPV)、ポリチオフェン(PAT)、ポリフルオレン(PF)、ポリパラフェニレン(PPP)、ポリパラフェニレンビニレン誘導体(MEH-PPV)などを用いることができる。
【0009】
波長変換部は、例えば、基体の光源側の面に膜状に形成され、あるいは、樹脂製の基体に一体に混合して形成される。
【0010】
そして、この構成では、光源から照射された紫外線あるいは近紫外線が波長変換部を通過する際に、波長変換部が紫外線等を可視光に変換して発光するため、効率が向上し、光束が大きくなるとともに、紫外線の照射が容易に抑制される。例えば、380nm以下の波長の紫外線及び青色光を、380nmより波長の大きい可視光に変換することにより、一般照明に用いるのに適した白色光が照射される。また、例えば、400nm以下の波長の紫外線及び青色光を400nmより波長の大きい可視光に変換し、すなわち、400nm以下の波長の紫外線及び青色光の外部への照射を抑制することにより、低誘虫効果が大きくなる。
【0011】
請求項2記載の照明用光学部品は、請求項1記載の照明用光学部品において、波長変換部は、光を散乱させる無機微粒子を含有するものである。
【0012】
そして、この構成では、光源から照射される光を拡散し、波長変換部が紫外線を可視光に変換する効果が向上する。
【0013】
請求項3記載のランプ装置は、光源と;光源を覆う請求項1または2記載の照明用光学部品と;光源を点灯させる点灯回路と;光源及び照明用光学部品を支持するとともに点灯回路を収納したカバーと;カバーに取り付けられた口金と;を具備しているものである。
【0014】
そして、この構成では、請求項1または2記載の照明用光学部品を用いたため、ランプ効率および全光束が向上するとともに、紫外線の照射が抑制されたランプ装置が提供される。光源と照明用光学部品とを離間して配置することにより、光源の熱による有機蛍光材料の劣化が抑制され、長寿命化が図られる。このランプ装置を照明器具に用いることにより、効率が向上し、光束が大きいとともに、紫外線の照射が抑制された照明器具が容易に提供される。
【0015】
請求項4記載の照明器具は、器具本体と;器具本体に設けられたランプソケットと;ランプソケットに装着される光源と;光源を覆って器具本体に取り付けられる請求項1または2記載の照明用光学部品と;を具備しているものである。
【0016】
そして、この構成では、請求項1または2記載の照明用光学部品を用いたため、光出力が向上するとともに、紫外線の照射が抑制された照明器具が提供される。光源は、一般的な種々の光源を用いることが可能であり、汎用性が向上する。光源と照明用光学部品とを離間して配置することにより、光源の熱による有機蛍光材料の劣化が抑制され、長寿命化が図られる。有機蛍光材料が劣化し効果が低下した場合には、照明用光学部品を交換することにより、効果が容易に回復する。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の照明用光学部品によれば、光源から照射された紫外線あるいは近紫外線が波長変換部を通過する際に、波長変換部が紫外線等を可視光に変換して発光するため、効率を向上し、光束を大きくできるとともに、紫外線の照射を容易に抑制できる。例えば、380nm以下の波長の紫外線及び青色光を、380nmより波長の大きい可視光に変換することにより、一般照明に用いるのに適した白色光を照射できる。また、例えば、400nm以下の波長の紫外線及び青色光を400nmより波長の大きい可視光に変換し、すなわち、400nm以下の波長の紫外線及び青色光の外部への照射を抑制することにより、低誘虫効果を大きくできる。
【0018】
請求項2記載の照明用光学部品によれば、請求項1記載の効果に加え、光源から照射される光を拡散し、波長変換部が紫外線を可視光に変換する効果を向上できる。
【0019】
請求項3記載のランプ装置によれば、請求項1または2記載の照明用光学部品を用いたため、ランプ効率および全光束が向上するとともに、紫外線の照射が抑制されたランプ装置を提供できる。光源と照明用光学部品とを離間して配置することにより、光源の熱による有機蛍光材料の劣化を抑制し、長寿命化を図ることができる。このランプ装置を照明器具に用いることにより、効率が向上し、光束が大きいとともに、紫外線の照射が抑制された照明器具を容易に提供できる。
【0020】
請求項4記載の照明器具によれば、請求項1または2記載の照明用光学部品を用いたため、光出力が向上するとともに、紫外線の照射が抑制された照明器具を提供できる。光源は、一般的な種々の光源を用いることが可能であり、汎用性を向上できる。光源と照明用光学部品とを離間して配置することにより、光源の熱による有機蛍光材料の劣化を抑制し、長寿命化を図ることができる。有機蛍光材料が劣化し効果が低下した場合には、照明用光学部品を交換することにより、効果を容易に回復できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の照明用光学部品、ランプ装置、及び照明器具の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0022】
図1は本発明のランプ装置の一実施の形態を示す一部を切り欠いた断面図である。図2は同上ランプ装置の分光分布図である。
【0023】
図1において、10はランプ装置で、このランプ装置10は、カバー11、口金12及び照明用光学部品としてのグローブ14を有する外囲器と、この外囲器に収納され支持体16に取り付けられた光源としての蛍光ランプの発光管18及び点灯回路19を備え、ボール状の白熱電球に近似する外形の電球形蛍光ランプを構成している。
【0024】
そして、カバー11は、例えばポリエチレンテレフタレート(PBT)などの白色の耐熱性樹脂などにて、一端側が円筒状をなし、他端側に拡開する拡開部11aを設けた略筒状に形成されている。
【0025】
また、口金12は、商用交流電源に電気的に接続されるエジソンタイプのE26形で、点灯回路19との配線後にカバー11の一端部に被せられ、接着剤またはかしめなどにより固定されている。
【0026】
そして、支持体16は、耐熱性樹脂などにて円筒状に形成され、カバー11の他端側に接着剤などにより固定されている。
【0027】
また、発光管18は、小さく屈曲された放電管で、複数、例えば3本あるいは4本のU字状の部分を同心状に配置し、接着剤などにより支持体16に固定されている。そして、この発光管18は、内面に例えば3波長形の蛍光体が塗布され、内部にアルゴン(Ar)及びクリプトン(Kr)などの希ガスや水銀を含む封入ガス及びアマルガムが封入されているとともに、両端部に対をなす電極がピンチシールなどにより封装されている。
【0028】
また、点灯回路19は、発光管18を始動し安定点灯させる高周波点灯用の電子回路であり、基板上に部品を実装して構成されている。
【0029】
そして、グローブ14は、発光管18を覆い、一端部を開口した略球状をなし、一端部の周囲をカバー11の拡開部11aの内側にシリコーンなどの接着剤などにより接着して固定されている。また、このグローブ14は、透明などの透光性を有するガラスあるいは樹脂にて形成された基体21と、この基体21の内面に塗布などして膜状すなわち層状に形成された波長変換部22とを備えている。そして、この波長変換部22は、波長変換膜、蛍光変換部、発光層部、あるいは有機膜とも呼び得るもので、有機蛍光材料を少なくとも1種類と、無機微粒子と、結着剤である高分子材料を混合して形成され、必要な波長の透過率は高いが、不要な短波長側の光、例えば380nm以下あるいは400nm以下の光線を有機蛍光材料でいわば吸収してより長波長の可視光に変換し、さらに、無機物質により光を散乱させるようになっている。
【0030】
そして、有機蛍光材料は、紫外線あるいは近紫外線の青色光を受けて励起され、蛍光発光して、より波長の長い可視光を発光するいわば波長変換手段であり、有機蛍光色素あるいは高分子系の有機蛍光材料で、有機蛍光色素としては、例えば、キナクドリン、クマリン6、ローダミンB base、ペリレン系色素などを用いることができる。また、高分子系の有機蛍光材料として、ポリパラフェニレンビニレン(PPV)、ポリチオフェン(PAT)、ポリフルオレン(PF)、ポリパラフェニレン(PPP)、ポリパラフェニレンビニレン誘導体(MEH-PPV)などを用いることができる。
【0031】
また、無機微粒子は、発光管18から照射された光を拡散すなわち散乱させる光拡散物質すなわち光拡散性粒子であり、波長変換部22のいわば主材料である有機蛍光材料及び高分子材料とは屈折率が異なるもので、例えば、二酸化珪素(シリカ)、あるいは二酸化チタン(チタニア)などを用いることができる。
【0032】
さらに、結着剤である高分子材料は、有機蛍光材料及び無機微粒子を分散してグローブ14の内面に密着させるもので、透明な高分子材料であり、例えば、シリコーン、熱硬化性のアクリル、エポキシ、ポリイミドなどを主材料として構成される。
【0033】
そして、グローブ14の内面に波長変換部22を形成する工程としては、例えば、所望の形状に成型されたガラス製のグローブ14の内面に、所定のコート剤をスプレー法、ディップ法、流し塗りなどの方法で、0.5マイクロメートルから数十マイクロメートルの厚さで形成する。このコート剤は、例えば、緑色蛍光色素である、キナクドリン、クマリン6などを0.01〜10質量%分散し、さらに、光拡散性粒子としての無機微粒子を含有させた熱硬化性及び自然硬化性のシリコーンなどを主材料として形成され、あるいは、赤色蛍光色素であるローダミンB baseなどを0.01〜10質量%分散し、熱硬化性及び自然硬化性のアクリル、エポキシ、ポリイミドなどを主材料とし、これら主材料をアルコールなどの有機溶媒に溶かして形成している。さらに、特に赤色などの長波長側に変換する場合などには、複数の蛍光色素を組み合わせて用い、例えば緑色色素と赤色色素とを混合した波長変換部22を構成することにより、紫外光からの波長変換強度を高めることができる。
【0034】
そこで、このように構成されたランプ装置10の口金12に電力を供給すると、点灯回路19により発光管18が点灯し、可視光と若干の紫外線となどの光線が照射される。そして、照射された光線のうち、必要な光すなわち青色以外の可視光はそのままグローブ14を透過して外部に照射される。一方、不要な短波長の光すなわち紫外線及び近紫外線の青色光は、グローブ14の波長変換部22の有機蛍光材料を入射した波長より長い波長の可視光で発光させる。そこで、グローブ14の外部に照射される光線は、紫外線及び近紫外線の青色光の出力は波長変換部22を設けない場合よりも小さくなるとともに、青色光より長い波長の可視光の出力は単なる黄色などの吸収膜を設けた構成よりも大きくなる。
【0035】
次に、本実施の形態のランプ装置10と比較例のランプ装置とについて、分光分布を測定した結果の分光分布図を図2に示す。破線Bに示す比較例は、透明なガラス製のグローブを備えたいわゆるクリアガラスの昼白色(D色)のボール状の電球形蛍光ランプに、酸化亜鉛(ZnO)の膜を形成したもので、実線Aに示した実施の形態は、この破線Bに示す比較例のグローブ14の内面に、有機蛍光材料としてのペリレン系色素と結着剤である高分子材料としてのアクリル樹脂とを含む波長変換部22を塗布して形成したものである。また、このアクリル樹脂中のペリレン系色素は、0.1質量%に設定されている。そして、このペリレン系色素を含む波長変換部22は、紫外線及び近紫外線の青色光を吸収して、550〜570nmの付近(Cの領域)で発光する。
【0036】
そして、この分光分布図にも示されるように、波長変換部22を設けることにより、紫外線及び近紫外線の青色光に対して、必要な光すなわち青色以外の可視光の強度を大きくできることがわかった。
【0037】
このように、本実施の形態のランプ装置10によれば、光源である蛍光灯の発光管18から照射された紫外線あるいは近紫外線がグローブ14の波長変換部22を通過する際に、波長変換部22が紫外線等を所望の波長の可視光に波長変換して発光するため、効率を向上し、光束を大きくでき、あるいは所望の光色を容易に実現できるとともに、紫外線の照射を容易に抑制できる。例えば、380nm以下の波長の紫外線及び青色光を、380nmより波長の大きい可視光に変換することにより、一般照明に用いるのに適した白色光を照射できる。また、例えば、400nm以下の波長の紫外線及び青色光を400nmより波長の大きい可視光に変換し、すなわち、400nm以下の波長の紫外線及び青色光の外部への照射を抑制することにより、有害な飛来昆虫を誘引する原因となる紫外線等を抑制あるいは遮断(カット)し、低誘虫効果を大きくできる。
【0038】
また、透明なグローブ14を用いたランプ装置10においては、従来グローブを若干透過していた紫外線を効果的に遮断できる。一方、従来、光拡散膜を設けたグローブを用いる構成では、紫外線の通過は抑制できるものの、光束の低下が生じているが、波長変換部22を設けることにより、光束の低下を抑制し、あるいは光束を大きくさせつつ、紫外線の通過を遮断できる。
【0039】
そして、波長変換部22に、有機蛍光染料などの有機蛍光材料を用いることにより、無機の材料を用いる構成に比べ、ガラス及び樹脂のグローブ14に薄く均一にきれいに塗りやすく、製造コストとを低減できる。また、有機蛍光材料では、可視光の透過率が大きい透明な材料や、あるいは特定の波長で発光する材料などを選択し、種々の発光特性を実現することが容易になる。
【0040】
また、光源として水銀蒸気を用いる蛍光ランプの発光管18を用いる構成では、405nmあるいは435nm近にも発光ピークを有する場合があるが、このような長波長を遮断したい場合にも、有機蛍光染料の選択あるいは組み合わせにより、容易に対応できる。
【0041】
さらに、波長変換部22に光を散乱させる無機微粒子を含有することにより、発光管18から照射される光を拡散し、波長変換部22が紫外線を可視光に変換する効果を向上できる。なお、無機微粒子を用いずに、透明な、あるいはほぼ透明なグローブ14を構成することもできる。
【0042】
また、このランプ装置10によれば、波長変換部22を発光管18を覆うグローブ14の内面に設けたため、効率が向上し、光束が大きいとともに、紫外線の照射が抑制された電球形蛍光ランプを提供できる。また、発光管18と離間したグローブ14に波長変換部22を設けることにより、発光管18の熱による有機蛍光材料の劣化を抑制し、長寿命化を図ることができる。そして、この電球形蛍光ランプを用いることにより、効率が向上し、光束が大きいとともに、紫外線の照射が抑制された照明器具を容易に提供できる。
【0043】
さらに、透明なグローブ14を用いる場合には、発光管18の他にグローブ14が発光する照明効果を実現できる。
【0044】
なお、上記の実施の形態では、E26形の口金を備え、球状のグローブ14を備えた構成について説明したが、この構成に限られず、例えば、一般白熱電球に近似した形状のグローブなどを用いることもでき、また、E26形以外の口金を備えることもできる。
【0045】
さらに、光源としては、蛍光ランプの発光管18に限られず、紫外線あるいは近紫外線を発光する構成に適用でき、例えば、高輝度放電ランプ(HIDランプ)の発光管などを用いることもできる。
【0046】
また、上記の実施の形態では、発光管18と一体的に組み合わされるグローブ14の内面に波長変換部22を設ける構成について説明したが、この構成に限られず、波長変換部22は、光源を覆う透光性を有する照明用光学部品に適用でき、例えば、照明器具の器具本体に着脱可能に取り付けられるセードの内面に波長変換部22を設けることができる。
【0047】
図3は本発明の照明器具の一実施の形態を示す分解状態の斜視図である。
【0048】
この照明器具51は、天井に備えられた引掛シーリング及びこの引掛シーリングに取り付けられるアダプタを用いて天井部に直付け設置される器具本体52を備えている。そして、この器具本体52は、円盤状をなし、中央部には、厚さ寸法の大きい段部53が設けられ、さらに、この段部53の中央部には、アダプタが挿入され機械的に接続される円形の開口部54が設けられている。また、器具本体52の周辺部には、2個のランプソケット55及び2個のランプホルダ56が設けられている。そして、ランプソケット55に電気的及び機械的に接続されるとともに、ランプホルダ56に機械的に支持されて、段部53を囲むようにして、光源となる円環状の蛍光ランプの発光管58が2本、例えば32Wと40Wとの互いに外径の異なる蛍光ランプの発光管58が同心状に配置される。また、開口部54の部分には、ソケット60が設けられ、このソケット60にベビー球などのランプ61が装着される。
【0049】
そして、この器具本体52及び器具本体52に取り付けられた部材の下方及び側方を覆うようにして、照明用光学部品としてのセード65が器具本体52に着脱可能に取り付けられる。このセード65は、ガラスまたは樹脂など透光性を有し下方に滑らかに膨出する曲面状などに形成された基体66を備え、この基体66の内面に、上記の実施の形態と同様に波長変換部22が形成されている。
【0050】
そこで、この実施の形態によれば、波長変換部22を設けたため、上記の実施の形態と同様に、効率を向上し、光束を大きくできるとともに、紫外線の照射を抑制して低誘虫効果を有する照明器具51を提供できる。
【0051】
さらに、この構成では、蛍光灯など一般的な種々の光源を用いることが可能であり、汎用性を向上できる。
【0052】
そして、光源となる蛍光灯の発光管58とセード65とを離間して配置することにより、光源の熱による有機蛍光材料の劣化を抑制し、長寿命化を図ることができる。
【0053】
また、有機蛍光材料が劣化し効果が低下した場合には、セード65を交換することにより、効果を容易に回復できる。
【0054】
なお、上記の各実施の形態においては、波長変換部22は、基体21,66の内面に膜状すなわち層状に設けたが、この構成に限られず、例えば基体21,66を構成する樹脂に有機蛍光材料などを混合して一体的に形成することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、例えば、グローブを有する電球形蛍光ランプ及びセードを有する照明器具に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明のランプ装置の一実施の形態を示す一部を切り欠いた断面図である。
【図2】同上ランプ装置の分光分布図である。
【図3】本発明の照明器具の一実施の形態を示す分解状態の斜視図である。
【符号の説明】
【0057】
10 ランプ装置
11 カバー
12 口金
14 照明用光学部品としてのグローブ
18,58 光源としての発光管
19 点灯回路
21,66 基体
22 波長変換部
51 照明器具
52 器具本体
55 ランプソケット
65 照明用光学部品としてのセード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を覆う透光性を有する基体と;
基体に設けられ紫外線を受けて可視光を発光する有機蛍光材料を含有する波長変換部と;
を具備していることを特徴とする照明用光学部品。
【請求項2】
波長変換部は、光を散乱させる無機微粒子を含有する
ことを特徴とする請求項1記載の照明用光学部品。
【請求項3】
光源と;
光源を覆う請求項1または2記載の照明用光学部品と;
光源を点灯させる点灯回路と;
光源及び照明用光学部品を支持するとともに点灯回路を収納したカバーと;
カバーに取り付けられた口金と;
を具備していることを特徴とするランプ装置。
【請求項4】
器具本体と;
器具本体に設けられたランプソケットと;
ランプソケットに装着される光源と;
光源を覆って器具本体に取り付けられる請求項1または2記載の照明用光学部品と;
を具備していることを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−185672(P2006−185672A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−376274(P2004−376274)
【出願日】平成16年12月27日(2004.12.27)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】