説明

照明用組立式ポール。

【課題】下部ポールと上部ポールを接続させた後の防水カバーの取付作業は、従来、ポールの頂部から挿入させていたため、高所作業となり、作業が煩雑で危険が伴うものであった。その作業が安全で簡易的なものとする。
【解決手段】防水カバー5は接合部51で分割でき、下部ポール2と上部ポール3の接合部分にまきつけるように取付け固定する。このように取付けることによって、下部ポール2と上部ポール3の接合部分に防水カバー5を取付ける作業が、従来のように下部ポール2と上部ポール3を接合して立設させた後に、高所である上部ポール3の上端から防水カバー5を挿入して接合部分に設置するよりも、簡易に防水カバー5を装着する事ができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は下部ポール状に上部ポールが接続される組立式の照明用組立式ポールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、街路、道路、公園、広場などに設置されている照明装置として、ポール上端部に照明器具を設置している照明装置がよく知られている。このような照明装置はポール内に安定器を収納しポールに配線を挿通させて、照明器具の光源を点灯させている。
【0003】
このようなポールは、地上部分だけでも3mから5・6mの高さが必要であり、地下部分に埋没される約1mの長さを考慮すると全長が4ないし7mとなり、運搬作業が煩雑であり、収納が困難であるという問題があった。このため、ポールを2分割にして、運搬し現地で接続するようなポールがよく用いられている。例えば、特許文献1に開示されている二段継ぎ街路灯ポールは、下部中空ポールの頂端面に環状プレートを溶接し、この環状プレートに、下部中空ポールよりも細い上部中空ポールの下部外周に溶接された鍔形環状プレートを上から当接し、両環状プレートをボルト締めして連結したポールに、連結部を覆う装飾カバーを下部中空ポールの頂部外周にセットねじで固定しているものであり、装飾カバーと上部ポールの隙間をシールして雨水の侵入を防いだり、接合部分を覆い隠したりする目的でパッキングが取付けられている。そして、下部ポールと上部ポールの連結部をカバーで覆うことによって、外観をよくすることばかりでなく、風雨に曝されることがなくなるものである。
【特許文献1】実開平5−30363号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の発明のカバーおよびパッキングは、ポールの繋ぎ作業後、上部ポールに沿って落とし込まれ、下部ポールの頂部外周にセットねじで固定されるものであるが、このような構成では、カバーはポールの端から端まで通過されなければならず、カバーの装着作業が煩雑である。特許文献1のカバーのような鋳物で形成されるものであればポール頂部まで昇って落とすことで装着できるが、リング状のパッキングはその特性上弾性を有した部材で作成されポールと密着されるように構成されているため、長いポールの頂部から継ぎ目まで装着させるのは煩雑である。
【0005】
このため、本願発明によれば、組立式のポールの継ぎ目に防水カバー装着する装着作業を簡略化できる組立式ポールを提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明の照明用組立式ポールは、下部ポールと;下部ポールの上端に接続される上部ポールと;下部ポールと上端ポールの接続部分に設置され、両端がそれぞれ嵌合して輪状に形成される防水カバーと;を具備したことを特徴とする。
【0007】
以下の各発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。
【0008】
下部ポールと上部ポールは、鋼管、ステンレス、アルミニウムなどの金属またはFRPなどの樹脂からなるのが一般的であり、円筒状、角筒状などの形状を許容する。ポールの外表面には、防錆、耐食性、美観のため塗装やメッキが施されていることが好ましい。
【0009】
下部ポールと上部ポールの接合は、例えば、下部ポールの上端面および上部ポールの下端面に管状プレートを予め溶接などで取付け、下部ポールと上部ポールの環状プレートを現地にてボルトなどによって固定する方法や、下部ポールの上端面に下部ポールの外径よりも小さい接続柱が立設されこの接続柱よりも内径のやや大きな上部ポールが接続柱を中に入れて下部ポールの上に立設させ、その後上部ポールから接続柱に螺入されたビスによって止着する方法などが選択される。
【0010】
また、下部ポール内部には、ポールに設置された照明器具に内蔵されている光源を点灯させるための安定器などを挿入して設置してもよい。このとき安定器のケースがポールと電気的に接続されることによって安定器のケースに接続されているアースと接続され接地される。
【0011】
防水カバーは、下部ポールと上部ポールの接合部分から水や埃などがポール内に侵入するのを抑制する、または、美観の点から設置される。下部ポールと上部ポールの接続部分を密着して覆うことができるように、シリコーンなどの弾性を有した材質または、EVA樹脂などで構成される。そうして防水カバーは、両端が勘合してリング状に形成される構成を有している。この嵌合部は、それぞれの表裏に凹溝、凸溝を設けて勘合させる、両端に接続部品をもって接続させるなどにて構成することができる。そうして、防水カバーは輪状に構成され、ポールの接合部分に密着される。
【0012】
そのほか、防水カバーの略中央部にヒンジ機構が設けられ、ポールの接合部分に密接させた後、防水カバーの両端を留金で留める構造なども許容する。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、下部ポールと上部ポールを接続させた後の防水カバーの取付作業が、従来、ポールの頂部から挿入させていたため、高所作業となり、作業が煩雑で危険が伴うものであったが、両端を接続して輪状に形成された防水カバーを用いるによって、下部ポールと上部ポールの接合部分で防水カバーを装着するでき、作業が安全で簡易的になった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の照明装置を図を参照して説明する。なお、これらの図中、同一または相当部分には同一符号を付して、重複した説明の記載は省略または簡略化している。図1は本発明の実施形態である照明用組立式ポールの正面図であり、図2は、同じく取付状態を示す図、図3は、同じく要部断面図、図4は、防水カバーの(a)斜視図および(b)要部拡大断面図である。
【0015】
ポール1は、鋼管からなる下部ポール2、下部ポール2よりも外形の小さな鋼管からなる上部ポール3から構成される。そうして、上部ポール3の頂部には、照明器具4が取付けられている。また、ポール1は、下部ポール2の下端部分が地面Gに埋め込まれて固定される。
【0016】
下部ポール2と上部ポール3の接合部分を覆うように防水カバー5が取付けられている。また、下部ポール2の人の手が届く高さに下部ポール2の内部に安定器(図示しない)を挿入し収納させるための安定器挿入用蓋7が取付けられる。下部ポール2、上部ポール3および安定器挿入蓋7の表面には、防錆処理が施され、さらには、外表面には美観を向上させる、メッキや塗装処理が施されている。
【0017】
安定器(図示しない)は、安定器のケースにアースが接続されていることが一般的であり、安定器(図示しない)のアースは、ケースとポール1を電気的接続する事によって行われている。一般的に安定器は下部ポール2内壁に設けられたフックによってポール内部に取り付けられ固定される。このときポール1全体の内面と安定器ケースの電気的接続がされ、アースの連続性を確保するため、下部ポール2と上部ポール3の接続面や安定器挿入用蓋7などの取付面などのアースの連続性が絶たれるような部分においては、ポール内面の絶縁性の塗装やメッキを削成するように、鋭利なものと当接させたり、接続部分同士を表面を荒らしたり、溶接固定したりするなどして導通させることもできる。また、ポール1にアースが接続されている場合は、ポール外表面の塗装は絶縁性の塗料である事が望ましい。
【0018】
次に、本実施形態の下部ポール2と上部ポール3の取り付け方法について説明する。下部ポール2の上端は絞り形状に形成され、その上端面に下部ポール2の外径よりも小さく上部ポール3の外形を略等しい外径を有する接続台21が立設されこの接続台21よりも外形が小さく上部ポール3の内径と感応できる接続柱22が立設されている。そうして、上部ポール3にこの接続柱22を中に入れて下部ポール2の上に立設させる。この構成によって上部ポール3は接続柱22と任意の角度となるようにし、上部ポール3に形成されたネジ孔31からを螺入されたビス33によって上部ポール3と接続柱22を止着する。
【0019】
このとき、図2のように、ネジ孔31はそれぞれ90°の角度をもって4個設置され、対向する2つのネジ孔31は同じ高さに、対向するほかの2つのネジ孔32は異なった高さで形成される。このように90°異なる方向を異なる高さで固定させることによって、下部ポール2と上部ポール3の固定が安定する。このためポール1が風や振動などの影響による揺れや振動を低減することができる。また、ネジ33の締結作業が最小限であるように、本実施形態では、ネジ33は4個使用している。
【0020】
そうして、下部ポール2と上部ポール3の接合部分に、シリコーンのような樹脂部材からなる防水カバー5を接続させる。防水カバー5は図4に示すように、接合部51にて分割可能な輪状に形成されている。図4において(a)は防水カバーの斜視図、(b)は要部である接合部の拡大断面図である。接合部51は内外2層構造になっており、外層にあたる部分には凸部52、内層にあたる部分には凹部53がそれぞれ形成されている。まず、防水カバー5を接合部51で分割し、下部ポール2と上部ポール3の接合部分にまきつけるように取付ける。そして、接合部51の凸部52と凹部53を勘合させて取付け、輪状にして下部ポール2と上部ポール3の接合部分を覆っている。
【0021】
このように取付けることによって、下部ポール2と上部ポール3の接合部分に防水カバー5を取付ける作業が、従来のように下部ポール2と上部ポール3を接合して立設させた後に、高所である上部ポール3の上端から防水カバー5を挿入して接合部分に設置するよりも、簡易に防水カバー5を装着する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施形態の照明装置の斜視図。
【図2】同じく断面図。
【図3】同じくアーム上方からの上面図。
【図4】同じくポールとアームの取付け方法を説明する要部断面図。
【符号の説明】
【0023】
1…投光器、 2…ランプ 3…アーム 4…ポール 5・・・安定器
3a・・・アーム本体 3b・・・アーム蓋体 3f・・固定ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部ポールと;
下部ポールの上端に接続される上部ポールと;
下部ポールと上端ポールの接続部分に設置され、両端がそれぞれ嵌合して輪状に形成される防水カバーと;
を具備したことを特徴とする照明用組立式ポール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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