照明装置、バックライト装置および照明装置の製造方法
【課題】 封止樹脂の形状制御を容易に行うことができる照明装置、バックライト装置および照明装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 基板2上に、配線4がパターン化されて設けられており、配線4の所定の領域に、発光素子3が、接着層8を介して実装されている。発光素子3の各電極と、基板2上に設けられた配線4とは、ボンディングワイヤ5を介して電気的に接続されている。堰止め部6は、発光素子3から堰止め部6に向かう方向に対して略垂直に伸びるエッジ部分6aを有し、このエッジ部分6aは、発光素子3から遠い側のエッジ部分を用いる。
【解決手段】 基板2上に、配線4がパターン化されて設けられており、配線4の所定の領域に、発光素子3が、接着層8を介して実装されている。発光素子3の各電極と、基板2上に設けられた配線4とは、ボンディングワイヤ5を介して電気的に接続されている。堰止め部6は、発光素子3から堰止め部6に向かう方向に対して略垂直に伸びるエッジ部分6aを有し、このエッジ部分6aは、発光素子3から遠い側のエッジ部分を用いる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に実装された発光素子を樹脂で封止した照明装置、バックライト装置および照明装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置のバックライト光源としては、冷陰極管と反射板など面発光手段とを備えた光源が用いられていたが、消費電力が小さく、寿命も長いなどの観点からLED(
Light Emitting Diode)を用いた光源が用いられるようになっている。特に携帯電話機などの小型の液晶表示装置では、その殆どがLEDを光源として用いたバックライト照明である。
【0003】
バックライト照明用のLEDは青色光を出射する発光素子を搭載し、その周囲を、黄色蛍光を発光する蛍光剤を混入した透明樹脂にて封止している。バックライト照明として発光する場合は、LEDからの光を面発光に変換するため、複数のLEDにより導光板のエッジ部分から光を入射し、底面に設けられた反射構造によりその光の進行方向が変化して上面の発光面より液晶パネルの裏側に向かって面状の光が放射される。
【0004】
導光板の裏面側には光を反射させるための反射シートが、発光面上には光拡散や光の方向性を制御する光学シートが備えられており、高輝度および輝度ばらつきを抑えるような構造となっている。
【0005】
特許文献1記載の発光装置は、発光ダイオードを覆う透明樹脂層が、蛍光体を含む第1樹脂層と蛍光体を含まない第2樹脂層とを有し、第2樹脂層は、その上面がレンズを形成するように曲面状に加工されている。第1樹脂はライン塗布法によって形成され、流れ出しを防止するためにレジストからなる壁を設けたり、溝を形成したり、絶縁基板を高くして段差を設けたりしている。
【0006】
特許文献2では、金属体の枠の開口部の上部に形成された樹脂のダムを設け、樹脂のダムの内側に透光性樹脂を滴下してLED素子などを封止している。
【0007】
特許文献3では、LEDベアチップが実装された基板上に反射板を取り付け、反射板に設けられた孔に樹脂封入体を流し込んで、レンズ板を形成している。
【0008】
特許文献4記載のLEDでは、シリコン樹脂のダムによって光拡散樹脂の形成範囲を小さくするとともに、ダムの形状を適宜選択することで光拡散樹脂の上面形状を自由に設計している。
【0009】
【特許文献1】特開2006−229055号公報
【特許文献2】特開2006−332618号公報
【特許文献3】特開2004−241729号公報
【特許文献4】特開平5−290669号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
液晶表示装置などのバックライトに使用する光源は白色発光であるが、LEDの場合は上記のように青色発光の発光素子と、黄色蛍光を発光する蛍光剤を含んだ樹脂とを組み合わせて白色光を得るのが一般的である。この場合、蛍光剤の配合量を変えることで青色よりの白色光に設定したり、黄色よりの白色光に設定したりすることが可能であるが、逆に言えば、蛍光剤の配合量がばらつくことで色度ばらつきの原因となってしまう。
【0011】
凹部形状の型を用いて、その中に発光素子を入れて周囲を蛍光剤入り樹脂で封止する場合は、樹脂量を凹部形状の容量で制御することが可能であり、形状も凹部形状に倣うことになるので、容量および形状のばらつきが小さくて済む。これに対して平面基板上に実装された発光素子に樹脂をポッティングして封止する場合は、硬化する前の樹脂が流れてしまうことで蛍光剤入り樹脂の形状制御が難しく、結果的に色度ばらつきを発生させる原因となっている。基板上の配線パターンの端部エッジを利用して樹脂の流れを止める方法も考えられるが、配線パターンの設計に制約され、自由に位置を決めて樹脂止めを行うことができないといった問題がある。
【0012】
本発明の目的は、封止樹脂の形状制御を容易に行うことができる照明装置、バックライト装置および照明装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、配線が設けられた平面基板上に、前記配線に電気的に接続された発光素子が搭載され、前記発光素子が封止樹脂によって封止される照明装置において、
前記平面基板上に、前記封止樹脂の流れを堰き止める堰止め部が設けられ、この堰止め部は、上面に1つのエッジ部分を備えることを特徴とする照明装置である。
【0014】
また本発明は、前記エッジ部分は、流動状態の封止樹脂が流れる流れ方向に対して直交し、前記流れ方向外側に設けられることを特徴とする。
【0015】
また本発明は、前記堰止め部は、フォトレジストで構成されることを特徴とする。
また本発明は、前記発光素子は、青色光または紫外光を出射し、
前記封止樹脂は、前記発光素子から出射される光によって励起されて蛍光を発光する蛍光体を含むことを特徴とする。
【0016】
また本発明は、前記発光素子からの距離が異なる堰止め部を複数設けることを特徴とする。
【0017】
また本発明は、前記封止樹脂全体をさらに覆うように透明樹脂が設けられることを特徴とする。
【0018】
また本発明は、複数の発光素子が一直線状に配列されて設けられることを特徴とする。
また本発明は、複数の発光素子を備え、互いに隣接する発光素子にそれぞれ接続される配線同士は、発光素子を中心にして互いに反転した配置位置に設けられることを特徴とする。
【0019】
また本発明は、前記照明装置を備えることを特徴とするバックライト装置である。
また本発明は、配線が設けられた平面基板上に、前記配線に電気的に接続された発光素子が搭載され、前記発光素子が封止樹脂によって封止される照明装置の製造方法において、
前記平面基板上に、上面に1つのエッジ部分を備える堰止め部を設け、
流動状態の封止樹脂を前記平面基板上に、前記堰止め部によって堰き止められる量だけ供給し、
前記封止樹脂を硬化させることを特徴とする照明装置の製造方法である。
【0020】
また本発明は、前記堰止め部は、前記平面基板上に帯状の樹脂を塗布し、その樹脂を硬化させる前に、エッジを有する凸状の部材にて幅方向中央部に型押しすることで設けられることを特徴とする。
【0021】
また本発明は、前記堰止め部は、前記平面基板上に帯状の樹脂を塗布し、その樹脂を硬化させた後に、一部を研削することでエッジ部分を設けたことを特徴とする。
【0022】
また本発明は、前記堰止め部は、前記平面基板上に帯状の樹脂を塗布し、その樹脂を硬化させた後に、流動状態の封止樹脂が流れる流れ方向内側のエッジ部分を樹脂で被覆して前記流れ方向外側にエッジ部分を設けたことを特徴とする。
【0023】
また本発明は、前記堰止め部は、予め形成した、上面に1つのエッジ部分を備える帯状部材を前記平面基板上に貼り付けて設けられることを特徴とする。
【0024】
また本発明は、基板表面に発光素子を実装し、金型を使用して発光素子の封止樹脂を成型する照明装置の製造方法において、
前記封止樹脂の注型時に、前記金型と前記基板表面との間に、前記封止樹脂の流れを堰き止める堰止め部が設けられることを特徴とする照明装置の製造方法である。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、平面基板上に、封止樹脂の流れを堰き止める堰止め部が設けられ、この堰止め部は、上面に1つのエッジ部分を備える。
【0026】
これにより、堰止め部の1つのエッジ部分で確実に封止樹脂が堰き止められ、封止樹脂の形状制御が容易となり、色度ばらつきを抑制することができる。
【0027】
また本発明によれば、前記エッジ部分は、流動状態の封止樹脂が流れる流れ方向に対して直交し、前記流れ方向外側に設けられる。
【0028】
これにより、流動状態の封止樹脂の流れを、エッジ部分で確実に堰き止めることができる。
【0029】
また本発明によれば、前記堰止め部は、フォトレジストで構成される。フォトレジストは、半導体製造工程で用いられる樹脂であり、この樹脂を用いることで、堰止め部を設ける工程を他の製造工程と兼ねることができる。
【0030】
また本発明によれば、前記発光素子は、青色光または紫外光を出射し、前記封止樹脂は、前記発光素子から出射される光によって励起されて蛍光を発光する蛍光体を含む。
これにより、白色光を発光することができる。
【0031】
また本発明によれば、前記発光素子からの距離が異なる堰止め部を複数設ける。
発光素子からの距離が異なる堰止め部を用いて、封止樹脂の形状を変化させることができ、これにより、発光される光の色あいを変化させることができる。
【0032】
また本発明によれば、前記封止樹脂全体をさらに覆うように透明樹脂が設けられる。
この透明樹脂により、封止樹脂を保護したり、放射される蛍光を内部で反射および拡散させて、光のむらをなくした均一な光源を実現することができる。
【0033】
また本発明によれば、複数の発光素子が一直線状に配列されて設けられることにより、サイドライト型バックライト装置などに好適な線光源を実現することができる。
【0034】
また本発明によれば、複数の発光素子を備え、互いに隣接する発光素子にそれぞれ接続される配線同士は、発光素子を中心にして互いに反転した配置位置に設けられる。
【0035】
これにより、平面基板の表面において、封止樹脂が流れやすい箇所と、流れにくい箇所の偏りをなくし、注入された封止樹脂の流れを均一にすることができる。
【0036】
また本発明によれば、上記の照明装置を備えることで、色度のばらつきがないバックライト装置を実現できる。
【0037】
また本発明によれば、前記平面基板上に、上面に1つのエッジ部分を備える堰止め部を設け、流動状態の封止樹脂を前記平面基板上に、前記堰止め部によって堰き止められる量だけ供給し、前記封止樹脂を硬化させる。
【0038】
これにより、堰止め部の1つのエッジ部分で確実に封止樹脂が堰き止められ、封止樹脂の形状制御が容易となり、色度ばらつきが抑制された照明装置を提供することができる。
【0039】
また本発明によれば、前記堰止め部は、前記平面基板上に帯状の樹脂を塗布し、その樹脂を硬化させる前に、エッジを有する凸状の部材にて幅方向中央部に型押しすることで容易に設けることができる。
【0040】
また本発明によれば、前記堰止め部は、前記平面基板上に帯状の樹脂を塗布し、その樹脂を硬化させた後に、一部を研削することで容易にエッジ部分を設けることができる。
【0041】
また本発明によれば、前記堰止め部は、前記平面基板上に帯状の樹脂を塗布し、その樹脂を硬化させた後に、流動状態の封止樹脂が流れる流れ方向内側のエッジ部分を樹脂で被覆して前記流れ方向外側に容易にエッジ部分を設けることができる。
【0042】
また本発明によれば、前記堰止め部は、予め形成した、上面に1つのエッジ部分を備える帯状部材を前記平面基板上に貼り付けることで容易に設けられる。
【0043】
また本発明によれば、封止樹脂の注型時に、金型と基板表面との間に、前記封止樹脂の流れを堰き止める堰止め部を設けることで、封止樹脂の漏れを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
図1は、本発明の実施の一形態である照明装置1の構成を示す断面図であり、図2は、照明装置1の平面図である。
【0045】
照明装置1は、基板2上に、配線4がパターン化されて設けられており、配線4の所定の領域に、発光素子3が、接着層8を介して実装されている。発光素子3の各電極と、基板2上に設けられた配線4とは、ボンディングワイヤ5を介して電気的に接続されている。
【0046】
発光素子3、ボンディングワイヤ5および配線4を被覆するように封止樹脂9が設けられる。封止樹脂9は、基板2表面に形成された堰止め部6によって、未硬化状態のときの流動による広がりが制限される。
【0047】
基板2は、絶縁性を有し、その表面に配線4を形成可能であれば特に限定することなく使用することができる。たとえば、ガラスエポキシなどプリント基板用材料、ポリイミドなどフレキシブルプリント基板材料のほか、ガラス基板などを用いることができる。
【0048】
発光素子3は、発光波長が青色光の波長帯域430〜480nmまたは紫外光の波長帯域350〜420nmのLEDを使用することができ、青色発光LEDを用いることが好ましい。
【0049】
配線4は、基板2上にパターン化可能な金属材料であれば特に限定することなく使用することができる。たとえば、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケルなどが挙げられる。金属材料をパターン化する方法としては、既存の半導体製造技術を利用することができる。たとえば、基板2表面に張り付けた金属箔、CVDなどで成膜した金属薄膜、無電解めっきまたは電解めっきにより設けた金属めっき層を、エッチングによりパターン化する方法などを使用することができる。
【0050】
配線4は、実装される発光素子3と電気的に接続され、装置外部の電源から発光素子に対して給電するための電源配線として用いられる。したがって、配線4は少なくとも発光素子3のアノード端子接続用の配線と、カソード端子接続用の配線との2種類が設けられる。
【0051】
発光素子3と配線4との電気的接続は、たとえばワイヤボンディングによって行われる。ワイヤボンディングでは、発光素子3の接続用端子と配線4とをアルミニウム、金などのボンディングワイヤ5で超音波振動により接合する。
【0052】
発光素子3は、基板2上に実装されるが、たとえば本実施形態のように、配線4上に実装される場合は、発光素子3と配線4とを電気的に絶縁するほうが好ましい。したがって、接着層4としては、エポキシ樹脂にフィラーなどを混ぜた絶縁性のボンディングペーストなどを用いることができる。
【0053】
なお、発光素子3を基板2表面に直接実装する場合は、絶縁性に限らずはんだペーストなど導電性の接着層を介して実装してもよい。
【0054】
堰止め部6は、基板2表面に設けられ、硬化前の流動性を有する封止樹脂9を堰き止めることで、予め定める封止領域内に封止樹脂を留める機能を有している。堰止め部6は、通常の半導体製造工程で用いられるフォトレジストであるエポキシ樹脂、シリコーン樹脂などと同様にパターン形成されてもよく、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂などを別途所定の形状に成型したものを貼り付けるようにして設けてもよい。
【0055】
堰止め部6は、基板2表面からの高さがたとえば、20μm〜50μmで形成され、幅がたとえば300μm〜600μmで形成される。
【0056】
封止樹脂9は、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂に、蛍光物質を分散させたものを用いる。蛍光物質は、発光素子3から出射される青色光によって励起されて、黄色蛍光を発光する蛍光物質であればよく、たとえば、YAG系やケイ酸塩系の蛍光物質などを用いることができる。
【0057】
堰止め部6は、発光素子3から堰止め部6に向かう方向に対して略垂直に伸びるエッジ部分6aを有する。発光素子3から堰止め部6に向かう方向とは、すなわち流動状態の封止樹脂8が流れようとする方向(流れ方向)であり、この流れ方向に対して略直交するようにエッジ部分6aを設けることで、流動状態の封止樹脂9の流れを封止樹脂9の表面張力によって堰き止め、封止領域に封止樹脂6を確実に堰き止めることができる。
【0058】
封止領域は、堰止め部6により囲まれ、より詳細にはエッジ部分6aにより囲まれる領域である。本実施形態では、発光素子3を挟んで設けられた2つの堰止め部6と、これら2つの堰止め部6に略直交する基板2の端辺とで囲まれた矩形状の領域が封止領域10となる。基板2の端辺が封止領域10の境界となるのは、本実施形態での照明装置1が、1枚の大型基板から個別に分割されたものであるからである。このような製造方法について、詳細は後述するが、封止樹脂9は、ディスペンサなどにより、発光素子3が実装された基板2表面に注入される。このとき、注入量は一定であるので、封止樹脂9をエッジ部分6aにより堰き止めることにより、封止樹脂9が一定の封止領域10を底面とする立体形状となり、この立体形状は、封止樹脂の組成が同じ限り常に同じ形状となる。また、流動状態の封止樹脂9を実質的に堰き止めるエッジ部分6aは、堰止め部6に1つ設けることが好ましい。
【0059】
これにより、堰止め部6の1つのエッジ部分6aで確実に封止樹脂9が堰き止められ、封止樹脂9の形状制御が容易となり、色度ばらつきを抑制することができる。エッジ部分6aを1つ設けた場合、封止樹脂9の堰き止められる位置が1つのエッジ部分6aに決まるので、より形状制御を行いやすい。
【0060】
本実施形態では、堰止め部6は、基板2の表面上に帯状に設けられており、この場合エッジ部分となり得るのは、発光素子3に近い側と発光素子3から遠い側の2箇所である。このうち、1つのエッジ部分6aとする場合は、発光素子3から遠い側のエッジ部分6aを用いる。そのため、本実施形態では、発光素子3に近い側のエッジ部分には、さらに被覆樹脂7によってこのエッジ部分を被覆し、流動状態の封止樹脂9が発光素子3に近い側のエッジ部分では堰き止められないようにしている。
【0061】
図3は、堰止め部6の断面形状を示す図である。図3では、流れ方向を矢符Aで示している。図3(a)に示す例では、流れ方向手前側、すなわち発光素子3に近い側のエッジ部分6bは低く、流れ方向奥側、すなわち発光素子3に遠い側のエッジ部分6aは高く設ける。これにより堰止め部6の上面は、流れ方向手前から奥に向かって高くなるように傾斜する。
【0062】
このように傾斜させた形状の場合、流れ方向手前側のエッジ部分6aでは、堰き止められず流れ方向奥側のエッジ部分6aで封止樹脂9の流れが堰き止められる。上面を傾斜させることで、エッジ部分6aにおける表面張力に、上面による流れの阻止が加わり、エッジ部分6aでより確実に堰き止めることができる。
【0063】
図3(b)は、図1,2で示した堰止め部6であり、流れ方向手前側、すなわち発光素子3に近い側のエッジ部分6bは、被覆樹脂7により被覆されている。
【0064】
また、上記では、堰止め部6に設けられるエッジ部分6aは1つ設ける構成としたが、複数設けることも可能である。複数設けた場合は、たとえばディスペンサからの注入量を調整することで、複数もうけられたエッジ部分6aのうち、選択した1つのエッジ部分6aで堰き止められるようにする。
【0065】
照明装置1は、使用目的などにより同じ白色光であっても発光される光の色あいを変化させる場合がある。このような場合、所望の色合いに合うように蛍光体を配合した封止樹脂を、色合いごとに用意しなければならず、封止樹脂を複数種類用意しなければならないといった面倒なことが生じる。
【0066】
エッジ部分6aの位置を変更すると封止領域が変化するので、その結果封止樹脂の形状が変化する。
【0067】
したがって、堰止め部6にエッジ部分6aを複数設けることで色合いの変化に対応するように、封止樹脂の立体形状を制御することができる。
【0068】
図4は、エッジ部分を複数設けた堰止め部6の断面形状を示す図である。図4(a)は、階段状の形状を示し、流れ方向手前側に低い段差を設け、流れ方向奥側に高い段差を設けている。このような形状の堰止め部6は、幅が異なる板状の樹脂を、流れ方向奥側の端面を揃えるように積層することで形成できる。
【0069】
図4(b)は、幅方向中央部に凹所11を設け、凹所11の開口がエッジ部分となる。このような形状の堰止め部6は、硬化前の状態でエッジを有する凸状の治具にて幅方向中央部に型押しすることで得られる。
【0070】
図5は、本発明の他の実施形態である照明装置20の構成を示す断面図である。
本実施形態では、発光素子3からの距離が異なる堰止め部6を複数設けることを特徴としている。
【0071】
本実施形態では、発光素子3からの距離が異なる3つの堰止め部6を複数設けている。発光素子3からの距離が最も近い堰止め部6を第1堰止め部とし、第1堰止め部6の次に近いものを第2堰止め部12とし、最も離れたものを第3堰止め部13とする。第1〜第3堰止め部のいずれを用いるかによって、封止樹脂9の量、立体形状を異ならせることができる。
【0072】
図5(a)は、ディスペンサからの注入量を最も少なくした場合である。第1堰止め部6によって封止樹脂9が堰き止められるように、封止樹脂9を注入した場合、封止樹脂9の量は最も少なくなる。図5(b)は、ディスペンサからの注入量を2番目に少なくした場合である。第2堰止め部12によって封止樹脂9が堰き止められるように、封止樹脂9を注入した場合、封止樹脂9の量は2番目に少なくなる。図5(c)は、ディスペンサからの注入量を最も多くした場合である。第3堰止め部13によって封止樹脂9が堰き止められるように、封止樹脂9を注入した場合、封止樹脂9の量は最も多くなる。
【0073】
上記のように、発光される光の色あいを変化させる場合、発光素子3からの距離が異なる堰止め部を用いると、封止領域が変化するので、その結果封止樹脂の形状が変化する。
【0074】
したがって、堰止め部6にエッジ部分6aを複数設けることで色合いの変化に対応するように、封止樹脂の立体形状を制御することができる。
【0075】
図6は、本発明の他の実施形態である照明装置30の構成を示す平面図である。
本実施形態では、複数の発光素子3が実装された構成である。1つの発光素子3に接続される配線4と、これに隣接する発光素子3に接続される配線4とは、発光素子3を中心にして互いに反転した配置位置に設けられる。
【0076】
配線4は、発光素子3の極性に対応するためアノード接続用とカソード接続用とで配線が分離される。一般的には発光素子3が搭載された配線と、そうでない配線との間に隙間が空けられている。この隙間は発光素子3を中心には設定されておらず、発光素子3よりどちらかにずれた位置に配置されることが多い。その結果、発光素子3を中心に見た場合に、配線間の隙間が一方側の偏った位置に設けられることになる。
【0077】
このような配置の配線上に封止樹脂を注入した場合、配線のエッジ部分で表面張力により堰き止めされる部分が発生し、発光素子3上から封止樹脂の注入を行っても樹脂流れに偏りが発生し、封止樹脂の形状が不均一になる。
【0078】
したがって、隣接する発光素子3に接続される配線4同士を、発光素子3を中心にして互いに反転した配置位置に設けると、基板2表面において、封止樹脂が流れやすい箇所と、流れにくい箇所の偏りをなくし、注入された封止樹脂9の流れを均一にすることができる。
【0079】
図7は、供給された封止樹脂9の流れを模式的に表わした図である。
発光素子3上から注入された封止樹脂9は、発光素子3を中心に流れ始め、配線間の隙間において流れに抵抗が発生する。図7に示すように、一部の封止樹脂9の流れ31を見ると、流れに偏りがあるように見えるが、他の部分における封止樹脂9の流れ32,33を見ると、配線4の反転に伴って樹脂流れも反転しており、その結果全体としては、樹脂の流れは均一化される。
【0080】
これにより、封止樹脂9の立体形状も均一化され、形状に起因する色度のばらつきを抑制することができる。
【0081】
図8は、封止樹脂の注入工程を示す図である。
封止樹脂9を定量吐出するためのディスペンサノズル40を発光素子3の上方に配置し(図8(a))、発光素子3に向けて未硬化で流動状態の封止樹脂9を注入する図8(b))。
【0082】
一定量が注入されるとノズル40からの吐出が終了し、その後封止樹脂9が基板2の表面に沿って流れる。この樹脂流れは、予め定められる封止領域に広がったのち、堰止め部6によって堰き止められる(図8(c))。
【0083】
封止樹脂9の流れが収まったのちは、封止樹脂を硬化すべく、熱硬化処理、光硬化処理などを施して、封止樹脂9を硬化させる。
【0084】
最後に、必要に応じて基板の分割を行い、本発明の照明装置1を得る。
図9は、分割前の大型基板50を示す斜視図である。
【0085】
大型基板50には、複数の発光素子3と、配線4が設けられ、発光素子3と配線4とがボンディングワイヤ5によって接続されている。発光素子3は、基板50の一辺に沿って直線上に配列され、この配列が複数列設けられている。
【0086】
封止樹脂9は、直線上に配列された複数の発光素子3を、その配列方向に沿って一体的に封止している。
【0087】
このような大型基板50を、発光素子3の配列方向とは直交する方向に、大型基板50の他辺に平行に切断する。切断箇所は、隣接する発光素子3間を切断するように設けられる。
【0088】
図10は、本発明の他の実施形態である照明装置60の構成を示す図である。図10(a)は斜視図であり、図10(b)は正面図である。
【0089】
照明装置60は、複数の発光素子3が直線状に並んで配列された線光源用の照明装置である。これら複数の発光素子3は、たとえば液晶ディスプレイに備えられるサイドライト型バックライト装置に好適に用いられる。発光素子3からの光は、そのほとんどが基板2に垂直な方向に向けて出射され、蛍光物質を励起させて蛍光を発光させる。このとき蛍光も発光素子3からの出射光と同様に、基板2の垂直な方向に向かって放射される。したがって、照明装置60を用いることで、基板2に沿って、基板2に垂直な方向に発光する線光源として機能する。
【0090】
図11は、本発明の他の実施形態である照明装置70の構成を示す図である。図11(a)は斜視図であり、図11(b)は正面図である。本実施形態では、封止樹脂9をさらに覆う透明樹脂14を設けている。透明樹脂14は、封止樹脂9の表面全体を覆うとともに、発光素子3ごとに設けられる複数の封止樹脂9を、一体化するように覆っている。
【0091】
透明樹脂14は、封止樹脂9と同様に、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂で構成されるが、蛍光物質は含んでいない。このような透明樹脂14は、封止樹脂9を保護したり、放射される蛍光を内部で反射および拡散させて、光のむらをなくした均一な線光源を実現することができる。
【0092】
透明樹脂14は、図9で示した分割前の大型基板50の状態で、周縁部を残してほぼ一面に設けられ、分割時に封止樹脂9と同様に切断される。透明樹脂14を設ける場合は、封止樹脂9を注入したのち、封止樹脂9を完全には硬化させない状態で、引き続いて封止樹脂9全体を覆うように透明樹脂14を流し込んで、封止樹脂9と透明樹脂14とを同時に硬化させる。
【0093】
このようにすることで、封止樹脂9と透明樹脂14との間に明確な界面が発生することを防ぐことができ、界面による発光光の色むらを抑制することができる。
【0094】
図12は、本発明のさらに他の実施形態である製造方法を示す図である。
本実施形態では、封止樹脂9を設けるにあたって、上記のようにディスペンサによる注入と、基板2表面での流動によって形状を制御するのではなく、凹状の金型を用いて成型する。
【0095】
基板2上に、配線4、堰止め部6を設け、発光素子3と配線4とをボンディングワイヤ5で電気的に接続した状態で、基板2と凹状の金型80と位置合わせして重ね合わせる(図12(a))。このとき、堰止め部6は、金型80と基板2との間にあって、金型内に注入する封止樹脂が漏れ出さないようにシール部材として機能する(図12(b))。
【0096】
その後、加熱、光照射などによって金型80内で封止樹脂9を硬化させたのち、金型80を基板2から分離し、照明装置1を得る。
【0097】
堰止め部6は、樹脂で構成されるので弾力性を有しており、金型80を基板2に押しあてたときにシール部材として有効に機能する。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の実施の一形態である照明装置1の構成を示す断面図である。
【図2】照明装置1の平面図である。
【図3】堰止め部6の断面形状を示す図である。
【図4】エッジ部分を複数設けた堰止め部6の断面形状を示す図である。
【図5】本発明の他の実施形態である照明装置20の構成を示す断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態である照明装置30の構成を示す平面図である。
【図7】供給された封止樹脂9の流れを模式的に表わした図である。
【図8】封止樹脂の注入工程を示す図である。
【図9】分割前の大型基板50を示す斜視図である。
【図10】本発明の他の実施形態である照明装置60の構成を示す図である
【図11】本発明の他の実施形態である照明装置70の構成を示す図である。
【図12】本発明のさらに他の実施形態である製造方法を示す図である。
【符号の説明】
【0099】
1 照明装置
2 基板
3 発光素子
4 配線
5 ボンディングワイヤ
6 堰止め部
8 接着層
9 封止樹脂
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に実装された発光素子を樹脂で封止した照明装置、バックライト装置および照明装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置のバックライト光源としては、冷陰極管と反射板など面発光手段とを備えた光源が用いられていたが、消費電力が小さく、寿命も長いなどの観点からLED(
Light Emitting Diode)を用いた光源が用いられるようになっている。特に携帯電話機などの小型の液晶表示装置では、その殆どがLEDを光源として用いたバックライト照明である。
【0003】
バックライト照明用のLEDは青色光を出射する発光素子を搭載し、その周囲を、黄色蛍光を発光する蛍光剤を混入した透明樹脂にて封止している。バックライト照明として発光する場合は、LEDからの光を面発光に変換するため、複数のLEDにより導光板のエッジ部分から光を入射し、底面に設けられた反射構造によりその光の進行方向が変化して上面の発光面より液晶パネルの裏側に向かって面状の光が放射される。
【0004】
導光板の裏面側には光を反射させるための反射シートが、発光面上には光拡散や光の方向性を制御する光学シートが備えられており、高輝度および輝度ばらつきを抑えるような構造となっている。
【0005】
特許文献1記載の発光装置は、発光ダイオードを覆う透明樹脂層が、蛍光体を含む第1樹脂層と蛍光体を含まない第2樹脂層とを有し、第2樹脂層は、その上面がレンズを形成するように曲面状に加工されている。第1樹脂はライン塗布法によって形成され、流れ出しを防止するためにレジストからなる壁を設けたり、溝を形成したり、絶縁基板を高くして段差を設けたりしている。
【0006】
特許文献2では、金属体の枠の開口部の上部に形成された樹脂のダムを設け、樹脂のダムの内側に透光性樹脂を滴下してLED素子などを封止している。
【0007】
特許文献3では、LEDベアチップが実装された基板上に反射板を取り付け、反射板に設けられた孔に樹脂封入体を流し込んで、レンズ板を形成している。
【0008】
特許文献4記載のLEDでは、シリコン樹脂のダムによって光拡散樹脂の形成範囲を小さくするとともに、ダムの形状を適宜選択することで光拡散樹脂の上面形状を自由に設計している。
【0009】
【特許文献1】特開2006−229055号公報
【特許文献2】特開2006−332618号公報
【特許文献3】特開2004−241729号公報
【特許文献4】特開平5−290669号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
液晶表示装置などのバックライトに使用する光源は白色発光であるが、LEDの場合は上記のように青色発光の発光素子と、黄色蛍光を発光する蛍光剤を含んだ樹脂とを組み合わせて白色光を得るのが一般的である。この場合、蛍光剤の配合量を変えることで青色よりの白色光に設定したり、黄色よりの白色光に設定したりすることが可能であるが、逆に言えば、蛍光剤の配合量がばらつくことで色度ばらつきの原因となってしまう。
【0011】
凹部形状の型を用いて、その中に発光素子を入れて周囲を蛍光剤入り樹脂で封止する場合は、樹脂量を凹部形状の容量で制御することが可能であり、形状も凹部形状に倣うことになるので、容量および形状のばらつきが小さくて済む。これに対して平面基板上に実装された発光素子に樹脂をポッティングして封止する場合は、硬化する前の樹脂が流れてしまうことで蛍光剤入り樹脂の形状制御が難しく、結果的に色度ばらつきを発生させる原因となっている。基板上の配線パターンの端部エッジを利用して樹脂の流れを止める方法も考えられるが、配線パターンの設計に制約され、自由に位置を決めて樹脂止めを行うことができないといった問題がある。
【0012】
本発明の目的は、封止樹脂の形状制御を容易に行うことができる照明装置、バックライト装置および照明装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、配線が設けられた平面基板上に、前記配線に電気的に接続された発光素子が搭載され、前記発光素子が封止樹脂によって封止される照明装置において、
前記平面基板上に、前記封止樹脂の流れを堰き止める堰止め部が設けられ、この堰止め部は、上面に1つのエッジ部分を備えることを特徴とする照明装置である。
【0014】
また本発明は、前記エッジ部分は、流動状態の封止樹脂が流れる流れ方向に対して直交し、前記流れ方向外側に設けられることを特徴とする。
【0015】
また本発明は、前記堰止め部は、フォトレジストで構成されることを特徴とする。
また本発明は、前記発光素子は、青色光または紫外光を出射し、
前記封止樹脂は、前記発光素子から出射される光によって励起されて蛍光を発光する蛍光体を含むことを特徴とする。
【0016】
また本発明は、前記発光素子からの距離が異なる堰止め部を複数設けることを特徴とする。
【0017】
また本発明は、前記封止樹脂全体をさらに覆うように透明樹脂が設けられることを特徴とする。
【0018】
また本発明は、複数の発光素子が一直線状に配列されて設けられることを特徴とする。
また本発明は、複数の発光素子を備え、互いに隣接する発光素子にそれぞれ接続される配線同士は、発光素子を中心にして互いに反転した配置位置に設けられることを特徴とする。
【0019】
また本発明は、前記照明装置を備えることを特徴とするバックライト装置である。
また本発明は、配線が設けられた平面基板上に、前記配線に電気的に接続された発光素子が搭載され、前記発光素子が封止樹脂によって封止される照明装置の製造方法において、
前記平面基板上に、上面に1つのエッジ部分を備える堰止め部を設け、
流動状態の封止樹脂を前記平面基板上に、前記堰止め部によって堰き止められる量だけ供給し、
前記封止樹脂を硬化させることを特徴とする照明装置の製造方法である。
【0020】
また本発明は、前記堰止め部は、前記平面基板上に帯状の樹脂を塗布し、その樹脂を硬化させる前に、エッジを有する凸状の部材にて幅方向中央部に型押しすることで設けられることを特徴とする。
【0021】
また本発明は、前記堰止め部は、前記平面基板上に帯状の樹脂を塗布し、その樹脂を硬化させた後に、一部を研削することでエッジ部分を設けたことを特徴とする。
【0022】
また本発明は、前記堰止め部は、前記平面基板上に帯状の樹脂を塗布し、その樹脂を硬化させた後に、流動状態の封止樹脂が流れる流れ方向内側のエッジ部分を樹脂で被覆して前記流れ方向外側にエッジ部分を設けたことを特徴とする。
【0023】
また本発明は、前記堰止め部は、予め形成した、上面に1つのエッジ部分を備える帯状部材を前記平面基板上に貼り付けて設けられることを特徴とする。
【0024】
また本発明は、基板表面に発光素子を実装し、金型を使用して発光素子の封止樹脂を成型する照明装置の製造方法において、
前記封止樹脂の注型時に、前記金型と前記基板表面との間に、前記封止樹脂の流れを堰き止める堰止め部が設けられることを特徴とする照明装置の製造方法である。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、平面基板上に、封止樹脂の流れを堰き止める堰止め部が設けられ、この堰止め部は、上面に1つのエッジ部分を備える。
【0026】
これにより、堰止め部の1つのエッジ部分で確実に封止樹脂が堰き止められ、封止樹脂の形状制御が容易となり、色度ばらつきを抑制することができる。
【0027】
また本発明によれば、前記エッジ部分は、流動状態の封止樹脂が流れる流れ方向に対して直交し、前記流れ方向外側に設けられる。
【0028】
これにより、流動状態の封止樹脂の流れを、エッジ部分で確実に堰き止めることができる。
【0029】
また本発明によれば、前記堰止め部は、フォトレジストで構成される。フォトレジストは、半導体製造工程で用いられる樹脂であり、この樹脂を用いることで、堰止め部を設ける工程を他の製造工程と兼ねることができる。
【0030】
また本発明によれば、前記発光素子は、青色光または紫外光を出射し、前記封止樹脂は、前記発光素子から出射される光によって励起されて蛍光を発光する蛍光体を含む。
これにより、白色光を発光することができる。
【0031】
また本発明によれば、前記発光素子からの距離が異なる堰止め部を複数設ける。
発光素子からの距離が異なる堰止め部を用いて、封止樹脂の形状を変化させることができ、これにより、発光される光の色あいを変化させることができる。
【0032】
また本発明によれば、前記封止樹脂全体をさらに覆うように透明樹脂が設けられる。
この透明樹脂により、封止樹脂を保護したり、放射される蛍光を内部で反射および拡散させて、光のむらをなくした均一な光源を実現することができる。
【0033】
また本発明によれば、複数の発光素子が一直線状に配列されて設けられることにより、サイドライト型バックライト装置などに好適な線光源を実現することができる。
【0034】
また本発明によれば、複数の発光素子を備え、互いに隣接する発光素子にそれぞれ接続される配線同士は、発光素子を中心にして互いに反転した配置位置に設けられる。
【0035】
これにより、平面基板の表面において、封止樹脂が流れやすい箇所と、流れにくい箇所の偏りをなくし、注入された封止樹脂の流れを均一にすることができる。
【0036】
また本発明によれば、上記の照明装置を備えることで、色度のばらつきがないバックライト装置を実現できる。
【0037】
また本発明によれば、前記平面基板上に、上面に1つのエッジ部分を備える堰止め部を設け、流動状態の封止樹脂を前記平面基板上に、前記堰止め部によって堰き止められる量だけ供給し、前記封止樹脂を硬化させる。
【0038】
これにより、堰止め部の1つのエッジ部分で確実に封止樹脂が堰き止められ、封止樹脂の形状制御が容易となり、色度ばらつきが抑制された照明装置を提供することができる。
【0039】
また本発明によれば、前記堰止め部は、前記平面基板上に帯状の樹脂を塗布し、その樹脂を硬化させる前に、エッジを有する凸状の部材にて幅方向中央部に型押しすることで容易に設けることができる。
【0040】
また本発明によれば、前記堰止め部は、前記平面基板上に帯状の樹脂を塗布し、その樹脂を硬化させた後に、一部を研削することで容易にエッジ部分を設けることができる。
【0041】
また本発明によれば、前記堰止め部は、前記平面基板上に帯状の樹脂を塗布し、その樹脂を硬化させた後に、流動状態の封止樹脂が流れる流れ方向内側のエッジ部分を樹脂で被覆して前記流れ方向外側に容易にエッジ部分を設けることができる。
【0042】
また本発明によれば、前記堰止め部は、予め形成した、上面に1つのエッジ部分を備える帯状部材を前記平面基板上に貼り付けることで容易に設けられる。
【0043】
また本発明によれば、封止樹脂の注型時に、金型と基板表面との間に、前記封止樹脂の流れを堰き止める堰止め部を設けることで、封止樹脂の漏れを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
図1は、本発明の実施の一形態である照明装置1の構成を示す断面図であり、図2は、照明装置1の平面図である。
【0045】
照明装置1は、基板2上に、配線4がパターン化されて設けられており、配線4の所定の領域に、発光素子3が、接着層8を介して実装されている。発光素子3の各電極と、基板2上に設けられた配線4とは、ボンディングワイヤ5を介して電気的に接続されている。
【0046】
発光素子3、ボンディングワイヤ5および配線4を被覆するように封止樹脂9が設けられる。封止樹脂9は、基板2表面に形成された堰止め部6によって、未硬化状態のときの流動による広がりが制限される。
【0047】
基板2は、絶縁性を有し、その表面に配線4を形成可能であれば特に限定することなく使用することができる。たとえば、ガラスエポキシなどプリント基板用材料、ポリイミドなどフレキシブルプリント基板材料のほか、ガラス基板などを用いることができる。
【0048】
発光素子3は、発光波長が青色光の波長帯域430〜480nmまたは紫外光の波長帯域350〜420nmのLEDを使用することができ、青色発光LEDを用いることが好ましい。
【0049】
配線4は、基板2上にパターン化可能な金属材料であれば特に限定することなく使用することができる。たとえば、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケルなどが挙げられる。金属材料をパターン化する方法としては、既存の半導体製造技術を利用することができる。たとえば、基板2表面に張り付けた金属箔、CVDなどで成膜した金属薄膜、無電解めっきまたは電解めっきにより設けた金属めっき層を、エッチングによりパターン化する方法などを使用することができる。
【0050】
配線4は、実装される発光素子3と電気的に接続され、装置外部の電源から発光素子に対して給電するための電源配線として用いられる。したがって、配線4は少なくとも発光素子3のアノード端子接続用の配線と、カソード端子接続用の配線との2種類が設けられる。
【0051】
発光素子3と配線4との電気的接続は、たとえばワイヤボンディングによって行われる。ワイヤボンディングでは、発光素子3の接続用端子と配線4とをアルミニウム、金などのボンディングワイヤ5で超音波振動により接合する。
【0052】
発光素子3は、基板2上に実装されるが、たとえば本実施形態のように、配線4上に実装される場合は、発光素子3と配線4とを電気的に絶縁するほうが好ましい。したがって、接着層4としては、エポキシ樹脂にフィラーなどを混ぜた絶縁性のボンディングペーストなどを用いることができる。
【0053】
なお、発光素子3を基板2表面に直接実装する場合は、絶縁性に限らずはんだペーストなど導電性の接着層を介して実装してもよい。
【0054】
堰止め部6は、基板2表面に設けられ、硬化前の流動性を有する封止樹脂9を堰き止めることで、予め定める封止領域内に封止樹脂を留める機能を有している。堰止め部6は、通常の半導体製造工程で用いられるフォトレジストであるエポキシ樹脂、シリコーン樹脂などと同様にパターン形成されてもよく、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂などを別途所定の形状に成型したものを貼り付けるようにして設けてもよい。
【0055】
堰止め部6は、基板2表面からの高さがたとえば、20μm〜50μmで形成され、幅がたとえば300μm〜600μmで形成される。
【0056】
封止樹脂9は、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂に、蛍光物質を分散させたものを用いる。蛍光物質は、発光素子3から出射される青色光によって励起されて、黄色蛍光を発光する蛍光物質であればよく、たとえば、YAG系やケイ酸塩系の蛍光物質などを用いることができる。
【0057】
堰止め部6は、発光素子3から堰止め部6に向かう方向に対して略垂直に伸びるエッジ部分6aを有する。発光素子3から堰止め部6に向かう方向とは、すなわち流動状態の封止樹脂8が流れようとする方向(流れ方向)であり、この流れ方向に対して略直交するようにエッジ部分6aを設けることで、流動状態の封止樹脂9の流れを封止樹脂9の表面張力によって堰き止め、封止領域に封止樹脂6を確実に堰き止めることができる。
【0058】
封止領域は、堰止め部6により囲まれ、より詳細にはエッジ部分6aにより囲まれる領域である。本実施形態では、発光素子3を挟んで設けられた2つの堰止め部6と、これら2つの堰止め部6に略直交する基板2の端辺とで囲まれた矩形状の領域が封止領域10となる。基板2の端辺が封止領域10の境界となるのは、本実施形態での照明装置1が、1枚の大型基板から個別に分割されたものであるからである。このような製造方法について、詳細は後述するが、封止樹脂9は、ディスペンサなどにより、発光素子3が実装された基板2表面に注入される。このとき、注入量は一定であるので、封止樹脂9をエッジ部分6aにより堰き止めることにより、封止樹脂9が一定の封止領域10を底面とする立体形状となり、この立体形状は、封止樹脂の組成が同じ限り常に同じ形状となる。また、流動状態の封止樹脂9を実質的に堰き止めるエッジ部分6aは、堰止め部6に1つ設けることが好ましい。
【0059】
これにより、堰止め部6の1つのエッジ部分6aで確実に封止樹脂9が堰き止められ、封止樹脂9の形状制御が容易となり、色度ばらつきを抑制することができる。エッジ部分6aを1つ設けた場合、封止樹脂9の堰き止められる位置が1つのエッジ部分6aに決まるので、より形状制御を行いやすい。
【0060】
本実施形態では、堰止め部6は、基板2の表面上に帯状に設けられており、この場合エッジ部分となり得るのは、発光素子3に近い側と発光素子3から遠い側の2箇所である。このうち、1つのエッジ部分6aとする場合は、発光素子3から遠い側のエッジ部分6aを用いる。そのため、本実施形態では、発光素子3に近い側のエッジ部分には、さらに被覆樹脂7によってこのエッジ部分を被覆し、流動状態の封止樹脂9が発光素子3に近い側のエッジ部分では堰き止められないようにしている。
【0061】
図3は、堰止め部6の断面形状を示す図である。図3では、流れ方向を矢符Aで示している。図3(a)に示す例では、流れ方向手前側、すなわち発光素子3に近い側のエッジ部分6bは低く、流れ方向奥側、すなわち発光素子3に遠い側のエッジ部分6aは高く設ける。これにより堰止め部6の上面は、流れ方向手前から奥に向かって高くなるように傾斜する。
【0062】
このように傾斜させた形状の場合、流れ方向手前側のエッジ部分6aでは、堰き止められず流れ方向奥側のエッジ部分6aで封止樹脂9の流れが堰き止められる。上面を傾斜させることで、エッジ部分6aにおける表面張力に、上面による流れの阻止が加わり、エッジ部分6aでより確実に堰き止めることができる。
【0063】
図3(b)は、図1,2で示した堰止め部6であり、流れ方向手前側、すなわち発光素子3に近い側のエッジ部分6bは、被覆樹脂7により被覆されている。
【0064】
また、上記では、堰止め部6に設けられるエッジ部分6aは1つ設ける構成としたが、複数設けることも可能である。複数設けた場合は、たとえばディスペンサからの注入量を調整することで、複数もうけられたエッジ部分6aのうち、選択した1つのエッジ部分6aで堰き止められるようにする。
【0065】
照明装置1は、使用目的などにより同じ白色光であっても発光される光の色あいを変化させる場合がある。このような場合、所望の色合いに合うように蛍光体を配合した封止樹脂を、色合いごとに用意しなければならず、封止樹脂を複数種類用意しなければならないといった面倒なことが生じる。
【0066】
エッジ部分6aの位置を変更すると封止領域が変化するので、その結果封止樹脂の形状が変化する。
【0067】
したがって、堰止め部6にエッジ部分6aを複数設けることで色合いの変化に対応するように、封止樹脂の立体形状を制御することができる。
【0068】
図4は、エッジ部分を複数設けた堰止め部6の断面形状を示す図である。図4(a)は、階段状の形状を示し、流れ方向手前側に低い段差を設け、流れ方向奥側に高い段差を設けている。このような形状の堰止め部6は、幅が異なる板状の樹脂を、流れ方向奥側の端面を揃えるように積層することで形成できる。
【0069】
図4(b)は、幅方向中央部に凹所11を設け、凹所11の開口がエッジ部分となる。このような形状の堰止め部6は、硬化前の状態でエッジを有する凸状の治具にて幅方向中央部に型押しすることで得られる。
【0070】
図5は、本発明の他の実施形態である照明装置20の構成を示す断面図である。
本実施形態では、発光素子3からの距離が異なる堰止め部6を複数設けることを特徴としている。
【0071】
本実施形態では、発光素子3からの距離が異なる3つの堰止め部6を複数設けている。発光素子3からの距離が最も近い堰止め部6を第1堰止め部とし、第1堰止め部6の次に近いものを第2堰止め部12とし、最も離れたものを第3堰止め部13とする。第1〜第3堰止め部のいずれを用いるかによって、封止樹脂9の量、立体形状を異ならせることができる。
【0072】
図5(a)は、ディスペンサからの注入量を最も少なくした場合である。第1堰止め部6によって封止樹脂9が堰き止められるように、封止樹脂9を注入した場合、封止樹脂9の量は最も少なくなる。図5(b)は、ディスペンサからの注入量を2番目に少なくした場合である。第2堰止め部12によって封止樹脂9が堰き止められるように、封止樹脂9を注入した場合、封止樹脂9の量は2番目に少なくなる。図5(c)は、ディスペンサからの注入量を最も多くした場合である。第3堰止め部13によって封止樹脂9が堰き止められるように、封止樹脂9を注入した場合、封止樹脂9の量は最も多くなる。
【0073】
上記のように、発光される光の色あいを変化させる場合、発光素子3からの距離が異なる堰止め部を用いると、封止領域が変化するので、その結果封止樹脂の形状が変化する。
【0074】
したがって、堰止め部6にエッジ部分6aを複数設けることで色合いの変化に対応するように、封止樹脂の立体形状を制御することができる。
【0075】
図6は、本発明の他の実施形態である照明装置30の構成を示す平面図である。
本実施形態では、複数の発光素子3が実装された構成である。1つの発光素子3に接続される配線4と、これに隣接する発光素子3に接続される配線4とは、発光素子3を中心にして互いに反転した配置位置に設けられる。
【0076】
配線4は、発光素子3の極性に対応するためアノード接続用とカソード接続用とで配線が分離される。一般的には発光素子3が搭載された配線と、そうでない配線との間に隙間が空けられている。この隙間は発光素子3を中心には設定されておらず、発光素子3よりどちらかにずれた位置に配置されることが多い。その結果、発光素子3を中心に見た場合に、配線間の隙間が一方側の偏った位置に設けられることになる。
【0077】
このような配置の配線上に封止樹脂を注入した場合、配線のエッジ部分で表面張力により堰き止めされる部分が発生し、発光素子3上から封止樹脂の注入を行っても樹脂流れに偏りが発生し、封止樹脂の形状が不均一になる。
【0078】
したがって、隣接する発光素子3に接続される配線4同士を、発光素子3を中心にして互いに反転した配置位置に設けると、基板2表面において、封止樹脂が流れやすい箇所と、流れにくい箇所の偏りをなくし、注入された封止樹脂9の流れを均一にすることができる。
【0079】
図7は、供給された封止樹脂9の流れを模式的に表わした図である。
発光素子3上から注入された封止樹脂9は、発光素子3を中心に流れ始め、配線間の隙間において流れに抵抗が発生する。図7に示すように、一部の封止樹脂9の流れ31を見ると、流れに偏りがあるように見えるが、他の部分における封止樹脂9の流れ32,33を見ると、配線4の反転に伴って樹脂流れも反転しており、その結果全体としては、樹脂の流れは均一化される。
【0080】
これにより、封止樹脂9の立体形状も均一化され、形状に起因する色度のばらつきを抑制することができる。
【0081】
図8は、封止樹脂の注入工程を示す図である。
封止樹脂9を定量吐出するためのディスペンサノズル40を発光素子3の上方に配置し(図8(a))、発光素子3に向けて未硬化で流動状態の封止樹脂9を注入する図8(b))。
【0082】
一定量が注入されるとノズル40からの吐出が終了し、その後封止樹脂9が基板2の表面に沿って流れる。この樹脂流れは、予め定められる封止領域に広がったのち、堰止め部6によって堰き止められる(図8(c))。
【0083】
封止樹脂9の流れが収まったのちは、封止樹脂を硬化すべく、熱硬化処理、光硬化処理などを施して、封止樹脂9を硬化させる。
【0084】
最後に、必要に応じて基板の分割を行い、本発明の照明装置1を得る。
図9は、分割前の大型基板50を示す斜視図である。
【0085】
大型基板50には、複数の発光素子3と、配線4が設けられ、発光素子3と配線4とがボンディングワイヤ5によって接続されている。発光素子3は、基板50の一辺に沿って直線上に配列され、この配列が複数列設けられている。
【0086】
封止樹脂9は、直線上に配列された複数の発光素子3を、その配列方向に沿って一体的に封止している。
【0087】
このような大型基板50を、発光素子3の配列方向とは直交する方向に、大型基板50の他辺に平行に切断する。切断箇所は、隣接する発光素子3間を切断するように設けられる。
【0088】
図10は、本発明の他の実施形態である照明装置60の構成を示す図である。図10(a)は斜視図であり、図10(b)は正面図である。
【0089】
照明装置60は、複数の発光素子3が直線状に並んで配列された線光源用の照明装置である。これら複数の発光素子3は、たとえば液晶ディスプレイに備えられるサイドライト型バックライト装置に好適に用いられる。発光素子3からの光は、そのほとんどが基板2に垂直な方向に向けて出射され、蛍光物質を励起させて蛍光を発光させる。このとき蛍光も発光素子3からの出射光と同様に、基板2の垂直な方向に向かって放射される。したがって、照明装置60を用いることで、基板2に沿って、基板2に垂直な方向に発光する線光源として機能する。
【0090】
図11は、本発明の他の実施形態である照明装置70の構成を示す図である。図11(a)は斜視図であり、図11(b)は正面図である。本実施形態では、封止樹脂9をさらに覆う透明樹脂14を設けている。透明樹脂14は、封止樹脂9の表面全体を覆うとともに、発光素子3ごとに設けられる複数の封止樹脂9を、一体化するように覆っている。
【0091】
透明樹脂14は、封止樹脂9と同様に、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂で構成されるが、蛍光物質は含んでいない。このような透明樹脂14は、封止樹脂9を保護したり、放射される蛍光を内部で反射および拡散させて、光のむらをなくした均一な線光源を実現することができる。
【0092】
透明樹脂14は、図9で示した分割前の大型基板50の状態で、周縁部を残してほぼ一面に設けられ、分割時に封止樹脂9と同様に切断される。透明樹脂14を設ける場合は、封止樹脂9を注入したのち、封止樹脂9を完全には硬化させない状態で、引き続いて封止樹脂9全体を覆うように透明樹脂14を流し込んで、封止樹脂9と透明樹脂14とを同時に硬化させる。
【0093】
このようにすることで、封止樹脂9と透明樹脂14との間に明確な界面が発生することを防ぐことができ、界面による発光光の色むらを抑制することができる。
【0094】
図12は、本発明のさらに他の実施形態である製造方法を示す図である。
本実施形態では、封止樹脂9を設けるにあたって、上記のようにディスペンサによる注入と、基板2表面での流動によって形状を制御するのではなく、凹状の金型を用いて成型する。
【0095】
基板2上に、配線4、堰止め部6を設け、発光素子3と配線4とをボンディングワイヤ5で電気的に接続した状態で、基板2と凹状の金型80と位置合わせして重ね合わせる(図12(a))。このとき、堰止め部6は、金型80と基板2との間にあって、金型内に注入する封止樹脂が漏れ出さないようにシール部材として機能する(図12(b))。
【0096】
その後、加熱、光照射などによって金型80内で封止樹脂9を硬化させたのち、金型80を基板2から分離し、照明装置1を得る。
【0097】
堰止め部6は、樹脂で構成されるので弾力性を有しており、金型80を基板2に押しあてたときにシール部材として有効に機能する。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の実施の一形態である照明装置1の構成を示す断面図である。
【図2】照明装置1の平面図である。
【図3】堰止め部6の断面形状を示す図である。
【図4】エッジ部分を複数設けた堰止め部6の断面形状を示す図である。
【図5】本発明の他の実施形態である照明装置20の構成を示す断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態である照明装置30の構成を示す平面図である。
【図7】供給された封止樹脂9の流れを模式的に表わした図である。
【図8】封止樹脂の注入工程を示す図である。
【図9】分割前の大型基板50を示す斜視図である。
【図10】本発明の他の実施形態である照明装置60の構成を示す図である
【図11】本発明の他の実施形態である照明装置70の構成を示す図である。
【図12】本発明のさらに他の実施形態である製造方法を示す図である。
【符号の説明】
【0099】
1 照明装置
2 基板
3 発光素子
4 配線
5 ボンディングワイヤ
6 堰止め部
8 接着層
9 封止樹脂
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線が設けられた平面基板上に、前記配線に電気的に接続された発光素子が搭載され、前記発光素子が封止樹脂によって封止される照明装置において、
前記平面基板上に、前記封止樹脂の流れを堰き止める堰止め部が設けられ、この堰止め部は、上面に1つのエッジ部分を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記エッジ部分は、流動状態の封止樹脂が流れる流れ方向に対して直交し、前記流れ方向外側に設けられることを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記堰止め部は、フォトレジストで構成されることを特徴とする請求項1または2記載の照明装置。
【請求項4】
前記発光素子は、青色光または紫外光を出射し、
前記封止樹脂は、前記発光素子から出射される光によって励起されて蛍光を発光する蛍光体を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項5】
前記発光素子からの距離が異なる堰止め部を複数設けることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項6】
前記封止樹脂全体をさらに覆うように透明樹脂が設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項7】
複数の発光素子が一直線状に配列されて設けられることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項8】
複数の発光素子を備え、互いに隣接する発光素子にそれぞれ接続される配線同士は、発光素子を中心にして互いに反転した配置位置に設けられることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1つに記載の照明装置を備えることを特徴とするバックライト装置。
【請求項10】
配線が設けられた平面基板上に、前記配線に電気的に接続された発光素子が搭載され、前記発光素子が封止樹脂によって封止される照明装置の製造方法において、
前記平面基板上に、上面に1つのエッジ部分を備える堰止め部を設け、
流動状態の封止樹脂を前記平面基板上に、前記堰止め部によって堰き止められる量だけ供給し、
前記封止樹脂を硬化させることを特徴とする照明装置の製造方法。
【請求項11】
前記堰止め部は、前記平面基板上に帯状の樹脂を塗布し、その樹脂を硬化させる前に、エッジを有する凸状の部材にて幅方向中央部に型押しすることで設けられることを特徴とする請求項10記載の照明装置の製造方法。
【請求項12】
前記堰止め部は、前記平面基板上に帯状の樹脂を塗布し、その樹脂を硬化させた後に、一部を研削することでエッジ部分を設けたことを特徴とする請求項10記載の照明装置の製造方法。
【請求項13】
前記堰止め部は、前記平面基板上に帯状の樹脂を塗布し、その樹脂を硬化させた後に、流動状態の封止樹脂が流れる流れ方向内側のエッジ部分を樹脂で被覆して前記流れ方向外側にエッジ部分を設けたことを特徴とする請求項10記載の照明装置の製造方法。
【請求項14】
前記堰止め部は、予め形成した、上面に1つのエッジ部分を備える帯状部材を前記平面基板上に貼り付けて設けられることを特徴とする請求項10記載の照明装置の製造方法。
【請求項15】
基板表面に発光素子を実装し、金型を使用して発光素子の封止樹脂を成型する照明装置の製造方法において、
前記封止樹脂の注型時に、前記金型と前記基板表面との間に、前記封止樹脂の流れを堰き止める堰止め部が設けられることを特徴とする照明装置の製造方法。
【請求項1】
配線が設けられた平面基板上に、前記配線に電気的に接続された発光素子が搭載され、前記発光素子が封止樹脂によって封止される照明装置において、
前記平面基板上に、前記封止樹脂の流れを堰き止める堰止め部が設けられ、この堰止め部は、上面に1つのエッジ部分を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記エッジ部分は、流動状態の封止樹脂が流れる流れ方向に対して直交し、前記流れ方向外側に設けられることを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記堰止め部は、フォトレジストで構成されることを特徴とする請求項1または2記載の照明装置。
【請求項4】
前記発光素子は、青色光または紫外光を出射し、
前記封止樹脂は、前記発光素子から出射される光によって励起されて蛍光を発光する蛍光体を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項5】
前記発光素子からの距離が異なる堰止め部を複数設けることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項6】
前記封止樹脂全体をさらに覆うように透明樹脂が設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項7】
複数の発光素子が一直線状に配列されて設けられることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項8】
複数の発光素子を備え、互いに隣接する発光素子にそれぞれ接続される配線同士は、発光素子を中心にして互いに反転した配置位置に設けられることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1つに記載の照明装置を備えることを特徴とするバックライト装置。
【請求項10】
配線が設けられた平面基板上に、前記配線に電気的に接続された発光素子が搭載され、前記発光素子が封止樹脂によって封止される照明装置の製造方法において、
前記平面基板上に、上面に1つのエッジ部分を備える堰止め部を設け、
流動状態の封止樹脂を前記平面基板上に、前記堰止め部によって堰き止められる量だけ供給し、
前記封止樹脂を硬化させることを特徴とする照明装置の製造方法。
【請求項11】
前記堰止め部は、前記平面基板上に帯状の樹脂を塗布し、その樹脂を硬化させる前に、エッジを有する凸状の部材にて幅方向中央部に型押しすることで設けられることを特徴とする請求項10記載の照明装置の製造方法。
【請求項12】
前記堰止め部は、前記平面基板上に帯状の樹脂を塗布し、その樹脂を硬化させた後に、一部を研削することでエッジ部分を設けたことを特徴とする請求項10記載の照明装置の製造方法。
【請求項13】
前記堰止め部は、前記平面基板上に帯状の樹脂を塗布し、その樹脂を硬化させた後に、流動状態の封止樹脂が流れる流れ方向内側のエッジ部分を樹脂で被覆して前記流れ方向外側にエッジ部分を設けたことを特徴とする請求項10記載の照明装置の製造方法。
【請求項14】
前記堰止め部は、予め形成した、上面に1つのエッジ部分を備える帯状部材を前記平面基板上に貼り付けて設けられることを特徴とする請求項10記載の照明装置の製造方法。
【請求項15】
基板表面に発光素子を実装し、金型を使用して発光素子の封止樹脂を成型する照明装置の製造方法において、
前記封止樹脂の注型時に、前記金型と前記基板表面との間に、前記封止樹脂の流れを堰き止める堰止め部が設けられることを特徴とする照明装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−3994(P2010−3994A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−163880(P2008−163880)
【出願日】平成20年6月23日(2008.6.23)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月23日(2008.6.23)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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