説明

照明装置および投写型画像表示装置

【課題】投写型画像表示装置のさまざまな設置姿勢において、ランプ光源を適正な温度でムラなく冷却できる照明装置を得る。
【解決手段】ランプ光源3を収納するランプユニット10にランプ光源3に冷却風を導く冷却風入口5を設置し、ランプユニット10はランプ光源3の光軸を軸に回転可能にする。冷却風発生装置6で発生させた冷却風を送る風路7を風路7aと風路7bに分岐させ、それぞれの風路出口7aaと風路出口7bbはランプユニット10の外周に向けられ、風路出口7aaまたは風路出口7bbのいずれか一つの風路出口と冷却風入口5を対向させ冷却風をランプ光源3に導く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、照明装置および照明装置を光源とする投写型画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の投写型画像表示装置では、冷却ファンからランプ光源に冷却風を導く風路を2つ設置し、さらに風路内に複数の開閉装置を取り付けてあり、投写型画像表示装置の設置姿勢に応じ複数の開閉装置を操作することによって2つの風路のうちの一つからランプ光源の相対的に高温になる部位に冷却風を送風している。(特許文献1参照)
また、従来の投写型画像表示装置では、2つ以上の冷却ファンを設置し、投写型画像表示装置の設置姿勢に応じて、2つ以上の冷却ファンの風量を調整して相対的に高温であるランプ光源の発光管上部から相対的に低温である発光管下部に冷却風が流れるようにしている。(特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4281429号公報
【特許文献2】特許第4582139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の投写型画像表示装置に使用する光源となる照明装置は、主に発光管とリフレクターを用いている。発光管は透明なガラスで覆われその内部にはガスが封止されており、発光管に電気を通じた際に内部で発生したアーク放電がガスに衝突することによって光を発生させる。発光管内部で発生した光はガラスを透過して、反射面となっているリフレクターで反射され前方に照射されるが、発光管で発生した光の一部は発光管やリフレクターで吸収されることによって、その光は熱に変化し非常に高温になるため、冷却装置で冷却する必要がある。しかしながら、冷却が不足して発光管を高温の状態で使用すると、発光管の白濁や変形が発生して輝度低下や短寿命の原因となり、冷却しすぎて発光管を低温の状態で使用すると、発光管内のガスが未蒸発となって輝度低下や短寿命、発光スペクトル特性の劣化の原因となるため、発光管が適度な温度になるように冷却しなければならないが、発光管は、相対的に上部が高温で、下部が低温になるので、使用許容温度の範囲で発光管の各部位の温度が均一な分布になるように、冷却風の送風量や送風方向を工夫する必要がある。
【0005】
しかしながら、照明装置を光源とする投写型画像表示装置は天吊り設置と床設置の両方に対応するため、発光管やリフレクターや冷却機構が天地逆になっても適正な冷却ができるようにしなければならないため、部品の追加や特殊な機構、構造を備えなければならず、製品コストの増加や製品の大型化、重量の増加の原因となっている。
【0006】
この発明に係る照明装置は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、投写型画像表示装置のさまざまな設置姿勢においても、発光管の温度が適正で均一な分布になるように冷却することができる照明装置を得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る照明装置においては、光を照射するランプ光源と、ランプ光源を収納するランプユニットと、ランプユニットに設置された冷却風入口と、ランプ光源を冷却する冷却風を発生させる冷却風発生装置と、冷却風発生装置で発生させた冷却風を送る複数分岐する風路と、を備えたもので、ランプユニットはランプ光源の光軸を軸に回転可能である。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る照明装置においては、投写型画像表示装置のさまざまな設置姿勢においても、発光管の温度が適正で均一な分布になるように冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1を示す照明装置を備えた投写型画像表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1を示す照明装置の通常設置時(床置き)の側面図である。
【図3】本発明の実施の形態1を示す照明装置の通常設置時(床置き)の正面図である。
【図4】本発明の実施の形態1を示す照明装置の天地逆設置時(天吊り)の正面図である。
【図5】本発明の実施の形態2を示す照明装置の通常設置時(床置き)の正面図である。
【図6】本発明の実施の形態2を示す照明装置の天地逆設置時(天吊り)の正面図である。
【図7】本発明の実施の形態3を示す照明装置の通常設置時(床置き)の側面図である。
【図8】本発明の実施の形態3を示す照明装置の通常設置時(床置き)の正面図である。
【図9】本発明の実施の形態3を示す照明装置の天地逆設置時(天吊り)の正面図である。
【図10】本発明の実施の形態4を示す照明装置の側面図である。
【図11】本発明の実施の形態5を示す照明装置の構成を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態6を示す照明装置の側面図である。
【図13】本発明の実施の形態7を示す照明装置を備えた投写型画像表示装置の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の実施の形態8を示す照明装置を備えた投写型画像表示装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1を示す照明装置を備えた投写型画像表示装置の構成を示すブロック図である。図1において、投写型画像表示装置31は、照明装置12と、照明装置12の照射する光を複数の色光に分離する色分離手段20と、色分離手段20で分離された色光をそれぞれ変調し画像を形成する変調手段21と、変調手段21で変調されたそれぞれの色光の画像を合成する合成手段22と、合成手段22で合成された画像をスクリーン上に投写する投写手段23と、を備える。
【0011】
図2は本発明の実施の形態1を示す照明装置の通常設置時の側面図、図3は本発明の実施の形態1を示す照明装置の通常設置時の正面図、図4は本発明の実施の形態1を示す照明装置の天地逆設置時の正面図である。図2から図4において、照明装置12は、ランプユニット10と、冷却装置11と、を備える。ランプユニット10は、光を照射するランプ光源3と、ランプ光源3の前方開口部分を保持し収納する円柱状のA筺体4aと、ランプ光源3の後方部分を保持し収納する四角柱状のB筺体4bと、ランプ光源3に冷却風を導くA筺体4aに設置された冷却風入口5と、ランプ光源3が照射した光を透過させる透過板8とを備える。ランプ光源3は光を発光する発光管1と、発光管1が発光した光を一方向に反射させるリフレクター2と、を備える。ランプユニット10はランプ光源3の光軸15を軸にして冷却風入口5およびランプ光源3とともに回転可能となるように保持される。冷却装置11は冷却風を発生させる冷却風発生装置6と、冷却風をランプ光源3の冷却風入口5に導く風路7と、を備える。風路7は風路7aと風路7bに分岐し、風路出口7aaと風路出口7bbはランプユニット10のA筺体4aの外周に向かって設置され、風路出口7aaまたは風路出口7bbのいずれか一つの風路出口と前記冷却風入口5が対向することで冷却風をランプ光源3に導き、その他の風路出口はA筺体4aの壁面に接することで出口が閉じられる。
【0012】
次に図2および図3を用いて動作の詳細な説明をする。図2および図3は照明装置を通常設置(床置き)している状態である。冷却風発生装置6で発生した冷却風は風路7の風路7aと風路7bに分岐する。風路7aの風路出口7aaは発光管1の上部に冷却風が当たるように向けられ、風路7bの風路出口7bbは発光管1の下部に冷却風が当たるように向けられている。発光管1は相対的に上部の温度が高いため、発光管1の上部から冷却風が導入されるように、ランプユニット10を回転させて、冷却風入口5を風路7aの風路出口7aaと対向するように設定する。一方、風路7bの風路出口7bbはA筺体4aの壁面と接することによって冷却風の出口は閉じられる。
【0013】
次に図4を用いて照明装置を天地逆設置(天吊り)している状態を説明する。ランプユニット10および冷却装置11は天地逆設置によって図2に対して180度回転した位置に配置される。風路7aの風路出口7aaは発光管1の下部に冷却風が当たるように向けられ、風路7bの風路出口7bbは発光管1の上部に冷却風が当たるように向けられている。発光管1は相対的に上部の温度が高いため、発光管1の上部から冷却風が導入されるように、ランプユニット10を回転させて、冷却風入口5を風路7bの風路出口7bbと対向するように設定する。一方、風路7aの風路出口7aaはA筺体4aの壁面と接することによって冷却風の出口は閉じられる。
【0014】
これにより、通常設置、天地逆設置において、複数の冷却装置や複雑な機構、構造を用いることなく、高温になる発光管を適正な温度で均一に冷却することができる。
【0015】
実施の形態2.
図5は本発明の実施の形態2を示す照明装置の通常設置時の正面図である。図6は本発明の実施の形態2を示す照明装置の天地逆設置時の正面図である。実施の形態1では風路7の冷却風が発光管1の上下方向へ吹き出すのに対して、実施の形態2では風路7の冷却風が発光管1の左右方向へ吹き出す構造となっている。また、風路7aと風路7bの冷却風をそれぞれ所定の方向に向けるために、風路出口7aaにルーバー13aを取り付け、風路出口7bbにルーバー13bを取り付けている。さらに、風路7aと風路7bのうちいずれか一つの冷却風は発光管1の上部に冷却風が当たるように、他方の冷却風は発光管1の下部に冷却風が当たるようにするため、ルーバー13aとルーバー13bは非対称となるように設置されている。なお、図5および図6において、図1から図4と同一符号のものは実施の形態1と同一または相当部分を示すものであり説明は省略する。
【0016】
次に動作について説明する。図5は照明装置を通常設置(床置き)している状態である。冷却風発生装置6で発生した冷却風は風路7の風路7aと風路7bに分岐する。風路7aの風路出口7aaはルーバー13aによって風向きが変更され発光管1の上部に冷却風が当たるように向けられ、風路7bの風路出口7bbはルーバー13bによって風向きが変更され発光管1の下部に冷却風が当たるように向けられている。発光管1は相対的に上部の温度が高いため、発光管1の上部から冷却風が導入されるように、ランプユニット10を回転させて、冷却風入口5を風路7aの風路出口7aaと対向するように設定する。一方、風路7bの風路出口7bbはA筺体4aの壁面と接することによって冷却風の出口は閉じられる。
【0017】
図6を用いて照明装置を天地逆設置(天吊り)している状態を説明する。ランプ光源10および冷却装置11は天地逆設置によって図5に対して180度回転した位置に配置される。風路7aの風路出口7aaはルーバー13aによって風向きが変更され発光管1の下部に冷却風が当たるように向けられ、風路7bの風路出口7bbはルーバー13bによって風向きが変更され発光管1の上部に冷却風が当たるように向けられている。発光管1は相対的に上部の温度が高いため、発光管1の上部から冷却風が導入されるように、ランプユニット10を回転させて、冷却風入口5を風路7bの風路出口7bbと対向するように設定する。一方、風路7aの風路出口7aaはA筺体4aの壁面と接することによって冷却風の出口は閉じられる。
【0018】
これにより、実施の形態1と同様に通常設置、天地逆設置において、複数の冷却装置や複雑な機構、構造を用いることなく、高温になる発光管を適正な温度で均一に冷却することができる。
【0019】
なお、冷却風を所定の部分に向ける方法としてルーバー取り付けた例を説明したが、風路7aおよび風路7bの内壁に傾斜をつけてもよい。
【0020】
実施の形態3.
図7は本発明の実施の形態3を示す照明装置の通常設置時(床置き)の側面図、図8は本発明の実施の形態3を示す照明装置の通常設置時(床置き)の正面図、図9は本発明の実施の形態3を示す照明装置の天地逆設置時(天吊り)の正面図である。実施の形態1では、前記風路7の分岐した風路7aと風路7bのそれぞれの風路出口7aaと風路出口7bbを180度対向させるのに対して、実施の形態3では風路出口7aaと風路出口7bbを90度対向させている。また、風路7bの冷却風を所定の方向に向けるために、風路7bの内壁に傾斜板14aと傾斜板14bをつけている。なお、図7から図9において、図1から図4と同一符号のものは実施の形態1と同一または相当部分を示すものであり説明は省略する。
【0021】
図7および図8を用いて照明装置を通常設置(床置き)している状態を説明する。風路7aの風路出口7aaは発光管1の上部に冷却風が当たるように向けられ、風路7bの風路出口7bbは風路7b内壁の傾斜板14aおよび傾斜板14bによって風向きが変更され発光管1の下部に冷却風が当たるように向けられている。発光管1は相対的に上部の温度が高いため、発光管1の上部から冷却風が導入されるように、ランプユニット10を回転させて、冷却風入口5を風路7aの風路出口7aaと対向するように設定する。一方、風路7bの風路出口7bbはA筺体4aの壁面と接することによって冷却風の出口は閉じられる。
【0022】
図9を用いて照明装置を天地逆設置(天吊り)している状態を説明する。冷却装置11は天地逆設置によって図8に対して180度回転した位置に配置される。風路7aの風路出口7aaは発光管1の下部に冷却風が当たるように向けられ、風路7bの風路出口7bbは風路7b内壁の傾斜板14aおよび傾斜板14bによって風向きが変更され発光管1の上部に冷却風当たるように向けられている。発光管1は相対的に上部の温度が高いため、発光管1の上部から冷却風が導入されるように、ランプユニット10を回転させて、冷却風入口5を風路7bの風路出口7bbと対向するように設定する。一方、風路7aの風路出口7aaはA筺体4aの壁面と接することによって冷却風の出口は閉じられる。
【0023】
これにより、通常設置、天地逆設置において、複数の冷却装置や複雑な機構、構造を用いることなく、高温になる発光管を適正な温度で均一に冷却することができ、さらに風路を短く設計できるため冷却効率を改善でき、部品の材料費も低く抑えることができる。
【0024】
なお、実施の形態1から実施の形態3では通常設置および天地逆設置を例に説明したが、本発明によれば、発光管を冷却するのに最も適した風路を選択して冷却風を取り込むことができるので、天井への投写や床への投写を例とするさまざまな設置姿勢に対して適用可能である。
【0025】
実施の形態1から実施の形態3では風路が2本に分岐している形態で説明したが、これに限定するものではなく、風路を3本以上に分岐してもよい。
【0026】
また、実施の形態1から実施の形態3ではランプユニット10のA筺体4aは筒状の形として説明したが、多角柱であってもよく、A筺体4aとB筺体4bは一体形状であってもよい。
【0027】
実施の形態4.
図10は本発明の実施の形態4を示す照明装置の構成を示す図である。実施の形態1から実施の形態3ではランプユニット10を回転させたが、実施の形態4では、ランプ光源3に冷却風入口5を設置して、ランプ光源3をランプ光源3の光軸を軸に回転させる。なお、図10において、図2と同一符号のものは実施の形態1と同一または相当部分を示すものであり説明は省略する。これにより、実施の形態1と同様に通常設置、天地逆設置において、複数の冷却装置や複雑な機構、構造を用いることなく、高温になる発光管を適正な温度で均一に冷却することができる。
【0028】
実施の形態5.
図11は本発明の実施の形態5を示す照明装置の構成を示す図である。実施の形態1から実施の形態3では、ランプユニット10は冷却風入口5およびランプ光源3とともにランプ光源3の光軸を軸にして回転方向のみ動かせるようになっており、光を照射位置に取り付けた状態でランプユニット10を回転させて、冷却風を取り込む風路を変更しているが、実施の形態5では照明装置12にランプユニット10脱着用の四角柱の収納箱35を備え、また、ランプユニット10および収納箱35を上下方向に対称な形状にしたので、ランプユニット10の取り付け位置を装着方向の入れ替えによって2箇所設けている。これによって、適正な風路の選択をランプユニット10の脱着によって行なえるようにしている。なお、図11において、図2および図3と同一符号のものは実施の形態1と同一または相当部分を示すものであり説明は省略する。
【0029】
動作について図11を用いて説明する。太破線で示す収納箱35の後方は開放されており、矢印方向にランプユニット10を挿入がすることができ、収納箱35の前方にはA筺体4aがはみ出すように穴を備えている。ランプユニット10のB筺体4bと収納箱35は光軸15に対して上下対称の形状としており、ランプユニット10を上下を入れ替えて収納箱35に装着することができる。図11は通常設置の状態を示しており、この場合は、冷却風は風路7aの風路出口7aaから冷却風入口5を介してランプ光源3に導入され、発光管1は高温になる上部から冷却される。この照明装置12をこのまま天地逆設置した場合は、冷却風がランプユニット10の下部から導入されることになるので、ランプユニット10を取り外し、上下入れ替えて装着することで、冷却風は風路7bの風路出口7bbから冷却風入口5を介してランプ光源3に導入され、発光管1は高温になる上部から冷却される。
【0030】
このような構成にすることで、投写型画像表示装置31を据え付けした後に、ランプユニット10を取り付けすることが可能となり設置において作業性が向上する。また、ランプ交換が簡単になる。
【0031】
なお、ここではランプユニット10は上下の入れ替えを可能としたが、それに限定するものでなく、B筺体4bや収納箱35を多角柱や円柱状にすることでさまざまな方向で入れ替えすることができる。また、ランプ光源3に冷却風入口5を設置して、ランプ光源3をランプユニット10内で光軸を軸に回転させてからとりつけても同様の効果が得られる。
【0032】
さらに、ランプユニット10の取り付け方向の不備を防止するため、ランプユニット10や投写型画像表示装置31に通常設置や天地逆設置などそれぞれに対応したランプユニット10の設置方向を表示してもよい。
【0033】
実施の形態6.
図12は本発明の実施の形態6を示す照明装置の構成を示す側面図である。実施の形態1から4ではランプユニット10やランプ光源3を直接回転させる形態であるが、実施の形態6ではランプユニット10に照明装置12の外部から回転力を与える回転手段9を備えている。なお、図12において、図2と同一符号のものは実施の形態1と同一または相当部分を示すものであり説明は省略する。
【0034】
図12を用いて構成を説明する。ランプユニット10は、ランプ支持部品16aとランプ支持部品16bによって、ランプユニット10の光軸15を軸に回転できるように保持されており、透過板8の反対側から棒形状の連結部品17を介して、ランプユニット10を回転させる回転手段9につながっている。このような構成にすることによって、本発明の照明装置を備えた投写型画像表示装置31は、回転手段9で投写型画像表示装置31の外部からランプユニット10の回転操作が可能になるので、投写型画像表示装置31を据え付けしたあとに、設置状態に適した冷却条件になるようにランプユニット10の取り付け位置を変更できる。
【0035】
なお、ランプユニット10の保持手段は、ランプユニット10がランプ光源3の光軸15を軸に回転できれば、その他の手段でもよい。また、ランプユニット10と回転手段9の連結にギヤを組み合わせてもよい。
また、投写型画像表示装置31の内部に回転手段9を設けることも可能である。また、ランプ光源3に冷却風入口5を設置し、ランプ光源3に回転手段9を取り付けて回転力を与えても良い。
【0036】
実施の形態7.
図13は本発明の実施の形態7を示す照明装置を備えた投写型画像表示装置の構成を示すブロック図である。図13を用いて構成を説明する。実施の形態7では実施の形態1に加えて、ランプユニット10の設置位置を検出する検出手段25と、検出手段25の位置情報によってスクリーン40に表示する画像の上下位置を反転させる表示切換手段24と、を備える。なお、図13において、図1および図12と同一符号のものは実施の形態1または実施の形態5と同一または相当部分を示すものであり説明は省略する。
【0037】
次に動作について説明をする。投写型画像表示装置31を通常設置(床置き)もしくは天地逆設置(天吊り)いずれかを実施したとき、ランプ光源3の発光管1を高温部分から冷却するために冷却風入口5を最適な風路出口と対向するようにランプユニット10を回転し設置する。検出手段25はランプユニット10の設置位置を検出し、検出した位置情報を表示切換手段24に通知する。表示切換手段24は検出手段25が検出したランプユニット10の設置位置の情報によって、スクリーン40に表示される画像の上下位置が正しく表示されるように画像を切換えて、画像変調手段21に入力する。
【0038】
これによって、画像の上下位置反転設定の簡易化が可能となり、また、画像の表示状態を確認することでランプユニット10の設置不備を検出することができる。
なお、ランプユニット10の設置位置を検出する検出手段としてセンサーや接点が使用できる。また、ランプ光源3に冷却風入口5を設置して、ランプ光源3に検出手段25を取り付けてもよい。
【0039】
実施の形態8.
図14は本発明の実施の形態8を示す照明装置を備えた投写型画像表示装置の構成を示すブロック図である。図14を用いて構成を説明する。実施の形態8では実施の形態1に加えて、スクリーン40に表示する画像表示の上下位置を反転させる表示切換手段27と、表示切換手段27に画像の反転、非反転を指示する切換スイッチ28と、表示切換手段27の画像の上下位置情報によって、回転手段9を駆動しランプユニット10を回転させる駆動手段26を備える。なお、図14において、図1から図4と同一符号のものは実施の形態1と同一または相当部分を示すものであり説明は省略する。
【0040】
次に動作について説明をする。投写型画像表示装置31を通常設置(床置き)もしくは天地逆設置(天吊り)いずれかを実施したとき、スクリーン40上の画像の上下位置が正しく表示されるように使用者は切換スイッチ28を操作し画像を反転するか非反転かを選択する。表示切換手段27は切換スイッチ28の設定にしたがって画像の上下位置を切換えて、変調手段21に入力するとともに、駆動手段26を制御して、回転手段9を介してランプユニット10を自動で回転させ、発光管1が高温部分から冷却されるように冷却風入口5を最適な風路出口と対向させる。
【0041】
これにより、画像の上下反転操作と同時に照明装置の冷却条件を自動で設定するため、ランプ光源の設置不備を防止することができる。
【0042】
なお、駆動手段26にはモーターなどが考えられ、切換スイッチ28はボタンなどの電子スイッチやメニューの設定などが考えられる。また、ランプ光源3に冷却風入口5を設置し、ランプ光源3に回転手段9を取り付けて回転させてもよい。
【符号の説明】
【0043】
3 ランプ光源
5 冷却風入口
6 冷却風発生装置
7a 風路
7b 風路
9 回転手段
10 ランプユニット
11 冷却装置
12 照明装置
23 投写手段
24 表示切換手段
25 検出手段
26 駆動手段
27 表示切換手段
28 切換スイッチ
31 投写型画像表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を照射するランプ光源と、
前記ランプ光源を収納するランプユニットと、
前記ランプ光源を冷却する冷却風を発生させる冷却風発生装置と、
前記冷却風発生装置で発生させた冷却風を分岐させて、前記ランプ光源に導く複数の風路と、
前記ランプユニットに設置され、冷却風を前記ランプ光源に導入する冷却風入口と、
を備え、
前記ランプユニットは、前記ランプ光源の光軸を軸に回転できるように保持され、
前記複数の風路の風路出口は、前記ランプユニットの外周に向かって設置され、
前記複数の風路の風路出口のうちのいずれか一つの風路出口が前記冷却風入口と対向して冷却風を前記ランプ光源に導くことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記ランプユニットは、脱着が可能であり、前記複数の風路の風路出口のうちのいずれか一つの風路出口と前記冷却風入口とを対向させる取り付け位置を複数有することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記ランプユニットに回転力を与える回転手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
光を照射するランプ光源と、
前記ランプ光源を冷却する冷却風を発生させる冷却風発生装置と、
前記冷却風発生装置で発生させた冷却風を分岐させて、前記ランプ光源に導く複数の風路と、
前記ランプ光源に設置され、冷却風を前記ランプ光源に導入する冷却風入口と、
を備え、
前記ランプ光源は、前記ランプ光源の光軸を軸に回転できるように保持され、
前記複数の風路の風路出口は、前記ランプ光源の外周に向かって設置され、
前記複数の風路の風路出口のうちのいずれか一つの風路出口が前記冷却風入口と対向して冷却風を前記ランプ光源に導くことを特徴とする照明装置。
【請求項5】
前記ランプ光源は、脱着が可能であり、前記複数の風路の風路出口のうちのいずれか一つの風路出口と前記冷却風入口とを対向させる取り付け位置を複数有することを特徴とする請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記ランプ光源に回転力を与える回転手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の照明装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項記載の照明装置と、
前記照明装置を光源として画像をスクリーン上に投写する投写手段と、
を備えることを特徴とする投写型画像表示装置。
【請求項8】
請求項1から3のいずれか一項記載の照明装置と、
前記照明装置を光源として画像をスクリーン上に投写する投写手段と、
前記ランプユニットが設置された位置情報を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記ランプユニットの位置情報に連動して、前記投写手段によってスクリーンに投写された画像の上下位置を切換える表示切換手段と、
を備えることを特徴とする投写型画像表示装置。
【請求項9】
請求項4から6のいずれか一項記載の照明装置と、
前記照明装置を光源として画像をスクリーン上に投写する投写手段と、
前記ランプ光源が設置された位置情報を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記ランプ光源の位置情報に連動して、前記投写手段によってスクリーンに投写された画像の上下位置を切換える表示切換手段と、
を備えることを特徴とする投写型画像表示装置。
【請求項10】
請求項3または6に記載の照明装置と、
前記照明装置を光源として画像をスクリーン上に投写する投写手段と、
前記投写手段で投写された画像の上下位置を正しく表示させる切換スイッチと、
前記切換スイッチの指示によって投写する画像表示の上下位置を切換える表示切換手段と、
前記表示切換手段の画像表示の切換えに連動して前記回転手段に駆動力を伝える駆動手段と、
を備えることを特徴とする投写型画像表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2013−76729(P2013−76729A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214895(P2011−214895)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】