照明装置
【課題】 防水対策上有利であり、大きさや配置態様の制約も少なく、電気配線も容易となる照明装置を提供することを目的とする。加えてコスト面でも有利な照明装置を提供することも目的とする。
【解決手段】 車両ドアの内板に、又は内板よりも車両室内側に取りつけられる光源と、前記光源の光を受光する受光部と、前記受光部が受光した光を、前記車両ドアのアウトサイドハンドル部へ放出する光放出部と、前記受光部が受光した光を前記光放出部へ導光する導光部と、を備える照明装置とする。
【解決手段】 車両ドアの内板に、又は内板よりも車両室内側に取りつけられる光源と、前記光源の光を受光する受光部と、前記受光部が受光した光を、前記車両ドアのアウトサイドハンドル部へ放出する光放出部と、前記受光部が受光した光を前記光放出部へ導光する導光部と、を備える照明装置とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は照明装置に関する。本発明は車両ドアのアウトサイドハンドルの照明装置として好適に使用される。
【背景技術】
【0002】
従来、夜間や暗所でも車両ドアのアウトサイドハンドルを視認し易いように、アウトサイドハンドル付近を照明する照明装置が知られている。例えば、アウトサイドハンドル内に光源を内蔵させた照明装置や、別の場所に配置した光源の光を光ファイバーによってアウトサイドハンドル付近へ導光する照明装置(例えば特許文献1を参照)などがある。
【0003】
【特許文献1】特開平8−318783号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アウトサイドハンドル内に光源を内蔵する従来の構成では、十分な防水対策が必要となる。一方、アウトサイドハンドル内という限られたスペースに光源を組み込まなければならず、照明装置の大きさ、配置態様が制約を受ける。また、アウトサイドハンドル内において専用の電気配線が必要となる。
そこで本発明は、防水対策上有利であり、大きさや配置態様の制約も少なく、電気配線も容易となる照明装置を提供することを目的とする。加えてコスト面でも有利な照明装置を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は以上の目的の少なくとも一つを達成するために、以下の構成を提供する。即ち、
車両ドアの内板に、又は内板よりも車両室内側に取りつけられる光源と、
前記光源の光を受光する受光部と、
前記受光部が受光した光を、前記車両ドアのアウトサイドハンドル部へ放出する光放出部と、
前記受光部が受光した光を前記光放出部へ導光する導光部と、
を備える照明装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の構成では、光源は車両ドアの内板上または内板より車両室内側に取りつけられるため、特別の防水処理を施さなくてもよい。また、光源をハンドル内に配置するのに比べて、大きさ及び配置態様の制約を受けにくい。さらに、照明装置の電気配線が容易であり、コスト面でも有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明における照明装置の構成要素について詳細に説明する。
光源は車両ドアの内板に、又は内板よりも車両室内側に取り付けられる。内板よりも車両室内側に取り付ける場合の例としては、車両ドアのドアトリムに取り付ける態様を挙げることができる。このようにすると、内板が防水壁として機能するため、高い防水効果が奏される。
光源の光は内板に設けられた孔を通して車両外側に取り出される。例えば、このような孔として、内板に既設のものを利用してもよい。或いは、内板に専用の孔を設け、当該孔を通して光源の光を車両外側へ進行するようにしてもよい。
光源の種類は特に限定されず、例えば、LED、電球(バルブ)、蛍光灯、冷陰極管などをここでの光源として用いることができる。中でもLEDを用いることが好ましい。LEDは小型であるため光源用のスペースが少なくて済むという利点を有する。またLEDは消費電力が小さいことから省エネルギー化の要請にも沿うものである。更にLEDは発熱量が小さく周りの部材に与える影響が少ないといった利点も併せ持つ。加えてLEDは長寿命であるからメンテナンスの面などからも有利なものとなる。更に言えば、LEDは振動、衝撃に強いことから信頼性の高い光源を構成できるといった利点もある。LEDのタイプは特に限定されず、砲弾型、SMD型等、種々のものを採用できる。尚、光源として複数のLEDを用いても良い。LEDの発光色も特に限定されず、白、赤、緑、青等の光を発生するLEDを採用できる。
【0008】
受光部は光源の光を受光可能なように原則として、光源に対向している。受光部は光源の光軸上に配置されることが好ましい。光源の光を効率よく受光することができるからである。受光部は通常、ドアガラスよりも車両外側へ配置される。
受光部が受光した光は、後述の導光部へ進行する。例えば、導光部を導光体で構成し、該導光体の側面又は端面の一部を受光部とする。又は、導光部とは独立して受光部を設けてもよい。例えば、受光部を反射面として、反射作用を利用して導光部方向へ進む光を生じさせることができる。受光部を反射面とする場合に使用可能な光反射性材料としては、アルミ等の金属、ポリプロピレン樹脂やポリカーボネート樹脂等の合成樹脂等を例示できる。
光放出部は、その放出光がアウトサイドハンドル部のドアノブ及び/又はドアノブ近傍を照射するように配置される。また、複数の光放出部を備えていてもよい。
導光部は受光部が受光した光を光放出部へ導光する。導光部を導光体によって形成することができる。導光体の材質としては、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の合成樹脂や、ガラスなどの無機材料を挙げることができる。導光部を導光体によって形成した場合には、導光体の表面(側面又は端面)の一部を受光部とし、他の一部を光放出部とすることができる。この態様では、光源の光は導光体の一部(受光部)に照射し、導光体内に一旦取り込まれる。取り込まれた光は導光体を導光した後、導光体の一部(光放出部)から放出される。
【0009】
導光体内に光散乱剤を含有させてもよい。導光体内における光の拡散が促進され、導光体の光放出部からより均一な輝度の光が放出されるからである。光散乱剤としては例えば所定の粒径を有するガラス、アルミなどの金属、導光体と光の屈折率の異なる樹脂、シリカなどを用いることができる。
無色透明の導光体の他、着色した導光体を使用することもできる。例えば、導光体内に顔料などの着色剤を含有させてもよい。または導光体の受光部若しくは光放出部に色変換層を設けることもできる。このようにすれば、光源を本来の色と異なる色の光を放出させることが可能となる。尚、色変換層は、例えば、透光性インクの塗布、有色の透光性テープの貼付、有色の透光性樹脂層の形成などにより形成することができる。
【0010】
導光部を光反射面を用いて形成することもできる。光反射面の材質としては、受光部の説明の欄で記載した光反射性材料と同様のものを例示できる。
【0011】
本発明の一実施態様ではレンズを使用する。当該レンズは光源の光を受光部に集光する目的で使用される。このようなレンズの使用によって光源の光は効率的に受光部に照射する。レンズは、光源側に設けても(例えばレンズ型LEDの使用)、又は受光部側に設けてもよい。複数のレンズを組み合わせて使用してもよい。
光放出部から放出される光の配光特性を制御するレンズをさらに設けることもできる。
【0012】
以下に、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。
【実施例1】
【0013】
本発明の実施例である照明装置10を適用した車両ドア1を図1〜図3に示す。図1は車両ドア1の正面図、図2は図1におけるA−A線断面図、図3は図2の一部拡大図である。
照明装置10はLED2、導光体3を備える(図2及び図3を参照)。LED2は車両ドア1のドアトリム7に固定されている。LED2はSMD型の白色LEDである。LED2の光放出側にはレンズ21が配置されている。内板6においてLED2の光の進路に当たる位置には、孔22が設けられている。LED2の点灯状態は車両ドア1の施錠状態及びドアの開閉状態と連動している。LED2は車両ドア1のロックを解除すると点灯し、ロックする又は車両ドア1を開くと消灯する。符号4はアウトサイドハンドル内のドアノブである。また、符号8はアウトサイドハンドルベゼルである。
【0014】
導光体3はドアノブ4の後方位置において、ベゼル8に形成された貫通孔に導光体の一部が嵌め込まれた状態で設置される。導光体3の一端面(光放出面32)はドアノブ4側に露出している。導光体3は無色透明のアクリル樹脂製である。導光体3においてLED2側の面は光導入面31(受光部)となる。光導入面31の形状は外板5に略平行である。光導入面31はLED2の光軸上に配置される。導光体3の車両ドア1の外側に露出した部分は光放出部(光放出面)32となる。光放出面32は光導入面31に対して約30度の傾斜角度をもって形成される。これにより、光放出面32の放出光はドアノブ4及びドアノブ4近傍を照射する。また、光放出面32には光拡散処理としてシボ加工が施されている。尚、符号9はドアガラスである。
【0015】
次に照明装置10の照明態様を説明する。まず、車両ドア1のロックが解除されるとLED2が点灯する。LED2の光は内板6の孔22を介して導光体3の方向へ進行する。その際、レンズ21によってLED2の光は導光体3の受光部(光導入面)31へ集光される。光導入面31に照射した光は、導光体3内に導入される。導入光は導光体3内を導光し、光放出部(光放出面)32から導光体3の外へ放出される。当該放出光によりドアノブ4及びベゼル8が照明される。その結果、夜間や暗所において、ドアノブ4の位置を視認し易くなる。さらに、光放出部32がドアノブ4の後方に配置されるため、光放出部32は使用者に直接視認されず、高級感のある照明効果が奏される。尚、光放出面32にはシボ加工が施されているため、放出光は拡散する。これによって、照明光の輝度が均一化されるとともに、やわらかい光となり高級感が付与される。
【0016】
照明装置10の構成では、LED2をドアトリム7に固定するため、特別の防水処理を必要としない。さらに、従来の構成のようにアウトサイドハンドル内にLED2を配置するのに比べて、光源部(LED2及びその制御回路等)の大きさの制約が少ない。また、光源部への電気配線の設置も容易であり、取り付け作業が煩雑とならない。
尚、ドアガラス9を下降させた状態(図2及び図3において破線で示した状態)であっても、LED2の光はドアガラス9を透過して導光体3の受光部31を照射する。その結果、ドアガラス9を上昇させた状態と同様の照明効果が奏される。
【0017】
照明装置10の光放出面32に光拡散処理としてシボ加工を施したが、他の方法により光拡散処理を施してもよい。他の方法としては、ブラスト処理、ドット印刷、光拡散剤を含む透光層の形成などを例示できる。
【実施例2】
【0018】
本発明の他の実施例である照明装置11を備える車両ドア100のドアノブ4付近の縦断面図を図4に示す。尚、図4において、上述の照明装置10と同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
照明装置11は、導光構造300を備える。導光構造300は受光部310、光放出部320、反射部331、332を有する。また、符号80はアウトサイドハンドルベゼルである。ベゼル80の車両室内側の面にはアルミ蒸着が施されおり光反射面となっている。当該光反射面において、LED2の光軸上に受光部310が形成される。受光部310の形状は内板6側に突出した凸円錐形状である。光放出部320はドアノブ4の周囲を囲むように外板5の車両外側に配置される。反射部331及び332はアルミ製である。反射部331は外板5に略平行であって、受光部310に対向する位置には円形の孔340が形成されている。一方、反射部332は外板5に対して約60度の傾斜角度をもって形成される。これにより受光部310による反射光を光放出部320の方向へ反射可能となっている。光放出部320の材質はアクリル樹脂である。光放出部320の車両外側の面には光拡散処理としてシボ加工が施されている。
【0019】
次に照明装置11の照明態様を説明する。LED2は固定プレート210によりドアトリム7の外板5側に固定される。LED2の光は、孔22、レンズ21及び孔340を介して受光部310に照射する。受光部310は受光した光をLED2の光軸に対して側方の多方向に反射する。受光部310による反射光は反射部331及び332の方向に進行し、反射部331、332及びベゼル80の反射面によって反射を繰り返して光放出部320へ到達する。光放出部320へ到達した光は車両外側へ放出される。光放出部320の車両外側の面にはシボ加工が施されているため、放出光は拡散する。その結果、夜間や暗所において、ドアノブ4の位置が視認し易くなる。
【0020】
この発明は、上記発明の実施の形態の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明の照明装置は、車両ドアのアウトサイドハンドルを照明すること等に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は本発明の一の実施例である照明装置10の斜視図である。
【図2】図2は図1におけるA−A断面図である。
【図3】図3は図2の一部拡大図である。
【図4】図4は本発明の他の実施例である照明装置11における縦断面図の一部拡大図である。
【符号の説明】
【0023】
1 100 車両ドア
10 11 照明装置
2 LED
21 レンズ
3 導光体
31 310 受光部
32 320 光放出部
331 332 反射面
4 ドアノブ
5 外板
6 内板
7 ドアトリム
8 80 ベゼル
9 ドアガラス
【技術分野】
【0001】
本発明は照明装置に関する。本発明は車両ドアのアウトサイドハンドルの照明装置として好適に使用される。
【背景技術】
【0002】
従来、夜間や暗所でも車両ドアのアウトサイドハンドルを視認し易いように、アウトサイドハンドル付近を照明する照明装置が知られている。例えば、アウトサイドハンドル内に光源を内蔵させた照明装置や、別の場所に配置した光源の光を光ファイバーによってアウトサイドハンドル付近へ導光する照明装置(例えば特許文献1を参照)などがある。
【0003】
【特許文献1】特開平8−318783号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アウトサイドハンドル内に光源を内蔵する従来の構成では、十分な防水対策が必要となる。一方、アウトサイドハンドル内という限られたスペースに光源を組み込まなければならず、照明装置の大きさ、配置態様が制約を受ける。また、アウトサイドハンドル内において専用の電気配線が必要となる。
そこで本発明は、防水対策上有利であり、大きさや配置態様の制約も少なく、電気配線も容易となる照明装置を提供することを目的とする。加えてコスト面でも有利な照明装置を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は以上の目的の少なくとも一つを達成するために、以下の構成を提供する。即ち、
車両ドアの内板に、又は内板よりも車両室内側に取りつけられる光源と、
前記光源の光を受光する受光部と、
前記受光部が受光した光を、前記車両ドアのアウトサイドハンドル部へ放出する光放出部と、
前記受光部が受光した光を前記光放出部へ導光する導光部と、
を備える照明装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の構成では、光源は車両ドアの内板上または内板より車両室内側に取りつけられるため、特別の防水処理を施さなくてもよい。また、光源をハンドル内に配置するのに比べて、大きさ及び配置態様の制約を受けにくい。さらに、照明装置の電気配線が容易であり、コスト面でも有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明における照明装置の構成要素について詳細に説明する。
光源は車両ドアの内板に、又は内板よりも車両室内側に取り付けられる。内板よりも車両室内側に取り付ける場合の例としては、車両ドアのドアトリムに取り付ける態様を挙げることができる。このようにすると、内板が防水壁として機能するため、高い防水効果が奏される。
光源の光は内板に設けられた孔を通して車両外側に取り出される。例えば、このような孔として、内板に既設のものを利用してもよい。或いは、内板に専用の孔を設け、当該孔を通して光源の光を車両外側へ進行するようにしてもよい。
光源の種類は特に限定されず、例えば、LED、電球(バルブ)、蛍光灯、冷陰極管などをここでの光源として用いることができる。中でもLEDを用いることが好ましい。LEDは小型であるため光源用のスペースが少なくて済むという利点を有する。またLEDは消費電力が小さいことから省エネルギー化の要請にも沿うものである。更にLEDは発熱量が小さく周りの部材に与える影響が少ないといった利点も併せ持つ。加えてLEDは長寿命であるからメンテナンスの面などからも有利なものとなる。更に言えば、LEDは振動、衝撃に強いことから信頼性の高い光源を構成できるといった利点もある。LEDのタイプは特に限定されず、砲弾型、SMD型等、種々のものを採用できる。尚、光源として複数のLEDを用いても良い。LEDの発光色も特に限定されず、白、赤、緑、青等の光を発生するLEDを採用できる。
【0008】
受光部は光源の光を受光可能なように原則として、光源に対向している。受光部は光源の光軸上に配置されることが好ましい。光源の光を効率よく受光することができるからである。受光部は通常、ドアガラスよりも車両外側へ配置される。
受光部が受光した光は、後述の導光部へ進行する。例えば、導光部を導光体で構成し、該導光体の側面又は端面の一部を受光部とする。又は、導光部とは独立して受光部を設けてもよい。例えば、受光部を反射面として、反射作用を利用して導光部方向へ進む光を生じさせることができる。受光部を反射面とする場合に使用可能な光反射性材料としては、アルミ等の金属、ポリプロピレン樹脂やポリカーボネート樹脂等の合成樹脂等を例示できる。
光放出部は、その放出光がアウトサイドハンドル部のドアノブ及び/又はドアノブ近傍を照射するように配置される。また、複数の光放出部を備えていてもよい。
導光部は受光部が受光した光を光放出部へ導光する。導光部を導光体によって形成することができる。導光体の材質としては、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の合成樹脂や、ガラスなどの無機材料を挙げることができる。導光部を導光体によって形成した場合には、導光体の表面(側面又は端面)の一部を受光部とし、他の一部を光放出部とすることができる。この態様では、光源の光は導光体の一部(受光部)に照射し、導光体内に一旦取り込まれる。取り込まれた光は導光体を導光した後、導光体の一部(光放出部)から放出される。
【0009】
導光体内に光散乱剤を含有させてもよい。導光体内における光の拡散が促進され、導光体の光放出部からより均一な輝度の光が放出されるからである。光散乱剤としては例えば所定の粒径を有するガラス、アルミなどの金属、導光体と光の屈折率の異なる樹脂、シリカなどを用いることができる。
無色透明の導光体の他、着色した導光体を使用することもできる。例えば、導光体内に顔料などの着色剤を含有させてもよい。または導光体の受光部若しくは光放出部に色変換層を設けることもできる。このようにすれば、光源を本来の色と異なる色の光を放出させることが可能となる。尚、色変換層は、例えば、透光性インクの塗布、有色の透光性テープの貼付、有色の透光性樹脂層の形成などにより形成することができる。
【0010】
導光部を光反射面を用いて形成することもできる。光反射面の材質としては、受光部の説明の欄で記載した光反射性材料と同様のものを例示できる。
【0011】
本発明の一実施態様ではレンズを使用する。当該レンズは光源の光を受光部に集光する目的で使用される。このようなレンズの使用によって光源の光は効率的に受光部に照射する。レンズは、光源側に設けても(例えばレンズ型LEDの使用)、又は受光部側に設けてもよい。複数のレンズを組み合わせて使用してもよい。
光放出部から放出される光の配光特性を制御するレンズをさらに設けることもできる。
【0012】
以下に、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。
【実施例1】
【0013】
本発明の実施例である照明装置10を適用した車両ドア1を図1〜図3に示す。図1は車両ドア1の正面図、図2は図1におけるA−A線断面図、図3は図2の一部拡大図である。
照明装置10はLED2、導光体3を備える(図2及び図3を参照)。LED2は車両ドア1のドアトリム7に固定されている。LED2はSMD型の白色LEDである。LED2の光放出側にはレンズ21が配置されている。内板6においてLED2の光の進路に当たる位置には、孔22が設けられている。LED2の点灯状態は車両ドア1の施錠状態及びドアの開閉状態と連動している。LED2は車両ドア1のロックを解除すると点灯し、ロックする又は車両ドア1を開くと消灯する。符号4はアウトサイドハンドル内のドアノブである。また、符号8はアウトサイドハンドルベゼルである。
【0014】
導光体3はドアノブ4の後方位置において、ベゼル8に形成された貫通孔に導光体の一部が嵌め込まれた状態で設置される。導光体3の一端面(光放出面32)はドアノブ4側に露出している。導光体3は無色透明のアクリル樹脂製である。導光体3においてLED2側の面は光導入面31(受光部)となる。光導入面31の形状は外板5に略平行である。光導入面31はLED2の光軸上に配置される。導光体3の車両ドア1の外側に露出した部分は光放出部(光放出面)32となる。光放出面32は光導入面31に対して約30度の傾斜角度をもって形成される。これにより、光放出面32の放出光はドアノブ4及びドアノブ4近傍を照射する。また、光放出面32には光拡散処理としてシボ加工が施されている。尚、符号9はドアガラスである。
【0015】
次に照明装置10の照明態様を説明する。まず、車両ドア1のロックが解除されるとLED2が点灯する。LED2の光は内板6の孔22を介して導光体3の方向へ進行する。その際、レンズ21によってLED2の光は導光体3の受光部(光導入面)31へ集光される。光導入面31に照射した光は、導光体3内に導入される。導入光は導光体3内を導光し、光放出部(光放出面)32から導光体3の外へ放出される。当該放出光によりドアノブ4及びベゼル8が照明される。その結果、夜間や暗所において、ドアノブ4の位置を視認し易くなる。さらに、光放出部32がドアノブ4の後方に配置されるため、光放出部32は使用者に直接視認されず、高級感のある照明効果が奏される。尚、光放出面32にはシボ加工が施されているため、放出光は拡散する。これによって、照明光の輝度が均一化されるとともに、やわらかい光となり高級感が付与される。
【0016】
照明装置10の構成では、LED2をドアトリム7に固定するため、特別の防水処理を必要としない。さらに、従来の構成のようにアウトサイドハンドル内にLED2を配置するのに比べて、光源部(LED2及びその制御回路等)の大きさの制約が少ない。また、光源部への電気配線の設置も容易であり、取り付け作業が煩雑とならない。
尚、ドアガラス9を下降させた状態(図2及び図3において破線で示した状態)であっても、LED2の光はドアガラス9を透過して導光体3の受光部31を照射する。その結果、ドアガラス9を上昇させた状態と同様の照明効果が奏される。
【0017】
照明装置10の光放出面32に光拡散処理としてシボ加工を施したが、他の方法により光拡散処理を施してもよい。他の方法としては、ブラスト処理、ドット印刷、光拡散剤を含む透光層の形成などを例示できる。
【実施例2】
【0018】
本発明の他の実施例である照明装置11を備える車両ドア100のドアノブ4付近の縦断面図を図4に示す。尚、図4において、上述の照明装置10と同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
照明装置11は、導光構造300を備える。導光構造300は受光部310、光放出部320、反射部331、332を有する。また、符号80はアウトサイドハンドルベゼルである。ベゼル80の車両室内側の面にはアルミ蒸着が施されおり光反射面となっている。当該光反射面において、LED2の光軸上に受光部310が形成される。受光部310の形状は内板6側に突出した凸円錐形状である。光放出部320はドアノブ4の周囲を囲むように外板5の車両外側に配置される。反射部331及び332はアルミ製である。反射部331は外板5に略平行であって、受光部310に対向する位置には円形の孔340が形成されている。一方、反射部332は外板5に対して約60度の傾斜角度をもって形成される。これにより受光部310による反射光を光放出部320の方向へ反射可能となっている。光放出部320の材質はアクリル樹脂である。光放出部320の車両外側の面には光拡散処理としてシボ加工が施されている。
【0019】
次に照明装置11の照明態様を説明する。LED2は固定プレート210によりドアトリム7の外板5側に固定される。LED2の光は、孔22、レンズ21及び孔340を介して受光部310に照射する。受光部310は受光した光をLED2の光軸に対して側方の多方向に反射する。受光部310による反射光は反射部331及び332の方向に進行し、反射部331、332及びベゼル80の反射面によって反射を繰り返して光放出部320へ到達する。光放出部320へ到達した光は車両外側へ放出される。光放出部320の車両外側の面にはシボ加工が施されているため、放出光は拡散する。その結果、夜間や暗所において、ドアノブ4の位置が視認し易くなる。
【0020】
この発明は、上記発明の実施の形態の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明の照明装置は、車両ドアのアウトサイドハンドルを照明すること等に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は本発明の一の実施例である照明装置10の斜視図である。
【図2】図2は図1におけるA−A断面図である。
【図3】図3は図2の一部拡大図である。
【図4】図4は本発明の他の実施例である照明装置11における縦断面図の一部拡大図である。
【符号の説明】
【0023】
1 100 車両ドア
10 11 照明装置
2 LED
21 レンズ
3 導光体
31 310 受光部
32 320 光放出部
331 332 反射面
4 ドアノブ
5 外板
6 内板
7 ドアトリム
8 80 ベゼル
9 ドアガラス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両ドアの内板に、又は内板よりも車両室内側に取りつけられる光源と、
前記光源の光を受光する受光部と、
前記受光部が受光した光を、前記車両ドアのアウトサイドハンドル部へ放出する光放出部と、
前記受光部が受光した光を前記光放出部へ導光する導光部と、
を備える照明装置。
【請求項2】
前記導光部が導光体からなることを特徴とする、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記光源の光を前記受光部に集光するレンズを備える、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記光源が一つ又は複数のLEDである、請求項1〜3のいずれかに記載の照明装置。
【請求項5】
前記光源が前記車両ドアのドアトリムに固定されている、請求項1〜4のいずれかに記載の照明装置。
【請求項1】
車両ドアの内板に、又は内板よりも車両室内側に取りつけられる光源と、
前記光源の光を受光する受光部と、
前記受光部が受光した光を、前記車両ドアのアウトサイドハンドル部へ放出する光放出部と、
前記受光部が受光した光を前記光放出部へ導光する導光部と、
を備える照明装置。
【請求項2】
前記導光部が導光体からなることを特徴とする、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記光源の光を前記受光部に集光するレンズを備える、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記光源が一つ又は複数のLEDである、請求項1〜3のいずれかに記載の照明装置。
【請求項5】
前記光源が前記車両ドアのドアトリムに固定されている、請求項1〜4のいずれかに記載の照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図2】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2006−96219(P2006−96219A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−285805(P2004−285805)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】
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