説明

照明装置

【課題】 照明ムラを抑えた照明装置を提供する。
【解決手段】 光源2と、導光部材3と、を備え、光源2から発せられる光が導光部材3の光入射部3aから入射するとともに導光部材3の光出射部3bから出射して被照明部材を照明する照明装置1において、導光部材3を略円形状とし、光源2を複数備え、複数の光源2から出た光の出射方向が全て交わるように光源2を導光部材3の周縁に配設したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、液晶パネルなどの表示素子の背面から光を照射する照明装置に関するもので、特に、外形が略円形状である前記表示素子に採用される照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ブック型のコンピュータ、携帯電話機または携帯テレビのような小型、薄型の機器の表示装置として、液晶表示装置が用いられている。また、車両用計器にも車両情報や交通情報を表示する表示装置として液晶表示装置が用いられるようになってきている。これらの液晶表示装置は液晶パネルを照射する照明装置を備えており、この照明装置としては光源と、この光源の光束を液晶パネルの照射に最適な面状の光束に変換する導光板とよりなるものであった。
【特許文献1】特開2006−118892号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、近年、車両用計器、特に、指針を用いた車両用計器においては、表示装置の表示領域が大型化している。これに伴い、この大型化した表示装置を前記指針の回転中心部に配置するために、表示領域及び外形が略円形状である液晶パネルが開発され、それに伴い照明装置の発光領域および外形も略円形状であることが求められるようになってきている。この表示装置の大型化に伴い、表示領域の照明ムラも目につきやすくなるという問題点もあった。
【0004】
そこで、本発明は、この要望に鑑みなされたものであり、照明ムラを抑えた照明装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、光源と、導光部材と、を備え、前記光源から発せられる光が前記導光部材の光入射部から入射するとともに前記導光部材の光出射部から出射して被照明部材を照明する照明装置において、前記導光部材を略円形状とし、前記光源を複数備え、前記複数の光源から出た光の出射方向が全て交わるように前記光源を前記導光部材の周縁に配設したものである。
【0006】
また、本発明は、前記複数の光源の個数で前記導光部材の周縁を等分割し、前記各等分割した周辺内に前記各光源を配置したものである。
【0007】
また、本発明は、前記光源間の角度を360/n(単位は度、nは、光源の数で、n≧3かつ奇数)の式により求められる間隔としたものである。
【0008】
また、本発明は、前記光入射部を前記導光部材の側面に設けたものである。
【0009】
また、本発明は、前記光入射部が、平面状に形成されてなることものである。
【0010】
また、本発明は、前記光出射部の下面側に、微細な凹凸からなる光反射部を設けたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、所期の目的を達成でき、照明ムラを抑えた照明装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0013】
本実施形態による照明装置1は、光源2と、導光部材3と、基板4と、上ケース10と、下ケース12と、反射シート14と、プリズムシート16と、拡散シート18とで、主に構成されている。
【0014】
光源2は、例えば、発光ダイオードである。光源2は、複数設けられており、本実施形態では、7つ設けられている。光源2は、導光部材3の周縁に、そして、導光部材3の側面に対して、正対するように配置されている。
【0015】
導光部材3は、光を透過可能な合成樹脂からなり、上面と下面とが平行な平板で、正面視において、円形状である(図3参照)。光源2から発せられる光は、導光部材3の側面の光入射部3aから入射し、導光部材3の上面の光出射部3bから出射する。この出射光によって、図示しない被照明部材、例えば、液晶表示パネルなどの表示素子を照明する。なお、本実施形態では、導光部材3は正面視において、円形状であるが、本発明にあっては略円形状であればよく、例えば、光入射部3aの、光源2に対向した部分が平面であってもよい。
【0016】
導光部材3の光出射部3bの下面には、光反射部3cが設けられている。光反射部3cは、導光部材3の光入射部3aから入射した光を、導光部材3の光出射面3bに反射させるものである。この光反射部3cは、微細な凹凸からなり、本実施形態では、光源2の光の出射方向に対して、光源2から離れるほど凹凸の個数が多くなっている。また、光源2の近傍では、光源2から出た光が強いので、所定の範囲で、光反射部3cである凹凸の個数が少ない領域を備えている(図3参照)。
【0017】
基板4は、光源2と電気的に接続されており、図示しない電源からの電力を、基板4を通じて光源2へ供給する。基板4のベース材は、アルミニウムなどの硬質の材料からなり、図示しない絶縁層や配線パターンが施されてある。また、基板4の上面(導光部材3側の面)には、反射層4aが施されており、この反射層4aは、白色のシルク若しくはレジスト4aなどで形成されている。これは、導光部材3から漏れ出た光を再び導光部材3に反射するものである。基板4のベース材に、金属を用いることで光源2で発生した熱を拡散させる効果が期待できる。
【0018】
導光部材3と基板4との間には、反射シート14が設けられている。この反射シート14は、合成樹脂からなる薄い板状であり、導光部材3の下面から漏れる光を良好に反射し、照明効率を上昇させる効果がある。
【0019】
導光部材3の光出射面3bには、各々2枚のプリズムシート16と拡散シート18とが積層した状態で設けられている。1枚の拡散シート18が導光部材3上に配置され、次いで、2枚のプリズムシート16が1枚目の拡散シート18上に配置され、最後に、プリズムシート16上に2枚目の拡散シート18が配置される。
【0020】
プリズムシート16は、合成樹脂からなる薄い板状であり、プリズム効果を有する複数の平行な溝を備えている。そして、2枚のプリズムシート16は、前記複数の溝が互いに略直交するように配置されており、導光体3からの光を、図示しない被照明部材へ良好に照射させる効果がある。
【0021】
拡散シート18は、合成樹脂からなる薄い板状であり、光出射面3bからの光を拡散させ、主に照明ムラを緩和する効果がある。
【0022】
上ケース10および下ケース12は、白色の合成樹脂からなり、図示しない手段によって固定され、導光部材3、基板4、反射シート14、プリズムシート16および拡散シート18を固定している。なお、19は、スペーサであり、白色の合成樹脂からなり、導光部材3と上ケース10との間で、かつ光源2間に形成された空間を満たすものであり、本実施形態では、スペーサ19は、全て連結されている。このスペーサ19は、導光部材3の側面から漏れる光を良好に反射し、照明効率を上昇させる効果がある。
【0023】
複数の光源2から出た光の出射方向Lが全て交わるように光源2を導光部材3の周縁に配設してある。
【0024】
そして、複数の光源2が配置される間隔は、等間隔であり、この光源2間の角度は、360/n(単位は度、nは、光源の数で、n≧3かつ奇数)の式により求められるものである。本実施形態では、7つの光源2が配置されているので、光源2間の角度は、360/7で、約51.43度となる。
【0025】
本発明では、複数の光源2から出た光の出射方向Lが、全て交わるように光源2を導光部材3の周縁に設けたことによって、照明ムラを抑えた照明装置1を提供することができる。また、光源2から出た光の出射方向Lの全てが、交わると言うことは、任意の光源2が正対しないので、一方の光源2が、他方の光源2に向けて光を照射することによって、光が集中することによって生じる照明ムラを抑制することができる。
【0026】
また、本発明では、光源2を等間隔に配置し、また、光源2の数を奇数としたことによって、導光部材3の光源2を設けた側とは反対の側には、光源2が配置されない。よって、導光部材3の光源2を設けた側とは反対の側には、光反射部3cが多く設けられており、光出射面3bへ光を良好に反射することができ、前記被照明部材を照明する輝度を向上させることができ、照明ムラを抑えた照明装置1を提供することができる。なお、本発明は、光源2に指向性の強い光源を用いる場合に、特に有効である。
【0027】
また、導光部材3の側面に光入射部3aを設けたことによって、光源2から出た光が導光部材3の板面方向に平行に、導光部材3内に入ることができるので、光源2の光を効率よく導光部材3に取り入れることができる。
【0028】
図4は、本発明の第2実施形態を示すもので、特に、光源2の配置に関するものである。
【0029】
本実施形態では、光源5が、導光部材6の背後に設け、導光部材6の光入射部6aを導光部材6の背面で、かつ周縁に設け、そして、この光入射部6aから入射した光を導光部材6の中心方向に反射する光反射面6dを導光部材6の周辺に設けたものである。この反射部6dは、光入射部6aの面に対して、45度の角度である。導光部材6に入った光は、光出射部6bから出射される。
【0030】
なお、前記各実施形態では、光源2を等間隔に配置していたが、本実施形態に限定されるものではなく、製品の形状などの諸条件によって、光源2を等間隔に配置することができない場合は、複数設けた光源2の個数で導光部材3の周縁を等分割し、この各等分割した周縁内に各光源2を配置すればよい。この場合、等分割した周縁に光源2を配置することで、照明ムラを抑えることができる。なお、この場合、光源2の個数は、奇数に限定されるものではなく、偶数でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1実施形態の正面図。
【図2】図1中A−A線の断面図。
【図3】図2中B−B線の断面図。
【図4】本発明の第2実施形態の断面図。
【符号の説明】
【0032】
1 照明装置
2、5 光源
3、6 導光部材
3a、6a 光入射部
3b、6b 光出射部
3c 光反射部
4 基板
4a 反射層
6d 光反射面
10 上ケース
12 下ケース
14 反射シート
16 プリズムシート
18 拡散シート
19 スペーサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、導光部材と、を備え、前記光源から発せられる光が前記導光部材の光入射部から入射するとともに前記導光部材の光出射部から出射して被照明部材を照明する照明装置において、前記導光部材を略円形状とし、前記光源を複数備え、前記複数の光源から出た光の出射方向が全て交わるように前記光源を前記導光部材の周縁に配設したことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記複数の光源の個数で前記導光部材の周縁を等分割し、前記各等分割した周辺内に前記各光源を配置したことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記光源間の角度を360/n(単位は度、nは、光源の数で、n≧3かつ奇数)の式により求められる間隔としたことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記光入射部を前記導光部材の側面に設けたことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記光入射部が、平面状に形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
前記光出射部の下面側に、微細な凹凸からなる光反射部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−199971(P2009−199971A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−42458(P2008−42458)
【出願日】平成20年2月25日(2008.2.25)
【出願人】(000231512)日本精機株式会社 (1,561)
【Fターム(参考)】