説明

照明装置

【課題】電池交換が不要で、停電時に点灯する保安灯機能を備えた照明装置を提供する。
【解決手段】建物内には、交流電源を供給するための交流電源線L2と、バッテリー3により停電保証された直流電源を供給するための直流電源線L1とが並行配線されている。足下灯1A〜1Dは、直流電源線L1及び交流電源線L2がそれぞれ接続される直流接続端子T1及び交流接続端子T2と、直流接続端子T1に入力された直流電源の電源電圧を内部回路の動作電圧に変換するDC/DCコンバータ6と、交流接続端子T2に入力される電源電圧(AC100V)が所定の閾値を下回ると点灯信号を出力する停電検知回路8と、停電検知回路8から点灯信号が入力されると、直流接続端子T1から入力され、バッテリー3により停電保証された直流電源から得た電源で、LED10を点灯させるLED制御回路9とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、停電時に点灯する保安灯機能を備えた照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の照明装置としては、廊下に面した壁面に設置されて、足下を照明する足下灯が従来提供されていた(例えば特許文献1参照)。この足下灯は、交流電源の通電中に充電される二次電池を内蔵しており、交流電源の停電が発生すると、二次電池により光源を点灯させることで、停電時の明るさを確保している。
【特許文献1】特開2002−8411号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の照明装置では、個々の照明装置に二次電池を内蔵させているため、二次電池の寿命がくると、個々の照明装置で二次電池を交換する必要があり、二次電池を交換する手間が煩雑であった。
【0004】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、電池交換が不要で、停電時に点灯する保安灯機能を備えた照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、バッテリーにより停電保証された直流電源を供給するための直流電源線と、交流電源を供給するための交流電源線とが並行配線された建物内に設置され、直流電源線が接続される直流接続端子と、交流電源線が接続される交流接続端子と、交流電源の停電を検知する停電検知回路と、当該停電検知回路による停電検知時に、直流接続端子に入力された直流電源から得た電源で、直流電力で駆動される直流光源を点灯させる点灯回路とを備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、通路に面した壁面に取り付けられる器具本体に、直流光源と停電検知回路と点灯回路とを収納したことを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、器具本体に、交流接続端子から入力される交流電源を外部の交流機器に供給するためのACコンセント部、又は、直流接続端子から入力される直流電源を外部の直流機器に供給するためのDCコンセント部のうち少なくとも何れか一方を設け、コンセント部に供給される電源から停電検知回路の電源を得ることを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、天井面に取り付けられる器具本体に、直流光源と停電検知回路と点灯回路とを収納したことを特徴とする。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1の発明において、直流電源用の直流接続部及び交流電源用の交流接続部を具備して天井下面に配設された引掛シーリングに着脱自在に取り付けられる器具本体を備え、当該器具本体に直流光源と停電検知回路と点灯回路が収納され、引掛シーリングの直流接続部及び交流接続部から器具本体に直流電源及び交流電源がそれぞれ供給されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、直流接続端子にはバッテリーにより停電保証された直流電源が接続されており、停電検知回路による停電検知時には、点灯回路が、直流接続端子に入力された直流電源から得た電源で直流光源を点灯させているので、個々の照明装置に二次電池を持たせなくても、停電時に直流光源を点灯させることができ、したがって各照明装置のコストダウンが図られるとともに、各照明装置で二次電池を交換する手間が無くなるという効果がある。しかも、個々の照明装置で停電を検知することができるので、例えば分電盤などで停電検知を行い、分電盤から各照明装置に停電検知信号を送信して、各照明装置を点灯させる場合に比べて、各照明装置に停電検知信号を受信する回路や、分電盤と各照明装置の間を接続する通信線などが不要になるから、照明装置のさらなるコストダウンを実現できるという効果がある。
【0011】
請求項2の発明によれば、保安灯機能を備え、停電時に点灯させるための電源として二次電池を不要にした足下灯を実現できる。
【0012】
請求項3の発明によれば、照明装置のDCコンセント部或いはACコンセント部に負荷機器のプラグを接続することで、照明装置から負荷機器に直流電源或いは交流電源を供給することができ、且つ、コンセント部に供給される電源から停電検知回路の電源を得て、停電検知回路を動作させることができる。
【0013】
請求項4の発明によれば、保安灯機能を備え、停電時に点灯させるための電源として二次電池を不要にした天井取付型の照明器具を実現できる。
【0014】
請求項5の発明によれば、引掛シーリングを用いて天井面に取り付けられる照明装置において、保安灯機能を備え、停電時に点灯させるための電源として二次電池を不要にした照明装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
(実施形態1)
本発明に係る照明装置の実施形態1を図1〜図6に基づいて説明する。尚、本実施形態では、照明装置として廊下などの通路に面した壁に取着されて足下を照明する足下灯を例に説明する。
【0017】
図1(a)は足下灯1A〜1Dを用いた照明システムのシステム構成図であり、この照明システムは、建物内に配線された交流電源線L2と、交流電源線L2を介して供給される交流電源(AC100V)を直流電源(例えばDC48V)に変換するAC/DCコンバータ2と、建物内に交流電源線L2と並行して配線され、AC/DCコンバータ2の直流出力端子に接続される直流電源線L1と、直流電源線L1に接続され通電中は充電されるとともに停電時には充電電荷を放電するバッテリー3と、交流電源線L2及び直流電源線L1にそれぞれ接続され、交流電源或いは直流電源の供給を受けて動作する足下灯1A〜1Dとを備えている。なお、足下灯1A〜1Dの器具本体12は、日本工業規格で規格化(JIS C 8375参照)された大角形連用配線器具の取付枠に3個まで並べて取着可能なモジュール寸法の3個分の大きさ(この大きさを3個モジュール寸法という。)に形成され、器具本体12には上記取付枠に取り付けるための取付手段が設けられている。そして、足下灯1A〜1Dは、取付枠を用いて通路に面した壁面に埋込配設されており、取付枠の前面側に取着される化粧プレート11の開口窓11aから、足下灯1A〜1Dの機能面(前面)が露出するようになっている。なお、上記の取付枠や、取付枠に取り付けるための取付手段については従来周知であるのでその説明は省略する。
【0018】
次に足下灯1A〜1Dの回路構成について説明する。ここで、足下灯1A〜1Cの前面下側には、LED10の前面を覆う透光カバー10aが配置され、足下灯1Dの前面には透光カバー10aが略全面に配置されている。また足下灯1Bの前面上側にはDCコンセント部4及びACコンセント部5が1口ずつ配置されている。また更に、足下灯1Aの前面上側には1口のDCコンセント部4が、足下灯1Cの前面上側には1口のACコンセント部5がそれぞれ配置されており、足下灯1DはDCコンセント部4及びACコンセント部5をいずれも備えていない。すなわち、DCコンセント部4及びACコンセント部5の有無を除けば、足下灯1A〜1Dは同様の構成を有しており、以下ではDCコンセント4及びACコンセント部5を1口ずつ備えた足下灯1Bを例に説明を行う。
【0019】
図1(b)は足下灯1Bの内部回路図であり、足下灯1Bは、直流電源線L1が接続される直流接続端子T1と、交流電源線L2が接続される交流接続端子T2と、直流接続端子T1に入力された直流電源を外部の直流機器に供給するためのDCコンセント部4と、交流接続端子T2に入力された交流電源を外部の交流機器に供給するためのACコンセント部5と、直流接続端子T1に入力された直流電源の電源電圧を内部回路の動作電圧に変換するDC/DCコンバータ6と、周囲の照度が所定の基準照度よりも暗くなると点灯信号を出力する明るさセンサ回路7と、直流接続端子T1に入力された直流電源から得た電源で動作し、交流接続端子T2に入力される電源電圧(AC100V)が所定の閾値を下回ると点灯信号を出力する停電検知回路8と、前面に設けた透光カバー10aの内側に配置されるLED10と、明るさセンサ回路7又は停電検知回路8からオン信号が入力されると、LED10を点灯させるLED制御回路9(点灯回路)とを備えている。ここで、本実施形態では直流電力により駆動される直流光源としてLED10を備えているが、発光ダイオード以外の直流光源を備えていても良い。また停電検知回路8は、交流接続端子T2に入力された交流電源から得た電源で動作するようにしても良い。
【0020】
なお足下灯1Bに、検知エリア内の人体から放射される熱線を検出することによって人の存否を検知する人体検知センサを設け、明るさセンサ回路7からオン信号が入力された状態で人体検知センサが人を検知すると、LED制御回路9がLED10を点灯させるようにしても良く、人がいない状態でLED10が点灯されるのを防止することができる。
【0021】
ここで、足下灯1Bが備えるDCコンセント部4について図2〜図6を参照して説明する。DCコンセント部4、並びに、DCコンセント部4に着脱自在に接続されるプラグ50はそれぞれIEC規格(CEI/IEC 906−3)に準拠しており、IEC規格(CEI/IEC 906−3)では、8種類(交流及び直流の6V,12V,24V,48V)のSELV(Safety Extra-Low Voltage)電源に対して極配置が定められている。
【0022】
先ずプラグ50の構成について図4〜図6を参照して説明する。プラグ50は負荷機器からの電線56に接続されている。プラグ50は略円柱状のプラグ本体51を備え、プラグ本体51の先端側には後側よりも細径となる円筒状の嵌合部52が形成されている。嵌合部52の内周面には基準位置を示すリブ53がプラグ本体51の軸方向に沿って突設されている。そして、プラグ本体51の中心位置を通り、当該中心位置とリブ53とを結ぶ線分に対して直交する直線上には、中心位置に対して対称な位置に、プラグ本体51の軸方向に沿って延びる丸棒状の2本の導電ピン54a,54bが配置されている。尚、図6(a)に示すようにリブ53を上側に見た時に右側に位置する導電ピン54aが正極側、左側に位置する導電ピン54bが負極側の導電ピンとなっている。また嵌合部52の内周面には、電源の種類(直流又は交流の別、及び定格電圧)に応じた位置に、プラグ本体51の軸方向に沿って延びる誤接続防止用の識別リブ55が突設されている。図6(a)は直流用のプラグ50に設けられた識別リブ55の位置を示し、電源電圧がDC6V,12V,24V,48Vの場合、それぞれ、リブ53の位置を基準(0°)として左回りに120°,150°,210°,240°の位置に識別リブ55が1箇所ずつ形成されている。なお、図6(b)は交流用のプラグ50に設けられた識別リブ55の位置を示し、電源電圧がAC6V,12V,24V,48Vの場合、それぞれ、リブ53の位置を基準として左回りに30°,60°,300°,330°の位置に識別リブ55が1箇所ずつ形成されている。例えばDC48V用のDCコンセント部4に対応したプラグ50では、リブ53に対して左回りに240°の位置に識別リブ55が形成されている。
【0023】
一方、DCコンセント部4は、図2及び図3に示すように、プラグ50の先端部(嵌合部52)が挿入される丸穴状のプラグ挿入用穴21と、プラグ挿入用穴21の内周面との間に隙間を設けた状態で、プラグ挿入用穴21の底面から前方に向かって突出して嵌合部52内に挿入される円柱状の突出部22と、当該突出部22の前面に開口して、プラグ50の先端部に設けた導電ピン54a,54bが差込接続される一対の端子挿入用孔23a,23bと、端子挿入用孔23a,23bを通して器具本体12内に挿入される導電ピン54a,54bにそれぞれ電気的に接続される刃受部材25,25とを備え、刃受部材25は上述した直流接続端子T1に電気的に接続されている。突出部22の周面には基準位置を示す切欠溝22aが形成され、突出部22の中心位置を通り、当該中心位置と切欠溝22aとを結ぶ線分に対して直交する直線上には、中心位置に対して対称な位置に端子挿入用孔23a,23bが開口している。尚、図3(a)に示すように切欠溝22aを上側に見た時に左側に位置する端子挿入用孔23aが正極側、右側に位置する端子挿入用孔23bが負極側の端子に対応している。また突出部22の外周面には、電源の種類(直流又は交流の別、及び定格電圧)に応じた位置に、対応するプラグ50の識別リブ55が嵌合する誤接続防止用の切欠溝22b(誤接続防止溝)が形成されている。
【0024】
ここで、図3(a)はDCコンセント部4に供給される電源が直流電源の場合の切欠溝22bの位置を示し、電源電圧が6V,12V,24V,48Vの場合、それぞれ、切欠溝22aの位置を基準(0°)として右回りに120°,150°,210°,240°の位置に切欠溝22bが1箇所ずつ形成されている。また、図3(b)はDCコンセント部4に供給される電源が交流電源の場合の切欠溝22bの位置を示し、電源電圧が6V,12V,24V,48Vの場合、それぞれ、切欠溝22aの位置を基準(0°)として右回りに30°,60°,300°,330°の位置に切欠溝22bが1箇所ずつ形成されている。ここにおいて、足下灯1A,1Bに設けられたDCコンセント部4がDC48V用の場合、切欠溝22aの位置を基準として右回りに240°の位置に切欠溝22bが形成されている。このように、DCコンセント部4には、突出部22の外周面において給電電圧に応じた位置に、プラグ50の先端部に設けた識別リブ55が係入する切欠溝22bが形成されているので、識別リブ55及び切欠溝22bの位置によって、給電電圧の異なるプラグ50が差込接続されるのを防止することができ、負荷機器に対して適切な供給電圧の直流電源を供給することができる。
【0025】
そして、DCコンセント部4に適合したプラグ50の嵌合部52がプラグ挿入用穴21に挿入されると、嵌合部52の筒内に突出部22が挿入されて、嵌合部52の内周面に設けたリブ53,55がそれぞれ突出部22の切欠溝22a,22bに係入するとともに、プラグ50の導電ピン54a,54bが突出部22の端子挿入用孔23a,23bを通して突出部22内に挿入され、導電ピン54a,54bが対応する刃受部材25,25に電気的に接続される。このとき、刃受部材25,25が導電ピン54a,54bと弾接する弾接力によって、プラグ50がDCコンセント部4に接続された状態で保持される。なお、DCコンセント部4では、突出部22の前面が器具本体12の前面よりも後退した位置にあるので、DCコンセント部4に接続されたプラグ50の器具本体12前面からの突出量を小さくできる。
【0026】
またACコンセント部5は、日本工業規格(JIS C 8303参照)で極配置が規定されたAC100V用のコンセントであり、一対の平行栓刃がそれぞれ挿入される栓刃挿入口5aが開口し、栓刃挿入口5aを通して挿入される栓刃を受ける刃受部材が器具本体12の内部に収納されている。尚、ACコンセント部5の構成は従来周知であるので、その説明は省略する。
【0027】
上述のように本実施形態の足下灯1A〜1Dは、バッテリー3により停電保証された直流電源を供給する直流電源線L1が接続される直流接続端子T1と、交流電源の停電時に直流接続端子T1を介して供給される直流電源から得た電源で、直流電力で駆動されるLED10を点灯させるLED制御回路9とを備えているので、個々の足下灯1A〜1Dに二次電池を持たせなくても、停電時にLED10を点灯させることができる。したがって、保安灯機能を備え、停電時に点灯させるための電源として二次電池を不要にした足下灯1A〜1Dを実現でき、個々の足下灯1A〜1Dで二次電池を交換する手間が無くなるという効果もある。また足下灯1A〜1Dは、直流接続端子T1に入力された直流電源から得た電源で駆動される停電検知回路8を備えており、個々の足下灯1A〜1Dで停電を検知することができるので、例えば分電盤などで停電検知を行い、分電盤から各照明装置に停電検知信号を送信して、各照明装置を点灯させる場合に比べて、各照明装置に停電検知信号を受信する回路や、分電盤と各照明装置の間を接続する通信線などが不要になるから、照明装置のコストダウンを図ることができる。
【0028】
さらに、足下灯1B,1Aでは、DCコンセント部4に供給される直流電源を停電検知回路8の電源としているので、DCコンセント部4に供給される直流電源から停電検知回路8の電源を得ることができる。
【0029】
また足下灯1AはDCコンセント部4を1口、足下灯1CはACコンセント部5を1口、足下灯1BはDCコンセント部4及びACコンセント部5を1口ずつ備えており、足下灯1A〜1CのDCコンセント部4或いはACコンセント部5に負荷機器のプラグを接続することで、足下灯1A〜1Cから直流電源或いは交流電源を負荷機器に供給することができる。尚、足下灯1Dでは、ACコンセント部5に供給される交流電源を停電検知回路8の電源としても良く、ACコンセント部5に供給される直流電源から停電検知回路8の電源を得ることができる。
【0030】
(実施形態2)
本発明の実施形態2を図7〜図10に基づいて説明する。尚、本実施形態では、照明装置として天井面に配設される天井取付型の照明器具を例に説明を行う。
【0031】
図7は全体システムのシステム構成図であり、この照明システムは、建物内に配線された交流電源線L2と、交流電源線L2を介して供給される交流電源(AC100V)を直流電源(例えばDC48V)に変換するAC/DCコンバータ2と、建物内に交流電源線L2と並行して配線され、AC/DCコンバータ2の直流出力端子に接続される直流電源線L1と、直流電源線L1に接続され通電中は充電されるとともに停電時には充電電荷を放電するバッテリー3と、交流電源線L2及び直流電源線L1に接続され、交流電源或いは直流電源の供給を受けて動作する照明器具30,31とで構成される。
【0032】
次に照明器具30の内部回路を図8の回路ブロック図を参照して説明する。照明器具30は、天井面に開口する埋込孔に埋込配設されるダウンライトのような照明器具であり、直流電源線L1が接続される直流接続端子T3と、交流電源線L2が接続される交流接続端子T4と、交流接続端子T4を介して入力される交流電源を直流電源に変換するAC/DCコンバータ32と、AC/DCコンバータ32の出力の電圧値を内部回路(LED制御回路36など)の動作電圧に変換するDC/DCコンバータ33と、直流接続端子T3を介して入力される直流電源の電圧値を内部回路の動作電圧に変換するDC/DCコンバータ34と、交流接続端子T4の入力電圧と所定のしきい値電圧との高低を比較することによって停電の有無を検知する停電検知回路35と、通電中はDC/DCコンバータ33から直流電源の供給を受けてLED37を点灯させるとともに、停電検知回路35が交流電源の停電を検知すると、電源をDC/DCコンバータ34に切り替えて、LED37を自動点灯させるLED制御回路36とを備えている。
【0033】
この照明器具30では、交流電源の通電中は交流電源から電源を得てLED37を点灯させるとともに、交流電源の停電を検知すると、LED制御回路36が、バッテリー3により停電保証され、直流接続端子T3から入力された直流電源より電源を得て、直流光源であるLED37を自動的に点灯させているので、照明器具30に二次電池を持たせなくても、停電時にLED37を点灯させることができる。したがって、保安灯機能を備え、停電時に点灯させるための電源として二次電池を不要にした天井埋込型の照明器具30を実現でき、個々の照明器具30で二次電池を交換する手間が無くなるという効果もある。また照明器具30は、直流電源の供給を受けて動作する停電検知回路35を備え、個々の照明器具30で停電を検知することができるので、例えば分電盤などで停電検知を行い、分電盤から各照明器具30に停電検知信号を送信して、各照明器具30を点灯させる場合に比べて、各照明器具30に停電検知信号を受信する回路や、分電盤と各照明器具30の間を接続する通信線などが不要になるから、照明器具30のコストダウンを図ることもできる。尚、停電検知回路35は交流電源から得た電源で動作させるようにしても良い。
【0034】
一方、照明器具31は、天井下面に配設された引掛シーリング42に着脱自在に取り付けられる器具本体31aを備え、器具本体31aの内部に光源のLED37及び蛍光灯39とその点灯回路を収納している。ここで、引掛シーリング42の下面には、直流用の2個の引掛栓刃挿入口43aを備えた直流接続部43と、交流用の2個の引掛栓刃挿入口44aを備えた交流接続部44とが設けられている。2個の引掛栓刃挿入口43aは弧状に開口し、同一円周上に設けられており、引掛シーリング42の内部には、引掛栓刃挿入口43aの一端部から挿入された器具側の引掛栓刃が引掛栓刃挿入口43aの他端部に移動したときに引掛栓刃を引掛保持する引掛栓刃受け部が配置されている。また他の2個の引掛栓刃挿入口44aも弧状に開口し、引掛栓刃挿入口43aと同心に設けられており、引掛シーリング42の内部には、引掛栓刃挿入口44aの一端部から挿入された引掛栓刃が引掛栓刃挿入口44aの他端部に移動したときに引掛栓刃を引掛保持する引掛栓刃受け部が配置されている。尚、引掛シーリング42の交流接続部44は従来周知の構成を有しており、また直流接続部43も交流接続部44と同様の構成を有しているので、詳細な説明は省略する。
【0035】
そして、照明器具31は、図9の回路ブロック図に示すように、引掛シーリング42の直流用の引掛栓刃挿入口43aに挿入されて引掛栓刃受け部に引掛保持される引掛栓刃からなり、引掛シーリング42を介して直流電源線L1に接続される直流接続端子T3と、引掛シーリング42の交流用の引掛栓刃挿入口44aに挿入されて引掛栓刃受け部に引掛保持される引掛栓刃からなり、引掛シーリング42を介して交流電源線L2に接続される交流接続端子T4と、交流接続端子T4を介して入力される交流電源を直流電源に変換するAC/DCコンバータ32と、直流接続端子T3を介して入力される直流電源の電圧値を内部回路(LED制御回路36など)の動作電圧に変換するDC/DCコンバータ34と、交流接続端子T4の入力電圧と所定のしきい値電圧との高低を比較することによって停電の有無を検知する停電検知回路35と、停電検知回路35が停電を検知するとDC/DCコンバータ34から電源供給を受けて、LED37を自動点灯させるLED制御回路36と、AC/DCコンバータ32の出力を高周波の交流電圧に変換して蛍光灯39に供給することで蛍光灯39を点灯させるインバータ回路38とを備えている。
【0036】
この照明器具31では、交流電源の通電中は交流電源から電源を得て蛍光灯39を点灯させるとともに、交流電源の停電を検知すると、LED制御回路36が、バッテリー3により停電保証され、直流接続端子T3から入力された直流電源より電源を得て、直流光源であるLED37を自動的に点灯させているので、照明器具31に二次電池を持たせなくても、停電時にLED37を点灯させることができる。したがって、引掛シーリング42を用いて天井面に取り付けられる照明器具31において、保安灯機能を備え、停電時に点灯させるための電源として二次電池を不要にした照明器具を実現でき、個々の照明器具31で二次電池を交換する手間が無くなるという効果がある。また照明器具31は、直流電源の供給を受けて動作する停電検知回路35を備え、個々の照明器具31で停電を検知することができるので、例えば分電盤などで停電検知を行い、分電盤から各照明器具31に停電検知信号を送信して、各照明器具31を点灯させる場合に比べて、各照明器具31に停電検知信号を受信する回路や、分電盤と各照明器具31の間を接続する通信線などが不要になるから、照明器具31のコストダウンを図ることができる。
【0037】
なお、上述の照明器具31では、直流電源を電源としてLED37を点灯させているが、図10に示すようにAC/DCコンバータ32の出力の電圧値をLED制御回路36の動作電圧に変換するDC/DCコンバータ40と、外部から入力される切替信号に応じてLED37の電源をDC/DCコンバータ34又はDC/DCコンバータ40の何れかに切り替える切替回路45と、停電検知回路35の検知結果に基づいて切替回路45及びLED制御回路36の動作を制御する制御回路41とを備え、交流電源の通電中は交流電源から得た直流電源でLED37を点灯させるようにしても良い。ここで、交流電源の通電中は制御回路41が切替回路45の切替状態を制御して、LED制御回路36の電源をDC/DCコンバータ40側に切り替えており、LED制御回路36は交流電源から得た直流電源を電源としてLED37を点灯させている。また停電検知回路35が交流電源の停電を検知すると、制御回路41は切替回路45の切替状態を制御してLED制御回路36の電源をDC/DCコンバータ34側に切り替えており、LED制御回路36はバッテリー3で停電補償された直流電源から電源供給を受けてLED37を点灯させている。而して、図10に示す回路では交流電源の通電中は交流電源から得た電源でLED37を点灯させているので、直流電源の負荷を低減できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】(a)は実施形態1の足下灯を用いる照明システムのシステム構成図、(b)は足下灯の回路ブロック図である。
【図2】同上の足下灯が備えるDCコンセント部を示し、(a)はDCコンセント部の拡大図、(b)はC−C断面図、(c)はD−D断面図である。
【図3】同上のDCコンセント部に設けられた切欠溝の位置を示し、(a)は直流電源の場合の説明図、(b)は交流電源の場合の説明図である。
【図4】同上のDCコンセント部に接続されるプラグを示し、(a)は外観斜視図、(b)は正面図である。
【図5】同上のDCコンセント部に接続されるプラグを示し、(a)は正面図、(b)はE−E断面図、(c)はF−F断面図である。
【図6】同上のDCコンセント部に接続されるプラグに設けた識別リブの位置を示し、(a)は直流電源の場合の説明図、(b)は交流電源の場合の説明図である。
【図7】実施形態2の照明器具を用いる照明システムのシステム構成図である。
【図8】同上の照明器具の回路ブロック図である。
【図9】同上の他の照明器具の回路ブロック図である。
【図10】同上のまた別の照明器具の回路ブロック図である。
【符号の説明】
【0039】
1A〜1D 足下灯
2 AC/DCコンバータ
3 バッテリー
6 DC/DCコンバータ
8 停電検知回路
9 LED制御回路(点灯回路)
10 LED(直流光源)
L1 直流電源線
L2 交流電源線
T1 直流接続端子
T2 交流接続端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーにより停電保証された直流電源を供給するための直流電源線と、交流電源を供給するための交流電源線とが並行配線された建物内に設置され、前記直流電源線が接続される直流接続端子と、前記交流電源線が接続される交流接続端子と、前記交流電源の停電を検知する停電検知回路と、当該停電検知回路による停電検知時に、直流接続端子に入力された前記直流電源から得た電源で、直流電力で駆動される直流光源を点灯させる点灯回路とを備えたことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
通路に面した壁面に取り付けられる器具本体に、前記直流光源と前記停電検知回路と前記点灯回路とを収納したことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記器具本体に、前記交流接続端子から入力される交流電源を外部の交流機器に供給するためのACコンセント部、又は、前記直流接続端子から入力される直流電源を外部の直流機器に供給するためのDCコンセント部のうち少なくとも何れか一方を設け、前記コンセント部に供給される電源から前記停電検知回路の電源を得ることを特徴とする請求項2記載の照明装置。
【請求項4】
天井面に取り付けられる器具本体に、前記直流光源と前記停電検知回路と前記点灯回路とを収納したことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項5】
直流電源用の直流接続部及び交流電源用の交流接続部を具備して天井下面に配設された引掛シーリングに着脱自在に取り付けられる器具本体を備え、当該器具本体に前記直流光源と前記停電検知回路と前記点灯回路が収納され、引掛シーリングの直流接続部及び交流接続部から器具本体に直流電源及び交流電源がそれぞれ供給されることを特徴とする請求項1記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−40205(P2010−40205A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−198795(P2008−198795)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】