説明

照明装置

【課題】
本発明の実施形態は、器具本体から枠部材を取り外すことにより、光源の光の出射方向に移動させ、器具本体の外部に取り出すことができる照明装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
実施形態の照明装置は、一端部に開口面を有する器具本体と;開口面を閉塞する枠部材と;枠部材の器具本体の開口面側に設けられたケース支持部材と;半導体発光素子からなり、開口面に対向して配設される光源と;バッテリと;バッテリを収納し、ケース支持部材により器具本体内部で支持されるとともに器具本体から枠部材を取り外すことにより、光源の光の出射方向に移動するバッテリケースと;外部電源によりバッテリを充電する充電制御手段と、バッテリを電源として光源を点灯させる点灯制御手段とを備える点灯ユニットと;を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のバッテリを電源として点灯を行う照明装置においては、光源として例えばハロゲンランプ等の白熱灯が使用され、光源を取り付けるためのソケットが点灯装置に設けられ、反射板を設けることにより配光制御を行っていた。そのため、従来の照明装置において、バッテリを照明器具本体の外部に取り出すためには、光源や反射板等の取り外しの後、バッテリを取り外す必要があった。また、光源を半導体発光素子とする照明装置も存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−262714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光源がハロゲンランプ等から半導体発光素子に置き換わったとしても、従来の照明装置の構造では、バッテリを照明器具本体の外部に取り出すためには、光源や反射板等の取り外さなければならないという課題があった。そこで、本発明の実施形態の照明装置は、バッテリを器具本体の外部に容易に取り出すことができる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の照明装置は、一端部に開口面を有する器具本体と;開口面を閉塞する枠部材と;枠部材の器具本体の開口面側に設けられたケース支持部材と;半導体発光素子からなり、開口面に対向して配設される光源と;バッテリと;バッテリを収納し、ケース支持部材により器具本体内部で支持されるとともに器具本体から枠部材を取り外すことにより、光源の光の出射方向に移動するバッテリケースと;外部電源によりバッテリを充電する充電制御手段と、バッテリを電源として光源を点灯させる点灯制御手段とを備える点灯ユニットと;を備える。
【発明の効果】
【0006】
枠部材において、器具本体の開口面側に設けられたケース支持部材により、バッテリケースは、器具本体内部で支持されているため、器具本体から枠部材を取り外すことにより、光源の光の出射方向に移動させ、器具本体の外部に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の第1の実施例を示す照明装置に係る非常灯100の概念図
【図2】同じく非常灯100の図1(a)および図1(c)のY−Y断面における枠部材2の取り外し時の断面図および図2(a)のA方向視における枠部材2の外観図
【図3】同じく非常灯100の光源部101の概念図
【図4】同じく非常灯100の図1(c)のY−Y断面における光源部102の拡大断面図
【図5】同じく非常灯100の図1(c)のY−Y断面における光源部103の拡大断面図
【図6】同じく非常灯100の回路構成を示す説明図
【図7】本発明の第2の実施例を示す照明装置に係る非常灯200の概念図
【図8】同じく非常灯200の図7(a)および図7(c)のY−Y断面における枠部材2の取り外し時の断面図および図8(a)のA方向視における枠部材2の外観図
【図9】同じく非常灯200の光源部201の概念図
【図10】同じく非常灯200の図7(c)のY−Y断面における光源部202の拡大断面図
【図11】同じく非常灯200の図7(c)のY−Y断面における光源部203の拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態の照明装置は、一端部に開口面を有する器具本体と;開口面を閉塞する枠部材と;枠部材の器具本体の開口面側に設けられたケース支持部材と;半導体発光素子からなり、開口面に対向して配設される光源と;バッテリと;バッテリを収納し、ケース支持部材により器具本体内部で支持されるとともに器具本体から枠部材を取り外すことにより、光源の光の出射方向に移動するバッテリケースと;外部電源によりバッテリを充電する充電制御手段と、バッテリを電源として光源を点灯させる点灯制御手段とを備える点灯ユニットと;を備える。
【0009】
(実施例1)本発明の第1の実施例の照明装置に係る非常灯100について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施例を示す照明装置に係る非常灯100の概念図であり、図1(a)は図1(b)のX−X断面における非常灯100の断面図、図1(b)は図1(a)および図1(c)のY−Y断面における非常灯100の断面図、図1(c)は図1(b)のA方向視における非常灯100の外観図、図2は同じく非常灯100の図1(a)および図1(c)のY−Y断面における枠部材2の取り外し時の断面図および図2(a)のA方向視における枠部材2の外観図であり、図2(a)は図1(a)および図1(c)のY−Y断面における枠部材2の取り外し時の断面図、図2(b)は図2(a)のA方向視における枠部材2の外観図、図3は同じく非常灯100の光源部101の概念図であり、図3(a)は図3(b)のA方向視における光源部101の外観図、図3(b)は図1(b)における光源部101の拡大断面図、図3(c)は図3(b)のB方向視における光源部101の外観図、図4は同じく非常灯100の図1(c)のY−Y断面における光源部102の拡大断面図、図5は同じく非常灯100の図1(c)のY−Y断面における光源部103の拡大断面図、図6は同じく非常灯100の回路構成を示す説明図である。
【0010】
本実施例の非常灯100について、図1および図2を参照して説明する。
【0011】
本実施例の非常灯100は、廊下や通路等の天井面に沿い、所定の間隔を有して複数台が埋め込まれて設置される。図1(a)〜(c)に示すように、非常灯100は、器具本体1、枠部材2、光源3、光源3に対向して設けられる第1配光制御手段4、バッテリ5、光源3を点灯させる点灯ユニット6、後述する報知手段7、報知手段7に対向して設けられる第2配光制御手段9、および光源3、第1配光制御手段4、報知手段7、光源3および報知手段7を実装する基板8、第2配光制御手段9を有する光源部101で構成される。なお、本実施例において、照明装置は、停電時に用いる非常灯100が好適であるが、これらに限らず、バッテリを電源とする屋内、屋外の全ての照明装置に適用される。また、埋込形の照明装置であっても、直付け形や天吊り形等、他の設置手段で設置される照明装置であってもよい。
【0012】
なお、本実施例において、「実装」とは、光源や報知手段等と基板を電気的、機械的に接続すること、例えば、はんだ等の材料により接続することを意味し、「載置」とは、基板上に充電制御手段や点灯制御手段等を含む点灯ユニット等が存在し、電気的、機械的接続の有無を問わず実装の意味も包含するものである。
【0013】
器具本体1は、アルミダイカスト製で、一端に開口面1aを有する円筒状のケース部材として構成され、器具本体1の内部にバッテリ5および点灯ユニット6が収納される。
【0014】
器具本体1の開口面1aには、天井等の被設置部材12に設けられた設置孔13を塞ぐための化粧枠の機能を有する枠部材2が嵌合され、開口面1aの周囲を閉塞している。枠部材2は、器具本体1と同様にアルミダイカスト製で、後述する光源部101を取り付けるために枠部材2の中央部に設けられる略円形の開口部2a、後述する点検スイッチ10の引き紐10aを枠部材2の外部に引き出させるために枠部材2の中央部と外周との中間部に設けられるスリット状の開口である点検スイッチ用孔部2bおよび断面が略L字状をなす枠部2cからなり、器具本体1の開口面1aに枠部2cが嵌め込まれ側方から図示しないネジ等の固定手段で支持固定される。
【0015】
支持具11は、器具本体1を天井等の被設置部材12に支持するためのもので、ステンレスの板材をプレス加工して形成した略L字形の2枚の板バネからなり、L字の垂直部分を器具本体1の外側面に、径方向に対向して位置させてネジ等で固定する。
【0016】
この板バネからなる支持具11は、互いに内方にたわまされた状態で器具本体1と共に、天井面等の被設置部材12の設置孔13に挿入され、挿入後は自らの弾性により元の状態に復帰して設置孔13の内面に圧接し、その圧接力により器具本体1を被設置部材12に固定する。なお、取り外す場合には、上記と逆の操作を行う。
【0017】
非常灯100は、図1に示すように、例えば、枠部材2の直径寸法D1が90〜100mm程度、器具本体1の直径寸法D2が約85mm、消費電力が13WのAC100Vで駆動する小型の照明装置として構成されてもよい。この際、器具本体1は上述したように器具本体1の直径寸法D2がわずか約85mmであり、被設置部材表面12aから器具本体1の端部までの高さhが約65mmの小型に構成されているので、設置孔13が小さく済み、施工が容易となる。
【0018】
バッテリ5は、バッテリケース5aに収納され、器具本体1の円筒ケース内に、後述する光源部101の上方に位置させて、枠部材2の器具本体1の内部側に設けられたケース支持部材に支持されて配設し収納されている。ケース支持部材は、バッテリケース5aの底面、すなわち枠部材2側に位置する表面と接触するケース支持部材載置部2dおよびバッテリケース5aの側面、すなわち、バッテリ5の正極と負極を結ぶ軸と略並行にバッテリケース5aに設けられた表面に対向するように枠部材2の器具本体1の内部側に設けられたケース支持部材ガイド部2gを有している。
【0019】
なお、バッテリケース5a内には、図1に示すように複数のバッテリ5が組電池として設けられてもよいし、複数の電池が積層され周囲を外殻に覆われた状態で設けられてもよい。バッテリケース5aはステンレス、アルミニウム等の金属で構成しても、不燃性の合成樹脂から構成されてもよい。
【0020】
バッテリケース5aには、図示しない集電体、集電体と点灯ユニット6を電気的に接続するための図示しない接続端子が設けられる。集電体は、図1(a)および図1(b)に示されるように、バッテリケース5a内に複数のバッテリ5が設けられた場合に複数のバッテリ5を電気的に接続する役割を果たすものである。
【0021】
ケース支持部材載置部2dは、枠部材2の器具本体1の内部側に設けられ、バッテリケース5aの底部を支持することにより、バッテリケース5aを器具本体1内部において支持する。ケース支持部材載置部2dは、図2(b)に示すように、バッテリケース5aの底部との当接部分が開口部2aの周囲を囲むような円弧状に形成される。後述する光源部101の器具本体1内部側の表面と枠部材2の器具本体1内部側の表面が面一となる場合であっても、ケース支持部材載置部2dが枠部材2に設けられることが好適である。ケース支持部材載置部2dにより、枠部材2の器具本体1内部側の表面とバッテリケース5aの底面に空間が形成されるので、バッテリ5から発生した熱を効率的にバッテリ5およびバッテリケース5aから除去することができ、熱によるバッテリ5の劣化を抑制することができる。また、バッテリ5から発生した熱が、バッテリケース5aの底面およびケース支持部材載置部2dを熱伝導することにより、枠部材2の被設置部材表面12a側の表面に到達し、バッテリ5から発生した熱を非常灯100の外部に放出させることができる。
【0022】
ケース支持部材ガイド部2gは、バッテリケース5aの側面を囲むように枠部材2の器具本体1の内部側に形成される。図1および図2に示すように、バッテリケース5aの側面が、バッテリ5の正極と負極を結ぶ軸に直交する断面における形状が円弧状の曲面とその曲面に接続する平面からなる場合には、曲面形状の側面および平面形状の側面の両者にそれぞれ対向してケース支持部材ガイド部2gが設けられることが、バッテリケース5aを枠部材2上において安定的に支持するために好ましい。
【0023】
なお、ケース支持部材ガイド部2gの高さ、すなわち、枠部材2の器具本体1の内部側の表面から、ケース支持部材ガイド部2gの端部までの距離はバッテリケース5aの高さの1/3程度とすることが、バッテリケース5aの枠部材2の取り外しの観点から好ましい。バッテリケース5aの上面が、ケース支持部材ガイド部2gの枠部材2との接続部分の他端側の端部よりも下回ることがあるとケース支持部材からバッテリケース5aを取り出しにくくなるためである。
【0024】
ケース支持部材ガイド部2gは図2(b)に示すように、1つの閉じた平面で形成されるのではなく複数の別個の側壁からなることが望ましい。ケース支持部材ガイド部2gを1つの閉じた平面による側壁で形成すると、バッテリケース5aを枠部材2から分離する際に、バッテリケース5aの底面とケース支持部材により形成された空間に空気が流入しにくくなり、空間内部が負圧となりバッテリケース5aを枠部材2から分離しにくくなるためである。また、ケース支持部材ガイド部2gを1つの閉じた平面による側壁で形成すると、バッテリ5から発生した熱が放出されにくくなり、バッテリ5を劣化させる可能性があるためである。
【0025】
よって、バッテリケース5aはケース支持部材により支持されるので、枠部材2を取り外すことによりバッテリケース5aを枠部材2とともに器具本体1の外部に取り出すことができる。また、バッテリケース5aはケース支持部材ガイド部2gにより側面を支持されているので、枠部材2の器具本体1からの取り外しおよび取り付けの際に、枠部材2から脱落することを防ぐことができる。
【0026】
バッテリ5により光源3を点灯させる点灯ユニット6は、点灯ユニット筐体6dに収納され、器具本体1の円筒ケース内に、後述する光源部101の上方に位置させて、支持部材1bに支持させて配設し収納される。点灯ユニット筐体6dの内部には、外部電源によりバッテリ5を充電する充電制御手段6aおよびバッテリ5を電源として光源3を点灯させる点灯制御手段6bを構成するための点灯ユニット基板6cが、充電制御手段6aおよび点灯制御手段6bを構成するために必要な電子部品等を実装するための実装面6eを光源3の光の出射方向と略並行となるように配置されている。
【0027】
点灯ユニット基板6cの実装面6eの裏側面には、点灯ユニット基板6cから発生する熱を点灯ユニット筐体6dの外部に放出させるために、図示しない放熱部材が点灯ユニット基板6cの実装面6eの裏側面に密着して熱伝導可能なように設けられてもよい。なお、放熱部材は、点灯ユニット筐体6dとバッテリケース5a間の空間に点灯ユニット筐体6dの平面部に熱伝導可能なように密着して設けられてもよい。この際、放熱効率の観点から、点灯ユニット筐体6dの平面部を介して点灯ユニット基板6cの実装面6eの裏側面と放熱部材が熱伝導可能なように設けられることが好ましい。
【0028】
実装面6eには、点検スイッチ10が実装される。点検スイッチ10は、非常灯100に対して法令等で定められた点検等を実施する際に用いられるものであって、例えば、点検スイッチ10を操作することにより、バッテリ5に充電された電力を光源3に供給し、光源3が正常に点灯するか否かを確かめるためのものである。点検スイッチ10には操作部として、引き紐10aが設けられる。枠部材2には引き紐10aの先端部に対向する位置に点検スイッチ用貫通孔2bを形成し、点検スイッチ10の操作部としての引き紐10aを挿入して、引き紐10aの先端部を枠部材2の外表面、本実施例では枠部材2の下面から突出させ、非常灯100の外部から点検スイッチ10の操作ができるように構成する。これにより、充電制御手段6a、点灯制御手段6bおよび点検スイッチ10が共通の1枚の点灯ユニット基板6cに構成される。なお、引き紐10aを非常灯100の外部に露出させるために、支持部材1bに点検スイッチ用貫通孔2bに対向して孔部1cが設けられる。
【0029】
次に、本実施例の非常灯100の光源部101について、図1および図3を参照して説明する。
【0030】
図1および図3に示すように、枠部材2の中央部に設けられた略円形の開口部2aの略中心の近傍に光源3が対向するように光源部101が設けられる。
【0031】
光源部101は、光源3、光源3に対向して設けられた第1配光制御手段4、後述する情報を点灯状態により表示し、枠部材2の開口部2aの周囲に臨むように配設される報知手段7、報知手段7に対向して設けられた第2配光制御手段9並びに光源3および報知手段7が実装される基板8で構成される。なお、光源部101は、反射体を設けたものを除外するものではなく、小型化を阻害しない機能を有する反射体を設けても差し支えない。
【0032】
光源部101は光源部101の基体となるガラスレンズ14の外周が枠部材2の開口部2aの内周に当接して、嵌め込まれるようにして設けられる。なお、光源部101と枠部材2は分離可能に設けられる。光源部101と枠部材2の接続手段は、ガラスレンズ14の外周および開口部2aの内周に凹部または凸部のいずれかを形成した凹凸嵌合であって、ガラスレンズ14および枠部材2の開口部2aを嵌合させ、ガラスレンズ14を回動させることにより、光源部101のガラスレンズ14を枠部材2の開口部2aに固定させることが、光源部101の枠部材2からの取り外し時の操作性の観点から好適である。また、光源部101と点灯ユニット6は電気的接続手段、具体的にはコネクタおよび電線で接続されるので、光源部101の取り付けおよび取り外し時においてコネクタや電線に機械的負荷を与えることを軽減するために、嵌合および回動による接続手段が好ましい。この接続手段を用いる場合に、回動時の操作角度はできるだけ小さいことが好ましい。なお、ガラスレンズ14の外周および開口部2aの内周に雄ねじ部および雌ねじ部が設けられることによってなされてもよい。
【0033】
光源3は半導体発光素子からなり、本実施例では光源3は発光ダイオードで構成し、青色LEDチップとこの青色LEDチップにより励起される黄色蛍光体により白色を発光する高輝度、高出力のものである。この発光ダイオードは、一方向に光線が主として放射される。すなわち、図3に示す光源3の光軸o−o方向に光線が主として放射される。発光ダイオードは本実施例では1個用意され、円板状の基板8の実装面8a上に枠部材2の中央部に形成された略円形の開口部2aの略中心の近傍に対向して実装されて支持される。
【0034】
報知手段7は、例えば、バッテリの充電状態を点灯状態により表示するもので、発光ダイオード等の半導体発光素子から構成される。報知手段7は、開口部2aの周囲に臨むように配設される。すなわち、ガラスレンズ14の周囲に臨むように配設され、第1配光制御手段4から放射される光を遮らない位置に配設される。
【0035】
第1配光制御手段4は、照明装置としての非常灯100に必要な配光特性を得るための光制御体で、透明なガラスで形成されたレンズ体等が許容される。
【0036】
図3(b)に示すように、ガラスレンズ14はガラスレンズ開口部14aを出射面14cと反対側の表面に有する。ガラスレンズ開口部14aの底面には入射面14bが形成される。ガラスレンズ開口部14aの周壁面と入射面14bにより形成される角部には、光源3および報知手段7が実装された基板8をガラスレンズ開口部14a内で保持するための段部14dが設けられる。基板8は光源3および報知手段7が実装された実装面8aが入射面14bに対向するようにガラスレンズ開口部14a内に設けられる。
【0037】
図3(b)に示すように、光源3および報知手段7にそれぞれ対向して第1配光制御手段4および第2配光制御手段9がガラスレンズ14の出射面14c側に設けられる。光源3および報知手段7から放出された光は、入射面14bからガラスレンズ14に入射し、第1配光制御手段4および第2配光制御手段9を介して、出射面14cから空間中に放出される。第1配光制御手段4および第2配光制御手段9は、出射面14cに光源3および報知手段7の光の出射方向に凸部を形成することにより構成される。
【0038】
ガラスレンズ開口部14aは、基板8を配設した後、残りのガラスレンズ開口部14aの空間は、閉塞部材15により密閉される。なお、ガラスレンズ開口部14aの内周部と閉塞部材15の外周部は隙間なく嵌合されることにより、基板8がガラスレンズ開口部14a内で動くことがないように固定する。基板8がガラスレンズ開口部14a内で動くようなことがあると、光源3と第1配光制御手段4および報知手段7と第2配光制御手段9との位置関係にずれが生じ、所望の光学制御ができなくなることがあるため、閉塞部材15はガラスレンズ開口部14aから外すことができないような固定手段でガラスレンズ14に固定されることが望ましい。
【0039】
閉塞部材15は、基板8の実装面と反対側の裏側面8bが閉塞部材15の表面に密着するように設けられてもよい。このように基板8と閉塞部材15をガラスレンズ開口部14a内に配設することで、光源3または報知手段7からこれらの発光により放出される熱が閉塞部材15を介して、光源部101の外部に放出されることができる。閉塞部材15が放熱手段として用いられる場合は、閉塞部材15は、銅、アルミニウム等の熱伝導率の高い材料や金属材料等から形成されることが好適である。
【0040】
光源部101に閉塞部材15を用いない場合は、基板8はガラスレンズ開口部14a内でねじ等の固定手段を用いて固定されるか、基板8の外周部とガラスレンズ開口部14aの内周部が嵌合することにより固定される。また、基板8はガラスレンズ開口部14a内で接着剤等の固定手段で固定されてもよい。なお、この場合、ガラスレンズ開口部14aの深さ、すなわち、ガラスレンズ開口部側表面14eから段部14dまでの距離は、基板8の厚さ以下であってもよい。閉塞部材15を用いない場合は、基板8の裏側面8bがガラスレンズ開口部側表面14eと面一になるように設けられてもよいし、裏側面8bがガラスレンズ開口部側表面14eよりも突出するように設けられてもよい。
【0041】
第1配光制御手段4および第2配光制御手段9は、基板8の実装面8aから第1配光制御手段4の光源3の光の出射方向に対する端部および第2配光制御手段9の報知手段7の光の出射方向に対する端部までの距離が、図3(b)に示すようにそれぞれd1およびd2となるように形成される。そして、d1はd2より大きくなるように形成される。
【0042】
光源部101においては、ガラスレンズ14の出射面14cのみに第1配光制御手段4および第2配光制御手段9を光の出射方向に凸部を形成することにより配設する場合を示したが、第1配光制御手段4および第2配光制御手段9の形成はこれに限られるものではない。
【0043】
図4に第1配光制御手段4および第2配光制御手段9の変形例として、光源部102の断面図を示す。
【0044】
光源部102は、光源部101と異なり、ガラスレンズ14のガラスレンズ開口部14aの底部、すなわち、入射面14bとガラスレンズ開口部14aの周壁面の角部に段部14dを設けずに、基板8の実装面8aと入射面14bが接触するように基板8をガラスレンズ開口部14aに配設し、かつ、光源3および報知手段7に対向する入射面14bおよび出射面14cの両方に第1配光制御手段4および第2配光制御手段9をそれぞれ配設したことに特徴を有する。
【0045】
光源部102のガラスレンズ14は、入射面14bには、光の出射方向に凹部を形成することにより第1配光制御手段4および第2配光制御手段9を配設し、出射面14cには、光源部101のガラスレンズ14と同様に、光の出射方向に凸部を形成することにより第1配光制御手段4および第2配光制御手段9を配設したものである。光源部102のガラスレンズ14において、第1配光制御手段4および第2配光制御手段9は入射面14bに形成された凹部および出射面14cに形成された凸部である。
【0046】
このとき、d1は、基板8の実装面8aから第1配光制御手段4の凸部端部までの距離としてもよいし、第1配光制御手段4の凹部端部から第1配光制御手段4の凸部端部までの距離としてもよい。なお、d2に関しても同様に、d2を基板8の実装面8aから第2配光制御手段9の凸部端部までの距離としてもよいし、第2配光制御手段9の凹部端部から第2配光制御手段9の凸部端部までの距離としてもよい。いずれの場合も、d1はd2より大きくなるように形成される。
【0047】
光源放射範囲31は、光源3から放出される光の範囲を示す。図4に示されるように、第2配光制御手段9は、光源3から放出される光を遮らないように設けられる。すなわち、第2配光制御手段9が光源放射範囲31に入ることのないように、第2配光制御手段9はガラスレンズ14に設けられる。
【0048】
なお、図5の光源部103の断面図に示すように、第1配光制御手段4および第2配光制御手段9は、入射面14bに形成された凹部のみから形成されてもよい。このとき、d1およびd2は、それぞれ基板8の実装面8aから第1配光制御手段4の凹部端部までの距離および実装面8aから第2配光制御手段9の凹部端部までの距離として定められる。なお、この場合も、d1はd2より大きくなるように形成される。
【0049】
また、第1配光制御手段4と第2配光制御手段9は、それぞれ異なる形状であってもよい。例えば、第1配光制御手段4が出射面14cに形成された凸部のみからなり、第2配光制御手段9が入射面14bに形成された凹部のみからなっていてもよい。
【0050】
次に、非常灯100の回路構成および動作について、図6を参照して説明する。
【0051】
点灯ユニット6は、光源3に所定の電流を流して点灯させるように構成されている。
【0052】
図6に示すように非常灯100は、商用電源等の外部電源16に接続される電源端子台17に、充電制御手段6a、停電検出手段6gを接続している。
【0053】
停電検出手段6gは電源端子台17に印加される外部電源16の電圧が所定時間所定値以下であることを検出したときに、外部電源16の停電が発生したとして停電検出信号を点灯制御手段6bまたは点灯制御部6fに与えるものである。なお、電源端子台17は、器具本体1の外部に設けられてもよいし、器具本体1内部であって点灯ユニット筐体6dの外部または点灯ユニット筐体6dの内部に設けられてもよい。いずれの場合であっても、バッテリ5およびバッテリケース5aの取り外し時に、点灯ユニット6および点灯ユニット筐体6dを取り外すことなくバッテリ5およびバッテリケース5aの取り外せる位置、すなわち、バッテリ5およびバッテリケース5aの取り外し時に障害とならない位置に電源端子台17は設けられる。
【0054】
充電制御手段6aは外部電源16の交流を所定電圧の直流に変換してバッテリ5に給電し、充電するものである。例えば、バッテリ5がフル充電の状態になると、報知手段7が点灯するように構成してもよい。バッテリ5には非常用点灯回路6iが接続されている。
【0055】
非常用点灯回路6iは外部電源16の停電の非常時に、バッテリ5を電源として光源3を定電流によって点灯させる回路である。そして、非常用点灯回路6iは点灯制御部6fを介して光源3に接続されている。
【0056】
点灯制御部6fは、外部電源16の停電等非常時に、その停電を検出する停電検出手段6cからの停電検出信号を受けて、光源3を非常用点灯回路6iにより所定時間以上点灯させるものである。
【0057】
また、停電検出手段6gには点検回路6hが接続される。点検回路6hには点検スイッチ10が接続される。点検スイッチ10の引き紐10aを引っ張ると、点検スイッチ10がバッテリ5と点灯制御手段6bを接続するようにしている。これにより、停電時に、光源3が点灯することの確認がなされる。
報知手段7の動作について述べる。
【0058】
報知手段7は外部電源16から供給される電力を用いて、点灯ユニット6の充電制御手段6aによりバッテリ5が充電を行われ、バッテリ5が略満充電を維持している場合に点灯される。また、光源3が点灯制御部6fまたは点灯ユニット6に接続され、バッテリ5から供給される電力により点灯可能な状態にある場合には、報知手段7が点灯される。これらバッテリ5および光源3の状態を報知するための報知手段7がバッテリ5および光源3に対応してそれぞれ設けられてもよい。なお、報知手段7が光源部101等に1つのみ設けられる場合には、バッテリ5の充電が行われ、バッテリ5が略満充電を維持し、光源3が点灯制御部6fまたは点灯ユニット6に接続され、バッテリ5から供給される電力により点灯可能な状態にある場合に点灯する。
【0059】
また、報知手段7は、点検動作中であることを点灯状態に表示することにより報知させてもよい。例えば、点検スイッチ10により点検を開始する信号が点検回路6hに入力されると、報知手段7は、点灯状態により点灯ユニット6が点検動作を行っていることを報知する。この場合、報知手段7は点灯状態とされてもよいし、点滅状態によって点検動作を非常灯100の外部に報知させてもよい。
【0060】
なお、報知手段7は、点検動作のみならず点検結果を報知することができるように構成させてもよい。このときバッテリ5の点検結果における異常の有無および光源3の点検結果における異常の有無により、報知手段7の点灯状態が異なることが、視認性の観点から好適である。
【0061】
報知手段7として、点検動作中であることを点灯状態に表示することにより報知させる報知手段7と、外部電源16から供給される電力を用いて、点灯ユニット6の充電制御手段6aによりバッテリ5が充電を行われ、バッテリ5が略満充電を維持している場合に点灯される報知手段7と、光源3が点灯制御部6fまたは点灯ユニット6に接続され、バッテリ5から供給される電力により点灯可能な状態にある場合に点灯される報知手段7をそれぞれ設け、バッテリ5および光源3に対する点検結果をバッテリ5の充電状態を報知する報知手段7および光源3の接続状態を報知する報知手段7にそれぞれ報知させてもよい。
【0062】
第1の実施例の効果について述べる。
【0063】
光源3および光源部101等は点灯ユニット6に対して間隔を有して配設し、枠部材2に対して分離可能に配設することにより、非常灯100の光源部101等を器具本体1および枠部材2から取り外すことができる。
【0064】
光源部101等に設けられた光源3は、光源部101等のガラスレンズ開口部14aの内部において、基板8、段部14d若しくは入射面14bおよび閉塞部材15により保持されるので光源3と第1配光制御手段4との位置関係または報知手段7と第2配光制御手段9との位置関係にずれを生じることがなく、光源3および報知手段7に対する所望の配光特性を得ることができる。
【0065】
バッテリ5およびバッテリケース5aは、器具本体1の内部において、枠部材2に設けられたケース支持部材により支持されるのみであるため、枠部材2を器具本体1から取り外すことにより、バッテリ5およびバッテリケース5aを枠部材2とともに器具本体1の外部に取り出すことができる。
【0066】
ケース支持部材載置部2dにより、枠部材2の器具本体1内部側の表面とバッテリケース5aの底面に空間が形成されるので、バッテリ5から発生した熱を効率的にバッテリ5およびバッテリケース5aから除去することができ、熱によるバッテリ5の劣化を抑制することができる。また、バッテリ5から発生した熱が、バッテリケース5aの底面およびケース支持部材載置部2dを熱伝導することにより、枠部材2の被設置部材表面12a側の表面に到達し、バッテリ5から発生した熱を非常灯100の外部に放出させることができ、熱によるバッテリ5の劣化を抑制することができる。
【0067】
バッテリケース5aの側面が、バッテリ5の正極と負極を結ぶ軸に直交する断面における形状が円弧状の曲面とその曲面に接続する平面からなる場合には、曲面形状の側面および平面形状の側面の両者にそれぞれ対向してケース支持部材ガイド部2gが設けることにより、バッテリケース5aを枠部材2上において安定的に支持することができる。
【0068】
ケース支持部材ガイド部2gの高さ、すなわち、枠部材2の器具本体1の内部側の表面から、ケース支持部材ガイド部2gの端部までの距離はバッテリケース5aの高さの1/3程度とすることにより、バッテリケース5aをケース支持部材および枠部材2から取り外しやすくすることができる。
【0069】
ケース支持部材ガイド部2gを1つの閉じた平面で形成されるのではなく複数の別個の側壁から形成することにより、バッテリケース5aを枠部材2から分離する際に、バッテリケース5aの底面とケース支持部材により形成された空間に空気が流入しやすくなり、空間内部が負圧となることがなく、バッテリケース5aを枠部材2から分離しやすくすることができる。また、ケース支持部材ガイド部2gを複数の別個の側壁から形成することにより、バッテリ5から発生した熱が放出されやすくなり、バッテリ5から発生した熱を効率的にバッテリ5およびバッテリケース5aから除去することができ、熱によるバッテリ5の劣化を抑制することができる。
【0070】
バッテリケース5aはケース支持部材ガイド部2gにより側面を支持されているので、枠部材2の器具本体1からの取り外しおよび取り付けの際に、枠部材2とともに器具本体1の外部に取り出すことができ、脱落することを防ぐことができる。
【0071】
光源部101に設けられた第1配光制御手段4は、基板8の実装面8aから第1配光制御手段4の光源3の光の出射方向に対する端部までの距離が、第2配光制御手段9の実装面8aから第2配光制御手段9の報知手段7の光の出射方向に対する端部までの距離より大きいため、第1配光制御手段4から放出される光を報知手段7または第2配光制御手段9が遮ることがない。
【0072】
光源部102および光源部103に設けられた第1配光制御手段4は、第1配光制御手段4の光源3の光の出射方向に対する凹部の端部から第1配光制御手段4の光源3の光の出射方向に対する端部までの距離が、第2配光制御手段9の光源3の光の出射方向に対する凹部の端部から第2配光制御手段9の報知手段7の光の出射方向に対する端部までの距離より大きいため、第1配光制御手段4から放出される光を報知手段7または第2配光制御手段9が遮ることがない。
【0073】
(実施例2)本発明の第2の実施例の照明装置に係る非常灯200について図面を参照して説明する。なお、第1の実施例と同一部分には同一番号を付してその説明は省略する。図7は本発明の第2の実施例を示す照明装置に係る非常灯200の概念図であり、図7(a)は図7(b)のX−X断面における非常灯200の断面図、図7(b)は図7(a)および図7(c)のY−Y断面における非常灯200の断面図、図7(c)は図7(b)のA方向視における非常灯200の外観図、図8は同じく非常灯200の図7(a)および図7(c)のY−Y断面における枠部材2の取り外し時の断面図および図8(a)のA方向視における枠部材2の外観図であり、図8(a)は図7(a)および図7(c)のY−Y断面における枠部材2の取り外し時の断面図、図8(b)は図8(a)のA方向視における枠部材2の外観図、図9は同じく非常灯200の光源部201の概念図であり、図9(a)は図7(b)における光源部201の拡大断面図、図9(b)は図9(a)のA方向視における光源部201の一部外観図、図10は同じく非常灯200の図7(c)のY−Y断面における光源部202の拡大断面図、図11は同じく非常灯200の図7(c)のY−Y断面における光源部203の拡大断面図である。
【0074】
本実施例の非常灯200について、図7を参照して説明する。
【0075】
本実施例の非常灯200は、図7(a)〜(c)に示すように、器具本体1、枠部材2、光源3、光源3に対向して設けられる第1配光制御手段4、バッテリ5、光源3を点灯させる点灯ユニット6、後述する報知手段7、報知手段7に対向して設けられる第2配光制御手段9、光源3および報知手段7を実装し、点灯ユニット6を載置する基板28、並びに光源3、第1配光制御手段4、報知手段7、第2配光制御手段9、および基板28を有する光源部201で構成される。
【0076】
枠部材2は、第1配光制御手段4を枠部材2の表面から突出させ、非常灯200の外部から光源3が放出する光を視認可能にするために枠部材2の中央部に光源3および第1配光制御手段4に対抗して設けられる略円形の第1配光制御手段用孔部2f等からなる。
【0077】
バッテリ5は、バッテリケース5aに収納され、器具本体1の円筒ケース内に、後述する光源部201の上方に位置させて、枠部材2の器具本体1の内部側に設けられたケース支持部材に支持されて配設し収納されている。なお、非常灯200を小型化する観点から、バッテリ5は器具本体1の周囲に沿って設けられ、バッテリケース5aはこれを内包するようにバッテリ5の正極と負極を結ぶ軸に直交する方向の断面が略U字状に形成されることが好適である。このように、バッテリ5を器具本体1内部において、後述する光源部201および点灯ユニット6以外の空間に配置することで、非常灯200を小型化するとともに、光源3、点灯ユニット6およびバッテリ5のそれぞれから発生する熱による各々の構成要素への影響を低減することができる。
【0078】
ケース支持部材載置部2dは、図8(b)に示すように、バッテリケース5aの底部との当接部分が第1配光制御手段用孔部2fの周囲を囲むような円弧状に形成される。後述する光源部201の器具本体1内部側の表面と枠部材2の器具本体1内部側の表面が面一となる場合であっても、ケース支持部材載置部2dが枠部材2に設けられることが好適である。ケース支持部材載置部2dにより、枠部材2の器具本体1内部側の表面とバッテリケース5aの底面に空間が形成されるので、バッテリ5から発生した熱を効率的にバッテリ5およびバッテリケース5aから除去することができ、熱によるバッテリ5の劣化を抑制することができる。また、バッテリ5から発生した熱が、バッテリケース5aの底面およびケース支持部材載置部2dを熱伝導することにより、枠部材2の被設置部材表面12a側の表面に到達し、バッテリ5から発生した熱を非常灯200の外部に放出させることができる。
【0079】
ケース支持部材ガイド部2gは、バッテリケース5aの側面を囲むように枠部材2の器具本体1の内部側に形成される。図7および図8に示すように、バッテリケース5aの側面が、バッテリ5の正極と負極を結ぶ軸に直交する断面における形状が略U字状である場合には、略U字状の側面の両方にそれぞれ対向してケース支持部材ガイド部2gが設けられることが、バッテリケース5aを枠部材2上において安定的に支持するために好ましい。
【0080】
バッテリ5により光源3を点灯させる点灯ユニット6は、器具本体1の内部に設けられた点灯ユニット筐体6dに収納され、光源3が実装される基板28上に載置される。基板28は支持部材6jに支持されて点灯ユニット筐体6dに配設し収納される。点灯ユニット筐体6dの内部には、図6に示す外部電源16によりバッテリ5を充電する充電制御手段6aおよびバッテリ5を電源として光源3を点灯させる点灯制御手段6bが基板28において光源3が実装される実装面28aの裏側である裏側面28bに載置される。
【0081】
基板28の裏側面28bには、点灯ユニット6または光源3等から発生する熱を点灯ユニット筐体6dまたは器具本体1の外部に放出させるために、図示しない放熱部材が基板28の裏側面28bおよび点灯ユニット筐体6dの内側に密着して熱伝導可能なように設けられてもよい。なお、非常灯200の構成部品を削減する観点から、点灯ユニット筐体6dの内側において、基板28を支持する支持部材6cを金属等の熱伝導に優れた材料で構成し、点灯ユニット6または光源3等から発生する熱を熱伝導および熱対流により放熱させる放熱部材としての機能を付加させてもよい。
【0082】
また、基板28を支持部材6cにより支持する構成とする場合、基板28上の配線パターンから支持部材6cを充分離間するように構成しておくと、例えば、支持部材6cと点灯ユニット筐体6dまたは器具本体1との絶縁距離を考慮する必要がなくなり、点灯ユニット筐体6dまたは器具本体1が金属からなる場合は特に好適である。この場合、支持部材6cは絶縁性を考慮して絶縁性の材料、例えば樹脂材料、ゴム等からなることが好適であり、放熱性が向上する構成を電気的な不具合を生じることなく実現することが可能となる。支持部材6cに絶縁性の材料を用いた場合には、支持部材6cは点灯ユニット6または光源3等から発生する熱を熱対流および熱伝導により、点灯ユニット筐体6dまたは器具本体1の外部に放熱させる放熱部材としての機能を兼ね備えることができる。
【0083】
また、支持部材6cは、光源部201の器具本体1および枠部材2に対して規定された所望の配光制御を維持するための機能を有する。支持部材6cを用いない場合、基板28は点灯ユニット筐体6dに対して、ガラスレンズ24のみで支持されることとなるため、枠部材2の取り外し等によって光源部201の器具本体1に対する位置にずれが生じ、光源部201の器具本体1および枠部材2に対する所望の配光制御が得られなくなる可能性がある。支持部材6cは基板28を点灯ユニット筐体6d内において支持するため、基板28がガラスレンズ24のみで支持されることがなく、枠部材2の取り外し等においても光源部201の器具本体1および枠部材2に対する所望の配光制御を維持することができる。
【0084】
裏側面28bには、点検スイッチ10が実装される。裏側面28bに点検スイッチ10が実装されることにより、光源3、充電制御手段6a、点灯制御手段6bおよび点検スイッチ10が共通の1枚の基板28に構成される。なお、引き紐10aを非常灯200の外部に露出させるために、点灯ユニット筐体6dおよび基板28に点検スイッチ用貫通孔2bに対向してそれぞれ孔部6kおよび孔部28cが設けられる。
【0085】
次に、本実施例の非常灯200の光源部201について、図7および図9を参照して説明する。
【0086】
図7および図9に示すように、枠部材2の中央部に設けられた略円形の第1配光制御手段用孔部2fの略中心の近傍に光源3が対向するようが設けられる。光源部200は、光源3、光源3に対向して設けられた第1配光制御手段4、後述する情報を点灯状態により表示し、枠部材2の第1配光制御手段用孔部2fの周囲に臨むように配設される報知手段7、報知手段7に対向して設けられた第2配光制御手段9並びに光源3および報知手段7が実装される基板28で構成される。
【0087】
第1配光制御手段4は第1配光制御手段4が枠部材2の第1配光制御手段用孔部2fから突出するようにして設けられる。なお、第1配光制御手段4と枠部材2は分離可能に設けられる。第1配光制御手段4は基体となるガラスレンズ24に設けられる。
【0088】
光源3は半導体発光素子からなり、本実施例では光源3は発光ダイオードで構成し、発光ダイオードは本実施例では1個用意され、円板状の基板28の実装面28a上に枠部材2の中央部に形成された略円形の第1配光制御手段用孔部2fの略中心の近傍に対向して実装されて支持される。報知手段7は、例えば、バッテリの充電状態を点灯状態により表示するもので、発光ダイオード等の半導体発光素子から構成される。報知手段7は、第1配光制御手段用孔部2fの周囲に臨むように配設される。すなわち、ガラスレンズ24の周囲に臨むように配設され、第1配光制御手段4から放射される光を遮らない位置に配設される。
【0089】
図9(a)に示すように、ガラスレンズ24はガラスレンズ凹部24aを光源3および報知手段7に対向する位置に有する。ガラスレンズ凹部24aの底面には入射面24bが形成される。基板28は光源3および報知手段7が実装された実装面28aが入射面24bに対向するようにガラスレンズ凹部24a内に設けられる。
【0090】
図9(a)に示すように、光源3および報知手段7にそれぞれ対向して第1配光制御手段4および第2配光制御手段9が枠部材2の第1配光制御手段用孔部2fおよび第2配光制御手段用孔部2eからそれぞれ突出して設けられる。光源3および報知手段7から放出された光は、入射面24bからガラスレンズ24に入射し、第1配光制御手段4および第2配光制御手段9を介して、第1配光制御手段4および第2配光制御手段9の光の出射方向に対する端部である出射面24cから空間中に放出される。第1配光制御手段4および第2配光制御手段9は、出射面24cに光源3および報知手段7の光の出射方向に凸部を形成することにより構成される。
【0091】
ガラスレンズ24は、基板28の実装面28aにおける当接部分24dに接着剤等の固着手段を設けることにより基板28に固定される。ガラスレンズ24が基板28に対して動くようなことがあると、光源3と第1配光制御手段4および報知手段7と第2配光制御手段9との位置関係にずれが生じ、所望の光学制御ができなくなることがあるため、ガラスレンズ24は基板28に対して強固に固定されることが望ましい。
【0092】
放熱手段25は、基板28の裏側面28bが放熱手段25の表面に密着するように設けられる。このように放熱手段25が基板28を介して光源3および報知手段7に対向して配設されることで、光源3または報知手段7からこれらの発光により放出される熱が、放熱手段25を介して、光源部201の外部に放出されることができる。放熱手段25は、銅、アルミニウム等の熱伝導率の高い材料や金属材料等から形成されることが好適である。
【0093】
第1配光制御手段4および第2配光制御手段9は、基板28の実装面28aから第1配光制御手段4の光源3の光の出射方向に対する端部および第2配光制御手段9の報知手段7の光の出射方向に対する端部までの距離が、図9(a)に示すようにそれぞれd1およびd2となるように形成される。そして、d1はd2より大きくなるように形成される。
【0094】
光源部201においては、ガラスレンズ24の出射面24cのみに第1配光制御手段4および第2配光制御手段9を光の出射方向に凸部を形成することにより配設する場合を示したが、第1配光制御手段4および第2配光制御手段9の形成はこれに限られるものではない。
【0095】
図10に第1配光制御手段4および第2配光制御手段9の変形例として、光源部202の断面図を示す。
【0096】
光源部202は、光源部201と異なり、ガラスレンズ24にガラスレンズ凹部14aを設けずに、基板28の実装面28aと光源部201のガラスレンズ24の入射面24bが接触するように基板28をガラスレンズ凹部24aに配設し、かつ、光源3および報知手段7に対向する入射面24bおよび出射面24cの両方に第1配光制御手段4および第2配光制御手段9をそれぞれ配設したことに特徴を有する。
【0097】
光源部202のガラスレンズ24は、入射面24bには、光の出射方向に凹部を形成することにより第1配光制御手段4および第2配光制御手段9を配設し、出射面24cには、光源部201のガラスレンズ24と同様に、光の出射方向に凸部を形成することにより第1配光制御手段4および第2配光制御手段9を配設したものである。光源部202のガラスレンズ24において、第1配光制御手段4および第2配光制御手段9は入射面24bに形成された凹部および出射面24cに形成された凸部である。
【0098】
このとき、d1は、基板28の実装面28aから第1配光制御手段4の凸部端部までの距離としてもよいし、第1配光制御手段4の凹部端部から第1配光制御手段4の凸部端部までの距離としてもよい。なお、d2に関しても同様に、d2を基板28の実装面28aから第2配光制御手段9の凸部端部までの距離としてもよいし、第2配光制御手段9の凹部端部から第2配光制御手段9の凸部端部までの距離としてもよい。いずれの場合も、d1はd2より大きくなるように形成される。
【0099】
光源放射範囲41は、光源3から放出される光の範囲を示す。図10に示されるように、第2配光制御手段9は、光源3から放出される光を遮らないように設けられる。すなわち、第2配光制御手段9が光源放射範囲41に入ることのないように、第2配光制御手段9はガラスレンズ24に設けられる。
【0100】
なお、図11の光源部203の断面図に示すように、第1配光制御手段4および第2配光制御手段9は、光源部201のガラスレンズ24の入射面24bに形成された凹部のみから形成されてもよい。このとき、d1およびd2は、それぞれ基板28の実装面28aから第1配光制御手段4の凹部端部までの距離および実装面28aから第2配光制御手段9の凹部端部までの距離として定められる。なお、この場合も、d1はd2より大きくなるように形成される。
【0101】
また、第1配光制御手段4と第2配光制御手段9は、それぞれ異なる形状であってもよい。例えば、第1配光制御手段4が出射面24cに形成された凸部のみからなり、第2配光制御手段9が入射面24bに形成された凹部のみからなっていてもよい。
【0102】
第2の実施例の効果について述べる。
【0103】
光源3の半導体発光素子が実装された基板28に充電制御手段6aおよび点灯制御手段6bを載置することにより、光源3と点灯ユニット6間のリード線を不要にすることができる。また、光源3と点灯ユニット6間の配線がないため、リード線の劣化等による光源3の不点灯を軽減できる。さらに、光源3と点灯ユニット6間のリード線がないため、非常灯200の製造における組み立て時または施工時に光源3と点灯ユニット6間のリード線不良による光源3の不点灯を防止できる。
【0104】
光源部201等に設けられたガラスレンズ24は、光源3の光軸o−oと第1配光制御手段4の中心部との位置関係が固着手段により固着されるので、光源3と第1配光制御手段4との位置関係または報知手段7と第2配光制御手段9との位置関係にずれを生じることがなく、光源3および報知手段7に対する所望の配光特性を得ることができる。
【0105】
バッテリ5およびバッテリケース5aは、器具本体1の内部において、枠部材2に設けられたケース支持部材載置部2dにより支持されるのみであるため、枠部材2を器具本体1から取り外すことにより、バッテリ5およびバッテリケース5aを器具本体1の外部に取り出すことができる。
【0106】
ケース支持部材載置部2dにより、枠部材2の器具本体1内部側の表面とバッテリケース5aの底面に空間が形成されるので、バッテリ5から発生した熱を効率的にバッテリ5およびバッテリケース5aから除去することができ、熱によるバッテリ5の劣化を抑制することができる。また、バッテリ5から発生した熱が、バッテリケース5aの底面およびケース支持部材載置部2dを熱伝導することにより、枠部材2の被設置部材表面12a側の表面に到達し、バッテリ5から発生した熱を非常灯200の外部に放出させることができ、熱によるバッテリ5の劣化を抑制することができる。
【0107】
バッテリケース5aの側面が、バッテリ5の正極と負極を結ぶ軸に直交する断面における形状が略U字状である場合には、略U字状の側面の両者にそれぞれ対向してケース支持部材ガイド部2gが設けることにより、バッテリケース5aを枠部材2上において安定的に支持することができる。
【0108】
ケース支持部材ガイド部2gの高さ、すなわち、枠部材2の器具本体1の内部側の表面から、ケース支持部材ガイド部2gの端部までの距離はバッテリケース5aの高さの1/3程度とすることにより、バッテリケース5aをケース支持部材および枠部材2から取り外しやすくすることができる。
【0109】
ケース支持部材ガイド部2gを1つの閉じた平面で形成されるのではなく複数の別個の側壁から形成することにより、バッテリケース5aを枠部材2から分離する際に、バッテリケース5aの底面とケース支持部材により形成された空間に空気が流入しやすくなり、空間内部が負圧となることがなく、バッテリケース5aを枠部材2から分離しやすくすることができる。また、ケース支持部材ガイド部2gを複数の別個の側壁から形成することにより、バッテリ5から発生した熱が放出されやすくなり、バッテリ5から発生した熱を効率的にバッテリ5およびバッテリケース5aから除去することができ、熱によるバッテリ5の劣化を抑制することができる。
【0110】
バッテリケース5aはケース支持部材ガイド部2gにより側面を支持されているので、枠部材2の器具本体1からの取り外しおよび取り付けの際に、枠部材2とともに器具本体1の外部に取り出すことができ、脱落することを防ぐことができる。
【0111】
基板28を支持する支持部材6cを、例えば、金属等の熱伝導に優れた材料で構成する場合、点灯ユニット6または光源3等から発生する熱を熱伝導および熱対流により放熱させることができる。
【0112】
また、基板28上の配線パターンから支持部材6cを充分離間するように構成しておくと、例えば、支持部材6cと点灯ユニット筐体6dまたは器具本体1との絶縁距離を考慮する必要がなくなり、放熱性が向上する構成を電気的な不具合を生じることなく実現することが可能となる。
【0113】
さらに、支持部材6cは、基板28を点灯ユニット筐体6d内において支持するため、基板8がガラスレンズ24のみで支持されることがなく、枠部材2の取り外し等においても光源部201等の器具本体1および枠部材2に対する所望の配光制御を維持することができる。
【0114】
光源部201に設けられた第1配光制御手段4は、基板28の実装面28aから第1配光制御手段4の光源3の光の出射方向に対する端部までの距離が、第2配光制御手段9の実装面28aから第2配光制御手段9の報知手段7の光の出射方向に対する端部までの距離より大きいため、第1配光制御手段4から放出される光を報知手段7または第2配光制御手段9が遮ることがない。
【0115】
光源部202および光源部203に設けられた第1配光制御手段4は、第1配光制御手段4の光源3の光の出射方向に対する凹部の端部から第1配光制御手段4の光源3の光の出射方向に対する端部までの距離が、第2配光制御手段9の光源3の光の出射方向に対する凹部の端部から第2配光制御手段9の報知手段7の光の出射方向に対する端部までの距離より大きいため、第1配光制御手段4から放出される光を報知手段7または第2配光制御手段9が遮ることがない。
【0116】
第1の実施例または第2の実施例の変形例を以下に述べる。
【0117】
器具本体1は、一端に開口面1aを有する円筒状のケース部材として構成しても、角筒状に構成しても、さらには枠体によってケース部材を構成してもよく、一端の開口面1aを有する全ての本体構成部材が許容される。材質はアルミニウムに限らず、鉄、ステンレス等の金属で構成しても、不燃性の合成樹脂で構成してもよい。
【0118】
枠部材2は、固定手段を用いずに器具本体1に嵌合により固定されてもよいし、枠部材2の枠部2cおよび器具本体1の開口面1aを形成する器具本体1の側壁に雄ねじ部および雌ねじ部を形成することにより固定してもよい。なお、枠部2cは、器具本体1の内側に嵌め込まれるようにして設けられてもよいし、器具本体1の開口面1aを形成する器具本体1の側壁を外側から覆うようにして設けられてもよい。
【0119】
また、非常灯100または非常灯200が直付け形器具の場合には、枠部材2は、器具本体1外面を覆う外ケース部材であってもよく、光源部101、光源部102若しくは光源部103の光を放射させるための開口部2a、または光源部201、光源部202若しくは光源部203の光を放射させるための第1配光制御手段用孔部2fと器具本体の開口面1aの周囲を覆うための全ての部材が許容され、材質は器具本体と同様に鉄、ステンレス、アルミニウム等の金属で構成しても、不燃性の合成樹脂で構成してもよい。器具本体1と枠部材2は、同様の材質で構成しても別の材質で構成してもよい。器具本体1と枠部材2は、一体に形成しても別体に形成してもよい。なお、器具本体1と枠部材2が一体に形成される場合、光源部101、光源部102または光源部103は、器具本体1および枠部材2の一体形成部材に対して分離可能、かつ、点灯ユニット6に対して間隔を有して設けられる。
【0120】
支持具11は、板バネに限らず、器具本体1を被設置部材12に固定するための全ての構成および構造が許容される。また、材質はステンレスに限らず、鉄、アルミニウム等の金属で構成しても、不燃性の合成樹脂で構成してもよい。
【0121】
バッテリ5およびバッテリケース5aは、器具本体1の内部に配設されることが、火災時の耐熱性における観点から好ましいが、器具本体1の外表面とバッテリケース5aの外表面が接触するように構成されてもよいし、非常灯100から離れた位置に別置きができるように構成されてもよい。
【0122】
ケース支持部材は、ケース支持部材載置部2dおよびケース支持部材ガイド部2gから形成するのではなく、ケース支持部材載置部2dのみにより形成することもできる。この場合には、ケース支持部材をより簡易に形成することができる。バッテリケース5aは、枠部材2に設けられたケース支持部材載置部2dにより器具本体1内部で支持されるのみであるため、枠部材2を器具本体1から取り外すと同時にバッテリケース5aは、光源3の光の出射方向に移動するものである。よって、バッテリケース5aは枠部材2を器具本体1から取り外すのみで枠部材2から分離されて器具本体1の外部に取り出すことができる。そのため、図1、図2、図7および図8に示すように、円筒形のバッテリ5がバッテリケース5aに設けられる場合には、バッテリ5の正極と負極を結ぶ軸が光源3の光の出射方向と略並行となることが、バッテリケース5aを移動しやすくする観点から望ましい。なお、バッテリケース5aはケース支持部材載置部2dのみで器具本体1内部に支持されているので、枠部材2を器具本体1から取り外すとバッテリケース5aは、接続端子のみにより器具本体1の内部に設けられた点灯ユニット6または点灯ユニット筐体6dに支持されることとなる。このような場合には、バッテリ5およびバッテリケース5aの重量により、接続端子、点灯ユニット6または点灯ユニット筐体6dが破損する虞があるため、バッテリケース5a外部と器具本体1内部を接続し、バッテリケース5aが器具本体1の外部に取り出される場合にバッテリケース5aを支持する図示しない接続部材が設けられることが好適である。接続部材は、器具本体1の内部において、器具本体1の内側とバッテリケース5aの外側または点灯ユニット筐体6dの外側の空間に収納されるので、具体的にはワイヤ、チェーンなどの線状体であることが望ましい。
【0123】
接続部材が設けられる場合には、接続部材を取り付けるための接続部材保持手段、具体的にはワイヤ、チェーンなどの接続部材を取り付けるための図示しないフック部が器具本体1の内部または点灯ユニット筐体6dの外部に設けられることが、非常灯100の製造工程および施工時における観点から好適である。
【0124】
バッテリケース5aの外部に設けられたフック部にワイヤ、チェーンなどの線状体からなる接続部材の一端を取り付け、接続部材の他端を器具本体1の内部または点灯ユニット筐体6dの外部に設けられたフック部に取り付けることにより、枠部材2を器具本体1から取り外した際に、バッテリケース5aが器具本体1から光源3の光の出射方向に落下することやバッテリケース5aの落下により接続端子が破損することを防止することができる。
【0125】
ケース支持部材において、ケース支持部材載置部2dまたはケース支持部材ガイド部2gに係止手段を設けてもよい。係止手段を設けることで、バッテリケース5aの取り外しまたは取り付けの際に、枠部材2の器具本体1の内部側の表面が、光源3の光の出射方向に向くことがあったとしても、バッテリケース5aを枠部材2に保持することができ、例えば、バッテリケース5aの取り外しまたは取り付けの際におけるバッテリケース5aの枠部材2からの脱落を防ぎ、施工時または作業時における安全性を高めることができる。
【0126】
ケース支持部材ガイド部2gに係止手段を設ける場合には、ケース支持部材ガイド部2gのバッテリケース5a側の表面から爪部をバッテリケース5aの側面に向けて突出させ、爪部に対向するバッテリケース5aの側面に爪部と係止する凹部を設ける。なお、爪部がバッテリケース5aの側面に設けられ、凹部がケース支持部材ガイド部2gに設けられてもよい。
【0127】
点灯ユニット6および点灯ユニット筐体6dは、器具本体1の内部に配設されることが好ましいが、器具本体1の外表面と点灯ユニット筐体6dの外表面が接触するように構成されてもよいし、非常灯100から離れた位置に別置きができるように構成されてもよい。なお、非常灯200において、点灯ユニット6は、製造時の工程およびコストを低減させる観点から、基板28の実装面28aに設けられてもよい。
【0128】
点検スイッチ10の操作部は、プッシュ式の押しボタンやシーソー式のボタンであってもよい。点検スイッチ10の操作部が、例えば、プッシュ式の押しボタンである場合には、第1配光制御手段4から放射される光を遮らない位置に配設されることが、非常灯100の機能の観点から好ましく、例えば、プッシュ式の押しボタンの先端と第1配光制御手段4の先端部との高さを同一または押しボタンの先端を低くする手段で構成しても、第1配光制御手段4から放射される光の放射角の範囲を避けて配設するなどの手段で構成してもよい。
【0129】
また、点検スイッチ10は、点検を開始するための赤外線等の無線信号を受信することができる受光素子から構成されてもよい。
【0130】
光源3および報知手段7の半導体発光素子は、発光ダイオードやEL(エレクトロルミネッセンス)素子、半導体レーザーなど、半導体を発光源とした発光素子が許容される。また半導体発光素子は、1個の半導体発光素子を基板に配設して構成しても、複数個の半導体発光素子を直線または曲線等をなして配設し線モジュールとして構成しても、半導体発光素子をマトリックス状に配設して矩形状をなすように構成しても、さらには、複数個の半導体発光素子により点モジュールを構成するように円板状に構成してもよく、個数および配設される形状等は特定のものに限定されない。なお、複数個の場合、小面積に密集して用いると光源部101等および非常灯100、並びに光源部201等および非常灯200の小型化の観点から好適である。
【0131】
また、報知手段7は、半導体発光素子以外でも、非常灯100の小型化を阻害しないような豆電球など小型のランプ等であってもよい。報知手段7の先端と第1配光制御手段4の先端部との高さを同一または報知手段7の先端を低くする手段で構成しても、第1配光制御手段4から放射される光の放射角の範囲を避けて配設するなどの手段で構成してもよい。
【0132】
第1配光制御手段4または第2配光制御手段9が、円形皿状をなすレンズ体で構成される場合には、第1配光制御手段4または第2配光制御手段9の入射面14bまたは入射面24bには、断面が凹凸をなすリング状の凹凸部が略同心円状に多数形成されてもよい。
【符号の説明】
【0133】
1a・・・開口面
1・・・器具本体
2・・・枠部材
2d・・・ケース支持部材載置部
2g・・・ケース支持部材ガイド部
3・・・光源
5・・・バッテリ
5a・・・バッテリケース
6a・・・充電制御手段
6b・・・点灯制御手段
6・・・点灯ユニット
100・・・非常灯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端部に開口面を有する器具本体と;
開口面を閉塞する枠部材と;
枠部材の器具本体の開口面側に設けられたケース支持部材と;
半導体発光素子からなり、開口面に対向して配設される光源と;
バッテリと;
バッテリを収納し、ケース支持部材により器具本体内部で支持されるとともに器具本体から枠部材を取り外すことにより、光源の光の出射方向に移動するバッテリケースと;
外部電源によりバッテリを充電する充電制御手段と、バッテリを電源として光源を点灯させる点灯制御手段とを備える点灯ユニットと;
を備えることを特徴とする照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−84324(P2012−84324A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−228696(P2010−228696)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】