説明

照明装置

【課題】 本発明は、導光板の内部において多重反射により減衰させることなく出射面から所定の放射角度で導出させる照明装置の提供を目的とする。
【解決手段】 本発明に係る照明装置は、外部から電力が供給される受電部と、電力を所定の駆動電力に変換する電源部と、駆動電力により発光する光源部と、電源部及び光源部を収納する筐体部と、入射面から入射させた光源部の光を出射面から導出させる板状の導光板を筐体部の一端から突出して設けた導光部とを有し、導光板は、入射面と隣接し直交した第1の出射面と、入射面に対向した第2の出射面とを備え、第2の出射面は、筐体部の径方向の外側に設けられた曲面と、筐体部の径方向の内側に設けられ入射面の法線方向に対して所定の角度で傾斜した平面とが接した位置が、光源部から該光源部に直交する方向に向かって最も離間していることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多品種の導光板を立体的に配設した照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発光ダイオードを光源に用いたLEDランプに関して、白熱電球で40W〜60W相当の明るさを得るために、例えば中心から外周に向かって羽根状に分岐された樹脂製の導光羽を備えたLEDランプの構成がある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−77900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述の様な構成では、導光羽の一端から入射された高輝度LEDモジュールの光が、導光羽の他端から直進方向に導出されるため、配光特性が偏るという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は前述の技術的な課題に鑑み、導光板の入射面から入射された光源の光を、該導光板の内部において多重反射により減衰させることなく、出射面から所定の放射角度で導出させることができる照明装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の課題を解決すべく、本発明に係る照明装置は、外部から電力が供給される受電部と、前記受電部と接続され、前記電力を所定の駆動電力に変換する電源部と、前記電源部と接続され、前記駆動電力により発光する光源部と、前記電源部及び前記光源部を収納する筐体部と、入射面から入射させた前記光源部の光を出射面から導出させる板状の導光板を前記筐体部の一端から突出して設けた導光部とを有し、前記導光板は、前記入射面と隣接し直交した第1の出射面と、前記入射面に対向した第2の出射面とを備え、前記第2の出射面は、前記筐体部の径方向の外側に設けられた曲面と、前記筐体部の径方向の内側に設けられ前記入射面の法線方向に対して所定の角度で傾斜した平面とが接した位置が、前記光源部から該光源部に直交する方向に向かって最も離間していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る照明装置によれば、導光板の入射面から入射された光源の光を、該導光板の内部において多重反射により減衰させることなく、出射面から所定の放射角度で導出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る照明装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る照明装置を構成毎に分解して示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る照明装置の導光部に設けられる導光板の基本的な光学特性を示す模式図であり、(a)は導光板の出射面に臨界角以下の光が入射された場合の模式図、(b)は導光板の出射面に臨界角を超える光が入射された場合の模式図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る照明装置の導光部に設けられる略台形台形状に形成された導光板に係る光学特性を示す模式図であり、(a)は導光板に係る光学特性を第1の出射面から示す模式図、(b)は導光板を第2の出射面から示す模式図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る照明装置の導光部に設けられる略台形台形状に形成された導光板に係る光学特性を第1の出射面から示す模式図であり、(a)乃至(d)は各出射面における所定の光の出射箇所での光学特性をそれぞれ示す模式図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る照明装置の導光部に設けられる略台形台形状に形成された導光板に係る光学特性を第2の出射面から示す模式図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る照明装置の導光部に設けられる曲面を含む多面体形状に形成された導光板に係る光学特性を第1の出射面から示す模式図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る照明装置の導光部に設けられる曲面を含む多面体形状に形成された導光板に係る光学特性を第1の出射面から示す模式図であり、(a)乃至(d)は各出射面における所定の光の出射箇所での光学特性をそれぞれ示す模式図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る照明装置を構成する曲面と斜面が隣接した導光板を設けた導光部と該導光部に隣接した光源部を示す斜視図である。
【図10】本発明の第1の実施形態に係る照明装置における曲面と斜面が隣接した導光板の光学特性を該導光板の側方から示す模式図であり、図9に対応している。
【図11】本発明の第1の実施形態に係る照明装置の導光部に設けられる中心から外側に向かって入射面との成す角度が段階的に大きくなるように複数の平面を連ねて多面体形状に形成された導光板に係る光学特性を第1の出射面から示す模式図である。
【図12】本発明の第1の実施形態に係る照明装置の導光部に設けられる一方から他方に向かって入射面との成す角度が段階的に大きくなるように複数の平面を連ねて多面体形状に形成された導光板に係る光学特性を示す模式図であり、(a)は導光板に係る光学特性を第1の出射面から示す模式図、(b)は導光板に係る光学特性を第2の出射面から示す模式図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る照明装置を示す斜視図である。
【図14】本発明の第2の実施形態に係る照明装置を構成毎に分解して示す斜視図である。
【図15】本発明の第2の実施形態に係る照明装置を構成する導光板と該導光板の入射面に隣接した光源をそれぞれ断面で示す模式図である。
【図16】本発明の第2の実施形態に係る照明装置を構成する導光板と該導光板の入射面に隣接した光源をそれぞれ断面で示す模式図であり、(a)は凹状のパターンが第1の出射面の片側に均等な深さで複数形成された導光板と該導光板の入射面に隣接した光源を示す模式図、(b)は凹状のパターンが第1の出射面の両側に入射面から離間する毎に深くなるように複数形成された導光板と該導光板の入射面に隣接した光源を示す模式図である。
【図17】本発明の第2の実施形態に係る照明装置を構成する四角錐から成るパターンがマトリクス状に複数形成された導光板の一部を示す模式図である。
【図18】本発明の第2の実施形態に係る照明装置を構成する導光板に形成された四角錐のパターンを示す模式図であり、(a)は該パターンを導光板の第1の出射面から示す模式図、(b)は該パターンを導光板の第2の出射面から断面で示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の照明装置に係る好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明の照明装置は、以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能である。
【0010】
また、以下の説明においては、最初に本発明の第1の実施形態の照明装置1について図1乃至図12を参照しながら説明する。次に本発明の第2の実施形態の照明装置2について図13乃至図18を参照しながら説明する。次に本発明の第2の実施形態の照明装置2に設けられた導光板の製造方法について説明する。最後に本発明の第1及び第2の実施形態の各照明装置の構成と主な作用効果について請求項毎に説明する。
【0011】
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態の照明装置1について、図1乃至図12を参照しながら、具体的に説明する。なお、先ず照明装置1の構成について図1及び図2を参照しながら説明し、次に照明装置1に設けられた導光部50に係る構成の詳細及び光学特性について図3乃至図8を参照しながら説明し、さらに照明装置1に設けられた導光部50の変形例に係る構成及び光学特性について図7乃至図12を参照しながら説明する。
【0012】
先ず、照明装置1の構成について、図1及び図2を参照しながら、具体的に説明する。第1の実施形態の照明装置1は、例えば図1及び図2に示すように、受電部10、電源部20、光源部30、筐体部40、及び導光部50から構成される。以下、照明装置1の各構成について順に説明する。
【0013】
第1の実施形態の照明装置1を構成する受電部10は、外部から電力が供給される。この様な受電部10は、図2に示すように、口金11及び絶縁ケース12から構成されている。以下、受電部10の構成について説明する。受電部10の口金11は、金属から成り、例えば外周面11aが螺旋状の凹凸を備えた円錐形から形成され、内部に空洞を有している。この様な口金11の外周面11aを、例えば屋内施設に施工されているソケットにねじ込んで、電力の供給を受ける。また、口金11の直径は、例えば、一般的なサイズである直径26mmである。なお、受電部10に口金11を設ける構成に限定されることはなく、例えば、コンセントに差し込んで電力の供給を受けるプラグを設ける構成や、発電機又は蓄電池を接続して電力の供給を受ける端子を設ける構成としても良い。また、受電部10の絶縁ケース12は、例えば絶縁性を有するプラスチックスから成り、円筒形状から形成されている。この様な絶縁ケース12は、該絶縁ケース12の一端12aを口金11の内周面11bに嵌め込んで接合され、且つ他端12bを後述する筐体部40の筐体41に嵌め込んで接合されている。また、絶縁ケース12の内部の収納凹部12cには、後述する電源部20の電源回路21が収納されている。また、絶縁ケース12の他端12bに設けられたネジ孔12dは、後述する筐体部40の筐体41と接合して固定するためのものである。
【0014】
第1の実施形態の照明装置1を構成する電源部20は、受電部10と接続され、受電部10の口金11に接続された配線22を介して外部から供給された電力を所定の駆動電力に変換する。この様な電源部20は、図2に示すように、電源回路21、配線22、及び配線23から構成されている。以下、電源部20の構成について説明する。電源部20の電源回路21は、受電部10の口金11に接続された配線22を介して外部から入力された電力を、後述する光源部30の光源31の定格に合わせて、100Vから例えば24Vに降圧、直流の定電流への整流、整流後のパルス変調、及びノイズの除去等を行う。この様な電源回路21は、例えば、変圧器、整流器、及びコンデンサ等から構成される。また、電源回路21で生成された駆動電力は、配線23を介して後述する光源部30の光源31に供給される。
【0015】
第1の実施形態の照明装置1を構成する光源部30は、電源部20と接続され、該電源部20から供給された駆動電力により発光する。この様な光源部30は、図2に示すように、光源31及び基板32から構成されている。以下、光源部30の構成について説明する。光源部30の光源31は、例えば白色で発光する発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)から構成されている。また、図2に示すように、複数の光源31が、後述する導光部50を構成する導光板51の入射面51a及び導光板52の入射面52aの直下に設けられている。また、光源31は、白色のLEDに限定されることはなく、例えば白色、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、藍色、又は紫色のいずれかの色若しくはそれらの色の組み合わせから成るLEDで構成しても良い。同様に、光源31を、紫外域の光を発するLEDで構成しても良い。同様に、光源31を、例えば有機発光ダイオード、蛍光管、冷陰極管、又はネオン管で構成しても良い。
【0016】
また、光源部30に関し、基板32は、光源31を所定の配列で実装するための部材である。この様な基板32は、例えば、軽量で一定の強度を有するアルミニウムから成り、円盤状に形成されている。なお、基板32には、放熱性に優れた銅板や、加工性に優れたガラスエポキシ基板を用いても良い。ここで、図2に示すように、基板32には、例えば表面実装型のLEDから成る光源31が十字状に10個配列されている。また、図示していないが、基板32に開口された配線穴32aに配線23が通され、該配線23が例えば半田付けパッド32bに結線される。なお、例えば、配線23にコネクタを設け、該コネクタを基板32に設けられた図示せぬソケットに着脱可能に挿入する構成としても良い。また、詳細は後述するが、基板32は、該基板32に複数開口されたネジ孔32cを介して、後述する筐体部40の筐体41にネジ留めされる。
【0017】
第1の実施形態の照明装置1を構成する筐体部40は、電源部20及び光源部30を収納する。この様な筐体部40は、図2に示すように、筐体41、固定部材42、保持部材43、及び固定部材44から構成されている。以下、筐体部40の構成について説明する。筐体41は、例えばアルミニウムから成り、半球形状から形成されている。また、筐体41に開口された配線孔41aには、図示していないが、前述した電源部20の配線23が通される。また、筐体41に開口されたネジ孔41bには、例えばサラネジから成る固定部材42が通された上で、前述した受電部10の絶縁ケース12のネジ孔12dにネジ留めされることにより、絶縁ケース12と筐体41が接合されている。また、筐体41に形成された基板収納凹部41cに、基板32の裏面が当接される。また、筐体41の外周に形成された放熱面41eには、筐体41の表面積を増加させて電源部20及び光源部30で発生した熱を効率良く放熱させるため、例えば湾曲した凹凸形状から成る放熱用のフィンを複数形成しても良い。なお、例えば光源31の駆動電流値が十分に低い場合や、電源回路21での電力損失が小さい場合には、放熱面41eに放熱用のフィンを設けなくても良い。
【0018】
また、筐体部40に関し、保持部材43は、一対から成り、例えば図2に示すように、後述する導光部50の導光板51及び導光板52にそれぞれ係合し、筐体41に保持されている。この様な保持部材43は、例えば、アルミニウムから成り、半円盤状から形成されている。具体的には、導光板51及び導光板52が組み合わされた状態で、一対の保持部材43の中央にそれぞれ開口された連結用切欠43aが、導光板52の下部の両端に設けられた凹状の連結用切欠52jに挿入され、且つ当接面43cが導光板52に当接されて着脱可能に係合されている。同様に、一対の保持部材43の両端にそれぞれ形成された突起43bが、導光板51の下部の両端に設けられた凹状の連結用切欠51jに挿入され、且つ当接面43cが導光板51に当接されて着脱可能に係合されている。
【0019】
ここで、筐体部40に関し、一対の保持部材43が導光板51及び導光板52に係合されている状態で、一対の保持部材43の外周面43dが、筐体41の基板収納凹部41cに形成された内周面41fに当接するように、一対の保持部材43を筐体41に挿入されている。さらに、例えばナベネジから成る固定部材44を、一対の保持部材43にそれぞれ開口されたネジ孔43e、及び基板32に開口されたネジ孔32cの順で通されている。その上で、固定部材44を、筐体41の基板収納凹部41cに設けられたネジ孔41dにネジ留めすることにより、導光板51と導光板52及び基板32を、一対の保持部材43を介し、筐体41に対して着脱可能に保持されている。なお、固定部材44が挿入された一対の保持部材43のネジ孔43eを、例えば反射剤が含有された接着剤で密封しても良い。
【0020】
第1の実施形態の照明装置1を構成する導光部50は、筐体部40の一端から突出して設けられ、入射面から入射させた光源部30の光を、曲面又は平面で形成された出射面から導出させる。また、導光部50の出射面の少なくとも1面以上は、入射面の法線方向に対して所定の角度で傾斜している。ここで、導光部50に設けられる導光板51及び導光板52の構造について、図2を参照しながら具体的に説明する。導光部50は、例えば導光板51及び導光板52を十字状に組み合わせて構成されている。この様な導光板51及び導光板52は、それぞれ例えば透明なアクリル樹脂板から成る。なお、導光板51及び導光板52は、透明な樹脂板に限定されることは無く、着色された樹脂板を用いても良い。また、導光板51及び導光板52には、例えば可視域の光を照射されることにより拡散光を発する微粒子状の拡散部材を添加した樹脂板を用いても良い。同様に、導光板51及び導光板52には、例えば紫外域や可視域の光を照射されることにより蛍光を発する蛍光剤を塗布又は添加した樹脂板を用いても良い。なお、導光板51及び導光板52に、防水、防汚、及び防塵等の機能を有した図示せぬシリコーンコーティング剤又は硝子コーティング剤を塗布、もしくは防水、防汚、及び防塵等の機能を有した図示せぬ透明樹脂を被覆しても良い。
【0021】
また、導光部50に関し、導光板51及び導光板52は、それぞれ、対面同一になるように一対の略台形台形状から形成されている。具体的には、導光板51は、光源部30の光源31と対向する位置に、光源31の光を入射させる入射面51aが形成されている。また、入射面51aと交差した第1の出射面51b及び第1の出射面51cが、対向して形成されている。同様に、第1の出射面51d及び第1の出射面51gが、対向して形成されている。ここで、第1の出射面51gと第1の出射面51bの間には、第1の出射面51iが鈍角を成すように隣接して形成されている。同様に、第1の出射面51gと第1の出射面51cの間には、第1の出射面51hが鈍角を成すように隣接して形成されている。また、入射面51aと対向し、該入射面51aの法線方向に対して所定の角度で傾斜した第2の出射面51e及び該入射面51aと平行な第2の出射面51fが隣接して形成されている。上記の導光板51に係る略台形台形状が、対面同一になるように一対で形成されている。また、上記の導光板51に係る対面同一になるように一対で形成された略台形台形状については、導光板52についても同様である。
【0022】
同様に、導光部50に関し、導光板51の第1の出射面51gの下部には、凹状の連結用切欠51jが形成されている。この様な連結用切欠51jに、保持部材43の両端にそれぞれ形成された突起43bが挿入されている。同様に、導光板52の第1の出射面52gの下部には、凹状の連結用切欠52jが形成されている。この様な連結用切欠52jに、保持部材43の中央にそれぞれ開口された連結用切欠43aが挿入されている。ここで、導光板51の出射面側の中央に設けられた凹状の切欠面51mと、導光板52の入射面52aの中央に設けられた凹状の切欠面52kが当接するように、導光板51及び導光板52が組み合わされている。なお、導光板51の切欠面51mと導光板52の切欠面52kを接合させた時に、導光板51の入射面51aと導光板52の入射面52aが同一面上に位置するように、導光板51及び導光板52が形成されている。また、導光板51の入射面51aの両端及び中央に設けられた凸状の当接面51n、及び導光板52の入射面52aの両端に設けられた凸状の当接面52nは、それぞれ光源部30の基板32に当接される。
【0023】
次に照明装置1に設けられた導光部50に係る構成の詳細及び光学特性について、図3乃至図8を参照しながら、具体的に説明する。
【0024】
なお、導光部50に係る光学特性の説明においては、先ず導光部50に設けられる各導光板の基本的な光学特性について図3に示す導光板100を参照しながら説明する。次に導光部50に設けられる略台形台形状に形成された導光板51に係る構成及び光学特性について図4乃至図6を参照しながら説明する。
【0025】
先ず、導光部50に設けられる各導光板の基本的な光学特性について、図3に示す導光板100を参照しながら、具体的に説明する。図3(a)に示すように、導光板100の出射面100zに対して、光L1が臨界角以下の入射角θ1で入射されると、光L1の透過光に相当する光L2が出射角θ2で出射される。ここで、導光板100の屈折率n1にsin(入射角θ1)を掛けた値と、例えば空気の屈折率n2にsin(出射角θ2)を掛けた値は、等しい。また、図3(b)に示すように、導光板100の出射面100zに対して、光L3が臨界角を超えた入射角θ3で入射されると、光L3の全反射光に相当する光L4が、反射角θ4で導光板100の内部に反射される。ここで、入射角θ3と反射角θ4は、等しい。また、屈折率は、波長に依存し、短波長から長波長にかけて相対的に小さくなる。したがって、入射した光が全反射する最小の入射角である光の臨界角は、該光の波長及び入射角に依存する。
【0026】
次に、導光部50に設けられる略台形台形状に形成された導光板51に係る構成について、図4乃至図6を参照しながら、具体的に説明する。図4に示す導光板51は、略台形台形状から形成され、図2に示す導光板51の片側に相当する。具体的には、導光板51は、図4(a)に示すように、光源31と対向する位置に、光源31の光を入射させる入射面51aが形成されている。また、入射面51aと交差した第1の出射面51p及び第1の出射面51sが、対向して形成されている。また、入射面51aと対向し、該入射面51aの法線方向に対して所定の角度で傾斜した第2の出射面51q、及び該入射面51aと平行な第2の出射面51rが隣接して形成されている。さらに、導光板51は、図4(b)に示すように、入射面51aと交差した第1の出射面51b及び第1の出射面51cが、対向して形成されている。また、第1の出射面51bと第1の出射面51sの間には、第1の出射面51uが鈍角を成すように隣接して形成されている。同様に、第1の出射面51cと第1の出射面51sの間には、第1の出射面51tが鈍角を成すように隣接して形成されている。
【0027】
また、導光部50に設けられる略台形台形状に形成された導光板51に係る光学特性について、図5及び図6を参照しながら、具体的に説明する。なお、図5(a)乃至(d)は、図4の各出射面における所定の光の出射箇所での光学特性を、それぞれ個別に示す模式図である。ここで、光源31は、図5に示すように、例えば複数の発光体を隣接して設けた面光源から成り、導光部50を構成する導光板51の入射面51aの直下に設けられている。したがって、光源31の光は、導光板51の入射面51aの殆ど全面から、該導光板51の内部に入射される。しかしながら、該光源31の光に係る多数の光線を、図4や図5に示す導光板51の外形線に重ねて図示すると、該導光板51の光学特性を理解することが困難となる。そこで、図4及び図5では、任意の4箇所に係る光の出射箇所を基準として、光源31の光に係る光線を、導光板51の外形線に重ねて図示することに留めている。図5(a)に示す第2の出射面51rの光の出射箇所51vでは、入射面51aから法線方向に直進し第2の出射面51rに対して垂直に入射した光L101が、光L101の透過光に相当する光L102として導光板51から導出される。また、光の出射箇所51vでは、第2の出射面51rに対して臨界角以下で入射した光L112が、該光L112の透過光に相当する光L113として導光板51から導出される。なお、光L112は、第1の出射面51sにおける光L111の反射光に相当する。同様に、光の出射箇所51vでは、第2の出射面51rに対して臨界角以下で入射した光L121が、該光L121の透過光に相当する光L122として導光板51から導出される。
【0028】
同様に、導光部50に設けられる導光板51に係る光学特性に関し、図5(b)に示す第2の出射面51qの光の出射箇所51wでは、入射面51aから法線方向に直進し第2の出射面51qに対して臨界角以下で入射した光L131が、光L131の透過光に相当する光L132として導光板51から導出される。また、光の出射箇所51wでは、第2の出射面51qに対して臨界角以下で入射した光L142が、該光L142の透過光に相当する光L143として導光板51から導出される。なお、光L142は、第1の出射面51sにおける光L141の反射光に相当する。同様に、光の出射箇所51wでは、第2の出射面51qに対して臨界角を超えて入射した光L151が、該光L151の反射光に相当する光L152として導光板51の内部に反射される。また、該光L152は、第2の出射面51rで、光L152の反射光に相当する光L153として導光板51の内部に反射される。また、光L153は、該光L153の透過光に相当する光L154として、導光板51の第1の出射面51sから導出される。また、光L161は、第1の出射面51pに対して臨界角以下の角度で入射されるため、光L161の透過光に相当する光L162として導光板51から導出され、第2の出射面51qの光の出射箇所51wには伝搬されない。
【0029】
また、導光部50に設けられる導光板51に係る光学特性に関し、図5(c)に示す第2の出射面51qの光の出射箇所51xでは、第2の出射面51qに対して臨界角以下で入射した光L171及び光L181が、それぞれ透過光に相当する光L172及び光L182として導光板51から導出される。なお、光L171は、入射面51aから法線方向に直進した光である。同様に、光の出射箇所51xでは、第2の出射面51qに対して臨界角を超えて入射した光L192が、該光L192の反射光に相当する光L193として導光板51の内部に反射される。なお、光L192は、第1の出射面51pにおける光L191の反射光に相当する。また、光L193は、該光L193の透過光に相当する光L194として、導光板51の第1の出射面51sから導出される。また、光L201は、第1の出射面51sに対して臨界角以下の角度で入射されるため、光L201の透過光に相当する光L202として導光板51から導出され、第2の出射面51qの光の出射箇所51xには伝搬されない。
【0030】
同様に、導光部50に設けられる導光板51に係る光学特性に関し、図5(d)に示す第2の出射面51qの光の出射箇所51yでは、第2の出射面51qに対して臨界角以下で入射した光L211、光L231、及び光L241が、それぞれ透過光に相当する光L212、光L232、及び光L242として導光板51から導出される。なお、光L211は、入射面51aから法線方向に直進した光である。また、光の出射箇所51yでは、第2の出射面51qに対して臨界角を超えて入射した光L222が、該光L222の反射光に相当する光L223として導光板51の内部に反射される。なお、光L222は、第1の出射面51pにおける光L221の反射光に相当する。また、光L223は、該光L223の透過光に相当する光L224として、導光板51の第1の出射面51sから導出される。
【0031】
さらに、導光部50に設けられる導光板51に係る光学特性に関し、図6に示すように、第1の出射面51s、第1の出射面51cと第1の出射面51sの間に形成された第1の出射面51t、及び第1の出射面51bと第1の出射面51sの間に形成された第1の出射面51uに対して、臨界角以下で入射した光L251、光L261、及び光L271が、それぞれ透過光に相当する光L252、光L262、及び光L272として導光板51から導出される。
【0032】
したがって、導光部50に設けられる導光板51によれば、図4乃至図6に示すように、導光板51の入射面51aから入射された光源31の光を、該導光板51の内部において多重反射により減衰させることなく、各出射面から所定の放射角度で導出させることができる。具体的には、導光板51に、該導光板51の入射面51aの法線方向に対して所定の角度で傾斜した平面から成る第2の出射面51qを設けることにより、例えば、第2の出射面51qの光の出射箇所51w、光の出射箇所51x、及び光の出射箇所51yにおいて、様々な放射角で光源31の光を導出させることができる。さらに、導光板51に、例えば、第1の出射面51cと第1の出射面51sの間に鈍角を成すように形成された第1の出射面51t、及び第1の出射面51bと第1の出射面51sの間に鈍角を成すように形成された第1の出射面51uを設けることにより、導光板51の内部から各第1の出射面に入射する光の角度が臨界角となり易く、導光板51から導出され易くなる。
【0033】
さらに、照明装置1に設けられた導光部50の変形例に係る構成及び光学特性について、図7乃至図12を参照しながら、具体的に説明する。
【0034】
なお、先ず導光部50に設けられる曲面を含む多面体形状に形成された導光板53に係る構成及び光学特性について図7乃至図10を参照しながら説明する。さらに導光部50に設けられる中心から外側に向かって入射面との成す角度が段階的に大きくなるように複数の平面を連ねて多面体形状に形成された導光板54に係る構成及び光学特性について図11を参照しながら説明する。最後に導光部50に設けられる一方から他方に向かって入射面との成す角度が段階的に大きくなるように複数の平面を連ねて多面体形状に形成された導光板55に係る構成及び光学特性について図12を参照しながら説明する。
【0035】
導光部50の変形例に関し、曲面を含む多面体形状に形成された導光板53に係る構成について、図7を参照しながら、具体的に説明する。図7に示す導光板53は、曲面を含む多面体形状から形成され、例えば図2に示す導光板51の片側に相当する導光板である。具体的には、導光板53は、図7に示すように、光源31と対向する位置に、光源31の光を入射させる入射面53aが形成されている。また、入射面53aと交差した第1の出射面53p及び第1の出射面53sが、対向して形成されている。また、入射面53aと対向し、該入射面53aの法線方向に対して所定の角度で傾斜した第2の出射面53q、及び曲面から成る第2の出射面53rが、隣接して形成されている。なお、図6に示す導光板51の構成を、図7に示す導光板53に適用しても良い。
【0036】
また、導光部50の変形例に関し、導光板53に係る光学特性について、図8の各図を参照しながら、具体的に説明する。なお、図8(a)乃至(d)は、図7の各出射面における所定の光の出射箇所での光学特性を、それぞれ個別に示す模式図である。ここで、導光板51と同様に、光源31の光に係る多数の光線を、図7及び図8に示す導光板53の外形線に重ねて図示すると、該導光板53の光学特性を理解することが困難となる。そこで、図7及び図8では、任意の4箇所に係る光の出射箇所を基準として、光源31の光に係る光線を、導光板53の外形線に重ねて図示することに留めている。図8(a)に示す第2の出射面53rの光の出射箇所53vでは、第2の出射面53rに対して臨界角以下で入射した光L321及び光L331が、それぞれ透過光に相当する光L322及び光L332として導光板53から導出される。また、光の出射箇所53vでは、入射面53aから法線方向に直進し第2の出射面53rに対して臨界角を超えて入射した光L311が、該光L311の反射光に相当する光L312として導光板53の内部に反射される。また、光L312は、さらに、第2の出射面53rに対して臨界角を超えて入射され、該光L312の反射光に相当する光L313として導光板53の内部に反射される。また、光L313は、該光L313の透過光に相当する光L314として、導光板53の第2の出射面53qから導出される。
【0037】
同様に、導光部50の変形例に関し、導光板53に係る光学特性について、図8(b)に示す第2の出射面53rの光の出射箇所53wでは、第2の出射面53rに対して臨界角以下で入射した光L341、光L352、光L361、及び光L372が、それぞれ透過光に相当する光L342、光L353、光L362、及び光L373として導光板53から導出される。なお、光L341は、入射面53aから法線方向に直進した光である。また、光L352は、第2の出射面53qにおける光L351の反射光に相当する。同様に、光L372は、第1の出射面53pにおける光L371の反射光に相当する。また、光の出射箇所53wでは、第2の出射面53rに対して臨界角を超えて入射した光L382が、該光L382の反射光に相当する光L383として導光板53の内部に反射される。なお、光L382は、第1の出射面53rにおける光L381の反射光に相当する。また、光L383は、該光L383の透過光に相当する光L384として、導光板53の第2の出射面53qから導出される。
【0038】
同様に、導光部50の変形例に関し、導光板53に係る光学特性について、図8(c)に示す第2の出射面53qの光の出射箇所53xでは、第2の出射面53qに対して臨界角以下で入射した光L401が、透過光に相当する光L402として導光板53から導出される。また、光の出射箇所53xでは、入射面53aから法線方向に直進し第2の出射面53qに対して臨界角を超えて入射した光L391が、該光L391の反射光に相当する光L392として導光板53の内部に反射される。また、光L392は、該光L392の透過光に相当する光L393として、導光板53の第2の出射面53rから導出される。また、光L411は、第1の出射面53sに対して臨界角以下の角度で入射されるため、光L411の透過光に相当する光L412として導光板53から導出され、第2の出射面53qの光の出射箇所53xには伝搬されない。
【0039】
同様に、導光部50の変形例に関し、導光板53に係る光学特性について、図8(d)に示す第2の出射面53qの光の出射箇所53yでは、第2の出射面53qに対して臨界角以下で入射した光L431及び光L441が、それぞれ透過光に相当する光L432及び光L442として導光板53から導出される。また、光の出射箇所53yでは、入射面53aから法線方向に直進し第2の出射面53qに対して臨界角を超えて入射した光L421が、該光L421の反射光に相当する光L422として導光板53の内部に反射される。また、光L422は、該光L422の透過光に相当する光L423として、導光板53の第2の出射面53rから導出される。
【0040】
したがって、導光部50の変形例に関し、導光板53によれば、図7及び図8に示すように、導光板53の入射面53aから入射された光源31の光を、該導光板53の内部において多重反射により減衰させることなく、各出射面から所定の放射角度で導出させることができる。具体的には、導光板53に、該導光板53の入射面53aの法線方向に対して所定の角度で傾斜した平面から成る第2の出射面53q、及び曲面から成る第2の出射面53rを隣接して設けることにより、例えば、光の出射箇所53v乃至光の出射箇所53yにおいて、様々な放射角で光源31の光を導出させることができる。さらに、例えば、曲面から成る第2の出射面53rの光の出射箇所53v及び光の出射箇所53wで反射した光源31の光を、第2の出射面53rに隣接した平面から成る第2の出射面53qから様々な放射角で導出させることができる。さらに、例えば、平面から成る第2の出射面53qの光の出射箇所53x及び光の出射箇所53yで反射した光源31の光を、第2の出射面53qに隣接した曲面から成る第2の出射面53rから様々な放射角で導出させることができる。
【0041】
さらに、照明装置1から導出される光の配光分布を、筐体部40の径方向の外側に対して円弧状に拡大させる構成について、図9及び図10を参照しながら、詳細に説明する。図9に示す導光板57は、図7に示す導光板53を十字状に組み合わせた構成の応用例、又は導光板53を十字状に一体成型した構成の応用例に相当する。この様な導光板57は、入射面57aと隣接し直交した第1の出射面57s及び57pを備えている。ここで、第1の出射面57sは筐体部40の径方向の外側に配設され、第1の出射面57pは第1の出射面57sと対向するように筐体部40の中央側に配設される。また、導光板57は、入射面57aに対向した第2の出射面57r及び57qを備えている。ここで、第2の出射面57rは、曲面から形成され筐体部40の径方向の外側に設けられている。また、第2の出射面57qは、入射面57aの法線方向に対して所定の角度で傾斜した平面から形成され筐体部40の中央側に設けられている。また、第2の出射面57rと第2の出射面57qとが接した位置57zが、光源部30の光源31から直交する方向に向かって最も離間している。
【0042】
また、導光板57の材質をアクリル樹脂とした場合、代表的な可視光線における光の臨界角は約42°である。そこで、第2の出射面57qは、その様な光の臨界角を超えた角度になるように第1の出射面57pと隣接して設けられ、導光板57の第2の出射面57qに入射した光が第2の出射面57rの方向に反射されるようにしている。さらに、導光板57において、第2の出射面57qと第1の出射面57pとが接した位置57yが、第2の出射面57rと第1の出射面57sとが接した位置57xと比べて入射面57aから近いため、該入射面57aから入射された光が第2の出射面57qで反射された後に第2の出射面57rの方向に伝播され易い。なお、図9及び図10に示す導光板57では、連結用切欠等を省略している。また、光源部30の基板32には、十字状に計13個の光源31が配設されている。ここで、図9及び図10に示すように、7個の光源31a乃至31gが、十字状に形成された導光板57の入射面57aに対向するように、所定の距離だけ離間して一列に設けられている。
【0043】
図10に、導光板57の光学特性に関する模式図を示している。但し、各光源31から様々な角度で出射される複数の光を全て図示した場合、該光が密集して判別が不可能になるため、代表的な光のみ図示している。また、図10において図示している光L801乃至L812は、各光源31を出射した光の中、入射面57aを透過した後に少なくとも第2の出射面57qで反射され且つ第1の出射面57sを透過して外部に導出されたものである。具体的には、図10に示す導光板57の左半分の領域に示す光L801乃至光L806は、入射面57aを透過し第2の出射面57qで反射され第1の出射面57sを透過して外部に導出された光である。また、図10に示す導光板57の右半分の領域に示す光L807は、入射面57aを透過し第1の出射面57qで反射された後に第2の出射面57qで反射され第1の出射面57sを透過して外部に導出された光である。同様に、図10に示す導光板57の右半分の領域に示す光L808乃至光L812は、入射面57aを透過し第1の出射面57sで反射された後に第2の出射面57qで反射され第1の出射面57sを透過して外部に導出された光である。なお、図10中の左半分と右半分の領域で、導光板57を伝播する光を仕分けて表示することにより、光同士が重複して認識し難くなることを避けている。
【0044】
したがって、導光板57は、図10中の左半分の領域に示すように、入射面57aを透過した光源の光が、筐体部40の中央側に配設された第2の出射面57qで反射され、筐体部40の径方向の外側に配設された第2の出射面57rを透過して導出され易い。同様に、導光板57は、図10中の右半分の領域に示すように、第1の出射面57s又は第1の出射面57pで反射された光が、筐体部40の中央側に配設された第2の出射面57qで反射された後に、筐体部40の径方向の外側に配設された第2の出射面57rを透過して導出され易い。ここで、曲面から形成された第2の出射面57rを出射される光は、レンズ効果により略円弧状になる。上述した通り、導光板57を用いることにより、照明装置1から導出される光の配光分布を、筐体部40の径方向の外側に対して円弧状に拡大させることにより、従来の一般的なランプ光源の配光特性に近づけることができる。
【0045】
次に、導光部50の変形例に関し、中心から外側に向かって入射面との成す角度が段階的に大きくなるように複数の平面を連ねて多面体形状に形成された導光板54に係る構成について、図11を参照しながら、具体的に説明する。ここで、導光板51及び導光板53と同様に、光源31の光に係る多数の光線を、図11に示す導光板54の外形線に重ねて図示すると、該導光板54の光学特性を理解することが困難となる。そこで、図11では、任意の4箇所に係る光の出射箇所を基準として、光源31の光に係る光線を、導光板54の外形線に重ねて図示することに留めている。図11に示す導光板54は、中心から外側に向かって入射面との成す角度が段階的に大きくなるように複数の平面を連ねて多面体形状に形成され、例えば図2に示す導光板51の片側に相当する導光板である。具体的には、導光板54は、図11に示すように、光源31と対向する位置に、光源31の光を入射させる入射面54aが形成されている。また、入射面54aと交差した第1の出射面54pが、図11の左右に対向して形成されている。また、入射面54aと対向し、該入射面54aの法線方向に対して、例えば、10°傾斜した第2の出射面54q、15°傾斜した第2の出射面54r、20°傾斜した第2の出射面54s、及び25°傾斜した第2の出射面54tが、順に連ねられ対向して形成されている。さらに、入射面54aと対向し、該入射面54aと平行した第2の出射面54uが、第2の出射面54tに隣接して形成されている。なお、図6に示す導光板51の構成を、図11に示す導光板54に適用しても良い。
【0046】
また、導光部50の変形例に関し、導光板54に係る光学特性について、図11に示す第2の出射面54qの光の出射箇所54vでは、図11の左側に示す第2の出射面54qに対して臨界角以下で入射した光L521が、該光L521の透過光に相当する光L522として導光板54から導出される。また、光の出射箇所54vでは、第2の出射面54qに対して臨界角を超えて入射した光L511が、該光L511の反射光に相当する光L512として導光板54の内部に反射される。さらに、光L512は、該光L512の透過光に相当する光L513として、導光板54の第2の出射面54uから導出される。同様に、図11の左側に示す第2の出射面54rの光の出射箇所54w、第2の出射面54sの光の出射箇所54x、及び第2の出射面54tの光の出射箇所54yに対してそれぞれ臨界角以下で入射した光L541、光L561、及び光L582が、それぞれ透過光に相当する光L542、光L562、及び光L583として導光板54から導出される。なお、光L582は、図11の右側に示す第1の出射面54pにおける光L581の反射光に相当する。
【0047】
同様に、導光部50の変形例に関し、導光板54に係る光学特性について、図11の左側に示す第2の出射面54qの光の出射箇所54v、第2の出射面54rの光の出射箇所54w、第2の出射面54sの光の出射箇所54x、及び第2の出射面54tの光の出射箇所54yに対してそれぞれ臨界角を超えて入射した光L511、光L531、光L551、及び光L571が、それぞれ反射光に相当する光L512、光L532、光L552、及び光L572として導光板54の内部に反射される。なお、光L511、光L531、光L551、及び光L571は、入射面54aから法線方向に直進した光である。また、光L512は、該光L512の透過光に相当する光L513として、導光板54の第2の出射面54uから導出される。さらに、光L532、光L552、及び光L572は、該光L532、光L552、及び光L572の透過光に相当する光L533、光L553、及び光L573として、図11の右側に示す導光板54の第2の出射面54tから導出される。
【0048】
したがって、導光部50の変形例に関し、導光板54によれば、図11に示すように、導光板54の入射面54aから入射された光源31の光を、該導光板54の内部において多重反射により減衰させることなく、各出射面から所定の放射角度で導出させることができる。具体的には、導光板54に、中心から外側に向かって入射面の法線方向との成す角度が段階的に大きくなるように、第2の出射面54q乃至第2の出射面54tが順に連ねられ対向して形成されていることにより、光源31の光が所定の配光分布になるように屈折され、各第2の出射面から所定の放射角で導出させることができる。さらに、例えば、導光板54の図11の左側に形成された第2の出射面54q乃至第2の出射面54tで反射された光源31の光を、導光板54の図11の右側に形成された第2の出射面54t等から、導光板54の前方に向けて様々な放射角で導出させることができる。
【0049】
次に、導光部50の変形例に関し、一方から他方に向かって入射面との成す角度が段階的に大きくなるように複数の平面を連ねて多面体形状に形成された導光板55に係る構成について、図12の各図を参照しながら、具体的に説明する。ここで、導光板51乃至導光板54と同様に、光源31の光に係る多数の光線を、図12に示す導光板55の外形線に重ねて図示すると、該導光板55の光学特性を理解することが困難となる。そこで、図12では、任意の4箇所に係る光の出射箇所を基準として、光源31の光に係る光線を、導光板55の外形線に重ねて図示することに留めている。図12(a)に示す導光板55は、一方から他方に向かって入射面との成す角度が段階的に大きくなるように複数の平面を連ねて多面体形状に形成され、例えば図2に示す導光板51の片側に相当する導光板である。具体的には、導光板55は、図12(a)に示すように、光源31と対向する位置に、光源31の光を入射させる入射面55aが形成されている。また、入射面55aと交差した第1の出射面55p及び第1の出射面55uが、対向して形成されている。また、入射面55aと対向し、該入射面55aの法線方向に対して、例えば、10°傾斜した第2の出射面55q、20°傾斜した第2の出射面55r、及び30°傾斜した第2の出射面55sが、順に連ねられ対向して形成されている。さらに、入射面55aと対向し、該入射面55aと平行した第2の出射面55tが、第2の出射面55s及び第1の出射面55uに隣接して形成されている。
【0050】
また、導光部50の変形例に関し、導光板55に係る構成について、導光板55は、図12(b)に示すように、入射面55aと交差した第1の出射面55b及び第1の出射面55cが、対向して形成されている。また、第1の出射面55bと第1の出射面55uの間には、第1の出射面55mが鈍角を成すように隣接して形成されている。同様に、第1の出射面55cと第1の出射面55uの間には、第1の出射面55nが鈍角を成すように隣接して形成されている。
【0051】
また、導光部50の変形例に関し、導光板55に係る光学特性について、図12の各図を参照しながら、具体的に説明する。図12(a)に示す第2の出射面55qの光の出射箇所55v、第2の出射面55rの光の出射箇所55w、及び第2の出射面55sの光の出射箇所55xに対してそれぞれ臨界角以下で入射した光L621、光L642、及び光L663が、それぞれ透過光に相当する光L622、光L643、及び光L664として導光板55から導出される。なお、光L642は、第1の出射面55uにおける光L641の反射光に相当する。同様に、光L663は、第1の出射面55uにおける光L662の反射光に相当し、該光L662は、第1の出射面55pにおける光L661の反射光に相当する。また、第2の出射面55qの光の出射箇所55vに対して臨界角を超えて入射した光L611が、該光L611の反射光に相当する光L612として導光板55の内部に反射される。なお、光L611は、入射面55aから法線方向に直進した光である。さらに、第2の出射面54sに対して臨界角を超えて入射した光L612が、該光L612の反射光に相当する光L613として導光板55の内部に反射される。さらに、光L613は、該光L613の透過光に相当する光L614として、導光板55の第2の出射面55tから導出される。
【0052】
同様に、導光部50の変形例に関し、導光板55に係る光学特性について、第2の出射面55rの光の出射箇所55w及び第2の出射面55sの光の出射箇所55xに対して臨界角を超えて入射した光L631及び光L651が、該光L631及び光L651の反射光に相当する光L632及び光L652として導光板55の内部に反射される。なお、光L631及び光L651は、入射面55aから法線方向に直進した光である。さらに、光L632及び光L652は、該光L632及び光L652の透過光に相当する光L633及び光L653として、導光板55の第2の出射面55uから導出される。さらに、図12(b)に示すように、第1の出射面55u、第1の出射面55cと第1の出射面55uの間に形成された第1の出射面55m、及び第1の出射面55bと第1の出射面55uの間に形成された第1の出射面55nに対して、臨界角以下で入射した光L671、光L681、及び光L691が、それぞれ透過光に相当する光L672、光L682、及び光L692として導光板55から導出される。
【0053】
したがって、導光部50の変形例に関し、導光板55によれば、図12に示すように、導光板55の入射面55aから入射された光源31の光を、該導光板55の内部において多重反射により減衰させることなく、各出射面から所定の放射角度で導出させることができる。具体的には、導光板55に、一方から他方に向かって入射面の法線方向との成す角度が段階的に大きくなるように、第2の出射面55q乃至第2の出射面55sが順に連ねられ対向して形成されていることにより、光源31の光が所定の配光分布になるように屈折され、各第2の出射面から所定の放射角で導出させることができる。さらに、例えば、導光板55の第2の出射面55q乃至第2の出射面55sで反射された光源31の光を、導光板55の第2の出射面55u等から、導光板55の前方に向けて様々な放射角で導出させることができる。さらに、導光板55に、例えば、第1の出射面55bと第1の出射面55uの間に鈍角を成すように形成された第1の出射面55c、及び第1の出射面55cと第1の出射面55uの間に鈍角を成すように形成された第1の出射面55nを設けることにより、導光板55の内部から各第1の出射面に入射する光の角度が臨界角以下となり易く、導光板55から導出され易くなる。
【0054】
以上、第1の実施形態に係る照明装置1によれば、例えば図5に示す導光板51の入射面51aから入射された光源31の光を、該導光板51の内部において多重反射により減衰させることなく、各出射面から所定の放射角度で導出させることができる。具体的には、導光板51に、該導光板51の入射面51aの法線方向に対して所定の角度で傾斜した平面から成る第2の出射面51qを設けることにより、例えば、第2の出射面51qの光の出射箇所51w、光の出射箇所51x、及び光の出射箇所51yにおいて、様々な放射角で光源31の光を導出させることができる。さらに、導光板51に、例えば、第1の出射面51cと第1の出射面51sの間に鈍角を成すように形成された第1の出射面51t、及び第1の出射面51bと第1の出射面51sの間に鈍角を成すように形成された第1の出射面51uを設けることにより、導光板51の内部から各第1の出射面に入射する光の角度が臨界角になり易くなり、導光板51から導出され易くなる。
【0055】
また、第1の実施形態に係る照明装置1によれば、例えば図8に示す導光板53のように、該導光板53の入射面53aの法線方向に対して所定の角度で傾斜した平面から成る第2の出射面53q、及び曲面から成る第2の出射面53rを設けることにより、例えば、光の出射箇所53v乃至光の出射箇所53yにおいて、様々な放射角で光源31の光を導出させることができる。さらに、例えば、曲面から成る第2の出射面53rの光の出射箇所53v及び光の出射箇所53wで反射した光源31の光を、第2の出射面53rに隣接した平面から成る第2の出射面53qから様々な放射角で導出させることができる。さらに、例えば、平面から成る第2の出射面53qの光の出射箇所53x及び光の出射箇所53yで反射した光源31の光を、第2の出射面53rに隣接した曲面から成る第2の出射面53rから様々な放射角で導出させることができる。
【0056】
同様に、第1の実施形態に係る照明装置1によれば、例えば図11に示す導光板54のように、中心から外側に向かって入射面の法線方向との成す角度が段階的に大きくなるように、第2の出射面54q乃至第2の出射面54tが順に連ねられ対向して形成されていることにより、光源31の光が所定の配光分布になるように屈折され、各第2の出射面から所定の放射角で導出させることができる。さらに、例えば、導光板54の図11の左側に形成された第2の出射面54q乃至第2の出射面54tで反射された光源31の光を、導光板54の図11の右側に形成された第2の出射面54t等から、導光板54の前方に向けて様々な放射角で導出させることができる。
【0057】
同様に、第1の実施形態に係る照明装置1によれば、例えば図12に示す導光板55のように、一方から他方に向かって入射面の法線方向との成す角度が段階的に大きくなるように、第2の出射面55q乃至第2の出射面55sが順に連ねられ対向して形成されていることにより、光源31の光が所定の配光分布になるように屈折され、各第2の出射面から所定の放射角で導出させることができる。さらに、例えば、導光板55の第2の出射面55q乃至第2の出射面55sで反射された光源31の光を、導光板55の第2の出射面55u等から、導光板55の前方に向けて様々な放射角で導出させることができる。さらに、導光板55に、例えば、第1の出射面55bと第1の出射面55uの間に鈍角を成すように形成された第1の出射面55c、及び第1の出射面55cと第1の出射面55uの間に鈍角を成すように形成された第1の出射面55nを設けることにより、導光板55の内部から各第1の出射面に入射する光の角度が臨界角以下になり易くなり、導光板55から導出され易くなる。
【0058】
また、第1の実施形態に係る照明装置1によれば、導光部50に設ける導光板については、例えば、図5に示す導光板51、図8に示す導光板53、図11に示す導光板54、又は図12に示す導光板55の形状を、任意に組み合わせて形成しても良い。この様に、導光部50を、異なる形状の導光板を複数組み合わせて形成することで、視認する方向より異なる光学特性を有する照明装置1を構成することができる。
【0059】
[第2の実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態の照明装置2について、図13乃至図18を参照しながら、具体的に説明する。
【0060】
なお、本発明の第2の実施形態の照明装置2は、該照明装置2を構成する導光部60の導光板に、凹状又は凸状のパターンがそれぞれ形成されていることに特徴を有している。また、それ以外の第2の実施形態に係る構成は、第1の実施形態で述べた構成と同様である。具体的には、第2の実施形態の照明装置2は、図14に示すように、第1の実施形態の照明装置1と同様の仕様から成る受電部10、電源部20、光源部30、及び筐体部40と、第2の実施形態の照明装置2に特有の導光部60から構成されている。そこで、第2の実施形態においては、第1の実施形態とは異なる構成である導光部60について中心に説明する。
【0061】
第2の実施形態の照明装置2を構成する導光部60の各導光板には、該導光板の出射面の1面以上に、光源部30の光を拡散光として導出させる凹状又は凸状のパターンが形成されている。ここで、先ず導光部60に設けられる各導光板に形成された凹状又は凸状のパターンの仕様について図13乃至図15を参照しながら説明する。次に導光部60の変形例に係る各導光板に形成された凹状又は凸状のパターンの仕様について図16を参照しながら説明する。さらに導光部60の変形例に係る各導光板に形成された特殊な凹状又は凸状のパターンに係る光学特性について図17及び図18を参照しながら説明する。
【0062】
先ず、導光部60に設けられる各導光板に形成された凹状又は凸状のパターンの仕様について、図13乃至図15を参照しながら具体的に説明する。導光部60の導光板61に設けられた第1の出射面61b及び第1の出射面61cには、例えば図13及び図14に示すように、照射された光を拡散光として導出させる凹状のパターン61pが形成されている。この様なパターン61pは、例えば1mmから6mmの間隔でマトリクス状に形成されている。ここで、導光板61の第1の出射面61bに形成された複数のパターン61pで発生した複数の拡散光の大部分は、略均一な面発光の光として導光板61の対向する第1の出射面61cから導出される。同様に、導光板61の第1の出射面61cに形成された複数のパターン61pで発生した複数の拡散光の大部分は、略均一な面発光の光として導光板61の対向する第1の出射面61bから導出される。また、導光部60の導光板62に形成された凹状のパターン62pの仕様は、上述した導光板61に形成されたパターン61pの仕様と同様である。
【0063】
また、導光部60に設けられる各導光板に形成された凹状又は凸状のパターンの仕様に関し、導光板61及び導光板62の各出射面に形成する凹状又は凸状のパターンを、例えば点状、線状、又はそれらの組み合わせから構成しても良い。また、例えば、図4に示す導光板51、図7に示す導光板53、図11に示す導光板54、及び図12に示す導光板55に、凹状又は凸状のパターンを形成しても良い。なお、図14に示す導光部60に設けられる導光板61の外形形状は、図2に示す導光部50に設けられる導光板51の外形形状と同一である。したがって、導光部60に設けられる導光板61は、図5及び図6を参照しながら説明した導光部50に設けられる導光板51と同様の光学特性を有し、導光板61の入射面61aから入射された光源31の光を、該導光板61の内部において多重反射により減衰させることなく、各出射面から所定の放射角度で導出させることができる。
【0064】
また、導光部60に設けられる各導光板に形成された凹状又は凸状のパターンの仕様に関し、図15では、発明の理解を容易にするために、各導光板の第1の出射面に形成された凹状のパターンの大きさを誇張して図示している。ここで、図15に示す導光板61のように、導光板61の第1の出射面61bに形成されたパターン61pに、導光板61の入射面61aから入射された光源31の光が照射されると、拡散光が発生する。該拡散光の大部分は、該第1の出射面61bに対向して設けられた第1の出射面61cから導出される。ここで、もし導光板61にパターン61pを設けなければ、導光板61の入射面61aに交差した各第1の出射面は、導光板61の入射面61aに対向した各第2の出射面と比較して、導光板61の内部から直接導出される光源31の光の光量が相当少ない。しかしながら、導光板61の入射面61aに交差した任意の第1の出射面に例えば凹状のパターンを設けることにより、その任意の第1の出射面に対向した第1の出射面から拡散光を導出させることができる。したがって、導光板61の各第1の出射面及び各第2の出射面からそれぞれ導出される光の光量の差が抑制されることから、導光板61に複数設けられた各出射面から導出される光の光量を平均化することができる。また、導光板61のパターン61pを、導光板61の第1の出射面61bと第1の出射面61cに対して対面非同一に形成すると、対面同一に形成した場合と比較して、導光板61の第1の出射面61b又は第1の出射面61cから視認可能な、パターン61pの総数が増加するため、導光板61から導出される拡散光の明暗の差が小さくなる。
【0065】
次に、導光部60の変形例に係る各導光板に形成された凹状又は凸状のパターンの仕様について、図16を参照しながら、具体的に説明する。図16(a)に示す導光板62のように、導光板62の第1の出射面62bに形成されたパターン62pに、導光板62の入射面62aから入射された光源31の光が照射されると、拡散光が発生する。該拡散光の大部分は、該第1の出射面62bに対向して設けられた第1の出射面61cから導出される。すなわち、パターン62pは、第1の出射面のいずれか一面に設ける構成としても良い。また、導光部60に設けられる各導光板に形成された凹状又は凸状のパターンに係る光学特性に関し、図16(b)に示す導光板64のように、パターン64pの深さを、導光板64の第1の出射面64bと第1の出射面64cに対して導光板64の入射面64aから遠ざかる毎に、相対的に深くする構成としても良い。このようにパターン64pの深さを深くすると、該パターン64pの表面積が増加することから、相対的に大きな拡散光が発生する。一方、光源31の光の強度は、導光板64の入射面64aから遠ざかる毎に減衰して、相対的に低下する。したがって、上記の様な構成にすることにより、導光板64の第1の出射面64bと第1の出射面64cから導出される拡散光の強度を、導光板64の入射面64aからの距離に寄らず、平均化させることができる。なお、図示せぬ導光板の第1の出射面に形成する凸状のパターンの高さを、導光板の入射面から遠ざかる毎に、相対的に高くする構成としても良い。同様に、図示せぬ導光板の第1の出射面に形成する凹状又は凸状のパターンの間隔を、導光板の入射面から遠ざかる毎に、相対的に密にする構成としても良い。この様な構成にすることでも、導光板の第1の出射面から導出される拡散光の強度を平均化させることができる。
【0066】
さらに、導光部60の変形例に係る各導光板に形成された特殊な凹状又は凸状のパターンに係る光学特性について、図17及び図18を参照しながら具体的に説明する。導光板65のように、四角錐から成る凹状のパターンが、最下部に矩形状から成る面を有することにより、第1の出射面65b及び第1の出射面65cから、効率良く拡散光を導出させることができる。具体的には、入射面65aから入射された光の一部は、例えば第1の出射面65bに形成されたパターン65dの最下部65fに照射され、入射面65aから遠ざかる方向であり且つ第1の出射面65c側に反射される。同様に、入射面65aから入射された光の一部は、例えば第1の出射面65cに形成されたパターン65eの最下部65iに照射され、入射面65aから遠ざかる方向であり且つ第1の出射面65b側に反射される。したがって、入射面65aから入射された光を、より効率良く拡散光に変換して、第1の出射面65b及び第1の出射面65cから導出させることができる。
【0067】
また、導光部60の変形例に係る各導光板に形成された特殊な凹状又は凸状のパターンに係る光学特性に関し、凹状のパターンが、仮に純粋な四角錐形状である場合、該四角錐の最下部の近傍で発生した拡散光は、その先端部分における一面65gから対向する他面65hまでの距離が極めて短いことから、最下部の近傍での多重反射により拡散光が大きく減衰し、第1の出射面65b又は第1の出射面65cから直接導出されない。一方、凹状のパターンが四角錐の最下部に矩形状から成る面を有する場合、該四角錐の最下部の近傍で発生した拡散光は、最下部の近傍における一面65gから対向する他面65hの間に一定の距離があるため、多重反射される前に第1の出射面65b又は第1の出射面65cから直接導出される。したがって、入射面65aから入射された光をより効率良く導出させることができる。
【0068】
以上、第2の実施形態に係る照明装置2によれば、前述した第1の実施形態に係る照明装置1と同様の作用効果を得ることができる。具体的には、例えば、導光部60に設けられる導光板61は、図5及び図6を参照しながら説明した導光部50に設けられる導光板51と同様の光学特性を有し、導光板61の入射面61aから入射された光源31の光を、該導光板61の内部において多重反射により減衰させることなく、各出射面から所定の放射角度で導出させることができる。
【0069】
さらに、第2の実施形態に係る照明装置2によれば、図16(a)に示す導光板63のように、導光板63の第1の出射面63bに形成されたパターン63pに、導光板63の入射面63aから入射された光源31の光を照射させることにより拡散光を発生させ、該拡散光を第1の出射面63cから導出させることができる。したがって、第2の実施形態に係る照明装置2によれば、眩しさが抑制された拡散光を略均一な面発光の光として用いることができる。なお、もし導光板63にパターン63pを設けなければ、導光板63の入射面63aに交差した各第1の出射面は、導光板63の入射面63aに対向した各第2の出射面と比較して、導光板61の内部から直接導出される光源31の光の光量が相当少ない。しかしながら、導光板63の入射面63aに交差した任意の第1の出射面に例えば凹状のパターンを設けることにより、その任意の第1の出射面に対向した第1の出射面から拡散光を導出させることができる。したがって、導光板63の各第1の出射面及び各第2の出射面からそれぞれ導出される光の光量の差が抑制されることから、導光板63に複数設けられた各出射面から導出される光の光量を平均化することができる。
【0070】
また、第2の実施形態に係る照明装置2によれば、図15に示す導光板61のように、パターン61pを、導光板61の第1の出射面61bと第1の出射面61cに対して対面非同一に形成することにより、導光板61の第1の出射面61b又は第1の出射面61cから視認可能なパターン61pの総数を増加させることができる。したがって、第2の実施形態に係る照明装置2によれば、眩しさが抑制され且つ明暗の差が抑制された拡散光を略均一な面発光の光として用いることができる。
【0071】
同様に、第2の実施形態に係る照明装置2によれば、図16(b)に示す導光板64のように、光源31の光の強度が導光板64の入射面64aから遠ざかる毎に減衰することを考慮して、パターン64pの深さを、導光板64の第1の出射面64bと第1の出射面64cに対して導光板64の入射面64aから遠ざかる毎に相対的に深くする構成とすることにより、相対的に大きな拡散光を発生させることができる。したがって、第2の実施形態に係る照明装置2によれば、眩しさが抑制され且つ明暗の差が抑制された拡散光を導光板64の入射面64aからの距離に寄らず平均化させた均一な面発光の光として用いることができる。
【0072】
同様に、第2の実施形態に係る照明装置2によれば、導光板の第1の出射面に形成する凸状のパターンの高さを導光板の入射面から遠ざかる毎に相対的に高くする構成としたり、導光板の第1の出射面に形成する凹状又は凸状のパターンの間隔を導光板の入射面から遠ざかる毎に相対的に密にする構成とすることができる。したがって、第2の実施形態に係る照明装置2によれば、眩しさが抑制され且つ明暗の差が抑制された拡散光を導光板の入射面からの距離に寄らず平均化させた均一な面発光の光として用いることができる。
【0073】
次に、本発明の第2の実施形態の照明装置2に設けられた導光板の製造方法について、具体的に説明する。
【0074】
導光板の製造方法には、例えば超音波加工、加熱加工、切削加工、レーザ加工、成型加工、及びシルク印刷加工を用いることができる。したがって、導光板の仕様やコスト及び必要数量等に応じて、各加工方法を選択することにより、凹状又は凸状のパターンを導光板の主面に精度良く安定的に形成することができる。以下、各製造方法について説明する。超音波加工では、導光板の主面に当接させた超音波加工用ホーンの超音波の振動を用いて、導光板の主面を部分的に溶融させることにより、該主面に凹状のパターンを形成する。また、加熱加工では、導光板の主面に当接させた加工具の熱を用いて、導光板の主面を部分的に溶融させることにより、該主面に凹状のパターンを形成する。同様に、切削加工では、導光板の主面に当接しながら回転又は付勢させた切削工具を用いて、導光板の主面を部分的に削り取ることにより、該主面に凹状のパターンを形成する。同様に、レーザ加工では、導光板の主面に集光させたレーザ光の熱を用いて、導光板の主面を部分的に溶融させることにより、該主面に凹状のパターンを形成する。同様に、成型加工では、成型する導光板の外形形状を反映させた形状を金型の内部に形成し、例えば射出成型機に装着した金型に対して加熱して軟化させた樹脂を注入してから、該樹脂を冷却させることにより、導光板の主面に凹状のパターン、凸状のパターン、又は凹状及び凸状のパターンを形成する。
【0075】
また、導光板の製造方法に関し、シルク印刷加工では、導光板の主面に対して所定の孔が開口した版を当接させ、孔を介して硬化性の樹脂を主面に付着させて、該主面を部分的に樹脂で被覆させることにより、該主面に凸状のパターンを形成する。また、成型加工又はシルク印刷加工に用いる導光板の基材である樹脂に、例えば拡散光を発する微粒子状の拡散部材を添加しても良い。同様に、上述した超音波加工、加熱加工、切削加工、又はレーザ加工を行う導光板の基材である樹脂に、例えば拡散光を発する微粒子状の拡散部材を添加したものを用いても良い。なお、上述した超音波加工、加熱加工、切削加工、レーザ加工、成型加工、及びシルク印刷加工を組み合わせて導光板を形成しても良い。具体的には、例えば成型加工により導光板の外形形状のみを形成した上で、例えば超音波加工により導光板の主面に凹状のパターンを形成しても良い。同様に、例えば成型加工により導光板の外形形状のみを形成した上で、例えばシルク印刷加工により導光板の主面に凸状のパターンを形成しても良い。
【0076】
最後に、本発明の第1及び第2の実施形態の各照明装置の構成と主な作用効果について、請求項毎に説明する。
【0077】
請求項1に記載の照明装置1又は照明装置2は、外部から電力が供給される受電部10と、受電部10と接続され、電力を所定の駆動電力に変換する電源部20と、電源部20と接続され、駆動電力により発光する光源部30と、電源部20及び光源部30を収納する筐体部40と、入射面から入射させた光源部の光を出射面から導出させる板状の導光板を筐体部の一端から突出して設けた導光部50又は60とを有し、導光板は、入射面と隣接し直交した第1の出射面と、入射面に対向した第2の出射面とを備え、第2の出射面は、筐体部の径方向の外側に設けられた曲面と、筐体部の径方向の内側に設けられ入射面の法線方向に対して所定の角度で傾斜した平面とが接した位置が、光源部から該光源部に直交する方向に向かって最も離間していることを特徴としている。
【0078】
この様な請求項1に記載の構成の照明装置1又は照明装置2によれば、導光板の入射面から入射された光源の光を、該導光板の内部において多重反射により減衰させることなく、出射面から所定の放射角度で導出させることができる。例えば、図10に示す様に、導光板57では、入射面57aの中央に配置された光源31dの光を、筐体40の径方向の外側に効果的に伝播させることができる。すなわち、光源31dから導出された光は、導光板57の入射面57aから入射され、入射面57aの法線方向に対して所定の角度で傾斜した平面から成る第2の出射面57qで反射した後に、筐体部40の径方向の外側に設けられた曲面から成る第2の出射面57rから導出される。したがって、十字状の導光板57の入射面57aの中央に配置された光源31dの光の一部を、多重反射を抑制して筐体40の径方向の外側に効率良く伝播させることができる。
【0079】
請求項2に記載の照明装置1又は照明装置2は、請求項1に従属し、第2の出射面の平面と第1の出射面とが接した位置は、第2の出射面の曲面と第1の出射面とが接した位置と比して入射面から近いことを特徴としている。
【0080】
この様な請求項2に記載の構成の照明装置1又は照明装置2によれば、図10に示す導光板57において、第2の出射面57qと第1の出射面57pとが接した位置57yが、第2の出射面57rと第1の出射面57sとが接した位置57xと比べて入射面57aから近いため、該入射面57aから入射された光が第2の出射面57qで反射された後に第2の出射面57rの方向に伝播され易い。
【0081】
請求項3に記載の照明装置1又は照明装置2は、請求項1に従属し、導光部50又は60は、筐体部の径方向の外側に向かって放射状に形成されていることを特徴としている。
【0082】
この様な請求項3に記載の構成の照明装置1又は照明装置2によれば、例えば図9に示す導光部50の導光板57において、図2等に示す筐体40の径方向の外側に向かって放射状に形成されていることから、導光部50を一般的なランプ光源に模した立体形状に形成することができる。
【0083】
請求項4に記載の照明装置1又は照明装置2は、請求項1に従属し、筐体40の径方向の外側に設けられた導光板の複数の第1の出射面は、隣接して鈍角を成す多面体を形成していることを特徴としている。
【0084】
この様な請求項4に記載の構成の照明装置1又は照明装置2によれば、例えば図12に示す導光板55の様に、第1の出射面55bと第1の出射面55uの間に鈍角を成すように形成された第1の出射面55c、及び第1の出射面55cと第1の出射面55uの間に鈍角を成すように形成された第1の出射面55nを設けることにより、導光板55の内部から各第1の出射面に入射する光の角度が臨界角以下になり易くなることから、該導光板55から光を導出させ易くすることができる。
【0085】
請求項5に記載の照明装置2は、請求項1に従属し、導光板の出射面の1面以上に、光源部30の光を拡散光として導出させる凹状又は凸状のパターンが形成されていることを特徴としている。
【0086】
この様な請求項5に記載の構成の照明装置2によれば、例えば図16(a)に示す導光板63のように、導光板63の第1の出射面63bに形成されたパターン63pに、導光板63の入射面63aから入射された光源31の光を照射させることにより拡散光を発生させ、該拡散光を第1の出射面63cから導出させることができる。したがって、第2の実施形態に係る照明装置2によれば、眩しさが抑制された拡散光を略均一な面発光の光として用いることができる。なお、もし導光板63にパターン63pを設けなければ、導光板63の入射面63aに交差した各第1の出射面は、導光板63の入射面63aに対向した各第2の出射面と比較して、導光板61の内部から直接導出される光源31の光の光量が相当少ない。しかしながら、導光板63の入射面63aに交差した任意の第1の出射面に例えば凹状のパターンを設けることにより、その任意の第1の出射面に対向した第1の出射面から拡散光を導出させることができる。したがって、導光板63の各第1の出射面及び各第2の出射面からそれぞれ導出される光の光量の差が抑制されることから、導光板63に複数設けられた各出射面から導出される光の光量を平均化することができる。
【符号の説明】
【0087】
1,2 照明装置、10 受電部、11 口金、11a,43d 外周面、11b,41f 内周面、12 絶縁ケース、12a 一端、12b 他端、12c 収納凹部、12d,32c,41b,41d,43e ネジ孔、20 電源部、21 電源回路、22,23 配線、30 光源部、31,31a,31b,31c,31d,31e,31f,31g 光源、32 基板、32a 配線穴、32b 半田付けパッド、40 筐体部、41 筐体、41a 配線孔、41c 基板収納凹部、41e 放熱面、42 固定部材、43 保持部材、43a 連結用切欠、43b 突起、43c,51n,52n,61n,62n 当接面、44 固定部材、50,60 導光部、51,52,53,54,55,57,61,62,63,64,65,100 導光板、51a,52a,53a,54a,55a,57a,61a,62a,63a,64a,65a 入射面、100z 出射面、51b,51c,51d,51g,51h,51i,51p,51s,51t,51u,52b,52c,52d,52g,52h,52i,53p,53s,54p,55b,55c,55p,55u,55m,55n,61b,61c,61d,61g,61h,61i,62b,62c,62d,62g,62h,62i,63b,63c,64b,64c,65b,65c 第1の出射面、51e,51f,51q,51r,52e,52f,53q,53r,54q,54r,54s,54t,54u,55q,55r,55s,55t,57s,57p,61e,61f,62e,62f 第2の出射面、51v,51w,51x,51y,53v,53w,53x,53y,54v,54w,54x,54y,55v,55w,55x,57r,57q 光の出射箇所、57x,57y,57z 位置、51j,52j,61j,62j 連結用切欠、51m,52k,61m,62k 切欠面、61p,62p,63p,64p,65d,65e パターン、65f,65i 最下部、65g 一面、65h 他面、θ1,θ3 入射角、θ2 出射角、θ4 反射角、n1,n2 屈折率、L1,L2,L3,L4,L101,L102,L111,L112,L113,L121,L122,L131,L132,L141,L142,L143,L151,L152,L153,L154,L161,L162,L171,L172,L181,L182,L191,L192,L193,L194,L201,L202,L211,L212,L221,L222,L223,L224,L231,L232,L241,L242,L251,L252,L261,L262,L271,L272,L311,L312,L313,L314,L321,L322,L331,L332,L341,L342,L351,L352,L353,L361,L362,L371,L372,L373,L381,L382,L383,L384,L391,L392,L393,L401,L402,L411,L412,L421,L422,L423,L431,L432,L441,L442,L511,L512,L513,L521,L522,L531,L532,L533,L541,L542,L551,L552,L553,L561,L562,L571,L572,L573,L581,L582,L583,L611,L612,L613,L614,L621,L622,L631,L632,L633,L641,L642,L643,L651,L652,L653,L661,L662,L663,L664,L671,L672,L681,L682,L691,L692,L801,L802,L803,L804,L805,L806,L807,L808,L809,L810,L811,L812 光。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から電力が供給される受電部と、
前記受電部と接続され、前記電力を所定の駆動電力に変換する電源部と、
前記電源部と接続され、前記駆動電力により発光する光源部と、
前記電源部及び前記光源部を収納する筐体部と、
入射面から入射させた前記光源部の光を出射面から導出させる板状の導光板を前記筐体部の一端から突出して設けた導光部とを有し、
前記導光板は、前記入射面と隣接し直交した第1の出射面と、前記入射面に対向した第2の出射面とを備え、
前記第2の出射面は、前記筐体部の径方向の外側に設けられた曲面と、前記筐体部の径方向の内側に設けられ前記入射面の法線方向に対して所定の角度で傾斜した平面とが接した位置が、前記光源部から該光源部に直交する方向に向かって最も離間していること
を特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記第2の出射面の前記平面と前記第1の出射面とが接した位置は、前記第2の出射面の前記曲面と前記第1の出射面とが接した位置と比して前記入射面から近いこと
を特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記導光部は、前記筐体部の径方向の外側に向かって放射状に形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記筐体部の径方向の外側に設けられた前記導光板の複数の前記第1の出射面は、隣接して鈍角を成す多面体を形成していること
を特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記導光板の前記出射面の1面以上に、前記光源部の光を拡散光として導出させる凹状又は凸状のパターンが形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−25916(P2013−25916A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−157496(P2011−157496)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(000127857)株式会社エス・ケー・ジー (105)
【Fターム(参考)】