説明

照明装置

【課題】簡単な構造で移動筐体の移動停止時に生じる衝撃力を緩和し得る照明装置を提供する。
【解決手段】被写体を照明する発光部10aと、発光部を有し発光部が非発光となる非発光位置と該発光部が発光可能となる発光位置とに移動する移動筐体10と、移動筐体を発光位置方向若しくは非発光位置方向へと付勢する付勢部材12と、移動筐体を非発光位置と発光位置とに案内するため移動筐体若しくは撮像機器に設けられた凸部10cと撮像機器若しくは移動筐体に一体に設けられ凸部とすき間嵌め状態で嵌合摺接する長溝部4aaと、長溝部の近傍に設けられ移動筐体が非発光位置と発光位置との間の移動の最中に凸部と接触摺接して該接触により長溝部の幅方向に弾性変形する変形部位を有する変形部4abとからなる移動筐体案内手段とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、照明装置、詳しくは撮像機器に対して突没自在に構成される照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、写真撮影等を行なう撮像機器において、機器本体内に収納された非発光位置と、機器本体内から突出した発光位置との間で移動することによって、機器に対して突没自在に構成される照明装置を具備するものが一般に実用化され、広く普及している。
【0003】
この種の形態の照明装置は、発光部を備え付勢部材によって突出方向へ付勢される移動筐体と、撮像機器本体内に上記移動筐体が収納されている状態(非発光位置)を維持するロック機構と、このロック機構によるロック状態を解除する操作部材等とを備えているのが一般的構成である。
【0004】
このような構成の従来の照明装置においては、上記移動筐体が非発光位置にあるときに上記操作部材を操作して上記ロック機構によるロック状態を解除すると、上記移動筐体が上記付勢部材によって撮像機器本体内より突出する方向へと移動する。そして、上記移動筐体と上記撮像機器との間で移動規制がなされることによって、上記移動筐体は、所定の発光位置に配置されるように構成されている。
【0005】
つまり、この種の従来の照明装置では、付勢部材の付勢力によって移動筐体を突出方向へと移動させ、最終的に当該移動筐体を所定の発光位置に配置する。この場合において、付勢部材による移動筐体の移動は、上記移動筐体の一部を、例えば撮像機器本体側の位置規制部に当接させることによって移動規制が行われる。このことから、移動筐体の一部が位置規制部に当接するとき、付勢力によって衝撃音等が発生するという問題がある。また、移動筐体の突出動作の都度、移動筐体又は位置規制部に対して衝撃力による負荷が加わるという問題がある。
【0006】
一般に従来の撮像機器において、上述のような衝撃音等が発生した場合、製品としての品位を損なってしまうという問題点がある。
【0007】
そこで、例えば特開2003−177453号公報等によって開示されている照明装置では、移動筐体と位置規制部とが当接する部位において、該移動筐体,位置規制部の両部材のいずれか一方、若しくは両方に弾性部材等の緩衝部材を設ける構成としている。この構成とすることによって、移動筐体と位置規制部とが衝突する際の衝突力が上記弾性部材等の緩衝部材によって吸収されて、衝撃音等を緩和するという手段が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−177453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、上記特開2003−177453号公報等によって開示されている従来の手段は、弾性部材等の緩衝部材を所定の部位に対して新たに設ける必要がある。また、このような構成によっても充分な緩衝効果を確実に得るためには、より高価な緩衝部材の適用が必要になったり、緩衝部材の厚味寸法が必要となる。したがって、部材点数の増加,製造工数の増加等に起因する製造コストの増大や、当該照明装置が大型化する等の問題が生じる。
【0010】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、機器に対して突没自在に構成される照明装置において、構成部材点数を増加させることなく、移動する移動筐体が移動規制されて停止する際の衝撃力を緩和して衝撃音等を抑止し得る照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の一態様の照明装置は、照明装置において、被写体を照明する発光部と、上記発光部を有し該発光部が非発光となる非発光位置と該発光部が発光可能となる発光位置とに移動する移動筐体と、上記移動筐体を上記発光位置方向若しくは上記非発光位置方向へと付勢する付勢部材と、上記移動筐体を上記非発光位置と上記発光位置とに案内するため上記移動筐体若しくは上記撮像機器に設けられた凸部と上記撮像機器若しくは上記移動筐体に一体に設けられ上記凸部とすき間嵌め状態で嵌合摺接する長溝部と該長溝部の近傍に設けられ上記移動筐体が上記非発光位置と上記発光位置との間の移動の最中に上記凸部と接触摺接して該接触により上記長溝部の幅方向に弾性変形する変形部位を有する変形部とからなる移動筐体案内手段と、を具備する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、機器に対して突没自在に構成される照明装置において、構成部材点数を増加させることなく、移動する移動筐体が移動規制されて停止する際の衝撃力を緩和して衝撃音等を抑止し得る照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態による照明装置が適用される撮像機器(カメラ)の外観を示し、当該照明装置が非発光位置にある状態を示す概略斜視図、
【図2】本発明の第1の実施形態による照明装置が適用される撮像機器(カメラ)の外観を示し、当該照明装置が発光位置にある状態を示す概略斜視図、
【図3】図2に示す状態の撮像機器(カメラ)から外装部材を取り外した際の様子を示す概略斜視図、
【図4】本発明の第1の実施形態の照明装置が適用される撮像機器(カメラ)における照明装置係止機構の構成を説明するために照明装置(収納体及び移動筐体)のみを取り出して示す図であって、該移動筐体を収納した状態の収納体を背面側より見た外観斜視図、
【図5】図4に示す状態の本実施形態の照明装置において係止機構を分解して示す要部分解斜視図、
【図6】図5に示す係止機構の作用を説明するために、該係止機構のみを取り出して示す平面図、
【図7】本発明の第1の実施形態の照明装置において、移動筐体が外部に若干突出した発光位置状態で、収納体を分解した状態を示す要部分解斜視図、
【図8】図7と同様で、付勢部材を表し、移動筐体が発光位置に配置された状態であって収納体を分解した状態を示す要部分解斜視図
【図9】本発明の第1の実施形態の照明装置を正面から見た際に、移動筐体が若干突出した移動中の一場面の状態を示す平面図、
【図10】図9の状態の後、移動筐体が発光位置に配置された状態(移動規制された状態)を示す平面図、
【図11】本発明の第2の実施形態の照明装置を正面から見た際において、移動筐体が収納体内に収納された非発光位置に配置されている状態を示す平面図、
【図12】図11の状態の後、移動筐体が移動して収納体の外部に突出した発光位置に配置された状態を示す平面図、
【図13】本発明の第3の実施形態の照明装置を正面から見た際において、移動筐体が収納体内に収納された非発光位置に配置されている状態を示す平面図、
【図14】図13の状態の後、移動筐体が移動して収納体の外部に突出した発光位置に配置された状態を示す平面図、
【図15】本発明の第4の実施形態の照明装置を正面から見た際において、移動筐体が外部に若干突出した(移動中の一場面の)状態を示す平面図、
【図16】図15の状態の後、移動筐体が移動して外部に突出した発光位置に配置された状態を示す平面図、
【図17】本発明の第5の実施形態の照明装置を正面から見た際において、移動筐体が収納体内に収納された非発光位置に配置されている状態を示す平面図、
【図18】図17の状態の後、移動筐体が移動して収納体の外部に突出した発光位置に配置された状態を示す平面図、
【図19】本発明の第6の実施形態の照明装置を正面から見た際において、移動筐体が収納体内に収納された非発光位置に配置されている状態を示す平面図、
【図20】図19の状態の後、移動筐体が移動して収納体の外部に突出した発光位置に配置された状態を示す平面図、
【図21】本発明の第7の実施形態の照明装置を正面から見た際において、移動筐体が外部に若干突出した(移動中の一場面の)状態を示す平面図、
【図22】図21の[22]−[22]線に沿う断面図、
【図23】図22の[23]部を拡大して示す要部拡大断面図、
【図24】図21の[24][24]線に沿う断面の一部を拡大して示す要部拡大断面図、
【図25】本発明の第8の実施形態の照明装置が適用される撮像機器(カメラ)を背面側から見た際の外観を示し、照明装置が非発光位置にある状態の概略斜視図、
【図26】図25の状態から照明装置が発光位置に移動した後の状態を示す外観斜視図、
【図27】本発明の第8の実施形態の照明装置を背面側より見た際の外観を示し、移動筐体が収納体に収納された(非発光位置にある)状態を示す外観斜視図、
【図28】図27の状態の後、移動筐体が移動して収納体から突出した(発光位置にある)状態を示す外観斜視図、
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。
【0015】
[第1の実施形態]
図1,図2は、本発明の第1の実施形態による照明装置が適用される撮像機器(カメラ)の外観を示す概略斜視図である。このうち、図1は本実施形態の照明装置が非発光位置にある状態を示している。図2は同照明装置が発光位置にある状態を示している。また、図3は、図2に示す状態の撮像機器(カメラ)から外装部材を取り外した際の様子を示す概略斜視図である。
【0016】
なお、以下の説明に用いる各図面においては、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各構成要素毎に縮尺を異ならせて示している場合がある。したがって、本発明は、これらの図面に記載された構成要素の数量,構成要素の形状,構成要素の大きさの比率及び各構成要素の相対的な位置関係は、図示の形態のみに限定されるものではない。
【0017】
本発明の第1の実施形態の照明装置は、撮像機器であるカメラ(以下、単にカメラという)に対して突没自在に構成されたいわゆるポップアップ方式の移動筐体及びこの移動筐体を収納する収納体とによって構成される。
【0018】
まず、本実施形態の照明装置が適用されるカメラ1は、図1〜図3に示すように、カメラ本体5(図3のみに図示)と、このカメラ本体5の内部に収納される各種の構成部材等(不図示)と、収納体4(図3のみに図示)と、この収納体4の内部に収納される移動筐体10等からなる照明装置6と、上記カメラ本体5及び照明装置6の外面を覆う外装部材2と、当該カメラ1の前面に配設され撮影レンズ3aを備えたレンズ鏡筒3等によって主に構成されている。
【0019】
本実施形態の照明装置6は、被写体を照明する発光部10aと、該発光部10aに接続される電気回路等(不図示)と、これらの構成物を内部に収納する移動筐体10等によって構成されている。
【0020】
上記照明装置6の移動筐体10は、上記収納体4の内部に収納された位置にある非発光位置と、上記収納体4から外部に向けて突出した位置にある発光位置との間で、図3に示す矢印Yに沿う方向に移動自在に配設されている。換言すると、移動筐体10は、発光部10aを有し、該発光部10aが非発光となる非発光位置と、該発光部10aが発光可能となる発光位置とに移動する筐体ユニットである。
【0021】
詳細構成は後述するが、移動筐体10の前面には、前面側に向けて突出する凸部である凸状部10cが二つ形成されている。これに対して、(撮像機器(カメラ)側の)上記収納体4の前面板4aには、二本の長溝部4aaが、図3の矢印Y方向に沿って形成されている。
【0022】
そして、上記移動筐体10が上記収納体4の内部に収納された状態において、上記二つの凸状部10cは、上記二本の長溝部4aaのそれぞれに摺動自在に嵌合している。したがって、この構成により、移動筐体10は、二本の長溝部4aaに沿う方向、即ち図3の矢印Yに沿う方向にのみ移動し得るようになっている。これと同時に、二つの凸状部10cは、二本の長溝部4aaの長手方向の両端部において移動規制される。つまり、この構成によって、移動筐体10の矢印Y方向における移動範囲は、二本の長溝部4aaの長さ方向の範囲内となるように規制されている。
【0023】
なお、上記前面板4a及び筐体部4b(後述する)からなる収納体4は、例えば樹脂モールド部材等によって形成されている。
【0024】
上記移動筐体10は、上記収納体4の内部に配設されている付勢部材(図1〜図3では不図示。後述の図8に示す符号12参照)の付勢力によって突出する方向に常に付勢されている。換言すると、付勢部材12は、移動筐体10を上記発光位置方向へと常に付勢している。
【0025】
そこで、上記収納体4は、付勢部材12(図8参照)による移動筐体10の突出方向への移動を係止して、該移動筐体10の非発光位置を維持させるための係止機構11を具備している。
【0026】
図4,図5,図6は、本実施形態の照明装置が適用されるカメラにおける照明装置係止機構の構成を示す図である。このうち、図4は、照明装置を取り出して示す図であって、移動筐体を収納した状態の収納体を背面側より見た外観斜視図である。図5は、図4に示す状態の照明装置において、係止機構を分解して示す要部分解斜視図である。図6は、上記係止機構の作用を説明するために該係止機構のみを取り出して示す平面図である。
【0027】
移動筐体10は、上述したように収納体4の内部において、矢印Y方向に移動自在に収納されている。この収納体4は、移動筐体10の前面を覆う前面板4aと、移動筐体10の背面,両側面及び底面を覆う筐体部4bとによって、一面(上面)に開口4cを有する筐体状に形成されている。なお、該開口4cは、上記収納体4の内部に収納される移動筐体10が突没するための開口となる。
【0028】
係止機構11は、スライド部材50と、スプリング51と、支持ネジ52と、係止爪53等によって構成される。これらの構成部材からなる係止機構11は、上記収納体4の背面側の台座部4d上に配設されている。
【0029】
そのために、該台座部4d上には、上記係止爪53が図5に示す矢印Zに沿う方向に摺動しうるように形成される凹溝4eと、スライド部材50を図5に示す矢印Xに沿う方向に摺動自在に支持する支持軸4fとが形成されている。
【0030】
スライド部材50には、斜行溝50aと、長円状孔50bと、操作ツマミ部50cとが形成されている。このうち、斜行溝50aは、係止爪53の突起53aが係合する溝部であって、該スライド部材50が図5に示す矢印Xに沿う方向に移動することによって係止爪53を図5に示す矢印Zに沿う方向に移動させるために設けられている。また、長円状孔50bは、図5に示す矢印Xに沿う方向に延びる長円形状の孔部であって、上記台座部4dの支持軸4fが係合する。そして、操作ツマミ部50cは、スライド部材50を図5の矢印X方向に移動させ得る操作部として機能するよう形成されている部位である。
【0031】
スプリング51は、スライド部材50と台座部4dの一方の側壁4gとの間に配設され、スライド部材50を常に矢印X2方向へと付勢するための例えばコイルスプリング等の付勢部材である。
【0032】
支持ネジ52は、支持軸4fに形成されるネジ穴に螺合することによって、上記スライド部材50を、矢印X方向の摺動を許容しつつ、台座部4d上から離脱しないように固定する支持部材である。
【0033】
係止爪53は、台座部4dの凹溝4e内に矢印Z方向に摺動自在に配設され、所定の位置に配置された時、先端部が移動筐体10の被係止部(不図示)に係合することによって、該移動筐体10を非発光位置に係止する部材である。
【0034】
係止爪53には、突起53aが形成されていて、この突起53aは、スライド部材50の斜行溝50aに係合している。したがって、スライド部材50が矢印X方向へと移動すると、これに連動して、係止爪53は、台座部d4の凹溝4e内を矢印Z方向に移動するように構成される。
【0035】
具体的には、例えばスライド部材50がスプリング51の付勢力に抗して矢印X1方向に移動されると、係止爪53は矢印Z1方向に移動する。これにより、係止爪53は、移動筐体10の被係止部との係合が解除される。これにより、移動筐体10は、ポップアップして発光位置に移動する。
【0036】
次に、本実施形態の照明装置6の詳細構成について、図7〜図10を用いて以下に説明する。
【0037】
図7,図8は、本実施形態の照明装置を取り出して、収納体を分解した状態で示す要部分解斜視図である。なお、図7は、移動筐体10が外部に若干突出した状態を示している。図8は、図7と同様で、付勢部材(ばね)12を表しており、該移動筐体が外部に突出した発光位置に配置されている状態を示している。
【0038】
また、図9,図10は、本実施形態の照明装置を正面から見た平面図である。なお、図9は、移動筐体が外部に若干突出した(移動中の一場面の)状態を示している。図10は、該移動筐体が外部に突出した発光位置に配置されている状態(移動規制された状態)を示している。
【0039】
上述したように、移動筐体10は、収納体4の内部において、矢印Yに沿う方向に移動自在に配設されている。収納体4は、前面板4aと筐体部4bとによって一面(上面)に開口4cを有する筐体状に構成されている。この場合において、前面板4aと筐体部4bとの間は、図7,図8に示すように、複数(本実施形態では三本)のビス41を用いて一体に連結されている。
【0040】
収納体4の前面板4aには、二本の長溝部4aaが矢印Y方向に沿って形成されている。この二本の長溝部4aaは、図7〜図10に示すように、前面板4aの正面側から見た場合に、それぞれの長辺方向の軸線が重複しない位置であって、かつ一方は上端寄りの位置に他方は下端寄りの位置に、それぞれが穿設されている。
【0041】
上述したように、この長溝部4aaに対応させて、移動筐体10の前面には、前面側に向けて突出する凸部である凸状部10cが二つ形成されている。
【0042】
上記二本の長溝部4aaのそれぞれは、溝両端部の幅寸法に対して溝中程部の幅寸法を若干狭幅となるように形成されている。そして、溝中程の幅寸法は、移動筐体10側の凸状部10cの幅寸法に対して略同寸法若しくは若干小となるように形成されている。
【0043】
さらに、上記長溝部4aaの長辺方向に沿う両サイド近傍部位には、該長溝部4aaの両側縁との間に所定の間隔を置いて、両側縁のそれぞれに沿うように形成されたスリット状の変形部4abが形成されている。
【0044】
この変形部4abは、移動筐体10が非発光位置と発光位置との間で移動するとき、即ち長溝部4aaに沿って凸状部10cが移動するとき、該凸状部10cによって弾性変形されるように形成されている。
【0045】
ここで、本実施形態の照明装置6においては、移動筐体10に設けられた上記凸状部10c(凸部)と、撮像機器に一体に設けられ上記凸状部10c(凸部)とすき間嵌め状態で嵌合摺接する長溝部4aaと、上記変形部4abとによって、移動筐体10を非発光位置と発光位置とに案内する移動筐体案内手段を構成している。
【0046】
そして、上述したように、上記収納体4の内部には、付勢部材12(図8参照)が配設されている。この付勢部材12は、移動筐体10を突出させる方向(図8の矢印Y1方向)に常に付勢している。
【0047】
以上のように構成された本実施形態の照明装置6の作用を、主に図9,図10を用いて以下に説明する。
【0048】
収納体4に移動筐体10を収納した状態において、該移動筐体10の二つの凸状部10cは、それぞれが二つの長溝部4aaのそれぞれに対して嵌合している。
【0049】
このとき、長溝部4aaの幅寸法は、溝両端部と溝中程部とで異なるように形成されていることから、長溝部4aaと凸状部10cとはすき間嵌め状態で嵌合摺接している。
【0050】
したがって、このとき、移動筐体10が付勢部材12の付勢力によって、矢印Y1方向に移動すると、凸状部10cが長溝部4aaにすき間嵌め状態で嵌合摺接する。
【0051】
即ち、移動筐体10が非発光位置と発光位置との間で移動するとき、長溝部4aaに沿って凸状部10cが移動する。この移動の途中であって、本実施形態においては、凸状部10cが長溝部4aaの中程を通過する時、凸状部10cは長溝部4aaの幅方向の両内側縁部に接触摺接する。この接触に伴って上記変形部4abは、長溝部4aaの幅方向に弾性変形する変形部位を有している。
【0052】
したがって、図9に示すように、凸状部10cが長溝部4aaの中程を通過する時、変形部4abが弾性変形することによって、長溝部4aaは凸状部10cの通過を許容する。そして、凸状部10cが長溝部4aa内で接触摺接しながら通過する時、移動筐体10の運動エネルギーの一部は、変形部4abを変形させる歪みエネルギーに変換される。これによって、移動筐体10の移動速度が減速し、よって、凸状部10cが長溝部4aaの一端に衝突することによって移動規制されて停止する際の衝撃力を減衰させる。
【0053】
以上説明したように上記第1の実施形態によれば、移動筐体10が非発光位置と発光位置との間で移動するときに、移動筐体案内手段のうち長溝部4aaの近傍に変形部4abを形成すると共に、この変形部4abが形成されている部位に対応する長溝部4aaの幅寸法を凸状部10cの幅寸法に合わせて(略同寸法若しくは若干小となるような)設定で構成している。この構成によって、移動筐体10が非発光位置と発光位置との間で移動するときに、移動筐体10の移動中における中程の位置において付勢部材12の付勢力を減衰させることができる。これにより、移動筐体10が突出する方向に移動した時に、移動規制されて停止する際の衝撃力を減衰させることができ、よって衝撃音等の発生を抑止することができる。
【0054】
なお、上述の第1の実施形態においては、二本の長溝部4aaのそれぞれの近傍に、変形部4abをそれぞれ形成するように構成している(図9,図10等参照)。しかしながら、この構成に限られることはなく、例えば二本の長溝部4aaのうち一方のみに変形部4abを設けるような構成としてもよい。
【0055】
[第2の実施形態]
図11,図12は、本発明の第2の実施形態の照明装置を正面から見た際の平面図である。このうち図11は、移動筐体が収納体内に収納された非発光位置に配置されている状態を示している。図12は、移動筐体が収納体の外部に突出した発光位置に配置されている状態を示している。
【0056】
本実施形態の照明装置6Aの基本的な構成は、上述の第1の実施形態(図9,図10参照)と略同様であって、移動筐体案内手段のうちの変形部の構成が若干異なるのみである。したがって、上述の第1の実施形態と同様の構成は、同じ符号を附してその詳細説明を省略し、異なる部材についてのみ、以下に詳述する。
【0057】
本実施形態の照明装置6Aにおいて、これが収納されるべき収納体4Aの前面板4Aaに二本の長溝部4aaが形成されている点は、上述の第1の実施形態と同様である。この前面板4Aaの二本の長溝部4aaのうち、一方(図11においては上面寄り)の長溝部4aaにおいて、その長辺方向に沿う両サイド近傍部位に、該長溝部4aaの両側縁との間に所定の間隔を置いて、該両側縁の一部に沿うように形成された片持ち梁状の変形部4Aabが対向するように形成されている。
【0058】
この変形部4Aabは、長溝部4aaの中程の部位を支持部として、該長溝部4aaの一端部(本実施形態では上端部位)近傍に向けて配置される片持ち梁状に形成されており、長溝部4aaを挟んで両サイドに形成されている。
【0059】
また、図11に示す自然状態において、二つの変形部4Aabの自由端間の隙間寸法は、二つの変形部4Aabの支持部間の寸法に対して若干幅狭となるように設定されている。同時に、二つの変形部4Aabの自由端間の隙間寸法は、移動筐体10側の凸状部10cの幅寸法と略同寸法若しくは幅狭となるように設定されている。
【0060】
上述のように変形部4Aabの寸法を設定することによって、本実施形態によれば、移動筐体10が非発光位置と発光位置との間で移動するときに、移動筐体10の移動中における最終段階、即ち移動筐体10が移動規制される直前の所定の移動範囲内において付勢部材12の付勢力を減衰させることができる。
【0061】
なお、上述の第2の実施形態においては、二本の長溝部4aaのうちの一方のみに変形部4Aabを設けるように構成している(図11,図12等参照)。しかしながら、この構成に限られることはなく、例えば二本の長溝部4aaのそれぞれの近傍に、変形部4Aabをそれぞれ形成するように構成してもよい。この構成とすれば、付勢部材12による付勢力のさらなる減衰に寄与し得る。
【0062】
[第3の実施形態]
図13,図14は、本発明の第3の実施形態の照明装置を正面から見た際の平面図である。このうち図13は、移動筐体が収納体内に収納された非発光位置に配置されている状態を示している。図14は、移動筐体が収納体の外部に突出した発光位置に配置されている状態を示している。
【0063】
本実施形態の照明装置6Bの基本的な構成は、上述の第2の実施形態(図11,図12参照)と略同様であって、移動筐体案内手段のうちの変形部の配置を異ならせて構成した点が異なるのみである。したがって、上述の第2の実施形態と同様の構成は、同じ符号を附してその詳細説明を省略し、異なる部材についてのみ、以下に詳述する。
【0064】
本実施形態の照明装置6Bにおいては、収納体4Bの前面板4Baの二本の長溝部4aaのうち、一方(図13においては上面寄り)の長溝部4aaの長辺方向に沿う両サイド近傍部位には、上述の第2の実施形態と同形態に形成された片持ち梁状の変形部4Babが形成されている。ただし、上述の第2の実施形態の変形部4Aabが、長溝部4aaの中程の部位を支持部とし、先端を該長溝部4aaの上端部位近傍に向けた片持ち梁状に形成しているのに対して、本実施形態の変形部4Babは、長溝部4aaの中程の部位を支持部とし、先端を該長溝部4aaの下端部位近傍に向けた片持ち梁状に形成している点が異なる。その他の構成は、上述の第2の実施形態と全く同様である。
【0065】
このような構成とすることによって、本実施形態によれば、移動筐体10が非発光位置と発光位置との間で移動するときに、移動筐体10の移動中における初期段階、即ち移動筐体10が非発光位置にある状態から移動開始直後の所定の移動範囲内において付勢部材12の付勢力を減衰させることができる。
【0066】
なお、上述の第3の実施形態においては、二本の長溝部4aaのうちの一方のみに変形部4Babを設けるように構成している(図13,図14等参照)。しかしながら、この構成に限られることはなく、例えば二本の長溝部4aaのそれぞれの近傍に、変形部4Babをそれぞれ形成するように構成してもよい。この構成とすれば、付勢部材12による付勢力のさらなる減衰に寄与し得る。
【0067】
[第4の実施形態]
図15,図16は、本発明の第4の実施形態の照明装置を正面から見た際の平面図である。このうち図15は、移動筐体が外部に若干突出した(移動中の一場面の)状態を示している。図16は、該移動筐体が外部に突出した発光位置に配置されている状態を示している。
【0068】
本実施形態の照明装置6Cの基本的な構成は、上述の第1の実施形態(図9,図10参照)と略同様であって、移動筐体案内手段のうちの変形部の構成が若干異なるのみである。したがって、上述の第1の実施形態と同様の構成は、同じ符号を附してその詳細説明を省略し、異なる部材についてのみ、以下に詳述する。
【0069】
上述の第1の実施形態においては、スリット状の変形部4abを、長溝部4aaの長辺方向に沿う両サイド近傍部位に形成している。これに対して、本実施形態の照明装置6Cにおいては、スリット状の変形部4Cabを、長溝部4aaの長辺方向に沿う一方の側縁部位に形成している。その他の構成は、上述の第1の実施形態と全く同様である。
【0070】
このような構成とすることによって、本実施形態においても上述の第1の実施形態と略同様の作用となり、それによって略同様の効果を得ることができる。
【0071】
また、本実施形態においては、変形部4Cabを長溝部4aaの長辺方向に沿う一方の側縁部位のみに形成する構成としたので、上述の第1の実施形態に比べて収納体4Cの形状を簡略化することができる。
【0072】
なお、本実施形態においては、変形部4Cabを一方の長溝部4aaの近傍に形成した例を示しているが、この形態に限らず、例えば他方の長溝部4aaの近傍に形成してもよいし、二つの長溝部4aaのそれぞれの近傍に、変形部4Cabをそれぞれ形成した形態としてもよい。
【0073】
[第5の実施形態]
図17,図18は、本発明の第5の実施形態の照明装置を正面から見た際の平面図である。このうち図17は、移動筐体が収納体内に収納された非発光位置に配置されている状態を示している。図18は、移動筐体が収納体の外部に突出した発光位置に配置されている状態を示している。
【0074】
本実施形態の照明装置6Dの基本的な構成は、上述の第2の実施形態(図11,図12参照)と略同様であって、移動筐体案内手段のうちの変形部の構成が若干異なるのみである。したがって、上述の第2の実施形態と同様の構成は、同じ符号を附してその詳細説明を省略し、異なる部材についてのみ、以下に詳述する。
【0075】
上述の第2の実施形態においては、長溝部4aaの長辺方向に沿う両サイド近傍部位のそれぞれに片持ち梁状の変形部4Aabを対向するように形成している。これに対して、本実施形態の照明装置6Dにおいては、片持ち梁状の変形部4Dabを、長溝部4aaの長辺方向に沿う一方の側縁部位に形成している。その他の構成は、上述の第2の実施形態と全く同様である。
【0076】
このような構成とすることによって、本実施形態においても上述の第2の実施形態と略同様の作用となり、それによって略同様の効果を得ることができる。
【0077】
また、本実施形態においては、変形部4Dabを長溝部4aaの長辺方向に沿う一方の側縁部位のみに形成する構成としたので、上述の第2の実施形態に比べて収納体4Dの形状を簡略化することができる。
【0078】
なお、本実施形態においては、変形部4Dabを一方の長溝部4aaの近傍に形成した例を示しているが、この形態に限らず、例えば他方の長溝部4aaの近傍に形成してもよいし、二つの長溝部4aaのそれぞれの近傍に、変形部4Dabをそれぞれ形成した形態としてもよい。
【0079】
[第6の実施形態]
図19,図20は、本発明の第6の実施形態の照明装置を正面から見た際の平面図である。このうち図19は、移動筐体が収納体内に収納された非発光位置に配置されている状態を示している。図20は、移動筐体が収納体の外部に突出した発光位置に配置されている状態を示している。
【0080】
本実施形態の照明装置6Eの基本的な構成は、上述の第3の実施形態(図13,図14参照)と略同様であって、移動筐体案内手段のうちの変形部の構成が若干異なるのみである。したがって、上述の第3の実施形態と同様の構成は、同じ符号を附してその詳細説明を省略し、異なる部材についてのみ、以下に詳述する。
【0081】
上述の第3の実施形態においては、長溝部4aaの長辺方向に沿う両サイド近傍部位のそれぞれに片持ち梁状の変形部4Babを対向するように形成している。これに対して、本実施形態の照明装置6Eにおいては、片持ち梁状の変形部4Eabを、長溝部4aaの長辺方向に沿う一方の側縁部位に形成している。その他の構成は、上述の第3の実施形態と全く同様である。
【0082】
このような構成とすることによって、本実施形態においても上述の第3の実施形態と略同様の作用となり、それによって略同様の効果を得ることができる。
【0083】
また、本実施形態においては、変形部4Eabを長溝部4aaの長辺方向に沿う一方の側縁部位のみに形成する構成としたので、上述の第3の実施形態に比べて収納体4Eの形状を簡略化することができる。
【0084】
なお、本実施形態においては、変形部4Eabを一方の長溝部4aaの近傍に形成した例を示しているが、この形態に限らず、例えば他方の長溝部4aaの近傍に形成してもよいし、二つの長溝部4aaのそれぞれの近傍に、変形部4Eabをそれぞれ形成した形態としてもよい。
【0085】
[第7の実施形態]
図21〜図24は、本発明の第7の実施形態の照明装置を正面から見た際の平面図である。このうち図21は移動筐体が外部に若干突出した(移動中の一場面の)状態を示している。図22は、図21の[22]−[22]線に沿う断面図である。図23は、図22の[23]部を拡大して示す要部拡大断面図である。図24は、図21の[24][24]線に沿う断面の一部を拡大して示す要部拡大断面図である。
【0086】
本実施形態の照明装置6Fの基本的な構成は、上述の第1の実施形態(図9,図10参照)と略同様であって、移動筐体案内手段のうちの変形部の構成が異なるのみである。したがって、上述の第1の実施形態と同様の構成は、同じ符号を附してその詳細説明を省略し、異なる部材についてのみ、以下に詳述する。
【0087】
本実施形態の照明装置6Fにおいては、上述の第1の実施形態の照明装置6におけるスリット状の変形部4abに変えて変形部4Facが具備されている。この変形部4Facは、例えば樹脂モールド部材等からなる収納体4Fの前面板4Faと一体に、弾性変形し得るように形成されている。
【0088】
変形部4Facは、図21の矢印Xに沿う面の断面が略L字形状に形成され、前面側に向けて突出する腕部と、この腕部の先端から上記矢印X方向に延び上記長溝部4aaに対向する部位に配置される板状部とによって形成される。上記板状部は、長溝部4aaの溝中程の部位であって、該長溝部4aaの長辺方向に沿う所定の範囲の部位を覆うように形成されている。
【0089】
そして、上記板状部は、図23に示すように、外側面は平面上に形成されている一方、内側面は、図23の矢印Yに沿う面の断面が略円弧状に形成されている。この場合において、上記板状部の中程の部位では、若干肉厚となるように、また、上下両端部位近傍では、上記中程部位の板厚に比べて若干薄くなるように設定されている。なお、中程部位から両端部位にかけて、板幅が徐々に減少するような断面形状、即ち略円弧形状に形成されている。
【0090】
一方、上記腕部の前面側突出量は、移動筐体10側の凸状部10cの突出量に合わせて設定されている。即ち、上記腕部の前面側への突出量は、凸状部10cが長溝部4aaを矢印Y方向に摺動するとき、凸状部10cの先端面が上記板状部の内側面にそって摺動するように設定されている。上述したように、板状部の矢印Y方向の断面が略円弧状に形成されているので、凸状部10cが長溝部4aaを矢印Y方向に摺動して上記変形部4Facの部位を通過する時、上記変形部4Facの板状部(内側面)は、凸状部10c(先端面)によって図23の矢印Z1方向へと押圧されて弾性変形する。この弾性力によって、凸状部10cは、同矢印Z1方向とは反対方向に押圧されることになるので、移動筐体10の付勢部材12による移動速度が減速される。その他の構成は、上述の第1の実施形態と略同様である。
【0091】
以上説明したように上記第7の実施形態によれば、上述の第1の実施形態と略同様の作用となり、それによって略同様の効果を得ることができる。
【0092】
また、本実施形態においては、二つの長溝部4aaのそれぞれに対応させて変形部4Facを配設した例を示しているが、この構成に限られることはなく、変形部4Facは、例えば二つの長溝部4aaのうちの何れか一方に対応する部位のみに配設する形態でもよい。この構成によれば、収納体4Fの形状を簡略化することができる。
【0093】
[第8の実施形態]
上述の各実施形態においては、移動筐体10は、付勢部材12の付勢力によって常に突出方向に付勢されるように構成された照明装置(6,6A〜6F)を例に挙げて説明している。これに対して、以下に示す本発明の第8の実施形態による照明装置6Gにおいては、付勢部材(不図示)の付勢力によって移動筐体10が常に撮像機器(カメラ1)の内部へと引き込まれるように構成した場合の例を示している。
【0094】
図25,図26は、本発明の第8の実施形態の照明装置が適用される撮像機器(カメラ)を背面側から見た際の外観を示す概略斜視図である。このうち図25は、照明装置が非発光位置にある状態を示している。また、図26は、照明装置が発光位置にある状態を示している。図27,図28は、本実施形態の照明装置を取り出して、背面側より見た際の外観斜視図である。このうち図27は、移動筐体が収納体に収納された(非発光位置にある)状態を示している。図28は、移動筐体が収納体から突出した(発光位置にある)状態を示している。
【0095】
本実施形態の照明装置6Gは、上述したように、付勢部材(不図示)の付勢力によって図25に示す状態、即ち移動筐体10が非発光位置にある状態が維持されるようになっている。換言すれば、付勢部材は、移動筐体10を非発光位置方向へと付勢している。
【0096】
照明装置6Gが適用されるカメラ1Gには、照明装置6Gが配設される部位の近傍であって上面側の背面に、半円形状に切り欠かかれた形態の指掛け部13が形成されている(図25,図26参照)。これに対応させて、照明装置6Gの収納体4Gの背面側上縁部にも、上記指掛け部13と略同形状の切欠部4Gdが形成されている(図25,図26参照)。
【0097】
また、収納体4Gには、図示していないが、上述の各実施形態にて例示したものと同様の変形部を有している。これに対応させて、移動筐体10には、上述の各実施形態にて例示したものと同様の凸状部(10c;不図示)が具備されている。その他の構成は上述の第1の実施形態と程同様である。
【0098】
このような構成によって、本実施形態の照明装置6Gが適用されたカメラ1Gにおいては、図25に示す状態にある時、使用者は手指等を用いて上記指掛け部13から移動筐体10を付勢部材(不図示)の付勢力に抗して引き上げることができる。そして、図26に示す状態まで引き上げた時、移動筐体10は所定の係止機構(不図示)によって係止される。これにより、移動筐体10は、図26に示す状態、即ち所定の発光位置が維持される。
【0099】
一方、図26の発光位置にある移動筐体10を、カメラ1Gの収納体4G内に収納する際には、使用者は手指等によって移動筐体10を若干量だけ引き上げる等の操作によって、上記係止機構(不図示)による係止状態を解除する。これより、移動筐体10は、付勢部材(不図示)の付勢力によって収納体4G内へと引き戻される(ポップダウン動作)。この場合において、移動筐体10は、凸状部(10c;不図示)が収納体4Gの変形部(不図示)を通過する際の作用によって、その移動速度が抑止される。したがってこれにより、付勢部材の付勢力によるポップダウン停止時の衝撃力が緩和される。
【0100】
なお、上述の各実施形態においては、凸状部を移動筐体側に設け、変形部を収納体側に設ける構成としているが、この構成に限られることはない。例えば、凸状部を収納体側に設け、変形部を移動筐体側に設ける構成とすることもでき、その場合においても、上述した各実施形態と同様に作用し、同様の効果を得ることができる。
【0101】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用を実施し得ることが可能であることは勿論である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせによって、種々の発明が抽出され得る。例えば、上記一実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題が解決でき、発明の効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0102】
1,1G……カメラ,2……外装部材,3……レンズ鏡筒,3a……撮影レンズ,
4,4A,4B,4C,4D,4E,4F,4G……収納体,4aa 長溝部,
4Aa,4Ba,4Fa……前面板,
4ab,4Aab,4Bab,4Cab,4Dab,4Eab,4Fac……変形部,
4Gd 切欠部,5……カメラ本体
6,6A,6B,6C,6D,6E,6F,6G……照明装置
10……移動筐体,10a……発光部,10c……凸状部,11……係止機構,12手mm…付勢部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明装置において、
被写体を照明する発光部と、
上記発光部を有し、該発光部が非発光となる非発光位置と、該発光部が発光可能となる発光位置とに移動する移動筐体と、
上記移動筐体を上記発光位置方向若しくは上記非発光位置方向へと付勢する付勢部材と、
上記移動筐体を上記非発光位置と上記発光位置とに案内するため、上記移動筐体若しくは上記撮像機器に設けられた凸部と、上記撮像機器若しくは上記移動筐体に一体に設けられ上記凸部とすき間嵌め状態で嵌合摺接する長溝部と、該長溝部の近傍に設けられ上記移動筐体が上記非発光位置と上記発光位置との間の移動の最中に上記凸部と接触摺接して該接触により上記長溝部の幅方向に弾性変形する変形部位を有する変形部とからなる移動筐体案内手段と、
を具備することを特徴とする照明装置。
【請求項2】
上記変形部は、片持ち梁状に形成され、該梁状部の途中から該梁状部の先端にかけて上記凸部の相対移動軌跡中に侵入していることを特徴とした請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
上記梁状部の先端は、上記移動筐体が上記発光位置の手前から上記発光位置までの間で上記凸部と摺接することを特徴とした請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
上記梁状部の先端は、上記移動筐体が上記発光位置に位置したとき、上記凸部を上記長溝部の摺接面とで挟むことを特徴とした請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
上記移動筐体案内手段は、上記移動筐体が上記発光位置に位置したとき、上記凸部を挟むように一対の変形部を有していることを特徴とした請求項3に記載の照明装置。
【請求項6】
上記梁状部の先端は、上記移動筐体が上記非発光位置の手前から上記非発光位置までの間で上記凸部と摺接することを特徴とした請求項2に記載の照明装置。
【請求項7】
上記変形部は、両持ち梁状に形成され、該梁状部の中央部分が上記凸部の相対移動軌跡中に侵入していることを特徴とした請求項1に記載の照明装置。
【請求項8】
上記梁状部の中央部分は、上記移動筐体が上記発光位置と上記非発光位置との間で上記凸部と摺接することを特徴とした請求項7に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2013−57763(P2013−57763A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195416(P2011−195416)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】