説明

照明装置

【課題】放電灯の整流放電を検出して、放電灯を消灯する。
【解決手段】電圧変換回路171は、結合コンデンサC43の両端に発生した電圧を変換して、直流電圧を生成する。電圧上昇検出回路180は、電圧変換回路171が生成した直流電圧が所定の上限電圧より高いか否かを検出する。電圧下降検出回路190は、電圧変換回路171が生成した直流電圧が所定の下限電圧より低いか否かを検出する。電圧変換回路171が生成した直流電圧が所定の上限電圧より高いことを電圧上昇検出回路180が検出した場合と、電圧変換回路171が生成した直流電圧が所定の下限電圧より低いことを電圧下降検出回路190が検出した場合との少なくともいずれかの場合に、マイクロコンピュータ160は発振停止信号を生成し、制御電源回路150は交流電圧の生成を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
放電灯点灯装置において、放電灯の寿命末期などにより放電灯が整流放電した場合に放電灯を消灯するため、整流放電を検出する保護検出回路が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−15289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の保護検出回路は、動作電流が大きく、保護検出回路における消費電力が大きい。また、保護検出回路が必要とする電流を供給するため、制御電源回路の電流供給能力を高くすると、制御電源回路における消費電力も大きくなる。
この発明は、例えば、上記のような課題を解決するためになされたものであり、保護検出回路の動作電流及び消費電力を低く抑えつつ、放電灯の整流放電を検出し、放電灯を消灯することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明にかかる照明装置は、
光源が接続された負荷回路と、
上記負荷回路に発生した電圧を変換して直流電圧を生成する電圧変換回路と、
上記電圧変換回路が生成した直流電圧が所定の上限電圧より高いか否かを検出する電圧上昇検出回路と、
上記電圧変換回路が生成した直流電圧が所定の下限電圧より低いか否かを検出する電圧下降検出回路と、
上記直流電圧が所定の上限電圧より高いと上記電圧上昇検出回路が検出した場合と上記直流電圧が所定の下限電圧より低いと上記電圧下降検出回路が検出した場合とのうち少なくともいずれかの場合に、上記光源を消灯させる判定回路とを備え、
上記電圧上昇検出回路は、
上記電圧変換回路が生成した直流電圧を分圧して第一スイッチング電圧を生成する第一分圧回路と、
上記第一分圧回路が生成した第一スイッチング電圧が所定のスイッチング電圧より高い場合に導通する第一スイッチング回路とを有し、
上記電圧下降検出回路は、
上記電圧変換回路が生成した直流電圧を分圧して第二スイッチング電圧を生成する第二分圧回路と、
上記第二分圧回路が生成した第二スイッチング電圧が所定のスイッチング電圧より高い場合に導通する第二スイッチング回路とを有し、
上記判定回路は、上記第一スイッチング回路が導通した場合に、上記直流電圧が所定の上限電圧より高いと上記電圧上昇検出回路が検出したと判断し、上記第二スイッチング回路が導通しない場合に、上記直流電圧が所定の下限電圧より低いと上記電圧下降検出回路が検出したと判断する。
【発明の効果】
【0006】
この発明にかかる照明装置によれば、負荷回路に発生した電圧が正常範囲から外れた場合に、光源を消灯させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施の形態1における照明器具800の外観を示す斜視図。
【図2】実施の形態1における放電灯点灯装置100の回路構成を示す電気回路図。
【図3】実施の形態1における保護検出回路170の回路構成を示す電気回路図。
【図4】実施の形態1における電圧変換回路171が入力する電圧Vp43と、電圧変換回路171が出力する直流電圧V75との関係を示すグラフ図。
【図5】実施の形態1におけるマイクロコンピュータ160が放電灯LAの異常を検出する異常検出処理の流れを示すフローチャート図。
【図6】実施の形態1における保護検出回路170の各部の電圧・電流を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施の形態1.
実施の形態1について、図1〜図6を用いて説明する。
【0009】
図1は、この実施の形態における照明器具800の外観を示す斜視図である。
照明器具800は、放電灯LAを着脱自在に接続できる放電灯接続部200を有し、放電灯接続部200に接続した放電灯LAを点灯する。
照明器具800は、内部に(図示していない)放電灯点灯装置100を有する。
放電灯点灯装置100は、商用電源などの交流電源ACから低周波交流電圧(例えば50Hzまたは60Hz、100V〜242V)を入力し、放電灯LAに印加する高周波交流電圧(例えば45kHz)を生成する。
【0010】
図2は、この実施の形態における放電灯点灯装置100の回路構成を示す電気回路図である。
放電灯点灯装置100は、電源整流回路110、アクティブフィルタ回路120、インバータ回路130、負荷回路140、制御電源回路150、マイクロコンピュータ160、保護検出回路170を有する。
【0011】
電源整流回路110は、交流電源ACから入力した交流電圧を全波整流して、脈流電圧を生成する。電源整流回路110は、例えば、ダイオードブリッジDBである。
なお、電源整流回路110は、ノイズを除去するためのコモンモードチョークやノーマルモードチョークやアクロスザラインコンデンサなどを有していてもよい。
【0012】
アクティブフィルタ回路120は、電源整流回路110が生成した脈流電圧を昇圧または降圧して、高電圧の直流電圧(例えば440V)を生成する。アクティブフィルタ回路120は、例えば、チョークコイルL21、PFC122、FETQ23、ダイオードD24、コンデンサC25からなる昇圧チョッパ回路であり、電源電圧波形に沿ってスイッチングを行うことにより、入力電流波形を成形して力率を改善する。
【0013】
インバータ回路130は、アクティブフィルタ回路120が生成した直流電圧から、高周波交流電圧を生成する。
インバータ回路130は、例えば、FETQ31、FETQ32、インバータ制御IC133、交流電圧出力端子o34、インバータグランド端子g35を有する。
インバータグランド端子g35は、アクティブフィルタ回路120の低電位側出力端子に電気接続している。
FETQ31及びFETQ32は、N−MOSFETである。FETQ31のドレイン端子は、アクティブフィルタ回路120の高電位側出力端子に電気接続している。FETQ31のソース端子及びFETQ32のドレイン端子は、交流電圧出力端子o34に電気接続している。FETQ32のソース端子は、インバータグランド端子g35に電気接続している。FETQ31のゲート端子及びFETQ32のゲート端子は、インバータ制御IC133にそれぞれ電気接続している。
インバータ制御IC133は、マイクロコンピュータ160からの指示に基づいて、FETQ31及びFETQ32をそれぞれオンオフするドライブ信号を出力する。インバータ制御IC133は、例えば、IR2153(IR社製)などの汎用ドライブICである。
マイクロコンピュータ160からの指示により、高周波交流電圧を生成する場合、インバータ制御IC133は、FETQ31及びFETQ32を交互にオンオフするドライブ信号を出力する。これにより、交流電圧出力端子o34に高周波の矩形波電圧が発生する。インバータ回路130が生成する高周波交流電圧の周波数は、インバータ制御IC133が生成するドライブ信号の周波数と同じであるから、インバータ制御IC133が生成するドライブ信号の周波数を変えることにより、インバータ回路130が生成する高周波交流電圧の周波数を制御することができる。
また、マイクロコンピュータ160からの指示により、高周波交流電圧の生成を停止する場合、インバータ制御IC133は、FETQ31及びFETQ32をともにオフにするドライブ信号を出力する。これにより、交流電圧出力端子o34に発生する電圧は、0になる。
【0014】
負荷回路140には、インバータ回路130が生成した高周波交流電圧が印加される。これにより、放電灯接続部200に接続した放電灯LAが点灯する。
負荷回路140は、チョークコイルL41、始動コンデンサC42、結合コンデンサC43を有する。
チョークコイルL41は、放電灯LA点灯時に放電灯LAを流れる電流を制限するためのインダクタである。チョークコイルL41は、一端を交流電圧出力端子o34に電気接続し、他端を放電灯LAの一方のフィラメントの一端に電気接続する。
結合コンデンサC43は、インバータ回路130が生成した高周波交流電圧の直流成分をカットするためのコンデンサである。結合コンデンサC43は、一端をインバータグランド端子g35に電気接続し、他端を放電灯LAの他方のフィラメントの一端に電気接続する。
始動コンデンサC42は、チョークコイルL41との共振により、始動時に放電灯LAに印加する高電圧を生成するためのコンデンサである。始動コンデンサC42は、一端を放電灯LAの一方のフィラメントの他端に電気接続し、他端を放電灯LAの他方のフィラメントの他端に電気接続する。
すなわち、チョークコイルL41及び結合コンデンサC43は、放電灯LAと直列に電気接続し、始動コンデンサC42は、放電灯LAと並列に電気接続する。
【0015】
制御電源回路150は、マイクロコンピュータ160などを動作させる制御電源電圧を生成する。
制御電源回路150は、例えば、電源整流回路110が生成した脈流電圧を入力し、入力した脈流電圧から、低電圧の直流電圧を生成して、制御電源電圧とする。
制御電源回路150は、制御電源出力端子と、制御電源グランド端子とを有する。
制御電源出力端子は、制御電源配線VCCに電気接続し、制御電源回路150が生成した制御電源電圧を、制御電源グランド端子との電位差として、出力する。
制御電源グランド端子は、グランド配線GNDに電気接続し、グランド配線GNDを介してインバータグランド端子g35に電気接続している。
【0016】
マイクロコンピュータ160(判定回路)は、制御電源回路150が生成した制御電源電圧により動作し、インバータ回路130などを制御する。
マイクロコンピュータ160は、放電灯LAを点灯するための予熱・始動・点灯動作の設定時間や、保護検出回路170などが検出した放電灯LAの正常・異常などに基づいて、インバータ回路130に高周波交流電圧を生成させるか否か、インバータ回路130がに生成させる高周波交流電圧の周波数などを判断する。マイクロコンピュータ160は、判断結果に基づいて、インバータ回路130に高周波交流電圧の生成を開始させる発振開始信号や、インバータ回路130に高周波交流電圧の生成を停止させる発振停止信号や、インバータ回路130が生成する高周波交流電圧の周波数を指示する周波数指示信号などを生成して出力する。
マイクロコンピュータ160が出力した発振開始信号や発振停止信号や周波数指示信号は、インバータ制御IC133が入力し、インバータ制御IC133がマイクロコンピュータ160の指示にしたがってドライブ信号を生成することにより、インバータ回路130は、マイクロコンピュータ160に指示された動作をする。
なお、マイクロコンピュータ160は判定回路の一例であり、判定回路は、アナログ回路により構成してもよい。
【0017】
保護検出回路170は、放電灯LAの寿命末期などによる整流放電を検出する回路である。
保護検出回路170は、電圧変換回路171、電圧上昇検出回路180、電圧下降検出回路190を有する。
【0018】
電圧変換回路171は、結合コンデンサC43の両端電圧を入力し、入力した電圧を変換して、直流電圧を生成する。
結合コンデンサC43の両端電圧は、ほぼ一定であるが、放電灯LAを流れる電流により充放電を繰り返すので、わずかな交流成分(例えば、直流成分220Vに対して、交流成分10V程度)を有する。電圧変換回路171は、この交流成分により保護検出回路170が誤検出しないように、交流成分を除去するとともに、直流成分を減衰させて電圧を低くする(例えば10V程度)。
【0019】
電圧上昇検出回路180は、電圧変換回路171が生成した直流電圧を入力し、入力した直流電圧が、所定の上限電圧より高いか否かを検出する。電圧上昇検出回路180は、検出結果を示す信号(以下「上昇検出信号」と呼ぶ。)を生成し出力する。
電圧下降検出回路190は、電圧変換回路171が生成した直流電圧を入力し、入力した直流電圧が、所定の下限電圧より低いか否かを検出する。電圧下降検出回路190は、検出結果を示す信号(以下「下降検出信号」と呼ぶ。)を生成し出力する。
【0020】
電圧上昇検出回路180が出力した上昇検出信号及び電圧下降検出回路190が出力した下降検出信号は、マイクロコンピュータ160が入力し、入力した上昇検出信号及び下降検出信号に基づいて、放電灯LAが整流放電しているか否かを判断する。
【0021】
電圧変換回路171が生成した直流電圧が上限電圧と下限電圧との間にある場合、結合コンデンサC43の両端電圧は正常範囲にある。放電灯LAが整流放電すると、結合コンデンサC43の両端電圧は、上昇あるいは下降する。結合コンデンサC43の両端電圧が上昇すると、電圧変換回路171が生成する直流電圧も上昇するので、上限電圧より高くなる。また、結合コンデンサC43の両端電圧が下降すると、電圧変換回路171が生成する直流電圧も下降するので、下限電圧より低くなる。これにより、マイクロコンピュータ160は、放電灯LAが整流放電しているか否かを判断する。
【0022】
マイクロコンピュータ160は、放電灯LAが整流放電していると判断した場合、発振停止信号を生成し出力する。インバータ制御IC133は、マイクロコンピュータ160が発振停止信号を出力した場合、FETQ31及びFETQ32をともにオフにするドライブ信号を生成する。これにより、インバータ回路130は、高周波交流電圧の生成を停止する。
【0023】
図3は、この実施の形態における保護検出回路170の回路構成を示す電気回路図である。
【0024】
電圧変換回路171は、変換第一回路172、変換第二回路173、電圧入力端子i71、変換グランド端子g74、直流電圧出力端子o75を有する。
電圧入力端子i71は、結合コンデンサC43と放電灯LAとの接続点に電気接続している。変換グランド端子g74は、グランド配線GNDに電気接続し、グランド配線GNDを介してインバータグランド端子g35に電気接続している。インバータグランド端子g35には、結合コンデンサC43のもう一方の端子が電気接続しているので、電圧入力端子i71は、結合コンデンサC43の両端電圧を、変換グランド端子g74に対する電位差として入力する。
直流電圧出力端子o75は、電圧変換回路171が生成した直流電圧を、変換グランド端子g74に対する電位差として出力する。
【0025】
変換第一回路172は、一端を電圧入力端子i71に電気接続し、他端を直流電圧出力端子o75に電気接続した二端子回路である。
変換第一回路172は、例えば、抵抗R76(第五の抵抗)とツェナーダイオードなどの定電圧ダイオードZ77(第三の定電圧ダイオード)との直列回路である。定電圧ダイオードZ77は、カソード端子が電圧入力端子i71側に電気接続し、アノード端子が直流電圧出力端子o75側に電気接続している。なお、定電圧ダイオードZ77は、なくてもよい。
【0026】
変換第二回路173は、一端を直流電圧出力端子o75に電気接続し、他端を変換グランド端子g74に電気接続した二端子回路である。
変換第二回路173は、例えば、抵抗R78(第六の抵抗)とコンデンサC79との並列回路である。
【0027】
電圧入力端子i71と直流電圧出力端子o75との電位差が、定電圧ダイオードZ77の降伏電圧(ツェナー電圧)より低い場合、定電圧ダイオードZ77はオフとなり、電流が流れない。このため、コンデンサC79は充電されず、直流電圧出力端子o75の変換グランド端子g74に対する電位差V75は0になる。
電圧入力端子i71と直流電圧出力端子o75との電位差が、定電圧ダイオードZ77の降伏電圧より高い場合、定電圧ダイオードZ77がオンになり、電流が流れる。これにより、コンデンサC79が充電され、直流電圧出力端子o75の電位が上昇する。最終的に、電位差V75は、結合コンデンサC43の両端電圧のピーク値Vp43から定電圧ダイオードZ77の降伏電圧VZ77を引いた電圧を抵抗R76の抵抗値R76と抵抗R78の抵抗値R78とで分圧した電圧(Vp43−VZ77)×R78/(R76+R78)まで上昇する。
すなわち、電圧変換回路171は、結合コンデンサC43の両端電圧を、定電圧ダイオードZ77でカットし、抵抗R76と抵抗R78とで分圧し、コンデンサC79で平滑した電圧を出力する。
【0028】
図4は、この実施の形態における電圧変換回路171が入力する電圧Vp43と、電圧変換回路171が出力する直流電圧V75との関係を示すグラフ図である。
電圧変換回路171が入力する結合コンデンサC43の両端電圧のピーク値Vp43と、電圧変換回路171が出力する直流電圧V75との関係は、抵抗R78の抵抗値R78と抵抗R76の抵抗値R76との比、及び、定電圧ダイオードZ77の降伏電圧VZ77によって変わる。
この図に示した9つのグラフのうち、上段はR78:R76が小さい場合、中段はR78:R76が中くらいの場合、下段はR78:R76が大きい場合を示す。また、左列はVZ77が0の場合(すなわち定電圧ダイオードZ77がない場合)、中列はVZ77が小さい場合、右列はVZ77が大きい場合を示す。
ここに示したように、R78:R76が大きいほうが、グラフの傾きが大きくなる。グラフの傾きが大きければ、Vp43の小さな変化に対して、V75が大きく変化するので、Vp43の変動に対する検出感度が高くなる。
また、VZ77が大きいほうが、グラフの横軸切片が大きくなる。グラフの横軸切片が大きければ、同じVp43に対するV75が小さくなる。
したがって、V75のレベルを同程度に保ったまま、Vp43の変動に対する検出感度を上げるには、R78:R76を大きくするとともに、VZ77を大きくすればよい。
【0029】
図3に戻り、保護検出回路170の回路構成の説明を続ける。
【0030】
電圧上昇検出回路180は、第一分圧回路181、第一スイッチング回路184、プルアップ抵抗R85を有する。
第一分圧回路181は、電圧変換回路171が生成した直流電圧を更に減衰させて、第一スイッチング回路184のスイッチング電圧(例えば0.6V)程度まで下げる回路である。
第一分圧回路181は、第一分圧第一回路182、第一分圧第二回路183、第一直流電圧入力端子i51、第一分圧グランド端子g52、第一分圧電圧出力端子o53を有する。
第一直流電圧入力端子i51は、電圧変換回路171の直流電圧出力端子o75に電気接続している。第一分圧グランド端子g52は、グランド配線GNDに電気接続し、グランド配線GNDを介して、制御電源回路150の制御電源グランド端子や電圧変換回路171の変換グランド端子g74に電気接続している。したがって、電圧入力端子i71は、電圧変換回路171が生成した直流電圧を、第一分圧グランド端子g52に対する電位差として入力する。
第一分圧電圧出力端子o53は、第一分圧回路181が減衰させた電圧を、第一分圧グランド端子g52に対する電位差として出力する。
【0031】
第一分圧第一回路182は、一端を第一直流電圧入力端子i51に電気接続し、他端を第一分圧電圧出力端子o53に電気接続した二端子回路である。
第一分圧第一回路182は、例えば、ツェナーダイオードなどの定電圧ダイオードZ54(第一の定電圧ダイオード)と抵抗R55(第一の抵抗)との直列回路である。定電圧ダイオードZ54は、カソード端子が第一直流電圧入力端子i51側に電気接続し、アノード端子が第一分圧電圧出力端子o53側に電気接続している。なお、定電圧ダイオードZ54は、なくてもよい。
【0032】
第一分圧第二回路183は、一端を第一分圧電圧出力端子o53に電気接続し、他端を第一分圧グランド端子g52に電気接続した二端子回路である。
第一分圧第二回路183は、例えば、抵抗R56(第二の抵抗)である。
【0033】
第一スイッチング回路184は、第一制御入力端子i86、第一スイッチンググランド端子g87、第一出力端子o88を有する。
第一制御入力端子i86は、第一分圧回路181の第一分圧電圧出力端子o53に電気接続している。第一スイッチンググランド端子g87は、第一分圧グランド端子g52とともにグランド配線GNDに電気接続し、グランド配線GNDを介して、制御電源回路150の制御電源グランド端子や電圧変換回路171の変換グランド端子g74に電気接続している。したがって、第一制御入力端子i86は、第一分圧回路181が減衰させた電圧を、第一スイッチンググランド端子g87に対する電位差として入力する。
第一出力端子o88は、マイクロコンピュータ160に電気接続している。第一出力端子o88は、第一スイッチンググランド端子g87に対する電位差を、上昇検出信号として出力する。
【0034】
第一スイッチング回路184は、第一制御入力端子i86と第一スイッチンググランド端子g87との電位差が、所定のスイッチング電圧より高い場合に、第一出力端子o88と第一スイッチンググランド端子g87との間を導通する。
第一スイッチング回路184は、例えば、バイポーラトランジスタQ89である。バイポーラトランジスタQ89のベース端子は第一制御入力端子i86に電気接続し、バイポーラトランジスタQ89のエミッタ端子は第一スイッチンググランド端子g87に電気接続し、バイポーラトランジスタQ89のコレクタ端子は第一出力端子o88に電気接続している。この場合、第一スイッチング回路184のスイッチング電圧は、約0.6V程度となる。
なお、第一スイッチング回路184は、バイポーラトランジスタQ89に代えて、FETを用いて実現してもよい。例えば、エンハンスメント型N−MOSFETを用いた場合、第一スイッチング回路184のスイッチング電圧は、数V程度となる。
【0035】
プルアップ抵抗R85(第一プルアップ抵抗)は、一端を制御電源配線VCCに電気接続し、制御電源配線VCCを介して制御電源回路150の制御電源出力端子に電気接続している。また、プルアップ抵抗R85は、他端を第一スイッチング回路184の第一出力端子o88に電気接続している。
【0036】
第一制御入力端子i86の第一スイッチンググランド端子g87に対する電位差がスイッチング電圧より低い場合、第一スイッチング回路184は導通しないので、プルアップ抵抗R85に電流が流れない。したがって、第一出力端子o88の電位は、制御電源配線VCCの電位と同じになる。
第一制御入力端子i86の第一スイッチンググランド端子g87に対する電位差がスイッチング電圧より高い場合は、第一スイッチング回路184が導通するので、プルアップ抵抗R85に電流が流れる。このため、プルアップ抵抗R85における電圧降下の分、第一出力端子o88の電位が下がり、プルアップ抵抗R85に流れる電流が十分大きければ、第一出力端子o88の第一スイッチンググランド端子g87に対する電位差は0になる。
【0037】
マイクロコンピュータ160は、第一出力端子o88の電位を測定し、第一出力端子o88の電位が所定の電位より高ければ、第一スイッチング回路184が導通していないと判断する。第一スイッチング回路184がオフであるということは、すなわち、第一分圧回路181が減衰した電圧が第一スイッチング回路184のスイッチング電圧より低いということなので、マイクロコンピュータ160は、電圧変換回路171が生成した直流電圧が所定の上限電圧より低いと判断する。逆に、マイクロコンピュータ160は、第一出力端子o88の電位が所定の電位より低ければ、第一スイッチング回路184が導通していると判断する。その場合、マイクロコンピュータ160は、電圧変換回路171が生成した直流電圧が所定の上限電圧より高いと判断し、放電灯LAが整流放電していると判断する。
【0038】
電圧下降検出回路190は、電圧上昇検出回路180と同様の回路であり、第二分圧回路191、第二スイッチング回路194、プルアップ抵抗R95を有する。
第二分圧回路191は、第一分圧回路181と同様の回路であり、第二分圧第一回路192、第二分圧第二回路193、第二直流電圧入力端子i61、第二分圧グランド端子g62、第二分圧電圧出力端子o63を有する。
第二直流電圧入力端子i61は、直流電圧出力端子o75に電気接続している。第二分圧グランド端子g62は、グランド配線GNDに電気接続している。第二直流電圧入力端子i61は、電圧変換回路171が生成した直流電圧を、第二分圧グランド端子g62に対する電位差として入力する。第二分圧電圧出力端子o63は、第二分圧回路191が減衰させた電圧を、第二分圧グランド端子g62に対する電位差として出力する。
第二分圧第一回路192は、一端を第二直流電圧入力端子i61に電気接続し、他端を第二分圧電圧出力端子o63に電気接続した二端子回路であり、例えば、定電圧ダイオードZ64(第二の定電圧ダイオード)と抵抗R65(第三の抵抗)との直列回路である。第二分圧第二回路193は、一端を第二分圧電圧出力端子o63に電気接続し、他端を第二分圧グランド端子g62に電気接続した二端子回路であり、例えば、抵抗R66(第四の抵抗)である。
【0039】
第二スイッチング回路194は、第一スイッチング回路184と同様の回路であり、第二制御入力端子i96、第二スイッチンググランド端子g97、第二出力端子o98を有する。
第二制御入力端子i96は第二分圧電圧出力端子o63に電気接続し、第二スイッチンググランド端子g97は第二分圧グランド端子g62とともにグランド配線GNDに電気接続し、第二出力端子o98はマイクロコンピュータ160に電気接続している。第二出力端子o98は、第二スイッチンググランド端子g97との電位差を、下降検出信号として出力する。第二スイッチング回路194は、例えば、バイポーラトランジスタQ99である。
プルアップ抵抗R95(第二のプルアップ抵抗)は、一端を制御電源配線VCCに電気接続し、他端を第二出力端子o98に電気接続している。
【0040】
電圧上昇検出回路180と電圧下降検出回路190との違いは、第一スイッチング回路184及び第二スイッチング回路194がオンになる電圧の違いである。すなわち、第一スイッチング回路184は、電圧変換回路171が生成した直流電圧が所定の上限電圧に達すると導通するのに対して、第二スイッチング回路194は、電圧変換回路171が生成した直流電圧が所定の下限電圧に達すると導通する。下限電圧は、上限電圧より低い電圧に設定する。
【0041】
マイクロコンピュータ160は、第二出力端子o98の電位を測定し、第二出力端子o98の電位が所定の電位より高ければ、第二スイッチング回路194が導通していないと判断する。その場合、電圧変換回路171が生成した直流電圧が所定の下限電圧より低いと判断し、放電灯LAが整流放電していると判断する。また、マイクロコンピュータ160は、第二出力端子o98の電位が所定の電位より低ければ、第二スイッチング回路194が導通していると判断し、電圧変換回路171が生成した直流電圧が所定の下限電圧より高いと判断する。
【0042】
図5は、この実施の形態におけるマイクロコンピュータ160が放電灯LAの異常を検出する異常検出処理の流れを示すフローチャート図である。
【0043】
上昇判断工程S11において、マイクロコンピュータ160は、上昇検出信号の電位が所定の電位より高いか否かを判断する。上昇検出信号の電位が所定の電位より高いと判断した場合、下降判断工程S12へ進む。上昇検出信号の電位が所定の電位より低いと判断した場合、停止信号生成工程S13へ進む。
下降判断工程S12において、マイクロコンピュータ160は、下降検出信号の電位が所定の電位より低いか否かを判断する。下降検出信号の電位が所定の電位より高いと判断した場合、停止信号生成工程S13へ進む。下降検出信号の電位が所定の電位より低いと判断した場合、異常検出処理を終了する。
停止信号生成工程S13において、マイクロコンピュータ160は、発振停止信号を生成し、出力する。
発振停止工程S14において、インバータ回路130は、高周波交流電圧の生成を停止する。その後、異常検出処理を終了する。
【0044】
このように、放電灯LAが整流放電すると、結合コンデンサC43の両端電圧が正常時より上昇あるいは下降することを利用して、電圧変換回路171が結合コンデンサC43の両端電圧に対応する直流電圧を生成し、電圧変換回路171が生成した直流電圧が上限電圧と下限電圧との間に収まっていれば、放電灯LAが正常点灯していると判断し、電圧変換回路171が生成した直流電圧が上限電圧より高いか下限電圧より低ければ、放電灯LAが整流放電していると判断する。これにより、放電灯LAの整流放電を検出することができる。
【0045】
同様の検出は、ウィンドウコンパレータなどのコンパレータICを用いても構成することが可能である。しかし、コンパレータICは、動作電流が2mA程度必要であり、コンパレータICの動作電流を確保できる電源を用意する必要がある。
インバータ回路130が高周波交流電圧を生成している場合、制御電源回路150が、インバータ回路130の出力に接続したスナバ回路から制御電源を生成するよう構成すれば、比較的大きな電流を供給することができる。しかし、回路起動時などインバータ回路130が高周波交流電圧を生成する前には、スナバ回路から制御電源を生成することはできない。
制御電源回路150が、電源整流回路110が生成した脈流電圧から制御電源を生成する場合、制御電源回路150の電流供給能力を高くすると、制御電源回路150における消費電力が大きくなるので、制御電源回路150の電流供給能力はできるだけ低くしたい。しかし、制御電源回路150がコンパレータICにも電源を供給する場合、制御電源回路150の電流供給能力を低くすると、電流をコンパレータICに取られてしまい、マイクロコンピュータ160が正常に動作しないなどの不具合が生じる可能性がある。
【0046】
これに対し、この実施の形態における保護検出回路170は、コンパレータICを用いずに構成されているので、動作電流が小さい。特に、インバータ回路130が高周波交流電圧の生成を開始する前にあっては、第一スイッチング回路184及び第二スイッチング回路194がともに導通しないので、保護検出回路170の動作電流はほとんど0である。
このため、制御電源回路150の電流供給能力を高くする必要がなく、制御電源回路150における消費電力を抑えることができる。
【0047】
次に、放電灯点灯装置100の設計段階において、保護検出回路170の回路定数を決定する方法を説明する。
【0048】
図6は、この実施の形態における保護検出回路170の各部の電圧・電流を示す図である。
【0049】
まず、電圧変換回路171が生成する直流電圧V75が下降して、第二スイッチング回路194が非導通になり、第二出力端子o98の電位V98が制御電源配線VCCの電位とほぼ同じになる場合について考える。
【0050】
バイポーラトランジスタQ89及びバイポーラトランジスタQ99がともにオフなので、バイポーラトランジスタQ89のベース電流IB89及びバイポーラトランジスタQ99のベース電流IB99は、ともに0である。
バイポーラトランジスタQ99がオフになるぎりぎりの電圧を考えているので、バイポーラトランジスタQ99のベース−エミッタ間電圧VBE99は、約0.6Vである。
B89=0なので、抵抗R55を流れる電流I55と抵抗R56を流れる電流I56とは等しい。定電圧ダイオードZ54の降伏電圧をVZ54、抵抗R55の抵抗値をR55、抵抗R56の抵抗値をR56とすると、以下の関係が成り立つ。
【0051】
【数1】

【0052】
同様に、IB99=0なので、抵抗R65を流れる電流I65と抵抗R66を流れる電流I66とは等しい。定電圧ダイオードZ64の降伏電圧をVZ64、抵抗R65の抵抗値をR65、抵抗R66の抵抗値をR66とすると、VBE99=0.6なので、以下の関係が成り立つ。
【0053】
【数2】

【0054】
この場合における結合コンデンサC43の両端電圧のピーク値Vp34をVTL、抵抗R76を流れる電流をI76とすると、以下の関係が成り立つ。
【0055】
【数3】

【0056】
抵抗R78の抵抗値をR78、抵抗R78を流れる電流をI78とする。平衡状態であればコンデンサC79を流れる電流I79は0なので、以下の関係が成り立つ。
【0057】
【数4】

【0058】
数3に数4を代入し、更に、数2を代入すると、以下の式が得られる。
【0059】
【数5】

【0060】
次に、電圧変換回路171が生成する直流電圧V75が上昇して、第一スイッチング回路184が導通し、第一出力端子o88の電位V88がグランド配線GNDの電位とほぼ同じになる場合について考える。
【0061】
バイポーラトランジスタQ89及びバイポーラトランジスタQ99がともにオンなので、バイポーラトランジスタQ89のベース−エミッタ間電圧VBE89及びバイポーラトランジスタQ99のベース−エミッタ間電圧VBE99は、ともに約0.6Vである。
第一出力端子o88の電位V88がグランド配線GNDの電位とほぼ同じなので、プルアップ抵抗R85の抵抗値をR85、プルアップ抵抗R85を流れる電流をI85とすると、VCC=R85×I85である。
第一出力端子o88の増幅率をhFE89とすると、I85=hFE89×IB89なので、VCC=R85×hFE89×IB89である。また、I55=I56+IB89、VBE89=R56×I56=0.6なので、I55=0.6/R56+VCC/(R85×hFE89)である。したがって、以下の関係が成り立つ。
【0062】
【数6】

【0063】
また、VBE99=0.6なので、V75=VZ64+R65×I65+0.6である。
【0064】
この場合における結合コンデンサC43の両端電圧のピーク値Vp34をVTHとすると、以下の関係が成り立つ。
【0065】
【数7】

【0066】
保護検出回路170の設計にあたり、まず、正常な放電灯LA及び寿命末期の放電灯LAを放電灯点灯装置100に接続して、正常放電時・整流放電時の結合コンデンサC43の両端電圧のピーク値Vp34を測定し、VTH及びVTLを決定する。
次に、電圧上昇検出回路180における消費電力の観点から、バイポーラトランジスタQ89がオンのときのI56及びI85を決定し、これに基づいてR56及びR85を決定する。
同様に、電圧下降検出回路190における消費電力の観点から、バイポーラトランジスタQ99がオンのときのI66及びI95を決定し、これに基づいてR66及びR95を決定する。
更に、電圧変換回路171における消費電力の観点から、正常時におけるI76を決定し、これに基づいてR76及びR78を決定する。また、電圧上昇検出回路180及び電圧下降検出回路190の検出感度の観点から、VZ77及びVZ54及びVZ64を決定する。
【0067】
そして、決定したこれらの値を上述した数5及び数7に代入して、R55及びR65を求める。
【0068】
ここで、R55≫R76、R65≫R76であると仮定すると、数5より、
【0069】
【数8】

【0070】
したがって、以下の関係が成り立つ。
【0071】
【数9】

また、数7より、
【0072】
【数10】

【0073】
したがって、以下の関係が成り立つ。
【0074】
【数11】

【0075】
このように、R55≫R76、R65≫R76であれば、R55とR65とは互いに独立する。例えば、VTHを変えたい場合は、R55を変更すればよく、R65を変更する必要はない。逆に、VTLを変えたい場合は、R65を変更すればよく、R55を変更する必要はない。
したがって、R55及びR65がR76よりも十分大きければ、R55及びR65を簡単な計算式で、容易に決定することができる。
【0076】
更に、hFE89×R85≫R56であると仮定すると、以下の関係が成り立つ。
【0077】
【数12】

【0078】
したがって、hFE89×R85がR56よりも十分大きければ、R55を更に簡単な計算式で、更に容易に決定することができる。
【0079】
なお、VTH>VTLなので、以下の不等式が成り立つ。
【0080】
【数13】

【0081】
したがって、VZ54+0.6×R55/R56>VZ64+0.6×R65/R66である。
これより、R65/R66とR55/R56とがほぼ等しい場合、定電圧ダイオードZ64の降伏電圧VZ64を、定電圧ダイオードZ54の降伏電圧VZ54より低く設定すれば、VTH>VTLとなることがわかる。
また、定電圧ダイオードZ54及び定電圧ダイオードZ64がない場合(すなわち、VZ54=VZ64=0の場合)には、R65/R66<R55/R56であれば、VTH>VTLとなることがわかる。すなわち、抵抗R65の抵抗値R65と抵抗R56の抵抗値R56との積が、抵抗R55の抵抗値R55と抵抗R66の抵抗値R66との積より小さくなるように設定すればよい。
【0082】
この実施の形態における放電灯点灯装置100によれば、結合コンデンサC43の両端電圧を電圧変換回路171が変換して直流電圧V75を生成し、直流電圧V75が所定の上限電圧VTHより高いか否かを電圧上昇検出回路180が検出し、直流電圧V75が所定の下限電圧VTLより低いか否かを電圧下降検出回路190が検出し、直流電圧V75が所定の上限電圧VTHより高いことを電圧上昇検出回路180が検出した場合、あるいは、直流電圧V75が所定の下限電圧VTLより低いことを電圧下降検出回路190が検出した場合に、マイクロコンピュータ160が発振停止信号を生成して、インバータ回路130が高周波交流電圧の生成を停止するので、放電灯LAが寿命末期などにより整流放電した場合に、放電灯LAを消灯することができるという効果を奏する。
【0083】
この実施の形態における放電灯点灯装置100によれば、直流電圧V75を第一分圧回路181が分圧して第一スイッチング電圧VBE89を生成し、第一スイッチング電圧VBE89が所定のスイッチング電圧より高い場合に第一スイッチング回路184が導通し、直流電圧V75を第二分圧回路191が分圧して第二スイッチング電圧VBE99を生成し、第二スイッチング電圧VBE99が所定のスイッチング電圧より高い場合に第二スイッチング回路194が導通し、第一スイッチング回路184が導通した場合に直流電圧V75が所定の上限電圧VTHより高いことを電圧上昇検出回路180が検出したと、マイクロコンピュータ160が判断し、第二スイッチング回路194が導通しない場合に直流電圧V75が所定の下限電圧VTLより低いことを電圧下降検出回路190が検出したと、マイクロコンピュータ160が判断するので、コンパレータを用いることなく電圧上昇検出回路180及び電圧下降検出回路190を構成でき、電圧上昇検出回路180及び電圧下降検出回路190における消費電流を抑えることができるという効果を奏する。
特に、インバータ回路130が高周波交流電圧を生成していない場合、結合コンデンサC43の両端電圧が0になるので、直流電圧V75は下限電圧より低くなり、第一スイッチング回路184及び第二スイッチング回路194は、ともに導通しない状態となる。したがって、電圧上昇検出回路180及び電圧下降検出回路190のおける消費電力は、ほとんど0となる。
このため、回路起動時など、インバータ回路130が高周波交流電圧を生成していない場合に、制御電源回路150が供給できる電流の容量が小さくて済む。したがって、制御電源回路150における無駄な電力消費を抑えることができる。
【0084】
この実施の形態における放電灯点灯装置100によれば、第一スイッチング回路184の第一スイッチンググランド端子g87が制御電源回路150の制御電源グランド端子に電気接続し、プルアップ抵抗R85の一端が制御電源回路150の制御電源出力端子に電気接続し、プルアップ抵抗R85の他端が第一スイッチング回路184の第一出力端子o88に電気接続し、第二スイッチング回路194の第一スイッチンググランド端子g87が制御電源回路150の制御電源グランド端子に電気接続し、プルアップ抵抗R95の一端が制御電源回路150の制御電源出力端子に電気接続し、プルアップ抵抗R95の他端が第二スイッチング回路194の第二出力端子o98に電気接続しているので、マイクロコンピュータ160が第一出力端子o88及び第二出力端子o98の電位を入力することにより、第一スイッチング回路184及び第二スイッチング回路194が導通しているか否かがわかり、直流電圧V75が所定の上限電圧より高いか、所定の下限電圧より低いかを判断できるという効果を奏する。
【0085】
この実施の形態における放電灯点灯装置100によれば、第一分圧第一回路182が第一の抵抗R55と第一の定電圧ダイオードZ54との直列回路であり、第一分圧第二回路183が第二の抵抗R56であり、第二分圧第一回路192が第三の抵抗R65と第二の定電圧ダイオードZ64との直列回路であり、第二分圧第二回路193が第四の抵抗R66であるので、直流電圧V75の変化に対する電圧上昇検出回路180及び電圧下降検出回路190の感度を高くすることができるという効果を奏する。
また、第二の定電圧ダイオードZ64の降伏電圧が第一の定電圧ダイオードZ54の降伏電圧より低いので、第一スイッチング回路184が導通する所定の上限電圧より、第二スイッチング回路194が導通する所定の下限電圧のほうが低くなる。
【0086】
なお、第一の定電圧ダイオードZ54及び第二の定電圧ダイオードZ64はなくてもよい。その場合、第一の抵抗R55の抵抗値R55と第四の抵抗R66の抵抗値R66との積R55×R66が第二の抵抗R56の抵抗値R56と第三の抵抗R65の抵抗値R65との積R56×R65より大きければ、第一スイッチング回路184が導通する所定の上限電圧より、第二スイッチング回路194が導通する所定の下限電圧のほうが低くなる。
【0087】
この実施の形態における放電灯点灯装置100によれば、結合コンデンサC43の一端がインバータ回路130のインバータグランド端子g35に電気接続し、変換第一回路172の一端が結合コンデンサC43の他端に電気接続し、変換第一回路172の他端及び変換第二回路173の一端が直流電圧出力端子o75に電気接続し、変換第二回路173の他端がインバータ回路130のインバータグランド端子g35に電気接続しているので、電圧変換回路171は、結合コンデンサC43の両端電圧を変換第一回路172と変換第二回路173とで分圧した電圧を生成するという効果を奏する。
【0088】
この実施の形態における放電灯点灯装置100によれば、変換第一回路172が第五の抵抗R76と第三の定電圧ダイオードZ77との直列回路であり、変換第二回路173が第六の抵抗R78とコンデンサC79との並列回路であるので、電圧変換回路171は、結合コンデンサC43の両端電圧の交流成分を除去し、結合コンデンサC43の両端電圧の変化に対する感度の高い直流電圧V75を生成できるという効果を奏する。
【0089】
なお、定電圧ダイオードZ77はなくてもよい。その場合、電圧変換回路171の製造コストを抑えることができる。
【0090】
この実施の形態における照明器具800によれば、放電灯LAを着脱自在に接続する放電灯接続部200と、放電灯点灯装置100とを有しているので、放電灯接続部200に接続した放電灯LAが寿命末期などにより整流放電したことを検出して、放電灯LAを消灯することができるという効果を奏する。
【符号の説明】
【0091】
100 放電灯点灯装置、110 電源整流回路、120 アクティブフィルタ回路、122 PFC、130 インバータ回路、133 インバータ制御IC、140 負荷回路、150 制御電源回路、160 マイクロコンピュータ、170 保護検出回路、171 電圧変換回路、172 変換第一回路、173 変換第二回路、180 電圧上昇検出回路、181 第一分圧回路、182 第一分圧第一回路、183 第一分圧第二回路、184 第一スイッチング回路、190 電圧下降検出回路、191 第二分圧回路、192 第二分圧第一回路、193 第二分圧第二回路、194 第二スイッチング回路、200 放電灯接続部、800 照明器具、AC 交流電源、C42 始動コンデンサ、C43 結合コンデンサ、C25,C79 コンデンサ、D24 ダイオード、DB ダイオードブリッジ、g87 第一スイッチンググランド端子、g97 第二スイッチンググランド端子、g35 インバータグランド端子、g52 第一分圧グランド端子、g62 第二分圧グランド端子、g74 変換グランド端子、GND グランド配線、i51 第一直流電圧入力端子、i61 第二直流電圧入力端子、i71 電圧入力端子、i86 第一制御入力端子、i96 第二制御入力端子、L21,L41 チョークコイル、LA 放電灯、o88 第一出力端子、o98 第二出力端子、o53 第一分圧電圧出力端子、o63 第二分圧電圧出力端子、o34 交流電圧出力端子、o75 直流電圧出力端子、Q23,Q31,Q32 FET、Q89,Q99 バイポーラトランジスタ、R55,R56,R65,R66,R76,R78 抵抗、R85,R95 プルアップ抵抗、VCC 制御電源配線、Z54,Z64,Z77 定電圧ダイオード。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源が接続された負荷回路と、
上記負荷回路に発生した電圧を変換して直流電圧を生成する電圧変換回路と、
上記電圧変換回路が生成した直流電圧が所定の上限電圧より高いか否かを検出する電圧上昇検出回路と、
上記電圧変換回路が生成した直流電圧が所定の下限電圧より低いか否かを検出する電圧下降検出回路と、
上記直流電圧が所定の上限電圧より高いと上記電圧上昇検出回路が検出した場合と上記直流電圧が所定の下限電圧より低いと上記電圧下降検出回路が検出した場合とのうち少なくともいずれかの場合に、上記光源を消灯させる判定回路と
を備え、
上記電圧上昇検出回路は、
上記電圧変換回路が生成した直流電圧を分圧して第一スイッチング電圧を生成する第一分圧回路と、
上記第一分圧回路が生成した第一スイッチング電圧が所定のスイッチング電圧より高い場合に導通する第一スイッチング回路と
を有し、
上記電圧下降検出回路は、
上記電圧変換回路が生成した直流電圧を分圧して第二スイッチング電圧を生成する第二分圧回路と、
上記第二分圧回路が生成した第二スイッチング電圧が所定のスイッチング電圧より高い場合に導通する第二スイッチング回路と
を有し、
上記判定回路は、上記第一スイッチング回路が導通した場合に、上記直流電圧が所定の上限電圧より高いと上記電圧上昇検出回路が検出したと判断し、上記第二スイッチング回路が導通しない場合に、上記直流電圧が所定の下限電圧より低いと上記電圧下降検出回路が検出したと判断することを特徴とする照明装置。
【請求項2】
上記第一分圧回路は、第一の抵抗と第一の定電圧ダイオードとの直列回路と、この直列回路の出力端に電気接続された第二の抵抗とを有し、
上記第一スイッチング回路は、上記第一分圧回路の直列回路の出力端に電気接続され、
上記第二分圧回路は、第三の抵抗と第二の定電圧ダイオードとの直列回路と、この直列回路の出力端に電気接続された第四の抵抗とを有し、
上記第二スイッチング回路は、上記第二分圧回路の直列回路の出力端に電気接続され、
上記第二の定電圧ダイオードの降伏電圧は、上記第一の定電圧ダイオードの降伏電圧より低いことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
上記第一分圧回路は、第一の抵抗と、この第一の抵抗の出力端に電気接続された第二の抵抗とを有し、
上記第一スイッチング回路は、上記第一の抵抗の出力端に電気接続され、
上記第二分圧回路は、第三の抵抗と、この第三の抵抗の出力端に電気接続された第四の抵抗とを有し、
上記第二スイッチング回路は、上記第三の抵抗の出力端に電気接続され、
上記第一の抵抗の抵抗値と上記第四の抵抗の抵抗値との積は、上記第二の抵抗の抵抗値と上記第三の抵抗の抵抗値との積よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−58502(P2013−58502A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−285113(P2012−285113)
【出願日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【分割の表示】特願2007−292457(P2007−292457)の分割
【原出願日】平成19年11月9日(2007.11.9)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【Fターム(参考)】