説明

照明装置

【課題】小型化および低コスト化が可能な電球形ランプ11を提供する。
【解決手段】電球形ランプ11は、LEDチップ32を有する。電球形ランプ11は、LEDチップ32を点灯させる点灯回路17を有する。点灯回路17は、チップ部品61を実装したチップ部品用基板62と、ディスクリート部品63を実装したディスクリート部品用基板64とを別個に備える。電球形ランプ11は、点灯回路17の少なくとも一部を収容するカバー14を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、光源を点灯させる点灯回路をカバーに収容する照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源として例えばLEDを用いた照明装置としての電球形ランプでは、一端側に口金を有する支持部材としてのアルミカバーである基体の他端側に、LEDを有する発光モジュールが配置されるとともに、この発光モジュールを覆うグローブが配置され、また、基体内に、LEDに電力を供給して点灯させる点灯回路が絶縁部材としてのカバーを介して配置されている。
【0003】
点灯回路は、回路基板と、この回路基板に実装された回路素子とによって構成されている。回路素子としては、例えばチップコンデンサ、チップレジスタなどの比較的小さいチップ部品、および、電解コンデンサあるいはインダクタなどの比較的大きいディスクリート部品などが用いられ、これらの部品が所定のレイアウトで回路基板に実装されている。
【0004】
これらチップ部品とディスクリート部品とを備える点灯回路をカバーに収容する場合、チップ部品とディスクリート部品との大きさの相違により生じるカバーの内部のデッドスペースを抑制することが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−272379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、小型化および低コスト化が可能な照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の照明装置は、光源を有する。また、この照明装置は、光源を点灯させる点灯回路を有する。この点灯回路は、チップ部品が実装されたチップ部品用基板と、ディスクリート部品が実装されたディスクリート部品用基板とを別個に備える。そして、この照明装置は、点灯回路の少なくとも一部を収容するカバーを有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、点灯回路を、チップ部品が実装されたチップ部品用基板と、ディスクリート部品が実装されたディスクリート部品用基板とを別個に備えた構成としてカバーに少なくとも一部を収容することにより、カバーの内部の空間を有効利用して小型化が期待できるとともに、チップ部品用基板とディスクリート部品用基板とをそれぞれに適した工程精度で製造できるので、低コスト化が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態の照明装置を示す断面図である。
【図2】(a)は同上照明装置のチップ部品用基板を示す斜視図、(b)は同上照明装置のディスクリート部品用基板を示す斜視図である。
【図3】第2の実施形態の照明装置の一部を示し、(a)はチップ部品用基板の一主面側を示す斜視図、(b)はチップ部品用基板の他主面側を示す斜視図である。
【図4】同上照明装置を示す断面図である。
【図5】第3の実施形態の照明装置の一部を示す斜視図である。
【図6】(a)は同上照明装置のチップ部品用基板を示す斜視図、(b)は同上照明装置のディスクリート部品用基板を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、第1の実施形態の構成を図1および図2を参照して説明する。
【0011】
図1において、11は照明装置としての電球形ランプで、この電球形ランプ11は、金属製の支持部材としてのホルダである基体12、この基体12の一端側(電球形ランプ11のランプ軸の一端側)に取り付けられた発光モジュール13、基体12の他端側に取り付けられた絶縁性を有する絶縁部材であるカバー14、このカバー14の他端側に取り付けられた図示しない口金、発光モジュール13を覆って基体12の一端側に取り付けられた透光性を有するグローブ16、および基体12と口金との間でカバー14の内側に収納された点灯回路17を備えている。
【0012】
基体12は、熱伝導性が優れた例えばアルミニウムなど金属材料によって一体形成された放熱部材、すなわちアルミ放熱カバーであり、中央域に円筒状の胴体部21が形成され、この胴体部21の周囲にランプ軸方向に沿った図示しない複数の放熱フィンが放射状に突出形成されている。
【0013】
また、胴体部21は、一端側が円形状の支持部23により閉塞されており、他端側へ向けて開口している。この支持部23の一端側の面である一主面は、中央域に発光モジュール13が面接触して取り付けられる取付面27となっており、この取付面27の外周縁近傍には、グローブ16を基体12に対してねじ止めする複数、例えば4つの取付孔28が形成され、周辺域である縁部には、グローブ16が嵌合して取り付けられる環状のグローブ取付部29が凹状に形成されている。
【0014】
また、支持部23には、点灯回路17と発光モジュール13とを配線接続するための図示しない孔部が形成されている。
【0015】
また、発光モジュール13は、例えば、アルミニウムなどの金属材料、あるいはセラミックスやエポキシ樹脂などの絶縁材料で形成された略四角形状の基板31を有し、この基板31の一端側の面である実装面に配線パターンが形成されているとともに、実装面の中央域に複数の発光素子としての光源であるLEDチップ32がマトリクス状に配列されて実装されている。
【0016】
これら複数のLEDチップ32は、図示しないが、両側域に配置された配線パターンの一対の電極パッド間の方向に沿ってワイヤボンディングによって直列に接続されている。また、基板31には、発光モジュール13が基体12に取り付けられた状態で点灯回路17側と発光モジュール13側とを電気的に接続するためのコネクタが配置されている。
【0017】
ここで、LEDチップ32には、例えば、青色光を発するLEDチップが用いられる。基板31に実装された複数のLEDチップ32上には、例えばシリコーン樹脂など透明樹脂である封止樹脂が塗布形成されている。この封止樹脂には、LEDチップ32からの青色光の一部により励起されて黄色光を放射する蛍光体が混入されている。したがって、LEDチップ32および封止樹脂によって発光部36が構成され、この発光部36の表面である封止樹脂の表面が発光面37となり、この発光面37から白色系の照明光が放射される。
【0018】
基板31は、LEDチップ32の実装面と反対側である他端側の面が基体12の支持部23の一端側の面である取付面27に面接触した状態に取り付けられている。このとき、基板31の他端側の面と基体12の取付面27との間には、熱伝導性に優れたシートやグリスなどの熱伝導材が介在されている。すなわち、基板31は、基体12に対して熱的に接続されている。そして、この基板31を基体12の取付面27に取り付けた状態では、発光面37の中心がランプ軸の中心に対応して位置している。なお、この基板31(発光モジュール13)には、発光面37(発光部36)を覆って、光拡散用の導光部材である導光柱などを配置して、光拡散性を強め、配光角をより広げるようにしてもよい。
【0019】
また、カバー14は、例えばPBT樹脂などの絶縁材料により、他端側へ向けて開口する円筒状に形成されている。カバー14の他端側の外周部には、基体12と口金との間に介在して互いの間を絶縁する環状の鍔部41が形成されている。カバー14の一端側の面には、基体12の孔部に連通する図示しない配線孔が形成されている。さらに、このカバー14は、図示しない凹凸構造などにより基体12に対して固定される。
【0020】
また、口金は、例えば、E17形やE26形などの一般照明電球用のソケットに接続可能なもので、カバー14に嵌合されてかしめられて固定されるシェルと、このシェルの他端側に設けられる絶縁部と、およびこの絶縁部の頂部に設けられるアイレットとを有している。さらに、この口金は、カバー14に対して、図示しない凹凸構造などにより係止固定される。
【0021】
また、グローブ16は、透光性および光拡散性を有するガラスあるいは合成樹脂などで発光モジュール13を覆う球面状となるように形成されている。このグローブ16は、例えば一のグローブ部である下部グローブ部45と、他のグローブ部である上部グローブ部46とに分割され、これら下部グローブ部45と上部グローブ部46とが互いに組み合わせて接続されている。
【0022】
下部グローブ部45は、一端側および他端側がそれぞれ開口した筒状となっており、他端側から一端側へと徐々に拡径している。また、この下部グローブ部45の他端側の内周縁には、発光モジュール13を基体12へと押さえつけて保持するための保持部51がフランジ状に突設されている。さらに、この下部グローブ部45の他端側の開口縁部には、基体12のグローブ取付部29に嵌合されるとともに例えば接着剤などで固定される嵌合縁部52が突設されている。
【0023】
保持部51は、ランプ軸と直交する面に沿って形成されており、円環状をなしている。すなわち、この保持部51の中央部には、円形状に開口部54が形成されており、この開口部54には、発光モジュール13の発光部36(LEDチップ32)が露出するように構成されている。また、この保持部51には、基体12の取付孔28と対応する複数箇所、例えば4箇所に、グローブ16(下部グローブ部45)を基体12に対してねじ止めするための貫通孔58がそれぞれ形成されている。
【0024】
また、上部グローブ部46は、他端側から一端側へと徐々に縮径する半球面状に形成されており、他端側が下部グローブ部45の一端側と気密に接続されるように構成されている。
【0025】
なお、グローブ16は、下部グローブ部45と上部グローブ部46とに分割されている構成に限定されるものではなく、これらグローブ部45,46が一体的に形成されたものであってもよい。
【0026】
そして、点灯回路17は、例えば、発光モジュール13のLEDチップ32に対して定電流を供給する回路であり、図1、図2(a)および図2(b)に示すように、回路を構成する複数の回路素子としてのチップ部品61を実装したチップ部品用基板62と、回路素子としてのディスクリート部品63を実装したディスクリート部品用基板64とを別個に有し、これら基板62,64がカバー14内に収納されて固定されている。点灯回路17の入力側には、口金のシェルおよびアイレットが接続線で電気的に接続されている。さらに、点灯回路17の出力側には図示しない接続線が接続され、この接続線がカバー14の配線孔および基体12の孔部を通じて基体12の一端側に引き出され、先端側のコネクタ部が基板31のコネクタと接続されている。
【0027】
チップ部品61は、半導体チップで構成される実装部品であり、例えばチップ抵抗器、あるいはチップコンデンサなどの、リードを有しない略直方体状の表面実装部品である。そして、チップ部品用基板62は、例えば円形板状に形成されており、一主面62aにチップ部品61が実装され、この一主面62aを他端側に向けた状態でカバー14の一端近傍に、この一端に向けて他主面62bを対向させた状態で収容されている、すなわち、このチップ部品用基板62は、カバー14の長手方向に対して交差(直交)する方向に沿って収容されている。
【0028】
また、ディスクリート部品63は、代表的には単一の機能を備える個別素子であり、例えば抵抗器、電解コンデンサあるいはインダクタなどの、複数のリードを有するリード部品である。これらディスクリート部品63は、チップ部品61よりも大きい外形を有し、ディスクリート部品用基板64に対する突出量が、チップ部品用基板62に対するチップ部品61の突出量よりも大きくなっている。そして、ディスクリート部品用基板64は、例えば四角形状(長方形状)に形成されており、一主面64aにディスクリート部品63が実装され、ランプ軸方向に沿って、すなわちチップ部品用基板62に対して略垂直な状態でカバー14に収容されている。すなわち、このディスクリート部品用基板64は、カバー14の長手方向に沿って収容されている。
【0029】
さらに、これらチップ部品用基板62とディスクリート部品用基板64とは、図示しない配線およびコネクタなどを介して互いに電気的に接続されて点灯回路17を構成している。
【0030】
そして、電球形ランプ11の製造の際には、まず、基体12の支持部23の取付面27上に、基板31にLEDチップ32などを実装した発光モジュール13の他側面側を載置する。
【0031】
この状態で、グローブ16の下部グローブ部45を、嵌合縁部52を基体12のグローブ取付部29に嵌合させるように基体12に取り付け、貫通孔58と基体12の取付孔28とをそれぞれ位置合わせして、グローブ16側である貫通孔58側(上側)からねじを挿入して締め付けることで、保持部51により発光モジュール13の基板31をそれぞれ基体12の取付面27へと圧接させ、下部グローブ部45とともに発光モジュール13を基体12に保持固定するとともに、発光モジュール13(基板31)と基体12とを熱的に結合する。
【0032】
一方、チップ部品用基板62とディスクリート部品用基板64とを配線およびコネクタなどにより電気的に接続するとともに、チップ部品用基板62を、一主面62aを下側としてカバー14に収容し、さらに、ディスクリート部品用基板64を、カバー14の長手方向に沿って挿入してカバー14に収容する。そして、これら基板62,64を収容したカバー14の一端側を、基体12の胴体部21に挿入して固定する。このとき、基板62,64により構成された点灯回路17と発光モジュール13とを、基体12の支持部23に形成された孔部およびカバー14に形成された配線孔などを介して引き出した配線、コネクタおよびコネクタ部を用いて電気的に接続する。
【0033】
この後、点灯回路17とアース線を介してアイレットを接続した口金を、点灯回路17側に電気的に接続した電源線をシェルの外側に導出した状態で、カバー14の他端側から挿入し、カバー14とシェルとの間で電源線を挟み込んで、口金をカバー14に対して係止固定することにより、電球形ランプ11を完成する。
【0034】
そして、電球形ランプ11を図示しない照明器具のソケットなどに装着して通電すると、点灯回路17が動作し、発光モジュール13の複数のLEDチップ32に電力が供給され、複数のLEDチップ32が発光し、この光がグローブ16を通じて拡散放射される。
【0035】
発光モジュール13の複数のLEDチップ32の点灯時に発生する熱は、基板31に熱伝導されるとともにこの基板31から基体12に熱伝導され、この基体12から複数の放熱フィンに熱伝導され、複数の放熱フィンから空気中に効率よく放熱される。
【0036】
このように、点灯回路17を、チップ部品61が実装されたチップ部品用基板62と、ディスクリート部品63が実装されたディスクリート部品用基板64とを別個に備えた構成としてカバー14に収容することにより、カバー14の内部の空間を有効利用して小型化できるとともに、チップ部品用基板62とディスクリート部品用基板64とをそれぞれに適した工程精度で製造できるので、低コスト化できる。
【0037】
次に、第2の実施形態を図3および図4を参照して説明する。なお、上記第1の実施形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0038】
この図3および図4に示す実施形態は、上記第1の実施形態の発光モジュール13とチップ部品用基板62とを一体化したものである。
【0039】
すなわち、図3(a)および図3(b)に示すように、チップ部品用基板62は、例えば、アルミニウムなどの金属材料、あるいはセラミックスやエポキシ樹脂などの絶縁材料により、発光モジュール13の基板31と同様の略四角形状に形成されている。また、このチップ部品用基板62の一主面62a側には、平面視で円形状の実装部71が突設されており、この実装部71にチップ部品61がそれぞれ実装されている。さらに、このチップ部品用基板62の他主面62b側には、平面視で四角形状の光源部72が突設されており、この光源部72にLEDチップ32がそれぞれ実装されている。したがって、LEDチップ32は、チップ部品61に対して、チップ部品用基板62の他主面62b側に位置している。さらに、これらLEDチップ32は、チップ部品61側の回路(点灯回路17)とチップ部品用基板62上で電気的に接続されている。
【0040】
また、図4に示すように、基体12の支持部23には、孔部に代えて、開口74が形成されており、カバー14の一端側には、配線孔に代えて、開口74と連通するカバー開口75が形成されている。これら開口74,75は、それぞれ実装部71よりも大きく、かつ、チップ部品用基板62よりも小さく形成されている。そして、チップ部品用基板62は、一主面62a側の実装部71の周囲が基体12の取付面27に面接触した状態に取り付けられ、チップ部品61(実装部71)が開口74,75に挿入されてカバー14内に位置し、LEDチップ32(光源部72)がグローブ16側に露出している。このとき、チップ部品用基板62の一主面62a側と取付面27との間には、熱伝導性に優れたシートやグリスなどの熱伝導材が介在されている。すなわち、チップ部品用基板62は、基体12に対して熱的に接続されている。
【0041】
このように、LEDチップ32を、チップ部品用基板62のチップ部品61が実装された面(一主面62a)と反対側である他主面62b側に実装することにより、開口74,75を形成して、チップ部品用基板62を収容するためのカバー14の内部の空間をより少なくすることができ、より小型化できるとともに、LEDチップとチップ部品とを同じ主面に実装する場合などと比較して、LEDチップ32からの発光をチップ部品61によって妨げるなどの光損失が生じることがなく、かつ、製造が容易になる。
【0042】
さらに、LEDチップ32とチップ部品61とは、それぞれ高い実装精度が必要であるため、同一のチップ部品用基板62にLEDチップ32とチップ部品61とを実装することで、これらの実装を別個の製造拠点で行うことなく、製造上の工程精度を高めた製造拠点において一括で実装可能となり、製造コストをより抑制できる。
【0043】
しかも、チップ部品61は、一般的に熱に強いため、LEDチップ32と同一のチップ部品用基板62に実装しても、LEDチップ32の発光に伴い発生する熱による影響を受けにくい。
【0044】
そして、チップ部品用基板と発光モジュールとを別個で形成する場合と比較して、チップ部品用基板62をLEDチップ32側と接続するための配線、コネクタおよびコネクタ部などが不要となるため、部品点数やこれら部品の接続などの作業工数の削減が可能となり、製造コストをより抑制できる。
【0045】
次に、第3の実施形態を図5および図6を参照して説明する。なお、上記各実施形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0046】
この第3の実施形態は、上記第2の実施形態のチップ部品用基板62とディスクリート部品用基板64とを直接接続したものである。
【0047】
すなわち、図5および図6(a)に示すように、チップ部品用基板62の一主面62aには、一のコネクタとしての複数、例えば一対のコネクタ受け77,77が配置されている。これらコネクタ受け77,77は、ディスクリート部品用基板64に対向して開口するように形成されている。さらに、これらコネクタ受け77,77は、チップ部品用基板62にチップ部品61によって形成された回路と電気的に接続されている。
【0048】
また、図5および図6(b)に示すように、ディスクリート部品用基板64の一側の角部には、切欠部78,78が形成され、これら切欠部78,78には、コネクタ受け77,77に挿入接続される他のコネクタとしてのコネクタ部79,79が配置されている。これらコネクタ部79,79は、ディスクリート部品用基板64にディスクリート部品63によって形成された回路と電気的に接続される端子である。
【0049】
そして、点灯回路17を基体12およびカバー14に組み付ける場合には、まず、ディスクリート部品用基板64のコネクタ部79,79をチップ部品用基板62のコネクタ受け77,77に挿入接続することで、チップ部品用基板62の回路とディスクリート部品用基板64の回路とを電気的に接続するとともに、ディスクリート部品用基板64とチップ部品用基板62とを機械的に接続する。この状態で、ディスクリート部品用基板64はチップ部品用基板62に対して、一体的に保持される。
【0050】
次いで、これら一体的とした基板62,64を、基体12の支持部23側から開口74,75へと挿入し、上記第2の実施形態と同様にチップ部品用基板62の一主面62a側の実装部71の周囲を基体12の取付面27に面接触させた状態とする。このとき、チップ部品用基板62の一主面62a側と取付面27との間に、熱伝導性に優れたシートやグリスなどの熱伝導材を介在させて、チップ部品用基板62を、基体12に対して熱的に接続する。
【0051】
この状態で、チップ部品用基板62のチップ部品61(実装部71)およびディスクリート部品用基板64がカバー14内に位置し、LEDチップ32(光源部72)がグローブ16側に露出する。
【0052】
このように、ディスクリート部品用基板64に設けたコネクタ部79,79をチップ部品用基板62に設けたコネクタ受け77,77に押し込んで挿入するだけで、配線を用いることなくこれら基板62,64のそれぞれの回路同士を電気的に接続できるだけでなく、チップ部品用基板62とディスクリート部品用基板64とを機械的に一体化できるので、これら回路の接続および基板62,64の組み付けなどに関する製造性をより向上できる。
【0053】
しかも、チップ部品用基板とディスクリート部品用基板とを配線などを介して接続する場合のように、カバー14の内部の空間などを、配線などが折れ曲がらないように設定するなどの必要もなく、カバー14(電球形ランプ11)をより小型化できる。
【0054】
なお、上記第3の実施形態の構成は、上記第1の実施形態と組み合わせてもよい。すなわち、発光モジュール13と別体のチップ部品用基板62に設けたコネクタ受け77,77とディスクリート部品用基板64のコネクタ部79,79とを接続する構成としてもよい。
【0055】
そして、以上説明した少なくとも一つの実施形態では、点灯回路17を、チップ部品61が実装されたチップ部品用基板62と、ディスクリート部品63が実装されたディスクリート部品用基板64とを別個に備えた構成としてカバー14に収容する。このため、チップ部品用基板62とディスクリート部品用基板64とをそれぞれ異なる位置や角度で配置できるので、互いの形状により生じるデッドスペースを利用するように配置することが可能となり、カバー14の内部の空間を有効利用でき、カバー14(電球形ランプ11)を小型化できる。
【0056】
また、比較的高い実装精度が要求されるチップ部品61をチップ部品用基板62に集中させ、チップ部品61よりも実装精度が低くて済むディスクリート部品63をディスクリート部品用基板64に集中させることにより、例えばチップ部品用基板62のみを高精度の工程で製造し、ディスクリート部品用基板64は低精度で低コストの工程によって製造できるなど、それぞれの基板62,64をそれぞれに適した工程精度で製造できるため、低コスト化できる。
【0057】
そして、カバー14の小型化により、カバー14の全長を抑制して電球形ランプ11の全長を抑制できるため、電球形ランプ11におけるグローブ16の比率が高まることとなり、グローブ16での光拡散による配光角を相対的に大きくすることができ、ランプ背面方向へ光を広げて電球に近似させた光り方を実現でき、LEDチップ32を用いた電球形ランプ11特有の眩しさの少ない配光を実現できる。
【0058】
なお、上記各実施形態において、光源はLEDチップ32に限らず、例えばEL素子などの発光素子を用いてもよい。
【0059】
また、照明装置は電球形ランプ11に限定されるものではない。
【0060】
そして、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0061】
11 照明装置としての電球形ランプ
14 カバー
17 点灯回路
32 光源であるLEDチップ
61 チップ部品
62 チップ部品用基板
63 ディスクリート部品
64 ディスクリート部品用基板
77 一のコネクタとしてのコネクタ受け
79 他のコネクタとしてのコネクタ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と;
チップ部品が実装されたチップ部品用基板と、ディスクリート部品が実装されたディスクリート部品用基板とを別個に備え、光源を点灯させる点灯回路と;
この点灯回路の少なくとも一部を収容するカバーと;
を具備していることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
光源は、チップ部品用基板のチップ部品が実装された面と反対側に実装されている
ことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
チップ部品用基板は、一のコネクタを備え、
ディスクリート部品用基板は、一のコネクタと接続されてチップ部品用基板側と電気的に導通する他のコネクタを備えている
ことを特徴とする請求項1または2記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−69559(P2013−69559A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207665(P2011−207665)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】