説明

熱交換器の冷却補助装置

【課題】簡易な構成により効果的に冷却を補助する熱交換器の冷却補助装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る熱交換器の冷却補助装置3は、車両12に搭載されて冷却ファン5が作動すると該作動に伴い発生する空気流を用いて他の流体を冷却する熱交換器2の、冷却を補助する冷却補助装置3であって、前記熱交換器2の上部に配置され、水を貯留し、及び、貯留した水を前記熱交換器2に排出する排出口7が設けられた水貯留タンク6と、前記排出口7を塞ぐように設けられ、かつ、前記冷却ファン5が作動すると該作動に伴い発生する吸込み圧により前記排出口7を開くように変位する排出口制御部材8と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器の冷却補助装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両には、二つの流体間で熱を交換する熱交換器が搭載されている。この熱交換器の一形態である凝縮器には、冷却用ファンを作動させたときに発生する空気流(対流)を用いる空冷式の凝縮器や冷却用の循環水を用いる水冷式の凝縮器などがある。
【0003】
空冷式の凝縮器は、部品点数が少ない簡易な構成になるという長所があるものの熱交換効率が低い(空気温度への依存度が高い)という短所がある。一方、水冷式の凝縮器は、熱交換効率が高いという長所があるものの部品点数が多くなり複雑な構成になるという短所がある。
【0004】
従来の空冷式の凝縮器には、空冷式の凝縮器の放熱フィンに細かい粒または霧状の水をほぼ均一に散布するスプレーノズル部と、このスプレーノズル部を作動・停止させる制御部とを備え、かつスプレーノズル部の散布する水量をドレン水を出すことなくほぼ蒸発する程度に制御せしめて、昇温した放熱フィンに水を散布し、この散布した水の蒸発潜熱により放熱フィンを冷却するものがある(特許文献1参照)。これにより、空冷式の凝縮器の熱交換効率を高めている。
【特許文献1】特開平10−213361号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、熱交換効率を高めることができるもののスプレーノズル部、配管、制御部等が必要となり複雑な構成になるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような技術的課題を鑑みてなされたもので、簡易な構成により熱交換効率を高める熱交換器の冷却補助装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、車両に搭載されて冷却ファンが作動すると該作動に伴い発生する空気流を用いて他の流体を冷却する熱交換器の、冷却を補助する冷却補助装置であって、前記熱交換器の上部に配置され、水を貯留し、及び、貯留した水を前記熱交換器に排出する排出口が設けられた水貯留タンクと、前記排出口を塞ぐように設けられ、かつ、前記冷却ファンが作動すると該作動に伴い発生する吸込み圧により前記排出口を開くように変位する排出口制御部材と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の熱交換器の冷却補助装置であって、前記車両が走行中には、前記排出口制御部材の全部又は一部を前記水貯留タンクとの間で挟持して前記排出口制御部材の変位を規制する変位規制部材をさらに備えたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の熱交換器の冷却補助装置であって、前記排出口制御部材は、前記冷却ファンの作動に伴い発生する吸込み圧を受ける受圧部と、前記受圧部と一体に形成され、前記受圧部が吸込み圧を受けて変位すると該変位に連動して前記排出口を開くように変位する排出口開閉部と、を備えたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の熱交換器の冷却補助装置であって、前記変位規制部材は、前記水貯留タンクの車両前方側に設けられ、車両の走行風を受けると該走行風により車両後方側に変位する面部と、前記面部と一体に形成され、前記面部に連動して車両後方側に変位すると前記排出口開閉部を前記水貯留タンクとの間で挟持する挟持部と、を備えたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4の何れか一項に記載の熱交換器の冷却補助装置であって、前記冷却ファンを収納するシュラウドと一体に形成されることを特徴とするものである。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5の何れか一項に記載の熱交換器の冷却補助装置であって、前記水貯留タンクに貯留される水は、雨水又はエアコンのドレン水であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、熱交換器の冷却補助装置は、水を貯留する水貯留タンク及び水貯留タンクに設けられた排出口を開閉する排出口制御部材を用いて熱交換器の冷却を補助するので、部品点数が少ない簡易な構成で熱交換器の熱交換効率を高めることができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、熱交換器の冷却補助装置は、車両が走行中には排出口制御部材の変位を規制して排出口を塞いだ状態にする変位規制部材を備えているので、冷却を補助する必要性の低い車両の走行中には冷却を補助しないようにすることで、必要に応じて熱交換器の熱交換効率を高めることができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、排出口制御部材は、冷却ファンの作動に伴い発生する吸込み圧を受ける受圧部と、受圧部が吸込み圧を受けて変位すると該変位に連動して排出口を開くように変位する排出口開閉部とを備えているので、冷却ファンの作動に伴い発生する吸込み圧を効率的に利用して熱交換器の熱交換効率を高めることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、変位規制部材は、車両の走行風により車両後方側に変位する面部と、面部に連動して車両後方側に変位すると排出口制御部材を水貯留タンクとの間で挟持する挟持部を備えているので、簡易な構成で車両が走行中か非走行かを判定でき、必要に応じて熱交換器の熱交換効率を高めることができる。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、熱交換器の冷却補助装置は、シュラウドと一体に形成されるので、車両への搭載性を高めることができる。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、水貯留タンクに貯留される水は、雨水又はエアコンのドレン水であるので、蒸発潜熱が大きく環境負荷の小さい水を利用して熱交換器の熱交換効率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0020】
(システム構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る空冷式凝縮器の冷却補助装置3を含む冷却システム1全体の概略構成図である。図1に示す冷却システム1は、上面がボンネット11で覆われた車両12のエンジンルーム13内の車両前方側に配設されている。この冷却システム1は、空冷式凝縮器2、冷却補助装置3、シュラウド4、冷却ファン5を備えた構成である。
【0021】
以下、冷却システム1の各構成要素について説明する。
【0022】
空冷式凝縮器2は、エンジンルーム13内の車両前方側に配設され、車両12が走行しているときに前方から受ける走行風又は冷却ファン5の作動に伴い発生する空気流(図1の矢印方向)を用いて、内部を流れる流体を凝縮する公知の空冷式の凝縮器である。この空冷式凝縮器2は、配管を介して接続される不図示の膨張器から送られてきた流体を凝縮し、配管を介して接続される不図示のポンプに対して凝縮した流体を送る。すなわち、空冷式凝縮器2は車両12に搭載されたランキンサイクルシステムの一つの構成要素である。
【0023】
冷却補助装置3は、空冷式凝縮器2の冷却を補助する装置である。この冷却補助装置3は、水貯留タンク6、水貯留タンク6に設けられた排出口7、排出口制御部材8、変位規制部材9を備えており、水貯留タンク6に貯留された水を排出口7から空冷式凝縮器2に向けて排出することにより放熱を促して冷却を補助する。また、この冷却補助装置3はシュラウド4と一体に形成されている。詳細については図2〜5を用いて後述する。
【0024】
シュラウド4は、空冷式凝縮器2の車両後方側に配設されて冷却ファン5を収納するカバーである。このシュラウド4は冷却ファン5による冷却効果を高めるために設けられている。
【0025】
冷却ファン5は、図1の矢印方向つまり車両前方側から後方側に向かって空気流を発生させる公知の送風機である。空冷式凝縮器2の凝縮効率を高める必要があるとき(例えば車両12がアイドル運転中などで空冷式凝縮器2が走行風を十分に得られないとき)に、不図示のコントローラにより制御されて作動する。
【0026】
(冷却補助装置3)
図2は、本発明の一実施形態に係る冷却補助装置3の概略斜視図である。図2では図1の冷却補助装置3を拡大して示している。なお、説明の便宜上、水貯留タンク6及び変位規制部材9の手前側については断面で示している。
【0027】
以下、冷却補助装置3を構成する各構成要素について説明する。
【0028】
水貯留タンク6は、空冷式凝縮器2の上部に配置され、水を貯留するための機器である。この水貯留タンク6は、厳密に言うと、変位規制部材9との間で水を貯留するための一つの閉じた空間を形成している。また、水貯留タンク6の下部に延びたシュラウド部6aを介してシュラウド4と一体に形成されている。素材は樹脂等である。
【0029】
この水貯留タンク6のタンク下面には排出口7(図2では複数の微細な穴)が設けられている。この排出口7は水貯留タンク6に貯留した水を空冷式凝縮器2に対して排出する穴である。一方、水貯留タンク6のタンク上面には不図示の水の取り込み口が設けられており、雨水やエアコンのドレン水がこの取り込み口を通じて水貯留タンク6に貯留される。
【0030】
排出口制御部材8は、水貯留タンク6の車両後方側かつ車両下方側の位置に車両幅方向を軸に回動可能に取り付けられた部材である。略直方体形状の受圧部81と、この受圧部81と略垂直に一体に形成されて排出口7を開閉する略直方体形状の排出口開閉部82とを備えた構成である。素材は樹脂等である。
【0031】
排出口開閉部82の排出口7の側の面と水貯留タンク6の内壁の天井との間はバネ等の弾性部材で接続されている。この弾性部材の弾性力により、排出口開閉部82は原則的には排出口7を塞いでいる。一方、冷却ファン5が作動して受圧部81が吸込み圧を受けると、吸込み圧が弾性部材の弾性力による圧力よりも大きいときには受圧部81は変位(図2では反時計回りに回動)する。そうすると、排出口開閉部82はこの変位に連動して排出口7を開くように変位する。
【0032】
変位規制部材9は、水貯留タンク6の車両前方側に設けられた部材である。車両12の走行風を受けると走行風により車両後方側に変位可能な面部91と、面部91の外周から車両後方側に水貯留タンク6を包むように延びて形成され、かつ、面部91の車両前後方向への変位に連動して水貯留タンク6との間で車両前後方向に摺動可能な摺動部92と、この摺動部92の一部が屈曲されて水貯留タンク6との間で所定の間隙をもつように形成された挟持部93とを備えた構成である。素材は樹脂等である。なお、この変位規制部材9は前述の水貯留タンク6との間で水を貯留するための一つの閉じた空間を形成している。
【0033】
このような構成の変位規制部材9は、水貯留タンク6に貯留された水の水圧により原則的には車両前方側に位置している。一方、車両12が走行して面部91に車両前方側から車両後方側への走行風圧がかかると、走行風圧が水貯留タンク6に貯留された水の水圧よりも大きいときに面部91は車両前方側から車両後方側へ変位する。そうすると、挟持部93もこれに連動して車両後方側へ変位して排出口開閉部82の全部又は一部を挟持部93と水貯留タンク6との間で挟持する。
【0034】
以上のように本実施形態に係る冷却補助装置3は、冷却ファン5の作動に伴い発生する吸込み圧を用いて排出口7を開閉するよう制御する排出口制御部材8と、車両12の走行により発生する走行風圧を用いて排出口制御部材8の変位を規制する又は変位の規制を解除する変位規制部材とを備えている。
【0035】
続いて、このように構成される冷却補助装置3の作用について具体的に説明する。
【0036】
(車両走行時の作用)
図3は、車両走行時の冷却補助装置3の作用を説明する図である。図3は図2の冷却補助装置3を車両幅方向からみた図を示している。
【0037】
車両12が走行して水貯留タンク6の内部から外側に向かって働く水の水圧よりも大きい走行風圧が面部91にかかると、面部91は車両前方側から車両後方側へ変位する。そうすると、挟持部93もこれに連動して車両後方側へ変位して排出口開閉部82の全部又は一部を挟持部93と水貯留タンク6との間で挟持する(図3参照)。そのため、排出口開閉部82は排出口7を開くことができず、水貯留タンク6に貯留された水は空冷式凝縮器2に対して排出されない。
このように車両12が走行していて走行風を十分に得られるときには、冷却を補助する必要性が低い。そこで、排出口開閉部82の変位を規制することにより冷却補助装置3は冷却を補助しないようにしている。
【0038】
(車両非走行時の作用)
図4(a)は、車両非走行時の冷却補助装置3の作用を説明する図である(冷却ファン5が非作動時)。図4(b)は、車両非走行時の冷却補助装置3の作用を説明する図である(冷却ファン5が作動時)。図4は図2の冷却補助装置3を車両幅方向からみた図を示している。
【0039】
車両12がアイドル運転時などの非走行時(又は走行時であっても水貯留タンク6の内部から外側に向かって働く水の水圧よりも小さい走行風圧が面部91にかかっているとき)には、面部91は車両前方側に変位する。そうすると、挟持部93もこれに連動して車両前方側に変位して排出口開閉部82の挟持を解除する(図4(a)、(b)参照)。そうすると、排出口開閉部82は自由に変位可能になる。
【0040】
このときに、冷却ファン5が非作動時(又は作動時であっても受圧部81にかかる吸込み圧が弾性部材の弾性力による圧力より小さいとき)には、図4(a)のように排出口開閉部82は排出口7を塞ぐように位置する。そのため、水貯留タンク6に貯留された水は空冷式凝縮器2に対して排出されない。
【0041】
このように冷却ファン5が非作動時又はLow状態での作動時には、冷却を補助する必要性が低い。そこで、排出口開閉部82が排出口7を塞ぐことにより冷却補助装置3は冷却を補助しないようにしている。
【0042】
一方、冷却ファン5が作動時であって受圧部81にかかる吸込み圧が弾性部材の弾性力による圧力よりも大きいときには、図4(b)のように排出口開閉部82は排出口7を開くように変位する。そのため、水貯留タンク6に貯留された水は空冷式凝縮器2に対して排出される。
【0043】
このように冷却ファン5がHigh状態での作動時には、冷却を補助する必要性が高い。そこで、排出口開閉部82が排出口7を開くことにより冷却補助装置3は冷却を補助するようにしている。なお、冷却ファン5の作動状態がLow状態での作動に移行すると、再び図4(a)のように排出口開閉部82は排出口7を塞ぐような位置に戻る。
【0044】
以上のように、本実施形態に係る冷却補助装置3は、水を貯留する水貯留タンク6及び水貯留タンク6に設けられた排出口7を開閉する排出口制御部材8を用いて空冷式凝縮器2の冷却を補助するので、特別な制御用のコントローラを用いることなく部品点数が少ない簡易な構成で空冷式凝縮器2の熱交換効率を高めることができる。
【0045】
また、本実施形態に係る冷却補助装置3は、車両12が走行中には排出口制御部材8の変位を規制して排出口7を塞いだ状態にする変位規制部材9を備えているので、冷却を補助する必要性の低い車両12の走行中には冷却を補助しないようにすることで、必要に応じて空冷式凝縮器2の熱交換効率を高めることができる。
【0046】
また、本実施形態に係る排出口制御部材8は、冷却ファン5の作動に伴い発生する吸込み圧を受ける受圧部81と、受圧部81が吸込み圧を受けて変位すると該変位に連動して排出口7を開くように変位する排出口開閉部82とを備えているので、冷却ファン5の作動に伴い発生する吸込み圧を効率的に利用して空冷式凝縮器2の熱交換効率を高めることができる。
【0047】
また、本実施形態に係る変位規制部材9は、車両12の走行風により車両後方側に変位する面部91と、面部91に連動して車両後方側に変位すると排出口制御部材8を水貯留タンク6との間で挟持する挟持部93を備えているので、簡易な構成で車両12が走行中か非走行かを判定でき、必要に応じて空冷式凝縮器2の熱交換効率を高めることができる。
【0048】
また、本実施形態に係る冷却補助装置3は、シュラウド4と一体に形成されるので、車両12への搭載性を高めることができる。
【0049】
また、本実施形態に係る水貯留タンク6に貯留される水は、雨水又はエアコンのドレン水であるので、蒸発潜熱が大きく環境負荷の小さい水を利用して空冷式凝縮器2の熱交換効率を高めることができる。
【0050】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例を示したものであり、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0051】
例えば、上記説明においては、車両12に搭載されたランキンサイクルシステムの一つの構成要素である空冷式凝縮器2に対して適用した例を示したが、この場合に限らない。車両12に搭載されたその他の熱交換器であってもよい。
【0052】
また、上記説明においては、水貯留タンク6のタンク上面に設けられた水の取り込み口を通じて雨水やエアコンのドレン水が水貯留タンク6に貯留されると説明したが、水貯留タンク6の水位を一定にするために別の貯留タンクで水貯留タンク6に配管等で接続したものをさらに設けてもよい。また、水貯留タンク6のタンク上部の側面に貫通穴を設けて水位がある一定以上になると自動的に水が排出されるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施形態に係る空冷式凝縮器の冷却補助装置を含むシステム全体の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る冷却補助装置の概略斜視図である。
【図3】車両走行時の冷却補助装置の作用を説明する図である。
【図4】車両非走行時の冷却補助装置の作用を説明する図である。
【符号の説明】
【0054】
2 空冷式凝縮器
3 冷却補助装置
4 シュラウド
5 冷却ファン
6 水貯留タンク
6a シュラウド部
7 排出口
8 排出口制御部材
9 変位規制部材
12 車両
81 受圧部
82 排出口開閉部
91 面部
92 摺動部
93 挟持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(12)に搭載されて冷却ファン(5)が作動すると該作動に伴い発生する空気流を用いて他の流体を冷却する熱交換器(2)の、冷却を補助する冷却補助装置(3)であって、
前記熱交換器(2)の上部に配置され、水を貯留し、及び、貯留した水を前記熱交換器(2)に向けて排出する排出口(7)が設けられた水貯留タンク(6)と、
前記排出口(7)を塞ぐように設けられ、かつ、前記冷却ファン(5)が作動すると該作動に伴い発生する吸込み圧により前記排出口(7)を開くように変位する排出口制御部材(8)と、
を備えたことを特徴とする熱交換器の冷却補助装置。
【請求項2】
請求項1に記載の熱交換器の冷却補助装置であって、
前記車両(12)が走行中には、前記排出口制御部材(8)の全部又は一部を前記水貯留タンク(6)との間で挟持して前記排出口制御部材(8)の変位を規制する変位規制部材(9)をさらに備えたことを特徴とする熱交換器の冷却補助装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の熱交換器の冷却補助装置であって、
前記排出口制御部材(8)は、
前記冷却ファン(5)の作動に伴い発生する吸込み圧を受ける受圧部(81)と、
前記受圧部(81)と一体に形成され、前記受圧部(81)が吸込み圧を受けて変位すると該変位に連動して前記排出口(7)を開くように変位する排出口開閉部(82)と、
を備えたことを特徴とする熱交換器の冷却補助装置。
【請求項4】
請求項3に記載の熱交換器の冷却補助装置であって、
前記変位規制部材(9)は、
前記水貯留タンク(6)の車両前方側に設けられ、車両(12)の走行風を受けると該走行風により車両後方側に変位する面部(91)と、
前記面部(91)と一体に形成され、前記面部(91)に連動して車両後方側に変位すると前記排出口開閉部(82)を前記水貯留タンク(6)との間で挟持する挟持部(93)と、
を備えたことを特徴とする熱交換器の冷却補助装置。
【請求項5】
請求項1から4の何れか一項に記載の熱交換器の冷却補助装置であって、
前記冷却ファン(5)を収納するシュラウド(4)と一体に形成されることを特徴とする熱交換器の冷却補助装置。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一項に記載の熱交換器の冷却補助装置であって、
前記水貯留タンク(6)に貯留される水は、雨水又はエアコンのドレン水であることを特徴とする熱交換器の冷却補助装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−151371(P2010−151371A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−329847(P2008−329847)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】