熱交換器及びその製造方法
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蛇行状のチュ−ブの直線部間に熱交換フィンを介装したサ−ペンタインタイプの熱交換器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7及び図8は従来の熱交換器を示すもので、図7には熱交換器の正面図を、図8にはチュ−ブの部分拡大図を夫々示してある。
【0003】この熱交換器は、蛇行状に成形されたチュ−ブ21と、該チュ−ブ21間の隙間に介装された熱交換フィン22とから構成されている。
【0004】チュ−ブ21は偏平チュ−ブ材を屈曲して形成され、直線部21aと、所定の曲率R2 をもって角度θ2 だけ折曲げられた曲げ部21bとを連続して有しており、また複数の直線部21aを隙間を介して平行に配列されている。熱交換フィン22はコルゲ−トフィンからなり、チュ−ブ21の直線部21a間に介装され、ろう付け等によって固着されている。
【0005】直線部21aを平行に配列する関係から上記の曲げ角度θ2 は180°が一般的であって、曲げ部21bは半円形をなしており、また直線部21aの配列ピッチP2 は曲げ部21bの曲率半径R2 の2倍値(2R2 )と一致している。つまり、曲げ部21bに至る2本の直線部21aの最大幅SC2 は曲げ部21bの最大幅SM2 と一致している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記熱交換器におけるチュ−ブ21の直線部21aの配列ピッチP2 は、熱交換効率を考えると可能な限り小さいほうが望ましいと言える。しかしながら、上記の熱交換器ではチュ−ブ21をアルミニウム等の軟質金属から形成したとしても、該曲げ部21bの曲率半径R2 を小さくすることにはひび割れや歪み等の成形上の問題から自ずと限界がある。例えば、高さ5mmのアルミ製の偏平チュ−ブ材を折曲げてチュ−ブ21を得る場合では、曲げ部21bの曲率半径R2 は10mm前後が成形上の限界であり、つまり直線部21aの配列ピッチP2 を20mmよりも小さくすることができない。
【0007】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、チュ−ブの直線部の配列ピッチを極力小さく形成できる熱交換器及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1では、直線部と曲げ部とを連続して有し、複数の直線部を隙間を介して平行に配列した蛇行状のチュ−ブと、チュ−ブの直線部間に介装された熱交換フィンとから成る熱交換器において、曲げ部の最大幅を、該曲げ部に至る2本の直線部の最大幅よりも大きく形成している。
【0009】また、請求項2では、直線部と曲げ部とを連続して有する蛇行チュ−ブを得る工程と、拡大頭部と該拡大頭部よりも幅の狭い平板部とを有する成形コアを、拡大頭部が曲げ部内側に当接するように該曲げ部に至る直線部間夫々に挿入する工程と、蛇行チュ−ブを直線部と直交する方向にプレスする工程と、成形コアを取出し成形チュ−ブの直線部間に熱交換フィンを介装して両者を固着する工程とから熱交換器を製造している。
【0010】
【作用】請求項1記載の熱交換器によれば、チュ−ブの曲げ部の最大幅が、該曲げ部に至る2本の直線部の最大幅よりも大きく形成されているので、曲げ部部分を無理に折曲げて形成することなく直線部の配列ピッチを小さくできる。
【0011】請求項2記載の製造方法によれば、所定の成形コアを蛇行チュ−ブの直線部間に挿入しプレスするのみの簡単な作業で、工数増加を招くことなく請求項1記載の熱交換器を的確に製造できる。
【0012】
【実施例1】図1乃至図6は本発明の第1実施例を示すもので、図1には熱交換器の正面図を、図2にはチュ−ブの部分拡大図を、図3乃至図6にはは図1に示した熱交換器の製造工程図を夫々示してある。
【0013】まず、図1及び図2を参照して、熱交換器の構成について説明する。
【0014】図に示した熱交換器は、蛇行状に成形されたチュ−ブ1と、該チュ−ブ1間の隙間に介装された熱交換フィン2とから構成されている。
【0015】チュ−ブ1は偏平チュ−ブ材を屈曲して形成され、直線部1aと、所定の曲率R1 をもって角度θ1 だけ折曲げられた曲げ部1bとを連続して有しており、また複数の直線部1aを隙間を介して平行に配列されている。熱交換フィン2はコルゲ−トフィンからなり、チュ−ブ1の直線部1a間に介装され、ろう付け等によって固着されている。
【0016】上記の曲げ角度θ1 は約270°であって、曲げ部1bは略3/4円形をなしており、また直線部1aの配列ピッチP1 は曲げ部1bの曲率半径R1 の2倍値(2R1 )よりも小さい。つまり、曲げ部1bに至る2本の直線部1aの最大幅SC1 は曲げ部1bの最大幅SM1 よりも小さい。
【0017】即ち、上述の熱交換器では、図7及び図8に示した従来の熱交換器と同一の曲率で曲げ部1aを形成する場合でも直線部1aの配列ピッチP1 をかなり小さくすることが可能であり、外形寸法が同一の熱交換器を形成する場合でも熱交換容量を大幅に高めることができ、換言すれば小型な熱交換器で同程度の熱交換量を得ることができる。
【0018】次に、図3乃至図6を参照して、上記熱交換器の好適な製造方法について説明する。
【0019】まず、偏平チュ−ブ材を周知の折曲げ機(図示省略)を用いて折曲げ、図3に示すような直線部Caと曲げ部Cbとを連続して有する蛇行チュ−ブCを成形する。図面上では直線部Caが平行になっているが、実際にはこの成形の段階で直線部Caに平行度を出すことは難しい。
【0020】次いで、図1及び図2に示した曲げ部1bの内形に一致した断面形状を有する拡大頭部Kaと,該拡大頭部Kaよりも幅が狭く、且つ直線部1a間の隙間に一致した肉厚及び長さを有する平板部Kaとが一体に形成された成形コアKを、図4に示すように、その拡大頭部Kaが曲げ部Cbの内側に当接するように該曲げ部Cbに至る直線部Ca間夫々に挿入する。成形コアKは曲げ部Cbの個数分だけ用意され、且つ平板部Kbが互いが平行に且つ直交方向に移動可能に保持されており、蛇行チュ−ブCの側方から直線部Ca間夫々に同時に挿入される。
【0021】次いで、成形コアKが挿入された蛇行チュ−ブCを、図5に示すように、その一側端の直線部CaがベッドPa上に当接するようにプレス機に装着し、他側端の直線部Caを該直線部Caと直交する方向にスライドブロックPbによってプレスする。このプレスにより成形された蛇行チュ−ブCは、その曲げ部Cbが成形コアKの拡大部Kaの外形に沿って折曲げられ、また直線部Caが成形コアKの平板部Kbに沿って互いに平行になるように矯正される。
【0022】次いで、成形後の蛇行チュ−ブSから成形コアKを取出す。成形コアKを取出した後の成形チュ−ブSは、図6に示すように、図1及び図2のチュ−ブ1と一致した形状を有している。
【0023】次いで、図6に示した成形チュ−ブSの直線部Sa間夫々に、該隙間に一致した幅を有するコルゲ−トフィン(図示省略)を挿入し、また他に部品がある場合にはそれらを組付けた後に、ろう付け等の固着方法を用いて両者を一体に固着する。これにより、図1に示した熱交換器が製造される。
【0024】即ち、上述の製造方法によれば、所定の成形コアKを蛇行チュ−ブCの直線部Ca間に挿入しプレスするのみの簡単な作業で、図1に示した熱交換器を的確に製造することができる。また、従来の熱交換器の製造方法において蛇行チュ−ブの各直線部に平行度を出す際の矯正工程で使用していた治具を成形コアKに変更するだけで上記の成形を行なえるので、製造工数が増加することもない。
【0025】
【実施例2】図9には本発明の第2実施例を示すチュ−ブの部分拡大図を示してある。
【0026】図に示したチュ−ブ11は、第1実施例と同様に偏平チュ−ブ材を屈曲して形成され、直線部11aと、所定の曲率R3 をもって角度θ3だけ折曲げられた曲げ部11bとを連続して有しており、また複数の直線部11aを隙間を介して平行に配列されている。
【0027】上記の曲げ角度θ3 は約225°であって、曲げ部11bは略5/8円形をなしており、また直線部1aの配列ピッチP3 は曲げ部11bの曲率半径R3 の2倍値(2R3 )よりも小さい。つまり、曲げ部11bに至る2本の直線部11aの最大幅SC3 は曲げ部11bの最大幅SM3 よりも小さい。
【0028】即ち、上述の熱交換器では、図7及び図8に示した従来の熱交換器と同一の曲率で曲げ部11aを形成する場合でも直線部11aの配列ピッチP3 をかなり小さくすることが可能であり、第1実施例の熱交換器と同様の効果を得ることができる。また、曲げ部11bの内形に一致した断面形状を有する拡大頭部を有する成形コアを使用すれば、第1実施例と同様に簡単な作業で熱交換器を的確に製造することができる。
【0029】
【実施例3】図10には本発明の第3実施例を示す熱交換器の部分正面図を示してある。
【0030】図に示した熱交換器は、チュ−ブ12の曲げ部12bが互いに当接して形成されている。
【0031】この熱交換器では、曲げ部12bの接合によって熱交換器自体の特に図中の上下方向の剛性を得ることができる。また、チュ−ブ12と熱交換フィン13の固着と同時に接合部分をろう付け等で固着すれば、より一層の強度を付与することも可能である。
【0032】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の熱交換器によれば、従来の熱交換器と同一の曲率で曲げ部を形成する場合でも直線部の配列ピッチをかなり小さくすることが可能であり、外形寸法が同一の熱交換器を形成する場合でも熱交換容量を大幅に高めることができ、換言すれば小型な熱交換器で同程度の熱交換量を得ることができる。
【0033】また、請求項2記載の製造方法によれば、所定の成形コアを蛇行チュ−ブの直線部間に挿入しプレスするのみの簡単な作業で、上記熱交換器を的確に形成することができる。また、従来の熱交換器の製造方法において蛇行チュ−ブの各直線部に平行度を出す際の矯正工程で使用していた治具を成形コアに変更するだけで上記の成形を行なえるので、製造工数が増加することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す熱交換器の正面図
【図2】チュ−ブの部分拡大図
【図3】図1に示した熱交換器の製造工程図
【図4】同製造工程図
【図5】同製造工程図
【図6】同製造工程図
【図7】従来例を示す熱交換器の正面図
【図8】チュ−ブの部分拡大図
【図9】本発明の第2実施例を示すチュ−ブの部分拡大図
【図10】本発明の第3実施例を示す熱交換器の部分正面図
【符号の説明】
1,11,12…チュ−ブ、1a,11a,…直線部、1b,11b,12b…曲げ部、2,13…熱交換フィン、C…蛇行チュ−ブ、K…成形コア、Ka…拡大頭部、Kb…平板部、S…成形チュ−ブ。
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蛇行状のチュ−ブの直線部間に熱交換フィンを介装したサ−ペンタインタイプの熱交換器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7及び図8は従来の熱交換器を示すもので、図7には熱交換器の正面図を、図8にはチュ−ブの部分拡大図を夫々示してある。
【0003】この熱交換器は、蛇行状に成形されたチュ−ブ21と、該チュ−ブ21間の隙間に介装された熱交換フィン22とから構成されている。
【0004】チュ−ブ21は偏平チュ−ブ材を屈曲して形成され、直線部21aと、所定の曲率R2 をもって角度θ2 だけ折曲げられた曲げ部21bとを連続して有しており、また複数の直線部21aを隙間を介して平行に配列されている。熱交換フィン22はコルゲ−トフィンからなり、チュ−ブ21の直線部21a間に介装され、ろう付け等によって固着されている。
【0005】直線部21aを平行に配列する関係から上記の曲げ角度θ2 は180°が一般的であって、曲げ部21bは半円形をなしており、また直線部21aの配列ピッチP2 は曲げ部21bの曲率半径R2 の2倍値(2R2 )と一致している。つまり、曲げ部21bに至る2本の直線部21aの最大幅SC2 は曲げ部21bの最大幅SM2 と一致している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記熱交換器におけるチュ−ブ21の直線部21aの配列ピッチP2 は、熱交換効率を考えると可能な限り小さいほうが望ましいと言える。しかしながら、上記の熱交換器ではチュ−ブ21をアルミニウム等の軟質金属から形成したとしても、該曲げ部21bの曲率半径R2 を小さくすることにはひび割れや歪み等の成形上の問題から自ずと限界がある。例えば、高さ5mmのアルミ製の偏平チュ−ブ材を折曲げてチュ−ブ21を得る場合では、曲げ部21bの曲率半径R2 は10mm前後が成形上の限界であり、つまり直線部21aの配列ピッチP2 を20mmよりも小さくすることができない。
【0007】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、チュ−ブの直線部の配列ピッチを極力小さく形成できる熱交換器及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1では、直線部と曲げ部とを連続して有し、複数の直線部を隙間を介して平行に配列した蛇行状のチュ−ブと、チュ−ブの直線部間に介装された熱交換フィンとから成る熱交換器において、曲げ部の最大幅を、該曲げ部に至る2本の直線部の最大幅よりも大きく形成している。
【0009】また、請求項2では、直線部と曲げ部とを連続して有する蛇行チュ−ブを得る工程と、拡大頭部と該拡大頭部よりも幅の狭い平板部とを有する成形コアを、拡大頭部が曲げ部内側に当接するように該曲げ部に至る直線部間夫々に挿入する工程と、蛇行チュ−ブを直線部と直交する方向にプレスする工程と、成形コアを取出し成形チュ−ブの直線部間に熱交換フィンを介装して両者を固着する工程とから熱交換器を製造している。
【0010】
【作用】請求項1記載の熱交換器によれば、チュ−ブの曲げ部の最大幅が、該曲げ部に至る2本の直線部の最大幅よりも大きく形成されているので、曲げ部部分を無理に折曲げて形成することなく直線部の配列ピッチを小さくできる。
【0011】請求項2記載の製造方法によれば、所定の成形コアを蛇行チュ−ブの直線部間に挿入しプレスするのみの簡単な作業で、工数増加を招くことなく請求項1記載の熱交換器を的確に製造できる。
【0012】
【実施例1】図1乃至図6は本発明の第1実施例を示すもので、図1には熱交換器の正面図を、図2にはチュ−ブの部分拡大図を、図3乃至図6にはは図1に示した熱交換器の製造工程図を夫々示してある。
【0013】まず、図1及び図2を参照して、熱交換器の構成について説明する。
【0014】図に示した熱交換器は、蛇行状に成形されたチュ−ブ1と、該チュ−ブ1間の隙間に介装された熱交換フィン2とから構成されている。
【0015】チュ−ブ1は偏平チュ−ブ材を屈曲して形成され、直線部1aと、所定の曲率R1 をもって角度θ1 だけ折曲げられた曲げ部1bとを連続して有しており、また複数の直線部1aを隙間を介して平行に配列されている。熱交換フィン2はコルゲ−トフィンからなり、チュ−ブ1の直線部1a間に介装され、ろう付け等によって固着されている。
【0016】上記の曲げ角度θ1 は約270°であって、曲げ部1bは略3/4円形をなしており、また直線部1aの配列ピッチP1 は曲げ部1bの曲率半径R1 の2倍値(2R1 )よりも小さい。つまり、曲げ部1bに至る2本の直線部1aの最大幅SC1 は曲げ部1bの最大幅SM1 よりも小さい。
【0017】即ち、上述の熱交換器では、図7及び図8に示した従来の熱交換器と同一の曲率で曲げ部1aを形成する場合でも直線部1aの配列ピッチP1 をかなり小さくすることが可能であり、外形寸法が同一の熱交換器を形成する場合でも熱交換容量を大幅に高めることができ、換言すれば小型な熱交換器で同程度の熱交換量を得ることができる。
【0018】次に、図3乃至図6を参照して、上記熱交換器の好適な製造方法について説明する。
【0019】まず、偏平チュ−ブ材を周知の折曲げ機(図示省略)を用いて折曲げ、図3に示すような直線部Caと曲げ部Cbとを連続して有する蛇行チュ−ブCを成形する。図面上では直線部Caが平行になっているが、実際にはこの成形の段階で直線部Caに平行度を出すことは難しい。
【0020】次いで、図1及び図2に示した曲げ部1bの内形に一致した断面形状を有する拡大頭部Kaと,該拡大頭部Kaよりも幅が狭く、且つ直線部1a間の隙間に一致した肉厚及び長さを有する平板部Kaとが一体に形成された成形コアKを、図4に示すように、その拡大頭部Kaが曲げ部Cbの内側に当接するように該曲げ部Cbに至る直線部Ca間夫々に挿入する。成形コアKは曲げ部Cbの個数分だけ用意され、且つ平板部Kbが互いが平行に且つ直交方向に移動可能に保持されており、蛇行チュ−ブCの側方から直線部Ca間夫々に同時に挿入される。
【0021】次いで、成形コアKが挿入された蛇行チュ−ブCを、図5に示すように、その一側端の直線部CaがベッドPa上に当接するようにプレス機に装着し、他側端の直線部Caを該直線部Caと直交する方向にスライドブロックPbによってプレスする。このプレスにより成形された蛇行チュ−ブCは、その曲げ部Cbが成形コアKの拡大部Kaの外形に沿って折曲げられ、また直線部Caが成形コアKの平板部Kbに沿って互いに平行になるように矯正される。
【0022】次いで、成形後の蛇行チュ−ブSから成形コアKを取出す。成形コアKを取出した後の成形チュ−ブSは、図6に示すように、図1及び図2のチュ−ブ1と一致した形状を有している。
【0023】次いで、図6に示した成形チュ−ブSの直線部Sa間夫々に、該隙間に一致した幅を有するコルゲ−トフィン(図示省略)を挿入し、また他に部品がある場合にはそれらを組付けた後に、ろう付け等の固着方法を用いて両者を一体に固着する。これにより、図1に示した熱交換器が製造される。
【0024】即ち、上述の製造方法によれば、所定の成形コアKを蛇行チュ−ブCの直線部Ca間に挿入しプレスするのみの簡単な作業で、図1に示した熱交換器を的確に製造することができる。また、従来の熱交換器の製造方法において蛇行チュ−ブの各直線部に平行度を出す際の矯正工程で使用していた治具を成形コアKに変更するだけで上記の成形を行なえるので、製造工数が増加することもない。
【0025】
【実施例2】図9には本発明の第2実施例を示すチュ−ブの部分拡大図を示してある。
【0026】図に示したチュ−ブ11は、第1実施例と同様に偏平チュ−ブ材を屈曲して形成され、直線部11aと、所定の曲率R3 をもって角度θ3だけ折曲げられた曲げ部11bとを連続して有しており、また複数の直線部11aを隙間を介して平行に配列されている。
【0027】上記の曲げ角度θ3 は約225°であって、曲げ部11bは略5/8円形をなしており、また直線部1aの配列ピッチP3 は曲げ部11bの曲率半径R3 の2倍値(2R3 )よりも小さい。つまり、曲げ部11bに至る2本の直線部11aの最大幅SC3 は曲げ部11bの最大幅SM3 よりも小さい。
【0028】即ち、上述の熱交換器では、図7及び図8に示した従来の熱交換器と同一の曲率で曲げ部11aを形成する場合でも直線部11aの配列ピッチP3 をかなり小さくすることが可能であり、第1実施例の熱交換器と同様の効果を得ることができる。また、曲げ部11bの内形に一致した断面形状を有する拡大頭部を有する成形コアを使用すれば、第1実施例と同様に簡単な作業で熱交換器を的確に製造することができる。
【0029】
【実施例3】図10には本発明の第3実施例を示す熱交換器の部分正面図を示してある。
【0030】図に示した熱交換器は、チュ−ブ12の曲げ部12bが互いに当接して形成されている。
【0031】この熱交換器では、曲げ部12bの接合によって熱交換器自体の特に図中の上下方向の剛性を得ることができる。また、チュ−ブ12と熱交換フィン13の固着と同時に接合部分をろう付け等で固着すれば、より一層の強度を付与することも可能である。
【0032】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の熱交換器によれば、従来の熱交換器と同一の曲率で曲げ部を形成する場合でも直線部の配列ピッチをかなり小さくすることが可能であり、外形寸法が同一の熱交換器を形成する場合でも熱交換容量を大幅に高めることができ、換言すれば小型な熱交換器で同程度の熱交換量を得ることができる。
【0033】また、請求項2記載の製造方法によれば、所定の成形コアを蛇行チュ−ブの直線部間に挿入しプレスするのみの簡単な作業で、上記熱交換器を的確に形成することができる。また、従来の熱交換器の製造方法において蛇行チュ−ブの各直線部に平行度を出す際の矯正工程で使用していた治具を成形コアに変更するだけで上記の成形を行なえるので、製造工数が増加することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す熱交換器の正面図
【図2】チュ−ブの部分拡大図
【図3】図1に示した熱交換器の製造工程図
【図4】同製造工程図
【図5】同製造工程図
【図6】同製造工程図
【図7】従来例を示す熱交換器の正面図
【図8】チュ−ブの部分拡大図
【図9】本発明の第2実施例を示すチュ−ブの部分拡大図
【図10】本発明の第3実施例を示す熱交換器の部分正面図
【符号の説明】
1,11,12…チュ−ブ、1a,11a,…直線部、1b,11b,12b…曲げ部、2,13…熱交換フィン、C…蛇行チュ−ブ、K…成形コア、Ka…拡大頭部、Kb…平板部、S…成形チュ−ブ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】直線部と曲げ部とを連続して有し、複数の直線部を隙間を介して平行に配列した蛇行状のチュ−ブと、チュ−ブの直線部間に介装された熱交換フィンとから成る熱交換器において、曲げ部の最大幅を、該曲げ部に至る2本の直線部の最大幅よりも大きく形成した、ことを特徴とする熱交換器。
【請求項2】直線部と曲げ部とを連続して有する蛇行チュ−ブを得る工程と、拡大頭部と該拡大頭部よりも幅の狭い平板部とを有する成形コアを、拡大頭部が曲げ部内側に当接するように該曲げ部に至る直線部間夫々に挿入する工程と、蛇行チュ−ブを直線部と直交する方向にプレスする工程と、成形コアを取出し成形チュ−ブの直線部間に熱交換フィンを介装して両者を固着する工程とから成る、ことを特徴とする熱交換器の製造方法。
【請求項1】直線部と曲げ部とを連続して有し、複数の直線部を隙間を介して平行に配列した蛇行状のチュ−ブと、チュ−ブの直線部間に介装された熱交換フィンとから成る熱交換器において、曲げ部の最大幅を、該曲げ部に至る2本の直線部の最大幅よりも大きく形成した、ことを特徴とする熱交換器。
【請求項2】直線部と曲げ部とを連続して有する蛇行チュ−ブを得る工程と、拡大頭部と該拡大頭部よりも幅の狭い平板部とを有する成形コアを、拡大頭部が曲げ部内側に当接するように該曲げ部に至る直線部間夫々に挿入する工程と、蛇行チュ−ブを直線部と直交する方向にプレスする工程と、成形コアを取出し成形チュ−ブの直線部間に熱交換フィンを介装して両者を固着する工程とから成る、ことを特徴とする熱交換器の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【特許番号】第2839209号
【登録日】平成10年(1998)10月16日
【発行日】平成10年(1998)12月16日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−51218
【出願日】平成3年(1991)3月15日
【公開番号】特開平4−288481
【公開日】平成4年(1992)10月13日
【審査請求日】平成9年(1997)6月11日
【出願人】(000001845)サンデン株式会社 (1,791)
【参考文献】
【文献】実開 平2−45358(JP,U)
【登録日】平成10年(1998)10月16日
【発行日】平成10年(1998)12月16日
【国際特許分類】
【出願日】平成3年(1991)3月15日
【公開番号】特開平4−288481
【公開日】平成4年(1992)10月13日
【審査請求日】平成9年(1997)6月11日
【出願人】(000001845)サンデン株式会社 (1,791)
【参考文献】
【文献】実開 平2−45358(JP,U)
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