説明

熱交換器及び熱交換器の製造方法並びに冷凍サイクル装置

【課題】フィンカラーに亀裂を発生させずに、伝熱管に対するフィンカラーの接触面積を増加させ、伝熱性能を向上させることができる熱交換器等を得る。
【解決手段】断面形状に曲線を有する伝熱管1と、伝熱管1の形状に合わせて形成された挿入孔4を有する板状のフィン2とを備え、フィン2は、挿入孔4の縁に沿って立ち上がり、伝熱管1の曲線の部分とは、切り欠き8により複数片に分割して接触させるようにしたフィンカラー6を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷媒と気体等の流体との間で熱交換するための伝熱管にフィンを接合して構成する熱交換器及びその製造方法等に係るものである。特に、例えば扁平状等のように断面形状に曲線を有する伝熱管を用いた熱交換器等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、伝熱管の断面が扁平形状(扁平状)である従来の扁平管熱交換器は、一定間隔に平行に配列された複数の扁平状の伝熱管と、板面長軸方向に伝熱管と同数かつ同間隔の挿入穴を設け、伝熱管に挿入されて一定間隔に配列された複数の板状のフィンとを備えている。フィンに設けられた挿入孔の縁には、プレス工程において立ち上げられたフィンカラーが設けられ、伝熱管とフィンとは、フィンカラーにおいて、ろう材等で接合している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−214791号公報(第14頁、第25図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、扁平状の伝熱管は側部が曲面となっており、その断面形状は曲線を有している。従来の扁平管熱交換器は、挿入孔を有したフィンが扁平状の伝熱管に挿入されているので、フィンの挿入孔の縁に設けられたフィンカラーは、直線部(以後、フィンカラー直線部と称す)と曲部(以後、フィンカラー曲部と称す)とが混在している。
【0005】
例えば、プレス工程において、フィンカラー直線部は折り曲げ加工により立ち上げているのに対して、フィンカラー曲部はバーリング加工により立ち上げている。このため、フィンカラー直線部では折り曲げ線方向に引張応力が加わらないのに対して、フィンカラー曲部では円周方向に引張応力が加わり、フィンカラー曲部は円周方向に塑性変形しながら立ち上がる。よって、フィンカラー曲部の高さを大きくすると、フィンカラー曲部の先端における引張応力が大きくなり、フィンカラー曲部の先端を起点として亀裂が発生する可能性が高くなるという問題がある。
【0006】
例えば、扁平状の伝熱管の場合には、扁平断面の長軸方向に複数の孔が配列されており、フィンカラー直線部と隣接する長方形孔と、フィンカラー曲部と隣接するD形状の孔とを備えている。扁平管熱交換器において、1つのD形状の孔がフィンカラー曲部と熱交換できる面積は、1つの長方形孔がフィンカラー直線部と熱交換できる面積の約1.5倍である。このため、フィンカラー曲部はフィンカラー直線部に比べて扁平管熱交換器の伝熱性能に大きく寄与することになる。
【0007】
しかし、従来の扁平管熱交換器では、フィンカラー曲部に亀裂を発生させないようにするため、フィンカラー曲部の高さは、フィンカラー直線部の高さの約0.5倍と小さくなるように設計していた。このため、伝熱管に対するフィンカラー曲部の接触面積に制約があり、フィンカラー曲部に亀裂を発生させずに、扁平管熱交換器以上に伝熱性能を向上させることができなくなる。このように、熱交換器の信頼性を維持しつつ、曲線部分を有する伝熱管に対応して形成したフィンカラーの曲部の接触面積を増加させるのは困難であり、また、伝熱性能を向上させるのは困難であった。
【0008】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、フィンカラーに亀裂を発生させずに、伝熱管に対するフィンカラーの接触面積を増加させ、伝熱性能を向上させることができる熱交換器等を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明における熱交換器は、断面形状に曲線を有する伝熱管と、伝熱管の形状に合わせて形成された挿入孔を有する板状のフィンとを備え、フィンは、挿入孔の縁に沿って立ち上がり、伝熱管の曲線の部分とは、切り欠きにより複数片に分割して接触させるようにしたフィンカラーを有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の熱交換器は、フィンカラーに切り欠きを設けて複数片に分割して伝熱管と接触させるようにしたので、フィンカラーの曲部に加わる引張応力を減少でき、亀裂等の発生を防止しつつ、フィンカラーの高さを高くすることができる。そして、フィンカラーと伝熱管との接触面積を大きくすることができ、伝熱性能を向上できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1における扁平管熱交換器の部分斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1におけるフィンの部分正面図である。
【図3】切り欠き角度φと引張応力Pの相関を示す図である。
【図4】接触面積Sと管外熱伝達率α0 の相関を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態2におけるフィンカラー6の立ち上げ前を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態3におけるフィンカラー6の立ち上げ前を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態4における熱交換器の製造工程の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態4におけるフィンカラー6の近傍の断面を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態5における冷凍サイクル装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1における扁平管熱交換器20の部分斜視図を示したものである。本実施の形態では、熱交換器として、断面形状の一部が曲線となっている扁平状の伝熱管を有する扁平管熱交換器について説明する。図1において、実施の形態1の扁平管熱交換器20は、断面が長辺部分が直線で、短辺部分が例えば半円状等の曲線とした扁平状の複数の伝熱管1を有する。複数の伝熱管1は、管内に流す冷媒の流路方向とは直交する方向に、一定間隔をおいて平行に配列している。また、複数の平板状(矩形状)のフィン2を有する。フィン2は冷媒の流路方向(伝熱管1の並び方向と直交する方向)で一定間隔に平行に配列させる。ここで、本実施の形態のフィン2は、伝熱管1の幅方向の長さよりも伝熱管1の並び方向の方が長い矩形状であるため、伝熱管1の幅方向を短手方向とし、伝熱管1の並び方向を長手方向とする。
【0013】
伝熱管1内には、幅方向に複数の孔3が並んで設けられており、孔3内には例えば扁平管熱交換器20を通過する空気と熱交換をさせるための冷媒が流れる。また、フィン2は、長手方向に複数の挿入孔4を有している。各挿入孔4は各伝熱管1に対応するため、例えば、伝熱管1と同数かつ同間隔(両端を除く)で設けている。また、各挿入孔4の間にフィン2の一部を切り起こして形成したスリット5を設けている。そして、各挿入孔4の縁には、フィン2に対して垂直方向に立ち上げられたフィンカラー6が設けられている。そして、伝熱管1とフィンカラー6とをろう材等で接合することで、各伝熱管1と各フィン2とを固定している。ここで、本実施の形態の伝熱管1は円管を2方向で扁平状にした形としているので、平面部(断面形状が直線)と曲面部(断面形状が曲線)を有している。このため、フィンカラー6は、伝熱管1の平面部と接しているフィンカラー直線部6aと、伝熱管1の曲面部と接しているフィンカラー曲部6bとで構成する。
【0014】
図2は、実施の形態1におけるフィン2の部分正面図を示したものである。図2(a)はプレス工程でフィンカラー6を立ち上げる前のフィン2の一部の正面図を示したものである。また、図2(b)は、図2(a)に示すフィン2をプレス加工して、フィンカラー6を立ち上げたときの部分正面図を示している。そして、図2(c)は図2(b)のA−A’断面とB−B’断面の断面図を示している。
【0015】
図2(a)に示すように、プレス工程前のフィン2においては、直線部と曲部とが連続した扁平状の下穴7と、下穴7の曲部における中心を起点として、放射状にフィンカラー曲部6bを切り欠いた切り欠き8が設けられている。例えば、45°毎に放射状に切り欠き8を設けると、フィンカラー曲部6bが4片に分割されることになる。境界線9は、フィンカラー6形成後において、挿入孔4の縁となり、フィン2本体とフィンカラー6との境界(折り曲げ部分)となる線である。ここで、本実施の形態では、切り欠き8を45°毎に設け、4片に分割するようにしたが、角度、分割数についてはこれに限定するものではない。例えば60°毎に3分割する等してもよい。また、挿入孔4の縁側の切り欠き8の終端部分の一部に過度な力がかからないようにするため、終端部分の形状を半円状等にして力が均等に係るようにしてもよい。
【0016】
次にフィン2の作成手順等について説明する。図2(b)のプレス加工によって、図2(a)の境界線9の部分が支点となり、フィンカラー直線部6aとフィンカラー曲部6bとが立ち上げられて挿入孔4が形成される。このとき、図2(c)に示すように、フィンカラー直線部6aとフィンカラー曲部6bとはフィン2に対して垂直に立ち上げられる。そして、図2(a)に示すように、境界線9から下穴7までの幅は、直線部と曲部とにおいて同じであるため、フィンカラー曲部6bの高さはフィンカラー直線部6aと同等の高さを確保できることとなる。
【0017】
図3は、隣りあう切り欠き8がなす角度φとフィンカラー曲部6bの円周方向に加わる引張応力(P)との相関を示した図である。ここで、従来の熱交換器のフィンカラーは切り欠き8を設けていないのでφ=180°となる。立ち上げられた複数のフィンカラー曲部6bには、各々に円周方向について引張応力Pが加わることになる。図3から、従来の扁平管熱交換器のような半円状のフィンカラー曲部に比べて、切り欠き8を設け、扇形に分割したフィンカラー曲部6bを形成した方が、円周方向に加わる引張応力Pが小さくなることがわかる。
【0018】
以上のように、実施の形態1の扁平管熱交換器20によれば、フィンカラー曲部6bに放射状に切り欠き8を設けているので、従来の扁平管熱交換器のように、バーリング加工によってフィンカラー曲部を立ち上げる場合に比べて、フィンカラー曲部6bの円周方向に加わる引張応力を小さくすることができる。このため、フィンカラー曲部6bと伝熱管1との接触面積を増やしつつ、フィンカラー曲部6bにおける亀裂の発生を防ぐことができる。
【0019】
図4は従来の扁平管熱交換器および実施の形態1のフィンカラー曲部の接触面積Sと、管外熱伝達率αo との相関を示したものである。図4に示すように、例えば、従来のフィンのフィンカラー曲部の伝熱管との接触面積(約4.09mm2 )に比べ、本実施の形態のフィンカラー曲部6bの伝熱管1との接触面積は2倍以上(約9.30mm2 )となっている。これに伴い、管外熱伝達率は、例えば101.49[W/(m2 ・K)]から101.76[W/(m2 ・K)]に上昇している。これにより、フィンカラー曲部6bの高さをフィンカラー直線部6aと同等の高さにすることで、従来の扁平管熱交換器に比べて伝熱管1とフィンカラー曲部6bの接触面積を増加させることができ、扁平管熱交換器全体として伝熱性能を向上させることができる。
【0020】
実施の形態2.
図5は本発明の実施の形態2における、フィンカラー6を立ち上げる前のフィン2の部分正面図を示したものである。実施の形態2に示すフィン2では、実施の形態1で説明した切り欠き8に対して、この切り欠き8の終端部に円形状のピアス穴10を追加して設けている。ピアス穴10の直径(D)は、切り欠きの短軸方向の幅(W)以上(D≧W)の関係となるようにしている。
【0021】
以上のように、実施の形態2の扁平管熱交換器20においては、挿入孔4の縁側の切り欠き8の終端部分にピアス穴10を設けることで、切り欠き8の終端部に角となる部分をなくすことができ、フィン2が伝熱管1に過度な力で挿入孔4に挿入された場合においても、切り欠き8の終端部の円周方向に加わる引張応力がピアス穴10の円周方向に分散されるので、切り欠き8の終端部を起点とした亀裂の発生を防止することができる。
【0022】
実施の形態3.
図6は、本発明の実施の形態3における、フィンカラー6を立ち上げる前のフィン2の部分正面図を示したものである。図6(a)に示すように、実施の形態3のフィン2では、実施の形態1で説明した放射状の切り欠きを円周方向に延長させたような切り欠き8を設けている。このとき、図6(b)に示すように、例えば切り欠き8の終端部分は切り欠き幅と同径の半円状となるように形成している。また、場合によっては、図6(b)に示すように、切り欠き8の終端部にピアス穴11を設けるようにしてもよい。
【0023】
このように、実施の形態3の扁平管熱交換器20においては、切り欠き8を挿入孔4の斑に沿って円周方向に延長させるようにしたので、切り欠き8の終端部に形成することで、例えばフィンカラー6の立ち上げ時等に円周方向に加わる引張応力を減少させることができる。また、このとき、終端部分を半円状にする、ピアス穴11を形成する等して、切り欠き8の終端部に直角部を無くすようにしたので、フィン2の挿入孔4に過度な力で伝熱管1が挿入された場合においても、切り欠き8の終端部の円周方向に加わる引張応力を分散させることができ、切り欠き8の終端部を起点とした亀裂の発生を防止することができる。
【0024】
実施の形態4.
図7は、本発明の実施の形態4における扁平管熱交換器20の製造工程の一例を示す図である。実施の形態4では、図7に基づいて扁平管熱交換器を製造する手順について説明する。まず、コイル状のフィン材をプレス加工することで、扁平状の下穴7を形成する(S1)。また、プレス加工によりスリット5の切り起こしを行う(S2)。さらに、フィンカラー曲部6bに切り欠き8を形成する(S3)。そして、プレス加工によりフィンカラー6を立ち上げる(S4)。ここで、立ち上げ角度θを鋭角(特に45°<θ<90°)となるようにする。そして、伝熱管1に挿入する力を利用してフィンカラー6を垂直に立ち上げながらフィン2を挿入し(S5)、フィン2のフィンカラー6と伝熱管1とをろう材等で接合する(S6)。以上のようにして扁平管熱交換器20を製造する。
【0025】
図8は本発明の実施の形態4における扁平管熱交換器20のフィンカラー6近傍の断面図である。図8(a)は、上述したS4において、プレス加工にてフィンカラー6を鋭角に立ち上げたときのフィンカラー6近傍の断面図を示したものである。また、図8(b)は、上述したS6において、フィン2を伝熱管1に挿入したときのフィンカラー6近傍の断面図を示したものである。図8(a)のように、立ち上げ角度θを鋭角としておくことにより、フィンカラー6を立ち上げた状態でフィン2を挿入すると、図8(b)のように、フィンカラー6にスプリングバックによる力18が作用する。このため、フィンカラー6を伝熱管1に密着させることができる。
【0026】
以上のように、実施の形態4においては、扁平管熱交換器20を製造する際、プレス加工によりフィンカラー6を鋭角(特にθ:45°<θ<90°)に立ち上げた後に、挿入時において、フィンカラー6が垂直になるように立ち上げながらフィン2を挿入するようにしたので、加工バラツキ等で伝熱管1と挿入孔4の間にクリアランス(隙間)が発生したとしても、フィンカラー6にスプリングバックによる力18が作用することで、フィンカラー6が伝熱管1に密着させることができ、例えば伝熱性能を高めることができる。そして、接合前における振動等によるフィン2の位置ズレ等を防ぐことができる。
【0027】
実施の形態5.
図9は本発明の実施の形態5における冷凍サイクル装置の構成を示す図である。図9の冷凍サイクル装置は、圧縮機100、凝縮器200、膨張弁300及び蒸発器400を配管接続して冷媒回路(冷媒循環回路)を構成している。ここで、温度の高低、圧力の高低については、特に絶対的な値との関係で高低等が定まっているものではなく、装置内の冷媒等における状態、動作等において相対的に定まるものとする。
【0028】
圧縮機100は冷媒を吸入し、圧縮して高温・高圧の状態にして吐出する。ここで、例えばインバータ回路等により回転数を制御し、冷媒の吐出量を調整できるタイプの圧縮機で構成するとよい。熱交換器となる凝縮器200は、例えば送風機(図示せず)から供給される空気と冷媒との間で熱交換を行い、冷媒を凝縮させて液状の冷媒にする(凝縮液化させる)ものである。
【0029】
また、膨張弁(減圧弁、絞り装置)300は、冷媒を減圧して膨張させるものである。例えば電子式膨張弁等の流量制御手段で構成するが、例えば、感温筒を有する膨張弁、毛細管(キャピラリ)等の冷媒流量調節手段等で構成してもよい。蒸発器400は、空気等との熱交換により冷媒を蒸発させて気体(ガス)状の冷媒にする(蒸発ガス化させる)ものである。
【0030】
ここで、蒸発器400、凝縮器200の少なくとも一方に、実施の形態1〜4において説明した扁平管熱交換器20を用いることができる。これにより、伝熱性能を向上させることができる。伝熱性能が向上することにより、エネルギー効率がよく、省エネルギーの冷凍サイクル装置を得ることができる。
【0031】
次に、冷凍サイクル装置の各構成機器における動作等を、冷媒回路を循環する冷媒の流れに基づいて説明する。まず、圧縮機100は、冷媒を吸入し、圧縮して高温・高圧の状態にして吐出する。吐出した冷媒は凝縮器200へ流入する。凝縮器200は、送風機500から供給される空気と冷媒との間で熱交換を行い、冷媒を凝縮液化させる。凝縮液化した冷媒は膨張弁300を通過する。膨張弁300は、通過する凝縮液化した冷媒を減圧する。減圧した冷媒は蒸発器400に流入する。蒸発器400は、例えば熱負荷(熱交換対象)との熱交換により冷媒を蒸発ガス化する。蒸発ガス化した冷媒を圧縮機100が吸入する。ここでは蒸発器400において熱負荷と熱交換を行っているが、熱負荷を過熱する場合には凝縮器200で行うようにしてもよい。
【0032】
実施の形態6.
上述の実施の形態では、扁平状の伝熱管1と接合するフィン2のフィンカラー曲部6bについて説明したが、例えば、管の断面形状の一部が曲線となる伝熱管と接合するフィンのフィンカラー曲部にも適用することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 伝熱管、2 フィン、3 孔、4 挿入孔、5 スリット、6 フィンカラー、6a フィンカラー直線部、6b フィンカラー曲部、7 下穴、8 切り欠き、9 境界線、10,11 ピアス穴、18 スプリングバックによる力、20 扁平管熱交換器、100 圧縮機、200 凝縮器、300 膨張弁、400 蒸発器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面形状に曲線を有する伝熱管と、
該伝熱管の形状に合わせて形成された挿入孔を有する板状のフィンとを備え、
前記フィンは、前記挿入孔の縁に沿って立ち上がり、前記伝熱管の前記曲線の部分とは、切り欠きにより複数片に分割して接触させるようにしたフィンカラーを有することを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
前記伝熱管は、長辺側を直線とし、短辺側を半円状の曲線とした扁平形状を断面とする管であり、
前記フィンのフィンカラーは、前記伝熱管の長辺側と接触するフィンカラー直線部及び前記半円の中心から放射状に形成した前記切り欠きにより分割して前記伝熱管の短辺側と接触させるフィンカラー曲部で構成することを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記切り欠きは、前記挿入孔の縁側との終端部分にピアス穴を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記切り欠きは、前記挿入孔の縁側の終端部分を半円状にすることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記切り欠きは、前記挿入孔の縁の一部まで切り欠いていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱交換器。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の熱交換器を製造する際、
フィンのフィンカラーを鋭角となるように立ち上げるプレス加工を行う工程と、
前記フィンカラーと伝熱管とが垂直に接触するように、前記挿入孔に伝熱管を挿入させる工程と
を有することを特徴とする熱交換器の製造方法。
【請求項7】
前記鋭角は45°以上90°より小さい角度とすることを特徴とする請求項6に記載の熱交換器の製造方法。
【請求項8】
冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、熱交換により前記冷媒を凝縮させる凝縮器と、凝縮に係る冷媒を減圧させるための絞り装置と、減圧に係る冷媒と空気とを熱交換して前記冷媒を蒸発させる蒸発器とを配管接続して冷媒回路を構成し、
前記蒸発器、前記凝縮器の少なくとも一方を請求項1〜5のいずれかに記載の熱交換器とすることを特徴とする冷凍サイクル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−24511(P2013−24511A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−161697(P2011−161697)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)