説明

熱伝導性シリコーングリース組成物

【課題】高熱伝導性を有し、かつ優れた流動性を保つため、作業性が良好であり、さらには微細な凹凸に追従し、接触熱抵抗を低減させることにより、放熱性能に優れる熱伝導性シリコーン組成物を提供する。さらに、放熱性能および作業性に優れた該熱伝導性シリコーングリース組成物の高温高湿条件における耐久性を高め、実装時における信頼性を向上させる。
【解決手段】(A)特定構造を有する25℃における動粘度が10〜10,000mm2/sのオルガノポリシロキサン:100容量部、(B)特定の置換基を有するアルコキシシラン:0.1〜50容量部、および(C)熱伝導性充填剤:100〜2500容量部を含有してなる熱伝導性シリコーングリース組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた熱伝導性を付与するために熱伝導性充填剤を高充填した場合であっても、流動性を保ち、取扱い性が良好で、さらに高温高湿条件下における耐久性・信頼性に優れた熱伝導性シリコーングリース組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品の多くは使用中に熱を発生させるので、その電子部品を適切に機能させるためには、その電子部品から熱を取り除くことが必要である。特にパーソナルコンピューターに使用されているCPU等の集積回路素子は、動作周波数の高速化により発熱量が増大しており、熱対策が重要な問題となっている。
【0003】
この熱を除去する手段として多くの方法が提案されている。特に発熱量の多い電子部品では、電子部品とヒートシンク等の部材との間に熱伝導性グリースや熱伝導性シートなどの熱伝導性材料を介在させて熱を逃がす方法が提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。
【0004】
また、このような熱伝導性材料としては、シリコーンオイルをベースとし、酸化亜鉛やアルミナ粉末を配合した放熱グリースが知られている(特許文献3、特許文献4参照)。
【0005】
更に、熱伝導性を向上させるため、窒化アルミニウム粉末を用いた熱伝導性材料として、上記特許文献1には、液状オルガノシリコーンキャリアと、シリカファイバーと、デンドライト状酸化亜鉛、薄片状窒化アルミニウム、及び薄片状窒化ホウ素から選択される少なくとも1種とからなる揺変性熱伝導材料が開示されている。特許文献5には、特定のオルガノポリシロキサンに一定粒径範囲の球状六方晶系窒化アルミニウム粉末を配合して得たシリコーングリース組成物が開示されている。特許文献6には、粒径の細かい窒化アルミニウム粉末と粒径の粗い窒化アルミニウム粉末とを組み合わせた熱伝導性シリコーングリースが開示されている。特許文献7には、窒化アルミニウム粉末と酸化亜鉛粉末とを組み合わせた熱伝導性シリコーングリースが開示されている。特許文献8には、オルガノシランで表面処理した窒化アルミニウム粉末を用いた熱伝導性グリース組成物が開示されている。
【0006】
窒化アルミニウムの熱伝導率は70〜270W/(m・K)であり、ダイヤモンドの熱伝導性はこれより高く900〜2,000W/(m・K)である。特許文献9には、シリコーン樹脂、ダイヤモンド、酸化亜鉛および分散剤を含む熱伝導性シリコーン組成物が開示されている。
【0007】
また、金属は熱伝導率の高い材料であり、電子部品の絶縁を必要としない個所には使用可能である。特許文献10には、シリコーンオイル等の基油に金属アルミニウム粉末を混合して得た熱伝導性グリース組成物が開示されている。
【0008】
しかし、いずれの熱伝導性材料や熱伝導性グリースも、最近ではCPU等の集積回路素子の発熱量には不十分なものとなってきている。
【0009】
マクスウェルやブラッゲマンの理論式からもわかるように、シリコーンオイルに熱伝導性充填剤を配合して得た材料の熱伝導率は、熱伝導性充填剤の容積分率が0.6以下では該熱伝導性充填剤の熱伝導率にはほとんど依存しない。容積分率が0.6を超えて初めて熱伝導性充填剤の熱伝導率への影響が出てくる。つまり、熱伝導性グリースの熱伝導性を上げるには、まずはいかに熱伝導性充填剤を高充填するかが重要であり、高充填できるならばいかに熱伝導性の高い充填剤を用いることができるか重要である。しかし、高充填により熱伝導性グリースの流動性が低下して、塗布性(ディスペンス性、スクリーンプリント性)等の作業性が悪くなり、実用上使用できなくなる問題がある。さらには流動性が低下する事で、電子部品やヒートシンク表面の微細な凹凸に追従できず、接触熱抵抗が大きくなる問題がある。
【0010】
高充填を達成し、かつ流動性の良好な熱伝導性材料を得ることを目的として、熱伝導性充填剤の表面を処理して分散性を大きく向上させるアルコキシ基含有オルガノポリシロキサンを熱伝導性材料に配合する検討もなされている(特許文献11、特許文献12参照)。しかしながら、これら処理剤は高温高湿下において加水分解等により変質し、熱伝導性材料の性能劣化を誘発するという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開昭56−28264号公報
【特許文献2】特開昭61−157587号公報
【特許文献3】特公昭52−33272号公報
【特許文献4】特公昭59−52195号公報
【特許文献5】特開平2−153995号公報
【特許文献6】特開平3−14873号公報
【特許文献7】特開平10−110179号公報
【特許文献8】特開2000−63872号公報
【特許文献9】特開2002−30217号公報
【特許文献10】特開2000−63873号公報
【特許文献11】特開2004−262972号公報
【特許文献12】特開2005−162975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記問題に鑑み、本発明の目的は、高熱伝導性を有し、かつ優れた流動性を保つため、作業性が良好であり、さらには微細な凹凸に追従し、接触熱抵抗を低減させることにより、放熱性能に優れる熱伝導性シリコーン組成物を提供することにある。さらに、本発明は、放熱性能および作業性に優れた該熱伝導性シリコーングリース組成物の高温高湿条件における耐久性を高め、実装時における信頼性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者は、特定構造を有する25℃における動粘度が10〜10,000mm2/sのオルガノポリシロキサンと、特定の置換基を有するアルコキシシランと、熱伝導性充填剤と、を含有してなる熱伝導性シリコーングリース組成物が、優れた熱伝導性を有するとともに、良好な流動性を有し、その結果、優れた放熱効果を発揮すること、さらに該組成物が、高温高湿下における耐久性にも非常に優れていることを見出し、本発明をなすに至ったものである。即ち、本発明は、
(A)下記一般式(1):
【0014】
【化1】

(1)
(式中、R1は独立に非置換または置換の一価炭化水素基であり、Rは独立にアルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル基またはアシル基であり、aは5〜100の整数であり、bは1〜3の整数である。)
で表され、25℃における動粘度が10〜10,000mm2/sのオルガノポリシロキサン:100容量部、
(B)下記一般式(2):
3c4dSi(OR54-c-d (2)
(式中、R3は独立に炭素原子数9〜15のアルキル基であり、R4は独立に非置換または置換の炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、R5は独立に炭素原子数1〜6のアルキル基であり、cは1〜3の整数であり、dは0〜2の整数であり、ただし、c+dは1〜3の整数である。)
で表されるアルコキシシラン:0.1〜50容量部、および
(C)熱伝導性充填剤:100〜2500容量部
を含有してなり、該(C)成分の平均粒径が0.1〜50μmである熱伝導性シリコーングリース組成物を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の熱伝導性シリコーングリース組成物は、熱伝導性が良好であり、さらに良好な流動性が保たれることで作業性に優れる。また、発熱性電子部品および放熱部品との密着性にも優れているため、本発明の熱伝導性シリコーングリース組成物を発熱性電子部品と放熱部品との間に介在させることにより、発熱性電子部品から発生する熱を効率よく放熱部品へ放散させることができる。さらに本発明の熱伝導性シリコーングリース組成物は、高温高湿下における耐久性にも優れており、例えば、一般の電源、電子機器等の放熱、パーソナルコンピューター、デジタルビデオディスクドライブ等の電子機器に用いられるLSI、CPU等の集積回路素子の放熱に用いられた際に、非常に良好な信頼性を付与することができる。本発明の熱伝導性シリコーングリース組成物により、発熱性電子部品やそれを用いた電子機器等の安定性や寿命を大幅に改善させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において、「容量部」で表わされる量、および粘度は25℃における値である。
【0017】
[(A)成分]
(A)成分は、下記一般式(1):
【0018】
【化2】

(1)
(式中、R1は独立に非置換または置換の一価炭化水素基であり、Rは独立にアルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル基またはアシル基であり、aは5〜100の整数であり、bは1〜3の整数である。)
で表され、25℃における動粘度が10〜10,000mm2/sのオルガノポリシロキサンである。(A)成分は、高熱伝導性のシリコーン組成物を得るために(C)成分の熱伝導性充填剤を本発明組成物に高充填しても、該組成物の流動性を保ち、該組成物に良好な取扱い性を付与するものである。(A)成分は一種単独で使用しても、二種以上を併用してもよい。
【0019】
上記R1は独立に非置換または置換の一価の炭化水素基であり、その例としては、直鎖状アルキル基、分岐鎖状アルキル基、環状アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル基が挙げられる。直鎖状アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基が挙げられる。分岐鎖状アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、tert-ブチル基、2-エチルヘキシル基が挙げられる。環状アルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基が挙げられる。アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基が挙げられる。アラルキル基としては、例えば、2−フェニルエチル基、2−メチル−2−フェニルエチル基が挙げられる。ハロゲン化アルキル基としては、例えば、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2−(ノナフルオロブチル)エチル基、2−(ヘプタデカフルオロオクチル)エチル基が挙げられる。R1は好ましくはメチル基、フェニル基である。
【0020】
上記Rは独立にアルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル基、またはアシル基である。アルキル基としては、例えば、R1について例示したのと同様の直鎖状アルキル基、分岐鎖状アルキル基、環状アルキル基が挙げられる。アルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシエチル基、メトキシプロピル基が挙げられる。アシル基としては、例えば、アセチル基、オクタノイル基が挙げられる。Rはアルキル基であることが好ましく、特にはメチル基、エチル基であることが好ましい。
【0021】
aは5〜100の整数である。bは1〜3の整数であり、好ましくは3である。
【0022】
(A)成分の25℃における動粘度は、通常、10〜10,000mm/sであり、特に10〜5,000mm/sであることが好ましい。該動粘度が10mm/sより低いと、得られるシリコーングリース組成物からオイルブリードが発生しやすくなる。該動粘度が10,000mm/sより大きいと、得られるシリコーングリース組成物の流動性が乏しくなりやすい。
【0023】
(A)成分の好適な具体例としては、下記のものを挙げることができる。
【0024】
【化3】

【0025】
[(B)成分]
(B)成分は、下記一般式(2):
3c4dSi(OR54-c-d (2)
(式中、R3は独立に炭素原子数9〜15のアルキル基であり、R4は独立に非置換または置換の炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、R5は独立に炭素原子数1〜6のアルキル基であり、cは1〜3の整数であり、dは0〜2の整数であり、ただし、c+dは1〜3の整数である。)
で表されるアルコキシシランである。(B)成分は、ウェッター成分でもあり、かつ(A)成分の高温高湿下における変質を防ぐ添加剤でもある。(C)成分の熱伝導性充填剤の表面を(B)成分で処理することにより、(C)成分と(A)成分との濡れ性をよくすることができる。結果として、(B)成分は、(C)成分の高充填化を補助する。また、(B)成分は(A)成分と併用されることで、高温高湿下における水蒸気と(A)成分との接触を抑制するように働く。その結果、(B)成分は、高温高湿条件における加水分解等を原因とした(A)成分の変質によって本発明の熱伝導性シリコーングリース組成物の性能が劣化するのを防止する。(B)成分は一種単独で使用しても、二種以上を併用してもよい。
【0026】
上記Rは独立に炭素原子数9〜15のアルキル基であり、その具体例としては、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等が挙げられる。該炭素原子数が9より小さいと、熱伝導性充填剤((C)成分)との濡れ性が不充分となりやすく、15より大きいと、(B)成分が常温で固化しやすいのでその取扱いが不便になりやすい上、得られる組成物の耐熱性および難燃性が低下しやすい。
【0027】
上記Rは独立に非置換または置換の炭素原子数1〜8の飽和または不飽和の一価炭化水素基であり、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;2−フェニルエチル基、2−メチル−2−フェニルエチル基等のアラルキル基;3,3,3−トリフルオロプロピル基、2−(ノナフルオロブチル)エチル基、p−クロロフェニル基等のハロゲン化炭化水素基が挙げられ、特にメチル基、エチル基が好ましい。
【0028】
上記Rは独立に炭素原子数1〜6のアルキル基であり、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などが挙げられ、特にメチル基、エチル基が好ましい。
【0029】
上記cは、通常、1〜3の整数であるが、特に好ましくは1である。上記dは0〜2の整数である。ただし、c+dは1〜3の整数である。
【0030】
(B)成分の具体例としては、
1021Si(OCH
1225Si(OCH
1225Si(OC
1021Si(CH)(OCH
1021Si(C)(OCH
1021Si(CH)(OC
1021Si(CH=CH)(OCH
1021Si(CHCHCF)(OCH
等が挙げられる。
【0031】
(B)成分の添加量は、(A)成分100容量部に対して、通常、0.1〜50容量部、好ましくは1〜20容量部である。該添加量がこの範囲内にあると、添加量に応じてウェッター効果および耐高温高湿効果が増大しやすく、経済的である。一方、(B)成分にはやや揮発性があるので、(B)成分を含む熱伝導性シリコーングリース組成物を開放系で放置しておくと、該組成物から(B)成分が蒸発して該組成物が徐々に硬くなってくる場合がある。しかし、該添加量がこの範囲内にあると、このような現象を防ぎやすい。
【0032】
[(C)成分]
(C)成分は、本発明の熱伝導性シリコーングリース組成物において熱伝導性充填剤として機能する。(C)成分は、一種単独で使用しても、二種以上を併用してもよい。
【0033】
(C)成分の平均粒径は、好ましくは0.1μm〜50μmの範囲内、より好ましくは1〜35μmの範囲内である。該平均粒径がこの範囲内にあると、(C)成分のかさ密度が大きくなりやすく、比表面積は小さくなりやすいので、本発明の熱伝導性シリコーングリース組成物中に(C)成分を高充填しやすい。また、平均粒径が大きすぎると、オイル分離が容易に進行する可能性がある。なお、本発明において、平均粒径は、例えば、レーザー回折法等により体積基準の累積平均径として求めることができる。
【0034】
(C)成分の形状としては、例えば、球状、棒状、針状、円盤状、不定形状が挙げられるが、特に限定されない。
【0035】
(C)成分の具体例としては、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、酸化亜鉛、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素、ダイヤモンド、グラファイト、カーボンナノチューブ、金属珪素、カーボンファイバー、フラーレンまたはこれらの二種以上の組み合わせが挙げられる。
【0036】
(C)成分の添加量は、(A)成分100容量部に対して、通常、100〜2500容量部、好ましくは150〜1000容量部である。該添加量が100容量部より小さいと、得られる放熱部材の熱伝導率が低下しやすくなる。一方、該合計量が2500容量部より大きいと、得られる組成物は、粘度が高くなりすぎ、流動性、取扱い性が不良となる傾向にある。
【0037】
[(D)成分]
本発明の組成物には、更に、(D)成分として、下記平均組成式(3):
6eSiO(4-e)/2 (3)
(式中、R6は独立に非置換または置換の炭素原子数1〜18の一価炭化水素基であり、eは1.8〜2.2の数である。)
で表される25℃における動粘度が10〜100,000mm2/sのオルガノポリシロキサンを添加することができる。(D)成分は、本発明の熱伝導性シリコーングリース組成物の粘度調整剤、粘着性付与剤等の特性付与を目的として適宜用いられるが、これに限定されるものではない。(D)成分は一種単独で使用しても、二種以上を併用してもよい。
【0038】
上記R6は独立に非置換または置換の炭素原子数1〜18の一価炭化水素基である。R6としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロヘキシル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;2−フェニルエチル基、2−メチル−2−フェニルエチル基等のアラルキル基;3,3,3−トリフロロプロピル基、2−(パーフロロブチル)エチル基、2−(パーフロロオクチル)エチル基、p−クロロフェニル基等のハロゲン化炭化水素基などが挙げられるが、特にメチル基、フェニル基、炭素数6〜18のアルキル基が好ましい。
【0039】
上記eは、シリコーングリース組成物として本発明組成物に要求される稠度の観点から、好ましくは1.8〜2.2の数であり、特に好ましくは1.9〜2.1の数である。
【0040】
また、(D)成分の25℃における動粘度は、通常、10〜100,000mm/sであり、特に10〜10,000mm/sであることが好ましい。該動粘度が10mm/sより低いと、得られるシリコーングリース組成物からオイルブリードが発生しやすくなる。該動粘度が100,000mm/sより大きいと、得られるシリコーングリース組成物の流動性が乏しくなりやすい。
【0041】
(D)成分の具体例としては、例えば、
【0042】
【化4】

【0043】
【化5】

【0044】
【化6】

などが挙げられる。
【0045】
(D)成分を本発明の組成物に添加する場合、その添加量は、限定されず、所望の効果が得られる量であればよいが、(A)成分100容量部に対して、好ましくは500容量部以下、より好ましくは200容量部以下である。該添加量がこの範囲内にあると、本発明組成物の顕著に良好な流動性、作業性を維持しやすく、また、(C)成分の熱伝導性充填剤を該組成物に高充填するのが容易である。
【0046】
[(E)成分]
本発明の組成物には、更に、(E)成分として、(A)および(B)成分を分散あるいは溶解できる揮発性溶剤を添加することができる。本発明組成物が(A)および(B)成分に加え(D)成分を更に含む場合は、(D)成分も分散あるいは溶解できる揮発性溶剤であることが好ましい。(E)成分は、(A)および(B)成分ならびに場合により(D)成分を溶解あるいは分散できる限り、如何なる溶剤でもよい。(E)成分は一種単独でも二種以上を組み合わせても使用することができる。
【0047】
熱伝導性シリコーングリース組成物の熱伝導率は基本的に熱伝導性充填剤の充填率に相関するため、熱伝導性充填剤を多く充填すればするほど熱伝導率はより向上する。しかし、当然ながら熱伝導性充填剤の充填量を上げると、熱伝導性シリコーングリース組成物そのものの粘度が上がりやすく、剪断作用が加えられた際の該組成物のダイラタンシーも強くなりやすい。特にスクリーンプリントにおいては、熱伝導性シリコーングリース組成物をスキージングする際、熱伝導性シリコーングリース組成物にダイラタンシーが強く発現すると、熱伝導性シリコーングリース組成物の流動性が一時的に強く抑制されるため、スクリーンマスクおよびスクリーンメッシュを熱伝導性シリコーングリース組成物が通り抜けられず、極端に塗布性が悪化することがある。このように、従来は、熱伝導性充填剤が高充填された高熱伝導性シリコーングリース組成物をヒートシンク等にスクリーンプリントで容易に且つ均一に薄く設置することが困難だった。本発明の熱伝導性シリコーングリース組成物は、高い充填率で(C)成分の熱伝導性充填剤を含んでいても、(E)成分の揮発性溶剤を含む場合、粘度が急激に下がりやすくなり、ダイラタンシーも発現し難くなるため、塗布性が良好となりやすく、ヒートシンク等にスクリーンプリントで容易に塗布することができる。塗布後は、含有している(E)成分を常温であるいは積極的に加熱して揮発させることが容易である。よって、本発明により、熱伝導性充填剤が高充填された高熱伝導性シリコーングリース組成物をヒートシンク等にスクリーンプリントで容易に且つ均一に薄く設置することができる。
【0048】
(E)成分の沸点は80〜260℃の範囲内であることが好ましい。該沸点がこの範囲内にあると、得られた組成物の塗布作業中に該組成物から(E)成分が急激に揮発するのを防ぎやすいため、該組成物の粘度が上昇するのを抑えやすく、該組成物の塗布性を十分に確保しやすい。また、該組成物の塗布作業後は、(E)成分が該組成物中に残存しにくいので、放熱特性が向上しやすい。
【0049】
(E)成分の具体例としては、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、ブタノール、イソプロパノール(IPA)、イソパラフィン系溶剤などが挙げられ、中でも、安全面、健康面および作業性の点から、イソパラフィン系溶剤が好ましく、沸点80〜260℃のイソパラフィン系溶剤が特に好ましい。
【0050】
(E)成分を本発明の組成物に添加する場合、その添加量は、(A)成分100容量部に対して、好ましくは100容量部以下、より好ましくは75容量部以下である。該添加量がこの範囲内にあると、(C)成分が急速に沈降するのを抑えやすくなるため、該組成物の保存性が向上しやすい。
【0051】
[その他の添加剤]
本発明の熱伝導性シリコーングリース組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、任意成分として、通常、使用される添加剤または充填剤等を更に添加することができる。具体的には、フッ素変性シリコーン界面活性剤;着色剤としてカーボンブラック、二酸化チタン、ベンガラなど;難燃性付与剤として白金触媒、酸化鉄、酸化チタン、酸化セリウムなどの金属酸化物、または金属水酸化物などを添加してもよい。更に、熱伝導性充填剤の高温時での沈降防止剤として、沈降性シリカまたは焼成シリカなどの微粉末シリカ、チクソ性向上剤等を添加することも任意である。
【0052】
[粘度]
本発明の熱伝導性シリコーングリース組成物の25℃における粘度は、好ましくは500Pa・s以下(1〜500Pa・s)であり、より好ましくは300Pa・s以下(10〜300Pa・s)である。該粘度がこの範囲内にあると、得られる組成物は、流動性が良好となりやすいためディスペンス性、スクリーンプリント性などの作業性が向上しやすく、該組成物を基材に薄く塗布することが容易になりやすい。
【0053】
[熱抵抗]
また、本発明の熱伝導性シリコーングリース組成物は、レーザーフラッシュ法で測定した25℃における熱抵抗が、15mm2・K/W以下であることが好ましく、特に6mm2・K/W以下であることが好ましい。該熱抵抗がこの範囲内にあると、本発明組成物は、発熱量の大きい発熱体に適用した場合でも、該発熱体から発生する熱を効率よく放熱部品へ放散させることができる。なお、レーザーフラッシュ法による熱抵抗の測定は、ASTM E 1461に準拠して行うことができる。
【0054】
[組成物の調製]
本発明の熱伝導性シリコーングリース組成物は、前述した成分をドウミキサー(ニーダー)、ゲートミキサー、プラネタリーミキサーなどの混合機器を用いて混合することによって調製される。このようにして得られた該組成物は、大幅な熱伝導率の向上と良好な作業性、耐久性、信頼性を有する。
【0055】
[組成物の用途]
本発明の熱伝導性シリコーングリース組成物は発熱体や放熱体に塗布される。発熱体としては、例えば、一般の電源;電源用パワートランジスタ、パワーモジュール、サーミスタ、熱電対、温度センサなどの電子機器;LSI、CPU等の集積回路素子などの発熱性電子部品などが挙げられる。放熱体としては、例えば、ヒートスプレッダ、ヒートシンク等の放熱部品;ヒートパイプ、放熱板などが挙げられる。塗布は、例えば、スクリーンプリントによって行うことができる。スクリーンプリントは、例えば、メタルマスクもしくはスクリーンメッシュを用いて行うことができる。本発明の組成物を発熱体および放熱体の間に介在させて塗布することにより、該発熱体から該放熱体へ効率よく熱を伝導させることができるので、該発熱体から効果的に熱を取り除くことができる。
【実施例】
【0056】
以下、実施例および比較例を示して本発明をさらに詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0057】
まず、本発明の組成物を形成する以下の各成分を用意した。
(A)ケイ素原子に結合したアルコキシ基を有するオルガノポリシロキサン
A−1:下記式で表されるオルガノポリシロキサン
【0058】
【化7】


(B)アルコキシシラン
B−1:下記式で表されるアルコキシシラン
1021Si(OCH
B−2:下記式で表されるアルコキシシラン
1225Si(OC
(C)熱伝導性充填剤
C−1:アルミニウム粉末(平均粒径32.6μm、JIS Z 8801-1に規定の目開き75μmの篩下画分)
C−2:アルミニウム粉末(平均粒径15.0μm、同規格の目開き32μmの篩下画分)
C−3:銅粉末(平均粒径10.1μm、気流分級品)
C−4:アルミナ粉末(平均粒径10.0μm、同規格の目開き32μmの篩下画分)
C−5:アルミニウム粉末(平均粒径1.5μm、同規格の目開き32μmの篩下画分)
C−6:酸化亜鉛粉末(平均粒径1.0μm、同規格の目開き32μmの篩下画分)
C−7:銅粉末(平均粒径108.3μm、分級なし)
なお、(C)成分の平均粒径は、日機装株式会社製の粒度分析計であるマイクロトラックMT3300EXにより測定した体積基準の累積平均径である。
(D)オルガノポリシロキサン
D−1:下記式で表される動粘度が500mm2/sのオルガノポリシロキサン
【0059】
【化8】


(E)A−1、B−2およびD−1成分を分散あるいは溶解できる揮発性溶剤
E−1:アイソゾール(登録商標)400(商品名、イソパラフィン系溶剤、沸点;210−254℃、日本石油化学株式会社製)
【0060】
[製造方法]
(A)〜(E)成分を以下のとおりに混合して実施例1〜4および比較例1〜6の組成物を得た。即ち、表1および表2に示す組成比(容量部)で5リットルプラネタリーミキサー(井上製作所株式会社製)に(A)〜(D)成分を量り取り、70℃で1時間混合した。得られた混合物を常温まで冷却した。(E)成分を添加する場合には、冷却した混合物に(E)成分を表1および表2に示す配合量で加えて均一になるように混合した。
【0061】
[試験方法]
得られた組成物の特性を下記の試験方法で測定した。結果を表1および2に併記する。
【0062】
〔粘度測定〕
得られた組成物を25℃の恒温室に24時間放置後、粘度計(商品名:スパイラル粘度計PC−1TL、株式会社マルコム製)を使用して回転数10rpmでの粘度を測定した。
【0063】
〔熱伝導率測定〕
得られた組成物を3cm厚の型に流し込み、その上にキッチン用ラップを被せて、京都電子工業株式会社製の熱伝導率計(商品名:QTM−500)で該組成物の熱伝導率を測定した。
【0064】
〔試験片作製〕
直径12.6mm、厚み1mmの円形アルミニウム板2枚で厚み75μmの組成物を挟み込み、0.15MPaの圧力を25℃で60分間掛けて試験片を作製した。
【0065】
〔厚み測定〕
試験片の厚みをマイクロメータ(株式会社ミツトヨ製)で測定し、予め測定してあったアルミニウム板2枚分の厚みを差し引いて、該組成物の厚みを算出した。
【0066】
〔熱抵抗の測定〕
上記試験片を用いて、該組成物の熱抵抗(単位:mm2・K/W)をレーザーフラッシュ法に基づく熱抵抗測定器(ネッチ社製、キセノンフラッシュアナライザー;LFA447 NanoFlash)により25℃において測定した。
【0067】
〔高温高湿下放置後の熱抵抗の測定〕
熱抵抗測定後の上記試験片を130℃/85%RH雰囲気下で96時間放置した後、再度、該組成物の熱抵抗(単位:mm2・K/W)を同熱抵抗測定器により測定した。
【0068】
【表1】

【0069】
【表2】


1):比較例1の組成物はミキサーで攪拌混合してもペースト状にならなかった。
2):比較例2の組成物はオイル分離が進行し、保存安定性が悪かった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)下記一般式(1):
【化1】

(1)
(式中、R1は独立に非置換または置換の一価炭化水素基であり、Rは独立にアルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル基またはアシル基であり、aは5〜100の整数であり、bは1〜3の整数である。)
で表され、25℃における動粘度が10〜10,000mm2/sのオルガノポリシロキサン:100容量部、
(B)下記一般式(2):
3c4dSi(OR54-c-d (2)
(式中、R3は独立に炭素原子数9〜15のアルキル基であり、R4は独立に非置換または置換の炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、R5は独立に炭素原子数1〜6のアルキル基であり、cは1〜3の整数であり、dは0〜2の整数であり、ただし、c+dは1〜3の整数である。)
で表されるアルコキシシラン:0.1〜50容量部、
(C)アルミニウム、銀、ニッケル、酸化亜鉛、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素、ダイヤモンド、グラファイト、カーボンナノチューブ、金属珪素、カーボンファイバー、フラーレンまたはこれらの二種以上の組み合わせである熱伝導性充填剤:100〜2500容量部、ならびに
(F)フッ素変性シリコーン界面活性剤、着色剤、難燃性付与剤、微粉末シリカ、およびチクソ性向上剤からなる群から選択される添加剤
からなり、該(C)成分の平均粒径が0.1〜50μmである熱伝導性シリコーングリース組成物。
【請求項2】
(A)下記一般式(1):
【化2】

(1)
(式中、R1は独立に非置換または置換の一価炭化水素基であり、Rは独立にアルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル基またはアシル基であり、aは5〜100の整数であり、bは1〜3の整数である。)
で表され、25℃における動粘度が10〜10,000mm2/sのオルガノポリシロキサン:100容量部、
(B)下記一般式(2):
3c4dSi(OR54-c-d (2)
(式中、R3は独立に炭素原子数9〜15のアルキル基であり、R4は独立に非置換または置換の炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、R5は独立に炭素原子数1〜6のアルキル基であり、cは1〜3の整数であり、dは0〜2の整数であり、ただし、c+dは1〜3の整数である。)
で表されるアルコキシシラン:0.1〜50容量部、
(C)アルミニウム、銀、ニッケル、酸化亜鉛、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素、ダイヤモンド、グラファイト、カーボンナノチューブ、金属珪素、カーボンファイバー、フラーレンまたはこれらの二種以上の組み合わせである熱伝導性充填剤:100〜2500容量部、
(D)下記平均組成式(3):
6eSiO(4-e)/2 (3)
(式中、R6は独立に非置換または置換の炭素原子数1〜18の一価炭化水素基であり、eは1.8〜2.2の数である。)
で表される25℃における動粘度が10〜100,000mm2/sのオルガノポリシロキサン、ならびに
(F)フッ素変性シリコーン界面活性剤、着色剤、難燃性付与剤、微粉末シリカ、およびチクソ性向上剤からなる群から選択される添加剤
からなり、該(C)成分の平均粒径が0.1〜50μmである熱伝導性シリコーングリース組成物。
【請求項3】
(A)下記一般式(1):
【化3】

(1)
(式中、R1は独立に非置換または置換の一価炭化水素基であり、Rは独立にアルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル基またはアシル基であり、aは5〜100の整数であり、bは1〜3の整数である。)
で表され、25℃における動粘度が10〜10,000mm2/sのオルガノポリシロキサン:100容量部、
(B)下記一般式(2):
3c4dSi(OR54-c-d (2)
(式中、R3は独立に炭素原子数9〜15のアルキル基であり、R4は独立に非置換または置換の炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、R5は独立に炭素原子数1〜6のアルキル基であり、cは1〜3の整数であり、dは0〜2の整数であり、ただし、c+dは1〜3の整数である。)
で表されるアルコキシシラン:0.1〜50容量部、
(C)アルミニウム、銀、ニッケル、酸化亜鉛、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素、ダイヤモンド、グラファイト、カーボンナノチューブ、金属珪素、カーボンファイバー、フラーレンまたはこれらの二種以上の組み合わせである熱伝導性充填剤:100〜2500容量部、
(E)前記(A)および(B)成分を分散あるいは溶解できる揮発性溶剤:前記(A)成分100容量部に対して100容量部以下、ならびに
(F)フッ素変性シリコーン界面活性剤、着色剤、難燃性付与剤、微粉末シリカ、およびチクソ性向上剤からなる群から選択される添加剤
からなり、該(C)成分の平均粒径が0.1〜50μmである熱伝導性シリコーングリース組成物。
【請求項4】
(A)下記一般式(1):
【化4】

(1)
(式中、R1は独立に非置換または置換の一価炭化水素基であり、Rは独立にアルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル基またはアシル基であり、aは5〜100の整数であり、bは1〜3の整数である。)
で表され、25℃における動粘度が10〜10,000mm2/sのオルガノポリシロキサン:100容量部、
(B)下記一般式(2):
3c4dSi(OR54-c-d (2)
(式中、R3は独立に炭素原子数9〜15のアルキル基であり、R4は独立に非置換または置換の炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、R5は独立に炭素原子数1〜6のアルキル基であり、cは1〜3の整数であり、dは0〜2の整数であり、ただし、c+dは1〜3の整数である。)
で表されるアルコキシシラン:0.1〜50容量部、
(C)アルミニウム、銀、ニッケル、酸化亜鉛、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素、ダイヤモンド、グラファイト、カーボンナノチューブ、金属珪素、カーボンファイバー、フラーレンまたはこれらの二種以上の組み合わせである熱伝導性充填剤:100〜2500容量部、
(D)下記平均組成式(3):
6eSiO(4-e)/2 (3)
(式中、R6は独立に非置換または置換の炭素原子数1〜18の一価炭化水素基であり、eは1.8〜2.2の数である。)
で表される25℃における動粘度が10〜100,000mm2/sのオルガノポリシロキサン、
(E)前記(A)および(B)成分を分散あるいは溶解できる揮発性溶剤:前記(A)成分100容量部に対して100容量部以下、ならびに
(F)フッ素変性シリコーン界面活性剤、着色剤、難燃性付与剤、微粉末シリカ、およびチクソ性向上剤からなる群から選択される添加剤
からなり、該(C)成分の平均粒径が0.1〜50μmである熱伝導性シリコーングリース組成物。
【請求項5】
25℃における粘度が500Pa・s以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に係る組成物。
【請求項6】
レーザーフラッシュ法で測定した25℃における熱抵抗が15mm2・K/W以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に係る組成物。

【公開番号】特開2012−52137(P2012−52137A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258474(P2011−258474)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【分割の表示】特願2005−374486(P2005−374486)の分割
【原出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】