説明

熱処理装置

【課題】シャッター部材周辺への昇華物の固着および炉内温度への影響を効果的に防止し得る熱処理装置を提供する。
【解決手段】 この発明に係るこの熱処理装置1は、シャッター部材7、複数の接触部材9、弾性部材10、およびダクト27を備える。シャッター部材7は、搬出入口20Aを遮蔽するものである。複数の接触部材9は、シャッター部材7に設けられ、熱処理炉20の搬出入口周縁部20Bに圧接する。弾性部材10は、シャッター部材7に設けられ、複数の接触部材9を圧接方向に付勢する。ダクト27は、熱処理炉20の搬出入口20Aの開口部に設けられ、シャッター部材7と熱処理炉20の搬出入周縁部20Bとの間の隙間12に開口する複数の吸気孔27Aを有し、隙間12を流れる空気を吸気孔27Aから吸い込んで戻り通路25に排気する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被処理物を熱処理する熱処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の熱処理装置101として、図7に示すように、FPD(フラットパネルディスプレイ)用ガラス基板等の被処理物(不図示)が収容される熱処理炉120と、加熱器132および送風機133が設けられる空調部123とが断熱室102内に画成されたものがある。熱処理炉120と空調部123とは、連通路124,125を介して互いに連通しており、熱処理装置101は、空調部123で加熱された空気を、送風機133により連通路124,125を介して熱処理炉120に送り込んで被処理物を熱処理するように構成される。
【0003】
また、熱処理装置101は、断熱室102の外部に熱処理炉120内の空気を排気する排気ダクト151、および空調部123内に外気を吸い込むための吸気ダクト104を備えている。
【0004】
熱処理炉120は直方体に形成されており、その一側面(図7では紙面に向かって正面)に、熱処理炉120内に被処理物を搬入したり、もしくは搬出するための矩形の搬出入口120Aが開口している。搬出入口120Aには、上下分割構造で作製された開閉式のシャッター部材107が設けられていて、被処理物の熱処理動作中は、シャッター部材107により搬出入口120Aは遮蔽されるようになっている。シャッター部材107は耐熱性を考慮して金属材料から構成されている。
【0005】
熱処理炉120の搬出入口120Aが開口する側面は、搬出入口120Aの周縁部にのみ壁が存在する形となり、図8に示すように、その搬出入口周縁部120Bと前述のシャッター部材107の周囲部との間には隙間112が形成されている。
【0006】
このような熱処理装置101は、例えばFPDの製造工程におけるフォトレジストや有機物薄膜のプリベーク、ポストベーク工程に用いられることがある。これらの工程では、ガラス基板等からなる被処理物が熱処理される際に、フォトレジスト等に含まれる揮発性成分が気化して多量の昇華物が発生し、この昇華物が熱風とともにシャッター部材107の周囲部に形成された前述の隙間112から流出し、再結晶化してシャッター部材107の周辺に固着する。固着した昇華物はやがてはがれ落ち、パーティクル発生の原因となる。このため、定期的にパーティクルを取り除く定期的な清掃作業が必要であった。
【0007】
そこで、特許文献1等に、熱処理炉102の搬出入口周縁部120Bに、弾性を有するシール部材を設け、シャッター部材107の周囲部に密着させて前述の隙間112を埋めることが提案されている。また、図8、図9に示すように、熱処理炉102の搬出入口周縁部120Bに、シャッター部材107と接触しない程度の幅を有する耐熱性を有する帯状のシート109を周設して、前述の隙間112を埋める一定に調整することも検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平2000−294476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、被処理物を熱処理するための空気の温度は200℃以上に達し、熱処理炉120およびシャッター部材107が熱歪みにより変形するため、隙間を一定に調整することは現実には困難である。また、このような隙間の不均化により、隙間を通じて部分的に熱処理炉からの吹き出しや熱処理炉内への吸い込みが発生し、炉内温度が低下したり炉内温度分布が不均化したりする問題もあった。
【0010】
本発明の目的は、シャッター部材周辺への昇華物の固着および炉内温度への影響を効果的に防止し得る熱処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に係る加熱装置は、加熱器と、送風機と、被処理物を搬出および搬入するための搬出入口を有し、被処理物が収容される熱処理炉と、を有し、加熱器により加熱された空気を送風機により熱処理炉に送風して被処理物を熱処理するものである。
【0012】
この熱処理装置は、シャッター部材、複数の接触部材、弾性部材、およびダクトを備える。シャッター部材は、搬出入口を遮蔽するものである。複数の接触部材は、シャッター部材に設けられ、熱処理炉の搬出入口周縁部に圧接する。弾性部材は、シャッター部材に設けられ、複数の接触部材を圧接方向に付勢する。ダクトは、熱処理炉の搬出入口の開口部に設けられ、シャッター部材と熱処理炉の搬出入周縁部との間の隙間に開口する複数の吸気孔を有し、隙間を流れる空気を吸気孔から吸い込んで熱処理炉外部の空気流路に排気する。
【0013】
この構成においては、熱処理炉およびシャッター部材が熱歪みにより変形しても、弾性部材により付勢された接触部材が追従して熱処理炉の搬出入部の周縁部に圧接する状態が維持される。このため、熱処理炉の搬出入口の周縁部とシャッター部材の周囲部との間に一定の隙間を安定的に確保され、この隙間を流れる空気流を搬出入口の全周に亘って均一化することが可能となる。また、搬出入口の開口部に設けられたダクトにより、前述の隙間を通じて熱処理炉からの吹き出される空気や熱処理炉内への吸い込まれる空気が熱処理炉外部の空気流路に排気される。よって、シャッター部材周辺に昇華物が洩れるおそれがないだけでなく、炉内温度が低下したり炉内温度分布が不均化したりすることもなくなる。
【0014】
ここで、空気流路としては、送風機の陰圧部に熱処理炉の排気を戻す戻り通路を利用すれば、別途通路を形成する必要がなくてコスト的に有利である。
【0015】
また、接触部材の具体的構成としては、前記熱処理炉の搬出入口周縁部に接触する球体と、該球体を転動自在に支持する支持体と、を有する構成を挙げることが出来る。このような構成の接触部材によると、球体が熱処理炉に接触しながら転動可能となる。したがって、熱処理炉およびシャッター部材の熱歪みによる変形に対して、接触部材がより追従しやすくなる。
【0016】
また、弾性部材の具体例としては、可撓性の湾曲部により断面U字型に形成された帯状の部材を挙げることが出来る。このような弾性部材を用いた場合は、熱処理炉の搬出入口周縁部に対向する弾性部材の面に、接触部材が固定される。この場合、弾性部材の該面に、所定の間隔を有して対向する一対の突条を延在して形成すると、複数の接触部材を、これらの突条間に、その延在方向に間隔を置いて整然と配置することが出来る。
【0017】
さらに、熱処理炉が磁性を有する金属製とし、熱処理炉の搬出入口周縁部に対向する前記弾性部材の面にマグネットを固定すれば、マグネットにより、熱処理炉が弾性部材に引き付けられ、接触部材の圧接を確実・強固なものとすることが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、シャッター部材周辺への昇華物の固着および炉内温度への影響を効果的に防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係る熱処理装置の概略を示す図である。
【図2】図1におけるII−II線断面図である。
【図3】上記実施形態に係る熱処理装置における熱処理炉の搬出入口周縁部とシャッター部材の周辺部を示す斜視図である。
【図4】マグネット帯および接触部材の弾性部材への取り付け状態を説明する斜視図である。
【図5】接触部材の断面図である。
【図6】上記熱処理装置における熱処理炉、シャッター部材、弾性部材、および接触部材の配置関係を説明する概略図である。
【図7】従来の熱処理装置の一例の概略を示す図である。
【図8】図7におけるVIII−VIII線断面図である。
【図9】上記従来の熱処理装置における熱処理炉、シャッター部材、および耐熱シートの配置関係を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1〜図6を用いて、本発明の実施形態に係る熱処理装置の概略を説明する。図1に示すように、熱処理装置1は、断熱壁で空間が囲繞された断熱室2を備える。断熱室2は、熱処理炉20、空調部23、ならびに熱処理炉20および空調部23を連通する連通路(後述する送り通路24および戻り通路25)を有する。空調部23は、断熱室2内部の空間において、熱処理炉20よりも右側の部分に形成されている。
【0021】
熱処理炉20は直方体に形成されており、その一側面(図1では紙面に向かって正面)に、熱処理炉20内に被処理物を搬入したり、もしくは搬出するための矩形の搬出入口20Aが開口している。搬出入口20Aには、上下分割構造で作製された開閉式のシャッター部材7が設けられていて、被処理物の熱処理動作中は、シャッター部材7により搬出入口20Aは遮蔽されるようになっている。本実施の形態では、熱処理炉20は磁性を有する金属製のものを好適に用いることができる。
【0022】
熱処理炉20の搬出入口20Aが開口する側面は、搬出入口20Aの周縁部にのみ壁が存在する形となり、図2に示すように、その搬出入口20Aの周縁部20Bと前述のシャッター部材7の周囲部との間には隙間12が形成されている。
【0023】
熱処理路20の右側面には、図示しない複数の小さな図示しない排気孔が穿設され、この排気孔を介して熱処理炉20の内部の空気が戻り通路25に排気される。
【0024】
熱処理炉20は、内部が仕切り壁26により仕切られている。熱処理炉20の内部の仕切り壁26より左側の部分には、ガラス基板等からなる図示しない複数の被処理物(以下、ワークという。が収容されている。複数のワークは上下に並んだ状態で、熱処理炉20内に設けた図示しない保持具により保持されている。熱処理炉20の内部の仕切り壁26より右側の部分は縦長の空間になっており、この空間に送り通路24が接続されている。仕切り壁26には開口が形成され、この開口内にフィルタ31が配設されていて、フィルタ31を通じた通気が可能となっている。
【0025】
このような熱処理炉20の構成で、ワークを熱処理するための空気は、送り通路24を通って一旦前述の空間に流入した後、フィルタ31を介してこの空間からワークの収容部への通気が可能となっている。
【0026】
空調部23の内部には、加熱器32および送風機33が設けられている。空調部23における加熱器32と送風機33の位置関係は、加熱器32が上流側で、送風機33が下流側となる配置で設けられている。加熱器32は、空調部23内の空気を加熱するものであり、送風機33は、空調部23内の空気をフィルタ31を通じて熱処理路20内に送り込むものである。加熱器32は、例えば電熱式のヒータを好適に用いることができ、送風機33は、例えばシロッコファンを好適に用いることができるが、これらに限定されることはない。
【0027】
送風機33は、ファンケーシング35内に収容されている。ファンケーシング35は、吸気口および排気口を有する。ファンケーシング35の吸気口は、空調部23内の加熱器32の設けられた位置よりも下流側の部分に開口し、ファンケーシング35の排気口は、送り通路24の入口に開口している。
【0028】
連通路は、送り通路24および戻り通路25から構成される。送り通路24は、空調部23における送風機33が設けられた位置よりも上流側の部分と前述の熱処理炉20内の仕切り壁26よりも右側の空間との間を連絡する。戻り通路25は、断熱室2の内部の空間の空調部23よりも左側の部分であって、熱処理炉20と断熱室2とにより挟まれた領域に形成されている。戻り通路25は、前述の熱処理炉20の排気孔と空調部23の加熱器32がよりも上流側の部分との間を連絡する。
【0029】
送り通路24は、空調部23から熱処理炉20へワークを熱処理する前の空気を送るためのものであり、戻り通路25は熱処理炉20から空調部23へワークを加熱処理した後の空気を戻すためのものである。
【0030】
空調部23内に、加熱器32の設けられた位置よりも下流側、かつ、送風機33が設けられた位置よりも上流側の部分には、吸気ダクト4が接続されている。吸気ダクト4は、外気を吸い込んで空調部23内に送り込むためのものである。なお、吸気ダクト4の接続箇所は空調部23に限られず、戻り通路25に吸気ダクト4を接続し、外気をこの戻り通路25内に送り込むようにしても機能的には同じである。
【0031】
排気ダクト51は、一端が空調部23における送風機32の設けられた位置よりも下流側の部分に接続されるとともに、他端が外部に解放されている。排気ダクト51は、空調部23から流出した空気を直接外部に排出するためのものである。
【0032】
なお、前述の吸気ダクト4および排気ダクト51には、適所に風量調整用のダンパー8が設けられている。
【0033】
また、本実施の形態に係る熱処理装置1は、シャッター部材7、複数の接触部材9、弾性部材10、およびダクト27を備える。シャッター部材7は、熱処理炉20の搬出入口20Aを遮蔽するものである。シャッター部材7は耐熱性を考慮して金属材料から構成されている。
【0034】
接触部材9は、シャッター部材7に、前述の弾性部材10を介して取り付けられ、熱処理炉20の搬出入口周縁部20Bに圧接する。具体的には、接触部材9としては、図5に示すように、熱処理炉20の開口周縁部20Bに接触する球体91と、該球体91を転動自在に支持する支持体92と、を有するものを好適に用いることが出来る。このような構成の接触部材9によると、球体91が熱処理炉20に接触しながら転動可能となる。
【0035】
弾性部材10は、シャッター部材7に取り付けられ、複数の接触部材9を圧接方向に付勢する。具体的に、弾性部材10としては、図2、図3に示すように、耐熱性のゴム材料あるいはバネ鋼のような金属材料からなる可撓性の湾曲部10Aにより断面U字型に形成された帯状の部材を好適に用いることが出来る。図4に示すように、このような弾性部材10は、直線状に延びる一対の平面部を有する。それらの平面部の一方(以下、「固定片」という。)10Cを用いて、シャッター部材7の裏側面の周囲部に、図6に示すように平面視で矩形となるように接着等で固定される。これにより、図3、図4に示すように、弾性部材10の他方の平面部(以下、「可動片」という。)がフリーな状態となり、可動片10Cは湾曲部10Aにより弾性を有して撓むことが可能となる。なお、シャッター部材7は上下分割構造で作製されているので、弾性部材10の可動片10Cの外側面は熱処理炉20の開口周縁部20Bに対向している。可動片10Cの該面には、所定の間隔を有して対向する一対の突条10B,10Bが延在して一体に形成されている。図4に示すように、可動片10Cの前記面における、これらの突状10B,10Bで挟まれた領域には、一対のマグネット帯11,11が所定の間隔を置いて平行に取り付けられている。このようにすれば、マグネット帯11の有する磁力により、熱処理炉20が引き付けられ、接触部材9の圧接を確実・強固なものとすることが可能となる。そして、可動片10Cの前記面における、これらのマグネット帯11,11で挟まれた領域に、複数の接触部材9が取り付けられている。これらの接触部材9は、弾性部材10の長手方向、つまり突状10B,10Bの延在方向に、間隔を置いて整然と配置される(図6参照)。
【0036】
ダクト27は角管から成り、熱処理炉20の搬出入口20Aの開口部に周設されている。これにより、ダクト27は、図1に示すように平面視で矩形の通路を有することになる。ダクト27のシャッター部材7に対向する面には、図2、図3に示すように、隙間12に開口する複数の吸気孔27Aが形成されている。ダクト27は、搬出入口20Aの開口部の上縁および下縁に沿って水平方向に延びる部分に図示しない排気孔が複数(本実施の形態では5個)並設されており、熱処理炉20の上壁および下壁を貫く複数(本実施の形態では5個)の流出路20Cの一端が接続されている。この流出路20Cの他端は戻り通路25に接続されている。以上のように構成されるダクト27により、隙間12を流れる空気を吸気孔27Aから吸い込んで戻り通路25に排気することが出来る。
【0037】
上記の構成で、送風機33によって送り通路24を介して熱処理炉20内に空気が送り込まれると、熱処理炉20内の空気は、戻り通路25を通って空調部23内に戻される。そして、空調部23内に戻された空気は、加熱器32により加熱された空気と混合され、その一部が送風機33によって熱処理炉20内に再度送り込まれる。すなわち、熱処理炉20内の空気は、循環しながら加熱されるようになっており、これにより熱処理炉20内に収容されたワークが熱処理されるようになっている。
【0038】
また、熱処理炉20から空調部23内に戻された空気の残りは、排気ダクト51を通って外部に排気される。これにより、熱処理炉20内が換気されるようになっている。それにともなって、吸気ダクト4から外気が吸気される。
【0039】
このようにして、熱処理炉20内に送り込まれる空気は、温度帯の異なる、熱処理炉20から空調部23内に戻された空気、空調部23内で加熱器32により加熱された空気、および少量の外気が混合されることにより、熱処理に適した温度(例えば、約230℃)に維持される。
【0040】
特に,本実施の形態に係る熱処理装置1によると、熱処理炉20およびシャッター部材7が熱歪みにより変形しても、弾性部材10により付勢された接触部材9が追従して熱処理炉20の搬出入口周縁部20Bに圧接する状態が維持される。このため、熱処理炉20の搬出入口周縁部20Bとシャッター部材7の周囲部との間に一定の隙間が安定的に確保され、この隙間を流れる空気流を搬出入口20Aの全周に亘って均一化することが可能となる。また、搬出入口20Aの開口部に設けられたダクト27により、前述の隙間を通じて熱処理炉20からの吹き出される空気や熱処理炉20内への吸い込まれる空気が熱処理炉20外部の空気流路である戻り通路25に排気される。よって、シャッター部材7周辺に昇華物が洩れるおそれがないだけでなく、炉内温度が低下したり炉内温度分布が不均化したりすることもなくなる。このため、シャッター部材7周辺への昇華物の固着および炉内温度への影響を効果的に防止することが出来る。
【0041】
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0042】
1−熱処理装置
2−断熱室
4−吸気ダクト
9−接触部材
10−弾性部材
11−マグネット帯
20−熱処理炉
20A−搬出入口
20B−搬出入口周縁部
23−空調部
25−戻り通路
27−ダクト
32−加熱器
33−送風機
51−排気ダクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱器と、送風機と、被処理物を搬出および搬入するための搬出入口を有し、前記被処理物が収容される熱処理炉と、を有し、前記加熱器により加熱された空気を前記送風機により前記熱処理炉に送風して前記被処理物を熱処理する熱処理装置において、
前記搬出入口を遮蔽するシャッター部材と、
前記シャッター部材に設けられ、前記熱処理炉の搬出入口周縁部に圧接する複数の接触部材と、
前記シャッター部材に設けられ、前記複数の接触部材を圧接方向に付勢する弾性部材と、
前記熱処理炉の前記搬出入口の開口部に設けられ、前記シャッター部材と前記熱処理炉の搬出入口周縁部との間の隙間に開口する複数の吸気孔を有し、前記隙間を流れる空気を前記吸気孔から吸い込んで前記熱処理炉外部の空気流路に排気するダクトと、
を備えた熱処理装置。
【請求項2】
前記熱処理炉外部の空気流路が、前記送風機の陰圧部に前記熱処理炉の排気を戻す戻り通路である請求項1に記載の熱処理装置。
【請求項3】
前記接触部材が、前記熱処理炉の搬出入口周縁部に接触する球体と、該球体を転動自在に支持する支持体と、を有する請求項1または2に記載の熱処理装置。
【請求項4】
前記弾性部材が可撓性の湾曲部により断面U字型に形成された帯状の部材であり、前記接触部材は前記熱処理炉の搬出入口周縁部に対向する前記弾性部材の面に固定された請求項3に記載の熱処理装置。
【請求項5】
前記熱処理炉が磁性を有する金属製であり、前記熱処理炉の搬出入口周縁部に対向する前記弾性部材の面にマグネットが固定された請求項4に記載の熱処理装置。
【請求項6】
前記熱処理炉の搬出入口周縁部に対向する前記弾性部材の面に、所定の間隔を有して対向する一対の突条が延在して形成され、前記複数の接触部材は、これらの突条間に、その延在方向に間隔を置いて配置された請求項4に記載の熱処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−84805(P2012−84805A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−231707(P2010−231707)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(000167200)光洋サーモシステム株式会社 (180)
【Fターム(参考)】