説明

熱可塑性材料で作られたプリフォームの熱的調整のための改良された炉

本発明は、熱可塑性材料で作られたプリフォームの熱的調整のための炉(10)に係る。この炉は、少なくとも一つの冷却回路(16)と、加熱領域(16b)と、空気抽出領域(16c)と、を有し、前記冷却回路は、空気流れ循環を使用し、順を追って上流側から下流側へ、少なくとも一つの冷却空気吸入領域(16a)を通って延び、前記加熱領域の中に、プリフォーム加熱手段(22)が設けられ、冷却空気流れが換気手段により発射され、前記空気抽出領域に、少なくとも一つの空気抽出ダクト(42)が接続されている。この炉の特徴は、当該炉が、閉じ込めハウジングを有し、この閉じ込めハウジングは、前記空気抽出ダクトから少なくとも前記加熱領域まで延び、空気中の汚染粒子による当該炉の内側の汚染を防止するため、当該炉の外側から、少なくとも前記加熱領域を絶縁することが可能であることにある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性材料で作られたプリフォームの熱的調整のための炉に係る。
【0002】
本発明は、特に、熱可塑性材料で作られたプリフォームの熱的調整のための炉に係り、この炉は、冷却空気の主流れの循環を使用する少なくとも一つの冷却回路を有していて、この循環は、上流側から下流側へ、順を追って炉の内側を横切り、この冷却回路は、、少なくとも、一つの冷却空気吸入領域と、一つの加熱領域と、一つの空気抽出領域と、を有し、
− 前記冷却空気吸入領域は、少なくとも一つの空気吸入ダクトを有していて、この空気吸入ダクトを通って、冷却空気の前記流れが、炉の外側から炉の内側へ流れることが可能であり、
− 前記加熱領域は、前記吸入ダクトにより空気が供給され、且つ、プリフォームを加熱するための手段を有し、
− 前記空気抽出領域の中に、少なくとも一つの空気抽出ダクトが開口している。
【背景技術】
【0003】
フラスコ、ボトルなどのような、熱可塑性材料(例えばPET:polyethylene terephthalate)で作られたコンテナの製造は、一般的に、射出成形により得られたプリフォームから実施される。
【0004】
そのようなプリフォームは、特にブロー成形によりまたは引張りブロー成形(stretch blow molding)により、それらが中空のボディのコンテナに変換されることが可能になるように、予め炉の中で熱的に調整される。
【0005】
プリフォームは、一般的に、試験管のような形に作られ、基本的に、変化する長さのボディ、及び既にその最終形状を有しているネックを有している。事実、プリフォームのネックは、コンテナのネックを形成し、例えば、ネジ式のキャップを受けるように意図されたネジを有している。
【0006】
ブロー成形作業を実施する前に、プリフォームのボディをそれらのガラス遷移温度よりも高い温度まで、加熱することが必要であるが、しかしながら、プリフォームのボディの外側表面、即ちスキンに損傷(即ち、“焼け”)を与えることなく加熱しなければならない。
【0007】
この目的のために、文献 EP-A1-1 699 613 の中に記載されているような、プリフォームの熱的調整のための加熱炉のタイプが、知られている。このタイプの加熱炉は、空気の流れの循環により、冷却を実現するための適切な換気手段が設けられた冷却回路を有している。
【0008】
そのような炉の冷却回路は、基本的に、第一の冷却空気吸入領域、プリフォームを加熱するための手段(例えば、赤外線放射ランプ)が設けられた第二の中間加熱領域、及び、第二の領域の中を通過する時に加熱された空気を抽出するための第三の領域を有している。
【0009】
これらの領域は、例えば、 炉の内側に設けられ、第三の領域の中での抽出が、一般的に、炉のトップ即ち上側部分で実施されるように配置されていて、前記加熱領域は、前記第一の領域と第三の領域との間に置かれる。
【0010】
上記文献 EP-A1-1 699 613 に記載されているように、空気の吸入は、横方向から実施される。しかしながら、他の配置も可能であり、例えば、吸入がボトム部分で行われる場合などもある。
【0011】
そのような炉の、空気の循環を使用する冷却回路の機能は、炉の中に含まれる空気の塊を介しての熱伝導の効果を緩和することであり、且つ、それらの外側表面(「スキン」と呼ばれている)に焼け(burning)を生じさせることなく、プリフォームのボディの厚さを最適に加熱するために、加熱手段の赤外線放射を最大限に使用することである。これは、プリフォームの前記スキンへの損傷を防止することを可能にするとともに、加熱領域の環境を、例えば、赤外線放射ランプのキャップなどの、そこに配置された機械的な部材に影響を及ぼす可能性のある温度よりも、低くを維持することを可能にする。
【0012】
前記換気手段は、例えば、少なくとも一つの遠心ファンを有していて、この遠心ファンは、炉の外側から、前記吸入領域を通って、空気を引き込み、そして炉の前記加熱領域の内側で、特にプリフォームの近傍で、高温の空気を撹拌するように、引き込まれた空気をプリフォームの方へ吹き出す。
【0013】
冷却空気の流れの循環のために、最適な使用は、赤外線放射で行われる。赤外線放射は、プリフォームのボディを、ボディの壁の全厚さに亘って、均一なやり方で、且つ、プリフォームのボディの外側表面に損傷を与えることなく、あるいは、プリフォームのネックを軟化させることなく、所望の温度まで引き上げることを可能にする。
【0014】
◇03a 炉はまた、一般的に、プリフォームのネックを赤外線放射から保護することが可能な保護手段、並びに、例えば、冷却空気の前記流れの部分からなるネックを冷却するための手段、および/または、特に、空気の循環を使用する更なる冷却手段を有している。
【0015】
相補的なやり方で、炉の抽出領域は、前記抽出ダクトに付随する抽出手段を有している、それは、例えば、加熱領域の上方に配置された空気抽出フードなどのようなものであって、、炉の加熱領域から来る空気を、抽出ダクトを通って外側へ抽出するように意図され、特に炉から熱を排出するようにように意図されている。
【0016】
そのような抽出手段はまた、プリフォームの内側が熱的調整と同時に汚染除去される時に、残っている殺菌剤の有毒の蒸気を回収して排出することを可能にする。
【0017】
そのような汚染除去作業は、好ましくは、二酸化水素(H)などのような、殺菌剤の凝縮による堆積により実現され、この殺菌剤は、炉の中で加熱手段により熱的に活性化され、その後、気体の状態で、空気抽出手段により排気されることが意図されている。
【0018】
抽出領域及び加熱領域は、順に積み重ねられ、且つ空のスペースにより互いから分離されて、縦方向に配置され、この空のスペースは、完全に開放され、且つ、その中を通って、加熱領域から来る空気が流れ、抽出ダクトにより捕捉され次いで排気される。
【0019】
事実、当業者の間では、プリフォームを熱的に調整するための炉において、そのデザインの如何に拘わらず、その上側部分にそのような開口を必ず設ける言うことが広く行われていて、そのような開口は、加熱領域を横切った後の加熱された冷却空気が、直接上方に配置された抽出手段により、あるいは、そのような手段無しで、炉の外側への対流により、排気されることを可能にするように、構成されている。
【0020】
当業者の先入観の一つは、実際、プリフォームの熱的調整を制御することにあり、この熱的調整に、得られる最終コンテナの質が直接的に依存し、且つ、冷却の効率もまた、加熱の効率と同様に、それに密に関係していると言うことである。
【0021】
当業者の先入観の他の一つは、コンテナの清潔さ及び清浄度、従って、加熱の後にブロー成形(または、引張りブロー成形)によりコンテナに変えられることになるプリフォームの清潔さ及び清浄度に、一般的に、関係していて、これらのコンテナは、それらが製造された後に、好ましくは、無菌状態の環境の中で、直接、満たされる。
【0022】
上述のように、プリフォームの内側を、二酸化水素などのような薬剤を使用して、殺菌することは、既に知られていて、そのような薬剤は、炉の加熱手段に曝された時に、気化し、次いで、フードにより引き抜かれる。
【0023】
相補的なやり方で、プリフォームの外側を、特にネックを、紫外線放射を照射することにより汚染除去することが知られている。
【0024】
最後に、換気手段が、特定の清浄度を有する濾過された空気プリフォームにを吹き付けるように、炉 の空気吸入領域に空気濾過手段を設けることが知られている。
【0025】
しかしながら、換気される空気の質の濾過による制御は、特に、微生物などのような、1μmのオーダーのサイズの粒子を取り除くためのフィルターの効率により制約を受ける。
【0026】
文献 US-A-5,714,109 は、炉を周囲の空気の流れ及びダストからを絶縁することを狙う炉を開示している。この目的のために、この炉は、プリフォームが、加熱され且つ冷却流れに曝される目的で、その中に配置されるダクトを有している。このダクトは、特に、冷却空気がプリフォームの下流に排気されることを可能にする端部を有している。このダクトは、プリフォームの上流に配置され空気をダクトの中に循環させるファンを有している。
【0027】
しかしながら、指摘されているところによれば、空気の漏れが、プリフォームの上流で発生して、それにより、ダストを炉の加熱領域の中へ移送することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0028】
【特許文献1】欧州特許出願公開第EP1,699,613A1号明細書
【特許文献2】米国特許第US5,714,109A号明細書
【発明の概要】
【0029】
本発明の目的は、特に、炉の中で行われるプリフォームの熱的調整を変えることなく、プリフォームの清浄度、従って、コンテナ清浄度を更に改良することにある。
【0030】
この目的のために、本発明は、炉の内側を、特に、プリフォームがその中を循環する少なくとも加熱領域を、炉の外側の環境に対して絶縁するために、空気抽出領域を閉鎖することを提案する。
【0031】
上側開口のそのような閉鎖は、当然に、当業者の技術的な先入観に対して全く逆のやり方である。即ち、当業者は、一方では、様々な殺菌または汚染除去のソリューションを、単独でまたは組み合わせで、知っていてまた既に実行しており、また一方では、当業者は、そのような閉鎖が熱的調整を制御するための数多くの問題を生じさせるであろうと考えて、それを完全に無視するか、あるいは、それを決して考慮に入れることがないであろう。
【0032】
そのような問題の中で、留意すべきことは、加熱及び冷却を組み合わせて適用することによって、熱的調整を満足に制御することが、当然に不可能であると考えられていることであり、特に、そのような閉鎖は、温度の上昇を生じさせ、それが、プリフォームの満足できる熱的調整の効果を損ない、そしてまた、ランプのキャップなどのような機械的な部材に損傷を与えるであろうと、考えられていることである。
【0033】
文献 US-A-5,714,109 もまた知られている。この文献には、熱可塑性材料で作られたプリフォームの熱的調整のための炉について記載され、その例が示されている。この文献は、特に、例えば、炉がその中に配置された工場のドアが開放されたときに、炉を外側の空気の流れから絶縁することを狙っている。
【0034】
この目的のために、炉はダクトを有していて、このダクトの中に、プリフォームが、加熱され且つ冷却空気の流れに曝される目的で、配置されている。
【0035】
このダクトは、空調ユニットに接続された第一の端部、及び冷却空気がプリフォームの下流に排気されることを可能にする第二の端部を有している。
【0036】
このダクトはまた、ダクトの中で空気を循環させるためにプリフォームの上流に配置されたファンを有している。
【0037】
本発明は、特に、上記のタイプの炉を提案していて、この炉の特徴は、炉が閉じ込めハウジングを有していて、この閉じ込めハウジングは、空気抽出ダクトから少なくとも加熱領域まで延び、且つ、空気中の汚染粒子による炉の内側の汚染を防止するために、少なくとも前記加熱領域を炉の外側に対して絶縁することが可能である。
【0038】
本発明に基づく閉じ込めハウジングによって、汚染粒子が、炉の内側に、特に、炉が運転される時にプリフォーム横切る加熱領域の中に、入ることが防止される。
【0039】
事実、驚くことに出願人が注目したところによれば、従来から知られている炉において空気抽出領域と加熱領域を分離していた開口または空のスペースは、潜在的に炉の内側を汚染する可能性を有する領域であった。その理由は、一部の汚染粒子が、この開口の中を通過することにより、加熱領域まで侵入する可能性があり、運転中にフードにより引き抜かれる上昇する空気の流れがあるにも拘わらず、そのような可能性があるからである。
【0040】
そこで、そのような汚染粒子が、プリフォームまたは機械的な部材の上に堆積する危険があり、その結果、直接的にまたは順を追って、プリフォームを汚染することになる。
【0041】
本発明の他の特徴によれば:
− 前記吸入領域は、前記領域の中に取り入れられる冷却空気を濾過するように意図された濾過手段を有している;
− 前記冷却空気の吸入領域は、前記濾過手段上への粉塵の蓄積を検出するための手段を有している;
− 前記閉じ込めハウジングは、少なくとも一つのいわゆる補助的な空気流入開口を有していて、この補助的な空気流入開口は、空気の二次流れが、当該炉の外側から、直接的に前記補助的な空気流入開口を通って、前記空気抽出ダクトまで、流れるように、前記加熱領域の下流に配置される;
− 前記閉じ込めハウジングは、少なくとも一つのいわゆる上側の第一の部分を有していて、この第一の部分は、空気の主流れを集めるように、前記加熱領域の方向へ拡がる形状を有している;
− 前記閉じ込めハウジングは、少なくとも一つのいわゆる下側の第二の部分を有していて、この第二の部分は、第一の部分に接続され、且つ、少なくとも前記加熱領域を外側から絶縁するように、当該炉の周りに延びている;
− 前記加熱領域は、換気手段を有していて、この換気手段は、前記吸入ダクトから来る空気を引き込み、このようにして引き込まれた空気をプリフォームの方へ吹き付け、前記プリフォームの近傍に高い圧力を作り出すことが可能であり、それによって、前記換気手段により引き込まれた空気のみが、プリフォームと接触することになる。
【0042】
− 当該炉は、少なくとも、下記の手段を有している:
−− 前記抽出ダクトに対して設けられ、且つ、前記抽出ダクトの上流の抽出領域の中にサクションのための減じられた圧力を作り出すことが可能である空気抽出手段;
−− 前記空気抽出領域の内側の前記減じられた圧力を測定するための手段;
−− 少なくとも下記の値を含むパラメータの関数として、前記空気抽出手段を制御するための手段:
−−− 前記測定手段により前記空気抽出領域の内側で測定された前記減じられた圧力の値; 及び、
−−− 前記空気抽出領域の内側に減じられた圧力を作り出し、それによって、前記抽出ダクトを通って抜き出される空気の流速が、前記加熱領域の中の前記換気手段によりプリフォームの方へ吹き出される空気の流速より大きくなるように、前記減じられた圧力に対して予め定められた基準値。
【0043】
− 当該炉は、前記加熱手段が作動される第一のいわゆる製造モードで、または、前記加熱手段が作動されない第二のいわゆる休止モードで、運転され、且つ、当該炉が運転されるモードにかかわりなく、当該炉は、当該炉の内側での汚染粒子の堆積を防止するために、空気の主流れにより恒久的に横切られる;
− 前記減じられた圧力に対する前記予め定められた基準値は、当該炉が第一のモードまたは第二のモードの何れにあるかに依存して、空気の主流れの流速に適応するように、当該炉のモードの関数として選択的に変化する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は、炉を示す透視図であって、この図は、本発明に基づく、炉の冷却回路を外側から絶縁するための閉じ込めハウジングの配置を示していて、この炉は、順に、空気吸入領域、プリフォーム加熱領域及び空気抽出領域を有している。
【図2】図2は、炉の前記領域を通る冷却空気の主流れの、上流側から下流側への流れ、及び空気の二次流れの流れを示す、概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本発明の他の特徴及び優位性並びにデザイン及び製造の詳細は、以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。この詳細な説明は、添付図面を参照しながら、理解されることが可能である。
【0046】
以下の説明及び請求項の中で、以下の用語が便宜的に且つ本発明を限定することなく使用されている。「前」または「後」との用語は、長手方向の方向に基づき、「上側」及び「下側」との用語は、縦方向に基づき且つ重力に基づいて、そして、「長手方向」、「縦方向」及び「横方向」との用語は、図面に示された座標系(L,V,T)に基づき、使用されている。
【0047】
「上流」及び「下流」との表現もまた、冷却空気の流れが炉の内側で循環する方向に基づき使用されていて、換言すれば、いわゆる上流の吸入領域から、いわゆる下流の炉の抽出領域への意味で使用されている。
【0048】
例えばPET(polyethylene terephthalate)のような、熱可塑性材料で作られたプリフォーム(図示されていない)の熱的調整のための炉10が図1に示されている。
【0049】
炉10は、ここで、例えば、プリフォームのためのU字形状の加熱経路を有していて、この加熱経路は、二つの平行な長手方向の加熱部分を有し、一方の往路部分と他方の帰路部分は、いわゆる安定化横湾曲部分により、互いに結合されている。
【0050】
炉10は、全体として、トンネルのように形作られ、、第一のリア・サイド12から、第二の、反対側の、閉じられたフロント・サイド14まで、後から前へ、長手方向に延びている。
【0051】
リア・サイド12は、開放されていて、プリフォームが通過することを可能にする。しかしながら、リア・サイドは、以下において説明するように、加圧された領域で開放され、それによって、汚染粒子は、このリア・サイド12を介して炉の中に侵入することが可能でない。
【0052】
図2から分かるように、炉10は、縦方向の中央平面(図示されていない)に対して、全体として対称的にデザインされ、この中央平面は、炉10の中心の中を通過する、長手方向に延びている。なお、同一の要素は、同一の参照符号に、添字「a」または「b」を付けて示されている。
【0053】
炉10は、プリフォームから、コンテナ(例えばボトル)を製造するための、プラントの施設の内の一つである。
【0054】
そのような製造プラントは、例えば、プリフォームを供給するための装置(図示されていない)を有していて、この装置は、炉10のリア・サイド12を通って、炉10にプリフォームを供給する。
【0055】
プリフォームは、リア・サイド12で、移載手段により炉10の中に導入され、そこで、プリフォームは、運転中の炉10の移送手段により取り上げられ、この移送手段は、マウンティング(mounting)とも呼ばれている。
【0056】
プリフォームは、次に、例えば、ここではU字形状の加熱経路に沿って、移送手段(図示されていない)により、炉10の中に装入される。
【0057】
端部で、プリフォームは、リア・サイド12を通って、炉10から出て、炉10により熱的に調整された後、ブロー成形により、または引張りブロー成形により、中空コンテナに変える目的で、それらを直接的に成形装置(図示されていない)へ移送するための他の移載手段(図示されていない)により取り上げられる。
【0058】
プリフォームを移送するための手段は、好ましくは、加熱経路に沿ってプリフォームを移送することが可能であり、且つ、支持要素(図示されていない)(「ターンテーブル」と呼ばれるここともある)を有している、これらの支持要素のそれぞれは、各プリフォームのネックの内壁と相互作用する。
【0059】
移送手段の支持要素は、好ましくは、各プリフォームが自転する状態に駆動することが可能であり、それによって、各プリフォームのボディ内での熱の均一な且つ一様な分布をもたらす。
【0060】
図2によれば、炉10は、プリフォームを冷却するための空気の主流れAにより横切られ、この主流れは、炉10を通って、上流側から下流側へ流れ、より正確に言えば、ここでは、ボトムからトップへ縦方向に流れる。
【0061】
図1及び2から分かるように、炉10は、本質的に、冷却回路16を有していて、この冷却回路は、空気の主流れAの流れの方向へ順に、空気吸入領域16a(上流領域とも呼ばれている)、プリフォーム加熱領域16b、及び空気抽出領域16c(下流領域とも呼ばれている)を有している。
【0062】
これらの三つの領域16a,16b,16cは、ここで、縦方向に重ねられ、空気の主流れAは、順に各領域を通って、ボトムからトップへ流れ、換言すれば、熱勾配に基づいて、最も冷たい領域から最も暑い領域へ流れる。
【0063】
冷却回路の領域のそのような配置は、好ましくは、良好なコンパクトさを有する炉を得ること、及びを対流の原理を利用することを可能にする。
【0064】
空気吸入領域16aは、少なくとも一つの空気吸入ダクト18などのような接続手段を有していて、この接続手段の中を通って、空気の主流れAが、炉の外側10から炉の内側10へ流れる。
【0065】
空気吸入ダクト18には、空気入口20が設けられ、この空気入り口は、炉10のボトムの方へ縦方向に開放されている。
【0066】
空気入口20には、引き込まれた空気を濾過するための手段21,23が設けられ、それによって、特定の清浄度を有する濾過された空気のみが、引き込まれて、炉10の吸入領域16aの中に導入されることになる。
【0067】
より正確には、濾過手段は、少なくとも一つの第一の上流フィルター21及び一つの第二の下流フィルター23を、それぞれ、有している。
【0068】
上流フィルター21は、好ましくは、下流フィルター23ので断面より大きい通過流れの断面を有している。
【0069】
図面から分かるように、加熱領域16bは、周辺ハウジング32により、横方向に境界を定められる。
【0070】
周辺ハウジング32は、少なくとも一つのいわゆる下側の部分を有していて、この下側部分は、第一の縦側壁32a及び第二の縦側壁32bを有し、それらは、互いに向かい合わせに横方向に配置され、それらの内のそれぞれは、炉10の内側で。、それらの間で横方向に加熱領域16bの境界を定めるために、長手方向に延びている。
【0071】
更にまた、加熱領域16bは、閉じられたフロント・サイド14により前方で、開放されたリア・サイド12により後方で、長手方向に境界を定められる。
【0072】
周辺ハウジング32の各側壁32a,32bは、好ましくは、複数のドア34(この場合には、五つ)を有していて、これらのドアは、炉10の内側で、例えば、チェックまたはメインテナンス作業を実施するために、炉の内側10へのアクセスを可能にする。
【0073】
各ドア34は、空気の主流れAが、炉の外側10から吸入ダクト18へ、流れることを可能にする曝気格子36を有している。
【0074】
1e 周辺ハウジング32の各壁32a,32bは、実質的にドア34のボトムから地面へ縦方向に延びる炉10を、それぞれ被覆するための下側プレート38a,38bを有している。
【0075】
図2によれば、加熱領域16bは、ボトムで、床40により、縦方向に境界を定め、この床を通って、縦の吸入ダクト18が延びている。
【0076】
最後に、周辺ハウジング32は、上側開口50の下流で境界を定め、この上側開口は、空気の主流れAが上方向へ流れることを可能にするために、トップで縦方向に開放されている。
【0077】
上側開口50は、リア・サイド12からフロント・サイド14へ長手方向に、ハウジング32の壁の間を、横方向に、炉10の全周に亘って延びている。
【0078】
加熱領域16bは、横方向のプリフォーム加熱手段22(例えば、赤外線放射(IR)ランプ)を有していて、このプリフォーム加熱手段は、作動されたとき、プリフォームを加熱して適切な温度まで上げるために、プリフォームのボディを照射して、それらが、順にコンテナに変換されることを可能にする。
【0079】
赤外線放射ランプは、例えば、ラックの中に積み重ねられ、加熱モジュールを形成し、加熱モジュールは、炉10の中で、閉じられたフロント・サイド14と、プリフォームの入口及び出口のための開放されたリア・サイド12に隣接する安定化部分を除いて、プリフォームの移動の方向へ、互いに並んで配置され、この場合には、加熱経路の往路及び帰路部分に沿って、長手方向に配置される。
【0080】
更にまた、加熱領域16bは、遠心ファン24(その中の一つのみが図2の中に示されている)などのような一連の換気手段を有している。これらの換気手段は、炉10の中心で、赤外線放射ランプの反対側に配置され、それによって、プリフォームが、ランプと遠心ファン24との間を移動することになる。
【0081】
各遠心ファン24は、空気の主流れAのための分配器26に対して設けられ、この分配器26は、加熱手段22の間に横方向に挿入される。
【0082】
図2によれば、遠心ファン24は、駆動手段(この場合には、第一のモータ27)により回転駆動され、この駆動手段により、各遠心ファン24は、分配器26の上流の空気入口28を通って空気を引き込み、このようにして引き込まれた空気を、それぞれ加熱手段22と向かい合わせに配置された二つの反対側の横方向の出口30a,30bを通って、全体として横方向に、プリフォーム及び加熱手段22の上に吹き付けまたは噴出する。
【0083】
引き込濾過された空気は、好ましくは、孔開き(perforated)反射板を通って、遠心ファン24により吹き出される。この反射板は、例えば、前記横方向の出口30a,30bを形成する縦方向に向けられたスロットを有している。
【0084】
反射板は、横方向で、加熱手段22の反対側に配置され、加熱の効率を増大するために、赤外線放射を反射するように意図され、それと同時に、冷却空気の通過を可能にする。
【0085】
遠心ファン24は、このようにして、加熱手段22及びプリフォームの近傍にある空気を攪拌し、それにより、特に、プリフォームのボディの外側表面が焼けること防止し、プリフォームのボディの加熱を均一にする。
【0086】
遠心ファン24はまた、プリフォームの近傍で、加熱領域16bの中に高い圧力を作り出す。
【0087】
第一のモータ27は、遠心ファン24の回転速度を変化させるために、第一の制御手段29と相互作用し、プリフォームに吹き付けられる空気の流速を結果的に変化させる。
【0088】
加熱領域16bは、好ましくは、それらが熱により変形されることを防止するための、プリフォームのネックを熱的に保護するための手段(図示されていない)を有している。
【0089】
最後に、空気抽出領域16cは、少なくとも一つの空気抽出ダクト42を有していて、この空気抽出ダクトの中を通って、空気の主流れAが、炉の内側10から炉の外側10へ流れる。
【0090】
抽出ダクト42の下流端部は、例えば、排出回路に接続され、この排出回路は、炉10から抽出された空気を、施設の加熱回路の中へ、ガイドし、または、炉10がその中に配置される施設の外側へガイドする。
【0091】
空気抽出ダクト42は、対応する抽出手段44(例えば、ファン(44)を有していて、この抽出手段は、図2に示された矢印の方向に、空気を炉の外側10に抽出するように、抽出ダクト42の中のファン44の上流に、減じられた圧力を作り出すことが可能である。
【0092】
減じられた圧力と言う用語は、ここで、炉10の外側で優勢である大気圧力より低い圧力を意味している。
【0093】
他のアスペクトによれば、空気抽出領域16cは、閉じ込めハウジング46により炉の外側10から絶縁される。
【0094】
閉じ込めハウジング46は、好ましくは、ハウジング32の第一のいわゆる上側の部分を構成する。
【0095】
図1及び2に示されているように、閉じ込めハウジング46は、空気中の汚染粒子による炉10の内側の汚染を防止するために、少なくとも加熱領域16bを炉10の外側に対して絶縁するように、加熱領域16bの下流開口50から、抽出ダクト42まで延びる。
【0096】
従来から知られている炉と比較して、閉じ込めハウジング46は、上側開口50を完全に閉鎖する。この上側開口は、もし、加熱領域16bの上方の空のスペースが残っている場合には、加熱領域16bと抽出ダクト42との間に、以前は存在していた。この上側開口は、本発明によれば、閉じ込めハウジング46により閉じられ、この閉じ込めハウジングは、蓋のような状態で、炉の外側10から、それを絶縁する。
【0097】
閉じ込めハウジング46は、少なくとも一つの抽出フード52を有していて、この抽出フードは、加熱領域16bの方へ拡がる形状を有していて、それ故に、上方向へ減少する断面を有している。
【0098】
閉じ込めハウジング46は、下側矩形のベース53から、縦方向に上方向へ延びる。
【0099】
閉じ込めハウジング46のフード52の下側ベース53は、二つの反対側の 長手方向のエッジを有していて、これらのエッジは、全体として直線であり、炉10のそれぞれの側壁32a、32bの上側エッジに接続されている。
【0100】
相補的なやり方で、図1によれば、閉じ込めハウジング46はまた、第一の上側水平プレート48a及び第二の上側水平プレート48bを有している。これらは、縦方向で炉10の加熱領域16bの境界を定めるように、第一の横エッジに、及びフード52のベース53の第二の横エッジに取り付けられている。
【0101】
ここで、第一のプレート48a及び第二のプレート48bは、それぞれ、例えば、メインテナンス作業を実施するために、炉10のトップから炉の内側10にアクセスするためのマンホール・カバー(図示されていない)が設けられている。
【0102】
閉じ込めハウジング46のフード52は、好ましくは、加熱経路の往路及び帰路部分の上方で長手方向に延び、この加熱経路に沿って、加熱手段22が配置され、これに対して、第一のプレート48a及び第二のプレート48bは、それぞれ、第一のリア・サイド12及び第二のフロント・サイド14の上方に配置されている。
【0103】
図1に示されているように、第一のプレート48a及び第二のプレート48bは、天井を形成し、この天井は、フード52とともに、炉の内側10を完全に閉鎖することを可能にし、プレート48a,48bのそれぞれは、縦壁32a,32bにより形成されたハウジング32の下側部分と相互作用をする。
【0104】
閉じ込めハウジング46は、このようにして、空気の主流れAを集めることが可能であり、この主流れAは、抽出ダクト42を介して外側へ空気の主流れAを抽出するために、加熱領域16bから流れる。
【0105】
炉10が完全に気密ではなく、且つ抽出ファン44が炉10の内側に減じられた圧力を作り出すと言う前提から出発して、寄生的な空気の流れが、炉10の中に、特にドア34の周りに、侵入するリスクがある。
【0106】
そのような寄生的な空気の流れ(これらは濾過されない)は、汚染粒子のための潜在的なベクトルを構成する。これらの汚染粒子は、このようにして、空気によりプリフォームの近傍に運ばれ、結果として、特に前記プリフォームを汚染する。
【0107】
そのような空気の流れ(その質がコントロールされていない)が炉10の内側で侵入することを防止するために、閉じ込めハウジング46が、二次または補助的な空気入口開口54の境界を定めている。この空気入口開口は、加熱領域の下流16bに配置され、それによって、空気Bの二次いわゆるブリード流れが、抽出ファン44により作り出された減じられた圧力の影響の下で、空気入口開口54の中を通って流れることになる。
【0108】
空気Bの二次流れは、このようにして、主加熱領域16bの中を通過することなく、炉の外側10から、直接的に、空気抽出ダクト42へ流れる。
【0109】
特に、各二次空気流入開口54は、複数のオリフィス56を有していて、これらのオリフィスは、フード52のベース53と側壁32a、32bとの結合部の近傍で、フード52の両側で、長手方向に揃えられる。
【0110】
そのようなデザインは、プリフォームまたは炉10の内側の部材を汚染するリスクを伴うことなく、空気のコントロールできない寄生的な流入よりも、空気流入開口54を通る空気の流入を促進する。
【0111】
抽出ダクト42を通る空気抽出流速は、好ましくは、遠心ファン24により引き込まれて換気される濾過される空気の流速より大きく、それによって換気された冷却空気の全てを排出し、且つ、抽出ダクト42の下流に存在する減じられた圧力のために炉10の内側に寄生的に侵入する空気が、前記二次空気入口開口54を通って専ら侵入することを保証する。
【0112】
このようにして、空気流入開口54のオリフィス56を通って侵入する空気Bの二次流れは、汚染粒子の侵入を防止するために高い圧力で恒久的に維持されている加熱領域16bの中に、決して循環することがない。
【0113】
他のアスペクトによれば、空気抽出ファン44は、第二のモータ58により回転駆動され、この第二のモータは、その運転モードに依存して、ファン44の回転速度を変化させ、その結果として、ファン44の下流の減じられた圧力、及び抽出ダクト42を通るファン44により抽出される空気の流速を変化させる。
【0114】
この目的のために、炉10は、空気抽出ファン44を制御するための第二の手段60を有していて、この第二の手段は、その運転モードを変化させるように、第二のモータ58と相互作用する。
【0115】
更にまた、炉10は、抽出ファン44の上流の、空気抽出領域16cの内側で、減じられた圧力を測定するための第一の手段62を有している。
【0116】
図2から分かるように、この減じられた圧力を測定するための手段62は、ここでは、圧力差を測定するための手段、または圧力差を伝送するための手段であって、例えば、圧電センサーである。
【0117】
この減じられた圧力を測定するための手段62は、抽出ファン44の上流且つ対応する二次空気流入開口54の下流で、炉の外側10と、閉じ込めハウジング46の内側に位置するポイントとの間の、圧力の差を測定する。
【0118】
第二の制御手段60は、測定手段62により測定された圧力差の値及び減じられた圧力に対する基準値に依存して空気抽出ファン44を制御し、それにより、対応する基準値に基づいて抽出ファン44により抽出される空気の流速を調整する。
【0119】
制御手段60は、このようにして、吸入ダクト18の空気入口20の状態に対して独立に、特に濾過手段21,23の中に溜まった粉塵の量に対して独立に、減じられた圧力に対する基準値に依存して、一定の空気流速を得ることを可能にする。
【0120】
減じられた圧力に対する基準値は、閉じ込めハウジング46の内側に、減じられた圧力を作り出すように予め定められ、それによって、抽出ダクト42を通って抜き出される空気の流速が、遠心ファン24によりプリフォームに吹き付けられる空気の流速に対して独立に、遠心ファン24によりプリフォームに吹き付けられる空気の流速より大きくなる。
【0121】
制御手段60は、このようにして、遠心ファン24及び抽出ファン44をサーボコントロールするための手段を構成する。
【0122】
減じられた圧力に対する基準値は、例えば、0パスカルと100パスカルの間にある。
【0123】
炉10は、加熱手段22が作動されるいわゆる製造モード、あるいは、加熱手段22が作動されないいわゆる休止モードで運転されている。
【0124】
製造モードは、プリフォームを加熱する通常運転に対応し、休止モードは、炉10の全ての他の運転状態、例えば、炉10の監視モードまたはメインテナンス・モードに対応する。
【0125】
遠心ファン24及び抽出ファン44は、炉10が運転されるモードにかかわりなく、恒久的に回転駆動される、それによって、炉10は、空気の主流れAにより恒久的に横切られる。
【0126】
このようにして、濾過された空気のみが、加熱領域16bの中を通って流れ、このようにして、プリフォームまたは炉10の内側の部材の上への、汚染粒子の堆積を防止する。
【0127】
更にまた、遠心ファン24は、付随する制御手段29により制御され、それによって、遠心ファン24に吹き出される空気の流速が、炉10の製造モードにあるときと比べて、休止モードにあるときに、低くなる。
【0128】
同様に、減じられた圧力に対する基準値は、炉10が運転されるモードに依存して変化し、減じられた圧力に対する基準値は、炉10が休止モードで運転されているときに、低くなる。
【0129】
特に、炉10がその休止モードで運転されているとき、減じられた圧力に対する基準値は、抽出ファン44により抽出される空気の流速が、炉10の中の過剰な熱を抽出するために十分であるように決定される。
【0130】
同様に、炉10がその休止モードで運転されているとき、減じられた圧力に対する第一の基準値は、汚染粒子が、特に、二次空気流入開口54を通って引き込まれる汚染粒子が、プリフォームの上にまたは炉10の内側の部材の上に堆積することを防止するために、抽出ファン44により抽出される空気の流れの流速が十分であるように決定される。
【0131】
他のアスペクトによれば、空気吸入領域16aは、濾過手段21,23の中での粉塵の蓄積を検出するための手段70,72を有している。
【0132】
粉塵の蓄積を検出するための手段は、上記の第一の検出手段62と同様の、減じられた圧力を測定するための第二の手段70を有している。
【0133】
図2に示された第二の測定手段70は、炉の外側10と、第一の上流フィルター21と空気入口20の第二の下流フィルター23との間に位置するスペースとの間の圧力の差を測定する。
【0134】
第二の測定手段70は、このようにして、測定された減じられた圧力を予め定められた基準値と比較することにより、上流フィルター21の粉塵の堆積の程度、即ち目詰まり、を測定することが可能である。
【0135】
同様に、粉塵の蓄積を検出するための手段は、第三の測定手段72を有していて、この第三の測定手段は、第一の上流フィルター21と第二の下流フィルター23との間に位置するスペースと、空気入口20の第二の下流フィルター23の直接下流に位置するスペースとの間の圧力の差を測定する。
【0136】
この第三の測定手段72は、このようにして、測定された減じられた圧力を予め定められた基準値と比較することにより第二の下流フィルター23の粉塵の堆積の程度、即ち目詰まり、を測定することが可能である。
【0137】
示されていない代替的な実施形態によれば、炉10は、抽出ダクト42の中に配置された、空気の流速を測定するための第一の手段、及び、吸入ダクト18の中に配置された空気の流速を測定するための第二の手段を有している。
【0138】
この代替形態によれば、空気の流速を測定するための第一の手段及び第二の手段は、それぞれ、抽出ファン44を制御するための第二の手段60と相互作用し、それによって、抽出ダクト42を通って抜き出される空気の流速が、遠心ファン24に吹き出されて抜き出される空気の流速より大きくなる。
【0139】
最後に、プリフォームの高い程度の清潔さ及び清浄度を保証するために、炉10は、殺菌または消毒手段(図示されていない)を有していて、それらは、プリフォームと接触状態にある可能性のある炉の内側の部材を、例えば、プリフォームのネックの内壁と相互作用するターンテーブルを、照射するように紫外線を発射することが可能である。
【0140】
プリフォームは、好ましくは、プリフォームの内側での凝縮により堆積された二酸化水素などのような殺菌剤により殺菌され、この殺菌剤は、炉10の加熱手段に曝されたときに気化し、次いで、フード52により引き込まれる。
【0141】
本発明はまた、何ら限定を伴うことなく、抽出ファン44を有していない炉10、および/または、空気をプリフォームに吹き付けるための遠心ファン24を有していない炉10にも関係し、その場合、炉10は、対流により抽出ダクト42に縦方向に流れる空気の主流れにより、上流から下流へ横切られる。
【0142】
同様に、本発明は、決して、以上において説明されたもののような全体として平行四辺形の形状を備えた炉のみに限定されることはない。
【0143】
本発明はまた、湾曲した、円形または環状炉、または他の形状を備えた炉にも適用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性材料で作られたプリフォームの熱的調整ための炉(10)であって、
上流側から下流側へ、順を追って当該炉(10)の内側を横切る冷却空気(A)の主流れの循環を使用する少なくとも一つの冷却回路(16)を有し、
当該炉は、少なくとも、一つの冷却空気吸入領域(16a)と、一つの加熱領域(16b)と、一つの空気抽出領域(16c)と、有し、
− 前記冷却空気吸入領域は、少なくとも一つの空気吸入ダクト(18)を有し、この空気吸入ダクトの中を通って、冷却空気(A)の前記主流れが、当該炉(10)の外側から当該炉(10)の内側へ、流れることが可能であり、
− 前記加熱領域は、前記吸入ダクト(18)により空気が供給され、且つ、プリフォームを加熱するための手段(22)を有していて、
− 前記空気抽出領域の中に、少なくとも一つの空気抽出ダクト(42)が開口し、
当該炉(10)は、閉じ込めハウジング(46)を有していて、この閉じ込めハウジングは、前記空気抽出ダクト(42)から少なくとも前記加熱領域(16b)へ延び、且つ、空気中の汚染粒子による当該炉(10)の内側の汚染を防止するために、当該炉(10)の外側に対して、少なくとも前記加熱領域(16b)を絶縁することが可能である、
炉において、
前記閉じ込めハウジング(46)は、少なくとも一つのいわゆる二次空気入口開口(54)を有し、
この二次空気入口開口は、空気の二次流れ(B)が、当該炉(10)の外側から、直接的に前記二次空気入口開口(54)を通って、前記空気抽出ダクト(42)へ、流れるように、前記加熱領域(16b)の下流に配置されていること、
を特徴とする炉。
【請求項2】
下記特徴を有する請求項1に記載の炉(10)、
前記空気吸入領域(16a)は、前記吸入領域(16a)の中に取り入れられる前記冷却空気を濾過するように意図された濾過手段(21,23)を有している。
【請求項3】
下記特徴を有する請求項2に記載の炉(10)、
前記冷却空気吸入領域(16a)は、前記濾過手段(21,23)上での粉塵の蓄積を検出するための手段(70,72)を有している。
【請求項4】
下記特徴を有する請求項1から3のいずれか1項に記載の炉(10)、
前記閉じ込めハウジング(46)は、少なくとも一つのいわゆる上側の第一の部分を有していて、この第一の部分は、空気(A)の主流れを集めるように前記加熱領域(16b)の方向へ拡がる形状を有している。
【請求項5】
下記特徴を有する請求項4に記載の炉(10)、
前記閉じ込めハウジング(46)は、少なくとも一つのいわゆる下側の第二の部分を有していて、この第二の部分は、第一の部分に接続され、且つ、少なくとも前記加熱領域(16b)を外側から絶縁するように、当該炉(10)の周りに延びている。
【請求項6】
下記特徴を有する請求項1から5の何れか1項に記載の炉(10)、
前記加熱領域(16b)は、換気手段(24)を有していて、
この換気手段は、前記吸入ダクト(18)から来る空気を引き込み、このようにして引き込まれた空気をプリフォームの方へ吹き付けて、このプリフォームの近傍に高い圧力を作り出すことがことが可能であり、それによって、前記換気手段(24)により引き込まれた空気のみが、プリフォームと接触するようにする。
【請求項7】
下記特徴を有する請求項1から6の何れか1項に記載の炉(10)、
当該炉(10)は、
− 前記抽出ダクト(42)に付随し、且つ前記抽出ダクト(42)の上流の抽出領域(16c)の中にサクションのための減じられた圧力を作り出すことが可能である、空気抽出手段(44)と、
− 前記空気抽出領域(16c)の内側に前記減じられた圧力を測定するための手段(62)と、
− パラメータの関数として前記空気抽出手段(44)を制御するための手段(60)と、
を少なくとも有していて、
これらのパラメータは、
−− 前記測定手段(62)により前記空気抽出領域(16c)内側で測定された前記減じられた圧力の値、及び
−− 前記抽出ダクト(42)を通って抜き出された空気の流速が、前記加熱領域(16b)の中の前記換気手段(24)によりプリフォームの方へ吹き出される空気の流速より大きくなるように、前記空気抽出領域(16c)の内側に減じられた圧力を作り出すように、前記減じられた圧力に対して予め定められた基準値、
を少なくともを含んでいる。
【請求項8】
下記特徴を有する請求項1から7の何れか1項に記載の炉(10)、
当該炉(10)は、前記加熱手段(22)が作動される第一のいわゆる製造モードで運転され、または、前記加熱手段(22)が作動されない第二のいわゆる休止モードで運転され、且つ、
当該炉(10)が運転されるモードにかかわりなく、当該炉(10)は、当該炉(10)内側での汚染粒子の堆積を避けるために、空気(A)の主流れにより恒久的に横切られる。
【請求項9】
前記減じられた圧力に対する前記予め定められた基準値は、当該炉(10)が第一のモードまたは第二のモードの何れにあるかに依存して、空気(A)の前記主流れの流速に適応するように、当該炉(10)のモードの関数として選択的に変化することを特徴とする、
請求項8との組み合わせを考慮に入れた、請求項7に記載の炉(10)。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2012−506330(P2012−506330A)
【公表日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532586(P2011−532586)
【出願日】平成21年10月13日(2009.10.13)
【国際出願番号】PCT/EP2009/063308
【国際公開番号】WO2010/046270
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(506208528)スィデル・パルティスィパスィヨン (44)
【Fターム(参考)】