説明

熱可塑性材料判別方法および熱可塑性材料判別装置

【課題】 比較的短時間かつ低エネルギでプラスチックの種類を判別する。
【解決手段】 加熱面(23)の位置(x)に応じて温度が異なるように加熱できる加熱手段(20)と、加熱面に配置された同一材料からなる粒子群(60a〜60j)と、熱可塑性材料部材(50)を加熱面に配置された粒子群に押付ける押付手段(40)とを具備し、押付手段によって押付られた熱可塑性材料部材に融着した粒子の温度に基づいて、熱可塑性材料部材の種類を判別する熱可塑性材料判別装置が提供される。なお、第一の材料からなる第一の粒子群(60a〜60j)と、第一の粒子群と同一寸法であって、加熱面に配置された第二の材料からなる第二の粒子群(61a〜61j)との両方を備え、判別精度を向上させるようにしてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非定常熱伝導と融着現象とを利用して、熱可塑性材料部材、例えばプラスチック製部材またはガラス製部材などの種類を判別する熱可塑性材料判別方法およびこの方法を実施する熱可塑性材料判別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性材料、例えばプラスチックまたはガラスなどは現在の多数の工業製品において使用されている。工業製品が廃棄されるときに、該工業製品において使用される熱可塑性材料、例えばプラスチックを分別するために、製品または部品にプラスチック材料の名称を刻印することによる目視選択方法、および製品に使用されるプラスチック材料の種類を判別する方法が採用されている。
【0003】
熱可塑性材料、例えばプラスチック材料をプラスチック片、つまり工業製品を廃棄処理する際に得られるシュレッダーダストにまで破砕できる場合には、プラスチック材料の種類を判別するために、材料ごとに異なる密度(比重)を利用した「浮沈法」が用いられている。浮沈法は、他のプラスチック片とは密度が大幅に異なるプラスチック片、例えばガラス繊維が混在しているプラスチック片を選択することは可能であるが、密度差の小さいプラスチック片を選択することは困難である。さらに、材料の誘電率の差を利用してプラスチック片を選択する「静電法」も提案されている。しかしながら、静電法は、導電性材料がプラスチック片内に含まれる場合には、プラスチック片ごとに選別を行うことが困難であるという欠点を有している。
【0004】
このような欠点を克服するために、特許文献1においては、プラスチック材料から破砕された複数種類のプラスチック材料からなるプラスチック片を、第一の温度に加熱された加熱部材に接触させて融着温度の低いプラスチック片を選択的に回収し、次いで、残りのプラスチック片を第一の温度よりも高い第二の温度に加熱された加熱部材に接触させて融着温度の高いプラスチック片を選択的に回収する回収装置が開示されている。
【0005】
ところが、特許文献1に開示される回収装置は複数種類のプラスチック片から特定種類のプラスチック片を選択的に判別して回収できるものの、このような判別を行うためには、プラスチック材料をプラスチック片にまで予め破砕することが必要とされる。つまり、特許文献1の場合には、プラスチック片にまで破砕するために余分なエネルギおよび時間が必要となる。
【0006】
ところが、現実には特許文献1の場合のように熱可塑性材料、例えばプラスチック材料をプラスチック片にまで破砕できない場合も多い。このようにプラスチック材料をプラスチック片にまで破砕できない場合には、プラスチック材料ごとの光吸収特性の差異を利用した光学判別方法/光学判別装置が使用される。光学判別方法に基づくプラスチックの種類の判別は非接触かつ高速でプラスチック材料の判別が可能であるものの、同一のプラスチック材料に異なる色素または補強剤などが混入されている場合には、光学判別方法のみによって全てのプラスチック材料を判別することは不可能である。
【0007】
さらに、熱可塑性材料、例えばプラスチック材料をプラスチック片にまで破砕できない場合には、特許文献2に開示されるようなプラスチック判別方法も提案されている。特許文献2においては、プラスチック製品の表面の一部をヒータによって徐々に加熱し、プラスチック製品が熱変形するときの温度に基づいてプラスチック製品の種類を判別している。
【特許文献1】特開2002−046128号公報
【特許文献2】特開平5−196587号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献2に開示される判別方法においては、プラスチック製品が熱変形するときの温度を正確に見極める必要があるので、プラスチックを加熱する加熱速度をそれほど高くすることはできず、その結果、プラスチック製品の種類を判別するのに要する時間は長くなる。特に、熱変形温度の高いプラスチック製品の種類を判別するときであっても、そのプラスチック製品の熱変形温度が分からないために加熱速度を変更することはできず、低温から徐々に温度を上げていくことになる。このため、熱変形温度の高いプラスチック製品の種類を判別するときには極めて多大な時間が経過することになり、また必要とされるエネルギも増大する。
【0009】
さらに、特許文献2に開示される判別方法においては、熱変形温度が比較的低いプラスチック製品と熱変形温度が比較的高いプラスチック製品とにおいて、プラスチックの種類の判別に要する時間が大幅に異なるという問題も包含している。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、熱可塑性材料、例えばプラスチックの種類に応じて判別に要する時間が変わることなしに、比較的短時間かつ低エネルギで熱可塑性材料の種類を判別することのできる熱可塑性材料判別方法およびこの方法を実施する熱可塑性材料判別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した目的を達成するために1番目に記載の発明によれば、加熱手段の加熱面に同一材料からなる粒子群を配置し、前記加熱手段の前記加熱面における位置に応じて温度が異なるように、前記加熱面を前記粒子群と一緒に加熱し、前記加熱面の前記粒子群に熱可塑性材料部材を押付け、前記粒子群のうちの前記熱可塑性材料部材に融着した粒子の温度に基づいて、前記熱可塑性材料部材の種類を判別する熱可塑性材料判別方法が提供される。
【0012】
すなわち1番目の発明においては、位置に応じて温度の異なる加熱面上に配置された粒子群に熱可塑性材料部材、例えばプラスチック部材に一度に押付けているので、比較的短時間かつ低エネルギで熱可塑性材料の種類を判別することができる。しかも、このような場合においては、加熱部材の温度を徐々に上昇させる必要がないので、融点が比較的高い熱可塑性材料であっても、比較的低い熱可塑性材料であっても、判別に要する時間はほぼ等しくなる。
【0013】
2番目の発明によれば、加熱手段の加熱面に第一の材料からなる第一の粒子群を配置し、前記加熱手段の前記加熱面に前記第一の粒子群と同一寸法であって第二の材料からなる第二の粒子群を配置し、前記加熱手段の前記加熱面における位置に応じて温度が異なるように、前記加熱面を前記第一および第二の粒子群と一緒に加熱し、前記加熱面の前記第一および第二の粒子群に熱可塑性材料部材を押付け、前記第一の粒子群のうちの前記熱可塑性材料部材に融着した粒子の温度、および前記第二の粒子群のうちの前記熱可塑性材料部材に融着した粒子の温度に基づいて、前記熱可塑性材料部材の種類を判別する熱可塑性材料判別方法が提供される。
【0014】
すなわち2番目の発明においては、位置に応じて温度の異なる加熱面上に配置された粒子群に熱可塑性材料部材、例えばプラスチック部材に一度に押付けているので、比較的短時間かつ低エネルギで熱可塑性材料の種類を判別することができる。しかも、このような場合においては、加熱部材の温度を徐々に上昇させる必要がないので、融点が比較的高い熱可塑性材料であっても、比較的低い熱可塑性材料であっても、判別に要する時間はほぼ等しくなる。さらに、2番目の発明においては、第一および第二の粒子群の両方を用いて、熱可塑性材料の判別を行っているので、熱可塑性材料の種類をより正確に判別することが可能となる。
【0015】
3番目の発明によれば、1番目または2番目の発明において、前記加熱手段の前記加熱面における温度は、前記加熱面の一端からの距離に応じて定まるようにした。
すなわち3番目の発明においては、加熱面上で加熱される各粒子の温度を比較的容易に算出することができる。
【0016】
4番目の発明によれば、加熱面の位置に応じて温度が異なるように加熱できる加熱手段と、前記加熱面に配置された同一材料からなる粒子群と、熱可塑性材料部材を前記加熱面に配置された前記粒子群に押付ける押付手段とを具備し、前記押付手段によって押付られた熱可塑性材料部材に融着した粒子の温度に基づいて、前記熱可塑性材料部材の種類を判別する熱可塑性材料判別装置が提供される。
【0017】
すなわち4番目の発明においては、位置に応じて温度の異なる加熱面上に配置された粒子群に熱可塑性材料部材、例えばプラスチック部材に一度に押付けているので、比較的短時間かつ低エネルギで熱可塑性材料の種類を判別することができる。しかも、このような場合においては、加熱部材の温度を徐々に上昇させる必要がないので、融点が比較的高い熱可塑性材料であっても、比較的低い熱可塑性材料であっても、判別に要する時間はほぼ等しくなる。
【0018】
5番目の発明によれば、加熱面の位置に応じて温度が異なるように加熱できる加熱手段と、前記加熱面に配置された第一の材料からなる第一の粒子群と、前記第一の粒子群と同一寸法であって、前記加熱面に配置された第二の材料からなる第二の粒子群と、熱可塑性材料部材を前記加熱面に配置された前記粒子群に押付ける押付手段とを具備し、前記第一の粒子群のうちの前記熱可塑性材料部材に融着した粒子の温度、および前記第二の粒子群のうちの前記熱可塑性材料部材に融着した粒子の温度に基づいて、前記熱可塑性材料部材の種類を判別する熱可塑性材料判別装置が提供される。
【0019】
すなわち5番目の発明においては、位置に応じて温度の異なる加熱面上に配置された粒子群に熱可塑性材料部材、例えばプラスチック部材に一度に押付けているので、比較的短時間かつ低エネルギで熱可塑性材料の種類を判別することができる。しかも、このような場合においては、加熱部材の温度を徐々に上昇させる必要がないので、融点が比較的高い熱可塑性材料であっても、比較的低い熱可塑性材料であっても、判別に要する時間はほぼ等しくなる。さらに、5番目の発明においては、第一および第二の粒子群の両方を用いて、熱可塑性材料の判別を行っているので、熱可塑性材料の種類をより正確に判別することが可能となる。
【0020】
6番目の発明によれば、4番目または5番目の発明において、前記加熱手段の前記加熱面における温度は、前記加熱面の一端からの距離に応じて定まるようにした。
すなわち6番目の発明においては、加熱面上で加熱される各粒子の温度を比較的容易に算出することができる。
【0021】
7番目の発明によれば、加熱面を備えた複数の加熱手段を具備し、これら加熱手段の前記加熱面はそれぞれ異なる温度に設定されており、さらに、前記加熱面のそれぞれに配置された同一材料からなる粒子と、熱可塑性材料部材を前記加熱面のそれぞれに配置された前記粒子に押付ける押付手段とを具備し、前記押付手段によって押付られた熱可塑性材料部材に融着した粒子の温度に基づいて、前記熱可塑性材料部材の種類を判別する熱可塑性材料判別装置が提供される。
【0022】
すなわち7番目の発明においては、位置に応じて温度の異なる加熱面上に配置された粒子群に熱可塑性材料部材、例えばプラスチック部材に一度に押付けているので、比較的短時間かつ低エネルギで熱可塑性材料の種類を判別することができる。しかも、このような場合においては、加熱部材の温度を徐々に上昇させる必要がないので、融点が比較的高い熱可塑性材料であっても、比較的低い熱可塑性材料であっても、判別に要する時間はほぼ等しくなる。さらに、7番目の発明においては、複数の加熱手段のそれぞれの温度を独立して制御できるので、各加熱面の温度およびこれに対応する粒子の温度を正確に把握することが可能となる。
【0023】
8番目の発明によれば、7番目の発明において、さらに、前記各加熱手段の前記加熱面を、該加熱面に対して垂直な方向に移動して位置決めできる位置決め手段を具備する。
すなわち8番目の発明においては、熱可塑性材料部材に段差が形成されている場合であっても、位置決め手段によって各加熱面を当該段差に対応するように各加熱面の位置を容易に調整することができる。
【0024】
9番目の発明によれば、4番目から8番目のいずれかの発明において、前記加熱手段の前記加熱面には、前記粒子の寸法よりも小さい寸法を有する少なくとも一つの仕切部材が設けられている。
すなわち9番目の発明においては、粒子が加熱面から滑落するのを仕切部材によって防止することができる。
【発明の効果】
【0025】
各発明によれば、比較的短時間かつ低エネルギでプラスチックの種類を判別することができるという共通の効果を奏しうる。
【0026】
さらに、2番目の発明によれば、熱可塑性材料の種類をより正確に判別することが可能となるという効果を奏しうる。
さらに、3番目の発明によれば、加熱面上で加熱される各粒子の温度を比較的容易に算出することができるという効果を奏しうる。
さらに、5番目の発明によれば、熱可塑性材料の種類をより正確に判別することが可能となるという効果を奏しうる。
さらに、6番目の発明によれば、加熱面上で加熱される各粒子の温度を比較的容易に算出することができるという効果を奏しうる。
さらに、7番目の発明によれば、各加熱面の温度およびこれに対応する粒子の温度を正確に把握することが可能となるという効果を奏しうる。
さらに、8番目の発明によれば、熱可塑性材料部材に段差が形成されている場合であっても、位置決め手段によって各加熱面を当該段差に対応するように各加熱面の位置を容易に調整することができるという効果を奏しうる。
さらに、9番目の発明によれば、粒子が加熱面から滑落するのを仕切部材によって防止することができるという効果を奏しうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の図面において同様の部材には同様の参照符号が付けられている。理解を容易にするために、これら図面は縮尺を適宜変更している。
図1は、本発明の第一の実施形態に基づく熱可塑性材料判別装置の略側面図であり、図2は、図1に示される熱可塑性材料判別装置の略平面図である。図1に示されるように、熱可塑性材料判別装置10は熱伝導性材料から形成された略矩形の加熱プレート20を含んでいる。加熱面23を有する加熱プレート20は硬質材料で形成されている。
【0028】
図1から分かるように、加熱プレート20の加熱面23には加熱プレート20の横断方向に延びる複数の仕切部71がほぼ等間隔に設けられている。図1に示されるように、これら仕切部71により仕切られた区画のそれぞれには同一材料からなる同一形状の粒子、図示される実施形態においてはビーズ60a〜60jが列をなすように配置されている。
【0029】
また、図2に示される略平面図から分かるように、加熱プレート20の加熱面23には加熱プレート20の長手方向に延びる複数の仕切部72がほぼ等間隔に設けられている。そして、ビーズ60a〜60jが配置された区画とは別の区画に、他のビーズ61a〜61jが同様に列をなして配置されている。これらビーズ61a〜61jはビーズ60a〜60jと同一寸法であるものの、ビーズ61a〜61jはビーズ60a〜60jとは異なる材料から形成されている。これらビーズ60a〜60jおよびビーズ61a〜61jは熱可塑性材料、例えばプラスチックよりも融点が高い材料から形成されている。例えばビーズ60a〜60jが金属、例えば銅から形成されており、他のビーズ61a〜61jは例えばガラスから形成されているものとする。また、ビーズ60a〜60jおよびビーズ61a〜61jの直径は約1mmから5mmであるのが好ましい。
【0030】
なお、図示される実施形態においては、球形のビーズ60a〜60jおよびビーズ61a〜61jを採用しているが、ビーズ間相互で後述するプラスチック部材50に対する接触面積をそろえることができれば、他の形状、例えば立方体のビーズを採用してもよい。
【0031】
また、横断方向に延びる仕切部71および長手方向に延びる仕切部72は、ビーズ60a〜60jおよびビーズ61a〜61jが加熱プレート20の加熱面23から滑落するのを防止する役目を果たしている。従って、これら仕切部71、72の代わりに、例えば加熱プレート20の加熱面23に、ビーズの滑落を防止するための同一形状の陥凹部(図示しない)を複数設けるようにしてもよい。また、後述するように熱可塑性材料部材50がビーズに接触できるようにするために、仕切部71、72の高さはビーズ60a〜60jおよびビーズ61a〜61jの高さよりも小さくなっている。
【0032】
なお、図1等においては、仕切部71等により仕切られた各区画には一つのビーズが配置されているが、複数のビーズが各区画に配置されていてもよく、それにより、判別精度の向上を図ることができる。また、図2においては、理解を容易にするために、ビーズ60a〜60jとビーズ61a〜61jとをそれぞれ異なる区画に配置しているが、これらビーズ60a〜60jおよびビーズ61a〜61jを同一の区画に配置してもよい。
【0033】
さらに、図1および図2に示されるように、加熱プレート20の一端21にはクーラ31が接続されており、他端22にはヒータ32が接続されている。クーラ31はヒータ32により形成される温度よりも低い温度を形成する役目を果たしており、必ずしもクーラ31が常温より低い温度に設定されるわけではない。クーラ31は、例えばヒータ32の加熱温度よりも低い温度の流体を収容する収容部を有しており、この流体の温度を加熱プレート20の一端21に伝達できるようになっている。ヒータ32は、例えばセラミックヒータ、赤外線ヒータ、電熱線、ニクロム線または高温の油を収容する収容部を有しているものとする。
【0034】
また、図1に示されるように加熱プレート20の加熱面23上方には、押付部40が配置されている。押付部40は、熱可塑性材料部材、例えばプラスチック部材50を保持するための保持テーブル41を備えている。この保持テーブル41は、例えば真空を施すことによりプラスチック部材50の表面52を吸着することのできる吸着テーブルでありうる。図示されるように、保持テーブル41の寸法は、加熱プレート20の寸法にほぼ等しいかまたはこれより大きいのが好ましく、それにより、プラスチック部材50の全面を加熱プレート20、厳密には加熱プレート20上のビーズに均等な力で押し付けることができる。また、保持テーブル41から延びるシャフト42は図示しないアクチュエータに接続されていて、プラスチック部材50を保持した保持テーブル41と共に鉛直方向に昇降することができる。なお、理解を容易にするために、図2には押付部40を示していない。
【0035】
一方、熱可塑性部材、例えばプラスチック部材50は加熱プレート20よりも大きい寸法を有しているのが好ましい。図示されるように、プラスチック部材50は保持テーブル41に保持される表面52と、表面52の反対側の表面51とが互いに平行であるのが好ましく、それにより、後述する押付時にプラスチック部材50全面が均等な力で加熱プレート20上のビーズ60a〜60jおよびビーズ61a〜61jに押し付けられるようになる。ただし、保持テーブル41とシャフト42との間の接合部に自在継手などを採用した場合には、表面51と表面52とが互いに平行でないプラスチック部材50を保持テーブル41に保持し、このようなプラスチック部材50の種類を判別することができる。
【0036】
さらに、図2から分かるように、熱可塑性材料判別装置10はデジタルコンピュータから構成される制御部100を含んでいる。図2において、101はディスプレイ等の表示部であり、102はキーボードまたはマウス等から構成される入力部であり、103は出力部であり、104はCPU等から構成される処理部であり、105はメモリや記録媒体等から構成される記憶部である。また、各部はバス106によって接続されている。図示されるように、出力部103は押付部40に接続されていて保持テーブル41の保持作用、およびシャフト42の昇降作用を制御している。さらに、出力部103は加熱部30にも接続されており、加熱部30は加熱プレート20の一端21に接続されたクーラ31および加熱プレート20の他端22に接続されたヒータ32の両方に接続されている。
【0037】
本発明の第一の実施形態においては、図1に示されるように、ヒータ32を用いて加熱プレート20の他端22を加熱する。このとき、他端22が温度Toになるように、制御部100を通じてヒータ32が調整される。加熱プレート20は導電性材料から形成されているので、ヒータ32によって加熱プレート20の他端22が加熱されると、熱は加熱プレート20の他端22から反対側の一端21に向かって長手方向に伝達される。
【0038】
同様に、クーラ31を駆動して、加熱プレート20の一端21を或る温度Tcになるように冷却する。所定の時間にわたって、クーラ31およびヒータ32を駆動すると、加熱プレート20は定常状態となり、図1において直線X1として示される線形関係が得られるようになる。このとき、加熱プレート20の一端21の温度が温度Tcであると共に、他端22の温度が温度Toである。そして、直線X1を用いることにより、一端21から距離x(xは加熱プレート20の長手方向の長さ以下である)の位置における加熱面23の温度T0xを算出することができる。なお、クーラ31は必ずしも駆動する必要はなく、クーラ31を駆動しない場合には加熱プレート20の一端21が周囲の空気により概ね常温Trに維持される。この場合にも、直線X1に類似する直線(図示しない)から温度T0xを算出できるのは明らかである。
【0039】
図1に示される温度勾配が生じるような定常状態となるまで加熱プレート20が加熱されると、加熱面23上のビーズ60a〜60jおよびビーズ61a〜61jも加熱される。このとき、ビーズ表面を断熱材80によって覆っておくと、これらのビーズ60a〜60jおよびビーズ61a〜61jの温度Ts0xは、それぞれのビーズの位置における加熱面23の温度T0xと等しくなる。加熱面温度T0xは、前述の通り、加熱プレート20の両端の温度Tc、Toから算出できるから、これよりビーズ60a〜60jおよびビーズ61a〜61jの温度を求めることができる。
【0040】
図4(a)および図4(b)は、本発明の第一の実施形態に基づく熱可塑性材料判別装置の動作を説明するための図である。理解を容易にするために、これら図4(a)および図4(b)にはビーズ60a〜60jのみを示しており、以下ビーズ60a〜60jのみについて説明する。加熱プレート20およびビーズ60a〜60jが定常状態まで加熱された後で、制御部100によって押付部40のシャフト42が下方に移動し、それにより、保持テーブル41に保持されたプラスチック部材50の表面51が加熱プレート20上のビーズ60a〜60jに押し付けられるようになる。従って、ビーズ60a〜60jの熱がプラスチック部材50に伝達される。
【0041】
ところで、プラスチック部材50と或るビーズとが接触する時間が十分短い場合には、これらの間に生ずる熱の移動作用を2半無限体間の非定常熱伝導で近似できる。従って、加熱プレート20の一端21から距離xの位置に在るビーズとプラスチック部材50との間の界面の温度Tiを解析的に以下のように見積もることができる。カールスローおよびジェーガーによる「固体材料における熱伝導(第2版)」第88頁(1959年、オックスフォードのクラレンドン出版)(Carslaw, H.S. and Jaeger, J.C.:Conduction of Heat in Solids (second edition), p.88 (1959) Oxford at the Clarendon Press)を参照されたい。
【数1】

【0042】
ここで、Tpoはプラスチック部材50の初期温度である。ρ、cおよびkはそれぞれ密度、比熱および熱伝導率を示しており、添字pはプラスチック部材50、添字sはビーズをそれぞれ示している。これらρ、cおよびkの値はプラスチック部材50およびビーズの種類に応じて異なるので、これらρ、cおよびkの値も制御部100の記憶部105に予め記憶されているものとする。
【0043】
この(1)式で示した界面の温度Tiが、プラスチック部材50を形成する熱可塑性材料ごとに固有の融着開始温度Tmsを超える場合、すなわち加熱プレート20の一端21から距離xの位置に在るビーズの加熱後の初期温度Ts0xに関して、式(2)で示される関係が成立する場合にはこのビーズがプラスチック部材50の表面51に融着するようになる。
【数2】

【0044】
再び図4(b)を参照すると、押付部40によってプラスチック部材50を加熱プレート20のビーズ60a〜60jおよびビーズ61a〜61jに所定時間だけ押付けた後で、押付部40を再び元位置まで上昇させる。図4(b)に示される実施形態においては、ビーズ60a〜60gが加熱プレート20の加熱面23上に残り、ビーズ60h〜60jがプラスチック部材50の表面51に融着してプラスチック部材50と一緒に上昇している。すなわち、この場合には、ビーズ60hに関する初期温度Ts0x=Ts0mがこのプラスチック部材50の融着開始温度Tmsに関係したものとなる。
【0045】
図3は融着する最低温度のビーズの初期温度Ts0mをプラスチック材料とビーズの材料に対してまとめたマップである。図3に示されるように、プラスチック部材50を構成する材料、この場合はプラスチック材料Pに対して融着する最低温度のビーズの初期温度Ts0mをビーズの種類についての関数としてマップの形で制御部100の記憶部105に予め組み込まれている。そして、この場合には、ビーズ60hに関する初期温度Ts0x=Ts0mとビーズ60hの材料とから、このマップを通じてプラスチック部材50を構成するプラスチック材料Pを判別することができる。
【0046】
すなわち、本発明においては、複数のビーズ60a〜60jの温度がそれぞれ異なるようにこれらビーズ60a〜60jを加熱し、次いで判別すべきプラスチック部材50をこれらビーズ60a〜60jに一度に押付けている。そして、これらビーズ60a〜60jの融着状態からプラスチック部材50の融着開始温度が分かり、それにより、プラスチック部材50を構成するプラスチック材料Pを比較的短時間かつ低エネルギで判別することができる。
【0047】
また、本発明において図4(b)に示した実施形態よりも融着開始温度が低い場合には、プラスチック部材50の表面51に融着するビーズの数は増え、例えばビーズ60c〜60jが融着するようになる。同様に、図4(b)に示した実施形態よりも融着開始温度が高い場合には、プラスチック部材50の表面51に融着するビーズの数は減り、例えばビーズ60iのみが融着するようになる。このような場合にはビーズ60cまたはビーズ60iに関する初期温度Ts0xとビーズの材料とから図3に示されるマップを通じてプラスチック材料Pを判別することができる。つまり、本発明においては、いずれの場合にもプラスチック部材50を判別するのに必要とされる時間は変わることはなく、比較的短時間かつ低エネルギで判別を行うことが可能である。
【0048】
さらに、図2に示されるようにビーズ60a〜60jとは異なる材料からなるビーズ61a〜61jを一緒に採用し、ビーズ60a〜60jの融着状態から得られる融着開始温度およびビーズ61a〜61jの融着状態から得られる融着開始温度の両方を用いてプラスチック部材50を判別するようにしてもよい。この場合には、二種類の材料を通じて判別を行うので、プラスチック部材50の種類に関する判別能力を格段に向上させられる。
【0049】
図5は、本発明の第二の実施形態に基づく熱可塑性材料判別装置の略側面図である。図5に示されるように、熱可塑性材料判別装置10’の加熱プレート20’は複数の部分ヒータ20a〜20jを含んでいる。図示される実施形態においては、これら部分ヒータ20a〜20jは互いに隣接するように配置されていて、部分ヒータ20a〜20j全体で加熱プレート20’を構成するようになっている。また、図示されるように、これら部分ヒータ20a〜20jのそれぞれの上面は互いに同一平面になるように配置されている。さらに、これら部分ヒータ20a〜20jのそれぞれは制御部100に接続されていて、これら部分ヒータ20a〜20jを互いに異なる温度に設定できるものとする。
【0050】
図5の下方に示されるように、これら部分ヒータ20a〜20jの温度は、部分ヒータ20aから部分ヒータ20jに向かって順番に高くなるように設定されている。このため、加熱面の温度T0xは加熱プレート20’の左端からの距離xが大きくなると、ステップ状に大きくなっている。
【0051】
さらに、図5に示されるように、各部分ヒータ20a〜20jの上面にビーズ60a〜60jのそれぞれが配置されている。本実施形態においては各部分ヒータ20a〜20jの設定温度T0xが正確に把握できているので、各部分ヒータ20a〜20jのビーズ60a〜60jの温度Ts0xも正確に算出することができる。つまり、第一の実施形態においては加熱プレート20の一端21からの距離に基づいて加熱面の温度T0xを算出していたために周囲温度などの影響により加熱面の温度T0xが正確に得られない場合が生じうるものの、本実施形態においては各部分ヒータ20a〜20jの設定温度T0xから各ビーズ60a〜60jの温度Ts0xを直接的かつ正確に算出することが可能となる。このようなことにより、本実施形態においては、プラスチック部材50の融着温度に基づいてプラスチック部材50をさらに正確に判別できる。
【0052】
なお、図5に示される実施形態においては、部分ヒータ20aから部分ヒータ20jに向かって部分ヒータ20a〜20jの温度が順番に高くなるように設定されているが、必ずしも温度が順番に高くなるように設定する必要は無い。すなわち、各部分ヒータ20a〜20jの異なる温度が把握できていれば十分であり、それにより、部分ヒータ20a〜20jの温度T0xに基づいてビーズ60a〜60jの温度Ts0xを求めることができる。また、各部分ヒータ20a〜20jの間に隙間が空いている場合も本発明の範囲に含まれるものとする。
【0053】
図6は、本発明のさらに他の実施形態に基づく熱可塑性材料判別装置の動作を説明するための図である。図6に示される実施形態は図5に示される実施形態とほぼ同様であり、部分ヒータ20a〜20jが互いに隣接するように配置されていて、互いに独立して温度制御できるようになっている。図6に示されるように、これら部分ヒータ20a〜20jの下面には、基準面Lから延びるバネ25a〜25jがそれぞれ連結されている。これらバネ25a〜25jは通常は同一長さであり、初期には各部分ヒータ20a〜20jの上面は同一平面になっているものとする。
【0054】
一方、図6に示される押付部40の保持テーブル41に保持されるプラスチック部材50’の表面52’は平坦であるものの、表面52’とは反対側の面は段差が形成されている。図示されるプラスチック部材50’は、三つの表面55、56、57からなる段差を有しており、表面56に関する厚さが最も大きく、次いで表面57に関する厚さ、表面55に関する厚さの順番で厚さが小さくなっている。図1などに示される実施形態においてこのようなプラスチック部材50’を判別すると、上面56のみがビーズに押し当たるのでプラスチック材料Pの種類を判別することはできない。
【0055】
しかしながら、図6に示される実施形態においては、プラスチック部材50’を押し付けるときに、プラスチック部材50’の表面56に対応する部分ヒータ20f〜20hのバネ25f〜25hが他のバネ25a〜25eよりも圧縮されるようになる。図示されるように、本発明によれば、表面57に対応するバネ25i〜25jもわずかながら圧縮される。
【0056】
このため、図6に示される実施形態においてはプラスチック部材50’のすべての表面55、56、57が対応するビーズ60a〜60jに接触するようになり、プラスチック部材50’の種類の判別を同様に行うことが可能となる。つまり、図6に示される実施形態においてはプラスチック部材50’が段差を有している場合であっても、正確な判別を行うことができる。なお、各部分ヒータ20a〜20jが横方向に適宜、移動できる構成にすれば、さらに多数かつ複雑な段差を備えたプラスチック部材50’に本発明の熱可塑性材料判別装置10を適用できるのは明らかである。また、バネ25a〜25jの代わりに、部分ヒータ20a〜20jのそれぞれを独立して昇降させる昇降手段(図示しない)が設けられていてもよく、このような場合も本発明の範囲に含まれるものとする。さらに、前述した実施形態においては熱可塑性部材としてプラスチック部材50を採用しているが、ガラスなどの熱可塑性部材であっても同様の判別を行うことができるのは明らかである。
【実施例】
【0057】
図1から図4に示されるのと同様な構成の熱可塑性材料判別装置10を用いて、プラスチック材料Pからなる種々のプラスチック部材50の融着パターンを検討した。この実施例においては、銅製のビーズ60a〜60jを使用し、他の種類のビーズ61a〜61jは使用していない。また、プラスチック部材50を構成するプラスチックとして、高密度ポリエチレン(以下、「HDPE」)、低密度ポリエチレン(以下、「LDPE」)、ポリプロピレン(以下、「PP」)およびポリスチレン(以下、「PS」)を採用した。
【表1】

【0058】
ヒータ32による加熱プレート20の他端22の温度は196℃であり、クーラ31による加熱プレート20の一端21の温度は88℃である。また、図1等の場合とは異なり、実施例においては五つの区画に仕切っているので、加熱プレート20の加熱面23の温度は他端22から順番に表1の左欄に示されるように分布する。なお、本実施例においては五つの区画のそれぞれに同一数の複数のビーズを配置している。従って、表1に示される数値はこれら複数のビーズのうちの融着したビーズの割合、つまり融着率(=(融着したビーズの数)/(区画におけるビーズの数)×100、単位:%)を表している。
【0059】
表1に示されるように、HDPE、PP、PSに関しては、融着率が0%である或る区画の隣の区画において100%のビーズが融着している。LDPEに関しては、融着率が0%である或る区画の隣の区画において融着率100%の区画が存在していないものの、この区画における融着率は78%である。このため、表1に示される温度分布でもってプラスチック部材50についてかなり正確な判別が可能であることが分かった。
【0060】
ただし、表1に示される温度条件においては、HDPEとLDPEとを正確に区別して判別することは困難であると考えられるので、温度条件を表2に示されるように限定して再度、判別を行った。
【表2】

【0061】
表2においては、ヒータ32による加熱プレート20の他端22の温度は147℃であり、クーラ31による加熱プレート20の一端21の温度は125℃である。他の条件は表1の場合と同様である。表2においてはLDPEの融着率は全ての区画(125℃から147℃)で100%である。これに対し、HDPEの融着率は125℃から136℃においては0%であり、139℃から142℃において17%、さらに144℃から147℃においては83%である。つまり、性質が比較的近い複数のプラスチックを判別する場合であっても、温度条件を変更することにより、本発明の熱可塑性材料判別装置10を用いて正確に判別できることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の第一の実施形態に基づく熱可塑性材料判別装置の略側面図である。
【図2】図1に示される熱可塑性材料判別装置の略平面図である。
【図3】融着する最低温度のビーズの初期温度Ts0mをプラスチック材料とビーズの材料に対してまとめたマップである。
【図4】(a)本発明の第一の実施形態に基づく熱可塑性材料判別装置の動作を説明するための図である。(b)本発明の第一の実施形態に基づく熱可塑性材料判別装置の動作を説明するための図である。
【図5】本発明の第二の実施形態に基づく熱可塑性材料判別装置の略側面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態に基づく熱可塑性材料判別装置の動作を説明するための図である。
【符号の説明】
【0063】
10 熱可塑性材料判別装置
20 加熱プレート
20a〜20j 部分ヒータ
21 一端
22 他端
23 加熱面
25a〜25j バネ
30 加熱部
31 クーラ
32 ヒータ
40 押付部
41 保持テーブル
42 シャフト
50 プラスチック部材
60a〜60j ビーズ
61a〜61j ビーズ
71、72 仕切部
80 断熱材
100 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱手段の加熱面に同一材料からなる粒子群を配置し、
前記加熱手段の前記加熱面における位置に応じて温度が異なるように、前記加熱面を前記粒子群と一緒に加熱し、
前記加熱面の前記粒子群に熱可塑性材料部材を押付け、
前記粒子群のうちの前記熱可塑性材料部材に融着した粒子の温度に基づいて、前記熱可塑性材料部材の種類を判別する熱可塑性材料判別方法。
【請求項2】
加熱手段の加熱面に第一の材料からなる第一の粒子群を配置し、
前記加熱手段の前記加熱面に前記第一の粒子群と同一寸法であって第二の材料からなる第二の粒子群を配置し、
前記加熱手段の前記加熱面における位置に応じて温度が異なるように、前記加熱面を前記第一および第二の粒子群と一緒に加熱し、
前記加熱面の前記第一および第二の粒子群に熱可塑性材料部材を押付け、
前記第一の粒子群のうちの前記熱可塑性材料部材に融着した粒子の温度、および前記第二の粒子群のうちの前記熱可塑性材料部材に融着した粒子の温度に基づいて、前記熱可塑性材料部材の種類を判別する熱可塑性材料判別方法。
【請求項3】
前記加熱手段の前記加熱面における温度は、前記加熱面の一端からの距離に応じて定まるようにした請求項1または2に記載の熱可塑性材料判別方法。
【請求項4】
加熱面の位置に応じて温度が異なるように加熱できる加熱手段と、
前記加熱面に配置された同一材料からなる粒子群と、
熱可塑性材料部材を前記加熱面に配置された前記粒子群に押付ける押付手段とを具備し、
前記押付手段によって押付られた熱可塑性材料部材に融着した粒子の温度に基づいて、前記熱可塑性材料部材の種類を判別する熱可塑性材料判別装置。
【請求項5】
加熱面の位置に応じて温度が異なるように加熱できる加熱手段と、
前記加熱面に配置された第一の材料からなる第一の粒子群と、
前記第一の粒子群と同一寸法であって、前記加熱面に配置された第二の材料からなる第二の粒子群と、
熱可塑性材料部材を前記加熱面に配置された前記粒子群に押付ける押付手段とを具備し、
前記第一の粒子群のうちの前記熱可塑性材料部材に融着した粒子の温度、および前記第二の粒子群のうちの前記熱可塑性材料部材に融着した粒子の温度に基づいて、前記熱可塑性材料部材の種類を判別する熱可塑性材料判別装置。
【請求項6】
前記加熱手段の前記加熱面における温度は、前記加熱面の一端からの距離に応じて定まるようにした請求項4または5に記載の熱可塑性材料判別装置。
【請求項7】
加熱面を備えた複数の加熱手段を具備し、これら加熱手段の前記加熱面はそれぞれ異なる温度に設定されており、
さらに、
前記加熱面のそれぞれに配置された同一材料からなる粒子と、
熱可塑性材料部材を前記加熱面のそれぞれに配置された前記粒子に押付ける押付手段とを具備し、
前記押付手段によって押付られた熱可塑性材料部材に融着した粒子の温度に基づいて、前記熱可塑性材料部材の種類を判別する熱可塑性材料判別装置。
【請求項8】
さらに、前記各加熱手段の前記加熱面を、該加熱面に対して垂直な方向に移動して位置決めできる位置決め手段を具備する請求項7に記載の熱可塑性材料判別装置。
【請求項9】
前記加熱手段の前記加熱面には、前記粒子の寸法よりも小さい寸法を有する少なくとも一つの仕切部材が設けられている請求項4から8のいずれか一項に記載の熱可塑性材料判別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−112995(P2006−112995A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−302660(P2004−302660)
【出願日】平成16年10月18日(2004.10.18)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成16年5月26日から5月28日 社団法人日本伝熱学会主催の「第41回 日本伝熱シンポジウム」において文書をもって発表
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【Fターム(参考)】