説明

熱流センサの製造方法

【課題】熱電対を多数個、配列しても、センサ基材の両側面に位置する測定代表点間の温度差を保ち、熱流感度を向上させることが出来、製造工程での断線を減少させた熱流センサの製造方法を提供する。
【解決手段】複数の治具板片16の各流入開口部17の両側縁部17a,17bには、金属線材を平行に巻付ける複数の金属線材ガイド溝19が、銅材ガイド溝18と交互に一定間隔を置いて凹設形成されている。治具板片16を板厚方向へ積層して、エポキシ液状樹脂材を充填する型枠を兼ねた治具を形成し、硬化した基材樹脂塊40から第2金属接続体11を等間隔で埋設するセンサ基材…が切り出される。銅材ガイド溝18に巻付けられる銅線は、基材樹脂塊内に埋設される前に、第一次エッチング処理によって、外周面が削り取られて、熱インピーダンスが、コンスタンタン製の第2金属接続体とバランスされたマトリクス状の熱電対が配列形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、伝熱測定に用いられる面状の熱流センサの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、例えば、建材としての断熱材の開発等に欠かせない役割を果たしているのが、断熱材の熱伝導率の測定である。
【0003】
この熱伝導率の測定精度の向上は、断熱材の過剰な使用によるスペースや資源の無駄の防止や、不十分な断熱施工によるエネルギーの無駄を避ける上でも望ましい。
【0004】
しかしながら、例えば建材に用いられる断熱材は、熱伝導率が0.02W/k.m(平均気温20°C)前後であるので、熱伝導率の測定は容易ではない。
【0005】
このような単体では、測定が困難な断熱材であっても、建物の一部として実際に用いられる状態若しくは、その状態に近い状態で、内,外壁面パネル材等が、組み合わせられた建材では、内,外側面間を通過する熱流束の測定を行うことにより、比較的に容易に、断熱性能を測定する熱流センサが、知られている。
【0006】
このような熱流センサでは、面状に複数の熱電対を配列して、直列に接続することにより、熱起電力を集積し、測定精度を向上させる所謂サーモパイルが用いられる(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
このようなサーモパイルは、建築物の建材の断熱性能を測定する為、複合的な要素が組み合わせられた被測定物としての建材の内外側面に、前記熱流センサ部が直接、添着されて、現状の温度勾配が計測される。
【0008】
よって、このようなサーモパイルでは、熱電対を構成する異種金属の比率や、或いは、基材の厚さに応じて、これらの金属製の熱電対を伝い、表裏面側の温度差を減少させてしまう自己伝導熱を如何にコントロールするかが、測定精度を向上させる要因となる。
【特許文献1】特開2004−37097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このような従来の熱流センサの製造方法では、一般に、熱流センサの製造方法自体の熱抵抗が小さくなると、熱流感度も低下する関係を有し、熱起電力の発生効率が低下する虞がある。
【0010】
すなわち、熱伝導率の比較的高い銅製材料等を熱電対の一方の金属材に用いると、この銅製金属材を熱が伝わって、センサ基材の両側面間の温度差が縮まってしまう。
【0011】
このため、熱電対の一方に、電気的に直列接続を行う銅製の金属材を用いる場合、この金属材の断面積を、如何に小さくしつつ、他方の金属材であるタングスタンタン等の異種金属との比率を適正に保つかが求められる。
【0012】
しかしながら、銅製の金属材は、引張応力に弱く、製造工程で張設する際に、断線しやすい。
【0013】
また、良好な熱起電力を得る為に、異種金属である第2導電性金属としてのコンスタンタンに比して高い熱伝導率を有する銅製の金属材を、約1/18の断面積に設定して、各熱電対の最適化を図るサーモパイルでは、小面積に多くの熱電対を配列しなければならず、更に、金属材の細線化が必要とされている。
【0014】
そこで、この発明は、熱電対を多数個、配列しても、センサ基材の両側面に位置する測定代表点間の温度差を保ち、熱流感度を向上させることが出来、製造工程での断線を減少させた熱流センサの製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的を達成するため、請求項1記載の発明は、縦横に配列された複数の第1,第2貫通孔が、絶縁性のセンサ基材に形成され、前記各第1,第2貫通孔に異種金属材料製の第1,第2導電性金属が交互に配設されて、前記第1導電性金属が、第2導電性金属に比して高い熱伝導率を有することにより、前記第1,第2金属接続体によって構成される熱電対が、直列に接続された熱流センサの製造方法であって、
少なくとも、前記第一導電性金属を金属線材として、治具に張設する際、熱電対として必要とされる位置に対して、位置決め可能な張設力を与えると共に、金属線材の該外周面にエッチング処理を施して、所望の断面積まで削り取る熱流センサの製造方法を特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
このように構成された請求項1記載の発明によれば、前記第2導電性金属に比して高い熱伝導率を有する第1導電性金属によって、異種金属材料製の第1,第2導電性金属間が、直列に接続されていても、前記第1導電性金属内の熱流断面積が、第2導電性金属内の熱流断面積に比して、容易に、小さくなるように設定出来る。
【0017】
このため、各熱電対の各表面金属層間では、該第1導電性金属を介して伝えられる伝熱量が少なく、各表面金属層の温度差を充分保てる。
【0018】
従って、測定に必要とされる熱起電力を効率良く発生させて、しかも、小面積で、多数の熱電対を配列出来、熱伝導率の測定精度を高めることが出来る。
【0019】
更に、前記第1導電性金属で構成される金属線材を、前記治具に張設する際、熱電対として必要とされる位置に対して、位置決め可能な張設力が与えられながら、張設されるので、引張応力による断線の虞が無いと共に、配列された後にも、金属線材に内部応力が殆ど残留しない。
【0020】
このため、更に、熱伝導率の測定精度を高めることが出来る。
【0021】
また、前記金属線材の外周面に施されたエッチング処理によって、該外表面に適度の凹凸が形成されると共に、油等の付着物も脱脂される。
【0022】
従って、後工程で、樹脂材等によって、位置を固定する際にも、該外表面への前記樹脂材の食い付きが良好なものとなり、該金属線材が、硬化後の樹脂材から抜出してしまう虞も減少させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明の実施の形態の熱流センサを構成するセンサ基材の製造工程を説明し、銅線が巻付けられた複数の治具板片を連続して、第一次エッチング処理する様子を説明する模式的な斜視図である。
【図2】実施の形態の熱流センサの製造方法で、(a)は、素材となる銅線の一部断面斜視図、(b)は、第一次エッチング処理を施した銅線の一部断面斜視図、(c)は、銅線を樹脂基材内部に埋設した様子を示す一部断面斜視図である。
【図3】実施の形態の熱流センサの製造方法に用いる治具板片で、(a)は、背面図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は側面図である。
【図4】実施の形態の熱流センサの製造方法に用いる治具板片の構成を説明する斜視図である。
【図5】実施の形態の熱流センサの製造方法で、治具板片に、繊維素材を巻付ける様子を説明する模式的な斜視図である。
【図6】実施の形態の熱流センサの製造方法で、第一次エッチング処理工程後に、第二の金属線材を治具板片に巻付けて、装着する様子を説明する模式的な斜視図である。
【図7】実施の形態の熱流センサの製造方法で、各金属線材が、治具板片に巻付けられて装着された様子を示し、(a)は、背面図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は側面図である。
【図8】実施の形態の熱流センサの製造方法で、台座に複数の治具板片を装着する様子を示す分解斜視図である。
【図9】実施の形態の熱流センサの製造方法で、複数の治具板片を積層する様子を示す分解斜視図である。
【図10】実施の形態の熱流センサの製造方法で、治具を台座ごと、液状樹脂材槽に浸ける様子を説明する分解斜視図である。
【図11】実施の形態の熱流センサの製造方法で、治具を台座ごと、液状樹脂材槽に浸けている様子を説明する図10中C−C線に沿った位置に対応する位置での断面図である。
【図12】実施の形態の熱流センサの製造方法で、治具を台座から取り外し、治具から硬化した基材樹脂塊を取り外した様子を説明する模式的な斜視図である。
【図13】実施の形態の熱流センサの製造方法で、硬化した基材樹脂塊を平板状に切断する様子を説明する模式的な斜視図である。
【図14】実施の形態の熱流センサの製造方法で、硬化した基材樹脂塊を平板状を呈するサーモパイル基板として切断した様子を説明する模式的な斜視図である。
【図15】実施の形態の熱流センサの製造方法で、サーモパイル基板に回路パターンを形成する為の第二次エッチングを施した様子を説明する斜視図である。
【図16】実施の形態の熱流センサの製造方法で、サーモパイル基板にメッキ処理を施す様子を説明する模式図である。
【図17】実施の形態の熱流センサの製造方法によって得られたサーモパイルの一例を示す斜視図図である。
【図18】実施の形態の熱流センサで、第1端子近傍の表面金属層の構成を説明する拡大平面図である。
【図19】実施の形態の各実施例を、中間金属の法則が適用される場合について説明する原理図で、(a)は、センサ基材内に設けられる一般的な熱電対の模式的な構成図、(b)は、(a)における金属A,Bの接合点温度T1,T2を示す等価回路図、(c)は、本願の代表的な実施例のセンサ基材内に設けられる熱電対の模式的な構成図、(d)は、(c)における金属A,Bの接合点温度T1,T2を示す等価回路図、(e)は、第三の金属Cの接続両端の温度T1,T3が、同一温度T1=T3となる場合、(d)と等価となる模式的な中間金属の法則を説明する回路図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、この発明の実施の形態の熱流センサの製造方法を、図面に基づいて説明する。
【0025】
図1乃至図19は、熱伝導率等を測定するための熱電対を、複数対、面状に配置した熱流センサの製造方法及びこの製造方法に用いる治具を示したものである。
【0026】
まず、この実施の形態の熱流センサとしてのサーモパイル1の構成について説明する。
【0027】
この実施の形態のサーモパイル1では、前記熱流センサ本体として測定代表点の絶対温度を個別に測定可能な熱電対3…が、図17に示すようなエポキシ樹脂製の絶縁性を有するセンサ基材2に、所望の配列及びピッチを有して、面内,外方向へ貫通されて配置されている。
【0028】
このサーモパイル1は、主に、平板状に形成される絶縁性樹脂材料としてのエポキシ樹脂製のセンサ基材2に、図18に示す様な複数の熱電対3…が配列されて、測定代表点の絶対温度を個別に測定可能である他、局所的な温度差あるいは温度勾配に比例した電圧を出力して、これらの複数の熱電対3…が、端子片7,8間で直列に接続されることにより、一側面側が添接される被測定物の熱流束が、測定可能とされている。
【0029】
すなわち、図14に示すように、このセンサ基材2には、縦横にマトリックス状に配列された多数(又は複数)の第1貫通孔5…と、縦横にマトリックス状に配列された多数(又は複数)の第2貫通孔6…とが、貫通形成されている。
【0030】
このうち、前記多数(又は複数)の第1貫通孔5…は、貫通孔行5L1…5Lnと、貫通孔列5C1…5Cmとを有して、等間隔に配列されている。
【0031】
また、多数(又は複数)の第2貫通孔6…は、貫通孔行6L1…6Lnと、貫通孔列6C1…6Cnとを有して、等間隔に配列されている。
【0032】
更に、これらの第1貫通孔5…と第2貫通孔6…とは、貫通孔行5L1…5Lnと、貫通孔行6L1…6Lnとして、前記端子片7,8から離間する面延設方向に、半ピッチズレた状態で、交互に等間隔で配列され、貫通孔列5C1…5Cnと、貫通孔列6C1…6Cnとが、直交するように配列されて、マトリクス状を呈するように構成されている。
【0033】
尚、説明の便宜上、多数(又は複数)の第1貫通孔5…と、多数(又は複数)の第2貫通孔6…とが、マトリックス状に形成されている例を示したが、多数(又は複数)の第1貫通孔5…及び第2貫通孔6…のうち、配線に使用しない部分は省略しても良い。
【0034】
そして、この実施の形態では、図13に示す各第1貫通孔5…には、一方の異種金属としての銅製の金属接続体(第1導電性金属)12…が介挿されて一体となるように固着されている。
【0035】
また、図14に示す各第2貫通孔6…には、前記熱電対3の他方の異種金属で、第2導電性金属としてのコンスタンタンによって構成される第2金属接続体11…が、介挿されて一体となるように固着されている。
【0036】
これらの各第2貫通孔6に介装される中実状の第2金属接続体(第2導電性金属)11…は、コンスタンタン製で、略丸棒状を呈することにより、各第2貫通孔6…の各内筒側面に一体となるように固着されている。
【0037】
また、前記第1金属接続体12…は、銅製で、第1貫通孔5内側面…に、一体となるように固着されることにより、面内,外方向に長手方向を有して、半径方向寸法d1を所望の寸法とする略円柱状を呈する様に形成されている。
【0038】
この第1金属接続体12としての銅は、第2導電性金属としてのコンスタンタンに比して高い熱伝導率を有することが知られている。
【0039】
また、第2金属接続体11は、略丸棒状のコンスタンタンを第2貫通孔6に嵌合することにより、第2貫通孔6の各内筒側面に挿通されて、嵌着されている。
【0040】
更に、この実施の形態では、図17に示す様にセンサ基材2の一方の側面2aには、図1に示すように、平面視略矩形状を呈する多数(又は複数)の第1表面金属層9…が、配列されている。
【0041】
このセンサ基材2の側面2aとは、反対側(他方)の側面2bには、図18に示すように、平面視略矩形状を呈する多数(又は複数)の第2表面金属層10…が、配列されている。
【0042】
これらの第1,第2表面金属層9…,10…は、第1金属接続体12として用いられる銅製と同じ金属素材で構成されていて、両側面2a,2bに、銅メッキ処理が施される際に、各々表層に付着して、薄板層状となるように形成されて、面内,外方向に長手方向を有する前記第1金属接続体12の両端部と一体となるように接続される。
【0043】
この銅メッキ処理によって、センサ基材2の両側面2a,2b全面に亘り、蒸着された銅層は、前記各第2金属接続体11の両端部に接合されると共に、前記各第1貫通孔5…に位置する前記第1金属接続体12を構成する銅製素材によって、両側面2a,2bの銅層同士が電気的に接続される。
【0044】
図19に示す模式的な中間金属の法則を適用して説明する原理図では、一般的な熱電対が、二種の金属A,Bの接合点温度T1,T2間の温度差を、検出する際、図19中(b)に示すように、金属A,Bの接合点温度T1,T2を示す等価回路図に置き換えられる。
【0045】
図19中(c)に示される様な、本願の代表的な実施の形態のセンサ基材2内に設けられる熱電対では、二種の金属A,Bの接合点温度T1,T2を示す等価回路図が、図19中(d)のように、置き換えられる条件として、図19中(e)に示す様に、第三の金属Cの接続両端の温度T1,T3が、同一温度T1=T3となる場合が、挙げられる。
【0046】
このような条件では、図19中(e)に示す様に、中間金属の法則が適用出来、前記金属A,Bとは、異種の第三の金属Cを用いても、接合点間の温度T1,T2差により発生する電圧と、第三の金属Cが存在しない場合の接合点間の温度T1,T2差により発生する電圧とが同一となることが知られており、電位差から温度T1,T2差の検出が可能である。
【0047】
そして、各第1金属接続体12…と、各第2金属接続体11…とが、これらの第1,第2表面金属層9…,10…を各々介在させた直列回路の両端に設けられる前記端子片7,8からは、添着された被測定物の表面部位における熱流が、温度分布差によって影響を受けにくい熱流束値が、測定可能である。
【0048】
また、この実施の形態では、第1金属接続体12は、熱伝導率が、約403W/m・Kの銅製であり、第2金属接続体11は、熱伝導率が、約22W/m・Kのコンスタンタンが用いられている。このため、銅製の第1金属接続体12の熱伝導率は、コンスタンタン製の第2金属接続体11の熱伝導率の略18倍となる。
【0049】
この結果、第1金属接続体12と、第2金属接続体11の断面積が同じであれば、センサ基材2の側面2bから側面2aに移動する熱量は、銅製の第1金属接続体12の方が、コンスタンタン製の第2金属接続体11よりも略18倍も多くなるので、被測定物の熱伝達率の測定が困難になる。
【0050】
従って、熱伝達率の測定を正確に行うためには、第1金属接続体12と第2金属接続体11とを介してセンサ基材2の一側の面から他側の面に移動する熱量とを、近似若しくは、同一となるように設定されることが理想である。
【0051】
このように、第1金属接続体12の断面積に比して、前記第2金属接続体11の断面積を、熱伝達率(熱流量すなわち熱移動量)が略同じになるように、比較的小径とすると、前記第1貫通孔5の内部で、第1金属接続体12が、断線し易くなる。
【0052】
即ち、第1金属接続体12が、銅製の金属素材で構成されて、且つ第2金属接続体11が、コンスタンタン製の金属素材で構成される場合には、前記各第1貫通孔5…の内部の第1金属接続体12…の長手方向長さ寸法を、センサ基材2の板厚方向で、全て均一とする条件の下では、各第2金属接続体11…の各第2貫通孔6…内の断面積よりも、通電が可能な範囲で小さく、若しくは、約1/18の断面積に、この第1金属接続体12…の各断面積を設定することにより、第1金属接続体12と第2金属接続体11との熱伝達率(熱流量すなわち熱移動量)を、容易に近似若しくは、略同一となるように設定することができる。
【0053】
しかしながら、前記第2金属接続体11に用いられるコンスタンタン製の金属素材は、比較的高価である。
【0054】
このため、この第2金属接続体11を構成するコンスタンタン製の金属素材の量が増大しないように、前記第1金属接続体12である銅線の断面積を減少させる必要があった。
【0055】
次に、この実施の形態の熱流センサの製造方法について、図1乃至図17を用いて説明する。
【0056】
この実施の形態の熱流センサの製造方法では、図3及び図4に示すような治具板片16…及び、図10に示すこれらの治具板片16…が、複数枚積層された状態に、組み合わせられた治具15が用いられて、前記複数の熱電対3…が埋設されたサーモパイル1が製造される。
【0057】
まず、前記治具15を構成する図3及び図4に示す各治具板片16に、図5に示す様に、この実施の形態の熱電対3の一方を構成する第一導電性金属としての銅線20が、巻付けられる。
【0058】
これらの治具板片16の中央部には、略方形状の流入開口部17が開口形成されている。 この流入開口部17の両側縁部17a,17bには、前記銅線20を平行に巻付ける複数の金属線材ガイド溝19…が、銅材ガイド溝18…と交互に一定間隔を置いて凹設形成されている。
【0059】
そして、少なくとも、この実施の形態では、前記銅線20が、この治具板片16の中央部に略方形状を呈して開口形成された流入開口部17に平行に張設される際、熱電対として必要とされる位置に対して、位置決め可能で、しかも、張設方向に断線しない大きさの張設力が、均等に与えられながら、張設される。
【0060】
また、この実施の形態では、図5に示す様に、前記平行に張設される各銅線20…が、一本の銅線材を連続して巻廻すことにより、図2中(a)に示す様に、近傍の銅線20の張設力F1と、同等の張設力F2…が与えられながら、張設される。
【0061】
次に、図1に示す様に、これらの各銅線20…の外周面20a…に、第一次エッチング処理が施されることにより、図2中(b)に示す様に、各外周面20a…が、所望の厚さ方向寸法だけ、削り取られて荒れた状態となる。
【0062】
すなわち、図1に示す様に、前記各銅線20…が巻廻された前記治具板片16…の何れかの組付ガイド孔部23,23…に、丸棒状の支持棒部材27,27が、挿通されて吊り下げられた状態で、エッチング槽28内のエッチング液29に浸される。
【0063】
エッチング槽28内のエッチング液29は、例えば、亜硫酸ナトリウム水溶液,硫酸鉄水溶液,好ましくは、塩化第二鉄水溶液を使用する。塩化第二鉄が電子を銅に与える事によって銅がイオン化して、塩化第二鉄は塩化第一鉄になる。
【0064】
この実施の形態の熱流センサの製造方法では、図2中(b)に示されるように、各銅線20…の外周面20a…に、全くマスキングが施されていない状態で、エッチング槽28内のエッチング液29に浸される。
【0065】
このため、各外周面20aは、略均等厚さ寸法で、径方向D中心軸Sに向けて、削り取られて、所望の断面積を有する半径方向寸法d1が得られる。
【0066】
図1に示すエッチング槽28内のエッチング液29内から、前記支持棒部材27,27を上昇させて、前記治具板片16…と共に、前記各銅線20…が引き上げられる。
【0067】
第一次エッチング処理が終了した時点で、図2(b)に示す前記外周面20aが、削り取られて、凹凸が形成された前記各銅線20に加わっている張設力F3は、位置決め仮固定された図2(a)に示す状態での各銅線20に加えられた張設力F1,F2と等く、殆ど変化しない。
【0068】
このため、各銅線20が、引っ張り応力によって断線する虞が無く、通常の位置決め仮固定される際には、断線してしまう虞がある半径方向寸法d1まで、各銅線20の断面積を減少させて、熱インピーダンスを向上させることが出来る。
【0069】
第一次エッチング処理が終了後、図6に示す様に、前記治具板片16の流入開口部17の長手方向両側縁部17a,17bの上,下両側面に凹設形成された金属線材ガイド溝19…に、前記第2金属接続体11…となる線材からなる金属線材21が、間隔を設けて平行に巻付けられる。
【0070】
この実施の形態の金属線材21…は、コンスタンタン製で、前記複数の金属線材ガイド溝19…内に位置決め仮固定されることにより、前記銅材ガイド溝18,18間に位置決め仮固定された銅線20…と交互で、しかも平行とになるように装着される(図7参照)。
【0071】
そして、図12に示す様に、治具15の台座30を構成する略方形平板状の台座底面部32の四隅近傍から、突設形成された組付ガイドピン31…が、前記各組付ガイド孔部23…に、順次挿通されることにより、合成樹脂製の治具板片16…が、複数枚、板厚方向に積層されて組み合わせられて、前記台座底面部32に纏められて装着される。
【0072】
図9に示す様に、前記積層された各治具板片16…に仮固定された前記銅線20…及び前記金属線材21…とが、縦方向でも整列されて、上下に揃う。
【0073】
そして、この治具15が、図10に示すように、液状樹脂材槽42内に貯留された絶縁性樹脂材料としてのエポキシ樹脂からなる液状樹脂材41に、浸けられる。
【0074】
図11に示すように、前記治具15に、仮固定された前記銅線20…及び前記金属線材21…とが、液状樹脂材41内に含浸されると、前記治具板片16…の中央部に開口形成された、略方形状の流入開口部17の型枠形状に沿って、この液状樹脂材41が流れ込んで、充填される。
【0075】
図2(c)に示す様に、前記銅線20の外周面20aの表面には、前記第一次エッチング処理によって、凹凸が形成されているので、前記液状樹脂材41が硬化する際に、付着力を増大させて、更に強固に一体となる略直方体形状の基材樹脂塊40が、図12に示す様に、型取りされる。
【0076】
すなわち、所望の硬度まで、前記液状樹脂材41が硬化した後、図12に示すように、前記液状樹脂材槽42内から、引き上げられた治具15から、基材樹脂塊40が、取り外される。
【0077】
前記基材樹脂塊40内では、平行に張設された状態で、相対位置が変動しないように、所望の間隔を置いて各金属線材21…及び銅線20…が、配列されている。
【0078】
この状態では、図2(c)に示す様に、前記各銅線20に加わっている張設力F4は、位置決め仮固定された図2(a)に示す状態での各銅線20に加えられた張設力F1,F2と等く、殆ど変化しない為、残留応力も均質化出来る。
【0079】
次に、図13に示すように、前記基材樹脂塊40の端面が、所定の寸法で、ワイヤカッタ50等が、用いられて切断されて、図14に示すように、平面状のセンサ基材2として所望の厚さ方向寸法h1で切り出される。
【0080】
このセンサ基材2の各第1貫通孔5…と各第2貫通孔6…とに、前記金属線材21…及び銅線20…が、各々介装される位置は、所望の半ピッチづつヅレた位置に、平行でしかも、面延設方向と直交するように垂直に設けられて、良好な寸法位置精度を有している。
【0081】
しかも、前記銅線20の断面積は、前記第一次エッチング処理によって、減少させられて、外周面に形成された凹凸によって、強固に一体となっている。
【0082】
従って、熱電対3…の面密度が高いセンサ基材2…となるように、各第1金属接続体12及び第2金属接続体11を近接配置したり、或いは、センサ基材2の厚さ方向寸法h1を薄く設定しても切断可能で、隣接配置される複数の熱電対3…を各側面2a,2b内に良好な位置精度で配列することが出来る。
【0083】
よって、熱インピーダンスを小さく設定出来ると共に、センサ基材2の熱容量も小さく設定出来、被測定物からの吸熱量を減少させて、影響を少なくし、熱流束量の正確な測定が可能となる均衡状態に至るまでの時間を短縮出来る。
【0084】
このように、この実施の形態では、図13に示すように、前記基材樹脂塊40内に固定された銅線20及び金属線材21…が、図14に示すように、マトリクス状等の所望の位置に、第1金属接続体11及び第2金属接続体12…として、面内,外を、貫通した状態で、正確に埋設される。
【0085】
次に、銅メッキ処理を行う為、図15に示す様に、第二次エッチング処理が施されて、前記端子片7,8及び複数の第1,第2表面金属層9…,10…を構成する部分が、図15中両側面2a,2bの二点鎖線で示す位置に交互に、マスキングされる。
【0086】
そして、図16に示すように、メッキ処理が施される際には、良好な位置精度で固定されている各第1金属接続体12…及び、第2金属接続体11…の端部が、両端子片7,8間で、直列接続される。
【0087】
このため、微細な第二次エッチング処理の位置精度も向上して、接続不良が発生する虞が減少し、図18に示すように、センサ基材2の一方の側面2a上に短冊状(長方形状)の第1表面金属層9…が、ジグザグに複数個、配列され、他方の側面2b上にジグザグに複数個、配列された短冊状の第2表面金属層10…と共に複数の熱電対3…が、面状に配分されて、測定精度が良好なサーモパイル1を構成することができる。
【0088】
しかも、異種金属である第1,第2金属接続体11,12…を同時に配列させる必要が無く、熱電対3…として用いることが出来る第1,第2金属接続体11,12…を、センサ基材2両面に、同時に正確に配置出来る。
【0089】
更に、図14に示すように、一定の厚さ方向寸法h1で、前記基材樹脂塊40から、切り出された複数のセンサ基材2…は、図16に示すように、一回のメッキ処理で各熱電対3…の全接続を略完了させることが出来る。従って、同品質の多数のサーモパイル1…を、一度に得られるので、製造効率が良好である。
【0090】
この実施の形態の熱流センサの製造方法では、サーモパイル1のセンサ基材2の面内外方向に挿通された各熱電対3…を構成する第1金属接続体12…と、第2金属接続体11…との間が、例えば図13に示すメッキ処理等が施される際、面延設へ付着された銅製材料で構成された第1表面金属層9…及び第2表面金属層10…とによって、直列に接続される。
【0091】
このため、前記センサ基材2の内部に、熱電対3を構成する第1導電性金属素材としての銅材及び第2導電性金属素材を構成するコンスタンタン製の線材が、平行に配列された状態で固定されたまま、各側面2a,2bの面延設方向と直交するように垂直に配置出来る。
【0092】
また、同一厚さ方向寸法を有するセンサ基材2に、平行でしかも、面延設方向と直交するように垂直に設けられる熱電対3…を構成する各第1金属接続体12…と、第2金属接続体11…との面内,外方向の長さ方向寸法は、面延設方向の全ての部分で、略同一長さとすることが出来る。
【0093】
このため、板厚方向である熱流の伝達方向と、熱電対3…の温度差を検出する測定代表点が形成される各第1金属接続体12…及び第2金属接続体11…の長手方向とを一致させることが出来て、測定精度を向上させることが出来る。
【0094】
また、図1に示す配列パターンによって接続される各第1貫通孔5…内の銅製の第1金属接続体12と、隣接する第2貫通孔6…内の第2金属接続体11との各端部位置が、予め前記両側面2a,2bの各第1,第2表面金属層9…,10…が、面内,外方向で重なる部分に設定されている。
【0095】
このため、異種金属同士が接続される多数の熱電対3…を、前記端子片7,8間で、直列接続となるように一度に接続することができる。
【0096】
従って、異種金属間で形成される熱電対3…の配列精度を良好なものとすることが出来ると共に、複数の熱電対3…を直列に接続して、温接続点の分布を均等化することにより、熱流束の測定精度を向上させることが出来る。
【0097】
しかも、図19に示す模式的な中間金属の法則を適用して説明する原理図では、一般的な熱電対が、二種の金属A,Bの接合点温度T1,T2間の温度差を、検出する際、図19中(b)に示すように、金属A,Bの接合点温度T1,T2を示す等価回路図に置き換えられる。
【0098】
また、図19中(c)に示される様な、代表的な実施の形態のセンサ基材2内に設けられる熱電対では、二種の金属A,Bの接合点温度T1,T2を示す等価回路図が、図19中(d)のように、置き換えられる条件として、図19中(e)に示す様に、第三の金属Cの接続両端の温度T1,T3が、同一温度T1=T3となる場合である。
【0099】
このような条件では、図19中(e)に示す様に、中間金属の法則が適用出来、前記金属A,Bとは、異種の第三の金属Cを用いても、接合点間の温度T1,T2差により発生する電圧と、第三の金属Cが存在しない場合の接合点間の温度T1,T2差により発生する電圧とが同一となることが知られており、電位差から温度T1,T2差の検出が可能である。
【0100】
従って、前記実施の形態のように、熱電対の一方を構成する銅製の第1金属接続体12…と同種となるように、第1,第2表面金属層9,10を銅層で構成する必要は無く、銅に限らず、同一の温度T1=T3となる表面金属層を、前記金属A,Bとは、異種の導電性を有する金属Cとする等、前記各金属で構成される合金等の何れかを用いて構成しても良い。
【0101】
例えば、前記銅、ニッケル及びこれらの合金に限定されるものではなく、前記いずれの種類の金属でも、同一平面内に存在するという条件下、一つの中間金属として取り扱えるものが、第3の金属Cとして構成に入ることにより、2種の金属に限らず、3種以上の複数の金属を組み合わせることも可能である。
【0102】
そして、前記各金属A〜Cの組成比率、各金属A,B及び金属C…等の種類の組み合わせが、特に限定されるものではない。
【0103】
更に、この実施の形態では、図3に示すように、一本の長尺状態のまま、前記金属線材21が、前記銅線20の上から順次巻付けられても、交差部分では、各銅線20…及び金属線材21…との間の干渉が、ガイド突起部24,24によって防止される。
【0104】
また、この各治具板片16の四隅近傍に各々開孔形成されている仮固定スリット部22…が、巻付けられた前記銅線20及び金属線材21の各端部を係止して、仮固定する。
【0105】
この為、更に、正確に前記銅線20…及び、前記金属線材21…が、平行に仮固定されると共に、積層方向で一致するように、前記台座底面部32から突設形成された組付ガイドピン31…に前記組付ガイド孔部23…が、各々挿通されて、同一形状を呈する各治具板片16…に巻付けられた前記銅線20…及び金属線材21…の位置精度を向上させることが出来る。
【実施例1】
【0106】
実施の形態の実施例1の熱流センサの製造方法では、前記実施の形態の熱流センサ及び熱流センサの製造方法のうち、前記銅線20と共に、図6に示す様に、前記金属線材21を、各治具板片16…に巻付けて、仮固定した後、前記図1に示す様な第一次エッチング処理を前記銅線20と共に前記金属線材21の外周面21aにも行うものである。
【0107】
この実施例1では、金属線材であるコンスタンタンの径が、約0.1mmとされている。
【0108】
そして、図7に示すように、金属線材21の一端が、例えば、一側縁部17a側等の何れかの前記仮固定スリット部22に係止されて、略一定の張設力が与えられながら、上,下に隣接する金属線材ガイド溝19…に沿って係合ガイドされて、前記各側縁部17a,17bで、数回、折り返されて前記流入開口部17の空間内を往復されることにより、相互に平行で等間隔で仮固定されると共に、前記各銅線20…に対しても、平行に配索される。
【0109】
この際、線状の前記第2導電性金属としてのコンスタンタン素材によって構成される金属線材21には、各第2金属接続体11…となる部分に、略均等に同じ張設力を付与することが出来、仮固定に必要とされる張設力が付与されても、引っ張り応力で、断線する虞が少ない。
【0110】
更に、前記第一次エッチング処理で、予め金属線材21の外周面にも凹凸が形成されて、更に、前記センサ基材2に用いる絶縁性樹脂材料製の基材樹脂塊40内に埋設固定される際の付着力を増大させることが出来る。
【0111】
このため、基材樹脂塊40が、センサ基材2…として切断された後も、これらの金属線材21から、微細長さ方向寸法に切断された第2金属接続体11…が、埋設固定されたまま、正確な位置精度で残留される。
【0112】
そして、例えば、図1に示す様な第一次エッチング処理が、前記銅線20と共に前記金属線材21の外周面21aにも行われる。
【0113】
このため、ンスタンタン素材によって構成される金属線材21の外周面21a…の半径方向の各厚さ寸法を、均等に小さくなるように削り取ることが出来ると共に、外周面21aの表面が荒らされて、適度の凹凸が形成されると共に、油等の付着物も脱脂される。
【0114】
従って、後工程で、樹脂材等によって、位置を固定する際にも、これらの外表面21a…への前記樹脂材の食い付きが良好なものとなり、金属線材21…が、硬化後の樹脂材から抜出してしまう虞を減少させることが出来、薄板状のセンサ基材2を加工形成する際の取り扱いが更に容易となる。
【0115】
他の構成及び作用効果については、前記実施の形態の熱流センサの製造方法と略同一であるので、説明を省略する。
【0116】
以上、本発明の実施の形態及びこの実施の形態の実施例1の熱流センサの製造方法を、図面に基づいて説明してきたが、特にこれに限らず、例えば、エッチング処理には、化学エッチングと電解エッチングがあり、化学エッチングは、成形するパターンをエッチング液に耐食性のレジストで金属上に描き、金属の露出している部分をエッチングして除去する方法であるのに加えて、例えば、電解エッチングを用いて、目的の形状に作られた電極を陰極とし、被加工物を陽極として、その間を電解液で満たし直流電解を行い、電気化学的に素材の表面を溶解除去する方法を、前記第一次エッチング処理又は、第二次エッチング処理のうち、少なくとも何れか一方、若しくは両方で用いても良く、第一次エッチング処理又は、第二次エッチング処理の時間、薬剤の種類及び分量等の諸条件が特に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明に係わる熱流センサは、建築の分野で、建材としての断熱材の開発等に用いられ、施工後でも、外側面又は内側面から添着させることにより、容易に、温度測定、放射熱量若しくは、熱流束の測定に用いることが出来る。
【0118】
また、パイル状に構成されたサーモパイルに用いることにより、添着可能な外表面形状を呈する被測定物を広く全般に計測することが出来、熱流センサ及び温度センサとして、広い範囲で受熱した熱の空間的な平均を採用した熱流束の測定が可能となり、良好な測定精度が必要とされる他の分野、例えば、人体温度測定、各種産業機器、OA機器、車両等の運輸機器等の温度測定、放射熱量若しくは、熱流束の測定に用いて好適なものである。
【符号の説明】
【0119】
1 サーモパイル
2 センサ基材
3… 熱電対
5,6 第1,第2貫通孔
11 第2金属接続体(第2導電性金属)
12 第1金属接続体(第1導電性金属)
20 銅線
20a 外周面
21 金属線材(コンスタンタン)
28 エッチング槽
29 エッチング液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦横に配列された複数の第1,第2貫通孔が、絶縁性のセンサ基材に形成され、前記各第1,第2貫通孔に異種金属材料製の第1,第2導電性金属が交互に配設されて、前記第1導電性金属が、第2導電性金属に比して高い熱伝導率を有することにより、前記第1,第2金属接続体によって構成される熱電対が、直列に接続された熱流センサの製造方法であって、
少なくとも、前記第一導電性金属を金属線材として、治具に張設する際、熱電対として必要とされる位置に対して、位置決め可能な張設力を与えると共に、金属線材の該外周面にエッチング処理を施して、所望の断面積まで削り取る熱流センサの製造方法を特徴としている。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−255718(P2012−255718A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128950(P2011−128950)
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(592065069)江藤電気株式会社 (10)
【Fターム(参考)】