説明

熱溶融性自己固着粒子組成物およびかかる組成物を使用した接着方法

本発明は、部片の接着用に適合され、少なくとも1つ接着すべき部片の表面に、とりわけこの接着すべき部片の少なくとも1つの面の繊維中に掛着するのに適した尖端(21)および/または棘(11、22)を備える、溶融性である熱可塑性物質の熱溶融性自己固着粒子(10、20)と呼ばれる粒子の組成物に関する。本発明は、かかる組成物を使用した接着方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部片間の加熱接着のため、より詳細には、繊維製品など、柔軟な被覆を基材に接着するために適合された接着組成物、およびその接着組成物を使用した接着方法に関する。
【0002】
本明細書を通して、「粉体」とは、分離状態のあらゆる固体粒子組成物をいう。
【背景技術】
【0003】
たとえば、文書EP0350979では、柔軟な被覆を基材に接着する方法であって、被覆および/または基材の接着面の少なくとも1つに熱溶着接着剤を塗り、次いで接着すべき部片同士を対向させて、両方を加熱しながら一方を他方に対して押圧する方法が知られている。接着剤は、温度の作用を受けて活性化し、つまり接着性を有するようになり、2つの接着すべき部片の一方を他方に固定する。
【0004】
こうした方法においては、たとえば文書FR2758828に記載されているように、一方の部片の面にあらかじめスプレーした接着剤を用いるのが通例である。こうした用途に適した既知の接着剤は、一般に溶剤系接着剤、または水に分散させた熱可塑性ポリマー粒子からなる接着剤である。
【0005】
こうした接着剤にはいくつもの欠点がある。たとえば、溶剤系接着剤は、その使用に際して有毒物を発散させる。水性接着剤は、少なくともその重量の50%を水が占めており、その水は接着のためにいかなる技術的役割も果たさないにもかかわらず、輸送時には無視することのできない追加コストをもたらす上に、それによって凍結を生じやすくなるために、輸送時や貯蔵時に細心の注意を払うことが必要となる。さらに、こうした接着剤は、接着すべき部片にスプレーした後、乾燥作業を施してまず取り扱い可能な状態にしてからでないと、それに続く部片の配置作業に移ることができない。
【0006】
また、乾燥した粉体の形の熱溶融性接着剤も知られているものの、文書FR2745595に示されているように、その使用には、従来のいずれかの種類の接着剤層を基材に塗布することによって粉体を基材上に保持する第1のステップが必要であり、ほとんどテープ状製品の製造にしか利用することができない。
【0007】
そのため、既知の接着剤における上述の欠点を持たない接着剤が必要とされる。
【発明の概要】
【0008】
したがって、本発明は、あらかじめ接着剤が塗布されていない繊維状表面を含め、あらゆる表面に対して、溶剤または分散剤を用いることなく、乾式での塗着が可能な接着組成物を目的とする。
【0009】
本発明はまた、部片の厚み方向への貫入を少なくし、接着後の部片の柔軟性を保ちながら、対向する部片を表面で接着することができる接着組成物を目的とする。
【0010】
本発明はさらに、接着力および接着表面におけるその空間分布を調整することが可能な、かかる接着組成物を目的とする。
【0011】
本発明はさらに、経済的な手段を用いて使用することができる接着組成物を目的とする。
【0012】
本発明はさらに、所定の形状の表面に選択的接着を行うことができる、かかる組成物を使用する接着方法を目的とする。
【0013】
そのために、本発明は、熱溶融性の(すなわち、溶融性で熱可塑性の、または熱反応性の)接着剤の群から選んだ物質で形成され、少なくとも1つの接着すべき部片の表面に掛着するのに適した尖端および/または棘を有する、熱溶融性自己固着粒子と呼ばれる粒子を含んだ接着組成物に関する。
【0014】
本発明による組成物の粒子は、特に、少なくとも1つの面に繊維状表面を有する特に布地、フェルトおよび発泡材などの柔軟な部片を接着するために適合された熱溶融性接着剤として働くのに適した、周囲温度で固形の物質から形成することが有利である。
【0015】
本発明による接着組成物の粒子はまた、かかる柔軟な部片の1つの面の繊維に貫入し、掛着するのに適した尖端および/または棘を有する。ただし、本発明による接着組成物の粒子は、接着すべき部片の1つが繊維状でないとき、その表面にあるペースト層および/または粘着層に掛着するものでもよいことに留意されたい。
【0016】
したがって、接着すべき部片の繊維状表面に本発明による接着組成物を、とりわけ吹付けによって、展着すると、接着粒子は付着した先の繊維に対してその棘によって固体の状態で掛着する。接着剤粒子は表面のしかるべき位置にとどまり、取り扱いにも耐えるので、液体の状態の接着剤の場合のように時として必要になる乾燥作業は行わずに済ませることができる。さらに、このように乾式で用いる接着粒子は、互いに独立した複数の接着スポットを形成するのであって、液体またはペースト状の接着剤の場合のように連続的な表面をなすわけではない。こうした接着剤塗布後の部片は、とりわけ繊細な布地の場合、その弾性を保ち、既知の接着剤で生じる厚紙のような外見を避けることができる。さらに、基材であれ、被覆であれ、接着すべき部片は、部片同士が掛着するのを防ぐために非繊維状の挿間材を必要に応じて間に挟み込む以外は注意を払うことなく貯蔵することができる。なぜなら、接着剤は初期状態のままで変わらないためである。
【0017】
有利には、本発明によれば、粒子は、長さと最大断面寸法の比率である形状係数が4〜40の範囲である糸片によって形成される。糸片の平均直径は0.05mm〜1mmの範囲であり、好ましくは0.1mm〜0.5mmの範囲である。
【0018】
この熱溶融性自己固着粒子組成物の形状は、きわめて単純であるが、繊維中に貫入し、少なくとも後続の作業に至るまでに必要な時間はそこに定着できるだけの高い能力を示す。
【0019】
有利には、本発明によれば、糸片はその外周にうろこ状の棘を有する。この特徴は、粒子の固着能力をさらに強化するとともに、付着したときに掛着しなかったり、その後の取り扱い時に脱落したりする粒子の割合を減らすことができる。
【0020】
本発明による接着組成物の一変形形態によれば、熱溶融性自己固着粒子は、中央の芯部から突き出して放射状に延びる複数の棘付き枝部をそれぞれ備える塊片の形状をなす。この形状は、複数の方向に掛着能力を有することが可能であるという点で特に有利である。とりわけ、棘付き枝部は、中央の芯部を取り囲む同一面内に展開する。別法では、棘付き枝部は空間のすべての方向に広がる。これにより、接着すべき一方の部片の繊維状面に付着した粒子は、他方の部片の対向する面が同様に繊維状である限り、さらにその面にも掛着することができ、本来の接着作業の前に2つの部片を相対的に所定位置に保つことに寄与することができる。
【0021】
有利には、本発明によれば、中央の芯部は枝部に比べてかなり大きな断面を有する。そのため、本来の接着作業の際には、すなわち、外部からの加熱によって熱溶融性接着剤粒子を溶融させる際には、最も細い枝部が、芯部を溶融させるのに必要なよりも少ないエネルギーの供給を受けてまず溶融する。そのため、最終的な接着のために芯部を溶融させるのに必要なエネルギーのすべてが供給される前に、枝部が溶融することによる予備接着を得ることができる。
【0022】
有利には、本発明によれば、中央の芯部は、枝部を形成する材料の溶融温度よりも高い溶融温度を有する材料によって形成された核を有する。この塊片状粒子の形態においては、上述の形態を排除することなく、塊片各部の間の溶融温度の違いによって、接着力のよりよい制御が可能になり、加熱接着作業時に供給されるエネルギー(熱)量に応じて接着力を調節することができる。
【0023】
有利には、本発明によれば、接着組成物は、異なる融点を有する異なる物質の熱溶融性自己固着粒子の混合物によって形成される。そして、異なる熱溶融性自己固着粒子の物質をランダムかつ独立に分布させることにより、溶融して接着スポットをなす熱溶融性自己固着粒子の割合を接着作業時に与える温度によって選択することができ、したがって接着スポットの空間密度の調節を行うことができる。
【0024】
本発明の対象は、また、部片の、とりわけ柔軟な部片の接着方法であって、
− 接着すべき少なくとも1つの部片の少なくとも1つの面に熱溶融性接着組成物を塗着し、
− このように処理した接着すべき部片の少なくとも1つの面を少なくとももう1つの接着すべき部片の対応する面にあてがい、
− このようにして構成された全体を押圧し、同時に所定の温度に加熱することによって接着組成物を活性化させる方法において、
接着組成物として本発明による熱溶融性自己固着粒子組成物を使用することを特徴とする方法にも及ぶ。
【0025】
有利には、本発明によれば、塗着ステップで、前記接着組成物の最低状態変化温度より低い温度の気体を用いて接着組成物のある量の熱溶融性自己固着粒子を乾燥状態でスプレー装置中に導入し、熱溶融性自己固着粒子を、接着すべき部片の前記面に吹き付ける。
【0026】
有利には、粉体スプレー装置のような、それ自体は周知で経済的な実施手段を用いるこの方法は、吹き付けられた熱溶融性自己固着粒子が固体の状態を維持するとともに、吹き付けられた先の表面の繊維に熱溶融性自己固着粒子の尖端、棘および粗面が掛着するのに十分な硬さを有するのに十分である、低めの温度の気体を使用するように適合される。
【0027】
有利には、本発明によれば、本発明による接着組成物の塗着ステップ、とりわけ吹付けステップは、熱溶融性自己固着粒子が吹き付けられる面とは反対側の接着すべき部片の面に対する同時吸込みステップによって補完される。そうすることで、接着すべき部片上での熱溶融性自己固着粒子の「跳ね返り」効果を防ぐとともに、それによって部片の繊維中に引き込まれる熱溶融性自己固着粒子の掛着を促進する。
【0028】
有利には、本発明によれば、吸込みは、本発明による熱溶融性自己固着粒子が吹き付けられるゾーンを本発明による粒子のない第2のゾーンに対して画定する切り抜き部を少なくとも1つ有するマスクを通して行われる。吸込み用のステンシルテンプレートを用いることにより、熱溶融性自己固着粒子が掛着する区域を制限することができ、正確な選択的接着を得ることができる。
【0029】
有利には、本発明によれば、マスクは吹付け装置と接着すべき部片の間に配置され、それによって部片表面の残余の部分を保護し、場合によっては部片を所定位置に保持することができる。別法として、マスクは部片の裏側、すなわち部片と吸込み手段の間に配置するが、そうすることで、部片の入れ替えが迅速に行えるようになる。
【0030】
有利には、本発明によれば、本発明による接着組成物の塗着ステップ、とりわけ吹付けステップで、被覆または基材で接着剤を受けることになっている面に第1の極性の静電荷を発生させ、本発明による接着組成物の熱溶融性自己固着粒子にそれと逆符号の静電荷で極性を与える。すると、熱溶融性自己固着粒子は、その最大寸法が荷電面の平面と垂直をなす方向を向く傾向があり、それによってその掛着が容易になることが確認された。
【0031】
有利には、本発明によれば、いくつかの段階的な溶融温度を有する熱溶融性自己固着粒子を所定の割合で含む接着組成物を使用し、加熱押圧ステップで接着力を調整するために作業の温度および/または持続時間を決定する。融点の異なる物質からなるものなど、様々な種類の熱溶融性自己固着粒子を混合することにより、それらの粒子は吹付け時に接着すべき部片上に均一に分配される。接着すべき全体に対する押圧・加熱ステップでは、到達温度によって溶融する粒子が決まり、したがって形成される接着スポットの百分比が決まる。したがって、たとえば、接着粒子のわずかなパーセントだけがその融点に達する予備接着を行うことも、あるいは粒子のかなりのパーセントが、さらには全体が溶融する強接着を行うことも可能である。
【0032】
有利には、本発明によれば、接着組成物の塗着ステップ、とりわけ吹付けステップの後、熱溶融性自己固着粒子が溶融する際に熱溶融性自己固着粒子と反応して溶融の可逆性を制限するように適合された硬化剤を、とりわけスプレーによって、その接着組成物上に塗着する。この硬化剤は、それ自体も粉体であっても、液体の形であってもよく、熱溶融性自己固着粒子の組成直後または加熱押圧ステップの直前にスプレーすることができる。
【0033】
変形形態においてまたは組合せとして、やはり本発明によれば、接着組成物の塗着ステップ、とりわけ吹付けステップで、熱溶融性自己固着粒子が溶融する際に熱溶融性自己固着粒子と反応して溶融の可逆性を制限するように適合された硬化剤を接着組成物に混合する。硬化剤は、たとえば接着最高温度で、熱溶融性自己固着粒子の一部としか反応しないものでもよく、それによって可逆的な予備接着とほぼ不可逆的な最終接着とが可能となり、最終接着前に調整を行うことができるようになる。
【0034】
本発明はまた、前述または後述の特徴のすべてまたは一部を組み合わせたものを特徴とする熱溶融性自己固着粒子組成物およびかかる接着組成物の使用方法に関する。
【0035】
本発明のその他の目的、特徴および利点は、以下の説明および添付の図面を参照することで明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明による第1の種類の熱溶融性自己固着粒子組成物の粒子の図である。
【図2】本発明による第2の種類の熱溶融性自己固着粒子組成物の粒子の3つの例を示した図である。
【図3】本発明による熱溶融性自己固着粒子組成物の使用方法の一ステップを示した図である。
【図4】本発明による第2の種類の熱溶融性自己固着粒子組成物の粒子を得るための一形態を示した図である。
【図5】本発明による熱溶融性自己固着粒子組成物の使用方法の基本的な側面を把握するのに有益なグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明は、使用物質に応じて所定の温度閾値を超えると、たとえば室温での固体の状態から、粘性のある状態、さらには液体の状態へと変化する熱溶融性接着剤を実現することができる物質のグループから選び取った1つまたは複数の物質の薄片、糸または塊片のような固体粒子によって形成される熱溶融性自己固着粒子組成物に関する。それらの粒子を形成するものとして選ばれる物質は、接着すべき部片の物質および構造に対する密着性に応じて選択される。熱溶融性接着剤には、一般に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリウレタンなどの重合体や、EVA(エチレンビニルアセテート)などの共重合体が含まれ、それらは主成分をなすが、繊維状表面などへの密着力のような固有の特徴をもたらし、融点やガラス遷移温度など、その他の物理定数を変える樹脂、ロウ、その他の補助成分と混合される。これら物品はそれ自体周知であり、通常は押出し成形による棒状体、顆粒、フィルムとして供給される。
【0038】
本発明の熱溶融性自己固着粒子組成物の基本的な特徴は、接着すべき部片の一方の表面に掛着するように、より具体的には、布地、フェルト、発泡材などの繊維状表面の繊維に固着することができるように適合された粒子からなるところにある。この性質により、本発明による熱溶融性自己固着粒子組成物は「乾式」での使用が可能である。すなわち、運搬したり、接着すべき部片に付着させたりするために溶剤も分散剤も必要としない。
【0039】
図1は、前述の物質のいずれか1つを直径が0.1〜0.5ミリメートルの範囲の細い糸の形に押出し成形し、1〜5ミリメートルの範囲の長さで、好ましくは尖端12が形成されるように斜めに、切断することなどによって得られる、ほぼ円筒形の断面を有する糸片の形状をなす熱溶融性自己固着粒子組成物の粒子10を示したものである。粒子がその直径と長さの間にこのような4〜40の範囲の形状係数を有する場合、それらの粒子が展着された布地、フェルト、発泡材のような繊維状表面の繊維の中および間にはまり込む(「後れ毛」効果)傾向が生じることがわかった。そのため、本発明の熱溶融性自己固着粒子組成物は、その最も単純な形状では、たとえば基材に接着すべき布地である被覆のような繊維状表面にスプレーするだけで十分な糸片からなる。
【0040】
さらに、それらの粒子は、スプレーした表面の繊維と係合するのに適した、たとえばうろこ11の形の粗面や棘を粒子表面に形成することによって、表面の繊維への粒子の固着能力を高めることができる。うろこ11は、たとえば、糸の押出し成形の際に糸の周囲に規則的な間隔で切込みを入れ、このように切り込んだ糸を糸片に切断する前に引き伸ばすことによって得られる。有利には、これらの切込みは、糸の中心線と直交する面の両側で傾斜した面内を移動する刃物により、中心線に沿った2つの方向に開くうろこ11が得られるように作られる。
【0041】
本発明の熱溶融性自己固着粒子の組成物において利用可能なもう1つの形態の粒子は、図2にそのいくつかの外形例を図示した塊片20の形状をなす。塊片20は、芯部24を有し、そこから複数の枝部23が放射状に延びる。芯部24と反対端では、枝部23が棘22のある少なくとも1つの尖端21を備える。この形状またはそれに類した形状の塊片は、図4に示すように、選択した熱溶融性物質の形材41を押し出し、物質が冷えて再び固体となったときに押出し機端部の前で揺動する刃42によって押出し機先端で形材41を切断することによって製造することができる。こうした塊片の寸法は、接着すべき部片にスプレーする粉体での使用に対応したものでなければならず、たとえば、枝部は、0.1〜0.5mmの厚さに対して0.1〜2mmの範囲の長さを有する。
【0042】
塊片20は、その輪郭が不規則な縁の形をなし、繊維状表面への定着を可能にする尖端、粗面および棘を備えるものである限り、ランダムな形状を有するものであってもよい。したがって、有利には、こうした粒子は、熱溶融性物質のフィルムを切り刻むことによって得ることができる。図2に示す塊片20は1つの面に沿って広がる枝部23を備えるが、本発明が、たとえば鉤形の複数の枝部を備える球形の芯部を有する粒子のように、枝部が空間の3方向に沿って広がるような塊片にも適用されることは言うまでもない。
【0043】
こうした塊部は、その吹き付け先の接着すべき部片の繊維状表面の繊維に一部の尖端が固着できるとともに、必要な場合、その部片を接着しなければならない基材の表面に固着するために、その基材も繊維状表面を有する場合には利用可能な尖端を部片の反対側に確保できるという利点を有する。
【0044】
したがって、本発明による組成物の粒子のこの特徴的な形状は、基材ならびに接着すべき部片に対する一部の粒子の掛着により、接着過程の開始前から接着すべき部片と基材との「弱い」結合を実現することができる。
【0045】
図2に示した例では、塊片20の芯部24は枝部23と同じ厚さの円筒形をなし、その直径は枝部の長さとほぼ同じか、場合によってはそれ以上である。したがって、芯部の断面積、したがってその体積は、枝部の断面積および体積を著しく上回る。この注目すべき特徴は、接着時の粒子の加熱および溶融の際に、枝部と芯部の挙動の違いを引き起こす。熱の形でもたらされる同じエネルギー量に対して、枝部は芯部よりも前に溶融温度に達する。そのため、芯部が溶融する前にエネルギー供給を止めることにより、粒子の枝部のみが寄与する接着が得られる。こうすることで、それぞれの粒子レベルで得られる接着スポットはより規模の小さなものとなり、こうして得られる接着は比較的浅いものとなる。
【0046】
塊片の芯部24は、芯部24の外周および枝部23を形成する物質よりも高い溶融温度を有する熱溶融性物質の円筒形の芯の形をとる核25から構成することもできる。それにより、前述の例と同様に、粒子を構成する接着剤の体積のうち関与する割合が可変な接着スポットを得ることができる。
【0047】
したがって、本発明の熱溶融性自己固着粒子組成物にあっては、組成物の個々の粒子によって作り出される各々の接着スポットにおける接着力を調整することが可能である。
【0048】
また、一方では個々のスポットでなく、接着表面全体にわたって接着スポットの分布の稠密度を加減することによって、接着力を調整することも可能である。
【0049】
そのために、熱溶融性自己固着粒子組成物は、それぞれ異なる融点および/または異なるガラス遷移点を有する異なる熱溶融性物質で作られた粒子の混合物からなる。そこで、たとえば、融点が60℃の粒子20%、融点が70℃の粒子40%、そして融点が80℃超の粒子40%によって構成される熱溶融性自己固着粒子組成物を用意することができる。それ以外にも、たとえば、融点が100℃の粒子、融点が120℃の粒子による例を考えることもできる。
【0050】
比較的均一な熱溶融性自己固着粒子組成物を形成するように粒子が混合されると、異なる種類の粒子の分布は完全にランダムになり、接着表面への塗着形態にかかわらず、単位表面積当たりのそれぞれの種類の粒子の量が混合物の割合と均質な関係に保たれる。
【0051】
そこで、上述の例に対応する熱溶融性自己固着粒子組成物がスプレーされた接着部片の結合体を60℃超、70℃未満に加熱すると、60℃の融点を有する粒子だけが溶融し、2つの部片を結合する接着スポットを形成する。これにより、潜在的な接着スポットのうちの20%だけが形成された、スポット状の接着を得る。また、これらのスポットは接着表面全体に均一に分布する。同様に、結合体を70℃超に加熱すると、潜在的な接着スポットのうちの60%が形成され、80℃超では粒子の100%が接着スポットを形成し、接着の有効性は最大となる。こうして、本発明の熱溶融性自己固着粒子組成物では、漸進的な接着強度の接着を得ることができる。
【0052】
本発明による熱溶融性自己固着粒子組成物の基本的な利点の1つは、こうして乾式で用いる接着粒子は、互いに分離、独立した複数の接着スポットを形成するのであって、液体またはペースト状の接着剤の場合のように連続的な表面をなすわけではないところにある。このように接着剤を塗布した後の部片は、とりわけジャージー生地のような繊細な布地の場合、その弾性を保ち、既知の接着剤で生じる厚紙のような外見を避けることができる。この特徴は、こうした熱溶融性自己固着粒子組成物で作られた結合体を、その寿命が来た時点で、とりわけ自動車のシート詰物や車室仕切壁外装など用にリサイクルする場合にも非常に有利である。実際、リサイクルの規格では、それらの結合体を構成する物質、たとえば被覆の布地と基材を形成する発泡材との分離が極力厳密に行われることが要求される。本発明の熱溶融性自己固着粒子組成物によって形成される独立した接着スポットの場合、被覆の引きはがし時には、(既知の液体またはペースト状の接着剤で行った接着の場合に発泡材パネル表面全体の引きはがしが生じるのとは違って)基材の発泡材のわずかな箇所が接着スポットによって持って行かれるのみである。
【0053】
本発明の熱溶融性自己固着粒子組成物は、たとえば発泡材のシート詰物のような基材の上に柔軟な被覆などの被覆を接着によって結合する方法において使用される。たとえば文書EP0350979で知られるこのような方法では、被覆および/または基材の接着面の少なくとも一方に熱活性化接着剤を塗り、接着すべき部片同士を対向させ、両方を加熱しながら互いを押圧する。接着剤は温度の作用を受けて活性化し、つまり接着力を有するようになり、接着すべき2つの部片を互いに固定する。
【0054】
本発明によれば、本発明による前述のような熱溶融性自己固着粒子組成体を、とりわけ、被覆または基材の面に接着剤を付着させることからなる第1のステップで、使用できるようにこの方法が適合される。このステップでは、熱溶融性自己固着粒子組成物を乾燥状態で、すなわち既知の技法とは違って、水性結合材中に分散させることなく使用する。熱溶融性自己固着粒子の乾燥組成物は、たとえば粉末塗料用に適合されたスプレーガン36(図3)のような粉体スプレー装置で使用される。ただし、そうしたガンは吹き付ける粒子の大きさに適合されていなければならないことに留意されたい。熱溶融性自己固着粒子組成物は、スプレーガン36の一部であってもなくてもよい供給タンク37に注ぎ入れられる。そのタンク内で、熱溶融性自己固着粒子組成物は、熱溶融性自己固着粒子組成物の最低状態変化温度よりも低い温度、すなわち、粒子製造に用いられた物質の最低溶融温度よりも格段に低い温度で、乾燥空気などの気体の流れによって流動化される。たとえば、溶融温度が60℃であるならば、粒子の剛性および硬さを保つためには、使用する気体は30℃を超えてはならない。次いで、そうして流動化された熱溶融性自己固着粒子組成物はその気体の流れ、すなわち平行流によって被覆31の接着面に向けて吹き付けられる。
【0055】
有利には、被覆31は、それがたとえば布地の場合のように空気を通すものであるときは、タービン35のような吸込み源に接続した枠箱34上に配置される。被覆31は、枠箱34上に配置された後、切り抜き部33を有するマスク32によって所定の位置に保持される。ここで示す例では、マスク32は被覆31の上、被覆31とスプレーガン36の間に配置されているが、マスク32が、たとえばポリメチルアクリレートのような非繊維状物質で作られる場合には、切り抜き部33以外に吹き付けられた熱溶融性自己固着粒子組成物を回収することが可能になるという利点を生じる。別法として、マスク32を被覆31と吸込み枠箱34の間に配置するか、または被覆31を相同な2つのマスクの間に挟み込むこともできる。こうして被覆を通して行う吸込みにより、吹付けだけよりも効率的に組成物の粒子を被覆の繊維内に定着させることができる。さらに、切り抜き部33を有するマスク32を使用すると、切り抜き部33の下になるゾーンであって、そこに熱溶融性自己固着粒子組成物が吹き付けられ、それによって接着ゾーンを形成するゾーンに対して、熱溶融性自己固着粒子組成物がなく、したがって工程のそれ以降のステップで接着しないマスキングゾーンを画定することができる、ステンシルテンプレートが実現される。こうした措置により、ある種の用途(凹所のある接着、3次元形状)で有用な特殊なゾーン接着を行うことが可能になる。また、必要とあれば、その(またはそれらの)マスク自体も3次元のものとして作製できることにも留意されたい。
【0056】
熱溶融性自己固着粒子組成物を、金属、木材または高分子合成材料の表面など、平滑な表面に吹き付ける場合に、熱溶融性自己固着粒子組成物の密着を容易にするために、粒子の固定を可能にする少なくとも1つの接着プライマの層(たとえば、表面にあって粒子を保持するための自己接着性組成物および/または多孔質物質の層)をあらかじめその表面に塗着することについては、何の差し支えもない。
【0057】
吸込みの代わりに、またはそれを補完して、熱溶融性自己固着粒子組成物を被覆上に吹き付けるステップは、有利には、熱溶融性自己固着粒子組成物と被覆の間に異なる静電荷を発生させることによっても補助することができる。実際、ビニルを被せた布地などのように、被覆が気密性であるか、またはほとんど空気を通さない場合は、吸込みを利用することは困難である。熱溶融性自己固着粒子組成物の吹付けが、木材または金属の骨組み上に固定された弾性発泡材によって主に構成される基材に対して行われる場合も同様である。このような基材の場合、吸込みは可能ではあっても、あまり実用的でない場合が多い。
【0058】
そこで、熱溶融性自己固着粒子組成物を受ける被覆または基材の面の物質に応じて、図3に示すように正か、または負である第1の極性の静電荷38を発生させ、組成物の粒子にそれと逆符号の静電荷39で極性を与えることにより、組成物の吹付けを補助し、その粒子が吹き付けられる繊維状表面への粒子の尖端および棘の貫入を改善することができることが確認された。さらに、粒子の静電荷が粒子の端部(尖端)に集中すること、とりわけ粒子が糸片の形である場合はその傾向が強いこと、そして、そのためにそれらの粒子が立ち上がって、長手軸が接着すべき部片の表面に対して局所的に直交する方向に整列して「ハリネズミ状」になることが確認された。したがって、被覆であれ、基材であれ、その上の接着剤粒子が逆立って、他方の部片の表面に貫入し定着することのできる部片表面と反対向きの尖端を有する、接着部片の表面を得ることができ、それによって一方の部片を他方の部片に対して正確に位置決めすることが可能になる。
【0059】
さらに、本発明による熱溶融性自己固着粒子組成物は、発泡材または高分子合成材料の部片の射出成形型の内壁に直接接触して付着させておき、次に型から取り出す瞬間に成形後の部片の外側表面に一体化するようにすることもできることにも留意されたい。
【0060】
接着すべき部片の少なくとも一方が本発明の熱溶融性自己固着粒子組成物によってその片面を覆われると、工程は次に進んで、この被覆を基材に載置するが、この載置は、すでに見たように、接着すべき他方の部片の対向する面を向いた組成物の粒子の尖端および棘によってもたらされる掛着能力によって容易になる。
【0061】
次のステップでは、基材と被覆の全体を、熱風で流動化させたガラスビーズ流動床に押し付ける。説明するまでもなく、ガラスビーズ流動床を用いると、基材の凹部であれ、凸部であれ、被覆を均一に基材に被せることが可能になる。
【0062】
有利には、ガラスビーズ流動床の流動化に使用する熱風の温度は、使用する熱溶融性自己固着粒子組成物の特徴、およびどのような接着力を得たいかに応じて選択する。その温度が適用される持続時間に関しても同様である。したがって、棘付きの細い枝部を周りに備えた太い芯部を有する粒子からなる熱溶融性自己固着粒子組成物を使用する場合、物質の溶融温度よりもわずかに高い温度を短時間適用すれば、芯部を溶融させることなく、粒子の枝部を溶融させることができる。こうすると、実際に使用される熱溶融性物質、すなわち接着剤の量は少なめになり、こうして得られる接着は弱く、接着すべき部片の位置の手直しなどを行うことができる。反対に、適用される温度が材料の溶融温度を著しく上回り、さらに粒子の枝部と芯部を溶融させるのに十分な時間にわたってその温度が適用された場合には、使用可能な接着剤の全量が使用され、接着力は最大となる。
【0063】
段階的な溶融温度を有する異なる物質からなる複合的な粒子組成物を使用する場合も同様である。すでに見たように、所定の割合で異なる粒子の混合物を含む本発明による組成物を構成することが可能である。たとえば、図5のグラフに示したのは、溶融温度T1を有する第1の割合F1の粒子と、T1よりも高い溶融温度T2を有する第2の割合F2の粒子と、T2よりも高い溶融温度T3を有する第3の割合F3の粒子とを含んだ組成物の場合である。このような組成物を使用した場合、接着すべき部片全体を、T1よりも高いが、T2よりも低い温度に加熱すると、スプレーされたF1部分の粒子しか溶融しないようにして、F2およびF3部分の粒子の形状をそのまま残すことができる。そのため、このステップの後に部片同士を引きはがすことになった場合には、F1部分の粒子だけが、それ以降、2つの部片間でのその掛着機能を果たさなくなる。自己固着特性を保持した残りの部分の粒子により、接着すべき部片の位置変更が可能である。
【0064】
全体を温度T2で加熱すると、スプレーされた粒子のF1およびF2部分は溶融し、より多量の接着剤が使用され、したがってより強固な接着が得られる。温度T3を超えた場合に関しても同様で、その温度を超えるとすべての接着剤が使用されて最大限の接着が得られる。
【0065】
しかし、熱溶融性自己固着粒子組成物の使用は、ある種の利用ケースで、この方法によって接着された部片がその供用中に使用材料の少なくとも1つの溶融温度を超える温度に遭遇することになる場合には、不都合を生じる可能性がある。その場合には、溶融時に熱溶融性材料と反応するように適合された硬化剤を関与させることによって、溶融を不可逆なものとするか、または少なくとも可逆的であることを難しくすることが知られている。
【0066】
有利には、この硬化剤は、液体または粉末いずれの形であっても、本発明の熱溶融性自己固着粒子を接着すべき部片に吹き付けた後に、粒子組成物にスプレーすることが可能である。接着すべき部片を、加熱押圧ステップの前に硬化剤の効果に問題を生じかねないほどの待機時間にわたって貯蔵する必要があるときは、硬化剤を押圧ステップの直前に塗布することもできる。
【0067】
別法として、この硬化剤を粉体の形で用意できる場合は、接着すべき部片に熱溶融性自己固着粒子組成物を吹き付ける前に、それをあらかじめ熱溶融性自己固着粒子組成物と混合しておき、一緒に吹き付けることもできる。
【0068】
塗着形態がどのようなものであれ、硬化剤は、所定の温度、たとえば、段階的な溶融温度を有する複数の物質の粒子を含む熱溶融性自己固着粒子組成物の場合であれば、最も高い溶融温度よりも高くならない限り反応しないように、効果的に選択することができる。硬化剤は、溶融温度が低い組成物の部分とは反応せず、それによって可逆的な予備接着とほぼ不可逆的な最終接着が可能になり、最終接着の前の調整が行えるようになる。
【0069】
当然のことながら、この説明はもっぱら説明のための例として示したものであって、当業者であれば、本発明の範囲から外れることなく、たとえば以下のような数多くの変更を加えることができるであろう。
− 粒子およびその掛着要素(尖端、棘)の形状の変更。
− または、そうした粒子のその他の取得方法(機械的であるより、むしろ化学的な方法)の提案。
− または、粒子のその他の塗着方法、たとえば、
− 穴のあいた底部と、その底部に同じく穴のあいた摺動開閉板とを備えており、底部と摺動板の穴が重なって箱の中の熱溶融性自己固着粒子組成物が散布される位置と、底部の穴の閉塞位置との間を交互に移動することができ、圧縮空気供給源に接続されているまたはされていない散粉箱を利用する方法、
− もしくは、粒子を入れた第1の穴あき凹型ロールであって、そのロールの穴を通して粒子がまかれる第1のロールと、粗面の状態をなす少なくとも第2のカレンダーロール(好ましくは2つのカレンダーロール)とを有しており、その2つのロールの間に1つのシート(布地、発泡材、革などで被覆)が通され、本発明による粒子がこのシートの一方の面に付着するようになっている、ラミネーション装置を利用する方法。
− または、粒子のその他の加熱方法、たとえば、赤外線照射および/またはレーザーおよび/または伝導(加熱された部材との接触)による加熱方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱溶融性接着剤の群から選んだ物質で形成され、少なくとも1つの接着すべき部片の表面に掛着するのに適した尖端(12、21)および/または棘(11、22)を有する、熱溶融性自己固着粒子と呼ばれる粒子を含む接着組成物。
【請求項2】
前記粒子が、長さと最大断面寸法の比率である形状係数が4〜40の範囲である糸片(10)によって形成されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記糸片がその外周にうろこ(11)状の棘を有することを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記熱溶融性自己固着粒子が、中央の芯部(24)から突き出して放射状に延びる複数の棘付き枝部(23)をそれぞれ備える塊片(20)の形状をなすことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
中央の前記芯部(24)が前記枝部(23)に比べて格段に大きな断面を有することを特徴とする、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
中央の前記芯部(24)が、前記枝部を形成する材料の溶融温度よりも高い溶融温度を有する材料によって形成された核(25)を有することを特徴とする、請求項4または5に記載の組成物。
【請求項7】
異なる融点を有する異なる物質の熱溶融性自己固着粒子の混合物によって形成されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
一方の部片を他方の部片に接着する方法であって、
接着すべき少なくとも1つの部片の少なくとも1つの面に熱溶融性接着組成物を塗着し、
このように処理した接着すべき部片の少なくとも1つの面を少なくとももう1つの接着すべき部片の対応する面にあてがい、
このようにして構成された全体を押圧し、同時に所定の温度に加熱することによって前記接着組成物を活性化させる方法において、
接着組成物として、請求項1から7のいずれか一項に記載の熱溶融性自己固着粒子組成物を使用することを特徴とする方法。
【請求項9】
前記塗着ステップで、前記接着組成物の最低状態変化温度より低い温度の気体を用いて前記接着組成物のある量の熱溶融性自己固着粒子を乾燥状態でスプレー装置中に導入し、前記熱溶融性自己固着粒子を、少なくとも1つの接着すべき部片(31)の少なくとも1つの面に吹き付けることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記接着組成物の前記塗着ステップが、前記熱溶融性自己固着粒子が吹き付けられる前記面とは反対の前記接着すべき部片の面に対する同時吸込みステップによって補完されることを特徴とする、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記吸込みが、前記熱溶融性自己固着粒子が吹き付けられるゾーンを前記熱溶融性自己固着粒子のない第2のゾーンに対して画定する切り抜き部(33)を少なくとも1つ有するマスク(32)を通して行われることを特徴とする、請求項9および10に記載の方法。
【請求項12】
前記マスク(32)が、前記吹き付け装置(36)と前記接着すべき部片(31)の間に配置されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記接着組成物の前記塗着ステップで、前記接着すべき部片の前記組成物を受ける側の面に第1の極性の静電荷(38)を発生させ、前記接着組成物の前記熱溶融性自己固着粒子にそれと逆符号の静電荷(39)で極性を与えることを特徴とする、請求項8から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
漸進的な溶融温度(T1、T2、T3)を有する熱溶融性自己固着粒子を所定の割合(F1、F2、F3)で含む接着組成物を使用すること、および前記加熱押圧ステップで、接着力を調整するために作業の温度および/または持続時間を決定することを特徴とする、請求項8から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記接着組成物の前記塗着ステップの後、前記熱溶融性自己固着粒子が溶融する際に前記熱溶融性自己固着粒子と反応して溶融の可逆性を制限するように適合された硬化剤を、とりわけスプレーによって、前記接着組成物上に塗着することを特徴とする、請求項8から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記接着組成物の前記塗着ステップで、前記熱溶融性自己固着粒子が溶融する際に前記熱溶融性自己固着粒子と反応して溶融の可逆性を制限するように適合された硬化剤を前記接着組成物に混合することを特徴とする、請求項8から15のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−510536(P2012−510536A)
【公表日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−538039(P2011−538039)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際出願番号】PCT/FR2009/052317
【国際公開番号】WO2010/061144
【国際公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(511054400)シー−ジェクス システムズ (2)
【Fターム(参考)】