説明

熱転写プリント

熱再転写により物品上に印刷されるべき画像を受取るための再転写中間シートが、基体と、前記基体の一の側に、染料を含有するインクの印刷による画像を受取るための画像受取りコーティングとを含み、前記コーティングは流動体吸収層及び重ねられた染料管理層を含み、前記管理層は官能化されたポリビニルアルコール及び/又はイオン性ポリマーを含む。染料管理層は、逆拡散を減少させて、染料効率を増加させて、改良された光学密度の印刷された画像の製造をもたらすように機能する。シートは熱変形可能であることができ、3D物品上に印刷することにおいて特に用途を見出し、例えば加熱され、真空整形されて、物品に密着する。本発明は、印刷する方法、及び印刷された画像を有する物品をも含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱転写印刷に関し、熱転写により物品上に印刷されるべき画像を受取るための再転写中間シート、印刷する方法、及び印刷された画像を有する物品に関する。
【背景技術】
【0002】
熱再転写印刷は、1以上の熱的に転写可能な染料を使用して、再転写中間シート上に(反転状態の)画像を形成することを含む。次に該画像を物品の表面と接触させ、熱及びおそらく圧力もまたかけることにより、該画像は物品の表面に熱的に転写される。熱転写印刷は、直接に印刷されることを容易に許さない物品、特に3次元の物体に印刷するのに特に有用である。昇華染料を使用する拡散熱転写印刷による熱再転写印刷は、例えば国際公開第98/02315号及び国際公開第02/096661号に開示されている。再転写中間シートに画像を形成するデジタル印刷技術を使用することにより、高品質の画像、おそらく写真品質のものが3D物品上に相対的に簡便かつ経済的に、しかも短期間で、印刷されることができる。実際、そのような物体は経済的に個人の名前を印刷されることができる。
【0003】
国際公開第98/02315号及び国際公開第02/096661号に開示されているように、再転写中間シート上の画像は、熱転写印刷により形成されることができる。昇華染料を使用して、インクジェット印刷により再転写中間シートに画像を形成することも可能である。そのような再転写印刷のために典型的に使用される画像は、例えば欧州特許出願公開第1102682号に開示されているように、インクジェット法で印刷された染料を吸収し、次に放出することができる層で被覆された紙基体を含む。このタイプの物質は、2次元の平らである物品に画像を転写するのには、非常に効果的である。しかし、この物質は、3次元の物体に画像を転写するのには、効果的ではない。これは、媒体において使用される基体が折り目をつけること及び歪ませることなしに物体の周りに形を作れるほどには十分に可撓性ではないからである。その結果、活性な表面の間の不均一な接触をもたらし、装飾されるべき物品の表面への画像の良好な転写を妨げる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
印刷された画像を3D物品に再転写を試みるときに、活性表面間の乏しい接触の問題を克服するために、熱形成可能な基体が、紙基体の代わりに使用されてきた。典型的には、使用される基体は、例えば国際公開第01/96123号及び国際公開第2004/022354号に開示されているように、非晶質のポリエチレンテレフタレート(PET)であり、該ポリエチレンテレフタレートは、伸長可能な物質である(すなわち伸ばされたり突き出されたりされる能力を有する)。非晶質のPETは、完全に伸長可能な物質であり、通常120〜160℃の温度において熱形成される。そのような物質を使用するにあたってしばしば遭遇する問題は、このタイプの印刷において典型的に使用される昇華染料が、基体と、該基体上の流動体吸収層に使用される物質とに非常に相溶性があることである。その結果、最終的な熱再転写ステップを実行するとき、装飾されている物品の表面へ転写するだけでなく、逆拡散と呼ばれるプロセスで染料が基体へと移動していくことができる。これは、再転写シートに印刷された染料のすべてが最終的な物質に転写されるわけではないこと、及び最終的な画像で達成され得る光学密度を制限することを意味する。その結果、転写された画像はコントラストを欠き、従って低品質であると知覚される。染料が基体へ逆拡散することを回避するために、インク吸収層と基体との間にバリヤー層が施与されることができる。これらのバリヤーコーティングは、典型的には、金属、例えばアルミニウムの薄い層のスパッタリングにより施与される。これは、シート組み立てのコストを実質的に増加させる。加えて、そのようなバリヤー層は、染料の移動を制御せず、シートの流動体吸収層への移動を許すので非常に効率的であるというわけではない傾向がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの側面において、本発明は、熱再転写により物品上に印刷されるべき画像を受取るための再転写中間シートにおいて、前記シートは、基体と、前記基体の一の側に、染料を含有するインクの印刷により画像を受取るための画像受取りコーティングとを含み、前記コーティングは流動体吸収層及び重ねられた染料管理層を含み、前記管理層は官能化されたポリビニルアルコール及び/又はイオン性ポリマーを含むことろの前記再転写中間シートを提供する。
【0006】
使用において、印刷されるべき画像は、染料に基づくインクを使用して印刷することにより再転写中間シートの画像受取りコーティング上に(反転した状態で)形成される。適するインクはしばしば昇華インクと呼ばれるが、表面接触の度合いに依存して、転写は拡散又は昇華により、又は両者の混合により起きることができる。そのようなインクは、通常、顔料分散の形で昇華染料を取り込む。画像は、スクリーン印刷、フレキソ印刷等を含む種々の印刷技術により形成され得る。デジタル印刷技術、特にインクジェット印刷を使用することが好ましい。インクジェット印刷可能であるための適切な物理的性質、例えば粘度等を有する、適切なインクジェット印刷可能な昇華染料は、例えばエプソン(エプソンは商標である)及び他のインクジェットプリンターのメーカー用に市販入手可能である。染料管理層は、施与されたインクの染料成分を捕捉し、これらの成分をシートの表面の近くに保持しながら、インク流動体が流動体吸収層に行くのを許す機能を果たすことができる。次に、シートは、表面に印刷をすることが所望される物品の表面と接触している画像を受取るためのコーティングと並べられ、熱(及び通常は圧力も)の施与が再転写ドナーシートから物品の表面への染料の移動をもたらし、所望される印刷された画像を作り出す。染料管理層は、シートが加熱されるにつれて基体の方への染料分子の逆拡散を減少させて、再転写のために利用可能な染料を増加させて、最終的な画像における光学密度を改良するために機能することができる。すなわち、本発明は、これまで可能であるより、よりよい解像度及び密度の画像の作成を可能にすることができる。加えて、改良された再転写効率は、該シートがそうでない場合より広い範囲の物質上に印刷するために使用されることができることを意味する。
【0007】
再転写シート又はフィルムに関して高い転写効率を達成するために、コート構造内における染料の移動が管理されなければならないことを我々は見出した。もし、染料が(インクジェット印刷又は熱転写ステージの間に)表面から下のコーティングへ移動してしまうことが許されるならば、その染料は、転写工程に参加することができない。これは、より低い解像度及びぼやけた外観を有する再転写された画像をもたらす。低い効率の再転写フィルムは、うまく装飾されることのできる物質の範囲をもまた制限する。
【0008】
本発明において、これらのフィルムのバリヤー性を改善する具体的な物質が、特定された。これらの物質は、該フィルムの最上層において適切に使用される。このアプローチの利点は、昇華染料顔料が該管理層において捕捉されるようになり、その結果、転写界面の近くに集中することである。該染料の大部分は、次に、適切に受取る表面への再転写に利用される。
【0009】
多くの物質が染料バリヤー性を有するとして記載されている。これは、それらが、インク顔料を捕捉する能力を有するからであることがしばしばである。しかし、それらは、熱再転写の間には、効率が劣る、なぜなら逆拡散を防ぐことができないからである。本発明において用いられる染料管理層は、両方の転写ステージにおいて染料の移動を減ずることができる。
【0010】
好ましい実施態様において、少なくともバリヤー物質は、該フィルムが物体に周りに熱形成された後に、染料の移動を最小化することができなければならない。
【0011】
本発明の熱再転写シートを用いると、より多くの染料が再転写に利用可能であるので、使用後にシートにより少ない染料が保持されることができ、少なくとも75%、おそらく少なくとも80%の再転写効率が得られた(最適工程条件下)。
【0012】
さらなる側面において本発明は、熱再転写により物品上に印刷されるべき画像を受取るための再転写中間シートにおいて、該シートは、基体と、該基体の一の側に、染料を含有するインクの印刷、好ましくはインクジェット印刷、により画像を受取るための画像受取りコーティングとを含み、前記コーティングは流動体吸収層及び重ねられた染料管理層を含み、該シートが少なくとも75%の染料再転写効率を有することができる該再転写中間シートを提供する。
【0013】
官能化されたポリビニルアルコールは好ましくは(完全に又は部分的に)加水分解されていてもよいところのシラン化されたポリビニルアルコールである。適切な物質は市販入手可能であり、典型的には、種々の分子量のグレートの範囲で入手可能であり、良好な結果は、例えば4%水溶液で30mPa.sの粘度を有する、ワッカーポリマーズ製のポリビオール(Polyviol)P6060(ポリビオールは商標である)の形の完全に加水分解されたシラン化されたポリビニルアルコールで得られた。
【0014】
染料管理層(乾燥条件で)は、便宜的に官能化されたポリビニルアルコール(例えば完全に加水分解されたシラン化されたポリビニルアルコール)を乾燥コーティングの30〜100重量%の範囲の量で、例えば約80重量%で含み、残量は、便宜的に非イオン性ポリマー、好ましくは非官能化ポリビニルアルコール、望ましくは低い加水分解度(例えば85%未満)を有するもの、により構成される。そのような物質は、以下に述べるように、層の伸長性及びレオロジーに有利な効果を有する。良好な結果は、81〜84%の加水分解度を有するポリビニルアルコール樹脂であるところの、セラニースケミカルズ(Celanese Chemicals)製の非イオン性ポリマーであるセルボル(Celvol)W25/190(セルボルは商標である)を使用して得られた。
【0015】
イオン性ポリマーは、アルギン酸塩、スチレンと無水マレイン酸とのコポリマー、及びカルボキシメチルセルロースを含む物質から選択され、便宜的に金属塩、特にナトリウム塩の形である。現在好ましい物質は、カルボキシメチルセルロースナトリウムである。カルボキシメチルセルロースナトリウムは、3種類の置換度(0.7,0.9及び1.2)及び広い範囲の分子量で市販入手可能である。良好な結果は、0.9の置換度を有する低粘度のカルボキシセルロースナトリウムであるウォルフセルロジックス(Wolff Cellulosics)製のワロセル(Walocel)CRT30(ワロセルは商標である)で得られた。ワロセルCRT30の粘度は、2%水溶液において30mPa.sである。
【0016】
染料管理層(乾燥条件で)は、便宜的にイオン性ポリマー(例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム)を乾燥コーティングの30〜100重量%の範囲、例えば約50%(例えば48%)の量で含み、残量は、官能化されたポリビニルアルコールを含む層に関連して上で議論されたように、非イオン性ポリマー、及び/又は少量の可塑剤、例えばポリエチレングリコール(好ましくは600未満の分子量を有するもの)、ソルビトール又はグリセロールにより構成され、グリセロールが好ましい。繰り返しになるが、そのような物質は層の伸長性及びレオロジーに有利な効果を有する。
【0017】
官能化されたポリビニルアルコール及び/又はイオン性ポリマーの混合物が、染料管理層において使用され得る。
【0018】
染料管理層は、好ましくはシートの最上層である。
【0019】
染料管理層は、適切には0.5〜7ミクロン、好ましくは1.5〜6.5ミクロンの範囲の乾燥厚さを有する。
【0020】
染料管理層は、望ましくは、顔料化されたインクが物品の表面と接触したときに沈殿するのを助ける凝集剤及び/又は凝固剤を含む。そのような物質は、異なる色の隣接するインクの滴の間の相互作用を減少させ、印刷の鮮明さ及び均一性を増加させる。そのような物質の例は、ポリDADMAC(ポリジアルキルジメチル塩化アンモニウム)、好ましくは400,000〜500,000の分子量のもの並びに2価及び3価の塩、例えば硫酸アンモニウム及び塩化マグネシウムである。
【0021】
もし存在するならば、凝集剤及び/又は凝固剤は、染料管理層のコーティング固体の、合計で5重量%のレベルで存在する。
【0022】
本発明は、上記のように、3D物品に画像を形成するのに有用である再転写中間シートにおいて特に用途を見出す。そのようなシートは変形可能な基体、通常はPETを利用し、該変形可能な基体と昇華染料は非常に相溶性である。典型的な3D物体上に画像を形成するためには、再転写中間シートは、それが被覆される基体を含めて、破壊なしに伸ばされることに対して耐性でなければならない。ある範囲の物体を装飾するときに我々が得た経験は、ドナーシートの面積は、物体のすべての表面を装飾するためには、もとの長さから約3倍まで破けることなく伸びることができることが必要であることを立証した。これは、少なくとも200%の寸法の変化と同等である。そのような実施態様においては、基体及び画像を受取るコーティングは、両方の成分が適切に加熱されたときに十分に変形できるというこれらの要件を心に留めて設計される。
【0023】
すなわち、熱変形可能な基体は、加熱されたとき、典型的には80〜170℃の範囲の温度に加熱されたとき、好ましくは熱の作用下、真空成形されるのに十分に変形可能であるとき、変形可能である物質を適切に含む。熱的に敏感な物質に印刷することができるために、できるだけ低い温度において変形する基体を使用することが好ましいが、そのような基体を使用して被覆された製品を製造することはもっと困難である。基体は好ましくは非晶質(非結晶性)ポリエステル、特に非晶質ポリエチレンテレフタレート(APET)を含む、なぜならそのような物質は低い熱変形温度を有するからである。基体は典型的にはシート又はフィルムの形であり、望ましくは、100〜250ミクロンの範囲の厚さ、例えば約150ミクロンの厚さを有する。良好な結果が、イネオスビニルズ(Ineos Vinyls)により供給される商標PET「A」により公知であるところの、透明な150ミクロンの厚さの非晶質グレートのポリエチレンテレフタレートで得られた。複雑な物品の周りにより厚いグレードのものを変形させることはより困難である。他の基体物質が利用可能であるが、あるものはより望ましくない。例えばポリ塩化ビニル(PVC)フィルムが使用され得るが、これは、処理される物品に移動する傾向のある可塑剤を、高いレベルで含み得、望ましくない。
【0024】
3Dの物品に画像を形成用シートのために、画像を受取るコーティングも同様に変形可能であるべきであり、これは適切な伸長性を有する物質、もし必要であれば樹脂及び/又は可塑剤の使用により変性されているものを使用して達成される。上で議論されたように、特に、以下の物質、非イオン性ポリマー、好ましくはポリビニルアルコール、最も好ましくは加水分解度の低いポリビニルアルコール、例えば上で言及されたセルボルW25/190、水溶性可塑剤、ポリエチレングリコール(好ましくは分子量600未満のもの)又はグリセロールが、この点において有用であることが見出され、グリセロールが好ましい。
【0025】
流動体吸収層は、施与されたインクの流動体成分を吸収する機能を果たす。該層は、インクのすべての水性及び非水性溶媒を素早く吸収する十分な能力を望ましくは有するべきである。この層は、液状インク成分を吸収するための非晶質多孔質シリカゲル;昇華転移の間にシート中の染料の保持を減少させる第一の、非染料吸収性ポリマー状バインダー成分;及び熱変形の間に可撓性を与え、層が割れることを防ぐ第二の、可撓性ポリマー状バインダーを含む。そのような層は変形可能であり、かつ伸長可能であるので、上で議論されたように、3D物品上の画像の形成を意図されたシートにおける使用に適している。
【0026】
すなわち、好ましい流動体吸収層は、2つの相溶性ポリマー状バインダーを、その中に分散された非晶質多孔質シリカゲルの粒子と共に含み、組成物において合理的に均一であることが好ましい。該層は、昇華染料を含むインクで印刷するのに、次なる、物品への熱転写に適するように設計される。該層は、インクジェット印刷により画像を受取ることができ、非晶質多孔質シリカゲルは、液状インク成分を吸収する機能を果たすように設計される。第一の、非染料吸収性ポリマー状バインダーは、次の昇華転写のときに再転写中間シートにおける染料の保持を減少させる機能を果たす。第二の、可撓性ポリマー状バインダーは、加熱及び変形のときに可撓性を与え、層が割れることを防ぎ、施与されたインクの液状成分をもまた吸収する機能を果たす。
【0027】
非晶質多孔質シリカゲルは、良好な吸収性を有しており、油及び水を含む広い範囲の流動体を吸収するのに効果的である。100グラムのシリカ当たり25〜150グラムの範囲のオイル、より好ましくは100グラムのシリカ当たり少なくとも50グラムのオイルのオイル吸収特性を有する非晶質多孔質シリカゲルを使用することが好ましい。シリカゲルは、好ましくは10〜20ミクロンの範囲の平均粒子サイズを有する。良好な結果は、グレースダヴィソン(Grace Davison)製のシロイド(Syloid)W900シリカゲルを使用して得られた(シロイドは商標である)。これは、多孔質の、前もって湿らされている(55重量%の水)品質の非晶質シリカフィラーであって、13ミクロンの平均粒子サイズ及び100グラムのシリカ当たり約75グラムのオイルのオイル吸収特性を有するフィラーである。
【0028】
非晶質多孔質シリカゲルは、典型的には流動体吸収層の合計乾燥重量の10〜35重量%、好ましくは15〜25重量%の量で存在する。
【0029】
第一の、非染料吸収性ポリマー状バインダーは、非晶質多孔質シリカゲル粒子を一緒に結合させ、インクの液状成分を吸収することにも参加するところの主要なポリマー状バインダー構造の一部を構成する。良好な結果は、加水分解されたポリビニルアルコール、好ましくは完全に加水分解されたポリビニルアルコールであって、加熱されたときであってさえも昇華転写のために使用されたタイプの染料を吸収しないもので得られた。相対的に低い分子量従って低い粘度を有する加水分解されたポリビニルアルコールを使用することが、容易なコーティングのために好ましい。適切な加水分解されたポリビニルアルコールが、例えば、クラレ株式会社から入手可能である完全に加水分解された品質の低分子量(27,000)ポリビニルアルコールであるところのモウィオール(Mowiol)4/98(モウィオールは商標である)の形で市販入手可能である。
【0030】
第一の、非染料吸収性ポリマー状バインダーは、流動体吸収層の合計乾燥重量の15〜30重量%、好ましくは20〜25重量%の範囲の量で典型的に存在する。
【0031】
第二の、可撓性ポリマー状バインダーもまた、非晶質シリカゲル粒子を一緒に結合させるところの主要なポリマー状バインダー構造の一部を構成する。このバインダーは、(典型的には200%までの)熱変形の間に層が割れることをもまた防ぎ、インクの液状成分を吸収することに参加する。即ち、該可撓性バインダーは、望ましくは、ある程度水を吸収することができ、印刷の間にインク溶媒の十分かつ素早い吸収を許す。適切なバインダー物質は、ポリオキサゾリン類(ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン))及び水性ポリウレタン分散物を含み、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)が現在のところ好ましい。ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)は、種々の分子量、例えば5,000〜500,000のグレードの範囲で市販入手可能である。例えばインターナショナルスペシャルティプロダクツ(ISP)によるアクアゾル(Aquazol)の商標の下で供給されている。良好な結果は、アクアゾル50で得られ、アクアゾル50は、50,000の分子量を有するポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)である:これは、望ましくなく高い溶液粘度を有することなく良好な性質を有する画像を受取る層を作り出す。
【0032】
第二の、可撓性ポリマー状バインダーは、典型的には流動体吸収層の合計乾燥重量の35〜65%、好ましくは45〜55%の範囲の量で存在する。
【0033】
流動体吸収層は適切には10〜20ミクロンの範囲、例えば約15ミクロンの厚さを有する。
【0034】
画像を受取るコーティングは、基体と流動体吸収層との間に任意的なプライム層を含んでいてもよい。プライム層は、流動体吸収層の基体への接着を改善し、適切には、可撓性ポリマー状物質を含む。一般的に、可撓性ポリマー物質は、変形の際の接着の損失を防ぐために、流動体吸収層より、より可撓性が高くあるべきである。適切な可撓性ポリマー状物質は、低いガラス転移温度(Tg)、即ち50℃未満のTgを有するポリエステル樹脂の水性分散物、例えば20℃のTgを有するところの、例えば東洋紡によりビロナールの商標の下で供給されているものを含む。そのようなポリエステル樹脂は、非晶質ポリエステル基体によく接着する。これは本質的ではないが、そのようなポリエステル樹脂は、一般的に、第二の、可撓性ポリマー状バインダーより大きい可撓性を有する。
【0035】
シートは、流動体吸収層と染料管理層との間に任意的な可撓性のある中間層を含んでいてもよい。この層は染料管理層が製造の間に流動体吸収層へと吸収されることを防ぐ又は最小化するように設計されている。
【0036】
該中間層は、非イオン性ポリマー、好ましくは、熱変形可能な非イオン性ポリマー、最も好ましくは低い加水分解度、例えば85%未満を有するポリビニルアルコール、例えば上で言及されたセルボルW25/190を含む。
【0037】
該中間層は、0.2〜3.0ミクロン、好ましくは0.5〜1.0ミクロンの範囲の厚さを有する。該中間層は便宜的に可塑剤、例えばポリエチレングリコール(好ましくは600未満の分子量を有する)、グリセロール若しくはソルビトール(グリセロールが好ましい)をもまた含む。中間層の一つの(乾燥条件で)好ましい組成物は、重量で約2/3のセルボルW25/190及び重量で約1/3のグリセロールを含む。
【0038】
流動体吸収層において熱変形可能な基体と可撓性ポリマー状バインダーとを使用する本発明の実施態様において、シートは、3D物品、おそらく、複合曲線を含むところの曲線状の形状(凹又は凸)を含む複雑な形状を有する物品に印刷をすることに特に用途を見出す。3D物品に印刷するときに、シートは典型的には、物品への施与の前に例えば80〜170℃の範囲の温度に予備加熱されて、シートを軟らかくし、それを変形可能にする。次に、該軟らかくされたシートは、物品に容易に施与され、かつ物品の輪郭に合う条件に置かれる。これは真空の施与により実行することが便宜であり、該軟らかくされたシートを物品に密着させる。シートが、例えば真空の維持により物品との接触状態に維持されている間に、シートが、及びおそらく物品も、染料転写に適切な温度、典型的には140〜200℃の範囲温度に適切な時間の範囲の時間、典型的には15〜150秒の間、加熱される。染料転写の後、物品は再転写中間シートの除去の前に冷却するのを許される又は冷却される。再転写印刷ステップを実行するための適切な装置は、例えば国際公開第01/96123号及び国際公開第2004/022354号に開示されているように公知である。
【0039】
本発明の再転写中間シートは、3D物体の表面を装飾するための熱画像再転写装置での使用に特に用途を見出す。該物体は、プラスチック、金属、陶器、木材及び他の複合材料を含む広い範囲の固い物質から作られていることができ、該物体は、固体又は薄壁性の構造のいずれかである。その用途の一の例は、自動車の表面の外観を向上させるためのそのトリムパネルの装飾であるが、多くの他の可能性のある用途がある。
【0040】
画像が形成される物品の表面の性質に依存して、転写された染料のテイクアップを改善する表面コーティング又はラッカーの施与により表面を予備処理することが適切であり得る。適切な染料受取りラッカー及びその使用方法は当業者に公知であり、例えば欧州特許出願公開第1392517号に開示されている。ラッカーは典型的には、スプレーコーティングにより施与され、続いて90℃において50分間オーブンで硬化される。
【0041】
本発明は、本発明の再転写中間シートを使用して物品上に画像を印刷する方法をその範囲に含む。本発明の方法は、該シートの、画像を受取るコーティング上に、印刷、好ましくはインクジェット印刷、により画像を形成すること、該コーティングを物品の表面と接触させること、及び熱を印加して、シートから物品の表面に画像を熱転写させることを含む。
【0042】
本発明は、本発明の方法により製造された印刷された画像を有する物品をも含む。
【0043】
本発明は、好ましい実施態様において、以下を含む多くの利点を少なくとも有する。
写真品質の画像で2D及び3D物体を装飾する能力。フィルム及びコーティングは完全に伸長可能であるので、複雑な3Dの形状が効果的に装飾されることができる。
温度に敏感な物質、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)を含む多くの熱可塑性物質を予備処理なしに装飾する能力。
金属、ガラス、陶器、及び木材を含む広い範囲の他の物質を装飾する能力。これらの物質は予備処理を必要とし得る。
再転写シートの減少されたインク装填で高い密度の画像を達成する能力。
従来のコーティング技術を使用して再転写シートを経済的に製造する能力。
【0044】
本発明の好ましい実施態様が今、以下の実施例において例示により記載される。すべての百分率は、別に明示されない限り、重量による。実施例は図1を参照するが、図1は、異なる染料管理層又は染料バリヤー層を有する4つの異なる熱再転写シートにより熱再転写された画像の光学密度の棒グラフ比較である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】異なる染料管理層又は染料バリヤー層を有する4つの異なる熱再転写シートにより熱再転写された画像の光学密度を表す。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0046】
実施例1(タイプB)
本発明の熱変形可能な再転写中間シートの一の実施態様は、以下に記載するように製造された。該シートは、プライム層、流動体吸収層、可撓性のある中間層、及び染料管理層で順次被覆された熱変形可能な基体を含んでいた。
【0047】
基体
基体は、イネオスビニルズにより供給されたポリエチレンテレフタレートフィルムの、透明な厚さ150ミクロンの非晶質グレードであるPET「A」のA3サイズのシートを含んでいた。
【0048】
以下のコーティングが4番のマイヤーバー(Meyer bar)を使用して順番に施与された。すべてのコーティングは60℃においてオーブン乾燥された。
【0049】
プライム層
水性分散物の形の、50℃未満のTgを有するポリエステル樹脂(ビロナール(Vylonal)MD−1400、東洋紡製)が基体に施与されて、厚さ1ミクロンの被覆を作った。樹脂は高度に可撓性があり、流動体吸収層が該基体に密着することを許す。
【0050】
流動体吸収層
流動体吸収層は以下の配合から製造された。
脱イオン水−64.5%
モウィオール4/98−4.5%(第一のバインダー)
アクアゾール50−10%(第二のバインダー)
メタノール−10%(溶媒)
シロイドW900−11%(非晶質多孔質シリカゲル)
【0051】
配合物は以下のように製造された。
冷脱イオン水がヒータージャケットを装着されたミキサーに計量して入れられた。次に、モウィオール4/98樹脂が、パドルミキサーを使用して該冷脱イオン水に分散された。次に、ヒータージャケットを使用して、溶液温度は95℃まで上昇された。溶液の温度は、このレベルにおいてさらに30分間維持され、完全な溶解を確保した。次に、該溶液は25℃まで冷却された。次に、アクアゾール50バインダー及びメタノールが添加され、該溶液はさらに2時間攪拌された。
【0052】
溶液製造工程の最終ステージは、シロイドW900シリカの分散である。このフィラーが完全に脱凝集化され、その本来の粒子まで小さくされていることを確実にするために、相対的に高い剪断力が混合工程の間、必要とされる。このステージは、従って、5〜6m/秒のチップ速度で稼動する鋸歯タイプの分散ヘッドを使用して行われた。シロイドW900シリカは該分散ヘッドにより作られた渦へと添加され、60分間攪拌された。
【0053】
厚さ15ミクロンのコーティングが、流動体吸収層を製造する基体のプライム表面上に形成された。
【0054】
可撓性のある中間層
可撓性のある中間層が以下の配合から製造された。
脱イオン水−87%
セルボルW25/190−8.7%(低加水分解度を有するポリビニルアルコール樹脂)
グリセロール−4.3%(アルドリッチ製)(水溶性可塑剤)
【0055】
配合物は以下の通りに製造された:
冷脱イオン水がヒータージャケットを装着されたミキサーに計量して入れられた。次に、セルボルW25/190樹脂が、パドルミキサーを使用して該冷脱イオン水に分散された。次に、ヒータージャケットを使用して、溶液温度は95℃まで上昇された。溶液の温度は、このレベルにおいてさらに30分間維持され、完全な溶解を確保した。次に、該溶液は25℃まで冷却された。次に、グリセロールが添加され、該溶液は攪拌された。
【0056】
厚さ3ミクロンのコーティングが、流動体吸収層の上に形成された。
【0057】
染料管理層
染料管理層が以下の配合から製造された。
脱イオン水−90.3%
セルボルW25/190−4.1%(ポリビニルアルコール樹脂)
ワロセルCRT30−4.8%(カルボキシメチルセルロースナトリウム)
グリセロール−0.8%(可塑剤)
【0058】
配合物は以下の通りに製造された:
冷脱イオン水がヒータージャケットを装着されたミキサーに計量して入れられた。次に、セルボルW25/190樹脂が、パドルミキサーを使用して該冷脱イオン水に分散された。次に、ヒータージャケットを使用して、溶液温度は95℃まで上昇された。溶液の温度は、このレベルにおいてさらに30分間維持され、完全な溶解を確保した。次に、該溶液は25℃まで冷却された。次に、ワロセルCRT30及びグリセロールが添加され、該溶液は攪拌された。
【0059】
厚さ2.5ミクロンの染料管理層のコーティングが、可撓性のある中間層上に形成された。(乾燥状態の)染料管理層は約50%のワロセルCRT,42%のセルボルW25/190及び8%のグリセロールを含んでいた。
【0060】
実施例2(タイプQ)
本発明の熱変形可能な再転写シートのさらなる実施態様は、実施例1に記載されたように製造されたが、異なる染料管理層及び異なる可撓性のある中間層を使用した。
【0061】
可撓性のある中間層は以下の配合から製造された。
脱イオン水−76%
工業用メチル化酒精(Industrial methylated spirit)−20%
セルボルW25/190−4%(ポリビニルアルコール樹脂)
【0062】
配合物は以下の通りに製造された:
冷脱イオン水がヒータージャケットを装着されたミキサーに計量して入れられた。次に、セルボルW25/190樹脂が、パドルミキサーを使用して該冷脱イオン水に分散された。次に、ヒータージャケットを使用して、溶液温度は95℃まで上昇された。溶液の温度は、このレベルにおいてさらに30分間維持され、完全な溶解を確保した。次に、該溶液は25℃まで冷却された。次に、工業用メチル化酒精が添加され、次に、該溶液は攪拌された。
【0063】
厚さ0.5ミクロンのコーティングが、流動体吸収層上に形成された。
【0064】
染料管理層が以下の配合から製造された。
脱イオン水−90%
セルボルW25/190−2%(ポリビニルアルコール樹脂)
ポリビオールP6060−8%(完全に加水分解されたシラン化されたポリビニルアルコール)
【0065】
配合物は以下の通りに製造された:
冷脱イオン水がヒータージャケットを装着されたミキサーに計量して入れられた。次に、セルボルW25/190及びポリビオールP6060が、パドルミキサーを使用して該冷脱イオン水に分散された。次に、ヒータージャケットを使用して、溶液温度は95℃まで上昇された。溶液の温度は、このレベルにおいてさらに30分間維持され、完全な溶解を確保した。次に、該溶液は25℃まで冷却された。
【0066】
3.5ミクロンの厚さの染料管理層のコーティングが可撓性のある中間層上に形成された。染料管理層は(乾燥条件で)、80%のポリビオールP6060及び20%のセルボルW25/19を含んでいた。
【0067】
実施例3(タイプA)
完全に加水分解されたポリビニルアルコールに基づく染料管理層を有するところの、本発明には従わないさらなる熱変形可能な再転写シートが、比較の目的のために、一般的には実施例に1に記載された通りに製造された。
【0068】
被覆の厚さ1.5ミクロンを有する染料管理層が以下の配合を使用して製造された。
脱イオン水−94.8%
モウィオール20/98−5%(バインダー)
シロイドED3−0.17%(非晶質多孔質シリカゲル)
【0069】
配合物は以下の通りに製造された:
冷脱イオン水がヒータージャケットを装着されたミキサーに計量して入れられた。次に、モウィオール20/98樹脂が、パドルミキサーを使用して該冷脱イオン水に分散された。次に、ヒータージャケットを使用して、溶液温度は95℃まで上昇された。溶液の温度は、このレベルにおいてさらに30分間維持され、完全な溶解を確保した。次に、該溶液は25℃まで冷却された。
【0070】
溶液製造工程の最終ステージは、シロイドED3シリカの分散である。このフィラーが完全に脱凝集化され、その本来の粒子まで小さくされていることを確実にするために、相対的に高い剪断力が混合工程の間、必要とされる。このステージは、従って、5〜6m/秒のチップ速度で稼動する鋸歯タイプの分散ヘッドを使用して行われた。シロイドED3シリカは該分散ヘッドにより作られた渦へと添加され、60分間攪拌された。
【0071】
実施例4
実施例1〜3のシート、及び非晶質のPET基体表面にメタル化された層が施与されている、E−カメレオン(E−Comeleon)により供給される3Dイメージフォイルとして公知である市販入手可能な競合再転写フィルム(タイプD)についてもまた、比較試験が行われた。
【0072】
次に、4つの異なるタイプのシート(A,B,C及びD)に、ソーグラステクノロジーズ社から入手可能なArタイニウム(ArTainium)(Arタイニウムは商標である)昇華インクが装着されたエプソン4400(エプソンは商標である)を使用してテストパターンが印刷された。テストパターンは黒、黄色、マジェンタ、及びシアンの色ブロックを含んでおり、それぞれのブロックは完全な密度で印刷された。
【0073】
テスト画像の再転写のための受取り可能な受取り体を提供するために、一連の試験板(test plaque)が製造された。これらは染料の受取りが可能なラッカーで被覆された白色のPET(厚さ250ミクロン)のシートからなる。(ICIイメージデータにより製造された)R6064ラッカーが、供給された指示に従って架橋剤及びシンナーを添加することにより製造された。3番のマイヤーバーが使用されて、このラッカーをシートに施与し、25ミクロンの乾燥被覆厚さを達成した。次にラッカーは、90℃において50分間硬化されて、被覆を架橋した。
【0074】
次に、ドナーシート上のテストパターンが試験板に再転写され、種々のバリヤー物質の効率を確立した。再転写工程は、160℃の転写温度において稼動するクラークPF420/3Hピクタフレックス真空プレス(クラーク及びピクタフレックスは商標である)を使用して行われた。
【0075】
次に、各再転写された色ブロックの密度が、スペクトロアイ(Spectroeye)密度計(スペクトロアイは商標である)を使用して測定され、結果は表1に示されている。
【0076】
図1は、種々のインクカラーブロック、黒(K)、黄色(Y)、マジェンタ(M)及びシアン(C)の光学密度を示す。卓越した結果が、本発明の2つのシート(タイプB及びタイプC)で得られたことが見られることができる。
【0077】
「使用された」ドナーシートもまた目視により調べられ、コーティングに保持された染料の量を見積もった。これは、起こっている逆拡散の程度を示す。カルボキシメチルセルロースナトリウム(タイプB)又はシラン化されたポリビニルアルコール(タイプC)管理コーティングで製造されたシートは、20%未満の染料を保持していることが見積もられた。完全に加水分解されたポリビニルアルコールバリヤーを使用したシート(タイプA)は、保持された染料の有意により高い割合を有し、約50%であると見積もられた。メタル化された層を有する競合する物質(タイプD)は、約30%の染料を保持した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱再転写により物品上に印刷されるべき画像を受取るための再転写中間シートにおいて、前記シートは、基体と、前記基体の一の側に、染料を含有するインクの印刷による画像を受取るための画像受取りコーティングとを含み、前記コーティングは流動体吸収層及び重ねられた染料管理層を含み、前記管理層は官能化されたポリビニルアルコール及び/又はイオン性ポリマーを含むことろの前記再転写中間シート。
【請求項2】
前記染料管理層がシラン化されたポリビニルアルコールである、請求項1に記載のシート。
【請求項3】
前記シラン化されたポリビニルアルコールが完全に加水分解されている、請求項2に記載のシート。
【請求項4】
前記染料管理層が、アルギン酸塩、スチレンと無水マレイン酸とのコポリマー、及びカルボキシメチルセルロースから選択された1以上のイオン性ポリマーを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシート。
【請求項5】
前記染料管理層がイオン性ポリマーのナトリウム塩を含む、請求項4に記載のシート。
【請求項6】
前記染料管理層がカルボキシメチルセルロースナトリウムを含む、請求項5に記載の染料管理層。
【請求項7】
前記染料管理層が非イオン性ポリマー、好ましくは非官能化ポリビニルアルコール、をさらに含み、任意的に可塑剤を含んでいてもよい、請求項1〜6のいずれか1項に記載のシート。
【請求項8】
前記染料管理層が0.5〜7ミクロン、好ましくは1.5〜6.5ミクロンの範囲の厚さを有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のシート。
【請求項9】
前記染料管理層が凝集剤及び/又は凝固剤を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のシート。
【請求項10】
前記基体が熱変形可能である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のシート。
【請求項11】
前記基体が非晶質のポリエチレンテレフタレートを含む、請求項10に記載のシート。
【請求項12】
前記基体が、100〜250ミクロンの範囲、好ましくは約150ミクロンの厚さを有するシート又はフィルムを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載のシート。
【請求項13】
前記基体と前記流動体吸収層との間にプライム層を含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載のシート。
【請求項14】
前記流動体吸収層と前記染料管理層との間に可撓性のある中間層を含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載のシート。
【請求項15】
前記中間層が非イオン性ポリマーを含む、請求項14に記載のシート。
【請求項16】
前記中間層が85%未満の加水分解度を有するポリビニルアルコールを含む、請求項15に記載のシート。
【請求項17】
前記中間層が、可塑剤をさらに含む、請求項14〜16のいずれか1項に記載のシート。
【請求項18】
熱再転写により物品上に印刷されるべき画像を受取るための再転写中間シートにおいて、前記シートは、基体と、前記基体の一の側に、染料を含有するインクの印刷により画像を受取るための画像受取りコーティングとを含み、前記コーティングは流動体吸収層及び重ねられた染料管理層を含み、該シートは少なくとも75%の染料再転写効率を有することができる前記シート。

【図1】
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【公表番号】特表2010−510912(P2010−510912A)
【公表日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−538779(P2009−538779)
【出願日】平成19年11月28日(2007.11.28)
【国際出願番号】PCT/GB2007/004558
【国際公開番号】WO2008/065395
【国際公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(500286643)アクゾ ノーベル コーティングス インターナショナル ビー ヴィ (67)
【Fターム(参考)】