説明

熱転写記録装置及び画像形成方法

【課題】黒地の画像の転写において、境界部での白抜けや、密着不良がなく、サーマルヘッドに蓄積される熱の影響をうけない滑らかな階調画像を印画可能な熱転写記録装置を提供する。
【解決手段】熱転写記録装置Sの画像データ生成装置1の制御部11は、入力され記憶部12の画像メモリ33に格納されている画像データ5に対して、解像度変換処理、階調変換処理、CMYK分版処理、輪郭拡張処理、画像シフト処理、網点処理、画像逆シフト処理を施し、生成された画像データを印画部2に送り、中間転写媒体に印画したうえ、ポリカーボネイト・フィルム等に転写する。輪郭拡張処理により、黒地で隠蔽されたカラー画像の輪郭を、色毎に異なる画素分拡張し、黒地で隠蔽する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱転写記録装置および画像形成方法に関し、さらに詳しくは、ポリカーボネイト・フィルム等への黒隠蔽画像の熱転写記録の印刷品質を向上する熱転写記録装置および画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の熱転写プリンタによる転写は、加熱要素であるサーマルヘッドが1次元的に並んでおり(主走査線方向)、このサーマルヘッドに対し、記録紙やフィルムが印刷方向(副走査線方向)に順次送られるように構成されている。
そして、記録紙やフィルムに重ねたインクリボンの背後をサーマルヘッドで加熱し、インクリボンのインク(色材)を記録紙またはフィルムに昇華あるいは溶融して印画する。
【0003】
サーマルヘッドは、基板上に一列に形成される複数の発熱抵抗体から成る。熱転写プリンタには複数のインクリボンが備えられ、記録紙の同一位置に複数色のインクリボン(例えば、イエローY、マゼンダM、シアンC、ブラックK)のインクを重ねて転写することで、カラー印刷を行うことができる。例えば、複数のインクリボンが回転式に設置され、熱転写を行うインクリボンをサーマルヘッドの位置に移動できるようになっている。
【0004】
各サーマルヘッドは、段階的に加熱量の制御ができるが、色材を転写する際には、ドットの密度や隣接ドットの影響を受けやすく、各画素毎に階調をコントロールすることは難しいため、転写する/転写しない、の2値で印画処理を制御する。この場合、一定の大きさのドットを描画することで、面積変調により階調表現を行う。例えば、有理正接マトリクスを用いた網点発生方法や、この手法を基とした複数のマトリクスを用いて、階調数を擬似的に増加させるスーパーセル方式の網点発生方法が用いられる。
【0005】
さらに、階調補正テーブルを含む画像信号処理用補正回路により画像信号を処理し、処理した画像信号と外部装置からの画像信号を択一的に切り替えて、切り替え出力される画像信号を階調処理して出力する方法がある。また、入力画像データを空間的マトリクスに区分し、区分されたマトリクスの中央に位置する画素から、マトリクスの外縁に位置する画素に向かって順に決定された優先順位に従って定められた成長開始階調値に基づいて階調変換を行う方法もある。
(例えば、特許文献1、特許文献2参照)
【0006】
【特許文献1】特開平11−177826号公報
【特許文献2】特願2005−096406号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、近年、サーマルヘッドの高解像度化(例えば300dpiから600dpi以上)により、画像の解像度の向上に相反してサーマルヘッドの蓄熱の影響が大きくなり、網点のつぶれ等により滑らかな階調表現が難しくなっている。
【0008】
さらに、中間転写フィルムに印画した画像をポリカーボネイト・フィルム等に転写する場合には、印画抜け(白抜け)や密着不良が生じるという問題がある。
すなわち、図15(a)に示すような黒地にカラーの模様があるような原画像データをポリカーボネイト・フィルム75に印刷する場合には、図16に示すように、まず、原画像データを模様部分のC、M,Y、Kと黒地のK(黒隠蔽部)に分版し、中間転写フィルム61にC、Y、Mおよび黒隠蔽部73(K)を重ね印画し、その上に白色で裏打ちを行う(白裏打ち部63)。
このようにしてできた中間転写フィルム61を、同図(b)に示すように、ポリカーボネイト・フィルム63に転写する。
【0009】
このときに、C、Y、Mの網点画像(65、67、69)と黒隠蔽画像73の境界の印画時の位置ずれにより、白抜け77が生じてしまう。すなわち、図15(b)に示すように、黒地とカラー画像の境界部が白く抜けてしまう。
また、図16に示すように、白裏打ち部63、黒隠蔽部73、C65、Y67、M69のインクが重なった中間転写フィルムからポリカーボネイト・フィルム75に転写を行う場合に、インクの重なりによる段差で隠蔽部に密着不良79が生じてしまう(図15(c))。
【0010】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、黒地の画像をポリカーボネイト・フィルム等に転写する場合に、黒地の部分との境界部での白抜けや、密着不良がなく、また、サーマルヘッドに蓄積される熱の影響をうけない滑らかな階調画像を印画可能な熱転写記録装置および画像形成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した課題を解決するための本発明は、サーマルヘッドを有する熱転写記録装置であって、RGBの原画像データを取得する画像データ取得手段と、前記画像データ取得手段により取得されたRGBの原画像データに階調変換を施した後、CMYKに分版する分版手段と、前記分版手段により分版された各画像データを、夫々異なる画素分だけ拡張させる輪郭拡張手段と、前記輪郭拡張手段により拡張された各画像データを、夫々異なる画素分だけシフトさせるシフト手段と、前記シフト手段によりシフトされた各画像データに対して網点変換処理を行う網点変換手段と、前記網点変換手段により処理された各画像データを重ね合わせ、印画データを生成する印画データ生成手段と、前記印画データ生成手段により生成された印画データを印刷物として印画する印画手段と、
を具備することを特徴とする熱転写記録装置である。
また、輪郭拡張手段を、シフト手段後に行ってもよい。
【0012】
前記輪郭拡張手段は、前記分版された各画像データの各画素の値を、前記各画素の周囲画素の明るさの最小値に置き換え、この処理を前記分版された各画像データ毎に定めた回数だけ繰り返すことにより、前記回数の画素分だけ拡張させる。
【0013】
入力された原画像データを階調変換した後、C(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)、K(ブラック)に色分解し、それぞれの画像データの輪郭部分を輪郭拡張手段により拡張する。これにより、例えば、黒地の画像において、その輪郭部における白抜けのない品質の高い印画が可能になる。また、C(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のそれぞれの画像データ毎に輪郭拡張の画素数を変えて処理することにより、カラーインキの重ね印画による厚みが起因となる密着不良を起こりにくくすることが可能である。
【0014】
第2の発明は、RGBの原画像データを取得する工程と、前記RGBの原画像データに階調変換を施した後、CMYKに分版する工程と、分版された各画像データを、夫々異なる画素分だけ拡張させる工程と、拡張された各画像データを、夫々異なる画素分だけシフトさせる工程と、シフトされた各画像データに対して網点変換処理を行う工程と、前記網点変換された各画像データを重ね合わせ、印画データを生成する工程と、前記印画データを印刷物として印画する印画手段と、を具備することを特徴とする画像形成方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、白の裏打ちや黒地の画像をポリカーボネイト・フィルム等に転写する場合に、黒地の部分との境界部での白抜けや、密着不良がなく、また、サーマルヘッドに蓄積される熱の影響をうけない滑らかな階調画像を印画可能な熱転写装置を提供することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0017】
熱転写記録装置の構成・機能)
まず、図1および図2に沿って、本発明の第1の実施形態に係る熱転写記録装置の構成と機能について説明する。
【0018】
図1は、本実施形態に係る熱転写記録装置Sの構成例を示す図である。熱転写記録装置Sは、画像データ生成装置1と、印画部2から成る。
【0019】
画像データ生成装置1は、例えば、汎用コンピュータ等を適用可能であり、制御部11、記憶部12、入力部13、表示部14、プリンタポート16、通信部15等からなる。記憶部12は、例えばハードディスク装置等であり、画像データや、制御部11で処理を実行する後述する画像処理用の各種プログラムや、画像処理用の各種パラメータ等を格納する。
入力部13は、例えばキーボード、マウス等であり、ユーザの指示等の入力に使用する。また、表示部は、例えばディスプレイであり、各種データを表示する。通信部15は、通信ポートや通信制御装置であり、ネットワークや他の装置との接続を行う。プリンタポート16は、USBケーブル等の接続ケーブル3等により印画部2を接続する。これらの構成要素は、バス17を介して相互に接続されている。
【0020】
制御部11は、CPU(central processing unit)、RAM(random access memory)、ROM(read only memory)等から構成されており、例えば記憶部12に格納された本発明の画像処理用プログラムを読出し実行し、上記の各構成要素を制御するとともに、本発明の画像データ取得手段、分版手段、輪郭拡張手段、シフト手段、網点変換手段、印画データ生成手段として機能する。これらの各手段については後述する。
【0021】
印画部2は、バッファメモリ21とプリンタ制御部22、サーマルヘッド23、サーマルヘッド23を駆動するサーマルヘッド駆動部24と、インクリボン送りモータ25、インクリボン送りモータ25を駆動するモータ駆動部26で構成され、各構成要素はバス27を介して相互接続されている。
【0022】
バッファメモリ21は、画像データ生成装置1から接続ケーブル3を介して転送される画像データを一時的に格納する。
【0023】
プリンタ制御部22は、バッファメモリ21に一時的に格納されている画像データをサーマルヘッド23へ転送する制御を行うとともに、サーマルヘッド駆動部24およびモータ駆動部26を制御して記録シートに画像を印画する印画手段として機能する。
記録シートに画像を印画するためには、プリンタ制御部22により、画像データに応じてサーマルヘッド23に印加されるエネルギー(例えば、0〜100%まで変化)が設定され、画像印画の際に、サーマルヘッド23から設定されたエネルギーに応じた熱がインクリボンに印加され、これにより、印加部分のインクが溶融あるいは昇華して記録シートに付着する。記録シートは、例えば、紙や中間転写フィルム、ポリカーボネート等のシートである。
また、インクリボンには、C(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4種類があり、これらのインクを重ねて転写することによりカラー印画が行われる。
【0024】
図2は、図1の熱転写記録装置Sの機能構成を示す図である。
熱転写記録装置Sの画像データ生成装置1は、入力部13で処理を実行する画像読み取り31、制御部11で処理を実行する画像処理35の機能を持ち、記憶部12は、画像データを格納する画像メモリ33と画像処理35で使用する処理パラメータ37の格納機能を持つ。
また、印画部2は、画像印画39の機能を持つ。
【0025】
入力部13は画像データ5の画像読み取り処理31を行い、読み取った画像データを記憶部12の画像メモリ33に格納すると同時に、制御部11に送る。制御部11は、画像データ5に対して画像処理35を行う。
画像処理35は、解像度変換処理、階調変換処理、CMYK分版処理、輪郭拡張処理、画像シフト処理、網点処理、画像逆シフト処理等の処理工程より成り、記憶部12の画像メモリ33内の画像データをそれぞれの処理工程用に定めた処理パラメータ37を用いて画像処理し、最終的な画像データを得る。処理途中の画像データも記憶部12の画像メモリ33内に記憶される。制御部11は、最終的に得られた画像データを印画部2に送る。
印画部2は、受信した最終的に得られた画像データを印画データとして、プリンタ制御部22がサーマルヘッド23やインクリボン送りモータ25を制御し、画像印画39を実行する。
【0026】
画像データ生成処理の流れ)
次に、図3、図4を用いて、本実施の形態による画像データ生成処理の流れを説明する。図3は、画像データ生成装置1の処理の流れを示すフローチャート、図4は、画像データ生成装置1の記憶部12の詳細を示す図である。
【0027】
画像データ生成装置1の入力部13は、画像データ5を読み込み(ステップ101)、制御部11は、取得した画像データG(41−1)を記憶部12の画像メモリ33に保存する(ステップ102)。
【0028】
次に、制御部11は、画像処理35を実行し、まず、印画部2の解像度に合わせて、画像データG(41−1)の解像度変換処理を行い、画像データG(41−2)を生成し(ステップ103)、記憶部12の画像メモリ33に保存する。印画部2の解像度は、例えば600dpi(dots per inch)であり、予め、解像度変換パラメータ43として記憶部12の処理パラメータ37に格納しておく。
【0029】
次に、制御部11は、画像データG(41−2)の階調変換を行い、画像データG(41−3)を生成し(ステップ104)、記憶部12の画像メモリ33に保存する。
同一色を2つに分解し、ずらし、重ね印画するダブルトーンの場合、理想的には50%の階調変換をすればよいが、実際には、50%では重ね印画したときに隙間ができてしまうため、60〜65%の階調変換を行う。最適な階調変換は、印画部2の解像度、印画画像の線数等により異なるので、階調変換パラメータ45として記憶部12の処理パラメータ37に予め格納しておくとよい。
例えば、解像度600dpiで線数60lpi(lines per inch)および75lpiの場合は60%、100lpiおよび120lpiの場合は65%というように予め定めて、記憶部12の処理パラメータ37に格納しておき、処理時に適する階調変換パラメータを検索して使用する。
【0030】
次に、制御部11は、階調変換後の画像データG(41−3)をCMYKデータに変換し(CMYK分版処理)、画像データG(41−4)を生成し(ステップ105)、記憶部12の画像メモリ33に格納する。画像データG(41−4)は、シアンG4C、マゼンダG4M、イエローG4Y、ブラックG4Kの4個の画像データから構成される。
【0031】
次に、制御部11は、CMYK分版処理後の画像データG(41−4)に対して輪郭拡張処理を行い、画像データG(41−5:シアンG5C、マゼンダG、イエローG5Y、ブラックG5K)を生成し(ステップ106)、記憶部12の画像メモリ33に格納する。この輪郭拡張処理は、本実施の形態の画像データ生成処理の中核を成す部分であり、後で詳述する。
輪郭拡張処理は、例えば、図11に示したような、細かいカラー画像を黒地で隠蔽したような画像に適した処理であり、このような画像を印画する際に用いると最適である。輪郭拡張処理に使用する輪郭拡張処理パラメータ47も、各処理パラメータと同様に記憶部12の処理パラメータ37に予め格納しておく。
【0032】
次に、制御部11は、輪郭拡張処理後の画像データG(41−5)の各色の画像データ(シアンG5C、マゼンダG、イエローG5Y、ブラックG5K)に対して画像シフト処理を行い、画像データG(41−6:G6C、G6M、G6Y、G6K)および画像データG(41−6:G7C、G7M、G7Y、G7K)を生成し(ステップ107)、記憶部12の画像メモリ33に格納する。
【0033】
画像シフト処理としては、ダブルトーンでずらすためのシフト処理、あるいは、色ごとのシフト処理とダブルトーンでずらすためのシフト処理の同時処理等を適用する。このとき、画像データは、CMYKを同角で表現していることを前提とする。例えば、万線タイプの90°等である。
【0034】
ダブルトーンでずらすためのシフト処理を行う場合には、輪郭拡張処理後の画像データG(41−5:G5C、G5M、G5Y、G5K)の画素をそれぞれ予め定めたL1画素分だけ右へシフトし、画像データG(41−6:G6C、G6M、G6Y、G6K)を生成し、さらに、画像データG(41−6:G6C、G6M、G6Y、G6K)を下方向に予め定めたL2画素分だけシフトし、画像データG(41−7:G7C、G7M、G7Y、G7K)を生成する(ステップ107)。生成した画像データG(41−6:G6C、G6M、G6Y、G6K)および画像データG(41−7:G7C、G7M、G7Y、G7K)は記憶部12の画像メモリ33に格納する。
【0035】
ここで、右および下方向にシフトする画素数であるL1およびL2は、サーマルヘッド23の解像度および線数により異なる。予め定めたシフト画素数L1およびL2をシフト処理パラメータ49として記憶部12の処理パラメータ37に記憶しておく。
例えば、サーマルヘッド23の解像度が600dpiのとき、線数が60lpiならばL1=5(右へ5画素)、L2=5(下へ5画素)、75lp iならばL1=4(右へ4画素)、L2=4(下へ4画素)、100lpiならばL1=3(右へ3画素)、L2=3(下へ3画素)、120lpiならばL1=2(右へ2画素)、L2=2(下へ2画素)というように予め定めて処理パラメータ37にシフト処理パラメータ49として格納しておく。
【0036】
一方、色毎のシフト処理とダブルトーンでずらすためのシフト処理を同時に行う場合には、輪郭拡張処理後の画像データG(41−5:G5C、G5M、G5Y、G5K)に対して、各色ごとに定めた画素数L3(L3、L3、L3、L3)だけ右へシフトし、画像データG(41−6:G6C、G6M、G6Y、G6K)を生成し、さらに、ダブルトーンでずらすためのシフト処理を実行する。すなわち、画像データG(41−6:G6C、G6M、G6Y、G6K)をL1画素分だけ右方向にシフトし、さらに下方向にL2画素分だけシフトし、画像データG(41−7:G7C、G7M、G7Y、G7K)を生成する(ステップ107)。生成した画像データG(41−6:G6C、G6M、G6Y、G6K)および画像データG(41−7:G7C、G7M、G7Y、G7K)は記憶部12の画像メモリ33に格納する。
【0037】
ここで、色ごとのシフト処理でシフトする画素数L3(L3、L3、L3、L3)は、サーマルヘッド23の解像度や印画画像の線数により異なる。これらの値は、予め定めて記憶部12の処理パラメータ37にシフト処理パラメータ49として格納しておく。例えば、サーマルヘッド23の解像度が600dpiの場合、線数60lpiではC(シアン)は右へ2(L3=2)、M(マゼンダ)は0(L3=0)、Y(イエロー)は右へ1(L3=1)、K(ブラック)は右へ3(L3=3)とし、線数75lpiでは、L3=2、L3=0、L3=1、L3=3、線数100lpiでは、L3=1、L3=0、L3=1、L3=2等にする。
【0038】
この色ごとに異なるシフト画素数は、できるだけ色が重ならないように平らにするためのものである。基本的にはM(マゼンダ)を中心としてシフト処理を行う。K(ブラック)は段差が大きいため他の色からできるだけ離すようにする。またC(シアン)とM(マゼンダ)は色差が大きいため、できるだけ離すようにする。
【0039】
画像シフト処理後、制御部11は、画像データG(41−6:G6C、G6M、G6Y、G6K)および画像データG(41−7:G7C、G7M、G7Y、G7K)に網点処理を施し、画像データG(41−8:G8C、G8M、G8Y、G8K)および画像データG(41−9:G9C、G9M、G9Y、G9K)を生成し(ステップ108)、記憶部12の画像メモリ33に格納する。
網点のマトリクスサイズはサーマルヘッド23の解像度や画像の線数により異なるが、例えば、解像度600dpiの場合、線数60lpiで10×10画素、75lpiで8×8画素、100lpiで6×6画素、120lpiで5×5画素というように予め定めておき、記憶部12の処理パラメータ37に網点処理パラメータとして格納しておく。
【0040】
次に、制御部11は、網点処理後の画像データG(41−8:G8C、G8M、G8Y、G8K)および画像データG(41−9:G9C、G9M、G9Y、G9K)に対して画像逆シフト処理を行い、それらを重ね合わせて画像データG10(41−10:G10C、G10M、G10Y、G10K)を生成し(ステップ109)、画像データG10(41−10:G10C、G10M、G10Y、G10K)を記憶部12の画像メモリ33に格納する。
【0041】
以上により画像処理35を終了し、制御部11は、結果として得られた画像データG10(41−10:G10C、G10M、G10Y、G10K)をケーブル3を介して印画部2に送る(ステップ110)。画像データG10(41−10:G10C、G10M、G10Y、G10K)は印画部2のバッファメモリ21に一時的に格納され、プリンタ制御部22がサーマルヘッド駆動部24およびモータ駆動部26を制御することにより画像が印画される(ステップ111)。
以上の一連の処理(ステップ101〜ステップ111)により、サーマルヘッド23の蓄熱によるつぶれやざらつき感がなく、図12に示した白抜けや密着不良のない良好な画像を印画することが可能になる。
【0042】
(3.輪郭拡張処理の詳細)
次に、ステップ106の輪郭拡張処理について図5〜図10に沿って詳しく説明する。図5は輪郭拡張処理の流れを示すフローチャート、図6は、輪郭拡張処理を説明する図、図7は輪郭拡張処理パラメータの例を示す図、図8、図9、図10は輪郭拡張処理を説明する図である。
【0043】
まず、画像データ生成装置1の制御部11は、CMYK分版処理後の画像データG4X(41−4:X=C(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)、K(ブラック))を記憶部12の画像メモリ33から読み込む(ステップ201)。
さらに、制御部11は、これから処理を実行する色Xの画像データG4Xに関する輪郭拡張処理パラメータI(47)を、記憶部12の処理パラメータ37から読み込む(ステップ202)。輪郭拡張処理パラメータ47は、各色について、輪郭拡張する画素数を定めたパラメータであり、例えば、図7に示すように、C(シアン)は4画素、M(マゼンダ)は2画素、Y(イエロー)は3画素、K(ブラック)は5画素というように予め定めて記憶部12の処理パラメータ37に格納しておく。
【0044】
次に処理用の係数iおよびjを1に設定する(ステップ203、204)。係数iは、輪郭処理する画素数を計数するための係数、jは処理を実行する画素番号を示す係数であり、iは1〜I、jは1〜J(画像データGの全画素数)で変化する。
【0045】
輪郭拡張処理は、図6に示すように、処理対象の画素(対象画素53)についての周囲の画素(周辺画素55:例えば55−1〜55−8)の画素値を参照し、対象画素53の画素値を、周辺画素55の中で最も明るさの低い周辺画素の画素値に置き換える処理である(ステップ205)。
図6に示すように、対象画素53の画素値を、周辺画素55−1〜55−8のなかで最も明るさの低い周辺画素55−5の画素値に置き換える。
【0046】
ステップ206およびステップ207により、全画素(j=1〜J)について処理(ステップ205)を実施する。
そして、ステップ208およびステップ209により、以上の処理(ステップ205〜ステップ207)を、各色で定めた輪郭拡張処理パラメータIの回数分繰り返す。これにより、各色で定めた輪郭拡張処理パラメータIの画素数分だけ、当該色の輪郭が拡張される。
【0047】
さらに、ステップ210により、以上の処理(ステップ201〜ステップ209)をすべての色(C、M、Y、K)について繰り返し実行する。
全色の輪郭拡張処理が完了したら(ステップ210のYES)、輪郭拡張処理を終える。
【0048】
以上の輪郭拡張処理において、K(ブラック)の輪郭拡張処理は、黒地で隠蔽された画像の場合は実施せず、C(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)についてのみ行う。
【0049】
図8は、輪郭拡張処理を実際の画像について説明する図である。
同図(a)は原画像データである。ここでは白黒画像として示してあるが、実際には、黒地に、タコメータ、水温データ、燃料残量データ、その他のマークをカラーで示した画像である。
この画像を中間転写フィルムを介してポリカーボネイト・フィルムに印画する場合を考える。
【0050】
同図(b)は、原画像データからK(ブラック)を削除した画像である。
従来は、CMYK分版によりC、M、Y、Kを分版して、同図(b)のC、M、Yの画像と黒地のKの分版画像をそのまま重ねて印画したため、印画のずれ等により図12に示すような白抜け部分が生じたが、本実施の形態の熱転写記録装置においては、輪郭拡張処理を実施し、C、M、Yの分版後の画像を同図(c)に示すように輪郭拡張した。同図(c)と分版処理後のKの画像を重ねて印画することにより、白抜けをなくすことが可能になる。
【0051】
図9に示すように、従来は、輪郭拡張処理を行わなかったため、同図(a)に示すように、CMYKの網点画像と黒画像の境界の印画時の位置ずれが元で白抜けが起こったり、各色の重なりによるCMYKの網点の段差が大きく、黒地の隠蔽部に密着不良が起こることがあった。
しかし、本実施の形態の熱転写記録装置は輪郭拡張処理を取り入れ、CMYKの各色の輪郭拡張量を変えることにより、同図(b)に示すように、C、M、Y、Kの網点の段差を小さくでき、黒隠蔽部の密着不良を軽減することが可能になった。
【0052】
図10は、図8に示すような黒地にカラーの模様のある画像をポリカーボネイト・フィルムに印画する場合の本実施の形態の熱転写記録工程を説明する図である。
同図(a)に示すように、まず、中間転写フィルム61に、黒色73で隠蔽し、次に、図5の処理フローにより得た画像データ画像データG10(41−10:G10C、G10M、G10Y、G10K)を、輪郭拡張処理画素数の大きな色から順に(例えばC65、Y67、M69の順)に印画し、その後さらに白色の裏打ちを行う(白裏打ち部63)。
そして、このようにして得た中間転写フィルム61の印画画像をポリカーボネイト・フィルム75に転写する(同図(b))。
【0053】
輪郭拡張が施されているために、黒隠蔽部73との間に白抜けが生じることはなく、また、各色で輪郭拡張の画素数を変化させていることにより、印画部が階段状になり、ポリカーボネイト・フィルムに転写する際の段差が少なく、密着不良が起こりにくくなる。
【0054】
(4.第2の実施形態)
図11は、本発明の第2の実施形態の画像処理35の処理の流れを示すフローチャート、図12は、輪郭拡張処理における処理パラメータを示す図である。本実施の形態では、画像シフト後の画像データに輪郭拡張処理を施す点が第1の実施の形態と異なる。
【0055】
本実施の形態の画像処理35においては、第1の実施の形態の画像処理35と同様に、制御部11は、まず、入力画像データ5(G)の解像度変換処理を行い、画像データGを求め(ステップ301)、画像データGの階調変換処理を行い、画像データGを求め(ステップ302)、画像データGのCMYK分版処理を行い、画像データG(G4C、G4M、G4Y、G4K)を求める(ステップ303)。ここまでの処理は、図3に示した第1のフローチャートのステップ103〜105と同様である。
【0056】
第1の実施の形態では、制御部11は、この後に輪郭拡張処理を行ったが、第2の実施の形態では、画像データG(G4C、G4M、G4Y、G4K)に対して、まず、画像シフト処理を実施し、画像データG(G5C、G5M、G5Y、G5K)、画像データG(G6C、G6M、G6Y、G6K)を求める(ステップ304)。
画像シフト処理は、第1の実施の形態で説明した画像シフト処理方法と同様に行う。すなわち、ダブルトーンでずらすためのシフト処理、あるいは、色ごとのシフト処理とダブルトーンでずらすためのシフト処理の同時処理等を適用する。
【0057】
次に、制御部11は、画像シフト処理後の画像データG(G5C、G5M、G5Y、G5K)及び画像データG(G6C、G6M、G6Y、G6K)に、それぞれ輪郭拡張処理を施す。
各画像データG及びGに施す輪郭拡張処理の詳細は図5に示した通りであるが、輪郭拡張処理パラメータIをそれぞれ異なる値にする。図12にその1例を示す。
例えば、画像データG(G5C、G5M、G5Y、G5K)対して実施する輪郭拡張処理は、C(シアン)は7回、M(マゼンダ)は3回、Y(イエロー)は5回、K(ブラック)は10回とし、画像データG(G6C、G6M、G6Y、G6K)対して実施する輪郭拡張処理は、Cは8回、Mは4回、Yは6回、Kは9回とする。
輪郭拡張処理パラメータを変えることにより、拡張幅の異なる2つの画像データG(G7C、G7M、G7Y、G7K)及び画像データG(G8C、G8M、G8Y、G8K)が得られる。
【0058】
次に、制御部11は、以上の輪郭拡張処理で求めた画像データG(G7C、G7M、G7Y、G7K)及び画像データG(G8C、G8M、G8Y、G8K)に対して網点処理を実施し、画像データG(G9C、G9M、G9Y、G9K)及び画像データG10(G10C、G10M、G10Y、G10K)を求める。
網点処理も、第1の実施の形態と同様である。
【0059】
次に、制御部11は、画像データG(G9C、G9M、G9Y、G9K)及び画像データG10(G10C、G10M、G10Y、G10K)の画像逆シフト処理を行い、画像データG11(G11C、G11M、G11Y、G11K)を得る。
画像逆シフト処理では、前述した画像シフト処理でシフトした画素数と同じ画素数だけ逆方向にシフトする。これにより、元の画素位置に画像が戻ることになる。
【0060】
以上の処理により、印画画像データG11(G11C、G11M、G11Y、G11K)が求まり、制御部11は、これをケーブル3を介して印画部2に送り、印画部2のプリンタ制御部22の制御により、印画処理が行われる。
【0061】
以上のように、輪郭拡張処理を画像シフト処理の後に実行した場合も、輪郭が拡張されることにより白抜けのない印画画像が得られるとともに、輪郭拡張幅を各色(C、M、Y、K)によって変えることにより、インキの重なりの段差が少なくなり、密着不良のない印画画像が得られる。
【0062】
(5.第3の実施形態)
図13は、本発明の第3の実施形態の輪郭拡張処理の流れを示すフローチャートである。
この処理は、第1の実施形態で説明した本発明の画像処理35における輪郭拡張処理(図3のステップ106)、あるいは、第2の実施形態で説明した画像処理35における輪郭拡張処理(図11のステップ305)として実行することが可能である。
【0063】
この輪郭拡張処理は、図5で説明した輪郭拡張処理に、輪郭拡張処理を施す画素を階調値により選択する処理を加え、選択された画素にのみ輪郭拡張処理を施すものである。
【0064】
まず、画像データ生成装置1の制御部11は、CMYK分版処理後の画像データG4X(41−4:X=C(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)、K(ブラック))を記憶部12の画像メモリ33から読み込む(ステップ401)。
次に、制御部11は、輪郭拡張処理を施す領域を指定するためのパラメータPを読み込む(ステップ402)。
このパラメータPは、輪郭拡張処理を施す色域を指定するパラメータであり、例えば特定の階調値である。このパラメータを予め定め、記憶部12の輪郭拡張処理パラメータ47として記憶させておく。
【0065】
図14は、この輪郭拡張領域指定パラメータPの例である。
この例に示すように、X=C(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のすべてについて、階調値0をパラメータPとしている。
このパラメータPはこの値に限ることなく、画像によって異なる値を指定してもよい。
【0066】
さらに、制御部11は、これから輪郭拡張処理を実行する色Xの画像データG4Xに関する輪郭拡張処理パラメータI(47)を、記憶部12の処理パラメータ37から読み込む(ステップ403)。輪郭拡張処理パラメータ47は、第1の実施形態で説明したものと同様でよい(例えば、図7)。
【0067】
次に処理用の係数iおよびjを1に設定する(ステップ404、405)。係数iは、輪郭処理する画素数を計数するための係数、jは処理を実行する画素番号を示す係数であり、iは1〜I、jは1〜J(画像データGの全画素数)で変化する。
【0068】
次に、輪郭拡張処理を施す画素を選択する(ステップ406)。
これから処理を施す画素G4X(j)の画素値と、輪郭拡張領域指定パラメータPとを比較し、G4X(j)の画素値がパラメータPよりも大きくない場合(ステップ406のYES)にのみ輪郭拡張処理(ステップ407)を実行する。G4X(j)の画素値がパラメータPよりも大きい場合(ステップ406のNO)には輪郭拡張処理(ステップ407)は実行しない。
【0069】
図16に示した輪郭拡張領域指定パラメータPの場合、対象画素G4X(j)の階調値が0の場合に輪郭拡張処理(ステップ407)を施すことになる。
輪郭拡張処理は、第1の実施形態において図6で説明したものと同様である。
【0070】
ステップ408およびステップ409により、全画素(j=1〜J)について、輪郭拡張処理実行画素の選択処理(ステップ406)および輪郭拡張処理(ステップ407)を実施する。
そして、ステップ410およびステップ411により、以上の処理(ステップ406〜ステップ409)を、各色で定めた輪郭拡張処理パラメータIの回数分繰り返す。これにより、輪郭拡張処理領域と選択された画素についてのみ、各色で定めた輪郭拡張処理パラメータIの画素数分だけ、当該色の輪郭が拡張される。
【0071】
さらに、ステップ412により、以上の処理(ステップ401〜ステップ411)をすべての色(C、M、Y、K)について繰り返し実行する。
全色の輪郭拡張処理が完了したら(ステップ412のYES)、輪郭拡張処理を終える。
【0072】
以上の処理により、予め指定した色域の画素のみについて輪郭拡張処理を施すことが可能になり、指定以外の色域の画像を保護することが可能になる。また、画像データの微小な白領域のみを輪郭拡張処理を施す色域に指定することにより、画像のエッジ部と微小な白領域での段差の影響を軽減することが可能になり、白裏打ちをした場合の密着不良を防ぐことが可能になる。
【0073】
尚、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の改変が可能であり、それらも、本発明の技術範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本実施形態に係る熱転写記録装置Sの構成例を示す図
【図2】熱転写記録装置Sの機能構成を示す図
【図3】画像データ生成装置1の処理の流れを示すフローチャート
【図4】画像データ生成装置1の記憶部12の詳細を示す図
【図5】輪郭拡張処理の流れを示すフローチャート
【図6】輪郭拡張処理を説明する図
【図7】輪郭拡張処理パラメータの例を示す図
【図8】輪郭拡張処理を説明する図
【図9】輪郭拡張処理を説明する図
【図10】輪郭拡張処理を説明する図
【図11】第2の実施例の画像処理の流れを示すフローチャート
【図12】第2の実施例の輪郭拡張処理パラメータの例を示す図
【図13】第3の実施形態に係る輪郭拡張処理の流れを示すフローチャート
【図14】輪郭拡張領域指定パラメータの例を示す図
【図15】従来の印画例
【図16】従来の印画方法
【符号の説明】
【0075】
S………熱転写記録装置
1………画像データ生成装置
2………印画部
5………画像データ
11………制御部
12………記憶部
23………サーマルヘッド
33………画像メモリ
37………処理パラメータ
35………画像処理

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーマルヘッドを有する熱転写記録装置であって、
RGBの原画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データ取得手段により取得されたRGBの原画像データに階調変換を施した後、CMYKに分版する分版手段と、
前記分版手段により分版された各画像データを、夫々異なる画素分だけ拡張させる輪郭拡張手段と、
前記輪郭拡張手段により拡張された各画像データを、夫々異なる画素分だけシフトさせるシフト手段と、
前記シフト手段によりシフトされた各画像データに対して網点変換処理を行う網点変換手段と、
前記網点変換手段により処理された各画像データを重ね合わせ、印画データを生成する印画データ生成手段と、
前記印画データ生成手段により生成された印画データを印刷物として印画する印画手段と、
を具備することを特徴とする熱転写記録装置。
【請求項2】
サーマルヘッドを有する熱転写記録装置であって、
RGBの原画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データ取得手段により取得されたRGBの原画像データに階調変換を施した後、CMYKに分版する分版手段と、
前記分版手段により分版された各画像データを、夫々異なる画素分だけシフトさせるシフト手段と、
前記シフト手段によりシフトされた各画像データに対して、夫々異なる画素分だけ拡張させる輪郭拡張手段と、
前記輪郭拡張手段により拡張された各画像データに対して、網点変換処理を行う網点変換手段と、
前記網点変換手段により処理された各画像データを重ね合わせ、印画データを生成する印画データ生成手段と、
前記印画データ生成手段により生成された印画データを印刷物として印画する印画手段と、
を具備することを特徴とする熱転写記録装置。
【請求項3】
前記輪郭拡張手段は、前記分版された各画像データの各画素の値を、前記各画素の周囲画素の明るさの最小値に置き換え、この処理を前記分版された各画像データ毎に定めた回数だけ繰り返すことにより、前記回数の画素分だけ拡張させることを特徴とする請求項1または2記載の熱転写記録装置。
【請求項4】
前記輪郭拡張手段は、拡張処理を施す画素を、予め定めた色域により選択する輪郭拡張画素選択手段を更に有することを特徴とする請求項1または2記載の熱転写記録装置。
【請求項5】
前記色域は、階調値0%の領域であることを特徴とする請求項4記載の熱転写記録装置。
【請求項6】
RGBの原画像データを取得する工程と、
前記RGBの原画像データに階調変換を施した後、CMYKに分版する工程と、
分版された各画像データを、夫々異なる画素分だけ拡張させる工程と、
拡張された各画像データを、夫々異なる画素分だけシフトさせる工程と、
シフトされた各画像データに対して網点変換処理を行う工程と、
前記網点変換された各画像データを重ね合わせ、印画データを生成する工程と、
前記印画データを印刷物として印画する印画手段と、
を具備することを特徴とする画像形成方法。
【請求項7】
RGBの原画像データを取得する工程と、
前記RGBの原画像データに階調変換を施した後、CMYKに分版する工程と、
分版された各画像データを、夫々異なる画素分だけシフトさせる工程と、
シフトされた各画像データを、夫々異なる画素分だけ拡張させる工程と、
拡張された各画像データに対して網点変換処理を行う工程と、
前記網点変換された各画像データを重ね合わせ、印画データを生成する工程と、
前記印画データを印刷物として印画する印画手段と、
を具備することを特徴とする画像形成方法。
【請求項8】
前記拡張させる工程は、前記分版された各画像データの各画素の値を、前記各画素の周囲画素の明るさの最小値に置き換え、この処理を前記分版された各画像データ毎に定めた回数だけ繰り返すことにより、前記回数の画素分だけ拡張させることを特徴とする請求項6または7記載の画像形成方法。
【請求項9】
前記拡張させる工程は、拡張処理を施す画素を、予め定めた色域により選択する輪郭拡張画素選択工程を更に有することを特徴とする請求項8記載の画像形成方法。
【請求項10】
前記色域は、階調値0%の領域であることを特徴とする請求項9記載の画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【図8】
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【図9】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−230209(P2007−230209A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−266388(P2006−266388)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】