説明

熱輸送流体

【課題】流体に含有する物質の熱抵抗及び含有物質間の熱抵抗を低減して熱伝導率の向上を図る熱輸送流体を提供する。
【解決手段】熱輸送流体1は、水または有機物からなる溶媒2と、溶媒2中に分散される複数のカーボンナノチューブ3と、カーボンナノチューブ3に接触してカーボンナノチューブ3を溶媒2中に分散させる分散剤4と、を含んで構成される。分散剤4は、少なくともグラフェンまたは酸化グラフェンを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンナノチューブを溶媒に分散させる分散剤を有する熱輸送流体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば熱交換器内に充填される熱輸送流体について、熱伝導効率の向上を図るために、界面活性剤の添加によりカーボンナノチューブをエチレングリコール等のベース液体中に安定的に分散させる技術が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の技術は、ベース液体中に、カーボンナノチューブと、セルロース誘導体またはそのナトリウム塩を添加して熱輸送流体を構成することにより、セルロース誘導体を分散剤として用いて、ベース液体中にカーボンナノチューブを安定して分散させることができ、大幅な動粘度の増加を伴うことなく熱伝導率を向上させることができるものである。
【0004】
また特許文献2に記載の技術は、ベース液体中に、カーボンナノチューブと、GPC測定による平均分子量が6000〜30000であるカルボキシメチルセルロースナトリウム塩を添加して熱輸送流体を構成することにより、当該平均分子量が6000〜30000であるカルボキシメチルセルロースナトリウム塩を分散剤として用いてベース液体中にカーボンナノチューブを安定して分散させることができ、大幅な動粘度の増加を伴うことなく熱伝導率を向上させることができるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−31520号公報
【特許文献2】特開2008−189901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記各特許文献に記載の熱輸送流体に用いられる分散剤104は、例えば、本願の図1に示すように、溶媒102の分子との高い親和性を有する官能基104aと、官能基104aから延びる形状でカーボンナノチューブ103の表面に吸着する基である官能基104bと、を有する直鎖状の有機物である。分散剤104は、熱輸送流体101において、カーボンナノチューブ103を安定的に分散させる界面活性剤の機能を果たすものの、一方で、熱輸送流体101中で熱伝達を妨げる要因である熱抵抗となっている。この熱抵抗のメカニズムは、具体的には、図1に示すように、溶媒102と分散剤104の界面における熱抵抗Aと、分散剤104自体に生じる熱抵抗Bと、分散剤104とカーボンナノチューブ103の界面における熱抵抗Cと、の少なくとも3段階からなり、これらの熱抵抗A,B,Cを低減することが、熱輸送流体における熱抵抗を低下させ、熱伝導率の向上につながる。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、流体に含まれる物質及び含有物質間の熱抵抗を低減して、熱伝導率の向上を図る熱輸送流体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の熱輸送流体に係る発明は、水または有機物からなる溶媒と、溶媒中に分散される複数のカーボンナノチューブと、カーボンナノチューブに接触してカーボンナノチューブを溶媒中に分散させる分散剤と、を含んで構成され、分散剤は、少なくともグラフェンまたは酸化グラフェンを有することを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、主に炭素−炭素結合の六員環等を多数有する分子構造である親水性のグラフェンまたは酸化グラフェンを含む分散剤を構成することにより、非常に薄いシート状の分散剤を形成することができる。このようにグラフェンまたは酸化グラフェンを含む分散剤によれば、前述した従来の分散剤に比べ、分子構造が薄い形状を呈するため、分散剤自体に生じる熱抵抗を低減することができ、さらに、従来の分散剤に比べ、π−π相互作用によって分散剤とカーボンナノチューブの結合が強くなるため、分散剤とカーボンナノチューブの界面における熱抵抗を低減することができる。したがって、従来の分散剤における熱抵抗の発生メカニズムを改善することにより、流体に含まれる物質及び含有物質間の熱抵抗を低減して、熱伝導率の向上を図る熱輸送流体が得られる。
【0010】
請求項2に記載の発明のように、請求項1に記載するグラフェンまたは酸化グラフェンは、カーボンナノチューブに巻き付くように付着することが好ましい。この発明によれば、カーボンナノチューブに巻き付くように付着する分散剤によれば、シート形状の分散剤が流体中で大きく揺ぎ得ることにより、分散剤の動きとともに熱輸送流体中で多数のカーボンナノチューブをあらゆる方向に指向させることができる。したがって、優れた伝熱性能を発揮できるカーボンナノチューブの分散状態を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】従来の熱輸送流体における熱抵抗を説明する説明図である。
【図2】本発明を適用する第1実施形態に係る熱輸送流体において、カーボンナノチューブに対して分散剤が吸着する状態を説明するための模式図である。
【図3】第1実施形態の熱輸送流体に含まれる酸化グラフェンの構造を説明するための分子構造モデル図である。
【図4】第1実施形態の熱輸送流体の熱伝導率について、水と比較した場合の向上度合いを示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る第1実施形態の熱輸送流体について、図1〜図4を参照して説明する。本実施形態の熱輸送流体1は、熱源からの熱を外部に伝達、輸送し、機器の冷却や加熱に用いられる。
【0013】
図1は、従来の熱輸送流体101における熱抵抗を説明する説明図である。従来の熱輸送流体101は、少なくとも、溶媒102と、複数のカーボンナノチューブ103と、カーボンナノチューブ103に接触してカーボンナノチューブ103を溶媒102中に分散させる分散剤104と、を含んでいる。前述したように、従来の熱輸送流体101に生じ得る熱抵抗は、熱抵抗A、熱抵抗B、熱抵抗Cの3つの合計を含み、これらの各要素が熱輸送流体における熱の伝達を妨げることがわかっている。そこで、本実施形態の熱輸送流体1は、従来の分散剤とは異なる特異な構造を有する分散剤を採用することにより、従来の熱抵抗B及び熱抵抗Cを大きく低減して分散剤による熱抵抗を抑制し、流体中のトータルの熱抵抗低下を図る。
【0014】
図2は、第1実施形態に係る熱輸送流体1において、カーボンナノチューブ3に対して分散剤4が吸着する状態を説明するための模式図である。図2に示すように、本実施形態の熱輸送流体1は、水または有機物からなる溶媒2と、溶媒2中に分散される複数のカーボンナノチューブ3と、カーボンナノチューブ3に接触してカーボンナノチューブ3を溶媒2中に分散させる分散剤4と、を含んで構成される。分散剤4は、少なくともグラフェンまたは酸化グラフェンを有している。
【0015】
熱輸送流体1に用いられる溶媒2は、例えば水等の単一の成分からなるとともに、溶媒2には、溶媒2よりも高い熱伝導率を有するカーボンナノチューブ3が分散している。溶媒2は、例えば水または有機物(例えば、1価アルコール類、多価アルコール類等)である。溶媒2は、分散状態のカーボンナノチューブ3を運搬する流体とすることができる。この流体は、液体、あるいは気体によって提供されうる。流体は、単一もしくは複数の成分から構成されうる。例えば、流体として水、液状の高分子を用いることができる。さらに、流体として、混合物を用いることができる。混合物には、例えば、水、エチレングリコール、1価アルコール類、及び多価アルコール類の少なくとも2つの混合物、またはこの混合物と他の機能成分との混合物を用いることができる。
【0016】
多数のカーボンナノチューブ3のそれぞれは、ナノメートルまたはマイクロメートルオーダーサイズである。カーボンナノチューブ3は、炭素による六員環構造等が単層または多層の同軸管状に形成された物質である。各カーボンナノチューブ3は、分散剤4が付着した状態で溶媒分子に取り囲まれる形態で熱輸送流体1中に分散している。
【0017】
熱輸送流体1は、カーボンナノチューブ3に吸着する官能基を有する分散剤4を含む。分散剤4は、溶媒2の分子との高い親和性を有する官能基と、カーボンナノチューブ3の表面に吸着する基である官能基4aと、を有する物質である。分散剤4は、金属もしくは酸化物に吸着する性質を備えた官能基を有することが好ましく、例えば、アミノ基(NH基)、カルボキシル基(COOH基)から選ばれる1または2以上の官能基を有する構造を採用することができる。また、分散剤4は、親水性を備えた官能基を有することが好ましく、例えば、アミノ基(NH基)、カルボキシル基(COOH基)、水酸基(OH基)、およびスルホ基(SOH基)から選ばれる1または2以上の官能基を有する構造を採用することができる。これによれば、溶媒2が水の場合に優れた親和性を発揮する。
【0018】
分散剤4は、少なくともグラフェンまたは酸化グラフェンを有している。つまり、分散剤4は、単層構造のグラフェンまたは酸化グラフェンのみで構成されていてもよいし、単層構造部分の他、部分的に複層部分を有する構造の物質であってもよい。例えば、分散剤4は、単層構造のグラフェンまたは酸化グラフェンに加え、グラフェンまたは酸化グラフェンが2層、3層等、積層された部分を有していてもよい。したがって、分散剤4には、単層構造のグラフェンまたは酸化グラフェンが含まれているため、このグラフェンまたは酸化グラフェンの存在により、薄いシート形状を呈する。分散剤4は、シート形状であることにより、熱抵抗及び流体中の流動性の両面に関して有利な効果を奏し、熱輸送流体1の熱伝導性向上に寄与するのである。さらに、分散剤4に含まれるグラフェンまたは酸化グラフェンは、図2に図示するように、官能基4aがカーボンナノチューブ3に吸着し、カーボンナノチューブ3に巻き付くように付着することが好ましい。
【0019】
図3は、酸化グラフェンの構造を説明するための分子構造モデル図である。図3に示すように、グラフェンまたは酸化グラフェンは、炭素−炭素結合の六員環等を多数有して形成される分子構造を備えている。グラフェンまたは酸化グラフェンは、1原子の厚さのsp結合炭素原子を備える単層シートであるため、非常に薄いシート形状の分散剤を形成することができる。特に溶媒2が水の場合は、親水性を有する官能基(カルボキシル基、水酸基等)を備えた酸化グラフェンを用いることが好ましい。
【0020】
熱輸送流体1の作製方法について説明する。例えば、酸化グラフェンは、単結晶グラファイト粉末を酸化し、水中で剥離することにより得られる。ここで、酸化グラファイトを水中で単層剥離するときに、酸化グラファイト分散溶液について、遠心分離、沈殿分取、沈殿再分散の手順を繰り返して層間剥離を徐々に進行させることで、大きな単層の酸化グラフェンを得ることができる。また、クロロフォルム等の溶媒中にグラファイト粉末を分散させ、超音波を印加することによっても、グラファイトの単層剥離が進行し、グラフェンを得ることができる。このようにして作製したグラフェンまたは酸化グラフェンをカーボンナノチューブ3とともに溶媒に添加し、超音波を与えると、カーボンナノチューブ3が安定的に分散する熱輸送流体1が得られる。なお、超音波を与える他、攪拌したり、他の手段で振動を与えたりしてもよい。
【0021】
発明者らは、上記の製法で作製した熱輸送流体1の熱伝導率について、熱輸送流体として水を用いた場合の熱伝導率に対する熱伝導率向上比を、細線加熱法(非定常熱線法ともいう)によって測定した。その結果を図4に示す。図4は、本実施形態の熱輸送流体1の熱伝導率について、水の熱伝導率を1としたときに対する向上度合い(熱伝導率向上比)を示したグラフである。図4において、横軸は分散物質濃度としてのカーボンナノチューブの重量濃度(wt%)であり、縦軸は熱伝導率向上比であり、図4には、4点の分散物質濃度のそれぞれに対応する熱伝達率向上比がプロットされている。白抜き四角のプロットは、従来の界面活性剤を含んだ熱輸送流体についての測定結果であり、黒塗り丸は、分散剤としてグラフェンを含んだ熱輸送流体1についての測定結果である。なお、溶媒は、水を使用している。
【0022】
図4に示す測定結果から、熱輸送流体1に関して、カーボンナノチューブの重量濃度の大きさに比例して熱伝導率向上比が増加することがわかる。このように、上記の製法による熱輸送流体1によれば、熱伝導率が従来の熱輸送流体よりも大きく向上することが確認できた。
【0023】
熱輸送流体1におけるカーボンナノチューブ3の流動状態を説明する。上記の特徴的形状の分散剤4を溶媒2に分散させることにより、シート形状部分を有する分散剤4は、熱輸送流体1が流れる管内において、流速分布に伴う多方向からの力を受けて、熱輸送流体1中で回転したり、揺らいだりしながら流動する。このような分散剤4の流動に伴って、分散剤4に付着したカーボンナノチューブ3自体が伝熱性能向上のために必要な伝熱方向(例えば、管流路を横断する方向)に熱伝導しやすい姿勢で流動することができ、また溶媒2の活発な流動を促進することができる。したがって、熱輸送流体1は、従来の熱輸送流体に比べて、カーボンナノチューブ3が不規則、ランダムな姿勢をとる状態で溶媒2中に分散させることができる。
【0024】
また、分散剤4は、その外形が扁平なシート形状であるため、例えば管内を流れるときに、熱輸送流体1中で細かくあるいは大きく方向を変えて動いたり、任意の方向に大きく移動したりするようになる。このように分散剤4が流動することにより、従来の熱輸送流体よりも溶媒2を揺さぶったり、かき回したりするため、溶媒2を攪拌する効果とともに、カーボンナノチューブ3の不規則、ランダムな配向状態をもたらすと考えられる。また、このように溶媒2を攪拌する効果とカーボンナノチューブ3自体の活発な流動とによって、熱輸送流体1中の熱伝達方向が改善され、流れ方向に対して直交方向(管流路の横断方向)への伝熱効果が得られる。
【0025】
(熱輸送流体1の適用例)
本実施形態に係る熱輸送流体1は、例えば、インバータ用冷却流体、燃料電池用冷却流体、二次電池用冷却流体、モータ用冷却流体、電子機器の素子用冷却流体、給湯用熱媒体、床暖房用熱媒体、浴室暖房用熱媒体、太陽熱回収用熱媒体、インタークーラー用冷却流体等にも適用することができる。
【0026】
本実施形態に係る熱輸送流体1がもたらす作用効果を以下に述べる。熱輸送流体1は、水または有機物からなる溶媒2と、溶媒2中に分散される複数のカーボンナノチューブ3と、カーボンナノチューブ3に接触してカーボンナノチューブ3を溶媒2中に分散させる分散剤4と、を含んで構成される。分散剤4は、少なくともグラフェンまたは酸化グラフェンを有する。
【0027】
この熱輸送流体1によれば、主に炭素−炭素結合の六員環等を多数有する分子構造である親水性のグラフェンまたは酸化グラフェンを含む分散剤4を構成することにより、非常に薄いシート状の分散剤を形成することができる。グラフェンまたは酸化グラフェンを含む分散剤4によれば、前述した従来の熱輸送流体に含まれる分散剤に比べ、分子構造が薄い形状を呈するため、前述の従来の熱輸送流体101における分散剤104自体に生じる熱抵抗Bを大きく低減することができる。さらに、熱輸送流体1は、従来の分散剤に比べ、π−π相互作用によって分散剤とカーボンナノチューブの結合が強くなるため、前述の従来の熱輸送流体101における分散剤104とカーボンナノチューブ103の界面における熱抵抗Cを低減することができる。このように、従来の分散剤104における熱抵抗の発生メカニズムを改善することができる。したがって、流体に含まれる物質及び含有物質間の熱抵抗を低減して、熱伝導率の向上を図る熱輸送流体1が得られる。
【0028】
また、分散剤4に含まれるグラフェンまたは酸化グラフェンは、カーボンナノチューブに巻き付くように付着することが好ましい。非常に薄いシート形状の分散剤4によれば、熱輸送流体1の流動に伴って、シート形状の分散剤4が流体中で大きく揺ぎ得るため、分散剤4の動きとともに熱輸送流体1中で多数のカーボンナノチューブ3をあらゆる方向に指向させることが可能となる。これにより、優れた伝熱性能を発揮できるカーボンナノチューブ3の分散状態を構築することができる。したがって、カーボンナノチューブ3を流体中で伝熱的に良好な分散状態にできるため、より確実な熱伝導率の向上が図れる。
【0029】
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
【0030】
上記の熱輸送流体1は、多数の微小粒子を含んでいてもよい。微小粒子は、例えば金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)等の金属、シリコン(Si)、フッ素(F)等の無機物からなる粒子、アルミナ(Al)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化銅(CuO)、三酸化二鉄(Fe)、酸化チタン(TiO)等の酸化物からなる粒子、あるいは樹脂等の有機物からなるポリマー粒子を用いることができる。また、微小粒子は、上記の金属、上記の無機物、上記の酸化物、樹脂等からなるポリマー粒子のうちから選択される2種類以上の物質から構成することもできる。
【0031】
また、熱輸送流体1に含まれる溶媒2として、2種類の成分からなるものを用いてもよい。このうち1種類の溶媒としては凝固点降下作用を有するある液体を用いてもよい。例えば溶媒として水を用い、凝固点降下剤として酢酸カリウム、酢酸ナトリウム等を用いることができる。こうした構造によれば、熱輸送流体の凝固点を降下させることで、寒冷地等における実用性をさらに高めることができる。さらに必要に応じて、凝固点降下剤に加えて防錆剤や酸化防止剤を、添加剤として熱輸送流体に含有させるようにしてもよい。なお、熱輸送流体の凝固点降下の必要性がなければ、凝固点降下剤を含有しない2種類以上の溶媒を用いるようにしてもよい。
【0032】
なお、上記実施形態の説明に用いた図2は、模式図であり、カーボンナノチューブ3及び分散剤4(グラフェンまたは酸化グラフェン)の両者について、その大小関係を図示したものに限定する図面ではない。
【符号の説明】
【0033】
1…熱輸送流体
2…溶媒
3…カーボンナノチューブ
4…分散剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水または有機物からなる溶媒と、
前記溶媒中に分散される複数のカーボンナノチューブと、
前記カーボンナノチューブに接触して前記カーボンナノチューブを前記溶媒中に分散させる分散剤と、を含んで構成され、
前記分散剤は、少なくともグラフェンまたは酸化グラフェンを有することを特徴とする熱輸送流体。
【請求項2】
前記グラフェンまたは前記酸化グラフェンは、前記カーボンナノチューブに巻き付くように付着することを特徴とする請求項1に記載の熱輸送流体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−6909(P2013−6909A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−138802(P2011−138802)
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】