熱電デバイスの製造方法およびそのような方法によって得られた熱電デバイス
直列接続された帯状部品(2A、3A)の2つのグループ(2、3)が上に形成されている可撓性の箔(1)を備え、そこで、2つのグループの部品(2A、3A)のために選ばれた材料が異なる熱電係数を有する材料であり、一方のグループ(2)の1つの部品(2A)と他方のグループ(3)の別の部品(3A)との間の接続部(4)が箔(1)の2つの間隔を開けて離れた領域(G1、G2)に交互に位置付けされるように、前記2つのグループの部品がパターン(100)に形成されており、さらに、基板(5)に部品(2A、3A)を形成した後で、箔(1)が帯状部品(2A、3A)に取り付けられ、その後で基板(5)が除去された熱電デバイス(10)、特に熱電発電機(10)を製造する方法に、本発明は関する。本発明に従って、基板(5)に硬質(=比較的厚い)基板(5)が使用され、基板(5)が除去される前に硬質(=比較的厚い)支持板(6)が箔(1)に取り付けられ、その硬質支持板は硬質基板(5)の除去後に箔(1)から再び除去される。このように、本方法は、化学機械研磨で素早く除去することができる半導体基板(5)の使用に特に適している。好ましくは、デバイス(10)の付いた箔(1)は、使用前に、折り畳まれるか、または巻かれる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直列接続された帯状部品の2つのグループがその上に設けられている可撓性の箔を備える熱電デバイスを製造する方法に関し、その2つのグループの部品用に選ばれた材料は異なる熱電係数を有し、前記グループの部品は、一方のグループの部品と他方のグループの他の部品の間の接続部が互いに離れた所に位置している箔の2つの領域の1つにいつも交互に位置しており、さらに、基板上に帯状部品を設けた後で箔が帯状部品の上に設けられ、その後で基板が除去される。そのような方法で得られたデバイスは、バッテリ電源の魅力的な代替品を構成する。そのようなデバイスの場合、デバイスの近傍に存在する温度差だけが、このデバイスを発電機として動作させるために使用される。電源のような電気回路網を介してデバイスを元に戻すことまたは充電することは必要ない。
【背景技術】
【0002】
そのような方法は、Journal of Micromechanics and Microengineering(J.Micromech.Microeng.と略される)、11(2001)pp.146−152に発表されたWenmin Qu等による「Microfabrication of thermoelectric generators on flexible foil substrates as a power source for autonomous microsystems」という名称の発表から知られている。前記の発表において(147ページ、左手欄を参照されたい)、アンチモン(Sb)とビスマス(Bi)の帯状部品のグループが、熱電発電機としての使用に望ましいパターンに従って、電着によって、厚さ50μmの可撓性銅箔にどのようにして取り付けられるかについての説明が与えられている。その後、帯状部品はエポキシ膜を回転塗布され、そこで、エポキシ膜の硬化後、帯状部品は埋め込まれる。最後に、可撓性銅箔は、エッチングによって除去される。
【0003】
知られているデバイスの欠点は、銅箔でなく半導体基板のような硬質基板の使用にあまり適していない点にある。そのような半導体基板は、しばしば100μmを超え、またしばしば500μmより上でさえあるその厚さのために、比較的硬質である。半導体基板の使用は、半導体材料を含む帯状部品の1つまたは複数の材料を有するデバイスをより簡単に形成することができるという有利点を有する。半導体基板の比較的大きな厚さのために、前記基板のエッチングは比較的時間がかかり、このことは好ましくない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、半導体基板のような比較的硬質でしたがって厚い基板の使用に適し、それにもかかわらず高速を可能にする方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これを達成するために、本発明に従って、冒頭段落で言及された型式の方法は、基板に硬質基板が使用されかつその硬質基板の除去前に硬質支持板が箔に取り付けられ、その硬質支持板は硬質基板が除去された後で可撓性箔から再び除去されることを特徴とする。本発明は、先ず第1に、基板が除去される前に箔に硬質支持板を設けることによって、硬質支持板の存在のために基板の段階的な除去中に、デバイスは常に硬質のままであるという認識に基づいている。さらに本発明は、これによって硬質基板を除去するために研削技術の使用が可能になるという認識に基づいている。そのような技術は化学エッチング技術よりも遥かに速いので、基板または少なくともそれのほとんどの部分は、非常に素早く除去することができる。硬質基板の除去後、再び硬質支持板を除去することができ、これによって結果として、帯状部品のグループを備え、かつ熱電発電機として作用することができる可撓性(合成樹脂)箔が生じる。硬質支持板に、例えばガラス板または石英板を使用することができる。本明細書で使用されるような硬質という用語は、「曲がらない、または少なくとも容易に曲がらない」を意味するように解釈すべきである。前記の用語は、「可撓性の」という用語に対比する位置にある。同じ材料を使用すると、このことは、硬質物体がこの材料の可撓性物体(箔)よりも実質的に厚いことを意味する。
【0006】
方法の好ましい実施形態では、したがって、硬質基板の少なくともより大きな部分は研削によって除去される。好ましくは、硬質基板の残りの比較的薄い部分だけが、単に化学エッチング技術によって除去される。これにもかかわらず、本発明に従った方法は依然として非常に速い。この好ましい実施形態では、好ましくは半導体基板が使用される。
【0007】
好ましくは、硬質支持板が接着層によって箔に取り付けられ、基板の除去後に、箔を引っ張って接着層から自由にすることで、箔が除去される。そのような方法は特に簡単なので、魅力的である。この方法では、接着層の適切な選択によって、一方では、接着層と支持板と合成樹脂箔との間の接着を、本発明に従った方法を実施できるほどに強力にすることができるが、他方では、接着層と箔の間の接着は、箔を引っ張って接着層が取り付けられた支持板から自由にすることで箔を除去できるほどに小さい。この目的に特に適していることが分かった接着層は、1,6ヘキサンジオールジアクリレートを含む。ポリイミドを含む箔およびガラスの基板と組み合わせてこの接着層を使用して、優れた結果が達成された。
【0008】
先に言及したように、半導体基板を使用することによって、半導体材料から帯状部品の1つまたは複数のグループを製造することがいっそう容易になる。本発明に従った方法の特定の有利点は、帯状部品を多結晶半導体材料でなく単結晶半導体材料で容易に作ることもできることである。そのような単結晶半導体材料の熱電係数は比較的高いが、他方で、電気抵抗は十分に小さいことがある。このようにして得られたデバイスは、適切な熱電発電機を形成し、その上、それの製造は、デバイスの他の構成要素の製造と両立できる。そこで、この構成要素はIC(=集積回路)のような半導体部品を備えることが多いので、熱電発電機は電源として組み込まれるだろう。さらに、そのような構成要素との一体化は比較的容易である。
【0009】
本発明に従った方法の魅力のある変形例では、多結晶シリコン層が上に堆積されている分離層を備えた単結晶シリコン基板が基板に使用される。分離層には、熱酸化またはCVD(=化学気相成長法)によって形成することができるシリコン酸化物またはシリコン窒化物の層が利用できる。多結晶シリコン層は、例えばCVDによって堆積される。この修正は、得られた方法とデバイスの両方が比較的安価であるという有利点を有する。
【0010】
他の同じく好ましい変形例では、酸素イオンの打ち込みによって単結晶シリコン基板に埋め込み分離層が形成される。そのとき、硬質基板は、埋め込み層の下に位置するシリコン基板の部分によって形成されるが、一方で、上にある(単結晶!)部分は帯状部品のグループの形成に使用される。埋め込み分離層は、例えばKOHに基づいたエッチング液に対して適切なエッチング停止層を形成するので、硬質基板(の最後の部分)は、エッチングによって、容易に除去することができる。また、埋め込み層は、帯状部品を(電気的に)分離することができる。その上、硬質基板の除去後に、この段階で依然として存在する分離層は、望ましい場合には、デバイスに技術的な改造を行うために使用することができる。
【0011】
好ましくは、帯状部品の2つの直列接続グループのいくつかが、箔に形成された2個の帯状導体の間に並列に配列されている。このやり方で、製造されたデバイスで供給可能な電力を実質的に増すことができ、デバイスのより大きな応用性をもたらす。好ましくは、箔を特定の方法で折り畳むか巻いた後で、すべての帯状部品の接続部が、(折り畳まれた、または巻かれた)デバイスの2つの間隔を開けて離れた部分または領域に交互に位置するように、帯状部品の並列配列のパターンだけでなく個々のグループの帯状部品のパターンも選ばれる。したがって、デバイスは、小型であることがあり、また既存の温度勾配と容易に接触させることができる。
【0012】
また、本発明は、本発明に従った方法によって得られた熱電デバイス、特に熱電発電機を含む。
【0013】
本発明のこれらおよび他の態様は、以下で説明する実施形態から明らかになり、またこの実施形態を参照して説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
これらの図は一定の比率に応じて描かれていないし、さらに、厚さ方向の寸法のようないくつかの寸法は、はっきりさせるために誇張されている。異なる図において、対応する領域または部品は、可能である時はいつでも、同じ参照数字またはハッチングを使用して表されている。
【0015】
図1は、本発明に従った方法によって製造された熱電デバイスの概略平面図であり、図2は、図1に示すデバイスの線II−IIで描かれた厚さ方向の概略断面図である。ここで、デバイス10は、この場合には帯状である可撓性合成樹脂箔1を備え、この可撓性合成樹脂箔1には、接続部4を介して直列接続された帯状部品2A、3Aの2つのグループ2、3が埋め込まれている。この場合には、部品2Aはアルミニウム帯板を備え、部品3Aは単結晶シリコンを備える。相互接続されたグループ2、3のジグザグ・パターン100によって、接続部4は、箔の2つの間隔を開けて離れた領域G1、G2に交互に位置するようになる。それによって、接続部4は、より温度の低い領域とより温度の高い領域に交互に容易に入れることができる。もちろんそのような温度勾配が存在する限りにおいてである。この場合、帯状半導体部品3Aは、この場合二酸化珪素でできている2つの分離層8、9の間にさらに埋め込まれる。分離層9は穴を備え、この穴に、シリコン部品3Aとアルミニウム帯板2Aの間の接続部4が形成されている。
【0016】
この例では、デバイス10は複数のジグザグ・パターン100、101を備え、図にはそのうちの2つだけが示されており、これらのジグザグ・パターンは、並列に配列され、かつ箔1の外側縁部の近くに位置しているアルミニウムの2つの帯状導体22、23に接続されている。それによって、熱電発電機10のキャパシタンスは実質的に増加する。パターン101は、この例のデバイス10を折り畳むことを意図して、パターン100に対して映されている。
【0017】
図3から10は、本発明に従った方法の実施形態による製造の連続する段階における、図1のデバイスの厚さ方向に対して直角に向かった概略断面図である。デバイス10の製造は、20Ωcmの抵抗率を有する単結晶半導体基板55の使用に基づき(図3を参照されたい)、そこで、埋め込み分離層8は酸素イオンの打ち込みで形成されている。このように形成された領域5、8、55Aの厚さは、この場合、それぞれ650μm、0.4μm、および0.2μmである。
【0018】
次に、(図4を参照されたい)、分離層8の上に位置しているシリコン基板55の部分55Aは、この場合には砒素イオンのイオン打ち込みIによって高濃度にn型ドープされている。砒素原子のフラックスは、例えば1016原子/cm2である。
【0019】
その後、(図5を参照されたい)、n型ドープ部分は、フォトリソグラフィとプラズマ・エッチングとによって大きく除去されて、相互接続された半導体帯板3Aとまだ用意すべきアルミニウム帯板とで形成されるジグ−ザグ・パターンの部分を形成する山形状パターンで、帯状部品3Aが配列されている。この例では、例えば、5μmの幅と3μmの相互間隔とを有する1250個のシリコンの帯板3Aが形成される。図面に示されているものと違って、ここで帯板3Aは箔の縁に対して平行に延びている。しかし、図に示すような真のジグ−ザグ構成も実現可能である。図3から10では、図1のように、2つのジグ−ザグ・パターン100、101の形成だけが示されている。この場合、帯板3Aの長さはほぼ1mmであり、厚さはほぼ0.2μmである。ジグ−ザグの全体的な幅は1250×8μmで、1cmである。
【0020】
次に、二酸化珪素の他の分離層9が、CVDによってメサ状帯板3Aを覆って形成される(図6を参照されたい)。この場合、この層9の厚さは0.3μmである。帯板3Aの端の上に、例えば2μm×2μmの穴が分離層9にフォトリソグラフィとエッチングによって形成される。その後、この場合厚さ0.7μmのアルミニウム層が、この場合蒸着によって、形成されるべきデバイス10を覆って堆積される。フォトリソグラフィとエッチングによって、このアルミニウム層は、帯板2Aの山形状パターンに形成され、この帯板2Aは、半導体帯板3Aの山形状パターンと共に、図1のジグ−ザグ構造を形成する。そのとき、アルミニウム帯板2Aとシリコン帯板3Aの間の接続部4は、図1にG1とG2とによって示される2つの間隔を開けて離れた領域に交互に位置している。デバイス10の周囲に存在するかまたは加えられた温度勾配がこれらの領域にまたがって存在する場合、そのとき、デバイス10は発電機として作用する。もちろん、この例では、図1に示す導体トラック22、23は、アルミニウム層から同時に形成される。このように、パターン100、101は、これらの導体22、23の間に並列配置で組み込まれる。
【0021】
その後、(図7を参照されたい)、ポリイミド層1が、回転塗布によって、この例では10μmの厚さで設けられ、そこに、硬化後、パターン100、101が埋め込まれる。このように、箔1は、この場合、ポリイミド合成樹脂を備える。
【0022】
次に、(図8を参照されたい)、硬質支持板6、この場合には厚さ340μmのガラス板6が、接着剤によって箔1に取り付けられる。この接着層7は、この場合、前文で言及したHDDAの厚さ10μmの層を備える。
【0023】
その後、(図9を参照されたい)、DISCOTM研削機械を使用する研削によって、基板部分5がほとんど除去される。そのとき、形成されるべきデバイス10は、接着層7に対して映される向きで、図示されない研削機械に位置しており、したがって基板部分5は研削プロセスが行われる上側に位置している。基板5のほぼ600μmが研削によって除去される。基板5の残り50μmは、この場合にはKOH水溶液を使用するウェット化学エッチングによって除去され、このプロセスで、分離層8はエッチング停止層として作用する。
【0024】
最後に、(図10を参照されたい)、例えば小刀を使用して、箔1がガラス板6の縁に近い接着層7から引き離される。それから、ピンセットを使用して、または手で、箔1は、接着層7が取り付けられたガラス板6から全体を掴まれ、かつ引っ張られる。今や、デバイス10は、以下で説明するように、巻きまたは折畳みのようなさらに他の処理の用意ができている。
【0025】
図11は、図1に示すデバイスの第1の改良例の平面図と一部想像図とを概略で示す。図1のデバイスおよびそれの関連した製造との最も重要な差は、次の通りである。すなわち、この場合に使用された箔は、穴4を備えた予め製造された合成樹脂箔1である。それの一方の側に、図11に断続線によって示された半導体帯板3Aが、図3から9に関して述べたように形成される。箔1の他方の側に、アルミニウム帯板2Aが図7に対応する段階で形成され、この帯板は、箔の穴4を介してシリコン帯板3Aに接続されている。図11では、ただ1つのジグ−ザグ・パターン100だけが示されている。
【0026】
図12は、折り畳まれた状態の図1に示すデバイスの概略透視図である。1つか2つの歯付き型を使用して、図1のデバイスを図12に示すように折り畳むことができる。型は図面に示されていない。折畳みを容易にするために、型を使用して、または使用しないで、必要であれば、2つの隣接するパターン100、101の間に位置する図示しない折畳み線を、箔1に設けることができる。次に、例えば銅の熱良伝導板P1、P2が、例えば熱良伝導接着剤によって下側と上側とに設けられる。デバイス10の動作中に、図面に一部だけが示されるこれらの板P1、P2は、そのとき、それぞれ高温と(より)低温とを有するゾーンに入れられる。デバイス10で供給される電力は、図示されない外部電気接続領域から引き出すことができる。図面に示されないさらに他の修正形態では、折り畳まれた箔は、中空のパイプのまわりにさらに折り畳まれ、そして次に、他の中空のパイプで取り囲まれる。後者は、例えばより低温の媒体に曝すことができるが、より高温の媒体は内側の中空パイプで形成される。
【0027】
図13は、図1のデバイスの第2の改良例の概略平面図である。図14は、巻かれた状態の図13に示すデバイスの概略透視図である。図1のデバイスとの唯一の差は(図13を参照されたい)、ジグ−ザグ・パターン100、101が、並列に配列されたパターン100、101が依然として接続されている導体トラック22、23に対して90度回転されていることである。この巻かれた状態(図14を参照されたい)で、2個の板P1、P2は再びデバイス10に取り付けられている。
【0028】
本発明は、本明細書で説明した例に限定されず、本発明の範囲内で、当業者には多くの変形例と改良例とが可能である。例えば、異なる形状および/または異なる寸法を有するデバイスを製造することができる。Siの基板でなく、代替的にガラス、セラミックまたは合成樹脂の基板を利用することができる。
【0029】
例で言及したもの以外の材料を本発明の範囲内で使用できることに、さらに留意されたい。また、言及した材料または他の材料に、スパッタリングのような他の堆積技術も使用することができる。ウェット化学エッチング法でなく代替的に、プラズマ・エッチングのような「ドライ」・エッチングを、また逆に、利用することができる。
【0030】
本デバイスは、集積回路の形であろうと無かろうと、ダイオードおよび/またはトランジスタと抵抗器および/またはコンデンサとのような他の能動および受動半導体素子または電子部品を備えることができることに、さらに留意されたい。本発明の状況の中で、一時的な電力蓄積を簡単なやり方で実現することを可能にするダイオードとコンデンサとが、特に適しているかもしれない。もちろん、製造はこれに効率的に適合される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に従った方法によって製造された熱電デバイスを示す概略平面図である。
【図2】図1に示すデバイスの線II−IIで描かれた厚さ方向の概略断面図である。
【図3】本発明に従った方法の第1の実施形態による製造の連続する段階における図1に示すデバイスの厚さ方向に対して直角に向かった概略断面図である。
【図4】本発明に従った方法の第1の実施形態による製造の連続する段階における図1に示すデバイスの厚さ方向に対して直角に向かった概略断面図である。
【図5】本発明に従った方法の第1の実施形態による製造の連続する段階における図1に示すデバイスの厚さ方向に対して直角に向かった概略断面図である。
【図6】本発明に従った方法の第1の実施形態による製造の連続する段階における図1に示すデバイスの厚さ方向に対して直角に向かった概略断面図である。
【図7】本発明に従った方法の第1の実施形態による製造の連続する段階における図1に示すデバイスの厚さ方向に対して直角に向かった概略断面図である。
【図8】本発明に従った方法の第1の実施形態による製造の連続する段階における図1に示すデバイスの厚さ方向に対して直角に向かった概略断面図である。
【図9】本発明に従った方法の第1の実施形態による製造の連続する段階における図1に示すデバイスの厚さ方向に対して直角に向かった概略断面図である。
【図10】本発明に従った方法の第1の実施形態による製造の連続する段階における図1に示すデバイスの厚さ方向に対して直角に向かった概略断面図である。
【図11】図1に示すデバイスの第1の改良例を示す概略平面図である。
【図12】折り畳まれた状態の図1に示すデバイスの概略透視図である。
【図13】図1に示すデバイスの第2の改良例を示す概略平面図である。
【図14】巻かれた状態の図13に示すデバイスの概略透視図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、直列接続された帯状部品の2つのグループがその上に設けられている可撓性の箔を備える熱電デバイスを製造する方法に関し、その2つのグループの部品用に選ばれた材料は異なる熱電係数を有し、前記グループの部品は、一方のグループの部品と他方のグループの他の部品の間の接続部が互いに離れた所に位置している箔の2つの領域の1つにいつも交互に位置しており、さらに、基板上に帯状部品を設けた後で箔が帯状部品の上に設けられ、その後で基板が除去される。そのような方法で得られたデバイスは、バッテリ電源の魅力的な代替品を構成する。そのようなデバイスの場合、デバイスの近傍に存在する温度差だけが、このデバイスを発電機として動作させるために使用される。電源のような電気回路網を介してデバイスを元に戻すことまたは充電することは必要ない。
【背景技術】
【0002】
そのような方法は、Journal of Micromechanics and Microengineering(J.Micromech.Microeng.と略される)、11(2001)pp.146−152に発表されたWenmin Qu等による「Microfabrication of thermoelectric generators on flexible foil substrates as a power source for autonomous microsystems」という名称の発表から知られている。前記の発表において(147ページ、左手欄を参照されたい)、アンチモン(Sb)とビスマス(Bi)の帯状部品のグループが、熱電発電機としての使用に望ましいパターンに従って、電着によって、厚さ50μmの可撓性銅箔にどのようにして取り付けられるかについての説明が与えられている。その後、帯状部品はエポキシ膜を回転塗布され、そこで、エポキシ膜の硬化後、帯状部品は埋め込まれる。最後に、可撓性銅箔は、エッチングによって除去される。
【0003】
知られているデバイスの欠点は、銅箔でなく半導体基板のような硬質基板の使用にあまり適していない点にある。そのような半導体基板は、しばしば100μmを超え、またしばしば500μmより上でさえあるその厚さのために、比較的硬質である。半導体基板の使用は、半導体材料を含む帯状部品の1つまたは複数の材料を有するデバイスをより簡単に形成することができるという有利点を有する。半導体基板の比較的大きな厚さのために、前記基板のエッチングは比較的時間がかかり、このことは好ましくない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、半導体基板のような比較的硬質でしたがって厚い基板の使用に適し、それにもかかわらず高速を可能にする方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これを達成するために、本発明に従って、冒頭段落で言及された型式の方法は、基板に硬質基板が使用されかつその硬質基板の除去前に硬質支持板が箔に取り付けられ、その硬質支持板は硬質基板が除去された後で可撓性箔から再び除去されることを特徴とする。本発明は、先ず第1に、基板が除去される前に箔に硬質支持板を設けることによって、硬質支持板の存在のために基板の段階的な除去中に、デバイスは常に硬質のままであるという認識に基づいている。さらに本発明は、これによって硬質基板を除去するために研削技術の使用が可能になるという認識に基づいている。そのような技術は化学エッチング技術よりも遥かに速いので、基板または少なくともそれのほとんどの部分は、非常に素早く除去することができる。硬質基板の除去後、再び硬質支持板を除去することができ、これによって結果として、帯状部品のグループを備え、かつ熱電発電機として作用することができる可撓性(合成樹脂)箔が生じる。硬質支持板に、例えばガラス板または石英板を使用することができる。本明細書で使用されるような硬質という用語は、「曲がらない、または少なくとも容易に曲がらない」を意味するように解釈すべきである。前記の用語は、「可撓性の」という用語に対比する位置にある。同じ材料を使用すると、このことは、硬質物体がこの材料の可撓性物体(箔)よりも実質的に厚いことを意味する。
【0006】
方法の好ましい実施形態では、したがって、硬質基板の少なくともより大きな部分は研削によって除去される。好ましくは、硬質基板の残りの比較的薄い部分だけが、単に化学エッチング技術によって除去される。これにもかかわらず、本発明に従った方法は依然として非常に速い。この好ましい実施形態では、好ましくは半導体基板が使用される。
【0007】
好ましくは、硬質支持板が接着層によって箔に取り付けられ、基板の除去後に、箔を引っ張って接着層から自由にすることで、箔が除去される。そのような方法は特に簡単なので、魅力的である。この方法では、接着層の適切な選択によって、一方では、接着層と支持板と合成樹脂箔との間の接着を、本発明に従った方法を実施できるほどに強力にすることができるが、他方では、接着層と箔の間の接着は、箔を引っ張って接着層が取り付けられた支持板から自由にすることで箔を除去できるほどに小さい。この目的に特に適していることが分かった接着層は、1,6ヘキサンジオールジアクリレートを含む。ポリイミドを含む箔およびガラスの基板と組み合わせてこの接着層を使用して、優れた結果が達成された。
【0008】
先に言及したように、半導体基板を使用することによって、半導体材料から帯状部品の1つまたは複数のグループを製造することがいっそう容易になる。本発明に従った方法の特定の有利点は、帯状部品を多結晶半導体材料でなく単結晶半導体材料で容易に作ることもできることである。そのような単結晶半導体材料の熱電係数は比較的高いが、他方で、電気抵抗は十分に小さいことがある。このようにして得られたデバイスは、適切な熱電発電機を形成し、その上、それの製造は、デバイスの他の構成要素の製造と両立できる。そこで、この構成要素はIC(=集積回路)のような半導体部品を備えることが多いので、熱電発電機は電源として組み込まれるだろう。さらに、そのような構成要素との一体化は比較的容易である。
【0009】
本発明に従った方法の魅力のある変形例では、多結晶シリコン層が上に堆積されている分離層を備えた単結晶シリコン基板が基板に使用される。分離層には、熱酸化またはCVD(=化学気相成長法)によって形成することができるシリコン酸化物またはシリコン窒化物の層が利用できる。多結晶シリコン層は、例えばCVDによって堆積される。この修正は、得られた方法とデバイスの両方が比較的安価であるという有利点を有する。
【0010】
他の同じく好ましい変形例では、酸素イオンの打ち込みによって単結晶シリコン基板に埋め込み分離層が形成される。そのとき、硬質基板は、埋め込み層の下に位置するシリコン基板の部分によって形成されるが、一方で、上にある(単結晶!)部分は帯状部品のグループの形成に使用される。埋め込み分離層は、例えばKOHに基づいたエッチング液に対して適切なエッチング停止層を形成するので、硬質基板(の最後の部分)は、エッチングによって、容易に除去することができる。また、埋め込み層は、帯状部品を(電気的に)分離することができる。その上、硬質基板の除去後に、この段階で依然として存在する分離層は、望ましい場合には、デバイスに技術的な改造を行うために使用することができる。
【0011】
好ましくは、帯状部品の2つの直列接続グループのいくつかが、箔に形成された2個の帯状導体の間に並列に配列されている。このやり方で、製造されたデバイスで供給可能な電力を実質的に増すことができ、デバイスのより大きな応用性をもたらす。好ましくは、箔を特定の方法で折り畳むか巻いた後で、すべての帯状部品の接続部が、(折り畳まれた、または巻かれた)デバイスの2つの間隔を開けて離れた部分または領域に交互に位置するように、帯状部品の並列配列のパターンだけでなく個々のグループの帯状部品のパターンも選ばれる。したがって、デバイスは、小型であることがあり、また既存の温度勾配と容易に接触させることができる。
【0012】
また、本発明は、本発明に従った方法によって得られた熱電デバイス、特に熱電発電機を含む。
【0013】
本発明のこれらおよび他の態様は、以下で説明する実施形態から明らかになり、またこの実施形態を参照して説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
これらの図は一定の比率に応じて描かれていないし、さらに、厚さ方向の寸法のようないくつかの寸法は、はっきりさせるために誇張されている。異なる図において、対応する領域または部品は、可能である時はいつでも、同じ参照数字またはハッチングを使用して表されている。
【0015】
図1は、本発明に従った方法によって製造された熱電デバイスの概略平面図であり、図2は、図1に示すデバイスの線II−IIで描かれた厚さ方向の概略断面図である。ここで、デバイス10は、この場合には帯状である可撓性合成樹脂箔1を備え、この可撓性合成樹脂箔1には、接続部4を介して直列接続された帯状部品2A、3Aの2つのグループ2、3が埋め込まれている。この場合には、部品2Aはアルミニウム帯板を備え、部品3Aは単結晶シリコンを備える。相互接続されたグループ2、3のジグザグ・パターン100によって、接続部4は、箔の2つの間隔を開けて離れた領域G1、G2に交互に位置するようになる。それによって、接続部4は、より温度の低い領域とより温度の高い領域に交互に容易に入れることができる。もちろんそのような温度勾配が存在する限りにおいてである。この場合、帯状半導体部品3Aは、この場合二酸化珪素でできている2つの分離層8、9の間にさらに埋め込まれる。分離層9は穴を備え、この穴に、シリコン部品3Aとアルミニウム帯板2Aの間の接続部4が形成されている。
【0016】
この例では、デバイス10は複数のジグザグ・パターン100、101を備え、図にはそのうちの2つだけが示されており、これらのジグザグ・パターンは、並列に配列され、かつ箔1の外側縁部の近くに位置しているアルミニウムの2つの帯状導体22、23に接続されている。それによって、熱電発電機10のキャパシタンスは実質的に増加する。パターン101は、この例のデバイス10を折り畳むことを意図して、パターン100に対して映されている。
【0017】
図3から10は、本発明に従った方法の実施形態による製造の連続する段階における、図1のデバイスの厚さ方向に対して直角に向かった概略断面図である。デバイス10の製造は、20Ωcmの抵抗率を有する単結晶半導体基板55の使用に基づき(図3を参照されたい)、そこで、埋め込み分離層8は酸素イオンの打ち込みで形成されている。このように形成された領域5、8、55Aの厚さは、この場合、それぞれ650μm、0.4μm、および0.2μmである。
【0018】
次に、(図4を参照されたい)、分離層8の上に位置しているシリコン基板55の部分55Aは、この場合には砒素イオンのイオン打ち込みIによって高濃度にn型ドープされている。砒素原子のフラックスは、例えば1016原子/cm2である。
【0019】
その後、(図5を参照されたい)、n型ドープ部分は、フォトリソグラフィとプラズマ・エッチングとによって大きく除去されて、相互接続された半導体帯板3Aとまだ用意すべきアルミニウム帯板とで形成されるジグ−ザグ・パターンの部分を形成する山形状パターンで、帯状部品3Aが配列されている。この例では、例えば、5μmの幅と3μmの相互間隔とを有する1250個のシリコンの帯板3Aが形成される。図面に示されているものと違って、ここで帯板3Aは箔の縁に対して平行に延びている。しかし、図に示すような真のジグ−ザグ構成も実現可能である。図3から10では、図1のように、2つのジグ−ザグ・パターン100、101の形成だけが示されている。この場合、帯板3Aの長さはほぼ1mmであり、厚さはほぼ0.2μmである。ジグ−ザグの全体的な幅は1250×8μmで、1cmである。
【0020】
次に、二酸化珪素の他の分離層9が、CVDによってメサ状帯板3Aを覆って形成される(図6を参照されたい)。この場合、この層9の厚さは0.3μmである。帯板3Aの端の上に、例えば2μm×2μmの穴が分離層9にフォトリソグラフィとエッチングによって形成される。その後、この場合厚さ0.7μmのアルミニウム層が、この場合蒸着によって、形成されるべきデバイス10を覆って堆積される。フォトリソグラフィとエッチングによって、このアルミニウム層は、帯板2Aの山形状パターンに形成され、この帯板2Aは、半導体帯板3Aの山形状パターンと共に、図1のジグ−ザグ構造を形成する。そのとき、アルミニウム帯板2Aとシリコン帯板3Aの間の接続部4は、図1にG1とG2とによって示される2つの間隔を開けて離れた領域に交互に位置している。デバイス10の周囲に存在するかまたは加えられた温度勾配がこれらの領域にまたがって存在する場合、そのとき、デバイス10は発電機として作用する。もちろん、この例では、図1に示す導体トラック22、23は、アルミニウム層から同時に形成される。このように、パターン100、101は、これらの導体22、23の間に並列配置で組み込まれる。
【0021】
その後、(図7を参照されたい)、ポリイミド層1が、回転塗布によって、この例では10μmの厚さで設けられ、そこに、硬化後、パターン100、101が埋め込まれる。このように、箔1は、この場合、ポリイミド合成樹脂を備える。
【0022】
次に、(図8を参照されたい)、硬質支持板6、この場合には厚さ340μmのガラス板6が、接着剤によって箔1に取り付けられる。この接着層7は、この場合、前文で言及したHDDAの厚さ10μmの層を備える。
【0023】
その後、(図9を参照されたい)、DISCOTM研削機械を使用する研削によって、基板部分5がほとんど除去される。そのとき、形成されるべきデバイス10は、接着層7に対して映される向きで、図示されない研削機械に位置しており、したがって基板部分5は研削プロセスが行われる上側に位置している。基板5のほぼ600μmが研削によって除去される。基板5の残り50μmは、この場合にはKOH水溶液を使用するウェット化学エッチングによって除去され、このプロセスで、分離層8はエッチング停止層として作用する。
【0024】
最後に、(図10を参照されたい)、例えば小刀を使用して、箔1がガラス板6の縁に近い接着層7から引き離される。それから、ピンセットを使用して、または手で、箔1は、接着層7が取り付けられたガラス板6から全体を掴まれ、かつ引っ張られる。今や、デバイス10は、以下で説明するように、巻きまたは折畳みのようなさらに他の処理の用意ができている。
【0025】
図11は、図1に示すデバイスの第1の改良例の平面図と一部想像図とを概略で示す。図1のデバイスおよびそれの関連した製造との最も重要な差は、次の通りである。すなわち、この場合に使用された箔は、穴4を備えた予め製造された合成樹脂箔1である。それの一方の側に、図11に断続線によって示された半導体帯板3Aが、図3から9に関して述べたように形成される。箔1の他方の側に、アルミニウム帯板2Aが図7に対応する段階で形成され、この帯板は、箔の穴4を介してシリコン帯板3Aに接続されている。図11では、ただ1つのジグ−ザグ・パターン100だけが示されている。
【0026】
図12は、折り畳まれた状態の図1に示すデバイスの概略透視図である。1つか2つの歯付き型を使用して、図1のデバイスを図12に示すように折り畳むことができる。型は図面に示されていない。折畳みを容易にするために、型を使用して、または使用しないで、必要であれば、2つの隣接するパターン100、101の間に位置する図示しない折畳み線を、箔1に設けることができる。次に、例えば銅の熱良伝導板P1、P2が、例えば熱良伝導接着剤によって下側と上側とに設けられる。デバイス10の動作中に、図面に一部だけが示されるこれらの板P1、P2は、そのとき、それぞれ高温と(より)低温とを有するゾーンに入れられる。デバイス10で供給される電力は、図示されない外部電気接続領域から引き出すことができる。図面に示されないさらに他の修正形態では、折り畳まれた箔は、中空のパイプのまわりにさらに折り畳まれ、そして次に、他の中空のパイプで取り囲まれる。後者は、例えばより低温の媒体に曝すことができるが、より高温の媒体は内側の中空パイプで形成される。
【0027】
図13は、図1のデバイスの第2の改良例の概略平面図である。図14は、巻かれた状態の図13に示すデバイスの概略透視図である。図1のデバイスとの唯一の差は(図13を参照されたい)、ジグ−ザグ・パターン100、101が、並列に配列されたパターン100、101が依然として接続されている導体トラック22、23に対して90度回転されていることである。この巻かれた状態(図14を参照されたい)で、2個の板P1、P2は再びデバイス10に取り付けられている。
【0028】
本発明は、本明細書で説明した例に限定されず、本発明の範囲内で、当業者には多くの変形例と改良例とが可能である。例えば、異なる形状および/または異なる寸法を有するデバイスを製造することができる。Siの基板でなく、代替的にガラス、セラミックまたは合成樹脂の基板を利用することができる。
【0029】
例で言及したもの以外の材料を本発明の範囲内で使用できることに、さらに留意されたい。また、言及した材料または他の材料に、スパッタリングのような他の堆積技術も使用することができる。ウェット化学エッチング法でなく代替的に、プラズマ・エッチングのような「ドライ」・エッチングを、また逆に、利用することができる。
【0030】
本デバイスは、集積回路の形であろうと無かろうと、ダイオードおよび/またはトランジスタと抵抗器および/またはコンデンサとのような他の能動および受動半導体素子または電子部品を備えることができることに、さらに留意されたい。本発明の状況の中で、一時的な電力蓄積を簡単なやり方で実現することを可能にするダイオードとコンデンサとが、特に適しているかもしれない。もちろん、製造はこれに効率的に適合される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に従った方法によって製造された熱電デバイスを示す概略平面図である。
【図2】図1に示すデバイスの線II−IIで描かれた厚さ方向の概略断面図である。
【図3】本発明に従った方法の第1の実施形態による製造の連続する段階における図1に示すデバイスの厚さ方向に対して直角に向かった概略断面図である。
【図4】本発明に従った方法の第1の実施形態による製造の連続する段階における図1に示すデバイスの厚さ方向に対して直角に向かった概略断面図である。
【図5】本発明に従った方法の第1の実施形態による製造の連続する段階における図1に示すデバイスの厚さ方向に対して直角に向かった概略断面図である。
【図6】本発明に従った方法の第1の実施形態による製造の連続する段階における図1に示すデバイスの厚さ方向に対して直角に向かった概略断面図である。
【図7】本発明に従った方法の第1の実施形態による製造の連続する段階における図1に示すデバイスの厚さ方向に対して直角に向かった概略断面図である。
【図8】本発明に従った方法の第1の実施形態による製造の連続する段階における図1に示すデバイスの厚さ方向に対して直角に向かった概略断面図である。
【図9】本発明に従った方法の第1の実施形態による製造の連続する段階における図1に示すデバイスの厚さ方向に対して直角に向かった概略断面図である。
【図10】本発明に従った方法の第1の実施形態による製造の連続する段階における図1に示すデバイスの厚さ方向に対して直角に向かった概略断面図である。
【図11】図1に示すデバイスの第1の改良例を示す概略平面図である。
【図12】折り畳まれた状態の図1に示すデバイスの概略透視図である。
【図13】図1に示すデバイスの第2の改良例を示す概略平面図である。
【図14】巻かれた状態の図13に示すデバイスの概略透視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列接続された帯状部品の2つのグループが上に設けられている可撓性箔を備え、前記2つのグループの部品のために選ばれた材料が異なる熱電係数を有し、一方のグループの部品と他方のグループの別の部品との間の接続部が互いに離れた所に位置する前記箔の2つの領域のうちの1つにいつも交互に位置するように前記グループの部品がパターンに形成されており、さらに、基板に前記帯状部品を設けた後で、前記箔が前記帯状部品の上に設けられ、その後で前記基板が除去された熱電デバイスを製造する方法であって、前記基板に硬質基板が使用され、かつ前記硬質基板の除去の前に硬質支持板が前記箔に取り付けられ、その硬質支持板は前記硬質基板が除去された後で前記可撓性箔から再び除去されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記硬質基板の少なくともより大きな部分が、研削によって除去されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記支持板が接着層によって前記箔に取り付けられ、前記基板の除去後に、前記箔を引っ張って前記接着層から自由にすることで、前記箔が除去されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記接着層の材料に、1,6ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)が接着剤として使用され、そして前記箔の材料にポリイミドが使用されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記基板に半導体基板が使用されることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
帯状部品の前記グループの少なくとも1つの材料に、半導体材料が使用されることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
多結晶シリコン層が上に堆積されている分離層を備えた単結晶シリコン基板が、前記基板に使用されることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
酸素原子の打ち込みによって埋め込み酸化物層が形成されかつ前記酸化物層の下に位置する単結晶シリコン基板の一部で、前記基板が形成されることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
帯状部品の2つの直列接続グループのいくつかが、前記箔に形成された2個の帯状導体の間に並列に配列されていることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記箔が折り畳まれるか、または巻かれており、前記折畳みまたは巻くことが、帯状部品の前記2つの相互接続グループの前記接続部が2つの間隔を開けて離れた位置に依然としてあるようなやり方で、前記畳み込みまたは巻きが行われることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれかに記載されるような方法によって得られた熱電デバイス。
【請求項1】
直列接続された帯状部品の2つのグループが上に設けられている可撓性箔を備え、前記2つのグループの部品のために選ばれた材料が異なる熱電係数を有し、一方のグループの部品と他方のグループの別の部品との間の接続部が互いに離れた所に位置する前記箔の2つの領域のうちの1つにいつも交互に位置するように前記グループの部品がパターンに形成されており、さらに、基板に前記帯状部品を設けた後で、前記箔が前記帯状部品の上に設けられ、その後で前記基板が除去された熱電デバイスを製造する方法であって、前記基板に硬質基板が使用され、かつ前記硬質基板の除去の前に硬質支持板が前記箔に取り付けられ、その硬質支持板は前記硬質基板が除去された後で前記可撓性箔から再び除去されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記硬質基板の少なくともより大きな部分が、研削によって除去されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記支持板が接着層によって前記箔に取り付けられ、前記基板の除去後に、前記箔を引っ張って前記接着層から自由にすることで、前記箔が除去されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記接着層の材料に、1,6ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)が接着剤として使用され、そして前記箔の材料にポリイミドが使用されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記基板に半導体基板が使用されることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
帯状部品の前記グループの少なくとも1つの材料に、半導体材料が使用されることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
多結晶シリコン層が上に堆積されている分離層を備えた単結晶シリコン基板が、前記基板に使用されることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
酸素原子の打ち込みによって埋め込み酸化物層が形成されかつ前記酸化物層の下に位置する単結晶シリコン基板の一部で、前記基板が形成されることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
帯状部品の2つの直列接続グループのいくつかが、前記箔に形成された2個の帯状導体の間に並列に配列されていることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記箔が折り畳まれるか、または巻かれており、前記折畳みまたは巻くことが、帯状部品の前記2つの相互接続グループの前記接続部が2つの間隔を開けて離れた位置に依然としてあるようなやり方で、前記畳み込みまたは巻きが行われることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれかに記載されるような方法によって得られた熱電デバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2007−511893(P2007−511893A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530862(P2006−530862)
【出願日】平成16年5月17日(2004.5.17)
【国際出願番号】PCT/IB2004/050710
【国際公開番号】WO2004/105146
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年5月17日(2004.5.17)
【国際出願番号】PCT/IB2004/050710
【国際公開番号】WO2004/105146
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
[ Back to top ]