説明

熱電併給装置とその制御方法

【課題】適切なライフエンドを判定することが可能であるライフエンド判定装置を備えた熱電併給装置を提供することを目的とする。
【解決手段】運転状態記録部103と第1判断部104と起動回数カウンタ105と第2判断部106を備え、第1判断部104が運転状態の履歴データを読み出して、運転状態の順列を解析することによって、発電に至ったときにそれを起動回数としてカウントをしても良いか否かを判断する。これによって、発電へ至る過程によっては起動回数にカウントしなくても良い場合を削除できるので、より正しい起動回数をカウントできるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は熱電併給装置とその制御方法に関し、その運転寿命(ライフエンド)を正確に取得する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のライフエンドに対処可能な熱電併給装置としては、特許文献1に示すものがあった。図10は、前記特許文献1に記載された従来の熱電併給装置を示すものである。図10において、制御装置701は熱電併給装置を制御し、熱電併給装置が運転開始時と運転終了時にそれぞれ運転開始信号702と運転停止信号703を出力する。
【0003】
運転回数計704は運転開始信号702が入力されると、内部に保持する運転回数を+1し、その結果を積算回数信号706として出力する。一方、積算時間計705は運転開始信号702が入力されている時には、内部に保持する積算時間をインクリメントしていて、運転停止信号703が入力されると、そのインクリメントを止める。また、積算時間計705は積算時間を積算時間信号707として出力できる。
【0004】
制御装置701は、制御装置701が記憶している運転回数(=積算回数信号706を受け取って更新する)と、予め設定されている設定回数を比較して、運転回数が設定回数に達した場合は、熱電併給装置を起動させないように制御する。
【0005】
また、制御装置701は、積算時間信号707が示す積算された運転時間と予め設定された設定時間を比較して、運転時間が設定時間以上になった場合は、システムを強制的に停止する。
【0006】
以上によって、従来技術の制御装置701はシステムの運転回数、運転時間が予め設定された設定回数、設定時間を越えて、熱電併給装置が運転を行わないように制御するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−63903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記従来の構成では、以下の課題を有するものである。
【0009】
運転開始信号の入力によって発電回数をカウントするということは、つまり、リトライによる再発電の都度カウントアップすることでもあるので、余分に発電回数をカウントして、正しい発電回数をカウントできない可能性がある。したがって、適切なライフエンドの前に、「ライフエンドである」と判断してしまう。
【0010】
また、発生したエラーによるシステムへのダメージの大小が反映されないので、予想以上にダメージが蓄積して、設定したライフエンドの前にライフエンドを迎えることもあり得る。
【0011】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、適切なライフエンドを判定することが可能であるライフエンド判定装置を備えた熱電併給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記従来の課題を解決するために、本発明の熱電併給装置は、燃料電池装置と、前記燃料電池装置が出力する運転状態の時系列データである運転履歴を記録する運転状態記録部と、前記運転状態記録部が記録した運転状態履歴を読み出して、運転状態の順列から発電状態への遷移を起動回数に含めるか否かを判断して、カウント許可/不許可信号を出力する第1判断部と、前記カウント許可/不許可信号を入力として、カウント許可信号が入力された場合には内部のカウンタを加算して、そのカウント数を出力する起動回数カウンタと、前記起動回数のカウント数と予め設定された最大起動回数を比較して、起動回数以下の場合には運転許可信号を出力し、起動回数が最大起動回数を超える場合には運転不許可信号を出力する第2判断部を備えることにより、正確な発電回数をカウントすることが可能となり、想定通りのライフエンドを判定することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の熱電併給装置によれば、正確な発電回数をカウントすることが可能となり、想定通りのライフエンドを判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1における熱電併給装置のブロック図
【図2】本発明の実施の形態1におけるライフエンドを判定する為のアルゴリズムを示すフローチャート
【図3】本発明の実施の形態1において熱電併給装置から受け取る運転履歴データの一例を示す模式図
【図4】本発明の実施の形態2における熱電併給装置のブロック図
【図5】本発明の実施の形態2における異常状態毎のカウントアップ数を定義した模式図
【図6】本発明の実施の形態3における熱電併給装置のブロック図
【図7】従来の熱電併給装置を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0015】
第1の発明は、燃料電池装置と、前記燃料電池装置が出力する運転状態の時系列データである運転履歴を記録する運転状態記録部と、前記運転状態記録部が記録した運転状態履歴を読み出して、運転状態の順列から発電状態への遷移を起動回数に含めるか否かを判断して、カウント許可/不許可信号を出力する第1判断部と、前記カウント許可/不許可信号を入力として、カウント許可信号が入力された場合には内部のカウンタを加算して、そのカウント数を出力する起動回数カウンタと、前記起動回数のカウント数と予め設定された最大起動回数を比較して、起動回数以下の場合には運転許可信号を出力し、起動回数が最大起動回数を超える場合には運転不許可信号を出力する第2判断部を備えることを特徴とする。
【0016】
第2の発明は、特に、第1の発明の熱電併給装置において、前記第2判断部は、さらに第2の起動回数レジスタを具備し、前記第2の起動回数レジスタ閾値には予め最大起動回数よりも小さい値をセットしておき、前記起動回数が第2の起動回数レジスタにセットされた値を超えた場合には、ライフエンド予告信号を発行することを特徴とする。
【0017】
第3の発明は、特に、第1の発明の熱電併給装置において、燃料電池装置は、運転状態と合わせて異常を検知した場合のそのレベルも出力し、前記運転状態記録部は、前記運転状態と異常状態のレベルの組として運転履歴を記録し、前記第1判断部は前記運転履歴を読み出し、運転状態の時系列順列によって起動回数をカウントするか否かを決定し、また、異常が発生している場合にはその異常状態のレベルに応じてカウント数を決定し、前記
起動回数カウンタは、前記カウント数を内部レジスタに加算することによって起動回数をカウントすることを特徴とする。
【0018】
第4の発明は、特に、第1の発明の熱電併給装置において、前記燃料電池装置は改質器、スタック、インバータといった主たるデバイスとその周辺補機から構成されるブロックに分割され、さらに、前記燃料電池装置は運転状態と異常状態と異常発生ブロックの組を出力し、前記運転状態記録部は、前記運転状態と異常状態と異常発生ブロックの組を運転履歴として時系列に記録し、前記第1判断部は運転状態の時系列順列によって、起動回数としてカウントしても良いか否かを決定し、また、異常が発生した場合には、そのレベルと異常が発生したブロック毎にカウントアップするカウント数を決定し、前記起動回数カウンタは、前記燃料電池装置のブロック毎に内部カウンタを備え、前記第1判断部が出力するブロック毎のカウント数を前記内部レジスタに加算して、ブロック毎の起動回数をカウントし、前記第2判断部は、ブロック毎に最大起動回数を設定可能で、前記ブロック毎の起動回数とそれぞれ比較した上で、一つでも最大起動回数を超えた場合は運転不許可信号を出力し、そうでない場合は運転許可信号を出力することを特徴とする。
【0019】
第5の発明は、燃料電池装置の運転状態を出力するステップと、前記運転状態を時系列に記録して、運転履歴を生成するステップと、前記運転履歴を読み出して、その中の運転状態の順列から発電状態への遷移を起動回数に含めるか否かを判断して、カウント許可/不許可信号を出力するステップと、前記カウント許可/不許可信号を入力としてカウント許可信号が入力された場合には、内部カウンタに保持されている起動回数を加算して、その値を出力するステップと、前記起動回数を入力として、予め定められた最大起動回数と比較し、前記起動回数の方が大きい場合には運転不許可信号を出力し、また、前記起動回数の方が小さい場合には運転許可信号を出力するステップとから成る。
【0020】
第6の発明は、特に、第5の発明の熱電併給装置の制御方法において、前記運転不許可信号を入力された場合は、前記燃料電池装置は次回から発電しないよう制御するステップを含むことを特徴とする。
【0021】
第7の発明は、特に、第5の発明の熱電併給装置の制御方法において、起動回数と最大起動回数よりも小さい値が予め設定された第2の閾値レジスタを比較して、起動回数の方が大きい場合は、ライフエンド予告信号を発行するステップを含むことを特徴とする。
【0022】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0023】
(実施の形態1)
(通常の動き)
図1は、本発明の実施の形態1における熱電併給装置のブロック図である。図1において、燃料電池装置101は、燃料(都市ガス、LPG、灯油など)を入力として、電力と熱を出力とする熱電併給装置であり、同時にその運転状態に応じた運転状態データを出力する。運転状態は待機、起動、発電、停止のいずれかである。
【0024】
運転状態データは運転状態記録部102に入力され、その中で運転状態履歴データとして時系列に記録管理される。第1判断部104は、前記運転状態履歴データを読み出して、時系列に並んだ運転状態とその遷移から、起動回数としてカウントして良いか否かを判断し、カウントの許可/不許可信号を出力する。起動回数カウンタ105は前記のカウンタの許可/不許可信号を入力として、「許可」の場合には内部に保持するカウンタ(図示せず)をカウントアップ(+1)するが、「不許可」の場合には、カウントアップしない。
【0025】
第2判断部106は、前記起動回数カウンタ105が出力する内部カウンタの値(=起動回数)を入力として、予め設定された最大起動回数と比較して、燃料電池装置101が運転しても良いか否かを判断する。ここでは、運転の起動回数が最大起動回数以下の場合には運転を許可する。燃料電池装置101は、運転許可信号を受けて、運転(発電)を継続する。なお、不許可信号が入力された場合でも、今回の運転は継続して、次の機会から運転しないよう制御しても構わない。
【0026】
以下、図1から図3を用いて、起動回数によるライフエンド制御を行う手順を説明する。
図2は、ライフエンド制御を行うアルゴリズムを示すフローチャートである。燃料電池装置101からの運転状態情報の入力があると(ステップ201)、運転状態記録部102はそれを時系列で記録して、運転状態履歴を生成する(ステップ202)。図3は運転状態履歴データの一例を示す模式図である。運転状態は先述したように待機、起動、発電、停止のいずれかの状態を取り、待機は発電指示を待つWAIT状態である。起動は、発電指示があって、電力の出力に至るまでの前処理の状態で、改質器(図示せず)の温度を上げ、燃料から安定的に水素を取り出す準備を行う。発電はスタック(図示せず)に燃料を改質した水素リッチガスを入力して、電力(同時に熱も)を取り出す状態である。最後に停止は停止要求に応じて、燃料の改質を止め、電力(熱)の出力を停止するため、燃料電池装置101のデバイス類(改質器、スタック含む)を安定的に停止させる。
【0027】
ステップ203では、前記した運転状態履歴を読み出し、発電回数カウントに入れても良いか否かを判断する。図3では、待機→起動→発電と遷移した時点でカウントアップを許可する許可信号を生成する。
【0028】
一方で、起動、もしくは発電中にデバイスの異常を検知した場合には、停止状態に入り、一旦発電を止めて、再度起動→発電と遷移させることによって、発電状態に復帰できることがあり得る。例えば、燃料電池装置101内の制御用CPU同士の通信異常を検知した場合である。何らかのノイズによって発生した突発的な異常の場合はリトライすると何事もなく運転できるのである。このときには、発電→停止→起動→発電と待機を経ずに状態遷移して発電に至るので、ここではをカウントアップの不許可信号を生成する。
【0029】
ステップ204ではステップ203で生成したカウント許可/不許可信号を出力する。
【0030】
ステップ205では、このカウント許可/不許可信号を入力として、起動回数カウンタ104は内部のカウンタを+1する、もしくは何もしない。
【0031】
ステップ206では、起動回数カウンタの値を予め設定されている最大起動回数と比較する。
【0032】
起動回数カウンタの値が最大起動回数を超えていない場合は、運転許可信号を出力する(ステップ207)。超えている場合は、運転不許可信号を出力する(ステップ208)。
【0033】
このように、通常、待機状態から発電リクエストを受けると、起動→発電→停止→待機と状態遷移して、一連の発電プロセスを完了するので、これを一回の発電としてカウントすることは良いが、その過程で燃料電池装置101のいずれかのデバイスの動作異常を検知した場合、特にそれが突発的な異常である場合には、発電プロセスをやり直す事によって、動作異常を確定してメンテナンスを行わなくとも、問題なく発電状態に回帰できることがある。一般にリトライによる燃料電池装置101内のデバイスへのダメージは低温状
態から装置の作動時の高温状態への遷移よりもダメージが少なく、このリトライによる発電プロセスも1回の発電としてカウントすると、燃料電池装置101へのダメージを余計にカウントすることに繋がり、想定しているライフエンドよりも早くに最大起動回数に達することが容易に推測できる。しかし、本実施例によれば、発電の度にカウントアップするわけではないので、正しい起動回数をカウントすることができ、想定した最大起動回数まで燃料電池装置101を動作させることが可能である。
【0034】
なお、ステップ203では、待機→起動→発電と遷移した場合に、発電状態でカウントアップ許可信号を出力するように記載したいが、発電→停止→待機と遷移した場合に、待機状態でカウントアップ許可信号を出力するようにしても構わない。この場合でも、リトライ時に待機状態に遷移せず、再度発電へ遷移する場合はカウントアップ許可信号が出力されないので、発電回数を余計にカウントすることがなく、前記した効果と同様の効果が得られるのは明白である。
【0035】
さらに第2判断部は第2の起動回数レジスタを備える。第2の起動回数レジスタには、最大起動回数よりも小さい値を予めセットしておく。設定する値は予告発行から停止までの期間をどれだけ取るかによって調整する。起動回数が第2の起動回数レジスタに設定された値を超えた場合には、ライフエンド予告信号を発行する。燃料電池装置ではこの予告信号を受けると、リモコンなどのユーザーインターフェースを提供する装置の表示装置(図示せず)にライフエンドが近いことを表示する。ユーザーはこれを知ることで突然に燃料電池装置が停止して使えなくなることを回避して、前もって設備を交換するなどの対策を打つことができ、ユーザーの利便性は良くなる。
【0036】
(実施の形態2)
(ダメージによる重み付け)
図4は、本発明の実施の形態2における熱電併給装置を示すブロック図である。図5は、本発明の実施の形態2における異常状態毎のカウントアップ数を定義した模式図である。
【0037】
図4において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0038】
図4において、運転状態記録部401は燃料電池装置101が出力する運転状態と同時に燃料電池装置101が検知した異常状態も記録する。異常状態は図5に示すようにレベル分けされていて、軽い方から軽故障、中故障、重故障とある。また、故障のレベルに応じて、起動回数をカウントアップする際のカウント数を定義している。本模式図は、故障のレベルに応じて、通常時からどれだけのダメージがあるかによって定義したもので、この模式図にある値に限定するものではなく、故障のレベル毎のダメージの大きさによって、変更しても構わない。第1判断部402は、前記した運転状態と異常状態から成る履歴データを読み出して、カウントアップ数を決定する。本実施例では、運転状態の並びから、カウントアップするか否かを決定するアルゴリズムは実施例1と同じであるが、同時に異常状態のレベルに応じて、そのときにカウントアップする数を決定する。
【0039】
起動回数カウンタ403は、カウント数を入力として、内部のカウンタをカウントアップして、起動回数として出力するものである。第2判断部106は実施例1と同様に起動回数カウンタ403が出力する起動回数と予め設定された最大起動回数を比較して運転許可/不許可信号を出力するものであり、燃料電池装置101はその運転許可/不許可信号に基づいて、以後の運転を継続するか否かを決める。
【0040】
以上によれば、本発明の第2の実施例では、異常によって発電を停止した場合に、それによるダメージの大きさを発電回数に変換して、発電回数をカウントアップすることがで
きる。すなわち、従来の実施例では異常が発生して停止させた場合でも、通常に停止した場合でもカウントアップする回数が同じであるので、以上によるダメージの大きさを起動回数、つまりライフエンドに反映させることができなかった。しかしながら、本実施例では運悪く異常停止が多いシステムの場合であってもデバイスへ与えたダメージに応じて発電回数をカウントすることができ、想定しているライフエンドの範囲内でシステムを停止させることが可能となる。
【0041】
(実施の形態3)
(ブロック毎にカウントアップ)
図6は、本発明の実施の形態3における熱電併給装置を示すブロック図である。図6において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。図6において、燃料電池装置101は(運転状態、異常状態、異常が発生したブロック)を出力する。運転状態記録部501は前記の3つを1組として、時系列に記録して履歴データ505を生成する。第1判定部502は、前記の履歴データ505を読み出して、その中の運転状態の並びから第1の実施例と同じアルゴリズムで、カウントアップの可否を判定する。また、履歴データ中の異常状態とそれが発生したブロック毎に図5の模式図を参照して、ブロック毎のカウント数を取得する。第1判定部502は、ブロックとカウント数の組を出力する。起動回数カウンタ503は、ブロック毎にカウンタを持ち、入力された(ブロック、カウント数)の組に応じて、そのカウンタをカウントアップして、(ブロック、起動回数)の組を出力する。
【0042】
第2判断部504は、ブロック毎の起動回数を予め定義された最大起動回数(〜予めブロック毎に定義しておく)と比較して、いずれかのブロックで最大起動回数を超えている場合は運転不許可信号を、そうでない場合は運転許可信号を出力する。
【0043】
以上によれば、本発明の第3の実施例によって、燃料電池装置101のブロック毎に定義された最大起動回数とブロック毎にカウントされた起動回数との比較によって、ライフエンドを判定することが可能となる。即ち、起動の途中で異常を検知して、リトライのプロセスに入った場合でも、異常を検知するまでに使用されたブロックは起動回数としてカウントアップすることができ、使用されなかったブロックはカウントアップされないので、より精度の高い起動回数のカウントをすることが可能となる。
【0044】
また、ブロック毎に異なる最大起動回数を設定することができるので、ブロック内のデバイスに応じて細かなライフエンドを設定することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明にかかる熱電併給装置のライフエンドの判定装置は、設定した発電回数、発電時間をカウントして、適切なライフエンド制御をすることが可能な熱電併給装置に有用である。
【符号の説明】
【0046】
101 燃料電池装置
102 運転状態記録部
103 運転状態履歴データ
104 第1判断部
105 起動回数カウンタ
106 第2判断部
401 運転状態記録部
402 第1判断部
403 起動回数カウンタ
404 運転状態・異常状態の履歴データ
501 運転状態記録部
502 第1判断部
503 起動回数カウンタ
504 第2判断部
505 運転状態・異常状態・ブロックの履歴データ
701 燃料電池制御装置
702 運転開始信号
703 運転停止信号
704 運転回数計
705 積算時間計
706 積算回数計
707 積算時間信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池装置と、前記燃料電池装置が出力する運転状態の時系列データである運転履歴を記録する運転状態記録部と、前記運転状態記録部が記録した運転状態履歴を読み出して、運転状態の順列から発電状態への遷移を起動回数に含めるか否かを判断して、カウント許可/不許可信号を出力する第1判断部と、前記カウント許可/不許可信号を入力として、カウント許可信号が入力された場合には内部のカウンタを加算して、そのカウント数を出力する起動回数カウンタと、前記起動回数のカウント数と予め設定された最大起動回数を比較して、起動回数以下の場合には運転許可信号を出力し、起動回数が最大起動回数を超える場合には運転不許可信号を出力する第2判断部を備えることを特徴とする熱電併給装置。
【請求項2】
前記第2判断部は、さらに第2の起動回数レジスタを具備し、前記第2の起動回数レジスタ閾値には予め最大起動回数よりも小さい値をセットしておき、前記起動回数が第2の起動回数レジスタにセットされた値を超えた場合には、ライフエンド予告信号を発行することを特徴とする請求項1に記載の熱電併給装置。
【請求項3】
燃料電池装置は、運転状態と合わせて異常を検知した場合のそのレベルも出力し、前記運転状態記録部は、前記運転状態と異常状態のレベルの組として運転履歴を記録し、前記第1判断部は前記運転履歴を読み出し、運転状態の時系列順列によって起動回数をカウントするか否かを決定し、また、異常が発生している場合にはその異常状態のレベルに応じてカウント数を決定し、前記起動回数カウンタは、前記カウント数を内部レジスタに加算することによって起動回数をカウントすることを特徴とする請求項1に記載の熱電併給装置。
【請求項4】
前記燃料電池装置は改質器、スタック、インバータといった主たるデバイスとその周辺補機から構成されるブロックに分割され、さらに、前記燃料電池装置は運転状態と異常状態と異常発生ブロックの組を出力し、前記運転状態記録部は、前記運転状態と異常状態と異常発生ブロックの組を運転履歴として時系列に記録し、前記第1判断部は運転状態の時系列順列によって、起動回数としてカウントしても良いか否かを決定し、また、異常が発生した場合には、そのレベルと異常が発生したブロック毎にカウントアップするカウント数を決定し、前記起動回数カウンタは、前記燃料電池装置のブロック毎に内部カウンタを備え、前記第1判断部が出力するブロック毎のカウント数を前記内部レジスタに加算して、ブロック毎の起動回数をカウントし、前記第2判断部は、ブロック毎に最大起動回数を設定可能で、前記ブロック毎の起動回数とそれぞれ比較した上で、一つでも最大起動回数を超えた場合は運転不許可信号を出力し、そうでない場合は運転許可信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の熱電併給装置。
【請求項5】
燃料電池装置の運転状態を出力するステップと、前記運転状態を時系列に記録して、運転履歴を生成するステップと、前記運転履歴を読み出して、その中の運転状態の順列から発電状態への遷移を起動回数に含めるか否かを判断して、カウント許可/不許可信号を出力するステップと、前記カウント許可/不許可信号を入力としてカウント許可信号が入力された場合には、内部カウンタに保持されている起動回数を加算して、その値を出力するステップと、前記起動回数を入力として、予め定められた最大起動回数と比較し、前記起動回数の方が大きい場合には運転不許可信号を出力し、また、前記起動回数の方が小さい場合には運転許可信号を出力するステップとから成る熱電併給装置の制御方法。
【請求項6】
前記運転不許可信号を入力された場合は、前記燃料電池装置は次回から発電しないよう制御するステップを含むことを特徴とする請求項5に記載の熱電併給装置の制御方法。
【請求項7】
起動回数と最大起動回数よりも小さい値が予め設定された第2の閾値レジスタを比較して、起動回数の方が大きい場合は、ライフエンド予告信号を発行するステップを含むことを特徴とする請求項5に記載の熱電併給装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−267561(P2010−267561A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−119527(P2009−119527)
【出願日】平成21年5月18日(2009.5.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】