熱電変換モジュール
【課題】耐久性が優れた熱電変換モジュールを提供する。
【解決手段】第1、第2基板1、3と、複数の電極5a、5bと、複数の熱電変換素子7と、第1、第2フィン9、11とを備えている。各熱電変換素子7は公知のp型熱電変換素子とn型熱電変換素子とからなる。これらのp型熱電変換素子とn型熱電変換素子とが第1基板1と第2基板3との間で格子状に配置されるとともに、第1基板1側の電極5aと、第2基板3側の電極5bによって電気的に直列に接続されている。第1、第2フィン9、11は、それぞれ第1、第2基板1、3の各外面1b、3b側に配置され、第1、第2基板1、3と熱的に接合されている。
【解決手段】第1、第2基板1、3と、複数の電極5a、5bと、複数の熱電変換素子7と、第1、第2フィン9、11とを備えている。各熱電変換素子7は公知のp型熱電変換素子とn型熱電変換素子とからなる。これらのp型熱電変換素子とn型熱電変換素子とが第1基板1と第2基板3との間で格子状に配置されるとともに、第1基板1側の電極5aと、第2基板3側の電極5bによって電気的に直列に接続されている。第1、第2フィン9、11は、それぞれ第1、第2基板1、3の各外面1b、3b側に配置され、第1、第2基板1、3と熱的に接合されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は熱電変換モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の熱電変換モジュールが開示されている。この熱電変換モジュールは、図1に示すように、互いに対向する内面91a、92aと、互いに背向する外面91b、92bとを有する第1基板91及び第2基板92を備えている。また、この熱電変換モジュールは、第1基板91及び第2基板92の各内面91a、92aにそれぞれ設けられた複数の電極93a、93bと、各電極93a、93bによって電気的に直列に接続される複数の熱電変換素子94とを備えている。第1基板91と第2基板92との間に配置された各熱電変換素子94により、各内面91a、92aには矩形の熱電変換素子配置領域が設けられている。
【0003】
この熱電変換モジュールでは、例えば、各熱電変換素子94が生じさせるペルチェ効果により、第1基板91側で吸熱又は放熱を生じ、第2基板92側で第1基板91側とは反対の放熱又は吸熱を生じることが可能となっている。このため、このような熱電変換モジュールは、第1基板91側と第2基板92側との間における熱の移動を利用した熱交換媒体等の冷却又は加熱手段として、空調装置等に採用されつつある。また、この熱電変換モジュールは、ゼーベック効果により、温度差に基づく発電を行うことも可能である。
【0004】
また、このような熱電変換モジュールでは、吸熱及び放熱の効果又は受熱の効果を高める目的から、第1基板91や第2基板92の外面91b、92bに対し、ろう付け等の手段により第1、2フィン95、96が設けられ得る。これらの各フィン95、96は、上記の目的から伝熱性の高い金属等によって形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−111079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記のような熱電変換モジュールでは、ろう付けやはんだ付けにより、製造時において、図1における実線矢印のように第1、2基板91、92が熱変形し、これによって熱電変換素子94が損傷し易く、耐久性が十分でないという問題がある。
【0007】
具体的には、発明者等による応力シミュレーション解析により、図16に示すように、熱電変換素子94の角部Cでは、頂点Pから所定の範囲内において、熱電変換素子94の損傷が起こりえる一定以上の応力が加わる(同図中の一点鎖線で囲われた部分)ことが解明された。なお、ここで、熱電変換素子94の角部Cとは、その頂点Pを含む所定の範囲を意味する。
【0008】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、耐久性が優れた熱電変換モジュールを提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の熱電変換モジュールは、対向して配置される第1基板及び第2基板と、
該第1基板及び該第2基板の対向する各内面にそれぞれ設けられた複数の電極と、
各該電極によって電気的に接続される複数の熱電変換素子とを備え、
該第1基板及び該第2基板の各該内面には、各該熱電変換素子が配置された多角形の熱電変換素子配置領域が設けられている熱電変換モジュールであって、
前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方である特定基板の外面には、該外面から立ち上がる複数の板状部を有するフィンが設けられ、
該外面には、前記熱電変換素子配置領域と厚さ方向で重なるように存在し、該フィンが配置されるフィン配置領域が設けられ、
該フィン配置領域の形状は、該熱電変換素子配置領域の角部の少なくとも一箇所が除かれた形状であることを特徴とする(請求項1)。
【0010】
発明者等による上記の解析により、各熱電変換素子94によって、第1、2基板91、92の各内面91a、92aに多角形の熱電変換素子配置領域が設けられた場合、その熱電変換素子配置領域の角部に位置する熱電変換素子94の角部Cについて、特に応力負荷が集中することが明らかとなった。さらに、このような傾向は、熱電変換素子配置領域と厚さ方向で重なるようにして第1、2基板91、92の各外面91b、92cに第1、2フィン95、96を接合した場合、より顕著となる。第1、2フィン95、96の熱変形の影響をより受け易くなるためである。
【0011】
ここで、熱電変換素子配置領域の角部とは、熱電変換素子配置領域を形成する全ての熱電変換素子における、最も外周側に位置する部分を直線で結んでできる多角形の角部をいう。
【0012】
本発明の熱電変換モジュールでは、特定基板の外面において、熱電変換素子配置領域と厚さ方向で重なるように存在するフィン配置領域は、熱電変換素子配置領域の角部の少なくとも一箇所が除かれた形状をしている。ここで、フィン配置領域の形状は、フィンが有する各板状部を全て包括する外周形状によって規定されることとなる。つまり、フィンの外周形状が例えば矩形であればフィン配置領域も矩形となり、また、フィンの外周形状が例えば五角形であればフィン配置領域も五角形となる。
【0013】
このため、この熱電変換モジュールでは、熱電変換素子配置領域の少なくとも一つの角部に位置する熱電変換素子はフィン配置領域の外側に位置することとなる。このため、フィン配置領域の外側に位置する熱電変換素子には、フィンからの熱変形による応力負荷が作用し難い。このため、この熱電変換モジュールでは、各熱電変換素子や各フィンがろう付けやはんだ付けによって各電極や特定基板に接合される製造時において、特定基板が高熱に曝されても、その熱電変換素子は損傷し難い。なお、この熱電変換モジュールでは、熱電変換素子配置領域の角部に位置する熱電変換素子の全体をフィン配置領域の外側に位置させても良いが、熱電変換素子配置領域の角部に位置する熱電変換素子の一部をフィン配置領域の外側に位置させても良い。
【0014】
したがって、本発明の熱電変換モジュールは優れた耐久性を発揮する。
【0015】
フィンは、それ自体を構成する部材や形状に限定はなく、各板状部は複数の金属板等によって構成され得る。また、フィンは、例えば金属板が波型に曲げ加工されたコルゲートフィンであっても良い。この場合、曲げ加工により、コルゲートフィンにおいて、特定基板の外面から立ち上がるように形成された部分が板状部とされる。さらに、フィンは、特定基板に接合される基部を有し、この基部に複数の板状部が固定されたものでも良い。
【0016】
本発明の熱電変換モジュールにおいて、フィン配置領域の形状は、熱電変換素子配置領域の全ての角部が除かれた形状であることが好ましい(請求項2)。この場合、熱電変換素子配置領域の各角部に位置する熱電変換素子は、全てフィン配置領域の外側に位置することとなる。このため、それらの熱電変換素子は損傷し難くなり、熱電変換モジュールがより優れた耐久性を発揮することとなる。
【0017】
上記の場合、熱電変換素子配置領域は矩形であり、フィン配置領域は八角形であることが好ましい(請求項3)。この場合、熱電変換素子配置領域の各角部、すなわち、熱電変換素子配置領域の四隅に配置された熱電変換素子は、フィン配置領域の外側に位置することとなる。このため、これら四隅に配置された各熱電変換素子には、特定基板やフィンの熱変形による応力負荷が作用し難くなる。
【0018】
また、本発明の熱電変換モジュールは、以下の構成とすることもできる。すなわち、本発明の熱電変換モジュールは、対向して配置される第1基板及び第2基板と、
該第1基板及び該第2基板の対向する各内面にそれぞれ設けられた複数の電極と、
各該電極によって電気的に接続される複数の熱電変換素子とを備え、
該第1基板及び該第2基板の各該内面には、各該熱電変換素子が配置された多角形の熱電変換素子配置領域が設けられている熱電変換モジュールであって、
前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方である特定基板の外面には、該外面から立ち上がる複数の板状部を有するフィンが設けられ、
該外面と該フィンの間には接合材層が設けられ、
該外面には、前記熱電変換素子配置領域と厚さ方向で重なるように存在し、該接合材層が配置される接合材層配置領域が設けられ、
該接合材層配置領域の形状は、該熱電変換素子配置領域の角部の少なくとも一箇所が除かれた形状であることを特徴とする(請求項4)。
【0019】
この熱電変換モジュールでは、特定基板の外面とフィンとの間に、接合材層が設けられ、フィンはこの接合材層を介して特定基板の外面に接合されることとなる。そして、この熱電変換モジュールにおいて、接合材層配置領域は、熱電変換素子配置領域の角部の少なくとも一箇所が除かれた形状をしている。ここで、接合材層配置領域の形状は、上記のフィン配置領域と同様、接合材層の外周形状によって規定される。
【0020】
このため、この熱電変換モジュールでは、特定基板の外面において、熱電変換素子配置領域の少なくとも一つの角部となる位置では、特定基板の外面にフィンが接合されていない状態となる。このため、このフィンが接合されていない箇所に位置する、つまり、接合材層配置領域の外側に位置する熱電変換素子には、特定基板やフィンの熱変形による応力負荷が作用し難くなる。このため、この熱電変換モジュールにおいても、各熱電変換素子や各フィンがろう付けやはんだ付けによって各電極や特定基板に接合される製造時において、特定基板が高熱に曝されても、その熱電変換素子は損傷し難くなっている。なお、この熱電変換モジュールでは、熱電変換素子配置領域の角部に位置する熱電変換素子の全体を接合材層配置領域の外側に位置させても良いが、熱電変換素子配置領域の角部に位置する熱電変換素子の一部を接合材層配置領域の外側に位置させても良い。
【0021】
したがって、この熱電変換モジュールも優れた耐久性を発揮する。
【0022】
上記の接合材層は、例えば特定基板の外面に設けられた金属箔や金属板による金属層や、特定基板の外面に設けられたろう材やはんだ等で形成され得る。また、接合材層は、金属板等とろう材等とで形成され得る。
【0023】
また、熱電変換素子配置領域の角部の少なくとも一箇所が除かれた形状となる金属層が設けられた特定基板を得る方法としては、例えば、特定基板上に接合された金属板等の一部をエッチングによって除去したり、基板上に予めそのような形状に成形された金属板等をろう付け等により接合したりすることが挙げられる。一方、ろう材やはんだ等による接合材層について、熱電変換素子配置領域の角部の少なくとも一箇所が除かれた形状とするためには、例えば、特定基板の外面や金属層の表面又はフィンの裏面にろう付けやはんだ付け等を避ける加工を施す方法が挙げられる。より具体的には、例えば、アルミ板やアルミ箔によって金属層を得ている場合、その一部にアルマイト処理を施す方法や、特定基板の外面や金属層にマスキングを行う方法が挙げられる。
【0024】
なお、この構成による熱電変換モジュールでは、フィンの外周形状、すなわち、フィン配置領域の形状と、熱電変換素子配置領域の形状とが一致していても良い。
【0025】
また、この熱電変換モジュールにおいて、接合材層配置領域の形状は、熱電変換素子配置領域の全ての角部が除かれた形状であることが好ましい(請求項5)。この場合、特定基板の外面において、熱電変換素子配置領域の各角部となる位置では、特定基板の外面にフィンが接合されていない状態となる。このため、熱電変換素子配置領域の各角部に位置する熱電変換素子は、全て接合材層配置領域の外側に位置することとなる。このため、それらの熱電変換素子は損傷し難くなり、熱電変換モジュールがより優れた耐久性を発揮することとなる。
【0026】
上記の場合、熱電変換素子配置領域は矩形であり、接合材層配置領域は八角形であることが好ましい(請求項6)。この場合、熱電変換素子配置領域の四隅に配置された熱電変換素子は、接合材層配置領域の外側に位置することとなる。このため、これら四隅に配置された各熱電変換素子には、特定基板やフィンの熱変形による応力負荷が作用し難くなる。
【0027】
さらに、本発明の熱電変換モジュールは、以下の構成とすることもできる。すなわち、本発明の熱電変換モジュールは、対向して配置される第1基板及び第2基板と、
該第1基板及び該第2基板の対向する各内面にそれぞれ設けられた複数の電極と、
各該電極によって電気的に接続される複数の熱電変換素子とを備え、
該第1基板及び該第2基板の各該内面には、各該熱電変換素子が配置された多角形の熱電変換素子配置領域が設けられている熱電変換モジュールであって、
前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方である特定基板の外面には、該外面から立ち上がる複数の板状部を有するフィンが設けられ、
該フィンは、各該板状部と、該外面と平行な基部とを有し、
該基部は、該熱電変換素子配置領域の角部の少なくとも一箇所で該外面との間に空間を形成していることを特徴とする(請求項7)。
【0028】
この熱電変換モジュールでは、フィンが板状部の他に基部を有しており、この基部は、熱電変換素子配置領域の角部の少なくとも一箇所で特定基板の外面との間に空間を形成するように構成されている。
【0029】
このため、この熱電変換モジュールでは、この空間により、熱電変換素子配置領域の少なくとも一つの角部となる位置では、特定基板の外面にフィンが接合されていない状態となる。このため、熱電変換素子配置領域において、この空間の厚さ方向に位置する熱電変換素子には、特定基板やフィンの熱変形による応力負荷が作用し難くなる。このため、この熱電変換モジュールにおいても、各熱電変換素子や各フィンがろう付けやはんだ付けによって各電極や特定基板に接合される製造時において、特定基板が高熱に曝されても、その熱電変換素子は損傷し難くなっている。なお、この熱電変換モジュールでは、熱電変換素子配置領域の角部に位置する熱電変換素子の全体を空間の厚さ方向に位置させても良いが、接合材層配置領域の外側に位置させても良いが、熱電変換素子配置領域の角部に位置する熱電変換素子の一部を空間の厚さ方向に位置させても良い。
【0030】
したがって、この熱電変換モジュールも優れた耐久性を発揮する。
【0031】
基部について、熱電変換素子配置領域の角部の少なくとも一箇所で特定基板の外面との間に空間を形成させる方法としては、例えば、基部の一部分について、特定基板の外面から立ち上がるように曲げ加工を施すこと等が挙げられる。
【0032】
なお、この構成による熱電変換モジュールでは、基部と特定基板との間に上記の接合材層を設けても良い。
【0033】
また、この熱電変換モジュールにおいて、基部は、熱電変換素子配置領域の全ての角部に空間を形成していることが好ましい(請求項8)。この場合、熱電変換素子配置領域の各角部となる位置では、各空間によって、特定基板の外面にフィンが接合されていない状態となる。このため、熱電変換素子配置領域の各角部に位置する熱電変換素子は、全てこの空間の厚さ方向に位置することとなる。このため、それらの熱電変換素子は、特定基板やフィンの熱変形の熱変形による応力負荷が作用し難くなることで、損傷し難くなる。このため、熱電変換モジュールがより優れた耐久性を発揮することとなる。
【0034】
本発明の熱電変換モジュールは、以下の構成とすることもできる。すなわち、本発明の熱電変換モジュールは、対向して配置される第1基板及び第2基板と、
該第1基板及び該第2基板の対向する各内面にそれぞれ設けられた複数の電極と、
各該電極によって電気的に接続される複数の熱電変換素子とを備え、
該第1基板及び該第2基板の各該内面には、各該熱電変換素子が配置された多角形の熱電変換素子配置領域が設けられている熱電変換モジュールであって、
前記熱電変換素子配置領域は、全ての角部が90°より大きい角度をなしていることを特徴とする(請求項9)。
【0035】
本発明の熱電変換モジュールでは、熱電変換素子配置領域の全ての角部が90°より大きい角度となるように、各熱電変換素子が各内面に配置される。つまり、この熱電変換モジュールでは、第1基板や第2基板の熱変形による応力負荷が大きくなる箇所に各熱電変換素子を配置しないことで、各熱電変換素子を損傷させ難くすることが可能となる。
【0036】
したがって、この熱電変換モジュールも優れた耐久性を発揮する。
【0037】
本発明の熱電変換モジュールにおいて、熱電変換素子配置領域は五角形以上であることが好ましい(請求項10)。また、熱電変換素子配置領域は八角形であることが好ましい(請求項11)。熱電変換素子配置領域がこれらの形状である場合、各内面において、第1基板や第2基板の熱変形による応力負荷が大きくなる箇所への各熱電変換素子の配置を回避しつつ、第1基板と第2基板と間に熱電変換素子を多く配置することが可能となる。このため、この熱電変換モジュールでは、熱電変換素子によるペルチェ効果やゼーベック効果が高まるとともに、熱電変換素子が損傷し難くなる。
【0038】
また、本熱電変換モジュールにおいて、第1基板及び第2基板の少なくとも一方である特定基板の外面には、外面から立ち上がる複数の板状部を有するフィンが設けられ得る。また、外面には、熱電変換素子配置領域と厚さ方向で重なるように存在し、フィンが配置されるフィン配置領域が設けられ得る。そして、フィン配置領域は矩形であることが好ましい(請求項12)。
【0039】
この場合、フィンが配置されることにより、熱電変換モジュールでは、吸熱及び放熱の効果又は受熱の効果が高まる。上記のように、この熱電変換モジュールでは、第1基板や第2基板の熱変形による応力負荷が大きくなる箇所に各熱電変換素子が配置されないため、各熱電変換素子は、特定基板やフィンの熱変形による応力負荷が作用し難くなる。このため、この熱電変換モジュールでは、高性能となるとともに、熱電変換素子が損傷し難くなる。
【0040】
また、第1基板及び第2基板は矩形であり、第1基板及び第2基板と熱電変換素子配置領域とは中心が一致していることが好ましい(請求項13)。この場合、第1基板や第2基板の熱変形による応力負荷が大きくなる箇所である、第1、2基板の各四隅に対して各熱電変換素子を配置すること回避しつつ、各内面に熱電変換素子を多く配置することが可能となる。このため、この熱電変換モジュールでは、高性能となるとともに、熱電変換素子が損傷し難くなる。
【0041】
さらに、本発明の熱電変換モジュールは、以下の構成とすることもできる。すなわち、本発明の熱電変換モジュールは、対向して配置される第1基板及び第2基板と、
該第1基板及び該第2基板の対向する各内面にそれぞれ設けられた複数の電極と、
各該電極によって電気的に接続される複数の熱電変換素子とを備え、
該第1基板及び該第2基板の各該内面には、各該熱電変換素子が配置された多角形の熱電変換素子配置領域が設けられている熱電変換モジュールであって、
前記第1基板及び前記第2基板の間には、前記熱電変換素子配置領域よりも外側で、該第1基板及び該第2基板に当接する複数の柱部材が設けられていることを特徴とする(請求項14)。
【0042】
本発明の熱電変換モジュールでは、複数の柱部材によって、第1基板及び第2基板の熱変形が矯正されるため、熱電変換素子が損傷し難くなっている。
【0043】
したがって、この熱電変換モジュールも優れた耐久性を発揮する。
【0044】
本発明の熱電変換モジュールにおいて、各柱部材は、熱電変換素子配置領域の角部の少なくとも二箇所に設けられた主柱部材のみからなり得る(請求項15)。また各柱部材は、熱電変換素子配置領域の全ての角部に設けられた主柱部材のみからなり得る(請求項16)。
【0045】
上記のように複数の柱部材を設けた場合に、これらを介して第1基板及び第2基板の間で相互に伝熱される、いわゆるヒートブリッジ現象により、熱電変換モジュールの性能低下が懸念される。これに対し、この熱電変換モジュールでは、熱電変換素子配置領域の角部となる二箇所又は、全ての角部に主柱部材を設けることとしている。これにより、第1基板及び第2基板に当接する主柱部材の数を少なくしている。このため、ヒートブリッジ現象による熱電変換モジュールの性能低下を抑制することが可能になっている。なお、熱電変換素子配置領域の全ての角部に主柱部材を設けた場合、熱電変換素子配置領域の角部となる二箇所に主柱部材を設ける場合と比較して、より好適に第1基板及び第2基板の熱変形を矯正することができる。このため、熱電変換素子がより損傷し難くなる。
【0046】
また、柱部材は、熱電変換素子配置領域の角部の少なくとも二箇所に設けられる主柱部材と、主柱部材間の少なくとも一箇所に設けられる副柱部材とからなり得る(請求項17)。この場合、主柱部材と副柱部材とによって、好適に第1基板及び第2基板の熱変形を矯正することができる。
【0047】
本発明の熱電変換モジュールにおいて、熱電変換素子配置領域は矩形であることが好ましい(請求項18)。この場合、熱電変換素子配置領域の全ての角部に主柱部材を設けた場合でも、主柱部材は四本となる。このため、ヒートブリッジ現象を抑制しつつ、1基板及び第2基板の熱変形を好適に矯正することができる。
【0048】
副柱部材は、主柱部材よりも第1基板及び第2基板に平行な面による断面の断面積が小さいことが好ましい(請求項19)この場合、主柱部材よりも副柱部材の上記断面積が小さくなり、ヒートブリッジ現象を抑制できる。また、この場合、副柱部材の製造コストを削減でき、ひいては熱電変換モジュールの製造コストの削減も可能である。
【0049】
主柱部材は、第1基板及び第2基板に平行な面による断面が略L字状に形成されていることが好ましい(請求項20)。この場合、熱電変換素子配置領域の角部に沿って主柱部材を配置することが可能となる。このため、主柱部材は、各熱電変換素子により近い位置で第1基板及び第2基板の熱変形を矯正することが可能となり、熱電変換素子の損傷を好適に防止することが可能である。また、熱電変換素子配置領域の角部に沿って主柱部材を配置することで、熱電変換モジュールの大型化を抑制することも可能となる。
【0050】
上記のようなヒートブリッジ現象を抑制するため、柱部材(主柱部材及び副柱部材)は熱が伝わり難い材料で得られていることが好ましい。また、第1基板及び第2基板の熱変形を矯正する目的から、柱部材は、変形し難い材料で得られていることが好ましい。つまり、柱部材は、熱伝導率が低く、ヤング率が高い材料から得られていることが好ましい。
【0051】
これらの観点から、柱部材はステンレス製であることが好ましい(請求項21)。ステンレスは、熱伝導率が16W/mKであり、ヤング率が200GPaであることから、ステンレスで得られた柱部材、すなわち、主柱部材及び副柱部材によれば、ヒートブリッジ現象を好適に抑制しつつ、第1基板及び第2基板の熱変形を好適に矯正することが可能である。
【発明の効果】
【0052】
本発明の熱電変換モジュールは優れた耐久性を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】従来の熱電変換モジュールを示すCAE解析断面図である。
【図2】実施例1の熱電変換モジュールを示す断面図である。
【図3】実施例1の熱電変換モジュールに係り、第1基板の内面を示す上面図である。
【図4】実施例1の熱電変換モジュールに係り、第1基板の外面を示す背面図である。
【図5】実施例1の熱電変換モジュールに係り、図(A)は部分拡大断面図、図(B)はフィン配置領域、接合層及び金属層を上下にややずらして示す上面図である。
【図6】実施例2の熱電変換モジュールに係り、図(A)は部分拡大断面図、図(B)はフィン配置領域、接合層及び金属層を上下にややずらして示す上面図である。
【図7】実施例3の熱電変換モジュールに係り、図(A)は部分拡大断面図、図(B)はフィン配置領域、接合層及び金属層を上下にややずらして示す上面図である。
【図8】実施例4の熱電変換モジュールに係り、図(A)は部分拡大断面図、図(B)はフィン配置領域、接合層及び金属層を上下にややずらして示す上面図である。
【図9】実施例5の熱電変換モジュールを示す断面図である。
【図10】実施例5の熱電変換モジュールに係り、第1基板の内面を示す上面図である。
【図11】実施例5の熱電変換モジュールに係り、第1基板の外面を示す背面図である。
【図12】実施例6の熱電変換モジュールに係り、第1基板の内面を示す上面図である。
【図13】実施例7の熱電変換モジュールを示す断面図である。
【図14】実施例7の熱電変換モジュールに係り、第1基板の内面を示す上面図である。
【図15】実施例8の熱電変換モジュールに係り、第1基板の内面を示す上面図である。
【図16】従来の熱電変換モジュールにおける熱電変換素子の応力分布図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下、本発明を具体化した実施例1〜8を図面を参照しつつ説明する。
【0055】
(実施例1)
図2に示すように、実施例1の熱電変換モジュールは、第1、2基板1、3と、複数の電極5a、5bと、複数の熱電変換素子7と、第1、2フィン9、11とを備えている。
【0056】
第1、2基板1、3は、それぞれ正方形の板状に成形された窒化アルミで得られている。第1、2基板1、3の各内面1a、3aには、アルミ板からなる電極5a、5bがそれぞれろう付けにより接合されて設けられている。
【0057】
また、第1、2基板1、3の各外面1b、3bには、それぞれ全面に亘って接合材層配置領域16aが設けられており、この接合材層配置領域16aには、第1、2基板1、3と同形状のアルミ板がろう付けにより接合されている。これらのアルミ板は金属層1c、3cを形成している。なお、後述するように、各金属層1c、3cには、それぞれ第1、2フィン9、11が接合されることから、第1、2基板1、3はそれぞれ特定基板に相当する。
【0058】
図3に示すように、第1基板1の内面1aにおける中央には、各熱電変換素子7が配置された熱電変換素子配置領域13aが設けられている。この熱電変換素子配置領域13aは、一辺が長さAの正方形とされている。また、図3では、電極5aを図示しないが、各電極5aはこの熱電変換素子配置領域13a内に配置されている。なお、第2基板3の内面3aにも同様に熱電変換素子配置領域13aが設定されており、図示しない電極5bも同様に配置されている。
【0059】
各熱電変換素子7は公知のp型熱電変換素子とn型熱電変換素子とからなり、各熱電変換素子7はビスマス・テルル系の合金等によって得られている。これらの各熱電変換素子7は同一形状の角柱形状をなしており、各端面は同一の矩形状をなしている。各熱電変換素子7は、それぞれの端面で第1基板1側の電極5a及び第2基板3側の電極5bとはんだによって接合されている。これにより、p型熱電変換素子とn型熱電変換素子とが格子状に配置されることで、上記の熱電変換素子配置領域13aが形成されるとともに、各熱電変換素子7は、第1基板1側の電極5aと、第2基板3側の電極5bによって電気的に直列に接続される。こうして、各熱電変換素子7は、第1基板1及び第2基板3によって熱的に並列に接続された状態となっている。
【0060】
図4に示すように、第1フィン9は、八角形状に形成されたアルミ板の基部9aと、基部9aから外側に向かって垂直に延びるアルミ板からなる複数の板状部9bとで構成されている。基部9aと各板状部9bとは、ろう付けによって接合されている。八角形状に形成された基部9aにより、第1フィン9における第1基板1又は第2基板3と平行な面による各板状部9bを全て包括する外周形状は、八角形状となっている。また、基部9aの両端を除き、各板状部9bの延長方向に沿った基部9aの長さBは、熱電変換素子配置領域13aの長さAと同一とされている。なお、図2に示す第2フィン11も同様の構成であり、八角形状の基部11aと、基部11aから外側に向かって垂直に延びる複数の板状部11bとがろう付けによって接合されて得られている。
【0061】
図5に示すように、金属層1cの外面には、第1フィン9が配置されるフィン配置領域14aが熱電変換素子配置領域13aと第1基板1の厚さ方向で中心Oが一致するように設けられている(図3、4参照)。つまり、フィン配置領域14aと熱電変換素子配置領域13aとは、第1基板1を介して厚さ方向で重なるように位置している。なお、フィン配置領域14aは、第1フィン9の基部9aと同一の八角形状とされている。
【0062】
金属層1cと第1フィン9の基部9aとの間には、ろう材層15aとなる正方形のろう材シートが配置されている。このろう材層15a及び上記の金属層1c、3cがそれぞれ接合材層として機能する。ろう材層15aは金属層1c上に設けられた接合材層配置領域16bに配置されており、金属層1c上において、この接合材層配置領域16bは、フィン配置領域14aの中心と一致するように設けられている。この接合材層配置領域16bは、ろう材層15aと同一形状であり正方形である。なお、図5では、第1基板1側に設けられる接合材層配置領域のみ符号を付して説明する。)。
【0063】
このろう材層15aを介して、金属層1cと基部9aとがろう付けされることにより、第1基板1と第1フィン9とが熱的に接合された状態となっている。図2に示す金属層3cと第2フィン11との間も同様である。
【0064】
以上のように構成されたこの熱電変換モジュールでは、第1、2フィン9、11により、第1、2基板1、3のそれぞれの外面積が拡大され、使用時における吸熱及び放熱の効果又は受熱の効果が高められている。
【0065】
そして、第1フィン9の外周形状が八角形であることからフィン配置領域14aも八角形となっている。このため、第1フィン9は、図3に示すように、熱電変換素子配置領域13aの四隅に配置された各熱電変換素子7の角部の一部が除かれた形状で金属層1cに接合されることとなる。このため、熱電変換素子配置領域13aの四隅の熱電変換素子7はフィン配置領域14aの外側、すなわち、第1フィン9の外側に位置することとなり、各熱電変換素子7に対し、第1基板1や第1フィン9からの熱変形による応力負荷が作用し難くなる。第2フィン11が接合された第2基板3側も同様である。これらのため、熱電変換素子配置領域13aの四隅に配置された熱電変換素子7では、第1、2フィン9、11の熱変形で第1、2基板1、3が熱変形した際における応力負荷が軽減される。
【0066】
したがって、この熱電変換モジュールは、熱電変換素子7が損傷し難いため、優れた耐久性を発揮するとともに、第1、2フィン9、11によって高い性能を発揮する。
【0067】
(実施例2)
図6に示すように、実施例2の熱電変換モジュールでは、第1基板1の外面1bにろう付けされたアルミ製の金属層1dに対してエッチングを行った。当初の金属層1dは第1基板1と同一の形状に成形されている。エッチング後の金属層1dの外周形状は八角形状である。この金属層1dは接合材層として機能する。第1基板1の外面1bには、この金属層1dが配置される接合材層配置領域16cが熱電変換素子配置領域13aと第1基板1の厚さ方向で中心Oが一致するように設定されている。つまり、接合材層配置領域16cと熱電変換素子配置領域13aとは、第1基板1を介して厚さ方向で重なるように位置している。第2基板3の外面3bも同様である。
【0068】
第1フィン9は、熱電変換素子配置領域13aと同一の正方形に形成された基部9cと、複数の板状部9bとで構成されている(図11参照)。つまり、第1フィン9における上記外周形状は正方形となっている。この第1フィン9は、フィン配置領域14bに配置されている。第2フィン11も同様である。
【0069】
図6に示すように、金属層1dの外面には、フィン配置領域14bが熱電変換素子配置領域13aと第1基板1の厚さ方向で中心Oが一致するように設定されている(図3、4参照)。フィン配置領域14bは、第1フィン9の基部9cと同一の正方形とされている。
【0070】
図6に示すように、金属層1dと第1フィン9の基部9cとの間には、ろう材層15bとなる八角形のろう材シートが配置されている。このろう材層15bも上記の金属層1dと同様、接合材層として機能する。ろう材層15bは金属層1d上に設けられた接合材層配置領域16dに配置されており、金属層1d上において、この接合材層配置領域16dは、フィン配置領域14bの中心と一致するように設けられている。なお、接合材層配置領域16cは、ろう材層15b及び金属層1dと同一形状であり八角形である(同図中の(B)参照)。
【0071】
このろう材層15bを介して、金属層1dと基部9cとがろう付けされることにより、第1基板1と第1フィン9とが熱的に接合された状態となっている。第2基板3側も同様である。なお、図6では、第1基板1側に設けられる金属層1d、ろう材層15b、接合材層配置領域16c、16d及びフィン配置領域14bのみ符号を付して説明する。後述の図7、8も同様である。他の構成は実施例1の熱電変換モジュールと同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0072】
この熱電変換モジュールでは、上記のように、接合材層配置領域16cに配置される金属層1dと、接合材層配置領域16dに配置されるろう材層15bの各外周形状が八角形となっている。このため、熱電変換素子配置領域13aの四隅となる位置では、金属層1d、つまり第1基板1の外面1bに第1フィン9が接合されていない状態となっている。このため、この第1フィン9が接合されていない箇所に位置する、すなわち、接合材層配置領域16c、16dの外側に位置する熱電変換素子7には、第1基板1や第1フィン9からの熱変形による応力負荷が作用し難くなる。第2フィン11が接合された第2基板3側も同様である。このため、熱電変換素子配置領域13aの四隅に配置された熱電変換素子7では、第1基板1や第2基板3が熱変形した際における応力負荷が軽減され、熱電変換素子7が損傷し難くなっている。他の作用効果は実施例1の熱電変換モジュールと同様である。
【0073】
(実施例3)
図7に示すように、実施例3の熱電変換モジュールでは、第1基板1の外面1bに対し、プレスにより正方形に加工されたアルミ板がろう付けにより接合され、金属層1eを形成している。この金属層1eの外周形状は、熱電変換素子配置領域13aと同一の正方形である。この金属層1eは接合材層として機能する。第1基板1の外面1bには、この金属層1eが配置される接合材層配置領域16eが熱電変換素子配置領域13aと第1基板1の厚さ方向で中心Oが一致するように設定されている。つまり、接合材層配置領域16eと熱電変換素子配置領域13aとは、第1基板1を介して厚さ方向で重なるように位置している。第2基板3の外面3bも同様である。
【0074】
金属層1eの外面には、フィン配置領域14bが熱電変換素子配置領域13aと第1基板1の厚さ方向で中心Oが一致するように設定されている(図3、4参照)。上記実施例2と同様、フィン配置領域14b及び第1フィンの基部9cは正方形とされている。
【0075】
図7に示すように、金属層1eと第1フィン9の基部9cとの間には、ろう材層15cとなるろう材シートが配置されている。このろう材層15cも上記の金属層1eと同様、接合材層として機能する。ろう材層15cは金属層1e上に設けられた接合材層配置領域16fに配置されている。
【0076】
接合材層配置領域16fとされる金属層1eの外面の各角部には、ろう付けが不可能となるマスク材17が設けられており、ろう材層15cの外周形状は八角形状になっている。また、接合材層配置領域16fの形状も八角形である(同図中の(B)参照)。
【0077】
このろう材層15cを介して、金属層1eと基部9cとがろう付けされることにより、第1基板1と第1フィン9とが熱的に接合された状態となっている。なお、マスク材17は、金属層1eの外面の角部の一箇所にのみ設けられても良い。第2基板3側も同様である。他の構成は実施例1、2の熱電変換モジュールと同様である。
【0078】
この熱電変換モジュールでは、各マスク材17により、上記のように、ろう材層15cの外周形状が八角形とされることから、接合材層配置領域16fも八角形となっている。このため、接合材層配置領域16fの外側となる箇所、すなわち、金属層1eの各角部と基部9cの各角部との間は、各マスク材17により、互いに接合されていない状態となっている。上記のように、金属層1eが熱電変換素子配置領域13aと同一の正方形であり、かつ、金属層1eが熱電変換素子配置領域13aと同一の中心Oで配置されていることから、各マスク材17は、熱電変換素子配置領域13aの四隅に配置された各熱電変換素子7の角部の真下となる位置に設けられることとなる。同様に、第2基板3側では、熱電変換素子配置領域13aの四隅に配置された各熱電変換素子7の角部の真上となる位置に各マスク材17が設けられることとなる。
【0079】
これらのように、各マスク材17により、第1フィン9が金属層1eに接合されていない箇所では、熱電変換素子7に対し、第1基板1や第1フィン9の熱変形による応力負荷が作用し難くなる。第2フィン11が接合された第2基板3側も同様である。このため、熱電変換素子配置領域13aの四隅に配置された熱電変換素子7では、第1基板1や第2基板3が熱変形した際における応力負荷が軽減され、熱電変換素子7が損傷し難くなっている。他の作用効果は実施例1の熱電変換モジュールと同様である。
【0080】
(実施例4)
図8に示すように、実施例4の熱電変換モジュールでは、第1基板1の外面1bに対し、実施例3と同様に、接合材層配置領域16eが設けられ、接合材層配置領域16eには、金属層1eが配置されている。第2基板3の外面3bも同様である。
【0081】
第1フィン9は、熱電変換素子配置領域13aと同一の正方形に形成された基部9dと、複数の板状部9bとで構成されている。この基部9dの各角部は板状部9b側に曲げ加工され、基部9dの各角部には空間19が形成されている。第2フィン11も同様である。なお、曲げ加工が施されるのは、基部9dの角部の一箇所のみであっても良い。
【0082】
金属層1eの外面には、実施例2、3と同様、フィン配置領域14bが熱電変換素子配置領域13aと第1基板1の厚さ方向で中心Oが一致するように設定されている(図3、4参照)。また、金属層1eの外面には、実施例1と同様に、接合材層配置領域16bが設けられており、接合材層配置領域16bには、ろう材層15aが配置されている。このろう材層15a及び上記の金属層1eとは、それぞれ接合材層として機能する。第2基板3側も同様である。他の構成は実施例1の熱電変換モジュールと同様である。
【0083】
この熱電変換モジュールでは、各空間19により、基部9dの各角部は金属層1eと接合されていない状態となっている。上記のように、金属層1e及び基部9dが熱電変換素子配置領域13aと同一の正方形であり、かつ、これらが熱電変換素子配置領域13aと第1基板1の厚さ方向で中心Oが一致するように配置されていることから、各空間19は、熱電変換素子配置領域13aの四隅に配置された各熱電変換素子7の角部の真下に位置することとなる。同様に、第2基板3側では、熱電変換素子配置領域13aの四隅に配置された各熱電変換素子7の角部の真上に空間19が位置することとなる。
【0084】
このため、各空間19により、金属層1eの各角部、つまり、熱電変換素子配置領域13aの四隅に配置された各熱電変換素子7の角部では、第1基板1や第1フィン9からの熱変形による応力負荷が作用し難い。第2フィン11が接合された第2基板3側も同様である。このため、熱電変換素子配置領域13aの四隅に配置された熱電変換素子7では、第1基板1や第2基板3が熱変形した際における応力負荷が軽減され、熱電変換素子7が損傷し難くなっている。他の作用効果は実施例1の熱電変換モジュールと同様である。
【0085】
(実施例5)
図9、10に示すように、実施例5の熱電変換モジュールでは、正方形に形成された第1、2基板1、3に対し、その各内面1a、3aに各熱電変換素子7が八角形に配置されており、八角形の熱電変換素子配置領域13bを形成している。この熱電変換素子配置領域13bの中心Oは、第1、2基板1、3の中心と一致している。つまり、熱電変換素子配置領域13bは、第1、2基板1、3の中央に設けられている。なお、上記のように配置された各熱電変換素子7と電気的に直列に接続可能なように、各電極5a、5bは、第1、2基板1、3の各内面1a、3aにそれぞれ設けられている(図9参照)。
【0086】
図11に示すように、第1フィン9は、正方形に形成された基部9cと、複数の板状部9bとで構成されている。図9に示す第2フィン11も同様に、正方形の基部11cと、複数の板状部11bとで構成されている。
【0087】
図10に示すように、熱電変換素子配置領域13bは八角形であることから、熱電変換素子配置領域13bの全ての角部は90°よりも大きくなり、約135°となっている。また、各両端を除き、各板状部9bの延長方向に沿った熱電変換素子配置領域13bの長さAは、図11に示す基部9cの一辺の長さBと同一とされている。
【0088】
図9に示すように、金属層1cの外面には、実施例2と同様に、第1フィン9が配置されるフィン配置領域14bが熱電変換素子配置領域13bと第1基板1の厚さ方向で中心Oが一致するように設けられている(図3、4参照)。同様に、金属層3cの外面にも、第2フィン11が配置されるフィン配置領域14bが設けられている。
【0089】
図9に示すように、金属層1cと基部9cとの間には、ろう材層15aが設けられている。このろう材層15a及び上記の金属層1c、3cとがそれぞれ接合材層として機能する。なお、金属層1c、3cがそれぞれ配置される接合材層配置領域16aと、ろう材層15aが配置される接合材層配置領域16b(図9では図示を省略する。)との位置関係を含む他の構成は実施例1の熱電変換モジュールと同様である。
【0090】
この熱電変換モジュールでは、図10に示すように、各熱電変換素子7が八角形に配置されることにより、この熱電変換モジュールでは、第1基板1と第2基板3との間に多くの熱電変換素子7が配置されている。その一方で、第1、2基板1、3及び第1、2フィン9、11が熱変形した際に、その応力負荷が大きくなる第1、2基板1、3の各角部である四隅の他、各基部9a、11aの各角部である四隅となる位置に熱電変換素子7が配置されない状態となる。このため、この熱電変換モジュールでは、各熱電変換素子7によりペルチェ効果やゼーベック効果が高められているとともに、応力負荷により熱電変換素子7が損傷し難くなっている。他の作用効果は実施例1の熱電変換モジュールと同様である。
【0091】
したがって、この熱電変換モジュールも優れた耐久性を発揮するとともに、高い性能を発揮する。
【0092】
(実施例6)
図12に示すように、実施例6の熱電変換モジュールでは、実施例5と比較して熱電変換素子配置領域13bがより正八角形に近い形状となるように、各熱電変換素子7が配置されている。なお、上記のように配置された各熱電変換素子7と電気的に直列に接続可能なように、各電極5a、5bは、第1、2基板1、3の各内面1a、3aにそれぞれ設けられている。他の構成は実施例1、5の熱電変換モジュールと同様である。
【0093】
この熱電変換モジュールでは、各熱電変換素子7がより正八角形に近い状態で配置されるため、第1、2基板1、3及び各基部9a、11aの各四隅からより遠い位置に熱電変換素子7が配置されることとなる。このため、この熱電変換モジュールでは、熱電変換素子7がより損傷し難くなっている。他の作用効果は実施例1、5の熱電変換モジュールと同様である。
【0094】
(実施例7)
図13、14に示すように、実施例7の熱電変換モジュールには、熱電変換素子配置領域13aの外側となる四隅に主柱部材21a〜21dが設けられている。これら主柱部材21a〜21dは、それぞれ、第1基板1の内面1aと第2基板3の内面3aとの間において、熱電変換素子配置領域13aの各角部に沿った状態で配置されている。なお、熱電変換素子配置領域13aの角部のうち、二箇所のみに主柱部材21a、21bを設けても良い。
【0095】
図14に示すように、主柱部材21a〜21dは、第1基板1及び第2基板3に平行な面による断面が略L字状のステンレス角柱によって得られている。主柱部材21a〜21dは、それぞれの一端側が第1基板1の内面1aに当接した状態で接合されており、それぞれの他端側が第2基板31の内面3aに当接した状態で接合されている。
【0096】
第1フィン9は、熱電変換素子配置領域13aと同一の正方形に形成された基部9cと、複数の板状部9bとで構成されている。第2フィン11も同様に、基部11cと、複数の板状部11bとで構成されている(図11参照)。
【0097】
図13に示すように、金属層1cと基部9cとの間には、ろう材層15aが設けられている。このろう材層15a及び各金属層1c、3cは接合材層として機能する。ろう材層15aを介して、第1フィン9は熱電変換素子配置領域13と同一の中心Oで、第1基板1に熱的に接合されている。第2基板3と第2フィン11との接合も同様である。フィン配置領域14b及び接合材層配置領域16a、16bの各配置関係を含む他の構成は実施例1の熱電変換モジュールと同様である。
【0098】
この熱電変換モジュールでは、図14に示すように、主柱部材21a〜21dにより、熱電変換素子配置領域13aの全ての角部の外側で第1基板1及び第2基板3の熱変形が矯正されるため、第1基板1や第2基板3が熱変形した際における熱電変換素子7の応力負荷が軽減される。このため、この熱電変換モジュールでは、熱電変換素子7が損傷し難くなっている。
【0099】
また、この熱電変換モジュールでは、熱電変換素子配置領域13aの各角部となる四隅に、主柱部材21a〜21dを設けることで、第1基板1及び第2基板3に当接する主柱部材21a〜21dの数を4本としている。このため、この熱電変換モジュールでは、ヒートブリッジ現象による熱電変換モジュールの性能低下を抑制することが可能になっている。他の作用効果は実施例1の熱電変換モジュールと同様である。
【0100】
したがって、この熱電変換モジュールも優れた耐久性を発揮するとともに、高い性能を発揮する。
【0101】
特に、この熱電変換モジュールでは、主柱部材21a〜21dの上記断面が略L字状に形成されている。このため、この熱電変換モジュールでは、熱電変換素子配置領域13aの各角部に沿って主柱部材21a〜21dを配置することが可能となっている。このため、主柱部材21a〜21dは、各熱電変換素子7により近い位置で第1基板1及び第2基板3の熱変形を矯正することが可能となり、熱電変換素子7の損傷を好適に防止することが可能となっている。また、熱電変換素子配置領域13aの各角部に沿って主柱部材21a〜21dを配置することで、熱電変換モジュールの大型化も抑制されている。
【0102】
また、主柱部材がステンレスであることから、この熱電変換モジュールでは、主柱部材21a〜21dによるヒートブリッジ現象を好適に抑制しつつ、第1基板1及び第2基板3の熱変形を好適に矯正することが可能となっている。
【0103】
(実施例8)
図15に示すように、実施例8の熱電変換モジュールには、上記実施例7の熱電変換モジュールにおける主柱部材21a〜21dに加えて、熱電変換素子配置領域13aよりも外側に副柱部材23a〜23dが設けられている。これら副柱部材23a〜23dは、それぞれ、主柱部材21aと主柱部材21bとの中間の位置に副柱部材23aが配置されており、主柱部材21bと主柱部材21cとの中間に副柱部材23bが配置されている。また、主柱部材21cと主柱部材21dとの中間に副柱部材23cが配置されており、主柱部材21dと主柱部材21aとの中間に副柱部材23dが配置されている。
【0104】
副柱部材23a〜23dは、第1基板1及び第2基板3に平行な面による断面が四角のステンレス角柱によって得られている。これら副柱部材23a〜23dは、主柱部材21a〜21dよりも、上記断面の断面積が小さくなるように、細いステンレス角柱が採用されている。副柱部材23a〜23dも、それぞれの一端側が第1基板1の内面1aに当接した状態で接合されており、それぞれの他端側が第2基板3の内面3aに当接した状態で接合されている。他の構成は実施例1、7の熱電変換モジュールと同様である。
【0105】
この熱電変換モジュールでは、主柱部材21a〜21d及び副柱部材23a〜23dによって、第1基板1及び第2基板3の熱変形がより好適に矯正されるため、熱電変換素子7がより損傷し難くなっている。
【0106】
また、副柱部材23a〜23dの上記断面が主柱部材21a〜21dより小さく、かつステンレスであることから、ヒートブリッジ現象を抑制しつつ、第1基板1及び第2基板3の熱変形を好適に矯正することが可能となっている。さらに、副柱部材23a〜23dの製造コストが削減できることから、熱電変換モジュールの製造コストを削減することが可能になっている。他の作用効果は実施例1、7の熱電変換モジュールと同様である。
【0107】
以上において、本発明を実施例1〜8に即して説明したが、本発明は上記実施例1〜8に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0108】
例えば、第1、2フィン9、11として、例えばアルミ板等が波型に曲げ加工されて得られたコルゲートフィンを採用することもできる。この場合、曲げ加工により、第1基板1の外面1b及び第2基板3の外面3bから立ち上がるように形成された部分を板状部とすることができ、第1基板1の外面1b及び第2基板3の外面3bに平行な部分を基部とすることができる。
【0109】
また、実施例5〜8の熱電変換モジュールにおいて、第1、2フィン9、11を設けずに構成することもできる。
【0110】
さらに、実施例3の熱電変換モジュールにおいて、第1、2基板1、3の各外面1b、3bには、金属層1c、3cが設けられても良い。この場合、各マスク材17は、各金属層1c、3cの外面において、熱電変換素子配置領域13aの四隅に配置された各熱電変換素子7の角部の真下又は真上となる位置に設けられることが好ましい。
【0111】
また、実施例7、8の熱電変換モジュールにおいて、主柱部材21a〜21dを設けず、副柱部材23a〜23dのみを設ける構成とすることもできる。
【0112】
さらに、実施例8の熱電変換モジュールにおいて、熱電変換素子配置領域13bの対角となる位置に配置された主柱部材21a、21cと、各副柱部材23a〜23dとを設ける構成とすることもできる。
【0113】
また、副柱部材23a〜23dとして、第1基板1及び第2基板3に平行な面による断面が円や三角となるステンレス材を採用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明は熱電変換モジュールの他、熱電変換素子のペルチェ効果を利用した空調装置の他、熱電変換素子のゼーベック効果を利用した発電装置等に利用可能である。
【符号の説明】
【0115】
1…第1基板
1a…内面
1b…外面
1c〜1e…金属層(接合材層)
3…第2基板
3a…内面
3b…外面
3c…金属層(接合材層)
5a、5b…電極
7…熱電変換素子
9…第1フィン(フィン)
9a、9c…基部
9b…板状部
11…第2フィン(フィン)
11a…基部
11b…板状部
13a、13b…熱電変換素子配置領域
14a、14b…フィン配置領域
15a〜15c…ろう材層(接合材層)
16a〜16f…接合材層配置領域
21a〜21d…主柱部材
23a〜23d…副柱部材
O…中心
【技術分野】
【0001】
本発明は熱電変換モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の熱電変換モジュールが開示されている。この熱電変換モジュールは、図1に示すように、互いに対向する内面91a、92aと、互いに背向する外面91b、92bとを有する第1基板91及び第2基板92を備えている。また、この熱電変換モジュールは、第1基板91及び第2基板92の各内面91a、92aにそれぞれ設けられた複数の電極93a、93bと、各電極93a、93bによって電気的に直列に接続される複数の熱電変換素子94とを備えている。第1基板91と第2基板92との間に配置された各熱電変換素子94により、各内面91a、92aには矩形の熱電変換素子配置領域が設けられている。
【0003】
この熱電変換モジュールでは、例えば、各熱電変換素子94が生じさせるペルチェ効果により、第1基板91側で吸熱又は放熱を生じ、第2基板92側で第1基板91側とは反対の放熱又は吸熱を生じることが可能となっている。このため、このような熱電変換モジュールは、第1基板91側と第2基板92側との間における熱の移動を利用した熱交換媒体等の冷却又は加熱手段として、空調装置等に採用されつつある。また、この熱電変換モジュールは、ゼーベック効果により、温度差に基づく発電を行うことも可能である。
【0004】
また、このような熱電変換モジュールでは、吸熱及び放熱の効果又は受熱の効果を高める目的から、第1基板91や第2基板92の外面91b、92bに対し、ろう付け等の手段により第1、2フィン95、96が設けられ得る。これらの各フィン95、96は、上記の目的から伝熱性の高い金属等によって形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−111079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記のような熱電変換モジュールでは、ろう付けやはんだ付けにより、製造時において、図1における実線矢印のように第1、2基板91、92が熱変形し、これによって熱電変換素子94が損傷し易く、耐久性が十分でないという問題がある。
【0007】
具体的には、発明者等による応力シミュレーション解析により、図16に示すように、熱電変換素子94の角部Cでは、頂点Pから所定の範囲内において、熱電変換素子94の損傷が起こりえる一定以上の応力が加わる(同図中の一点鎖線で囲われた部分)ことが解明された。なお、ここで、熱電変換素子94の角部Cとは、その頂点Pを含む所定の範囲を意味する。
【0008】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、耐久性が優れた熱電変換モジュールを提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の熱電変換モジュールは、対向して配置される第1基板及び第2基板と、
該第1基板及び該第2基板の対向する各内面にそれぞれ設けられた複数の電極と、
各該電極によって電気的に接続される複数の熱電変換素子とを備え、
該第1基板及び該第2基板の各該内面には、各該熱電変換素子が配置された多角形の熱電変換素子配置領域が設けられている熱電変換モジュールであって、
前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方である特定基板の外面には、該外面から立ち上がる複数の板状部を有するフィンが設けられ、
該外面には、前記熱電変換素子配置領域と厚さ方向で重なるように存在し、該フィンが配置されるフィン配置領域が設けられ、
該フィン配置領域の形状は、該熱電変換素子配置領域の角部の少なくとも一箇所が除かれた形状であることを特徴とする(請求項1)。
【0010】
発明者等による上記の解析により、各熱電変換素子94によって、第1、2基板91、92の各内面91a、92aに多角形の熱電変換素子配置領域が設けられた場合、その熱電変換素子配置領域の角部に位置する熱電変換素子94の角部Cについて、特に応力負荷が集中することが明らかとなった。さらに、このような傾向は、熱電変換素子配置領域と厚さ方向で重なるようにして第1、2基板91、92の各外面91b、92cに第1、2フィン95、96を接合した場合、より顕著となる。第1、2フィン95、96の熱変形の影響をより受け易くなるためである。
【0011】
ここで、熱電変換素子配置領域の角部とは、熱電変換素子配置領域を形成する全ての熱電変換素子における、最も外周側に位置する部分を直線で結んでできる多角形の角部をいう。
【0012】
本発明の熱電変換モジュールでは、特定基板の外面において、熱電変換素子配置領域と厚さ方向で重なるように存在するフィン配置領域は、熱電変換素子配置領域の角部の少なくとも一箇所が除かれた形状をしている。ここで、フィン配置領域の形状は、フィンが有する各板状部を全て包括する外周形状によって規定されることとなる。つまり、フィンの外周形状が例えば矩形であればフィン配置領域も矩形となり、また、フィンの外周形状が例えば五角形であればフィン配置領域も五角形となる。
【0013】
このため、この熱電変換モジュールでは、熱電変換素子配置領域の少なくとも一つの角部に位置する熱電変換素子はフィン配置領域の外側に位置することとなる。このため、フィン配置領域の外側に位置する熱電変換素子には、フィンからの熱変形による応力負荷が作用し難い。このため、この熱電変換モジュールでは、各熱電変換素子や各フィンがろう付けやはんだ付けによって各電極や特定基板に接合される製造時において、特定基板が高熱に曝されても、その熱電変換素子は損傷し難い。なお、この熱電変換モジュールでは、熱電変換素子配置領域の角部に位置する熱電変換素子の全体をフィン配置領域の外側に位置させても良いが、熱電変換素子配置領域の角部に位置する熱電変換素子の一部をフィン配置領域の外側に位置させても良い。
【0014】
したがって、本発明の熱電変換モジュールは優れた耐久性を発揮する。
【0015】
フィンは、それ自体を構成する部材や形状に限定はなく、各板状部は複数の金属板等によって構成され得る。また、フィンは、例えば金属板が波型に曲げ加工されたコルゲートフィンであっても良い。この場合、曲げ加工により、コルゲートフィンにおいて、特定基板の外面から立ち上がるように形成された部分が板状部とされる。さらに、フィンは、特定基板に接合される基部を有し、この基部に複数の板状部が固定されたものでも良い。
【0016】
本発明の熱電変換モジュールにおいて、フィン配置領域の形状は、熱電変換素子配置領域の全ての角部が除かれた形状であることが好ましい(請求項2)。この場合、熱電変換素子配置領域の各角部に位置する熱電変換素子は、全てフィン配置領域の外側に位置することとなる。このため、それらの熱電変換素子は損傷し難くなり、熱電変換モジュールがより優れた耐久性を発揮することとなる。
【0017】
上記の場合、熱電変換素子配置領域は矩形であり、フィン配置領域は八角形であることが好ましい(請求項3)。この場合、熱電変換素子配置領域の各角部、すなわち、熱電変換素子配置領域の四隅に配置された熱電変換素子は、フィン配置領域の外側に位置することとなる。このため、これら四隅に配置された各熱電変換素子には、特定基板やフィンの熱変形による応力負荷が作用し難くなる。
【0018】
また、本発明の熱電変換モジュールは、以下の構成とすることもできる。すなわち、本発明の熱電変換モジュールは、対向して配置される第1基板及び第2基板と、
該第1基板及び該第2基板の対向する各内面にそれぞれ設けられた複数の電極と、
各該電極によって電気的に接続される複数の熱電変換素子とを備え、
該第1基板及び該第2基板の各該内面には、各該熱電変換素子が配置された多角形の熱電変換素子配置領域が設けられている熱電変換モジュールであって、
前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方である特定基板の外面には、該外面から立ち上がる複数の板状部を有するフィンが設けられ、
該外面と該フィンの間には接合材層が設けられ、
該外面には、前記熱電変換素子配置領域と厚さ方向で重なるように存在し、該接合材層が配置される接合材層配置領域が設けられ、
該接合材層配置領域の形状は、該熱電変換素子配置領域の角部の少なくとも一箇所が除かれた形状であることを特徴とする(請求項4)。
【0019】
この熱電変換モジュールでは、特定基板の外面とフィンとの間に、接合材層が設けられ、フィンはこの接合材層を介して特定基板の外面に接合されることとなる。そして、この熱電変換モジュールにおいて、接合材層配置領域は、熱電変換素子配置領域の角部の少なくとも一箇所が除かれた形状をしている。ここで、接合材層配置領域の形状は、上記のフィン配置領域と同様、接合材層の外周形状によって規定される。
【0020】
このため、この熱電変換モジュールでは、特定基板の外面において、熱電変換素子配置領域の少なくとも一つの角部となる位置では、特定基板の外面にフィンが接合されていない状態となる。このため、このフィンが接合されていない箇所に位置する、つまり、接合材層配置領域の外側に位置する熱電変換素子には、特定基板やフィンの熱変形による応力負荷が作用し難くなる。このため、この熱電変換モジュールにおいても、各熱電変換素子や各フィンがろう付けやはんだ付けによって各電極や特定基板に接合される製造時において、特定基板が高熱に曝されても、その熱電変換素子は損傷し難くなっている。なお、この熱電変換モジュールでは、熱電変換素子配置領域の角部に位置する熱電変換素子の全体を接合材層配置領域の外側に位置させても良いが、熱電変換素子配置領域の角部に位置する熱電変換素子の一部を接合材層配置領域の外側に位置させても良い。
【0021】
したがって、この熱電変換モジュールも優れた耐久性を発揮する。
【0022】
上記の接合材層は、例えば特定基板の外面に設けられた金属箔や金属板による金属層や、特定基板の外面に設けられたろう材やはんだ等で形成され得る。また、接合材層は、金属板等とろう材等とで形成され得る。
【0023】
また、熱電変換素子配置領域の角部の少なくとも一箇所が除かれた形状となる金属層が設けられた特定基板を得る方法としては、例えば、特定基板上に接合された金属板等の一部をエッチングによって除去したり、基板上に予めそのような形状に成形された金属板等をろう付け等により接合したりすることが挙げられる。一方、ろう材やはんだ等による接合材層について、熱電変換素子配置領域の角部の少なくとも一箇所が除かれた形状とするためには、例えば、特定基板の外面や金属層の表面又はフィンの裏面にろう付けやはんだ付け等を避ける加工を施す方法が挙げられる。より具体的には、例えば、アルミ板やアルミ箔によって金属層を得ている場合、その一部にアルマイト処理を施す方法や、特定基板の外面や金属層にマスキングを行う方法が挙げられる。
【0024】
なお、この構成による熱電変換モジュールでは、フィンの外周形状、すなわち、フィン配置領域の形状と、熱電変換素子配置領域の形状とが一致していても良い。
【0025】
また、この熱電変換モジュールにおいて、接合材層配置領域の形状は、熱電変換素子配置領域の全ての角部が除かれた形状であることが好ましい(請求項5)。この場合、特定基板の外面において、熱電変換素子配置領域の各角部となる位置では、特定基板の外面にフィンが接合されていない状態となる。このため、熱電変換素子配置領域の各角部に位置する熱電変換素子は、全て接合材層配置領域の外側に位置することとなる。このため、それらの熱電変換素子は損傷し難くなり、熱電変換モジュールがより優れた耐久性を発揮することとなる。
【0026】
上記の場合、熱電変換素子配置領域は矩形であり、接合材層配置領域は八角形であることが好ましい(請求項6)。この場合、熱電変換素子配置領域の四隅に配置された熱電変換素子は、接合材層配置領域の外側に位置することとなる。このため、これら四隅に配置された各熱電変換素子には、特定基板やフィンの熱変形による応力負荷が作用し難くなる。
【0027】
さらに、本発明の熱電変換モジュールは、以下の構成とすることもできる。すなわち、本発明の熱電変換モジュールは、対向して配置される第1基板及び第2基板と、
該第1基板及び該第2基板の対向する各内面にそれぞれ設けられた複数の電極と、
各該電極によって電気的に接続される複数の熱電変換素子とを備え、
該第1基板及び該第2基板の各該内面には、各該熱電変換素子が配置された多角形の熱電変換素子配置領域が設けられている熱電変換モジュールであって、
前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方である特定基板の外面には、該外面から立ち上がる複数の板状部を有するフィンが設けられ、
該フィンは、各該板状部と、該外面と平行な基部とを有し、
該基部は、該熱電変換素子配置領域の角部の少なくとも一箇所で該外面との間に空間を形成していることを特徴とする(請求項7)。
【0028】
この熱電変換モジュールでは、フィンが板状部の他に基部を有しており、この基部は、熱電変換素子配置領域の角部の少なくとも一箇所で特定基板の外面との間に空間を形成するように構成されている。
【0029】
このため、この熱電変換モジュールでは、この空間により、熱電変換素子配置領域の少なくとも一つの角部となる位置では、特定基板の外面にフィンが接合されていない状態となる。このため、熱電変換素子配置領域において、この空間の厚さ方向に位置する熱電変換素子には、特定基板やフィンの熱変形による応力負荷が作用し難くなる。このため、この熱電変換モジュールにおいても、各熱電変換素子や各フィンがろう付けやはんだ付けによって各電極や特定基板に接合される製造時において、特定基板が高熱に曝されても、その熱電変換素子は損傷し難くなっている。なお、この熱電変換モジュールでは、熱電変換素子配置領域の角部に位置する熱電変換素子の全体を空間の厚さ方向に位置させても良いが、接合材層配置領域の外側に位置させても良いが、熱電変換素子配置領域の角部に位置する熱電変換素子の一部を空間の厚さ方向に位置させても良い。
【0030】
したがって、この熱電変換モジュールも優れた耐久性を発揮する。
【0031】
基部について、熱電変換素子配置領域の角部の少なくとも一箇所で特定基板の外面との間に空間を形成させる方法としては、例えば、基部の一部分について、特定基板の外面から立ち上がるように曲げ加工を施すこと等が挙げられる。
【0032】
なお、この構成による熱電変換モジュールでは、基部と特定基板との間に上記の接合材層を設けても良い。
【0033】
また、この熱電変換モジュールにおいて、基部は、熱電変換素子配置領域の全ての角部に空間を形成していることが好ましい(請求項8)。この場合、熱電変換素子配置領域の各角部となる位置では、各空間によって、特定基板の外面にフィンが接合されていない状態となる。このため、熱電変換素子配置領域の各角部に位置する熱電変換素子は、全てこの空間の厚さ方向に位置することとなる。このため、それらの熱電変換素子は、特定基板やフィンの熱変形の熱変形による応力負荷が作用し難くなることで、損傷し難くなる。このため、熱電変換モジュールがより優れた耐久性を発揮することとなる。
【0034】
本発明の熱電変換モジュールは、以下の構成とすることもできる。すなわち、本発明の熱電変換モジュールは、対向して配置される第1基板及び第2基板と、
該第1基板及び該第2基板の対向する各内面にそれぞれ設けられた複数の電極と、
各該電極によって電気的に接続される複数の熱電変換素子とを備え、
該第1基板及び該第2基板の各該内面には、各該熱電変換素子が配置された多角形の熱電変換素子配置領域が設けられている熱電変換モジュールであって、
前記熱電変換素子配置領域は、全ての角部が90°より大きい角度をなしていることを特徴とする(請求項9)。
【0035】
本発明の熱電変換モジュールでは、熱電変換素子配置領域の全ての角部が90°より大きい角度となるように、各熱電変換素子が各内面に配置される。つまり、この熱電変換モジュールでは、第1基板や第2基板の熱変形による応力負荷が大きくなる箇所に各熱電変換素子を配置しないことで、各熱電変換素子を損傷させ難くすることが可能となる。
【0036】
したがって、この熱電変換モジュールも優れた耐久性を発揮する。
【0037】
本発明の熱電変換モジュールにおいて、熱電変換素子配置領域は五角形以上であることが好ましい(請求項10)。また、熱電変換素子配置領域は八角形であることが好ましい(請求項11)。熱電変換素子配置領域がこれらの形状である場合、各内面において、第1基板や第2基板の熱変形による応力負荷が大きくなる箇所への各熱電変換素子の配置を回避しつつ、第1基板と第2基板と間に熱電変換素子を多く配置することが可能となる。このため、この熱電変換モジュールでは、熱電変換素子によるペルチェ効果やゼーベック効果が高まるとともに、熱電変換素子が損傷し難くなる。
【0038】
また、本熱電変換モジュールにおいて、第1基板及び第2基板の少なくとも一方である特定基板の外面には、外面から立ち上がる複数の板状部を有するフィンが設けられ得る。また、外面には、熱電変換素子配置領域と厚さ方向で重なるように存在し、フィンが配置されるフィン配置領域が設けられ得る。そして、フィン配置領域は矩形であることが好ましい(請求項12)。
【0039】
この場合、フィンが配置されることにより、熱電変換モジュールでは、吸熱及び放熱の効果又は受熱の効果が高まる。上記のように、この熱電変換モジュールでは、第1基板や第2基板の熱変形による応力負荷が大きくなる箇所に各熱電変換素子が配置されないため、各熱電変換素子は、特定基板やフィンの熱変形による応力負荷が作用し難くなる。このため、この熱電変換モジュールでは、高性能となるとともに、熱電変換素子が損傷し難くなる。
【0040】
また、第1基板及び第2基板は矩形であり、第1基板及び第2基板と熱電変換素子配置領域とは中心が一致していることが好ましい(請求項13)。この場合、第1基板や第2基板の熱変形による応力負荷が大きくなる箇所である、第1、2基板の各四隅に対して各熱電変換素子を配置すること回避しつつ、各内面に熱電変換素子を多く配置することが可能となる。このため、この熱電変換モジュールでは、高性能となるとともに、熱電変換素子が損傷し難くなる。
【0041】
さらに、本発明の熱電変換モジュールは、以下の構成とすることもできる。すなわち、本発明の熱電変換モジュールは、対向して配置される第1基板及び第2基板と、
該第1基板及び該第2基板の対向する各内面にそれぞれ設けられた複数の電極と、
各該電極によって電気的に接続される複数の熱電変換素子とを備え、
該第1基板及び該第2基板の各該内面には、各該熱電変換素子が配置された多角形の熱電変換素子配置領域が設けられている熱電変換モジュールであって、
前記第1基板及び前記第2基板の間には、前記熱電変換素子配置領域よりも外側で、該第1基板及び該第2基板に当接する複数の柱部材が設けられていることを特徴とする(請求項14)。
【0042】
本発明の熱電変換モジュールでは、複数の柱部材によって、第1基板及び第2基板の熱変形が矯正されるため、熱電変換素子が損傷し難くなっている。
【0043】
したがって、この熱電変換モジュールも優れた耐久性を発揮する。
【0044】
本発明の熱電変換モジュールにおいて、各柱部材は、熱電変換素子配置領域の角部の少なくとも二箇所に設けられた主柱部材のみからなり得る(請求項15)。また各柱部材は、熱電変換素子配置領域の全ての角部に設けられた主柱部材のみからなり得る(請求項16)。
【0045】
上記のように複数の柱部材を設けた場合に、これらを介して第1基板及び第2基板の間で相互に伝熱される、いわゆるヒートブリッジ現象により、熱電変換モジュールの性能低下が懸念される。これに対し、この熱電変換モジュールでは、熱電変換素子配置領域の角部となる二箇所又は、全ての角部に主柱部材を設けることとしている。これにより、第1基板及び第2基板に当接する主柱部材の数を少なくしている。このため、ヒートブリッジ現象による熱電変換モジュールの性能低下を抑制することが可能になっている。なお、熱電変換素子配置領域の全ての角部に主柱部材を設けた場合、熱電変換素子配置領域の角部となる二箇所に主柱部材を設ける場合と比較して、より好適に第1基板及び第2基板の熱変形を矯正することができる。このため、熱電変換素子がより損傷し難くなる。
【0046】
また、柱部材は、熱電変換素子配置領域の角部の少なくとも二箇所に設けられる主柱部材と、主柱部材間の少なくとも一箇所に設けられる副柱部材とからなり得る(請求項17)。この場合、主柱部材と副柱部材とによって、好適に第1基板及び第2基板の熱変形を矯正することができる。
【0047】
本発明の熱電変換モジュールにおいて、熱電変換素子配置領域は矩形であることが好ましい(請求項18)。この場合、熱電変換素子配置領域の全ての角部に主柱部材を設けた場合でも、主柱部材は四本となる。このため、ヒートブリッジ現象を抑制しつつ、1基板及び第2基板の熱変形を好適に矯正することができる。
【0048】
副柱部材は、主柱部材よりも第1基板及び第2基板に平行な面による断面の断面積が小さいことが好ましい(請求項19)この場合、主柱部材よりも副柱部材の上記断面積が小さくなり、ヒートブリッジ現象を抑制できる。また、この場合、副柱部材の製造コストを削減でき、ひいては熱電変換モジュールの製造コストの削減も可能である。
【0049】
主柱部材は、第1基板及び第2基板に平行な面による断面が略L字状に形成されていることが好ましい(請求項20)。この場合、熱電変換素子配置領域の角部に沿って主柱部材を配置することが可能となる。このため、主柱部材は、各熱電変換素子により近い位置で第1基板及び第2基板の熱変形を矯正することが可能となり、熱電変換素子の損傷を好適に防止することが可能である。また、熱電変換素子配置領域の角部に沿って主柱部材を配置することで、熱電変換モジュールの大型化を抑制することも可能となる。
【0050】
上記のようなヒートブリッジ現象を抑制するため、柱部材(主柱部材及び副柱部材)は熱が伝わり難い材料で得られていることが好ましい。また、第1基板及び第2基板の熱変形を矯正する目的から、柱部材は、変形し難い材料で得られていることが好ましい。つまり、柱部材は、熱伝導率が低く、ヤング率が高い材料から得られていることが好ましい。
【0051】
これらの観点から、柱部材はステンレス製であることが好ましい(請求項21)。ステンレスは、熱伝導率が16W/mKであり、ヤング率が200GPaであることから、ステンレスで得られた柱部材、すなわち、主柱部材及び副柱部材によれば、ヒートブリッジ現象を好適に抑制しつつ、第1基板及び第2基板の熱変形を好適に矯正することが可能である。
【発明の効果】
【0052】
本発明の熱電変換モジュールは優れた耐久性を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】従来の熱電変換モジュールを示すCAE解析断面図である。
【図2】実施例1の熱電変換モジュールを示す断面図である。
【図3】実施例1の熱電変換モジュールに係り、第1基板の内面を示す上面図である。
【図4】実施例1の熱電変換モジュールに係り、第1基板の外面を示す背面図である。
【図5】実施例1の熱電変換モジュールに係り、図(A)は部分拡大断面図、図(B)はフィン配置領域、接合層及び金属層を上下にややずらして示す上面図である。
【図6】実施例2の熱電変換モジュールに係り、図(A)は部分拡大断面図、図(B)はフィン配置領域、接合層及び金属層を上下にややずらして示す上面図である。
【図7】実施例3の熱電変換モジュールに係り、図(A)は部分拡大断面図、図(B)はフィン配置領域、接合層及び金属層を上下にややずらして示す上面図である。
【図8】実施例4の熱電変換モジュールに係り、図(A)は部分拡大断面図、図(B)はフィン配置領域、接合層及び金属層を上下にややずらして示す上面図である。
【図9】実施例5の熱電変換モジュールを示す断面図である。
【図10】実施例5の熱電変換モジュールに係り、第1基板の内面を示す上面図である。
【図11】実施例5の熱電変換モジュールに係り、第1基板の外面を示す背面図である。
【図12】実施例6の熱電変換モジュールに係り、第1基板の内面を示す上面図である。
【図13】実施例7の熱電変換モジュールを示す断面図である。
【図14】実施例7の熱電変換モジュールに係り、第1基板の内面を示す上面図である。
【図15】実施例8の熱電変換モジュールに係り、第1基板の内面を示す上面図である。
【図16】従来の熱電変換モジュールにおける熱電変換素子の応力分布図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下、本発明を具体化した実施例1〜8を図面を参照しつつ説明する。
【0055】
(実施例1)
図2に示すように、実施例1の熱電変換モジュールは、第1、2基板1、3と、複数の電極5a、5bと、複数の熱電変換素子7と、第1、2フィン9、11とを備えている。
【0056】
第1、2基板1、3は、それぞれ正方形の板状に成形された窒化アルミで得られている。第1、2基板1、3の各内面1a、3aには、アルミ板からなる電極5a、5bがそれぞれろう付けにより接合されて設けられている。
【0057】
また、第1、2基板1、3の各外面1b、3bには、それぞれ全面に亘って接合材層配置領域16aが設けられており、この接合材層配置領域16aには、第1、2基板1、3と同形状のアルミ板がろう付けにより接合されている。これらのアルミ板は金属層1c、3cを形成している。なお、後述するように、各金属層1c、3cには、それぞれ第1、2フィン9、11が接合されることから、第1、2基板1、3はそれぞれ特定基板に相当する。
【0058】
図3に示すように、第1基板1の内面1aにおける中央には、各熱電変換素子7が配置された熱電変換素子配置領域13aが設けられている。この熱電変換素子配置領域13aは、一辺が長さAの正方形とされている。また、図3では、電極5aを図示しないが、各電極5aはこの熱電変換素子配置領域13a内に配置されている。なお、第2基板3の内面3aにも同様に熱電変換素子配置領域13aが設定されており、図示しない電極5bも同様に配置されている。
【0059】
各熱電変換素子7は公知のp型熱電変換素子とn型熱電変換素子とからなり、各熱電変換素子7はビスマス・テルル系の合金等によって得られている。これらの各熱電変換素子7は同一形状の角柱形状をなしており、各端面は同一の矩形状をなしている。各熱電変換素子7は、それぞれの端面で第1基板1側の電極5a及び第2基板3側の電極5bとはんだによって接合されている。これにより、p型熱電変換素子とn型熱電変換素子とが格子状に配置されることで、上記の熱電変換素子配置領域13aが形成されるとともに、各熱電変換素子7は、第1基板1側の電極5aと、第2基板3側の電極5bによって電気的に直列に接続される。こうして、各熱電変換素子7は、第1基板1及び第2基板3によって熱的に並列に接続された状態となっている。
【0060】
図4に示すように、第1フィン9は、八角形状に形成されたアルミ板の基部9aと、基部9aから外側に向かって垂直に延びるアルミ板からなる複数の板状部9bとで構成されている。基部9aと各板状部9bとは、ろう付けによって接合されている。八角形状に形成された基部9aにより、第1フィン9における第1基板1又は第2基板3と平行な面による各板状部9bを全て包括する外周形状は、八角形状となっている。また、基部9aの両端を除き、各板状部9bの延長方向に沿った基部9aの長さBは、熱電変換素子配置領域13aの長さAと同一とされている。なお、図2に示す第2フィン11も同様の構成であり、八角形状の基部11aと、基部11aから外側に向かって垂直に延びる複数の板状部11bとがろう付けによって接合されて得られている。
【0061】
図5に示すように、金属層1cの外面には、第1フィン9が配置されるフィン配置領域14aが熱電変換素子配置領域13aと第1基板1の厚さ方向で中心Oが一致するように設けられている(図3、4参照)。つまり、フィン配置領域14aと熱電変換素子配置領域13aとは、第1基板1を介して厚さ方向で重なるように位置している。なお、フィン配置領域14aは、第1フィン9の基部9aと同一の八角形状とされている。
【0062】
金属層1cと第1フィン9の基部9aとの間には、ろう材層15aとなる正方形のろう材シートが配置されている。このろう材層15a及び上記の金属層1c、3cがそれぞれ接合材層として機能する。ろう材層15aは金属層1c上に設けられた接合材層配置領域16bに配置されており、金属層1c上において、この接合材層配置領域16bは、フィン配置領域14aの中心と一致するように設けられている。この接合材層配置領域16bは、ろう材層15aと同一形状であり正方形である。なお、図5では、第1基板1側に設けられる接合材層配置領域のみ符号を付して説明する。)。
【0063】
このろう材層15aを介して、金属層1cと基部9aとがろう付けされることにより、第1基板1と第1フィン9とが熱的に接合された状態となっている。図2に示す金属層3cと第2フィン11との間も同様である。
【0064】
以上のように構成されたこの熱電変換モジュールでは、第1、2フィン9、11により、第1、2基板1、3のそれぞれの外面積が拡大され、使用時における吸熱及び放熱の効果又は受熱の効果が高められている。
【0065】
そして、第1フィン9の外周形状が八角形であることからフィン配置領域14aも八角形となっている。このため、第1フィン9は、図3に示すように、熱電変換素子配置領域13aの四隅に配置された各熱電変換素子7の角部の一部が除かれた形状で金属層1cに接合されることとなる。このため、熱電変換素子配置領域13aの四隅の熱電変換素子7はフィン配置領域14aの外側、すなわち、第1フィン9の外側に位置することとなり、各熱電変換素子7に対し、第1基板1や第1フィン9からの熱変形による応力負荷が作用し難くなる。第2フィン11が接合された第2基板3側も同様である。これらのため、熱電変換素子配置領域13aの四隅に配置された熱電変換素子7では、第1、2フィン9、11の熱変形で第1、2基板1、3が熱変形した際における応力負荷が軽減される。
【0066】
したがって、この熱電変換モジュールは、熱電変換素子7が損傷し難いため、優れた耐久性を発揮するとともに、第1、2フィン9、11によって高い性能を発揮する。
【0067】
(実施例2)
図6に示すように、実施例2の熱電変換モジュールでは、第1基板1の外面1bにろう付けされたアルミ製の金属層1dに対してエッチングを行った。当初の金属層1dは第1基板1と同一の形状に成形されている。エッチング後の金属層1dの外周形状は八角形状である。この金属層1dは接合材層として機能する。第1基板1の外面1bには、この金属層1dが配置される接合材層配置領域16cが熱電変換素子配置領域13aと第1基板1の厚さ方向で中心Oが一致するように設定されている。つまり、接合材層配置領域16cと熱電変換素子配置領域13aとは、第1基板1を介して厚さ方向で重なるように位置している。第2基板3の外面3bも同様である。
【0068】
第1フィン9は、熱電変換素子配置領域13aと同一の正方形に形成された基部9cと、複数の板状部9bとで構成されている(図11参照)。つまり、第1フィン9における上記外周形状は正方形となっている。この第1フィン9は、フィン配置領域14bに配置されている。第2フィン11も同様である。
【0069】
図6に示すように、金属層1dの外面には、フィン配置領域14bが熱電変換素子配置領域13aと第1基板1の厚さ方向で中心Oが一致するように設定されている(図3、4参照)。フィン配置領域14bは、第1フィン9の基部9cと同一の正方形とされている。
【0070】
図6に示すように、金属層1dと第1フィン9の基部9cとの間には、ろう材層15bとなる八角形のろう材シートが配置されている。このろう材層15bも上記の金属層1dと同様、接合材層として機能する。ろう材層15bは金属層1d上に設けられた接合材層配置領域16dに配置されており、金属層1d上において、この接合材層配置領域16dは、フィン配置領域14bの中心と一致するように設けられている。なお、接合材層配置領域16cは、ろう材層15b及び金属層1dと同一形状であり八角形である(同図中の(B)参照)。
【0071】
このろう材層15bを介して、金属層1dと基部9cとがろう付けされることにより、第1基板1と第1フィン9とが熱的に接合された状態となっている。第2基板3側も同様である。なお、図6では、第1基板1側に設けられる金属層1d、ろう材層15b、接合材層配置領域16c、16d及びフィン配置領域14bのみ符号を付して説明する。後述の図7、8も同様である。他の構成は実施例1の熱電変換モジュールと同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0072】
この熱電変換モジュールでは、上記のように、接合材層配置領域16cに配置される金属層1dと、接合材層配置領域16dに配置されるろう材層15bの各外周形状が八角形となっている。このため、熱電変換素子配置領域13aの四隅となる位置では、金属層1d、つまり第1基板1の外面1bに第1フィン9が接合されていない状態となっている。このため、この第1フィン9が接合されていない箇所に位置する、すなわち、接合材層配置領域16c、16dの外側に位置する熱電変換素子7には、第1基板1や第1フィン9からの熱変形による応力負荷が作用し難くなる。第2フィン11が接合された第2基板3側も同様である。このため、熱電変換素子配置領域13aの四隅に配置された熱電変換素子7では、第1基板1や第2基板3が熱変形した際における応力負荷が軽減され、熱電変換素子7が損傷し難くなっている。他の作用効果は実施例1の熱電変換モジュールと同様である。
【0073】
(実施例3)
図7に示すように、実施例3の熱電変換モジュールでは、第1基板1の外面1bに対し、プレスにより正方形に加工されたアルミ板がろう付けにより接合され、金属層1eを形成している。この金属層1eの外周形状は、熱電変換素子配置領域13aと同一の正方形である。この金属層1eは接合材層として機能する。第1基板1の外面1bには、この金属層1eが配置される接合材層配置領域16eが熱電変換素子配置領域13aと第1基板1の厚さ方向で中心Oが一致するように設定されている。つまり、接合材層配置領域16eと熱電変換素子配置領域13aとは、第1基板1を介して厚さ方向で重なるように位置している。第2基板3の外面3bも同様である。
【0074】
金属層1eの外面には、フィン配置領域14bが熱電変換素子配置領域13aと第1基板1の厚さ方向で中心Oが一致するように設定されている(図3、4参照)。上記実施例2と同様、フィン配置領域14b及び第1フィンの基部9cは正方形とされている。
【0075】
図7に示すように、金属層1eと第1フィン9の基部9cとの間には、ろう材層15cとなるろう材シートが配置されている。このろう材層15cも上記の金属層1eと同様、接合材層として機能する。ろう材層15cは金属層1e上に設けられた接合材層配置領域16fに配置されている。
【0076】
接合材層配置領域16fとされる金属層1eの外面の各角部には、ろう付けが不可能となるマスク材17が設けられており、ろう材層15cの外周形状は八角形状になっている。また、接合材層配置領域16fの形状も八角形である(同図中の(B)参照)。
【0077】
このろう材層15cを介して、金属層1eと基部9cとがろう付けされることにより、第1基板1と第1フィン9とが熱的に接合された状態となっている。なお、マスク材17は、金属層1eの外面の角部の一箇所にのみ設けられても良い。第2基板3側も同様である。他の構成は実施例1、2の熱電変換モジュールと同様である。
【0078】
この熱電変換モジュールでは、各マスク材17により、上記のように、ろう材層15cの外周形状が八角形とされることから、接合材層配置領域16fも八角形となっている。このため、接合材層配置領域16fの外側となる箇所、すなわち、金属層1eの各角部と基部9cの各角部との間は、各マスク材17により、互いに接合されていない状態となっている。上記のように、金属層1eが熱電変換素子配置領域13aと同一の正方形であり、かつ、金属層1eが熱電変換素子配置領域13aと同一の中心Oで配置されていることから、各マスク材17は、熱電変換素子配置領域13aの四隅に配置された各熱電変換素子7の角部の真下となる位置に設けられることとなる。同様に、第2基板3側では、熱電変換素子配置領域13aの四隅に配置された各熱電変換素子7の角部の真上となる位置に各マスク材17が設けられることとなる。
【0079】
これらのように、各マスク材17により、第1フィン9が金属層1eに接合されていない箇所では、熱電変換素子7に対し、第1基板1や第1フィン9の熱変形による応力負荷が作用し難くなる。第2フィン11が接合された第2基板3側も同様である。このため、熱電変換素子配置領域13aの四隅に配置された熱電変換素子7では、第1基板1や第2基板3が熱変形した際における応力負荷が軽減され、熱電変換素子7が損傷し難くなっている。他の作用効果は実施例1の熱電変換モジュールと同様である。
【0080】
(実施例4)
図8に示すように、実施例4の熱電変換モジュールでは、第1基板1の外面1bに対し、実施例3と同様に、接合材層配置領域16eが設けられ、接合材層配置領域16eには、金属層1eが配置されている。第2基板3の外面3bも同様である。
【0081】
第1フィン9は、熱電変換素子配置領域13aと同一の正方形に形成された基部9dと、複数の板状部9bとで構成されている。この基部9dの各角部は板状部9b側に曲げ加工され、基部9dの各角部には空間19が形成されている。第2フィン11も同様である。なお、曲げ加工が施されるのは、基部9dの角部の一箇所のみであっても良い。
【0082】
金属層1eの外面には、実施例2、3と同様、フィン配置領域14bが熱電変換素子配置領域13aと第1基板1の厚さ方向で中心Oが一致するように設定されている(図3、4参照)。また、金属層1eの外面には、実施例1と同様に、接合材層配置領域16bが設けられており、接合材層配置領域16bには、ろう材層15aが配置されている。このろう材層15a及び上記の金属層1eとは、それぞれ接合材層として機能する。第2基板3側も同様である。他の構成は実施例1の熱電変換モジュールと同様である。
【0083】
この熱電変換モジュールでは、各空間19により、基部9dの各角部は金属層1eと接合されていない状態となっている。上記のように、金属層1e及び基部9dが熱電変換素子配置領域13aと同一の正方形であり、かつ、これらが熱電変換素子配置領域13aと第1基板1の厚さ方向で中心Oが一致するように配置されていることから、各空間19は、熱電変換素子配置領域13aの四隅に配置された各熱電変換素子7の角部の真下に位置することとなる。同様に、第2基板3側では、熱電変換素子配置領域13aの四隅に配置された各熱電変換素子7の角部の真上に空間19が位置することとなる。
【0084】
このため、各空間19により、金属層1eの各角部、つまり、熱電変換素子配置領域13aの四隅に配置された各熱電変換素子7の角部では、第1基板1や第1フィン9からの熱変形による応力負荷が作用し難い。第2フィン11が接合された第2基板3側も同様である。このため、熱電変換素子配置領域13aの四隅に配置された熱電変換素子7では、第1基板1や第2基板3が熱変形した際における応力負荷が軽減され、熱電変換素子7が損傷し難くなっている。他の作用効果は実施例1の熱電変換モジュールと同様である。
【0085】
(実施例5)
図9、10に示すように、実施例5の熱電変換モジュールでは、正方形に形成された第1、2基板1、3に対し、その各内面1a、3aに各熱電変換素子7が八角形に配置されており、八角形の熱電変換素子配置領域13bを形成している。この熱電変換素子配置領域13bの中心Oは、第1、2基板1、3の中心と一致している。つまり、熱電変換素子配置領域13bは、第1、2基板1、3の中央に設けられている。なお、上記のように配置された各熱電変換素子7と電気的に直列に接続可能なように、各電極5a、5bは、第1、2基板1、3の各内面1a、3aにそれぞれ設けられている(図9参照)。
【0086】
図11に示すように、第1フィン9は、正方形に形成された基部9cと、複数の板状部9bとで構成されている。図9に示す第2フィン11も同様に、正方形の基部11cと、複数の板状部11bとで構成されている。
【0087】
図10に示すように、熱電変換素子配置領域13bは八角形であることから、熱電変換素子配置領域13bの全ての角部は90°よりも大きくなり、約135°となっている。また、各両端を除き、各板状部9bの延長方向に沿った熱電変換素子配置領域13bの長さAは、図11に示す基部9cの一辺の長さBと同一とされている。
【0088】
図9に示すように、金属層1cの外面には、実施例2と同様に、第1フィン9が配置されるフィン配置領域14bが熱電変換素子配置領域13bと第1基板1の厚さ方向で中心Oが一致するように設けられている(図3、4参照)。同様に、金属層3cの外面にも、第2フィン11が配置されるフィン配置領域14bが設けられている。
【0089】
図9に示すように、金属層1cと基部9cとの間には、ろう材層15aが設けられている。このろう材層15a及び上記の金属層1c、3cとがそれぞれ接合材層として機能する。なお、金属層1c、3cがそれぞれ配置される接合材層配置領域16aと、ろう材層15aが配置される接合材層配置領域16b(図9では図示を省略する。)との位置関係を含む他の構成は実施例1の熱電変換モジュールと同様である。
【0090】
この熱電変換モジュールでは、図10に示すように、各熱電変換素子7が八角形に配置されることにより、この熱電変換モジュールでは、第1基板1と第2基板3との間に多くの熱電変換素子7が配置されている。その一方で、第1、2基板1、3及び第1、2フィン9、11が熱変形した際に、その応力負荷が大きくなる第1、2基板1、3の各角部である四隅の他、各基部9a、11aの各角部である四隅となる位置に熱電変換素子7が配置されない状態となる。このため、この熱電変換モジュールでは、各熱電変換素子7によりペルチェ効果やゼーベック効果が高められているとともに、応力負荷により熱電変換素子7が損傷し難くなっている。他の作用効果は実施例1の熱電変換モジュールと同様である。
【0091】
したがって、この熱電変換モジュールも優れた耐久性を発揮するとともに、高い性能を発揮する。
【0092】
(実施例6)
図12に示すように、実施例6の熱電変換モジュールでは、実施例5と比較して熱電変換素子配置領域13bがより正八角形に近い形状となるように、各熱電変換素子7が配置されている。なお、上記のように配置された各熱電変換素子7と電気的に直列に接続可能なように、各電極5a、5bは、第1、2基板1、3の各内面1a、3aにそれぞれ設けられている。他の構成は実施例1、5の熱電変換モジュールと同様である。
【0093】
この熱電変換モジュールでは、各熱電変換素子7がより正八角形に近い状態で配置されるため、第1、2基板1、3及び各基部9a、11aの各四隅からより遠い位置に熱電変換素子7が配置されることとなる。このため、この熱電変換モジュールでは、熱電変換素子7がより損傷し難くなっている。他の作用効果は実施例1、5の熱電変換モジュールと同様である。
【0094】
(実施例7)
図13、14に示すように、実施例7の熱電変換モジュールには、熱電変換素子配置領域13aの外側となる四隅に主柱部材21a〜21dが設けられている。これら主柱部材21a〜21dは、それぞれ、第1基板1の内面1aと第2基板3の内面3aとの間において、熱電変換素子配置領域13aの各角部に沿った状態で配置されている。なお、熱電変換素子配置領域13aの角部のうち、二箇所のみに主柱部材21a、21bを設けても良い。
【0095】
図14に示すように、主柱部材21a〜21dは、第1基板1及び第2基板3に平行な面による断面が略L字状のステンレス角柱によって得られている。主柱部材21a〜21dは、それぞれの一端側が第1基板1の内面1aに当接した状態で接合されており、それぞれの他端側が第2基板31の内面3aに当接した状態で接合されている。
【0096】
第1フィン9は、熱電変換素子配置領域13aと同一の正方形に形成された基部9cと、複数の板状部9bとで構成されている。第2フィン11も同様に、基部11cと、複数の板状部11bとで構成されている(図11参照)。
【0097】
図13に示すように、金属層1cと基部9cとの間には、ろう材層15aが設けられている。このろう材層15a及び各金属層1c、3cは接合材層として機能する。ろう材層15aを介して、第1フィン9は熱電変換素子配置領域13と同一の中心Oで、第1基板1に熱的に接合されている。第2基板3と第2フィン11との接合も同様である。フィン配置領域14b及び接合材層配置領域16a、16bの各配置関係を含む他の構成は実施例1の熱電変換モジュールと同様である。
【0098】
この熱電変換モジュールでは、図14に示すように、主柱部材21a〜21dにより、熱電変換素子配置領域13aの全ての角部の外側で第1基板1及び第2基板3の熱変形が矯正されるため、第1基板1や第2基板3が熱変形した際における熱電変換素子7の応力負荷が軽減される。このため、この熱電変換モジュールでは、熱電変換素子7が損傷し難くなっている。
【0099】
また、この熱電変換モジュールでは、熱電変換素子配置領域13aの各角部となる四隅に、主柱部材21a〜21dを設けることで、第1基板1及び第2基板3に当接する主柱部材21a〜21dの数を4本としている。このため、この熱電変換モジュールでは、ヒートブリッジ現象による熱電変換モジュールの性能低下を抑制することが可能になっている。他の作用効果は実施例1の熱電変換モジュールと同様である。
【0100】
したがって、この熱電変換モジュールも優れた耐久性を発揮するとともに、高い性能を発揮する。
【0101】
特に、この熱電変換モジュールでは、主柱部材21a〜21dの上記断面が略L字状に形成されている。このため、この熱電変換モジュールでは、熱電変換素子配置領域13aの各角部に沿って主柱部材21a〜21dを配置することが可能となっている。このため、主柱部材21a〜21dは、各熱電変換素子7により近い位置で第1基板1及び第2基板3の熱変形を矯正することが可能となり、熱電変換素子7の損傷を好適に防止することが可能となっている。また、熱電変換素子配置領域13aの各角部に沿って主柱部材21a〜21dを配置することで、熱電変換モジュールの大型化も抑制されている。
【0102】
また、主柱部材がステンレスであることから、この熱電変換モジュールでは、主柱部材21a〜21dによるヒートブリッジ現象を好適に抑制しつつ、第1基板1及び第2基板3の熱変形を好適に矯正することが可能となっている。
【0103】
(実施例8)
図15に示すように、実施例8の熱電変換モジュールには、上記実施例7の熱電変換モジュールにおける主柱部材21a〜21dに加えて、熱電変換素子配置領域13aよりも外側に副柱部材23a〜23dが設けられている。これら副柱部材23a〜23dは、それぞれ、主柱部材21aと主柱部材21bとの中間の位置に副柱部材23aが配置されており、主柱部材21bと主柱部材21cとの中間に副柱部材23bが配置されている。また、主柱部材21cと主柱部材21dとの中間に副柱部材23cが配置されており、主柱部材21dと主柱部材21aとの中間に副柱部材23dが配置されている。
【0104】
副柱部材23a〜23dは、第1基板1及び第2基板3に平行な面による断面が四角のステンレス角柱によって得られている。これら副柱部材23a〜23dは、主柱部材21a〜21dよりも、上記断面の断面積が小さくなるように、細いステンレス角柱が採用されている。副柱部材23a〜23dも、それぞれの一端側が第1基板1の内面1aに当接した状態で接合されており、それぞれの他端側が第2基板3の内面3aに当接した状態で接合されている。他の構成は実施例1、7の熱電変換モジュールと同様である。
【0105】
この熱電変換モジュールでは、主柱部材21a〜21d及び副柱部材23a〜23dによって、第1基板1及び第2基板3の熱変形がより好適に矯正されるため、熱電変換素子7がより損傷し難くなっている。
【0106】
また、副柱部材23a〜23dの上記断面が主柱部材21a〜21dより小さく、かつステンレスであることから、ヒートブリッジ現象を抑制しつつ、第1基板1及び第2基板3の熱変形を好適に矯正することが可能となっている。さらに、副柱部材23a〜23dの製造コストが削減できることから、熱電変換モジュールの製造コストを削減することが可能になっている。他の作用効果は実施例1、7の熱電変換モジュールと同様である。
【0107】
以上において、本発明を実施例1〜8に即して説明したが、本発明は上記実施例1〜8に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0108】
例えば、第1、2フィン9、11として、例えばアルミ板等が波型に曲げ加工されて得られたコルゲートフィンを採用することもできる。この場合、曲げ加工により、第1基板1の外面1b及び第2基板3の外面3bから立ち上がるように形成された部分を板状部とすることができ、第1基板1の外面1b及び第2基板3の外面3bに平行な部分を基部とすることができる。
【0109】
また、実施例5〜8の熱電変換モジュールにおいて、第1、2フィン9、11を設けずに構成することもできる。
【0110】
さらに、実施例3の熱電変換モジュールにおいて、第1、2基板1、3の各外面1b、3bには、金属層1c、3cが設けられても良い。この場合、各マスク材17は、各金属層1c、3cの外面において、熱電変換素子配置領域13aの四隅に配置された各熱電変換素子7の角部の真下又は真上となる位置に設けられることが好ましい。
【0111】
また、実施例7、8の熱電変換モジュールにおいて、主柱部材21a〜21dを設けず、副柱部材23a〜23dのみを設ける構成とすることもできる。
【0112】
さらに、実施例8の熱電変換モジュールにおいて、熱電変換素子配置領域13bの対角となる位置に配置された主柱部材21a、21cと、各副柱部材23a〜23dとを設ける構成とすることもできる。
【0113】
また、副柱部材23a〜23dとして、第1基板1及び第2基板3に平行な面による断面が円や三角となるステンレス材を採用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明は熱電変換モジュールの他、熱電変換素子のペルチェ効果を利用した空調装置の他、熱電変換素子のゼーベック効果を利用した発電装置等に利用可能である。
【符号の説明】
【0115】
1…第1基板
1a…内面
1b…外面
1c〜1e…金属層(接合材層)
3…第2基板
3a…内面
3b…外面
3c…金属層(接合材層)
5a、5b…電極
7…熱電変換素子
9…第1フィン(フィン)
9a、9c…基部
9b…板状部
11…第2フィン(フィン)
11a…基部
11b…板状部
13a、13b…熱電変換素子配置領域
14a、14b…フィン配置領域
15a〜15c…ろう材層(接合材層)
16a〜16f…接合材層配置領域
21a〜21d…主柱部材
23a〜23d…副柱部材
O…中心
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向して配置される第1基板及び第2基板と、
該第1基板及び該第2基板の対向する各内面にそれぞれ設けられた複数の電極と、
各該電極によって電気的に接続される複数の熱電変換素子とを備え、
該第1基板及び該第2基板の各該内面には、各該熱電変換素子が配置された多角形の熱電変換素子配置領域が設けられている熱電変換モジュールであって、
前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方である特定基板の外面には、該外面から立ち上がる複数の板状部を有するフィンが設けられ、
該外面には、前記熱電変換素子配置領域と厚さ方向で重なるように存在し、該フィンが配置されるフィン配置領域が設けられ、
該フィン配置領域の形状は、該熱電変換素子配置領域の角部の少なくとも一箇所が除かれた形状であることを特徴とする熱電変換モジュール。
【請求項2】
前記フィン配置領域の形状は、前記熱電変換素子配置領域の全ての前記角部が除かれた形状である請求項1記載の熱電変換モジュール。
【請求項3】
前記熱電変換素子配置領域は矩形であり、前記フィン配置領域は八角形である請求項2記載の熱電変換モジュール。
【請求項4】
対向して配置される第1基板及び第2基板と、
該第1基板及び該第2基板の対向する各内面にそれぞれ設けられた複数の電極と、
各該電極によって電気的に接続される複数の熱電変換素子とを備え、
該第1基板及び該第2基板の各該内面には、各該熱電変換素子が配置された多角形の熱電変換素子配置領域が設けられている熱電変換モジュールであって、
前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方である特定基板の外面には、該外面から立ち上がる複数の板状部を有するフィンが設けられ、
該外面と該フィンの間には接合材層が設けられ、
該外面には、前記熱電変換素子配置領域と厚さ方向で重なるように存在し、該接合材層が配置される接合材層配置領域が設けられ、
該接合材層配置領域の形状は、該熱電変換素子配置領域の角部の少なくとも一箇所が除かれた形状であることを特徴とする熱電変換モジュール。
【請求項5】
前記接合材層配置領域の形状は、前記熱電変換素子配置領域の全ての前記角部が除かれた形状である請求項4記載の熱電変換モジュール。
【請求項6】
前記熱電変換素子配置領域は矩形であり、前記接合材層配置領域は八角形である請求項5記載の熱電変換モジュール。
【請求項7】
対向して配置される第1基板及び第2基板と、
該第1基板及び該第2基板の対向する各内面にそれぞれ設けられた複数の電極と、
各該電極によって電気的に接続される複数の熱電変換素子とを備え、
該第1基板及び該第2基板の各該内面には、各該熱電変換素子が配置された多角形の熱電変換素子配置領域が設けられている熱電変換モジュールであって、
前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方である特定基板の外面には、該外面から立ち上がる複数の板状部を有するフィンが設けられ、
該フィンは、各該板状部と、該外面と平行な基部とを有し、
該基部は、該熱電変換素子配置領域の角部の少なくとも一箇所で該外面との間に空間を形成していることを特徴とする熱電変換モジュール。
【請求項8】
前記基部は、前記熱電変換素子配置領域の全ての前記角部に前記空間を形成している請求項7記載の熱電変換モジュール。
【請求項9】
対向して配置される第1基板及び第2基板と、
該第1基板及び該第2基板の対向する各内面にそれぞれ設けられた複数の電極と、
各該電極によって電気的に接続される複数の熱電変換素子とを備え、
該第1基板及び該第2基板の各該内面には、各該熱電変換素子が配置された多角形の熱電変換素子配置領域が設けられている熱電変換モジュールであって、
前記熱電変換素子配置領域は、全ての角部が90°より大きい角度をなしていることを特徴とする熱電変換モジュール。
【請求項10】
前記熱電変換素子配置領域は五角形以上である請求項9記載の熱電変換モジュール。
【請求項11】
前記熱電変換素子配置領域は八角形である請求項10記載の熱電変換モジュール。
【請求項12】
前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方である特定基板の外面には、該外面から立ち上がる複数の板状部を有するフィンが設けられ、
該外面には、前記熱電変換素子配置領域と厚さ方向で重なるように存在し、該フィンが配置されるフィン配置領域が設けられ、
該フィン配置領域は矩形である請求項9乃至11のいずれか1項記載の熱電変換モジュール。
【請求項13】
前記第1基板及び前記第2基板は矩形であり、該第1基板及び該第2基板と前記熱電変換素子配置領域とは中心が一致している請求項9乃至12のいずれか1項記載の熱電変換モジュール。
【請求項14】
対向して配置される第1基板及び第2基板と、
該第1基板及び該第2基板の対向する各内面にそれぞれ設けられた複数の電極と、
各該電極によって電気的に接続される複数の熱電変換素子とを備え、
該第1基板及び該第2基板の各該内面には、各該熱電変換素子が配置された多角形の熱電変換素子配置領域が設けられている熱電変換モジュールであって、
前記第1基板及び前記第2基板の間には、前記熱電変換素子配置領域よりも外側で、該第1基板及び該第2基板に当接する複数の柱部材が設けられていることを特徴とする熱電変換モジュール。
【請求項15】
各前記柱部材は、前記熱電変換素子配置領域の角部の少なくとも二箇所に設けられた主柱部材のみからなる請求項14記載の熱電変換モジュール。
【請求項16】
各前記柱部材は、前記熱電変換素子配置領域の全ての角部に設けられた主柱部材のみからなる請求項15記載の熱電変換モジュール。
【請求項17】
前記柱部材は、前記熱電変換素子配置領域の角部の少なくとも二箇所に設けられる主柱部材と、前記主柱部材間の少なくとも一箇所に設けられる副柱部材とからなる請求項14記載の熱電変換モジュール。
【請求項18】
前記熱電変換素子配置領域は矩形である請求項16又は17記載の熱電変換モジュール。
【請求項19】
前記副柱部材は、前記主柱部材よりも前記第1基板及び前記第2基板に平行な面による断面の断面積が小さい請求項17又は18記載の熱電変換モジュール。
【請求項20】
前記主柱部材は、前記第1基板及び前記第2基板に平行な面による断面が略L字状に形成されている請求項15乃至19のいずれか1項記載の熱電変換モジュール。
【請求項21】
前記柱部材はステンレス製である請求項14乃至20のいずれか1項記載の熱電変換モジュール。
【請求項1】
対向して配置される第1基板及び第2基板と、
該第1基板及び該第2基板の対向する各内面にそれぞれ設けられた複数の電極と、
各該電極によって電気的に接続される複数の熱電変換素子とを備え、
該第1基板及び該第2基板の各該内面には、各該熱電変換素子が配置された多角形の熱電変換素子配置領域が設けられている熱電変換モジュールであって、
前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方である特定基板の外面には、該外面から立ち上がる複数の板状部を有するフィンが設けられ、
該外面には、前記熱電変換素子配置領域と厚さ方向で重なるように存在し、該フィンが配置されるフィン配置領域が設けられ、
該フィン配置領域の形状は、該熱電変換素子配置領域の角部の少なくとも一箇所が除かれた形状であることを特徴とする熱電変換モジュール。
【請求項2】
前記フィン配置領域の形状は、前記熱電変換素子配置領域の全ての前記角部が除かれた形状である請求項1記載の熱電変換モジュール。
【請求項3】
前記熱電変換素子配置領域は矩形であり、前記フィン配置領域は八角形である請求項2記載の熱電変換モジュール。
【請求項4】
対向して配置される第1基板及び第2基板と、
該第1基板及び該第2基板の対向する各内面にそれぞれ設けられた複数の電極と、
各該電極によって電気的に接続される複数の熱電変換素子とを備え、
該第1基板及び該第2基板の各該内面には、各該熱電変換素子が配置された多角形の熱電変換素子配置領域が設けられている熱電変換モジュールであって、
前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方である特定基板の外面には、該外面から立ち上がる複数の板状部を有するフィンが設けられ、
該外面と該フィンの間には接合材層が設けられ、
該外面には、前記熱電変換素子配置領域と厚さ方向で重なるように存在し、該接合材層が配置される接合材層配置領域が設けられ、
該接合材層配置領域の形状は、該熱電変換素子配置領域の角部の少なくとも一箇所が除かれた形状であることを特徴とする熱電変換モジュール。
【請求項5】
前記接合材層配置領域の形状は、前記熱電変換素子配置領域の全ての前記角部が除かれた形状である請求項4記載の熱電変換モジュール。
【請求項6】
前記熱電変換素子配置領域は矩形であり、前記接合材層配置領域は八角形である請求項5記載の熱電変換モジュール。
【請求項7】
対向して配置される第1基板及び第2基板と、
該第1基板及び該第2基板の対向する各内面にそれぞれ設けられた複数の電極と、
各該電極によって電気的に接続される複数の熱電変換素子とを備え、
該第1基板及び該第2基板の各該内面には、各該熱電変換素子が配置された多角形の熱電変換素子配置領域が設けられている熱電変換モジュールであって、
前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方である特定基板の外面には、該外面から立ち上がる複数の板状部を有するフィンが設けられ、
該フィンは、各該板状部と、該外面と平行な基部とを有し、
該基部は、該熱電変換素子配置領域の角部の少なくとも一箇所で該外面との間に空間を形成していることを特徴とする熱電変換モジュール。
【請求項8】
前記基部は、前記熱電変換素子配置領域の全ての前記角部に前記空間を形成している請求項7記載の熱電変換モジュール。
【請求項9】
対向して配置される第1基板及び第2基板と、
該第1基板及び該第2基板の対向する各内面にそれぞれ設けられた複数の電極と、
各該電極によって電気的に接続される複数の熱電変換素子とを備え、
該第1基板及び該第2基板の各該内面には、各該熱電変換素子が配置された多角形の熱電変換素子配置領域が設けられている熱電変換モジュールであって、
前記熱電変換素子配置領域は、全ての角部が90°より大きい角度をなしていることを特徴とする熱電変換モジュール。
【請求項10】
前記熱電変換素子配置領域は五角形以上である請求項9記載の熱電変換モジュール。
【請求項11】
前記熱電変換素子配置領域は八角形である請求項10記載の熱電変換モジュール。
【請求項12】
前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方である特定基板の外面には、該外面から立ち上がる複数の板状部を有するフィンが設けられ、
該外面には、前記熱電変換素子配置領域と厚さ方向で重なるように存在し、該フィンが配置されるフィン配置領域が設けられ、
該フィン配置領域は矩形である請求項9乃至11のいずれか1項記載の熱電変換モジュール。
【請求項13】
前記第1基板及び前記第2基板は矩形であり、該第1基板及び該第2基板と前記熱電変換素子配置領域とは中心が一致している請求項9乃至12のいずれか1項記載の熱電変換モジュール。
【請求項14】
対向して配置される第1基板及び第2基板と、
該第1基板及び該第2基板の対向する各内面にそれぞれ設けられた複数の電極と、
各該電極によって電気的に接続される複数の熱電変換素子とを備え、
該第1基板及び該第2基板の各該内面には、各該熱電変換素子が配置された多角形の熱電変換素子配置領域が設けられている熱電変換モジュールであって、
前記第1基板及び前記第2基板の間には、前記熱電変換素子配置領域よりも外側で、該第1基板及び該第2基板に当接する複数の柱部材が設けられていることを特徴とする熱電変換モジュール。
【請求項15】
各前記柱部材は、前記熱電変換素子配置領域の角部の少なくとも二箇所に設けられた主柱部材のみからなる請求項14記載の熱電変換モジュール。
【請求項16】
各前記柱部材は、前記熱電変換素子配置領域の全ての角部に設けられた主柱部材のみからなる請求項15記載の熱電変換モジュール。
【請求項17】
前記柱部材は、前記熱電変換素子配置領域の角部の少なくとも二箇所に設けられる主柱部材と、前記主柱部材間の少なくとも一箇所に設けられる副柱部材とからなる請求項14記載の熱電変換モジュール。
【請求項18】
前記熱電変換素子配置領域は矩形である請求項16又は17記載の熱電変換モジュール。
【請求項19】
前記副柱部材は、前記主柱部材よりも前記第1基板及び前記第2基板に平行な面による断面の断面積が小さい請求項17又は18記載の熱電変換モジュール。
【請求項20】
前記主柱部材は、前記第1基板及び前記第2基板に平行な面による断面が略L字状に形成されている請求項15乃至19のいずれか1項記載の熱電変換モジュール。
【請求項21】
前記柱部材はステンレス製である請求項14乃至20のいずれか1項記載の熱電変換モジュール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−222120(P2012−222120A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85835(P2011−85835)
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
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