説明

燃料電池の製造方法

【課題】 金属支持体の変質、破壊等の損傷を抑制しつつ金属支持体と電極との間の導電性を改善することができる、燃料電池の製造方法を提供する。
【解決手段】 燃料電池(100)の製造方法は、金属支持体(10)上に電極材料(20)を結合させる結合工程と、電極材料(20)上に固体酸化物電解質を配置して固体酸化物電解質を焼成する焼成工程と、を含み、金属支持体(10)は、焼成工程において表面に絶縁性の酸化皮膜(11)を形成する成分を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、一般的には水素および酸素を燃料として電気エネルギを得る装置である。この燃料電池は、環境面において優れており、また高いエネルギ効率を実現できることから、今後のエネルギ供給システムとして広く開発が進められてきている。
【0003】
固体酸化物型燃料電池(SOFC)は、固体酸化物電解質が燃料極と酸素極とによって挟持された構造を有する。固体酸化物電解質を薄膜化するために、例えば、支持基板としての多孔質金属支持体上に、燃料極、固体酸化物電解質、および酸素極が成膜された構造を有する固体酸化物型燃料電池が開発されている。
【0004】
特許文献1は、ガス透過性を有する金属支持体上に酸化物電極の構成金属または酸化物電解質の構成金属からなる保護層を配置する第1配置工程と、保護層上に酸化物電解質を配置する第2配置工程と、酸化雰囲気において酸化物電解質および保護層を焼成する焼成工程と、を含む製造方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−187847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、導電性の酸化皮膜が形成される金属支持体は、一般的に耐熱性が低い。したがって、特許文献1に係る製造方法を用いた場合、焼成工程において、導電性の酸化皮膜が形成される金属支持体に変質、破壊等の損傷が生じるおそれがある。一方で、絶縁性の酸化皮膜が形成される金属支持体は、一般的に耐熱性が高い。しかしながら、金属支持体に絶縁性の酸化皮膜が形成されると、金属支持体と電極との間の導電性が低下するおそれがある。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、金属支持体の変質、破壊等の損傷を抑制しつつ金属支持体と電極との間の導電性を改善することができる、燃料電池の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る燃料電池の製造方法は、金属支持体上に電極材料を結合させる結合工程と、前記電極材料上に固体酸化物電解質を配置して、前記固体酸化物電解質を焼成する焼成工程と、を含み、前記金属支持体は、前記焼成工程において表面に絶縁性の酸化皮膜を形成する成分を含むことを特徴とするものである。本発明に係る燃料電池の製造方法においては、金属支持体が電極材料に覆われた領域において酸化皮膜の形成が抑制される。それにより、金属支持体と電極層との間の導電性が改善される。また、絶縁性酸化皮膜が形成される金属支持体は高い耐熱性を有することから、焼成工程における金属支持体の変質、破壊等の損傷を抑制することができる。
【0009】
前記電極材料は、金属酸化物成分と金属成分とを含み、前記結合工程は、前記金属支持体と前記電極材料の金属成分とを金属結合させる工程であってもよい。この場合、電極材料が配置された領域において、金属支持体の露出がより抑制される。
【0010】
前記結合工程は、還元雰囲気で実施されてもよい。この場合、酸化皮膜の形成が抑制される。前記金属支持体に結合させる電極は、アノード活性を有していてもよい。前記金属支持体の酸化皮膜を形成する成分は、AlおよびSiの少なくとも一方であってもよい。前記金属支持体において、Al+Si>2wt%の関係が成立してもよい。前記焼成工程後に、前記金属支持体の前記固体酸化物電解質と反対側の面の酸化皮膜を除去する除去工程を含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、金属支持体の変質、破壊等の損傷を抑制しつつ金属支持体と電極との間の導電性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】比較例1に係る燃料電池の製造方法を説明するためのフロー図である。
【図2】比較例2に係る燃料電池の製造方法を説明するためのフロー図である。
【図3】第1実施形態に係る燃料電池の製造方法を説明するためのフロー図である。
【図4】第2実施形態に係る燃料電池の製造方法を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(比較例1)
実施形態の説明に先立って、比較例1に係る燃料電池の製造方法について説明する。図1(a)〜図1(c)は、比較例1に係る燃料電池の製造方法を説明するためのフロー図である。図1(a)を参照して、金属支持体110上に、電極材料120および電解質材料130を順に層状に積層する。
【0014】
金属支持体110は、酸化によって表面に導電性酸化皮膜を形成する金属成分を含む。この金属成分は、金属支持体110と電極材料120との間の接触抵抗が許容値以下となる範囲で選択される。導電性酸化皮膜を形成する金属成分は、例えばCr(クロム)等である。電極材料120は、アノードとしての電極活性またはカソードとしての電極活性を有する金属酸化物等である。電解質材料130は、酸素イオン導電性を有する金属酸化物等である。
【0015】
次に、電極材料120および電解質材料130に対して焼成処理を施す。それにより、図1(b)を参照して、電極材料120が焼結して電極層140が形成され、電解質材料130が焼結して電解質層150が形成される。また、金属支持体110の表面には、Cr等の導電性の酸化皮膜111が形成される。次に、図1(c)を参照して、電解質層150上に電極層160を形成することによって、比較例1に係る燃料電池が完成する。
【0016】
一般的に、導電性酸化皮膜は、内部のイオンの移動を利用することによって導電性を有する。イオンの移動は、温度が高くなるほど活発になる。したがって、温度が高くなると、金属支持体の酸化が進行して、金属支持体に変質、破壊等の損傷が生じやすくなる。すなわち、一般的に、導電性酸化皮膜を形成する金属成分を含む金属支持体は、耐熱性が低くなる。以上のことから、電極材料120および電解質材料130に対する焼成処理において、金属支持体110に変質、破壊等の損傷が生じてしまう。この場合、比較例1に係る燃料電池の発電性能が低下してしまう。
(比較例2)
【0017】
次に、比較例2に係る燃料電池の製造方法について説明する。図2(a)〜図2(c)は、比較例2に係る燃料電池の製造方法を説明するためのフロー図である。図2(a)を参照して、金属支持体110a上に、電極材料120および電解質材料130を順に層状に積層する。金属支持体110aは、酸化によって表面に絶縁性の酸化皮膜が形成される金属成分を含む。この金属成分は、金属支持体110aと電極材料120との間の接触抵抗が許容値を超える範囲で選択される。絶縁性の酸化皮膜を形成する金属成分は、例えばAl(アルミニウム)等である。比較例1と共通する部材には、同一の符号を付すことによって説明を省略する。
【0018】
次に、電極材料120および電解質材料130に対して焼成処理を施す。それにより、図2(b)を参照して、電極材料120が焼結して電極層140が形成され、電解質材料130が焼結して電解質層150が形成される。また、金属支持体110aの表面には、Al等の絶縁性の酸化皮膜112が形成される。次に、図2(c)を参照して、電解質層150上に電極層160を形成することによって、比較例2に係る燃料電池が完成する。
【0019】
一般的に、絶縁性酸化皮膜においては、内部のイオンがほとんど移動しない。したがって、一般的に、絶縁性酸化皮膜を形成する金属成分を含む金属支持体は、耐熱性に優れている。以上のことから、焼成工程を経ても、金属支持体110aに、損傷は生じにくい。しかしながら、金属支持体110aの表面に絶縁性の酸化皮膜が形成されると、金属支持体110aと電極層140との間の接触抵抗が増大してしまう。その結果、比較例2に係る燃料電池の発電性能が低下してしまう。
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
(第1実施形態)
【0021】
図3(a)〜図3(e)は、第1実施形態に係る燃料電池100の製造方法を説明するためのフロー図である。図3(a)を参照して、金属支持体10上に、電極材料20を層状に積層する。電極材料20は、コロイダルスプレー法、スクリーン印刷法等によって積層することができる。
【0022】
金属支持体10は、ガス透過性を有するとともに、後述する電解質層40を支持可能な金属板であり、例えば多孔質金属板である。金属支持体10は、酸化によって表面に絶縁性の酸化皮膜11が形成される成分を含む。絶縁性の酸化皮膜11は、特に限定されるものではない。絶縁性の酸化皮膜11は、金属成分の酸化物に限らず、半導体等の添加元素の酸化物であってもよい。酸化皮膜11を形成する成分は、金属支持体10が十分な耐熱性を有する範囲で選択される。一例として、絶縁性の酸化皮膜11は、Al、SiO等である。
【0023】
例えば、金属支持体10として、Kanthal AF(Fe=balance,Cr=22wt%、Al=5wt%)、SUSXM15J1(Fe=balance,Ni=13wt%、Cr=18wt%、Si=4wt%)、YUS205M1(Fe=balance,Cr=20wt%、Al=5wt%)等を用いることができる。Kanthal AFを用いた場合、Alが絶縁性酸化皮膜として形成される。SUSXM15J1を用いた場合、SiOが絶縁性酸化皮膜として形成される。YUS205M1を用いた場合、Alが絶縁性酸化皮膜として形成される。例えば、金属支持体10においてAl+Si>2wt%の関係が成立する場合に、金属支持体10が十分な耐熱性を有するようになる。
【0024】
電極材料20は、アノードとしての電極活性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、Ni/YSZ(イットリア安定化ジルコニア)サーメット(1/1wt)、Ni/GDC(Gadolinium Doped Ceria)サーメット(1/1wt)等である。
【0025】
次に、図3(b)に示すように、予結合処理を施す。予結合処理とは、金属支持体10と電極材料20とを予結合させる処理である。第1実施形態においては、金属支持体10および電極材料20を加熱することによって、金属支持体10と電極材料20とを予結合させる。それにより、電極材料20が配置された領域において、金属支持体10の露出が抑制される。なお、第1実施形態に係る燃料電池100に要求される発電性能が発揮される程度の接触抵抗であれば、金属支持体10と電極材料20との界面に絶縁性酸化皮膜が形成されてもよい。また、溶射等の、焼成を伴わずに金属支持体10と電極材料20とを結合させる手法で、予結合処理を行ってもよい。
【0026】
予結合処理は、H雰囲気等の還元性雰囲気、減圧大気等の略真空雰囲気で行われてもよい。この場合、絶縁性の酸化皮膜の形成が抑制される。それにより、金属支持体10と電極材料20との間に抵抗の低い結合層が形成される。また、予結合処理は、後述する電解質層の焼成工程よりも低い温度または短い時間で行われてもよい。
【0027】
なお、電極材料20としてNi/YSZ、Ni/GDC等のように酸化物以外に金属成分を含む材料を用いる場合、電極材料20の金属成分と金属支持体10の金属成分とを、金属結合させることができる。この場合、電極材料20が配置された領域において、金属支持体10の露出がより抑制される。したがって、電極材料20として、酸化物以外に金属成分を含む材料を用いることが好ましい。
【0028】
次に、電極材料20上に電解質材料を積層し、焼成処理を施す。焼成温度は、電解質材料の焼結開始温度に設定される。電解質材料が焼結することによって、電解質材料が緻密化する。それにより、図3(c)に示すように、金属支持体10上に、電極層30および電解質層40が順に形成される。電解質層40を構成する電解質は、酸素イオン電導性を有している金属酸化物等の固体酸化物であれば特に限定されるものではないが、GDC、3YSZ(3mol% Yttrium Stabilised Zirconia)、6YSZ(6mol% Yttrium Stabilised Zirconia)、8YSZ(8mol% Yttrium Stabilised Zirconia)、10YSZ(10mol% Yttrium Stabilised Zirconia)、8ScSZ(8mol% Scandium Stabilised Zirconia)、8CaSZ(8mol% Calcium Stabilised Zirconia)等の安定化ジルコニア、Ce0.9Gd0.1、Ce0.8Gd0.2、Ce0.8Sm0.2、Ce0.9Sm0.1等の安定化セリア、ランタンガレート(La(1−x)SrGa(1−y)Mg(x:0.05〜0.2、y:0.05〜0.2)等である。
【0029】
図3(c)の焼成処理においては、電解質層40の還元を抑制するために、還元雰囲気ではない条件で行われる。例えば、雰囲気ガスとしては、大気ガスや、その他の酸素混合ガスを用い、圧力は酸素分圧を調整するために減圧下としてもよい。この場合、金属支持体10の表面に、絶縁性の酸化皮膜11が形成される。しかしながら、予結合処理において金属支持体10に電極材料20が予結合していることから、電極材料20が配置された領域においては酸化皮膜11の形成は抑制される。それにより、金属支持体10と電極層30との間の接触抵抗を、予結合処理なしの場合に比べて低くすることができる。
【0030】
次に、図3(d)を参照して、電解質層40上に電極層50を形成する。電極層50は、カソードとしての電極活性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、La0.8Sr0.2CoO、La0.8Sr0.2MnO、La0.8Sr0.2Co0.5Fe0.5等であり、Ag/YSZ(イットリア安定化ジルコニア)サーメット(1/1wt)等のように金属成分を含んでいてもよい。
【0031】
次に、図3(e)を参照して、金属支持体10の電解質層40と反対側の面に形成された酸化皮膜11を除去する。それにより、金属支持体10の電解質層40と反対側の面に導電性が確保される。酸化皮膜11は、例えば、機械研摩、サンドブラスト等の方法で、除去することができる。以上の工程を経て燃料電池100が完成する。
【0032】
燃料電池100は、以下の作用によって発電する。まず、金属支持体10には、水素(H)が供給され、電極層50には、酸素(O)が供給される。電極層50においては、電極層50に供給された酸素と、外部電気回路から供給される電子と、が反応して酸素イオンになる。酸素イオンは、電解質層40を伝導して電極層30側に移動する。
【0033】
一方、金属支持体10に供給された水素は、金属支持体10を透過して、電極層30に到達する。電極層30に到達した水素は、電極層30において電子を放出するとともに、電極層50側から電解質層40を伝導してくる酸素イオンと反応して水(HO)になる。放出された電子は、外部電気回路によって外部に取り出される。外部に取り出された電子は、電気的な仕事をした後に、電極層50に供給される。以上の作用によって、発電が行われる。
【0034】
本実施形態によれば、焼成工程前に予結合処理が実施されることから、金属支持体10が電極材料20に覆われた領域において酸化皮膜が形成されることが抑制される。それにより、金属支持体10と電極層30との間の導電性が改善される。また、本実施形態によれば、表面に絶縁性酸化皮膜が形成される金属支持体10を用いることができる。絶縁性酸化皮膜が形成される金属支持体10は高い耐熱性を有することから、焼成工程における金属支持体10の変質、破壊等の損傷を抑制することができる。
(第2実施形態)
【0035】
図4(a)〜図4(e)は、第2実施形態に係る燃料電池100の製造方法を説明するためのフロー図である。図4(a)を参照して、溶射等の成膜法を用いて、金属支持体10上に電極材料20を積層させる。それにより、図4(b)を参照して、金属支持体10と電極材料20とを結合させることができる。したがって、本実施形態においては、図4(a)の成膜工程が、第1実施形態に係る予結合処理に相当する。その後の図4(c)〜図4(e)の処理は、図3(c)〜図3(e)と共通する。本実施形態においても、焼成工程前に予結合処理が実施されることから、金属支持体10が電極材料20に覆われた領域において酸化皮膜が形成されることが抑制される。
【0036】
なお、上記各実施形態においては、金属支持体上にアノード活性を有する電極材料を予結合させて電解質材料の焼成処理を実施したが、それに限られない。金属支持体上に、カソード活性を有する電極材料を予結合させて電解質材料の焼成処理を実施してもよい。
【0037】
ただし、予結合処理を還元雰囲気において実施する場合には、金属支持体上にアノード活性を有する電極材料を予結合させることが好ましい。アノード活性を有する電極材料は、水素ガス雰囲気で使用されることを前提に選択されるため、カソード活性を有する電極材料と比較して還元雰囲気で還元されにくいからである。
【実施例】
【0038】
以下の実施例では、上記各実施形態で説明した材料、処理条件等の具体例について説明する。
(実施例1)
【0039】
実施例1では、金属支持体10として、厚さ0.3mmのKanthal AFを用い、電極材料20として、厚さ50μmのNi/GDCサーメット(1/1wt)を用いる。コロイダルスプレー法で金属支持体10上に電極材料20を積層する。予結合処理では、H雰囲気、1200℃の温度で、3時間かけて電極材料20を金属支持体10に予結合させる。次に、電極材料20上に、厚さ30μmのGDCの電解質材料をコロイダルスプレー法で積層する。次に、減圧Ar雰囲気(3Torr)、1100℃の温度で、4時間かけて電解質材料に焼成処理を実施する。金属支持体10の電解質層40と反対側の面は、機械研磨により除去する。
(実施例2)
【0040】
実施例2では、金属支持体10として、厚さ0.2mmのSUSXM15J1を用い、カソード活性を有する電極材料として、厚さ100μmのAg/YSZサーメット(1/1wt)を用いる。スクリーン印刷法で金属支持体10上にカソード活性を有する電極材料を積層する。予結合処理では、H雰囲気、1000℃の温度で、2時間かけて電極材料を金属支持体10に予結合させる。次に、電極材料上に、厚さ15μmのYSZの電解質材料をスクリーン印刷法で積層する。次に、大気中、1050℃の温度で、4時間かけて電解質材料に焼成処理を実施する。金属支持体10の電解質層40と反対側の面は、サンドブラストにより除去する。
(実施例3)
【0041】
実施例3では、金属支持体10として、厚さ0.5mmのYUS205M1を用い、アノード活性を有する電極材料20として、厚さ100μmのNi/GDCサーメット(1/1wt)を用いる。溶射法で金属支持体10上に電極材料20を積層する。次に、電極材料上に、厚さ20μmのランタンガレートからなる電解質材料をドクターブレード法で積層する。次に、大気中、1100℃の温度で、4時間かけて電解質材料に焼成処理を実施する。
【0042】
これらの実施例においては、金属支持体の変質、破壊等の損傷を抑制しつつ金属支持体と電極との間の導電性を改善することができる。
【符号の説明】
【0043】
10 金属支持体
11 酸化皮膜
20 電極材料
30 電極層
40 電解質層
50 電極層
100 燃料電池

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属支持体上に電極材料を結合させる結合工程と、
前記電極材料上に固体酸化物電解質を配置して、前記固体酸化物電解質を焼成する焼成工程と、を含み、
前記金属支持体は、前記焼成工程において表面に絶縁性の酸化皮膜を形成する成分を含むことを特徴とする燃料電池の製造方法。
【請求項2】
前記電極材料は、金属酸化物成分と金属成分とを含み、
前記結合工程は、前記金属支持体と前記電極材料の金属成分とを金属結合させる工程であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池の製造方法。
【請求項3】
前記結合工程は、還元雰囲気で実施されることを特徴とする請求項1または2記載の燃料電池の製造方法。
【請求項4】
前記金属支持体に結合させる電極は、アノード活性を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池の製造方法。
【請求項5】
前記金属支持体の酸化皮膜を形成する成分は、AlおよびSiの少なくとも一方であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池の製造方法。
【請求項6】
前記金属支持体において、Al+Si>2wt%の関係が成立することを特徴とする請求項5記載の燃料電池の製造方法。
【請求項7】
前記焼成工程後に、前記金属支持体の前記固体酸化物電解質と反対側の面の酸化皮膜を除去する除去工程を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の燃料電池の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−69299(P2012−69299A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−211401(P2010−211401)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】