説明

燃料電池スタック

【課題】簡単且つコンパクトな構成で、燃料電池スタックを容易に組み立てるとともに、搬送時の位置ずれ等を良好に抑制することを可能にする。
【解決手段】燃料電池スタック10は、複数の固体酸化物形燃料電池12が積層された積層体36を備える。燃料電池スタック10は、積層体36の積層方向に沿って配置され、前記積層体36の側部外方を囲む壁板部材56a〜56dと、前記壁板部材56a〜56dと前記積層体36の側部との間に介装され、前記積層体36の前記側部にセパレータ面方向に向かって荷重を付与するとともに、アルミナ繊維とバーミキュライトとの複合材である複合層62を有する燃料電池保持部58とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解質をアノード電極とカソード電極とで挟んで構成される電解質・電極接合体が、セパレータ間に積層される固体酸化物形燃料電池を備え、複数の前記固体酸化物形燃料電池が積層される積層体を有する燃料電池スタックに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、電解質に酸化物イオン導電体、例えば、安定化ジルコニアを用いており、この電解質の両側にアノード電極及びカソード電極を配設した電解質・電極接合体(MEA)を、セパレータ(バイポーラ板)によって挟持している。この燃料電池は、通常、電解質・電極接合体とセパレータとが所定数だけ積層された燃料電池スタックとして使用されている。
【0003】
この種の燃料電池スタックでは、特に平板積層型固体酸化物形燃料電池が用いられる際、燃料電池同士を積層方向に沿って確実に位置決めする必要がある。このため、例えば、特許文献1に開示されている燃料電池スタックでは、図11に示すように、積層方向両端に端板1aが配設されている。各端板1aの内側には、それぞれ絶縁板2a及び集電板3aが配設されるとともに、前記集電板3a間には、MEA4aとセパレータ5aとを交互に積層した積層体が挟持されている。
【0004】
燃料電池スタックを製造する際には、組み立て治具6aに設けられている複数の位置決めガイド7aに、前記燃料電池スタックを構成する各部材の端面を合わせるようにして、各部材が、順次、積層されている。次いで、一対の端板1aは、図示しないボルトにより一体に固定され、燃料電池スタックに積層方向に締め付け荷重が付与されている。
【0005】
また、特許文献2に開示されている燃料電池の組立方法では、図12に示すように、燃料電池の構成部品であるセパレータ1bの四隅及び各辺の中間部分に、ピン孔2bが形成されている。そして、図示しない治具に設けられているピン3bが、ピン孔2bに挿通されることにより、セパレータ1bの位置決めが行われている。
【0006】
さらにまた、特許文献3に開示されている燃料電池は、図13に示すように、矩形状のセルを含む積層部品が積層されたスタック1cを備えている。スタック1cの第1の側壁には、セルの積層方向に繋がる第1の切り欠き部2cが形成されている。スタック1cの第1の側壁と反対側の第2の側壁には、セルの積層方向に繋がる第2の切り欠き部3cが形成されている。第1の側壁に垂直な方向から見た際に、第1の切り欠き部2cと第2の切り欠き部3cとは、互いに重複しないことを特徴としている。
【0007】
エンドプレートの第1の切り欠き部2cと第2の切り欠き部3cとには、それぞれ円柱形状のガイドシャフト(図示せず)が当接することにより、前記エンドプレートが位置決めされている。次に、上記のエンドプレート上には、同様に、インシュレータ、ターミナル、単位セル、ターミナル、インシュレータ及びエンドプレートが、順次積層されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−86232号公報
【特許文献2】特開2005−79024号公報
【特許文献3】特開2007−179935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記の特許文献1では、組み立て治具6aに設けられている複数の位置決めガイド7aにより、各部材が位置決めされるため、前記位置決めガイド7aを高精度に構成する必要がある。従って、組み立て治具6aの製造コストが高騰するとい問題がある。さらに、燃料電池スタックは、組み立て作業が終了した後、組み立て治具6aから取り外されている。このため、燃料電池スタックを移送する際、前記燃料電池スタックに位置ずれが発生し易いという問題がある。
【0010】
また、上記の特許文献2では、複数のピン3bがセパレータ1bの複数のピン孔2bに挿入されている。ここで、固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、作動温度が比較的高温となるため、ピン3bに伸びや歪みが惹起し易くなる。しかも、燃料電池を移送する際に、ピン3bに損傷等が発生するおそれがある。
【0011】
さらにまた、上記の特許文献3では、各積層部品の第1の側壁と第2の側壁とには、それぞれ第1の切り欠き部2cと第2の切り欠き部3cとを高精度に形成する必要がある。従って、各積層部品の製造コストが相当に高騰するという問題がある。
【0012】
本発明はこの種の問題を解決するものであり、簡単且つコンパクトな構成で、燃料電池スタックを容易に組み立てるとともに、搬送時の位置ずれ等を良好に抑制することが可能な燃料電池スタックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、電解質をアノード電極とカソード電極とで挟んで構成される電解質・電極接合体が、セパレータ間に積層される固体酸化物形燃料電池を備え、複数の前記固体酸化物形燃料電池が積層される積層体を有する燃料電池スタックに関するものである。
【0014】
この燃料電池スタックは、積層体の積層方向に沿って配置され、前記積層体の側部外方を囲む壁部と、前記壁部と前記積層体の側部との間に介装され、前記積層体の前記側部にセパレータ面方向に向かって荷重を付与するとともに、アルミナ繊維とバーミキュライトとの複合材を有する燃料電池保持部とを備えている。
【0015】
また、この燃料電池スタックでは、燃料電池保持部は、アルミナ繊維により構成されるアルミナ層と、複合材により構成される複合層とを備えるとともに、前記アルミナ層は、積層体の側部側に配置され且つ前記複合層は、壁部側に配置されることが好ましい。
【0016】
アルミナ繊維は、弾性を有するとともに、高温における耐久性に優れる。しかも、アルミナ繊維は、断熱性及び絶縁性を有しており、アルミナ層は、高温で運転される積層体の側部に良好に配置可能となる。一方、バーミキュライトは、アルミナ繊維に比べて高温耐久性が低いものの、高温時の熱膨張率が大きい。
【0017】
このため、複合層は、壁部側に配置されることにより、バーミキュライトが積層体からの温度に直接曝されることがない。しかも、バーミキュライトが熱膨張することにより、積層体のセパレータ面方向の位置ずれを良好に抑制することができる。
【0018】
さらに、この燃料電池スタックでは、燃料電池保持部と積層体との間に配置される絶縁部材を備えることが好ましい。従って、絶縁部材は、絶縁機能と積層体の位置決め機能とを有することができ、前記積層体の位置決め作業がより簡素化される。
【0019】
さらにまた、この燃料電池スタックでは、絶縁部材は、マイカであることが好ましい。これにより、絶縁部材として、良好に機能することが可能になる。
【0020】
また、この燃料電池スタックでは、固体酸化物形燃料電池は、平板積層型固体酸化物形燃料電池であることが好ましい。このため、特に、平板型SOFC(固体酸化物形燃料電池)のような高温型燃料電池に好適に適用することが可能になる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、アルミナ繊維は、弾性を有するとともに、高温における耐久性に優れる。しかも、断熱性及び絶縁性を有している。一方、バーミキュライトは、高温時の膨張率が大きい。このため、複合層は、耐熱性、断熱性及び熱膨張性に優れ、燃料電池スタックの温度変化に容易に追従して、積層体のセパレータ面方向の位置ずれを良好に抑制することができる。
【0022】
さらに、燃料電池スタックからの放熱を良好に抑制することが可能になるとともに、熱自立の促進が図られる。ここで、熱自立とは、外部から熱を付与することなく、自ら発生する熱により良好な運転が可能になる状態をいう。
【0023】
これにより、簡単且つコンパクトな構成で、燃料電池スタックを容易に組み立てることができ、搬送時の位置ずれ等を良好に抑制するとともに、放熱を抑制して高効率な燃料電池スタックを提供することができる。
【0024】
その上、構成部品を位置決めするための位置決めピンやガイド等が不要になる。従って、組み立て時の位置決めを高精度に行う必要がなく、組み立て工数を有効に削減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る燃料電池スタックの概略斜視説明図である。
【図2】前記燃料電池スタックの一部分解斜視説明図である。
【図3】前記燃料電池スタックを構成する固体酸化物形燃料電池の分解斜視説明図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る燃料電池スタックの一部分解斜視説明図である。
【図5】前記燃料電池スタックの概略断面説明図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る燃料電池スタックの概略斜視説明図である。
【図7】前記燃料電池スタックの一部分解斜視説明図である。
【図8】前記燃料電池スタックを構成する固体酸化物形燃料電池の分解斜視説明図である。
【図9】前記固体酸化物形燃料電池を構成する第2プレートの説明図である。
【図10】前記燃料電池スタックの一部断面平面説明図である。
【図11】特許文献1の燃料電池スタックの組み立て作業の斜視説明図である。
【図12】特許文献2の燃料電池の平面説明図である。
【図13】特許文献3の燃料電池の平面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1及び図2に示すように、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池スタック10は、複数の固体酸化物形燃料電池12を矢印C方向(鉛直方向)又は矢印A方向(水平方向)に積層して構成される。この燃料電池スタック10は、定置用の他、車載用等の種々の用途に用いられている。固体酸化物形燃料電池12は、燃料ガス(水素含有ガス、例えば、水素ガスにメタン、一酸化炭素が混合した気体)と酸化剤ガス(空気)との電気化学反応により発電する。
【0027】
固体酸化物形燃料電池12は、図3に示すように、例えば、安定化ジルコニア等の酸化物イオン導電体で構成される電解質(電解質板)14の両面に、カソード電極16及びアノード電極18が設けられた電解質・電極接合体(MEA)20を備える。
【0028】
電解質・電極接合体20は、アノード電極18の厚さ方向の寸法がカソード電極16及び電解質14の厚さ方向の寸法よりも大きなアノード電極支持型セルであるとともに、前記カソード電極16の表面積は、前記電解質14の表面積よりも小さく設定される。
【0029】
なお、電解質・電極接合体20は、アノード電極支持型セルに代えて、電解質14の厚さ方向の寸法がアノード電極18及びカソード電極16の厚さ方向の寸法よりも大きな電解質支持型セルを用いるとともに、少なくとも前記アノード電極18の表面積又は前記カソード電極16の表面積は、前記電解質14の表面積よりも小さく設定されることができる。
【0030】
カソード電極16には、集電体19が積層される。集電体19は、カソード電極16と略同一の寸法に設定され、例えば、ニッケル等の金属からなる発泡金属や金属メッシュ等により構成される。
【0031】
電解質・電極接合体20は、矩形状(長方形状又は正方形状)に形成されるとともに、少なくとも外周端面部には、酸化剤ガス及び燃料ガスの進入や排出を阻止するためにバリアー層(図示せず)が設けられている。
【0032】
固体酸化物形燃料電池12は、一対のセパレータ(インターコネクタ)22間に、シール部材24a、24b及び金属プレート25を介装して単一の電解質・電極接合体20を挟んで構成される。セパレータ22は、例えば、ステンレス合金等の板金で構成される一方、シール部材24a、24bは、例えば、マイカ材やセラミック材等の地殻成分系素材、ガラス系素材、粘土とプラスチックの複合素材で形成される。
【0033】
金属プレート25は、フレーム形状を有し、内部に形成される開口部25aは、カソード電極16よりも大きく且つ電解質14よりも小さく構成される。金属プレート25は、開口部25aの周壁部が、電解質14の周縁部に積層されることにより、カソード側とアノード側との間におけるガスシール機能を有する。
【0034】
セパレータ22は、長方形状(又は正方形状)を有しており、長辺方向(矢印A方向)一端側には、複数、例えば、3つの酸化剤ガス供給連通孔26aが短辺方向(矢印B方向)に配列して形成される。セパレータ22の長辺方向他端側には、矢印B方向に配列して、例えば、3つの酸化剤ガス排出連通孔26bが形成される。
【0035】
セパレータ22の短辺方向(矢印B方向)一端側には、例えば、3つの燃料ガス供給連通孔28aが矢印A方向に配列して形成される。セパレータ22の短辺方向他端側には、例えば、3つの燃料ガス排出連通孔28bが矢印A方向に配列して形成される。
【0036】
なお、上記の構成とは逆に、セパレータ22の長辺方向両端側に、3つの燃料ガス供給連通孔28aと3つの燃料ガス排出連通孔28bとを設ける一方、前記セパレータ22の短辺方向両端側に、3つの酸化剤ガス供給連通孔26aと3つの酸化剤ガス排出連通孔26bとを設けてもよい。
【0037】
セパレータ22において、電解質・電極接合体20のカソード電極16に対向する面22aに、前記カソード電極16の電極面に沿って酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス通路30が形成される。酸化剤ガス通路30は、矢印A方向に延在する複数本の流路溝により構成されるとともに、両端が酸化剤ガス供給連通孔26a及び酸化剤ガス排出連通孔26bの近傍で終端する。
【0038】
セパレータ22において、電解質・電極接合体20を構成するアノード電極18に対向する面22bには、前記アノード電極18の電極面に沿って燃料ガスを供給するための燃料ガス通路32が形成される。
【0039】
燃料ガス通路32は、矢印B方向に延在する複数の流路溝により構成されるとともに、両端が、燃料ガス供給連通孔28a及び燃料ガス排出連通孔28bに連通する。
【0040】
シール部材24a、24bには、酸化剤ガス供給連通孔26a、酸化剤ガス排出連通孔26b、燃料ガス供給連通孔28a及び燃料ガス排出連通孔28bが形成される。シール部材24aには、各酸化剤ガス供給連通孔26aと酸化剤ガス通路30とを連通するための入口連結路34aと、各酸化剤ガス排出連通孔26bと前記酸化剤ガス通路30とを連通する出口連結路34bとが形成される。
【0041】
セパレータ22は、電解質・電極接合体20を挟持するとともに、燃料ガス通路32及び酸化剤ガス通路30が個別に設けられる挟持部35と、酸化剤ガス供給連通孔26a、酸化剤ガス排出連通孔26b、燃料ガス供給連通孔28a及び燃料ガス排出連通孔28bが積層方向に形成される反応ガス供給部37とを備える。
【0042】
図1及び図2に示すように、複数の固体酸化物形燃料電池12は、矢印C方向に積層されることにより、積層体36が構成される。積層体36は、前記積層体36の積層方向下端(一端)に配置される下部エンドプレート(基台部)38上に載置される。
【0043】
下部エンドプレート38は、矢印A方向及び矢印B方向の寸法が、積層体36の各寸法よりも大きな寸法に設定されるとともに、酸化剤ガス供給連通孔26a、酸化剤ガス排出連通孔26b、燃料ガス供給連通孔28a及び燃料ガス排出連通孔28bが形成される(図2参照)。
【0044】
下部エンドプレート38の各端面(厚さ方向に沿う端面)には、それぞれ複数のねじ孔40が形成される。なお、下部エンドプレート38には、図示しないが、酸化剤ガス及び燃料ガスの供給及び排出を行うためのマニホールドが装着される。
【0045】
積層体36の積層方向上端(他端)には、上部エンドプレート42が配置される。上部エンドプレート42の矢印A方向及び矢印B方向の寸法は、積層体36の各寸法と同寸法に設定されるとともに、前記上部エンドプレート42は、長方形状(又は正方形状)の平板で構成される。
【0046】
上部エンドプレート42上には、燃料電池保持部44と荷重プレート(架台部)46とが積層される。荷重プレート46の各端面には、それぞれ複数のねじ孔48が形成される。
【0047】
燃料電池保持部44は、挟持部35に電解質・電極接合体20に対応して積層方向に荷重を付与する第1保持部44aと、反応ガス供給部37に前記積層方向に荷重を付与する第2保持部44bとを有するとともに、前記第1保持部44aは、前記第2保持部44bよりも密度が小さく設定される。
【0048】
具体的には、燃料電池保持部44は、アルミナ層52と、第1保持部44aを構成する第1複合層54aと、第2保持部44bを構成する第2複合層54bとを備える。第1複合層54aと第2複合層54bとは、一体に構成されて全体として長方形状を有する。この長方形状の中央側には、電解質・電極接合体20の形状に対応する第1複合層54aが設けられる一方、前記第1複合層54aを周回して反応ガス供給部37に対応する額縁状の第2複合層54bが設けられる。
【0049】
アルミナ層52は、アルミナ繊維により構成される。このアルミナ層52は、具体的には、結晶質アルミナ繊維に有機バインダーを含浸させて厚さ方向に圧縮し、前記有機バインダーの溶媒部を乾燥により除去することにより形成される。アルミナ層52は、アルミナ繊維により弾性を有するとともに、高温における耐久性に優れ、しかも断熱性及び絶縁性を有している。
【0050】
第1複合層54a及び第2複合層54bは、アルミナ繊維とバーミキュライトとの複合材を有する。第1複合層54a及び第2複合層54bは、バーミキュライトの粒子を、結晶質アルミナ繊維を含むスラリー中に分散させるとともに、上記のアルミナ層52と同様に製造される。第1複合層54aは、第2複合層54bよりもバーミキュライトの含有量が少なく設定される。なお、第1複合層54aと第2複合層54bとは、分離して構成してもよい。
【0051】
積層体36の積層方向に沿って、前記積層体36の各側部外方を囲んで壁板部材(壁部)56a〜56dが配設されるとともに、前記積層体36の側部と前記壁板部材56a〜56dとの間には、燃料電池保持部58が介装される。壁板部材56a〜56dは、下部エンドプレート38の各ねじ孔40及び荷重プレート46の各ねじ孔48に螺合するボルト60を介して、前記下部エンドプレート38及び前記荷重プレート46に矢印C方向両端が固定される。壁板部材56a〜56dには、荷重プレート46を積層方向に調整可能にする長孔57が形成される。
【0052】
燃料電池保持部58は、少なくとも複合層62を備え、必要に応じてアルミナ層や絶縁部材(後述する)が積層体36側に向かって順次配置される。複合層62は、アルミナ繊維とバーミキュライトとの複合材を有する。この複合層62は、具体的には、バーミキュライトの粒子を、結晶質アルミナ繊維を含むスラリー中に分散させるとともに、上記のアルミナ層52と同様に製造される。
【0053】
燃料電池スタック10を組み立てる際には、下部エンドプレート38上に積層体36が載置された後、この積層体36上には、上部エンドプレート42が配置される。上部エンドプレート42上には、アルミナ層52と第1及び第2複合層54a、54bが、それぞれ所定の厚さずつ載置された後、荷重プレート46が配置される。
【0054】
次いで、積層体36の各側部には、複合層62が配置されるとともに、前記複合層62を前記積層体36の各側部に押圧するようにして、壁板部材56a〜56dが配置される。壁板部材56a〜56dは、ボルト60が下部エンドプレート38の各ねじ孔40及び荷重プレート46の各ねじ孔48に螺合することにより、前記下部エンドプレート38及び前記荷重プレート46に固定される。
【0055】
積層体36には、燃料電池保持部44を介して積層方向の荷重が付与されるとともに、燃料電池保持部58を介してセパレータ面方向の位置保持機能が付与される。
【0056】
このように構成される燃料電池スタック10の動作について、以下に説明する。
【0057】
図2に示すように、燃料電池スタック10を構成する下部エンドプレート38には、図示しないマニホールドを介して燃料ガス(例えば、水素ガス)と酸化剤ガスである、例えば、空気とが供給される。空気は、酸化剤ガス供給連通孔26aに沿って鉛直上方向に移動する。
【0058】
各固体酸化物形燃料電池12では、図3に示すように、シール部材24aの酸化剤ガス供給連通孔26aに連通する入口連結路34aを通って、セパレータ22の酸化剤ガス通路30に供給される。空気は、酸化剤ガス通路30を矢印A方向に移動しながら、電解質・電極接合体20のカソード電極16に供給された後、酸化剤ガス排出連通孔26bに排出される。
【0059】
一方、燃料ガスは、燃料ガス供給連通孔28aに沿って鉛直上方向に移動し、各固体酸化物形燃料電池12を構成するセパレータ22の燃料ガス通路32に供給される。燃料ガスは、燃料ガス通路32に沿って矢印B方向に移動しながら、電解質・電極接合体20のアノード電極18に供給された後、燃料ガス排出連通孔28bに排出される。
【0060】
従って、電解質・電極接合体20では、アノード電極18に燃料ガスが供給されるとともに、カソード電極16に空気が供給される。これにより、酸化物イオンが、電解質14を通ってアノード電極18に移動し、化学反応により発電が行われる。
【0061】
この場合、第1の実施形態では、積層体36の各側部には、複合層62が配置されるとともに、前記複合層62を前記積層体36の各側部に押圧するようにして、壁板部材56a〜56dが配置されている。
【0062】
複合層62は、弾性を有し、高温における耐久性、断熱性及び絶縁性に優れるアルミナ繊維と、高温時の熱膨張率が大きいバーミキュライトとを有している。このため、複合層62は、耐熱性、断熱性及び熱膨張性に優れ、燃料電池スタック10の温度変化に容易に追従して、積層体36にセパレータ面方向(矢印A方向及び矢印B方向)の位置ずれが発生することを良好に抑制することができる。
【0063】
しかも、積層体36は、燃料電池保持部58を構成する各複合層62により各側部を保持されている。従って、燃料電池スタック10を搬送する際、積層体36がセパレータ面方向に位置ずれを生ずることを阻止することが可能になる。
【0064】
さらに、燃料電池スタック10からの放熱を良好に抑制することが可能になるとともに、熱自立の促進が図られる。ここで、熱自立とは、外部から熱を付与することなく、自ら発生する熱により良好な運転が可能になる状態をいう。
【0065】
これにより、簡単且つコンパクトな構成で、燃料電池スタック10を容易に組み立てることができ、搬送時の位置ずれ等を良好に抑制するとともに、放熱を抑制して高効率な燃料電池スタック10を提供することができるという効果が得られる。
【0066】
その上、構成部品を位置決めするための位置決めピンやガイド等が不要になる。従って、組み立て時の位置決めを高精度に行う必要がなく、組み立て工数を有効に削減することが可能になる。
【0067】
図4は、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池スタック70の一部分解斜視説明図である。
【0068】
なお、第1の実施形態に係る燃料電池スタック10と同一の構成要素には、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、以下に説明する第3の実施形態においても同様に、その詳細な説明は省略する。さらに、第2以降の実施形態では、架台部としてボックスを用いて説明するが、これに限定されるものではなく、第1の実施形態の荷重プレート46及び壁板部材56a〜56dを採用することも可能である。
【0069】
燃料電池スタック70では、図4及び図5に示すように、第1の実施形態の荷重プレート46に変えてボックス72を備える。ボックス72は、例えば、フェライト系ステンレスで構成されており、開口側端部には、外方に突出するフランジ部74が設けられフランジ部74には、複数の孔部76が形成される。
【0070】
下部エンドプレート38上には、シール部材78を介して積層体36が載置される。シール部材78は、額縁状を有するとともに、複数の孔部80が、孔部76と同軸上に形成される。
【0071】
孔部76、80には、ボルト82が一体に挿入され、このボルト82が、下部エンドプレート38のねじ孔84にねじ込まれることにより、ボックス72の底部(架台部)72aが、燃料電池保持部44を積層方向に押圧する。ボックス72内には、積層体36の各側部に沿って絶縁部材、例えば、マイカ等の絶縁板86と燃料電池保持部88とが配置される。
【0072】
絶縁板86は、積層体36と燃料電池保持部88との間に配置される一方、前記燃料電池保持部88は、アルミナ層90と複合層92とを備える。アルミナ層90は、前述したアルミナ層52と同様に構成される。複合層92は、アルミナ繊維とバーミキュライトとの複合材を有しており、前述した第1複合層54a(54b)と同様に構成される。アルミナ層90は、積層体36の側部側に配置され且つ複合層92は、ボックス72の各壁面(壁部)72b側に配置される。なお、ボックス72内の空間部分には、例えば、アルミナ繊維を充填してもよい。
【0073】
このように構成される第2の実施形態では、燃料電池保持部88は、アルミナ繊維により構成されるアルミナ層90と、複合材により構成される複合層92とを備えるとともに、前記アルミナ層90は、積層体36の側部側に配置され且つ前記複合層92は、壁面72b側に配置されている。
【0074】
アルミナ繊維は、弾性を有するとともに、高温における耐久性に優れる。しかも、アルミナ繊維は、断熱性及び絶縁性を有しており、アルミナ層90は、高温で運転される積層体36の側部に良好に配置可能となる。
【0075】
一方、バーミキュライトは、アルミナ繊維に比べて高温耐久性が低いものの、高温時の熱膨張率が大きい。このため、複合層92は、壁面72b側に配置されることにより、バーミキュライトが積層体36からの温度に直接曝されることがない。しかも、バーミキュライトが熱膨張することにより、積層体36のセパレータ面方向の位置ずれを良好に抑制することができる。
【0076】
さらに、第2の実施形態では、燃料電池保持部88と積層体36との間に、絶縁板86が配置されている。従って、絶縁板86は、絶縁機能と積層体36のセパレータ面方向の位置決め機能とを有することができ、前記積層体36の位置決め作業がより簡素化される。
【0077】
特に、燃料電池保持部88を構成するアルミナ層90は、アルミナ繊維を有している。このため、絶縁板86が介装されることにより、アルミナ層90が積層体36のセパレータ面方向の荷重を吸収することを確実に抑制することが可能になる。
【0078】
さらにまた、この燃料電池スタック70では、絶縁板86は、マイカで構成されている。これにより、絶縁部材として、良好に機能することが可能になる。
【0079】
図6は、本発明の第3の実施形態に係る燃料電池スタック100の概略斜視説明図である。
【0080】
図6及び図7に示すように、燃料電池スタック100は、矢印C方向に積層される複数の固体酸化物形燃料電池102を備え、複数の前記固体酸化物形燃料電池102が積層されて積層体104が構成される。
【0081】
固体酸化物形燃料電池102は、図8に示すように、同一平面状に2つの電解質・電極接合体20を挟持する一組のセパレータ106を備える。セパレータ106は、第1プレート108と第2プレート110とを備え、前記第1プレート108及び前記第2プレート110は、例えば、ステンレス合金等の板金で構成され、ろう付け、拡散接合やレーザ溶接等により互いに接合される。
【0082】
セパレータ106は、中央部に燃料ガス供給連通孔112が形成される燃料ガス供給部114を有する。燃料ガス供給部114には、互いに反対方向に延在して一対の橋架部116A、116Bが連結されるとともに、一対の前記橋架部116A、116Bには、前記燃料ガス供給部114を中心に対称位置にそれぞれ挟持部118A、118Bが一体に設けられる。
【0083】
第1プレート108は、燃料ガス供給連通孔112が形成される第1円板部120を有し、前記第1円板部120から互いに反対方向に延在して、第1長板部122A、122Bが一体に設けられる。第1及び第2長板部122A、122Bには、第1矩形状部124A、124Bが一体に設けられる。第1矩形状部124A、124Bの各カソード電極16に対向する面部には、複数の突起部126A、126Bを介して、それぞれ酸化剤ガス通路30A、30Bが形成される。
【0084】
第2プレート110は、中央に燃料ガス供給連通孔112が形成される第2円板部128を有し、前記第2円板部128には、互いに逆方向に延在して第2長板部130A、130Bが一体に設けられる。第2長板部130A、130Bには、それぞれ第2矩形状部132A、132Bが一体に設けられる。
【0085】
各第2長板部130A、130Bから各第2矩形状部132A、132Bの途上に延在して、燃料ガス供給通路134A、134Bが形成されるとともに、前記燃料ガス供給通路134A、134Bの終端縁部には、燃料ガス供給孔136A、136Bが形成される。第2矩形状部132A、132Bには、燃料ガス供給通路134A、134Bが形成される面側に、それぞれ複数の燃料ガス排出孔137A、137Bが形成される。
【0086】
図9に示すように、第2矩形状部132A、132Bのアノード電極18に接触する面側には、複数の突起部138A、138Bを介して燃料ガス通路32A、32Bが形成される。燃料ガス通路32A、32Bは、外縁周回用凸部140A、140Bにより周回されるとともに、それぞれ燃料ガス排出孔137A、137Bに連通する貫通孔142A、142Bが形成される。燃料ガス供給孔136A、136Bと燃料ガス排出孔137A、137Bとの間には、V字状の迂回路形成用壁部144A、144Bが形成される。
【0087】
図8に示すように、橋架部116A、116Bの両側には、酸化剤ガスを矢印C方向に流通させるための酸化剤ガス供給連通孔146が設けられる。酸化剤ガス供給連通孔146は、例えば、鉛直上方向に酸化剤ガスを流通させるとともに、各固体酸化物形燃料電池102を構成する酸化剤ガス通路30A、30Bに沿って、前記酸化剤ガスを矢印A方向に供給する。
【0088】
電解質・電極接合体20を挟んで配設される一対のセパレータ106において、各燃料ガス供給部114間には、燃料ガス供給連通孔112をシールするための絶縁シール148が設けられる。絶縁シール148は、例えば、マイカ材やセラミック材等の地殻成分系素材、ガラス系素材、粘土とプラスチックの複合素材で形成される。
【0089】
各固体酸化物形燃料電池102には、挟持部118A、118Bの矢印A方向外方に位置して、排ガス排出連通孔150が形成される。この排ガス排出連通孔150は、電解質・電極接合体20に供給されて反応に使用された燃料ガス及び酸化剤ガスを排ガスとして積層方向に排出する。
【0090】
燃料電池スタック100は、図6及び図7に示すように、積層体104の積層方向下端(一端)に配置される下部エンドプレート152と、前記積層体104の積層方向上端(他端)に各挟持部118A、118Bに対応して配置される上部エンドプレート154A、154Bと、燃料ガス供給部114に対応して配置される燃料シールプレート156とを備える。
【0091】
燃料シールプレート156には、第1燃料電池保持部158が配置されるとともに、上部エンドプレート154A、154B上には、第2燃料電池保持部160A、160Bが配置され、これらにより燃料電池保持部が構成される。
【0092】
第1燃料電池保持部158は、燃料シールプレート156に隣接するアルミナ層162と、このアルミナ層162上に積層される複合層164とを有する。アルミナ層162及び複合層164は、燃料シールプレート156に対応して円板状に構成される。
【0093】
第2燃料電池保持部160A、160Bは、上部エンドプレート154A、154B上に載置されるアルミナ層52A、52Bと、前記アルミナ層52A、52B上に積層される複合層54A、54Bとを備える。
【0094】
アルミナ層162、52A及び52Bは、上記のアルミナ層52と同一に構成され、複合層164、54A及び54Bは、上記の第1複合層54aと同様に構成される。
【0095】
第1燃料電池保持部158は、第2燃料電池保持部160A、160Bよりも積層方向(矢印C方向)に大きな荷重を付与するように、例えば、アルミナ繊維の圧縮量を大きくとり、あるいは、密度を大きく設定する等により構成される。
【0096】
燃料電池スタック100は、ボックス166を備える。このボックス166の開口部側端部にフランジ部168が形成されるとともに、このフランジ部168と下部エンドプレート152との間には、シール部材170が介装される。フランジ部168と下部エンドプレート152とは、複数本のボルト82を介して固定される。
【0097】
下部エンドプレート152には、図10に示すように、酸化剤ガス供給連通孔146に連通するそれぞれ2つの空気用孔部172a、172bと、排ガス排出連通孔150に連通する2つの排ガス用孔部174a、174bとが形成される。下部エンドプレート152には、燃料ガス供給連通孔112に連通する1つの燃料ガス用孔部175が形成される。
【0098】
図6、図7及び図10に示すように、積層体104とボックス166内との間には、挟持部118A、118Bの三面を囲ってそれぞれ3つの断熱部材176A、176Bが配置される。断熱部材176A、176Bは、例えば、マイカ等の断熱材で構成される。
【0099】
挟持部118A、118Bの互いに平行な二面には、それぞれ断熱部材176A、176Bとボックス166の各壁面(壁部)166aとの間に、燃料電池保持部180A、180Bが配置される。燃料電池保持部180A、180Bは、アルミナ層182A、182Bと複合層184A、184Bとを備える。アルミナ層182A、182Bは、積層体104の側部側に配置され、且つ複合層184A、184Bは、ボックス166の各壁面166a、166b側に配置される。
【0100】
このように構成される燃料電池スタック100の動作について、以下に説明する。
【0101】
燃料ガスは、下部エンドプレート152の燃料ガス用孔部175から燃料電池スタック100の燃料ガス供給連通孔112に供給される。一方、空気は、下部エンドプレート152の空気用孔部172a、172bから燃料電池スタック100の酸化剤ガス供給連通孔146に供給される。
【0102】
図8に示すように、燃料ガス供給連通孔112に供給された燃料ガスは、各固体酸化物形燃料電池102を構成するセパレータ106において、橋架部116A、116Bに形成されている燃料ガス供給通路134A、134Bに導入される。燃料ガスは、燃料ガス供給通路134A、134Bから燃料ガス供給孔136A、136Bを通って燃料ガス通路32A、32Bに導入される。
【0103】
図9に示すように、燃料ガス通路32A、32Bに導入された燃料ガスは、迂回路形成用壁部144A、144Bの案内作用下に、前記燃料ガス通路32A、32Bを通って電解質・電極接合体20のアノード電極18に供給された後、各燃料ガス排出孔137A、137Bを通って排ガス排出連通孔150に排出される。
【0104】
一方、酸化剤ガス供給連通孔146に供給された空気は、各電解質・電極接合体20のカソード電極16とセパレータ106との間に形成されている酸化剤ガス通路30A、30Bに導入される。酸化剤ガスは、酸化剤ガス通路30A、30Bを矢印A方向に移動しながら、電解質・電極接合体20のカソード電極16に供給された後、排ガス排出連通孔150に排出される。
【0105】
この場合、第3の実施形態では、挟持部118A、118Bの互いに平行な二面には、それぞれ断熱部材176A、176Bとボックス166の各壁面166aとの間に、燃料電池保持部180A、180Bが配置されている。燃料電池保持部180A、180Bは、アルミナ層182A、182Bと複合層184A、184Bとを備えている。
【0106】
これにより、第3の実施形態では、簡単且つコンパクトな構成で、燃料電池スタック100を容易に組み立てることができ、搬送時の位置ずれ等を良好に抑制するとともに、放熱を抑制して高効率な燃料電池スタック100を提供することが可能になる等、上記の第1及び第2の実施形態と同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0107】
10、70、100…燃料電池スタック
12、102…固体酸化物形燃料電池 14…電解質
16…カソード電極 18…アノード電極
20…電解質・電極接合体 22、106…セパレータ
24a、24b、78、170…シール部材
26a…酸化剤ガス供給連通孔 26b、146…酸化剤ガス排出連通孔
28a、112…燃料ガス供給連通孔 28b…燃料ガス排出連通孔
30、30A、30B…酸化剤ガス通路
32、32A、32B…燃料ガス通路
35、118A、118B…挟持部 36、104…積層体
38、152…下部エンドプレート
42、154A、154B…上部エンドプレート
44…燃料電池保持部 46…荷重プレート
52、52A、52B、90、162、182A、182B…アルミナ層
54a、54b、54A、54B、62、92、164、184A、184B…複合層
56a〜56d…壁板部材
58、88、158、160A、160B、180A、180B…燃料電池保持部
60、82…ボルト 62…複合層
72、166…ボックス 72a…底部
72b、166a、166b…壁面 86…絶縁板
108、110…プレート 114…燃料ガス供給部
116A、116B…橋架部
134A、134B…燃料ガス供給通路
156…燃料シールプレート 176A、176B…断熱部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解質をアノード電極とカソード電極とで挟んで構成される電解質・電極接合体が、セパレータ間に積層される固体酸化物形燃料電池を備え、複数の前記固体酸化物形燃料電池が積層される積層体を有する燃料電池スタックであって、
前記積層体の積層方向に沿って配置され、該積層体の側部外方を囲む壁部と、
前記壁部と前記積層体の側部との間に介装され、前記積層体の前記側部にセパレータ面方向に向かって荷重を付与するとともに、アルミナ繊維とバーミキュライトとの複合材を有する燃料電池保持部と、
を備えることを特徴とする燃料電池スタック。
【請求項2】
請求項1記載の燃料電池スタックにおいて、前記燃料電池保持部は、アルミナ繊維により構成されるアルミナ層と、
前記複合材により構成される複合層と、
を備えるとともに、
前記アルミナ層は、前記積層体の前記側部側に配置され且つ前記複合層は、前記壁部側に配置されることを特徴とする燃料電池スタック。
【請求項3】
請求項1又は2記載の燃料電池スタックにおいて、前記燃料電池保持部と前記積層体との間に配置される絶縁部材を備えることを特徴とする燃料電池スタック。
【請求項4】
請求項3記載の燃料電池スタックにおいて、前記絶縁部材は、マイカであることを特徴とする燃料電池スタック。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池スタックにおいて、前記固体酸化物形燃料電池は、平板積層型固体酸化物形燃料電池であることを特徴とする燃料電池スタック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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