説明

燃料電池モジュールおよび燃料電池装置

【課題】発電効率の向上した燃料電池モジュールおよび燃料電池装置を提供する。
【解決手段】内壁と外壁との間を第2の反応ガスが流れるように構成された収納容器内の発電室内に、燃料電池セルを集電部材4を介してマニホールド上に配列してなる燃料電池セルスタック装置を収納するとともに、上部に位置する内壁に第2の反応ガスが発電室側に流れるための反応ガス導入部材を備える燃料電池モジュールであって、集電部材4は、燃料電池セル間に配置されて一端が反応ガス導入部材に接続された管状の反応ガス流通部16と、反応ガス流通部16に接続されて、隣接する一方の燃料電池セルに接触している集電片17と他方の燃料電池セルに接触している集電片17とを備えてなり、反応ガス流通部16は、隣接する燃料電池セル間に第2の反応ガスを供給するための反応ガス供給口35を有することから、発電効率を向上することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納容器内に複数個の燃料電池セルを収納してなる燃料電池モジュールおよびそれを具備する燃料電池装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、次世代エネルギーとして、水素含有ガス(燃料ガス)と空気(酸素含有ガス)とを用いて電力を得ることができる燃料電池セルを、集電部材を介して複数個配置し、それぞれの燃料電池セルを電気的に接続してなるセルスタックを、燃料電池セルに燃料ガスを供給するためのマニホールドに固定してセルスタック装置を構成し、そのセルスタック装置を収納容器内に収納してなる燃料電池モジュールや燃料電池モジュールを外装ケース内に収納してなる燃料電池装置が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図11および図12は、従来の燃料電池モジュール70の一例を示したものであり、図11における燃料電池モジュール70は、直方体状の収納容器71の内部に設けられた発電室78に、内部を燃料ガスが流通するガス流路を有する燃料電池セル72を立設させた状態で配列し、隣接する燃料電池セル72間に集電部材(図示せず)を介してそれぞれの燃料電池セル72を電気的に直列に接続して燃料電池セルスタック74を構成するとともに、燃料電池セル72の下端をガラスシール材等の絶縁性接合材(図示せず)でマニホールド73に固定してなる燃料電池セルスタック装置77を収納して構成されている。
【0004】
また、燃料電池セル72の発電に用いる水素含有ガスを得るために、天然ガスや灯油等の燃料を改質して燃料ガス(水素含有ガス)を生成するための改質器75を燃料電池セルスタック74(燃料電池セル72)の上方に配置している。そして、改質器75で生成された燃料ガス(第1の反応ガス)は、ガス流通管76によりマニホールド73に供給され、マニホールド73を介して燃料電池セル72の内部に設けられたガス流路に供給される。
【0005】
図12は、燃料電池セルスタック装置77および改質器75を収納容器71に収納してなる燃料電池モジュール70の断面図である。燃料電池モジュール70を構成する収納容器71は、内壁76と外壁77とを有する二重構造で、外壁77により収納容器71の外枠が形成され、内壁76と外壁77との間を、燃料電池セル72に導入する酸素含有ガスが流通する酸素含有ガス流路としている。
【0006】
そして、酸素含有ガス流路を流れた酸素含有ガスは、続いて上部に位置する内壁76に接続された酸素含有ガス導入部材79を流れて燃料電池セル72の下端側に位置する吹出口80より、燃料電池セル72の側面側に供給され、その供給された酸素含有ガスの一部が、燃料電池セル72間に配置された集電部材の内部を流通して、燃料電池セル72の空気極層に供給され、ガス流路を流れた燃料ガスが、燃料電池セル72の燃料極層に供給されて、発電が行なわれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−59377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで、図11に示す燃料電池モジュール70において、酸素含有ガス導入部材79を流れて吹出口80より供給される酸素含有ガスは、その一部は燃料電池セル72間に配置された集電部材の内部を流れて、燃料電池セル72に供給されるが、残りの酸素含有ガスは、燃料電池セル72の側面を上方に流れ、発電反応に用いられないこととなる。それゆえ、吹出口80より供給される酸素含有ガスが、十分に空気極層に供給されず、発電効率が向上しないおそれがあった。
【0009】
それゆえ、本発明は、燃料電池セルの外側より供給される反応ガスの十分量を燃料電池セルに供給することができ、発電効率を向上することができる燃料電池モジュールおよびそれを具備する燃料電池装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の燃料電池モジュールは、内壁と外壁とを有する二重構造からなる収納容器内に設けられた発電室内に、内部にガス流路を有する柱状の燃料電池セルを集電部材を介して複数個立設させた状態で配列して電気的に接続してなるセルスタックと、前記燃料電池セルの下端を固定するとともに前記燃料電池セルに第1の反応ガスを供給するためのマニホールドとを有する燃料電池セルスタック装置を収納してなるとともに、前記内壁と前記外壁との間を第2の反応ガスが流れる反応ガス流路とし、上部に位置する前記内壁に、前記第2の反応ガスが前記発電室側に流れるための反応ガス導入部材を備えてなる燃料電池モジュールであって、前記集電部材は、前記燃料電池セル間に配置されて一端が前記反応ガス導入部材に接続された管状の反応ガス流通部と、該反応ガス流通部に接続されて隣接する一方の前記燃料電池セルに接触している集電片と、該反応ガス流通部に接続されて隣接する他方の前記燃料電池セルに接触している集電片とを備えてなり、前記反応ガス流通部は、隣接する前記燃料電池セル間に前記第2の反応ガスを供給するための反応ガス供給口を有することを特徴とする。
【0011】
このような燃料電池モジュールにおいては、収納容器内に設けられた発電室内に燃料電池セルスタック装置を収納してなるとともに、燃料電池セルスタック装置を構成する集電部材が、燃料電池セル間に配置されて一端が反応ガス導入部材に接続された管状の反応ガス流通部と、反応ガス流通部に接続されて隣接する一方の燃料電池セルに接触している集電片と、反応ガス流通部に接続されて隣接する他方の燃料電池セルに接触している集電片とを備えてなり、反応ガス流通部は、隣接する燃料電池セル間に前記第2の反応ガスを供給するための反応ガス供給口を有することから、反応ガス導入部材を流れる第2の反応ガスは、反応ガス流通部に設けられた反応ガス供給口より、燃料電池セル間に供給されることとなる。
【0012】
それにより、反応ガス導入部材を流れる第2の反応ガスは、集電部材の内部に直接供給されることから、集電部材の内部に供給される第2の反応ガスの量を増加させることができ、燃料電池セルに効率よく第2の反応ガスを供給することができる。
【0013】
それにより、燃料電池セルの発電効率を向上することができることから、発電効率の向上した燃料電池モジュールとすることができる。
【0014】
また、本発明の燃料電池モジュールにおいては、前記反応ガス供給口が、隣接する一方の前記燃料電池セルに接触している前記集電片と、隣接する他方の前記燃料電池セルに接触している前記集電片との間の空間に面して設けられていることが好ましい。
【0015】
このような燃料電池モジュールにおいては、反応ガス流通部に供給された第2の反応ガスは、隣接する一方の燃料電池セルに接触している集電片と、隣接する他方の燃料電池セルに接触している集電片との間の空間に面して設けられた反応ガス供給口より、集電部材の内部に供給される。それにより、第2の反応ガスが、集電部材の内部に効率よく供給されることとなり、燃料電池セルに効率よく第2の反応ガスを供給することができる。それにより、燃料電池セルの発電効率を向上することができることから、発電効率の向上した燃料電池モジュールとすることができる。
【0016】
また、本発明の燃料電池モジュールにおいては、前記反応ガス導入部材と前記反応ガス流通部の下端とが、反応ガス導入管により接続されていることが好ましい。
【0017】
このような燃料電池モジュールにおいては、反応ガス導入部材と反応ガス流通部の下端とが接続されていることから、反応ガス導入部材を流れる第2の反応ガスは、集電部材の下端より供給されて上端側に流れることとなる。
【0018】
それにより、燃料電池セルの上下方向に沿って効率よく第2の反応ガスを供給することができ、燃料電池セルの発電効率を向上することができる。それにより、発電効率の向上した燃料電池モジュールとすることができる。
【0019】
また、本発明の燃料電池モジュールにおいては、前記反応ガス流通部の上端が、前記燃料電池セルの上端と同等の高さであるとともに、前記反応ガス流通部の上端が封止されていることが好ましい。
【0020】
反応ガス流通部が燃料電池セルと同等の高さであるとともに、その上端が封止されていることから、反応ガス流通部に供給される第2の反応ガスが、反応ガス流通部の上端より排出されることがなく、燃料電池セルに効率よく第2の反応ガスを供給することができる。それにより、燃料電池セルの発電効率を向上することができることから、発電効率の向上した燃料電池モジュールとすることができる。
【0021】
本発明の燃料電池装置は、上記のうちいずれかに記載の燃料電池モジュールと、該燃料電池モジュールを動作させるための補機とを、外装ケース内に収納してなることを特徴とする。
【0022】
このような燃料電池装置においては、発電効率の向上した燃料電池モジュールと、燃料電池モジュールを動作させるための補機とを、外装ケース内に収納してなることから、発電効率の向上した燃料電池装置とすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の燃料電池モジュールは、内壁と外壁とを有する二重構造からなる収納容器内に設けられた発電室内に、内部にガス流路を有する柱状の燃料電池セルを集電部材を介して複数個立設させた状態で配列して電気的に接続してなるセルスタックと、前記燃料電池セルの下端を固定するとともに前記燃料電池セルに第1の反応ガスを供給するためのマニホールドとを有する燃料電池セルスタック装置を収納してなるとともに、前記内壁と前記外壁との間を第2の反応ガスが流れる反応ガス流路とし、上部に位置する前記内壁に、前記第2の反応ガスが前記発電室側に流れるための反応ガス導入部材を備えてなる燃料電池モジュールであって、前記集電部材は、前記燃料電池セル間に配置されて一端が前記反応ガス導入部材に接続された管状の反応ガス流通部と、該反応ガス流通部に接続されて隣接する一方の前記燃料電池セルに接触している集電片と、該反応ガス流通部に接続されて隣接する他方の前記燃料電池セルに接触している集電片とを備えてなり、前記反応ガス流通部は、隣接する前記燃料電池セル間に前記第2の反応ガスを供給するための反応ガス供給口を有することから、反応ガス導入部材を流れる第2の反応ガスは、反応ガス供給口より燃料電池セル間に供給されることとなる。
【0024】
それにより、集電部材の内部に供給される第2の反応ガスの量を増加させることができ、燃料電池セルに効率よく第2の反応ガスを供給することができ、発電効率の向上した燃料電池モジュールとすることができる。あわせて、この燃料電池モジュールと、燃料電池モジュールを動作させるための補機とを外装ケース内に収納することで、発電効率が向上した燃料電池装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の燃料電池モジュールを構成する燃料電池セルスタック装置の一例を示し、(a)は燃料電池セルスタック装置を概略的に示す側面図、(b)は(a)の燃料電池セルスタック装置の点線枠で囲った部分の一部を拡大して示す平面図である。
【図2】図1に示す集電部材の正面図である。
【図3】本発明の燃料電池モジュールの一例を示す外観斜視図である。
【図4】図3に示す燃料電池モジュールの断面図である。
【図5】(a)は、図3に示す燃料電池モジュールを構成する集電部材および反応ガス導入管の一部を抜粋して示す断面図であり、(b)は(a)におけるA−A線断面図である。
【図6】(a)は、本発明の燃料電池モジュールを構成する集電部材の他の一例および反応ガス導入管の一部を抜粋して示す断面図であり、(b)は(a)におけるB−B線断面図であり、(c)は(a)で示す集電部材の平面図である。
【図7】本発明の燃料電池モジュールの他の一例を示す断面図である。
【図8】本発明の燃料電池モジュールのさらに他の一例を示す断面図である。
【図9】図8に示す燃料電池モジュールを構成する集電部材および反応ガス流通管の一部を抜粋して示す断面図である。
【図10】本発明の燃料電池装置の一例を示す分解斜視図である。
【図11】従来の燃料電池モジュールの一例を示す外観斜視図である。
【図12】図11に示す燃料電池モジュールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は本発明の燃料電池モジュールを構成する燃料電池セルスタック装置(以下、セルスタック装置と略す場合がある)の一例を示したものであり、(a)はセルスタック装置1を概略的に示す側面図、(b)は(a)のセルスタック装置1の一部拡大平面図であり、(a)で示した点線枠で囲った部分を抜粋して示している。また、同一の部材については同一の番号を付するものとし、以下同様とする。なお、(b)において(a)で示した点線枠で囲った部分に対応する部分を明確とするために矢印で表している。
【0027】
ここで、セルスタック装置1は、内部にガス流路13を有して、一対の対向する平坦面をもつ断面が扁平状の導電性支持体9の一方の平坦面上に内側電極層としての燃料極層10と、固体電解質層11と、外側電極層としての空気極層12とを順次積層してなるとともに、他方の平坦面のうち空気極層12が形成されていない部位にインターコネクタ14を積層してなる柱状(中空平板状)の燃料電池セル3の複数個を、隣接する燃料電池セル3間に集電部材4を介して配置することで、燃料電池セル3同士を電気的に直列に接続してなるセルスタック2が形成される。なお、インターコネクタ14の外面にはP型半導体層15を設けることもできる。集電部材4を、P型半導体層15を介してインターコネクタ14に接続させることより、両者の接触がオーム接触となって電位降下を少なくし、集電性能の低下を有効に抑制することができる。このP型半導体層15は、空気極層12の外面に設けることもできる。
【0028】
なお、詳細は後述するが、図1に示す集電部材4は、燃料電池セル3間に配置されて、一端が反応ガス導入部材に接続された管状の反応ガス流通部16と、反応ガス流通部16に接続されて隣接する一方の燃料電池セル3に接触している集電片17と、反応ガス流通部16に接続されて隣接する他方の燃料電池セル3に接触している集電片17とを備えて構成されている。
【0029】
そして、セルスタック2を構成する各燃料電池セル3の下端が、ガス流路13を介して燃料電池セル3に反応ガスを供給するためのマニホールド7にガラスシール材等の接合材により固定されている。なお、図1に示すセルスタック装置1においては、ガス流路13にマニホールド7より第1の反応ガスとして水素含有ガス(燃料ガス)を供給し、第2の反応ガスとして酸素含有ガス(空気等)を燃料電池セル3の外側より供給する場合を例示している。また、マニホールド7の側面に、反応ガスをマニホールド7内に供給するための反応ガス供給管8が接続されている。なお、以下の説明において第1の反応ガスとして燃料ガスを、第2の反応ガスとして酸素含有ガスを用いる場合を例示して説明する。
【0030】
また、燃料電池セル3の配列方向の両端から集電部材4を介してセルスタック2を挟持するように、マニホールド7に下端が固定された弾性変形可能な導電部材5を具備している。ここで、図1に示す導電部材5においては、燃料電池セル3の配列方向に沿って外側に向けて延びた形状で、セルスタック2(燃料電池セル3)の発電により生じる電流を引出すための電流引出し部6が設けられている。
【0031】
ちなみに、このようなセルスタック装置1においては、ガス流路13より排出される燃料ガス(余剰の燃料ガス)を燃料電池セル3の上端部側で燃焼させるように構成することにより燃料電池セル3の温度を上昇させることができる。それにより、セルスタック装置1の起動を早めることができる。
【0032】
以下に、図1において示す燃料電池セル3を構成する各部材について説明する。
【0033】
燃料極層10は、一般的に公知のものを使用することができ、多孔質の導電性セラミックス、例えば希土類元素が固溶しているZrO(安定化ジルコニアと称する)とNiおよび/またはNiOとから形成することができる。
【0034】
固体電解質層11は、電極間の電子の橋渡しをする電解質としての機能を有していると同時に、燃料ガスと酸素含有ガスとのリークを防止するためにガス遮断性を有することが必要とされ、3〜15モル%の希土類元素が固溶したZrOから形成される。なお、上記特性を有する限りにおいては、他の材料等を用いて形成してもよい。
【0035】
空気極層12は、一般的に用いられるものであれば特に制限はなく、例えば、いわゆるABO型のペロブスカイト型酸化物からなる導電性セラミックスから形成することができる。空気極層12はガス透過性を有していることが必要であり、開気孔率が20%以上、特に30〜50%の範囲にあることが好ましい。
【0036】
インターコネクタ14は、導電性セラミックスから形成することができるが、燃料ガス(水素含有ガス)および酸素含有ガス(空気等)と接触するため、耐還元性及び耐酸化性を有することが必要であり、それゆえランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO系酸化物)が好適に使用される。インターコネクタ14は導電性支持体9に形成された複数のガス流路13を流通する燃料ガス、および導電性支持体9の外側を流通する酸素含有ガスのリークを防止するために緻密質でなければならず、93%以上、特に95%以上の相対密度を有していることが好ましい。
【0037】
導電性支持体9としては、燃料ガスを燃料極層10まで透過するためにガス透過性であること、さらには、インターコネクタ14を介して集電するために導電性であることが要求される。したがって、導電性支持体9としては、かかる要求を満足するものを材質として採用する必要があり、例えば導電性セラミックスやサーメット等を用いることができる。
【0038】
ちなみに、燃料電池セル3を作製するにあたり、燃料極層10または固体電解質層11との同時焼成により導電性支持体9を作製する場合においては、鉄属金属成分と特定希土類酸化物とから導電性支持体9を形成することが好ましい。また、導電性支持体9は、所要ガス透過性を備えるために開気孔率が30%以上、特に35〜50%の範囲にあるのが好適であり、そしてまたその導電率は300S/cm以上、特に440S/cm以上であるのが好ましい。
【0039】
さらに、P型半導体層15としては、遷移金属ペロブスカイト型酸化物からなる層を例示することができる。具体的には、インターコネクタ14を構成するランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO系酸化物)よりも電子伝導性が大きいもの、例えば、BサイトにMn、Fe、Coなどが存在するLaMnO系酸化物、LaFeO系酸化物、LaCoO系酸化物などの少なくとも一種からなるP型半導体セラミックスを使用することができる。このようなP型半導体層15の厚みは、一般に、30〜100μmの範囲にあることが好ましい。
【0040】
なお、図示はしていないが、固体電解質層10と空気極層11との間に、固体電解質層10と空気極層11との接合を強固とするとともに、固体電解質層10の成分と空気極層11の成分とが反応して電気抵抗の高い反応層が形成されることを抑制する目的で、Ce(セリウム)と他の希土類元素(SmやGd等)とを含有する組成にて形成される中間層を備えることもできる。
【0041】
また、図示はしていないが、インターコネクタ14と導電性支持体9との間に、インターコネクタ14と導電性支持体9との間の熱膨張係数差を軽減する等のために、燃料極層10と類似した組成の密着層を設けることもできる。
【0042】
図2は、図1に示す集電部材4を示す正面図である。図2に示す集電部材4は、隣接する一方の燃料電池セル3に接触する集電片17と、隣接する他方の燃料電池セル3に接触する集電片17とを形成し、それぞれの集電片17の端部を接続する接続部18とを備えた集電体を、集電部材の長手方向に導電性連結片19を介して複数接続して構成されている。
【0043】
このような集電部材4においては、一方の集電片17と他方の集電片17とを燃料電池セル3側に交互に突出させて燃料電池セル3に接触させることにより、複数の燃料電池セル3を電気的に接続することができる。それゆえ、一方の集電片17と他方の集電片17は、燃料電池セル3の配列方向に沿って間隔をあけて配置されていることとなる。そして、燃料電池セル3間(すなわち、一方の集電片17と他方の集電片17との間の空間)に、燃料電池セル3(空気極層12)に供給する酸素含有ガス(空気等)を流すことにより、燃料電池セル3(空気極層12)に効率よく酸素含有ガスが供給され、マニホールド7より供給される燃料ガスとあわせて、燃料電池セル3で発電が行なわれる。
【0044】
図3は、本発明の燃料電池モジュールの一例を示す(以下、モジュールと略す場合がある)外観斜視図であり、図4は、図3に示す燃料電池モジュールの断面図である。
【0045】
図3に示すモジュール20においては、収納容器21の内部の発電室30内に、図1に示したセルスタック装置1を収納して構成されている。
【0046】
なお図3においては、燃料電池セル3の発電で使用する燃料ガス(第1の反応ガス)を得るために、原燃料供給管26を介して供給される天然ガスや灯油等の原燃料を改質して燃料ガスを生成するための改質器22をセルスタック2(燃料電池セル3)の上方に配置している。なお、改質器22は、効率のよい改質反応である水蒸気改質を行うことができる構造とすることが好ましく、水を気化させるための気化部23と、原燃料を燃料ガスに改質するための改質触媒(図示せず)が配置された改質部24とを備えている。そして、改質器22で生成された燃料ガスは、燃料ガス流通管25を介してマニホールド7に供給され、マニホールド7より燃料電池セル3の内部に設けられたガス流路に供給される。なお、改質器22にて水蒸気改質を行うにあたり、気化部23に水を供給する水供給管は、原燃料供給管26と別個に気化部23に接続する他、原燃料供給管26とあわせて二重管としてもよい。
【0047】
また図3においては、収納容器21の一部(前後面)を取り外し、内部に収納されるセルスタック装置1を後方に取り出した状態を示している。ここで、図3に示したモジュール20においては、セルスタック装置1を、収納容器21内にスライドして収納することが可能である。
【0048】
なお、収納容器21の内部には、マニホールド7に並置されたセルスタック2の間に配置され、内部を第2の反応ガス(酸素含有ガス)が流れるための反応ガス導入部材27が配置されている。なお、反応ガス導入部材27については後述する。
【0049】
ここで、燃料電池セル3のガス流路13より排出される余剰な燃料ガスと酸素含有ガスとを燃料電池セル3の上端部側で燃焼させることにより、燃料電池セル3の温度を上昇させることができ、セルスタック装置1の起動を早めることができる。あわせて、燃料電池セル3(セルスタック2)の上方に配置された改質器22を温めることができ、改質器22で効率よく改質反応を行なうことができる。
【0050】
図4は、図3で示すモジュール20の断面図である。モジュール20を構成する収納容器21は、内壁28と外壁29とを有する二重構造で、外壁29により収納容器21の外枠が形成されるとともに、内壁28によりセルスタック2(セルスタック装置1)を収納する発電室30が形成されている。さらにモジュール20(収納容器21)においては、内壁28と外壁29との間を第2の反応ガス(酸素含有ガス)が流れる反応ガス流路としている。
【0051】
ここで内壁28には、内壁28と外壁29との間を流れる酸素含有ガスが、発電室30側に流れるための反応ガス導入部材27が接続されており、図4においては、内壁28の上面より発電室30内に垂下して配置され、セルスタック2の側面側にまで延びた形状の反応ガス導入部材27が接続されている。
【0052】
また発電室30内には、モジュール20内の熱が極端に放散され、燃料電池セル3(セルスタック2)の温度が低下して発電量が低減しないよう、モジュール20内の温度を高温に維持するための断熱材33が適宜設けられている。
【0053】
断熱材33は、セルスタック2の近傍に配置することが好ましく、特には、燃料電池セル3の配列方向に沿ってセルスタック2の側面側に配置するとともに、セルスタック2の側面の外形と同等またはそれ以上の大きさを有する断熱材33を配置することが好ましい。なお、好ましくは、断熱材33はセルスタック2の両側面側に配置することが好ましい。それにより、セルスタック2の温度が低下することを効果的に抑制できる。集電部材4の内部を流れる酸素含有ガスが、セルスタック2の側面側より排出されることを抑制できる。
【0054】
また、燃料電池セル3の配列方向に沿った内壁28の内側には、排ガス用内壁32が設けられており、内壁28と排ガス用内壁32との間が、発電室30内の排ガスが上方から下方に向けて流れる排ガス流路とされている。なお、排ガス流路は、収納容器21の底部に設けられた排気孔34と通じている。
【0055】
それにより、モジュール20の稼動(起動処理時、発電時、停止処理時)に伴って生じる排ガスは、排ガス流路を流れた後、排気孔34より排気される構成となっている。なお、排気孔34は収納容器21の底部の一部を切り欠くようにして形成してもよく、また管状の部材を設けることにより形成してもよい。
【0056】
ここで、図4に示すモジュール20においては、内壁28と外壁29とで形成される反応ガス流路を流れた酸素含有ガスを、効率よく燃料電池セル3に供給するため、反応ガス導入部材27と集電部材4(反応ガス流通部16)とが反応ガス導入管31により接続されている。それにより、反応ガス導入部材27を流れる酸素含有ガスは、反応ガス導入管331、反応ガス流通部16を流れて集電部材4の内部に供給された後、燃料電池セル3(空気極層12)に導入される。
【0057】
それにより、反応ガス導入部材27を流れた酸素含有ガスが、集電部材4の内部(反応ガス流通部16)に直接供給されることから、集電部材4の内部を流れる酸素含有ガスの量を増加させることができる。それゆえ、燃料電池セル3に効率よく酸素含有ガスを供給することができ、燃料電池セル3の発電効率を向上することができる。それにより、発電効率の向上したモジュール20とすることができる。
【0058】
図5は、反応ガス導入部材27を流れる酸素含有ガスが集電部材4の内部に供給されることを説明するための図であり、(a)は、図3に示すモジュールを構成する集電部材(図2で示す集電部材4)および反応ガス導入管31の一部を抜粋して示す断面図であり、(b)は(a)におけるA−A線断面図である。
【0059】
図5に示す集電部材4は、燃料電池セル3間に配置されて一端が反応ガス導入部材27に接続される管状の反応ガス流通部16と、反応ガス流通部16に接続されて隣接する一方の燃料電池セル3に接触する集電片17と、反応ガス流通部16に接続されて隣接する他方の燃料電池セル3に接触する集電片17とを備えている。すなわち、反応ガス流通部16は、一方の集電片17と他方の集電片17との間に配置されている。
【0060】
ここで、図5(a)に示す集電部材4においては、反応ガス流通部16の下端と反応ガス導入部材27とが、反応ガス流通管31により接続されている。それにより、反応ガス導入部材27を流れた酸素含有ガスは、反応ガス流通部16に流れ、反応ガス流通部16に流れた酸素含有ガスは、下端より上端に向けて流れることとなる。
【0061】
ここで、図5(b)に示したように、反応ガス流通部16は、隣接する燃料電池セル3間に第2の反応ガスを供給するための反応ガス供給口35を複数有している。それにより、反応ガス流通部16に流れた酸素含有ガスは、反応ガス供給口35より、燃料電池セル3間(集電部材4の内部)に流れて、燃料電池セル3(空気極層12)に供給される。
【0062】
それゆえ、反応ガス導入部材27を流れる酸素含有ガスは、集電部材4の内部に直接供給されることから、燃料電池セル3に供給される酸素含有ガスの量を増加することができ、燃料電池セル3の発電効率を向上することができる。それにより、発電効率の向上したモジュール20とすることができる。
【0063】
なお、反応ガス供給口35は、酸素含有ガスが集電部材4の内部を効率よく流れるように、隣接する一方の燃料電池セル3に接触する集電片17と、隣接する他方の燃料電池セル3に接触する集電片17との間の空間に面して設けられていることが好ましい。
【0064】
それにより、酸素含有ガスが、集電部材4の内部に効率よく供給されることとなり、燃料電池セル3に効率よく酸素含有ガスを供給することができる。
【0065】
また、反応ガス供給口35は、反応ガス流通部16の上下方向に沿って適宜設けることができるが、燃料電池セル3の下端部側から上端部側に効率よく酸素含有ガスを流すにあたり、反応ガス流通部16の下端側に多くの反応ガス供給口31を設けることや、反応ガス流通部16の下端側の反応ガス供給口31の大きさを大きくすることもできる。
【0066】
さらに、燃料電池セル3により効率よく酸素含有ガスを供給するにあたり、反応ガス流通部16の上端を、燃料電池セル3の上端と同等の高さとなるようにし、かつガス流通部16の上端を封止することもできる。
【0067】
それにより、反応ガス流通部16を流れる酸素含有ガスは、燃料電池セル3全体に供給されるとともに、反応ガス流通部16の上端より排出されないことから、燃料電池セル3に効率よく供給されることとなる。それにより、燃料電池セル3の発電効率を向上することができることから、発電効率の向上したモジュール20とすることができる。
【0068】
なお、反応ガス導入部材27を流れる酸素含有ガスが、反応ガス流通部16を介して集電部材4の内部に直接供給されることから、温度の低い酸素含有ガスが集電部材4の内部に直接供給されることとなり、集電部材4の温度上昇を抑制することができ、それにより集電部材4の劣化を抑制することもできる。
【0069】
図6は、モジュール20を構成する集電部材の他の一例を示しており、(a)は、集電部材36および反応ガス導入管31の一部を抜粋して示す断面図であり、(b)は(a)におけるB−B線断面図であり、(c)は(a)で示す集電部材36の平面図である。
【0070】
図6に示す集電部材36においては、隣接する一方の燃料電池セル3に接触する集電片39と隣接する他方の燃料電池セル3に接触する集電片39のそれぞれの一端部が、反応ガス流通部37に接続されている。
【0071】
このような集電部材36においても、反応ガス導入部材27を流れる酸素含有ガスは、反応ガス流通部37に設けられた反応ガス供給口38を介して、集電部材36の内部(一方の燃料電池セル3と接触する集電片39と他方の燃料電池セル3と接触する集電片39との間の空間)に直接供給されて、燃料電池セル3(空気極層12)に供給される。
【0072】
それにより、反応ガス導入部材27を流れる酸素含有ガスが、集電部材36の内部に直接供給されることから、燃料電池セル3に供給される酸素含有ガスの量を増加することができ、燃料電池セル3の発電効率を向上することができる。それにより、発電効率の向上したモジュール20とすることができる。
【0073】
なお、上述の集電部材4と同様、反応ガス供給口38は、酸素含有ガスが集電部材36の内部を効率よく流れるように、隣接する一方の燃料電池セル3に接触する集電片39と、隣接する他方の燃料電池セル3に接触する集電片39との間の空間に面して設けられていることが好ましく、また、反応ガス流通部37の上端を、燃料電池セル3の上端と同等の高さとなるようにし、かつガス流通部37の上端を封止されていることが好ましい。
【0074】
図7は、本発明の燃料電池モジュールの他の一例を示す断面図であり、モジュール40においては、収納容器41内に配置されたセルスタック装置1の両側面側に、内壁42と外壁43とで形成される反応ガス流路を流れた酸素含有ガス(第2の反応ガス)が発電室30側に流れるための反応ガス導入部材44が設けられている。また、各反応ガス導入部材44は、反応ガス導入管45により集電部材4と接続されており、反応ガス導入部材44を流れる酸素含有ガスは、反応ガス導入管45、集電部材4を介して燃料電池セル3に供給される。
【0075】
それゆえ、このようなモジュール40(収納容器41)においても、反応ガス導入部材44を流れた酸素含有ガスが、集電部材4の内部に直接供給されることから、発電効率の向上したモジュール40とすることができる。
【0076】
図8は、本発明の燃料電池モジュールのさらに他の一例を示す断面図であり、図9は、図8に示すモジュール46を構成する集電部材50とおよび反応ガス流通管55の一部を抜粋して示す断面図である。
【0077】
図8に示すモジュール46は、収納容器47の内壁48と外壁49とで形成される反応ガス流路を流れた酸素含有ガス(第2の反応ガス)を集電部材51の内部に供給するための反応ガス導入部材50が設けられており、反応ガス導入部材50を流れた酸素含有ガスが、燃料電池セル3の上方より集電部材51(反応ガス流通部54)の内部に供給されるように構成されている。
【0078】
このようなモジュール46(収納容器47)は、図9に示したように反応ガス流通部54の上方から内部に、酸素含有ガスが流通する反応ガス流通管55が挿入して配置されており、反応ガス流通管55の上端と反応ガス導入部材50とが接続されている。なお、反応ガス流通管55を流れる酸素含有ガスが、集電部材51の下端側より集電部材51の内部(一方の燃料電池セル3と接触する集電片52と他方の燃料電池セル3と接触する集電片52との間の空間。なおそれぞれの集電片52の端部は接続部53により接続されている。)を上端側に向けて流れるように、反応ガス流通管55の端部(酸素含有ガスの排出側)が、集電部材51(反応ガス流通部54)の下端の近傍に位置するように、反応ガス流通管55が反応ガス流通部54の内部に挿入されていることが好ましい。それにより、反応ガス流通管55を流れた酸素含有ガスは、反応ガス流通部54の一部を流れた後、集電部材51の内部に供給される。
【0079】
それにより、反応ガス導入部材50を流れる酸素含有ガスは、燃料電池セル3の上方から反応ガス流通管55を流れて集電部材51の下端側に放出され、放出された酸素含有ガスが、集電部材51の内部を上端側に向けて流れて、燃料電池セル3に供給される。
【0080】
それゆえ、このようなモジュール46(収納容器47)においても、反応ガス導入部材50を流れた酸素含有ガスは、直接集電部材51の内部に供給されることから、発電効率の向上したモジュール46とすることができる。
【0081】
なお、集電部材51の下端側に放出された酸素含有ガスは、その一部が反応ガス流通部54と反応ガス流通管55との間を上方に流れて、集電部材51の内部に供給されてもよく、反応ガス流通部54に反応ガス供給口を設けることもできる。ただし、この場合において、反応ガス流通管55を流れた酸素含有ガスが、反応ガス供給口より集電部材51の内部に直接供給される(燃料電池セル3の下端部側に流れずに集電部材51の内部に供給される)ことが抑制できるよう、反応ガス供給口は反応ガス流通管55との関係を考慮して設けることが好ましい。また、上述の集電部材4と同様、反応ガス流通部54の上端は封止されていることが好ましい。
【0082】
図10は、本発明の燃料電池装置56の一例を示す分解斜視図である。なお、図10においては一部構成を省略して示している。
【0083】
図10に示す燃料電池装置56は、支柱57と外装板58から構成される外装ケース内を仕切板59により上下に区画し、その上方側を上述したモジュール20を収納するモジュール収納室60とし、下方側をモジュール20を動作させるための補機類を収納する補機収納室61として構成されている。なお、補機収納室61に収納する補機類を省略して示している。
【0084】
また、仕切板59は、補機収納室61の空気をモジュール収納室60側に流すための空気流通口62が設けられており、モジュール収納室60を構成する外装板58の一部に、モジュール収納室60内の空気を排気するための排気口63が設けられている。
【0085】
このような燃料電池装置22においては、上述したように、発電効率の向上したモジュール20をモジュール収納室60内に収納して構成されることにより、発電効率の向上した燃料電池装置56とすることができる。
【0086】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
【0087】
例えば、図9で示した集電部材51において、反応ガス流通管55の下端は、集電部材51の下端よりも下方に位置するように配置することもできる。この場合においては、反応ガス流通管55を流れる第2の反応ガスが、集電部材51の内部を下端側より上端側に向けて流れることとなる。
【0088】
また、反応ガス流通管55を設けずに、反応ガス導入部材50と反応ガス流通部54の上端を接続して、反応ガス導入部材50を流れた酸素含有ガスが反応ガス流通部54の内部を流れる構成とすることもできる。
【0089】
さらに、上述の説明において、第1の反応ガスを燃料ガスとし、第2の反応ガスを酸素含有ガスとする場合の例を説明したが、第1の反応ガスを酸素含有ガスとし、第2の反応ガスを燃料ガスとすることもできる。この場合、燃料電池セル3は、導電性支持体9の一方の平坦面上に内側電極層としての空気極層12、固体電解質層11、外側電極層としての燃料極層10をこの順に積層してなる燃料電池セル3とすることができる。
【符号の説明】
【0090】
1:燃料電池セルスタック装置
2:セルスタック
3:燃料電池セル
4、36、51:集電部材
20、40、46:燃料電池モジュール
27、44、50:反応ガス導入部材
16、37、54:反応ガス流通部
31、45:反応ガス導入管
56:燃料電池装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内壁と外壁とを有する二重構造からなる収納容器内に設けられた発電室内に、内部にガス流路を有する柱状の燃料電池セルを集電部材を介して複数個立設させた状態で配列して電気的に接続してなるセルスタックと、前記燃料電池セルの下端を固定するとともに前記燃料電池セルに第1の反応ガスを供給するためのマニホールドとを有する燃料電池セルスタック装置を収納してなるとともに、前記内壁と前記外壁との間を第2の反応ガスが流れる反応ガス流路とし、上部に位置する前記内壁に、前記第2の反応ガスが前記発電室側に流れるための反応ガス導入部材を備えてなる燃料電池モジュールであって、
前記集電部材は、前記燃料電池セル間に配置されて一端が前記反応ガス導入部材に接続された管状の反応ガス流通部と、該反応ガス流通部に接続されて隣接する一方の前記燃料電池セルに接触している集電片と、該反応ガス流通部に接続されて隣接する他方の前記燃料電池セルに接触している集電片とを備えてなり、前記反応ガス流通部は、隣接する前記燃料電池セル間に前記第2の反応ガスを供給するための反応ガス供給口を有することを特徴とする燃料電池モジュール。
【請求項2】
前記反応ガス供給口が、隣接する一方の前記燃料電池セルに接触している前記集電片と、隣接する他方の前記燃料電池セルに接触している前記集電片との間の空間に面して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池モジュール。
【請求項3】
前記反応ガス導入部材と前記反応ガス流通部の下端とが、反応ガス導入管により接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池モジュール。
【請求項4】
前記反応ガス流通部の上端が、前記燃料電池セルの上端と同等の高さであるとともに、前記反応ガス流通部の上端が封止されていることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池モジュール。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のうちいずれかに記載の燃料電池モジュールと、該燃料電池モジュールを動作させるための補機とを、外装ケース内に収納してなることを特徴とする燃料電池装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−231919(P2010−231919A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−75744(P2009−75744)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】