説明

燃料電池発電システム

【課題】省スペースな燃料電池発電システムを提供する。
【解決手段】本体パッケージ2内に、貯湯槽3と、スタック6及び改質器5と、電力変換回路29を有する高電圧回路27と低電圧回路28とから構成される電気回路26と、本体パッケージ2内の空気を外部に排出する換気ファン20とを備え、スタック6及び改質器5より下方の本体パッケージ2下部に吸気口21を有する燃料電池発電システムであって、換気ファン20は本体パッケージ2におけるスタック6及び改質器5を配置した空間の上部に設け、スタック6及び改質器5と電気回路26とを、貯湯槽3の横で、縦方向に、貯湯槽3と略同一高さになるように配置し、高電圧回路27はスタック6及び改質器5より上に配置すると共に、隔壁31により本体パッケージ2内をスタック6及び改質器5を配置した空間と高電圧回路27を配置した空間とに分離した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素と酸素を反応させ発電する燃料電池発電システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の燃料電池発電システムは、燃料電池本体を収納する本体パッケージと貯湯タンクを収納する貯湯パッケージとが別体となっており、その間を温水管、冷水管で接続されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図6は、上前従来の燃料電池発電システムの構成を示すものである。
【0004】
本体パッケージ100には、都市ガス配管から供給される都市ガスを水蒸気改質反応により水素リッチな燃料ガスに改質する改質器101と、改質器101から供給される燃料ガスと空気との供給を受けて発電する固体高分子型の燃料電池スタック102と、燃料電池スタック102の冷却媒体(冷却水など)の循環流路に組み込まれて冷却媒体を冷却する熱交換器103と、燃料電池スタック102からの排ガス中の水蒸気を凝縮させて水を回収する凝縮器104と、貯湯タンク105の底部に接続された冷水管106から冷水の供給を受けて改質器101への水の供給や凝縮器104および熱交換器103へ冷却水の供給を行なう水系統107と、燃料電池スタック102からの直流電力を交流電力に変換して商用電源からの配線に供給する電力変換回路108と、本体パッケージ100内の各部をコントロールする制御装置109とが配置されている。
【0005】
貯湯パッケージ110には、図示するように、水道管からの給水管が底部に取り付けられると共に給湯管が頂部に取り付けられた貯湯タンク105が配置されており、貯湯タンク105の底部と頂部には、本体パッケージ100に接続される冷水管106と温水管111とが取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−111208号公報
【発明の概要】
【0007】
上記従来の燃料電池発電システムは、住宅などの建物に燃料電池システムを導入するには、かなりの広さの設置スペースを必要とするという課題を有していた。
【0008】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、燃料電池を建物内に日常生活に邪魔にならないように設置することができ、電力と熱を有効に利用し、且つ省スペースな燃料電池発電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の燃料電池発電システムは、本体パッケージ内に、スタック及び改質器と、電力変換回路を有する電気回路と、前記本体パッケージ内の空気を外部に排出する換気ファンとを備え、前記スタック及び改質器より下方の前記本体パッケージ下部に吸気口を有する燃料電池発電システムであって、前記換気ファンは前記本体パッケージにおける前記スタック及び改質器を配置した空間の上部に設け、前記スタック及び改質器と前記電気回路とを、縦方向に配置し、前記電気回路は前記スタック及び改質器より上に配置すると共に、隔壁により前記本体パッケージ内を前記スタック及び改質器を配置した空間と前記電気回路を配置した空間とに分離したものである。
【0010】
これによって、本体パッケージ内に燃料電池を納めたことにより、省スペースな燃料電池発電システムを提供できる。
【0011】
また、改質器やスタックから原料ガスや水素などの可燃性ガスが万一漏出した場合においても、可燃性ガスは改質器やスタックを設けた本体パッケージに漏出するが、本体パッケージで改質器及びスタックより下方の本体パッケージ下部に設けた吸気口から吸い込まれた外気が、本体パッケージに漏出した可燃性ガスを押し出して、本体パッケージにおけるスタック及び改質器を配置した空間の上部に設けた換気ファンにより外部に排出される。
【0012】
また、埃の多い環境で長期間使用されて高電圧回路の接点等に埃が蓄積した場合や、湿気の高い環境で長期間使用されて高電圧回路の接点等に水分が付着した場合にアーク等が発生することが万が一にも重なった場合においても、隔壁により本体パッケージ内をスタック及び改質器を配置した空間と高電圧回路を配置した空間とに分離しているため、原料ガスや水素などの可燃性ガスが高電圧回路に至ることはなく、爆発等の危険性は全くなくなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の燃料電池発電システムは、省スペースな燃料電池を提供できる。
【0014】
また、改質器やスタックから原料ガスや水素などの可燃性ガスが万一漏出した場合に、且つ、埃の多い環境で長期間使用されて高電圧回路の接点等に埃が蓄積したり、湿気の高い環境で長期間使用されて高電圧回路の接点等に水分が付着した場合にアーク等が発生することが万が一にも重なった場合においても、爆発等の危険性は全くなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1、第3の実施の形態における燃料電池発電システムの構成図
【図2】本発明の第2の実施の形態における燃料電池発電システムの構成図
【図3】本発明の第4の実施の形態における燃料電池発電システムの構成図
【図4】スタックの積層方向が電力変換回路基板と垂直な場合の燃料電池発電システムの構成図
【図5】本発明の第5、第6の実施の形態における燃料電池発電システムの構成図
【図6】従来の燃料電池発電システムの構成図
【発明を実施するための形態】
【0016】
第1の発明は、本体パッケージ内に、スタック及び改質器と、電力変換回路を有する電気回路と、前記本体パッケージ内の空気を外部に排出する換気ファンとを備え、前記スタック及び改質器より下方の前記本体パッケージ下部に吸気口を有する燃料電池発電システムであって、前記換気ファンは前記本体パッケージにおける前記スタック及び改質器を配置した空間の上部に設け、前記スタック及び改質器と前記電気回路とを、縦方向に配置し、前記電気回路は前記スタック及び改質器より上に配置すると共に、隔壁により前記本体パッケージ内を前記スタック及び改質器を配置した空間と前記電気回路を配置した空間とに分離した燃料電池発電システムである。
【0017】
上記構成において、本体パッケージ内に燃料電池を納めたことにより、省スペースな燃料電池発電システムを提供できる。
【0018】
また、改質器やスタックから原料ガスや水素などの可燃性ガスが万一漏出した場合においても、可燃性ガスは改質器やスタックを設けた本体パッケージに漏出するが、本体パッケージで改質器及びスタックより下方の本体パッケージ下部に設けた吸気口から吸い込まれた外気が、本体パッケージに漏出した可燃性ガスを押し出して、本体パッケージにおけるスタック及び改質器を配置した空間の上部に設けた換気ファンにより外部に排出される。
【0019】
また、埃の多い環境で長期間使用されて高電圧回路の接点等に埃が蓄積した場合や、湿気の高い環境で長期間使用されて高電圧回路の接点等に水分が付着した場合にアーク等が発生することが万が一にも重なった場合においても、隔壁により本体パッケージ内をスタック及び改質器を配置した空間と高電圧回路を配置した空間とに分離しているため、原料ガスや水素などの可燃性ガスが高電圧回路に至ることはなく、爆発等の危険性は全くなくなる。
【0020】
第2の発明は、第1の発明において、スタックと電力変換回路とを隔壁を介して対向して配置したものであり、これにより、スタックと電力変換回路とが近接して配置され、スタックと電力変換回路とを短距離で電気的に接続できるので、スタックと電力変換回路を電気的に接続するスタック出力線での銅損を低減して、スタック出力線での電力ロスを低減し、燃料電池発電システムの効率を向上することができる。
【0021】
第3の発明は、第2の発明において、スタックの積層方向が電力変換回路基板の面に対して略平行であるものであり、これにより、スタックのスタック出力端子と電力変換回路の電力変換回路入力端子とを最短距離で電気的に接続できるので、第3の発明よりも、さらに、スタックと電力変換回路を電気的に接続するスタック出力線での銅損を低減して、スタック出力線での電力ロスを低減し、燃料電池発電システムの効率を向上することができる。
【0022】
第4の発明は、第3の発明において、スタックは、前記スタックの積層方向の一端の上部に設けたスタック+端子と前記スタックの積層方向の他端の上部に設けたスタック−端子とを有し、電力変換回路は、下部に電力変換回路+端子と電力変換回路−端子と有し、前記スタック+端子と前記電力変換回路+端子とが隔壁を介して略対向位置に配置され、前記スタック−端子と前記電力変換回路−端子とが隔壁を介して略対向位置に配置されたものであり、これにより、スタック+端子と電力変換回路+端子、スタック−端子と電力変換回路−端子を、2組とも、最短距離で電気的に接続できるので、第4の発明よりも、さらに、スタックと電力変換回路を電気的に接続するスタック出力線での銅損を低減して、スタック出力線での電力ロスを低減し、燃料電池発電システムの効率を向上することができる。
【0023】
第5の発明は、第4の発明において、隔壁に設けた一対の貫通穴と、スタック+端子と電力変換回路+端子を電気的に接続すると共に一方の前記貫通穴を通るスタック+出力線と、スタック−端子と電力変換回路−端子を電気的に接続すると共に他方の前記貫通穴を通るスタック−出力線とを有するものであり、スタック+端子と電力変換回路+端子とを隔壁の貫通穴を通るスタック+出力線により最短距離で電気的に接続でき、スタック−端子と電力変換回路−端子とを隔壁の貫通穴を通るスタック−出力線により最短距離で電気的に接続できるので、第5の発明と同様に、第4の発明よりも、さらに、スタックと電力変換回路を電気的に接続するスタック出力線での銅損を低減して、スタック出力線での電力ロスを低減し、燃料電池発電システムの効率を向上することができる。
【0024】
以下、本発明による燃料電池発電システムの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0025】
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態における燃料電池発電システムの構成図を示すものである。
【0026】
図1に示すように、本体パッケージ2内には、改質器5、スタック6などの可燃性ガスが流通する部品が配置されている。改質器5には、原料ガス配管8と、燃焼ファン9を取付けたバーナ10と改質器排気口11が備え付けられている。
【0027】
スタック6は、改質器5と水素配管12で接続され、バーナ10と排水素配管13で接続されており、空気ブロワ14と空気配管15で接続されている。また、熱交換器16と冷水管17と温水管18で接続されている。
【0028】
本体パッケージ2の外壁には、排気口19及び換気ファン20が設置されており、改質器5及びスタック6より風上になるように設けた吸気口21が設置されている。
【0029】
貯湯槽3には、水道管からの給水管22が底部に取り付けられると共に、給湯管23が頂部に取り付けられている。貯湯槽3の底部には熱交換器16に接続される冷水管24が取り付けられており、貯湯槽3の頂部には、熱交換器16に接続される温水管25が取り付けられている。
【0030】
電気回路26は、100V以上を扱う高電圧回路27と、低電圧回路28から構成されている。高電圧回路27は、商用電源に接続されると共に、スタック6からの直流電力を交流電力に変換して商用電源に供給する電力変換回路29と交流商用電源を直流低電圧に変換する電源回路30から構成されている。
【0031】
また、高電圧回路27はスタック6及び改質器5より上に配置すると共に、隔壁31でスタック6及び改質器5と分離している。
【0032】
電力変換回路29は、昇圧回路やインバータ回路などの回路(図示せず)と電圧センサや電流センサなどのセンサ(図示せず)とにより構成されており、燃料電池スタック6からの直流電力を商用電源の交流電力と同位相の交流電力に変換して商用電源に接続された負荷(図示せず)に供給できるよう接続されている。
【0033】
低電圧回路28は、本体パッケージ2内の各部を制御する制御手段である。制御手段である低電圧回路28は、負荷の消費電力に基づいて都市ガス配管から改質器5に供給される都市ガスの流量を調整すると共に改質器5に供給される水の流量を調整することによるシステムにおける発電電力の制御や改質器5やスタック6の温度制御など種々の制御を行なっている。
【0034】
以上のように構成された燃料電池発電システムについて、以下その動作、作用を説明する。
【0035】
原料ガス配管8から供給されたメタンなどの原料ガスは、改質器5の中でバーナ10によって加熱され改質反応を起こし水素に変換され水素配管12を通ってスタック6へ供給される。
【0036】
一方、空気ブロワ14から送られる空気は空気配管15を通ってスタック6へ供給され、これら供給された水素と空気中の酸素を反応させ発電を行うものである。
【0037】
そして反応に使われなかった残りの水素(排水素)は排水素配管13を通ってバーナ10に供給され改質反応の加熱燃料として用いられる。
【0038】
以上のように、本実施の形態においては、本体パッケージ2内に、貯湯槽3と、スタック6及び改質器5と、電力変換回路29を有する高電圧回路27と低電圧回路28とから構成される電気回路26と、本体パッケージ2内の空気を外部に排出する換気ファン20とを備え、スタック6及び改質器5より下方の本体パッケージ2下部に吸気口21を有する燃料電池発電システムであって、換気ファン20は本体パッケージ2におけるスタック6及び改質器5を配置した空間の上部に設け、スタック6及び改質器5と電気回路26とを、貯湯槽3の横で、縦方向に、貯湯槽3と略同一高さになるように配置し、高電圧回路27はスタック6及び改質器5より上に配置すると共に、隔壁31により本体パッケージ2内をスタック6及び改質器5を配置した空間と高電圧回路27を配置した空間とに分離したものである。
【0039】
上記構成において、本体パッケージ2内に燃料電池の各構成要素と貯湯槽3を納めたことにより、省スペースな燃料電池発電システムを提供できる。
【0040】
また、改質器5やスタック6から原料ガスや水素などの可燃性ガスが万一漏出した場合においても、可燃性ガスは改質器5やスタック6を設けた本体パッケージ2内に漏出するが、本体パッケージ2内で改質器5及びスタック6より下方の本体パッケージ2下部に設けた吸気口21から吸い込まれた外気が、本体パッケージ2内に漏出した可燃性ガスを押し出して、本体パッケージ2におけるスタック6及び改質器5を配置した空間の上部に設けた換気ファン20により外部に排出される。
【0041】
また、埃の多い環境で長期間使用されて高電圧回路27の接点等に埃が蓄積した場合や、湿気の高い環境で長期間使用されて高電圧回路27の接点等に水分が付着した場合にアーク等が発生することが万が一にも重なった場合においても、隔壁31により本体パッケージ2内をスタック6及び改質器5を配置した空間と高電圧回路27を配置した空間とに分離しているため、原料ガスや水素などの可燃性ガスが高電圧回路27に至ることはなく、爆発等の危険性は全くなくなる。
【0042】
(実施の形態2)
図2は本発明の第2の実施の形態における燃料電池発電システムの構成図を示すものである。
【0043】
図2に示すように、本体パッケージ2内を、貯湯槽3を有する第1室4と、改質器5、スタック6などの可燃性ガスが流通する部品を配置した第2室7に分離するための隔壁1を設けている。
【0044】
改質器5には、原料ガス配管8と、燃焼ファン9を取付けたバーナ10と改質器排気口11が備え付けられている。
【0045】
スタック6は、改質器5と水素配管12で接続され、バーナ10と排水素配管13で接続されており、空気ブロワ14と空気配管15で接続されている。また、熱交換器16と冷水管17と温水管18で接続されている。
【0046】
本体パッケージ2の外壁には、排気口19及び排気ファン20が設置されており、改質器5及びスタック6より風上になるように設けた吸気口21が設置されている。
【0047】
貯湯槽3には水道管からの給水管22が底部に取り付けられると共に、給湯管23が頂部に取り付けられている。貯湯槽3の底部には熱交換器16に接続される冷水管24が取り付けられており、貯湯槽3の頂部には、熱交換器16に接続される温水管25が取り付けられている。
【0048】
電気回路26は、100V以上を扱う高電圧回路27と、低電圧回路28から構成されている。高電圧回路27は、商用電源に接続されると共に、スタック6からの直流電力を交流電力に変換して商用電源に供給する電力変換回路29と交流商用電源を直流低電圧に変換する電源回路30から構成されている。
【0049】
また、高電圧回路27はスタック6及び改質器5より上に配置すると共に、隔壁31でスタック6及び改質器5と分離している。
【0050】
電力変換回路29は、昇圧回路やインバータ回路などの回路(図示せず)と電圧センサや電流センサなどのセンサ(図示せず)とにより構成されており、燃料電池スタック6からの直流電力を商用電源の交流電力と同位相の交流電力に変換して商用電源に接続された負荷(図示せず)に供給できるよう接続されている。
【0051】
低電圧回路28は、本体パッケージ2内の各部を制御する制御手段である。制御手段である低電圧回路28は、負荷の消費電力に基づいて都市ガス配管から改質器5に供給される都市ガスの流量を調整すると共に改質器5に供給される水の流量を調整することによるシステムにおける発電電力の制御や改質器5やスタック6の温度制御など種々の制御を行なっている。
【0052】
以上のように構成された燃料電池発電システムについて、以下その動作、作用を説明する。
【0053】
原料ガス配管8から供給されたメタンなどの原料ガスは、改質器5の中でバーナ10によって加熱され改質反応を起こし水素に変換され水素配管12を通ってスタック6へ供給される。
【0054】
一方、空気ブロワ14から送られる空気は空気配管15を通ってスタック6へ供給され、これら供給された水素と空気中の酸素を反応させ発電を行うものである。
【0055】
そして反応に使われなかった残りの水素(排水素)は排水素配管13を通ってバーナ10に供給され改質反応の加熱燃料として用いられる。
【0056】
以上のように、本実施の形態においては、本体パッケージ2の第1室4に貯湯槽3を備え、本体パッケージ2の第2室7に、スタック6及び改質器5と、電力変換回路29を有する高電圧回路27と低電圧回路28とから構成される電気回路26と、第2室7内の空気を外部に排出する換気ファン20とを備え、スタック6及び改質器5より下方の第2室7下部に吸気口21を有する燃料電池発電システムであって、換気ファン20は第2室7におけるスタック6及び改質器5を配置した空間の上部に設け、スタック6及び改質器5と電気回路26とを、貯湯槽3の横で、縦方向に、貯湯槽3と略同一高さになるように配置し、高電圧回路27はスタック6及び改質器5より上に配置すると共に、隔壁31により第2室7をスタック6及び改質器5を配置した空間と高電圧回路27を配置した空間とに分離したものである。
【0057】
すなわち、本実施の形態は、第1の実施の形態において、貯湯槽3を本体パッケージ2の第1室4に配置し、スタック6及び改質器5と、電気回路26と、換気ファン20と、吸気口21とを本体パッケージ2の第2室7に配置したものであり、第1の実施の形態と同様に、省スペースな燃料電池発電システムを提供できる。
【0058】
また、改質器5やスタック6から原料ガスや水素などの可燃性ガスが万一漏出した場合に、且つ、埃の多い環境で長期間使用されて高電圧回路27の接点等に埃が蓄積したり、湿気の高い環境で長期間使用されて高電圧回路27の接点等に水分が付着した場合にアーク等が発生することが万が一にも重なった場合においても、爆発等の危険性は全くなくなる。
【0059】
(実施の形態3)
本発明の第3の実施の形態について、上記と同様に図1に基づいて説明する。
【0060】
本実施の形態は、第1の実施の形態と基本的な構成は同じであるが、ここでは、以下の点について、更に詳細に説明する。
【0061】
尚、本実施の形態において既に説明した内容については、その説明を省略する。
【0062】
第3の実施の形態は、スタック6と電力変換回路29とを隔壁31を介して対向して配置したものであり、これにより、スタック6と電力変換回路29とが近接(隣接)して配置されるので、スタック出力線32が短くなり、スタック6と電力変換回路29とを短距離で電気的に接続できるので、スタック6と電力変換回路29を電気的に接続するスタック出力線32での銅損を低減して、スタック出力線32での電力ロスを低減し、燃料電池発電システムの効率を向上することができる。
【0063】
(実施の形態4)
本発明の第4の実施の形態について、図3に基づいて説明する。
【0064】
本実施の形態は、第1の実施の形態と基本的な構成は同じであるが、ここでは、以下の点について、更に詳細に説明する。
【0065】
尚、本実施の形態において既に説明した内容については、その説明を省略する。
【0066】
第4の実施の形態は、スタック6の積層方向33が電力変換回路29の基板である電力変換回路基板34の面に対して略平行であるものであり、単セル35が電力変換回路基板34の面に対して平行な方向に積層されており、単セル35の積層方向33の両側を集電板36の一対を用いて挟持し、集電板36にはスタック出力線32を接続するスタック出力端子37が接続されている。電力変換回路基板34には電力変換回路入力端子38を設けている。
【0067】
この構成により、スタック出力線32を接続する、スタック出力端子36と電力変換回路入力端子37が近接するので、スタック出力線32が最短になり、スタック6のスタック出力端子36と電力変換回路29の電力変換回路入力端子37とを最短距離で電気的に接続できるので、スタックと電力変換回路を電気的に接続するスタック出力線32での銅損を低減して、スタック出力線32での電力ロスを低減し、燃料電池発電システムの効率を向上することができる。
【0068】
反対に、スタック6の積層方向33が電力変換回路基板34の面に対して略平行でない(例えば、垂直)の場合は、図4に示すようにスタック出力端子37と電力変換回路入力端子38が離れた位置となり、スタック出力線32が長くなるため、スタック出力線32での銅損が増加し、スタック出力線32での電力ロスが増加し、燃料電池発電システムの効率を低下するものである。
【0069】
(実施の形態5)
本発明の第5の実施の形態について、図5に基づいて説明する。
【0070】
本実施の形態は、第1の実施の形態と基本的な構成は同じであるが、ここでは、以下の点について、更に詳細に説明する。
【0071】
尚、本実施の形態において既に説明した内容については、その説明を省略する。
【0072】
本実施の形態は、スタック6が、スタック6の積層方向の一端の上部に設けたスタック+端子39とスタック6の積層方向の他端の上部に設けたスタック−端子40とを有し、電力変換回路29の電力変換回路基板34が、下部に電力変換回路+端子41と電力変換回路−端子42と有し、スタック+端子39と電力変換回路+端子41とが隔壁31を介して略対向位置に配置され、スタック−端子40と電力変換回路−端子42とが隔壁31を介して略対向位置に配置されたものである。
【0073】
この構成により、スタック+端子39と電力変換回路+端子41が近接し、スタック−端子40と電力変換回路−端子42が近接するため、スタック+端子39と電力変換回路+端子41、スタック−端子40と電力変換回路−端子42を、2組とも、最短距離で電気的に接続できるので、スタック出力線45,46が短くなり、スタック6と電力変換回路29を電気的に接続するスタック出力線45,46での銅損を低減して、スタック出力線45,46での電力ロスを低減し、燃料電池発電システムの効率を向上することができる。
【0074】
(実施の形態6)
本発明の第6実施の形態について、上記と同様に図5に基づいて説明する。
【0075】
本実施の形態は、第5の実施の形態と基本的な構成は同じであるが、ここでは、以下の点について、更に詳細に説明する。
【0076】
尚、本実施の形態において既に説明した内容については、その説明を省略する。
【0077】
本実施の形態は、隔壁31に設けた一対の貫通穴43,44と、スタック+端子39と電力変換回路+端子41を電気的に接続すると共に一方の貫通穴43を通るスタック+出力線45と、スタック−端子40と電力変換回路−端子42を電気的に接続すると共に他方の貫通穴44を通るスタック−出力線46とを有するものである。
【0078】
この構成により、スタック+端子39と電力変換回路+端子41とを隔壁31の貫通穴43を通るスタック+出力線45により最短距離で電気的に接続でき、スタック−端子40と電力変換回路−端子42とを隔壁31の貫通穴44を通るスタック−出力線46により最短距離で電気的に接続でき、スタック+端子39と電力変換回路+端子41が近接するのでスタック+出力線45が短くなり、スタック−端子40と電力変換回路−端子42が近接するのでスタック−出力線46が短くなり、スタック出力線45,46での銅損が低減し、スタック出力線45,46での電力ロスを低減し、燃料電池発電システムの効率を向上することができる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明の燃料電池発電システムは、省スペースな燃料電池を提供できる。
【0080】
また、改質器やスタックから原料ガスや水素などの可燃性ガスが万一漏出した場合に、且つ、埃の多い環境で長期間使用されて高電圧回路の接点等に埃が蓄積したり、湿気の高い環境で長期間使用されて高電圧回路の接点等に水分が付着した場合にアーク等が発生することが万が一にも重なった場合においても、爆発等の危険性は全くなくなる。
【0081】
また、スタックと電力変換回路を電気的に接続するスタック出力線が最短になり、スタック出力線での銅損を低減して、スタック出力線での電力ロスを低減し、燃料電池発電システムの効率を向上することができる。
【0082】
そのため、小型化と高効率と信頼性が求められる燃料電池発電システムに適している。
【符号の説明】
【0083】
2 本体パッケージ
3 貯湯槽
4 第1室
5 改質器
6 スタック
7 第2室
20換気ファン
21吸気口
26電気回路
27高電圧回路
28低電圧回路
29電力変換回路
31隔壁
34電力変換回路基板
39スタック+端子
40スタック−端子
41電力変換回路+端子
42電力変換回路−端子
43,44貫通穴
45スタック+出力線
46スタック−出力線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体パッケージ内に、スタック及び改質器と、電力変換回路を有する電気回路と、前記本体パッケージ内の空気を外部に排出する換気ファンとを備え、前記スタック及び改質器より下方の前記本体パッケージ下部に吸気口を有する燃料電池発電システムであって、
前記換気ファンは前記本体パッケージにおける前記スタック及び改質器を配置した空間の上部に設け、前記スタック及び改質器と前記電気回路とを、縦方向に配置し、前記電気回路は前記スタック及び改質器より上に配置すると共に、隔壁により前記本体パッケージ内を前記スタック及び改質器を配置した空間と前記電気回路を配置した空間とに分離した燃料電池発電システム。
【請求項2】
スタックと電力変換回路とを隔壁を介して対向して配置した請求項1に記載の燃料電池発電システム。
【請求項3】
スタックの積層方向が電力変換回路基板の面に対して略平行である請求項2に記載の燃料電池発電システム。
【請求項4】
スタックは、前記スタックの積層方向の一端の上部に設けたスタック+端子と前記スタックの積層方向の他端の上部に設けたスタック−端子とを有し、電力変換回路は、下部に電力変換回路+端子と電力変換回路−端子と有し、前記スタック+端子と前記電力変換回路+端子とが隔壁を介して略対向位置に配置され、前記スタック−端子と前記電力変換回路−端子とが隔壁を介して略対向位置に配置された請求項3に記載の燃料電池発電システム。
【請求項5】
隔壁に設けた一対の貫通穴と、スタック+端子と電力変換回路+端子を電気的に接続すると共に一方の前記貫通穴を通るスタック+出力線と、スタック−端子と電力変換回路−端子を電気的に接続すると共に他方の前記貫通穴を通るスタック−出力線とを有する請求項4に記載の燃料電池発電システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−190812(P2012−190812A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−127855(P2012−127855)
【出願日】平成24年6月5日(2012.6.5)
【分割の表示】特願2008−262538(P2008−262538)の分割
【原出願日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】