説明

燃料電池試験システム

被試験燃料電池によって生成される電気エネルギーは、一般的には、従来の燃料電池試験システムに含まれる制御可能な変動負荷からの放射熱エネルギーという形式で放出される。生成されるこのような電気エネルギーは、有益な仕事をするのにすぐには利用されず、後で使用するために蓄えられるか、或いは、適切に変換した後に電力会社に販売されるので、この実施法は無駄が多い。本発明のいくつかの実施形態の態様によれば、被試験燃料電池によって生成される電気エネルギーを、単に放射熱エネルギーとして放出するのとは対照的に、何らかの有益な目的に利用することのできる別の信頼性のある形式のエネルギーに変換する、エネルギー変換システムを備えた、燃料電池試験システムが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広く、燃料電池試験システムに関し、詳細には、燃料電池試験ステーションと共に備えられて有益な出力を提供するエネルギー変換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2003年5月15日に出願された米国仮出願第60/470,427号の優先権を主張する。この仮出願の内容全体は、参照により本明細書中に組み込まれる。
【0003】
燃料電池(又は燃料電池スタック)の性能を試験するには、通常、独立(スタンドアロン)型の燃料電池試験ステーションが利用される。燃料電池試験ステーションは、被試験燃料電池の作動状態をシミュレートし、燃料電池又は燃料電池スタックの性能を示す様々なパラメータをモニターする。
【0004】
様々な作動状態をシミュレートするために、燃料電池試験ステーションは、通常、プロセス反応物(例えば、水素、空気、蒸気など)の様々な組み合わせを燃料電池に供給すると共に、特定のプロセス反応物に関連するパラメータ(例えば、温度、圧力、流量、相対湿度)を制御することができる。また、燃料電池試験ステーションは、一般的に、制御可能な変動負荷を含み、この変動負荷は、被試験燃料電池の陽極端子と陰極端子との間に接続可能である。この制御可能な変動負荷を用いることによって、被試験燃料電池からもたらされる電気エネルギー出力(例えば、DC電圧、DC電流)を変更することができる。従来の燃料電池試験ステーションを用いる被試験燃料電池からもたらされる電気エネルギーは、単に、変動負荷からの放射熱として放散される。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態の一態様によれば、燃料電池を試験する燃料電池試験ステーションであって、前記燃料電池を制御及びモニターするように作動可能である燃料電池試験ステーションと、前記燃料電池から直接接続された未処理のDC電力を、有効な形式の電力に変換する、エネルギー変換システムとを備える、燃料電池を試験して電力を生成するシステムが提供される。
【0006】
ある実施形態では、前記エネルギー変換システムは、前記燃料電池に接続可能であって、前記エネルギー変換システムを前記燃料電池において生じる電力の急増から保護する、入力断路器と、負荷に接続可能であって、前記負荷と前記エネルギー変換システムとの両方を互いから生じる電力の急増からそれぞれ保護する、出力断路器と、前記未処理のDC電力を前記入力断路器を介して受容するように接続され、前記未処理のDC電力を有効(利用可能)な形式の電力に変換すると共に、前記有効な形式の電力を前記出力断路器を介して前記負荷に供給する、DC−DC変換器とをさらに備える。
【0007】
このような実施形態では、前記有効な形式の電力は、実質的に一定のDC電圧及び実質的に一定のDC電流のうちの一方を含むが、これらに限定されるわけではない。
【0008】
さらに別の実施形態では、前記入力断路器は、前記未処理のDC電力が上限値と下限値との間に当てはまるかどうかを判定すると共に、当てはまる場合には正の信号を生成し、当てはまらない場合には負の信号を生成する、閾値検出器と、前記未処理のDC電力及び前記閾値検出器からの前記信号を受容するように接続され、前記閾値検出器から前記正の信号を受信すると、前記未処理のDC電力を前記DC−DC変換器に接続するように作動可能であると共に、前記負の信号を受信すると、前記未処理のDC電力を前記DC−DC変換器に接続しないように作動可能である、スイッチとを備える。
【0009】
関連する実施形態では、前記エネルギー変換システムは、前記DC−DC変換器と前記出力断路器との間に直列接続されており、DC電力を有効な形式のAC電力に変換する、DC−AC変換器をさらに備える。このような実施形態では、前記有効な形式の電力は、単相AC電圧、単相AC電流、多相AC電圧、及び多相AC電流のうちの1つを含むが、これらに限定されるわけではない。
【0010】
ある実施形態では、前記入力断路器は、前記未処理のDC電力が下限値を上回っているかどうかを判定すると共に、上回っている場合には正の信号を生成し、上回っていない場合には負の信号を生成する、閾値検出器と、前記未処理のDC電力及び前記閾値検出器からの前記信号を受容するように接続され、前記閾値検出器から前記正の信号を受信すると、前記未処理のDC電力を前記DC−DC変換器に接続するように作動可能であると共に、前記負の信号を受信すると、前記未処理のDC電力を前記DC−DC変換器に接続しないように作動可能である、スイッチとを備える。
【0011】
別の実施形態では、前記入力断路器は、前記未処理のDC電力が上限値を下回っているかどうかを判定すると共に、下回っている場合には正の信号を生成し、下回っていない場合には負の信号を生成する、閾値検出器と、前記未処理のDC電力及び前記閾値検出器からの前記信号を受容するように接続され、前記閾値検出器から前記正の信号を受信すると、前記未処理のDC電力を前記DC−DC変換器に接続するように作動可能であると共に、前記負の信号を受信すると、前記未処理のDC電力を前記DC−DC変換器に接続しないように作動可能である、スイッチとを備える。
【0012】
ある実施形態では、前記出力断路器は、絶縁変圧器、BJT、及びMESFETのうちの1つである。
【0013】
ある実施形態では、前記エネルギー変換システムは、前記燃料電池から直接接続された前記未処理のDC電力を、電力網に適合するAC電力に変換するように構成されている。さらに、関連した実施形態では、前記エネルギー変換システムは、変換された前記AC電力を前記電力網と同期させる同期デバイスも備える。
【0014】
本発明の具体的な実施形態に関する以下の説明を読めば、通常の当業者には、本発明のその他の態様及び特徴が明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明をより良く理解させるために、且つ、本発明の実施法をより明瞭に示すために、添付の本発明の実施形態の態様を示す図面を例として参照する。
【0016】
被試験燃料電池によって生成される電気エネルギーは、一般的には、従来の燃料電池試験システムに含まれる制御可能な変動負荷からの放射熱エネルギーという形式で放出される。生成されるこのような電気エネルギーは、有益な働きをするためにすぐには利用されず、後で使用するために蓄えられるか、或いは、適切に変換した後に電力会社に販売されるので、この実施法は無駄が多い。このような電気エネルギーが有益な目的に利用されない理由の1つは、被試験燃料電池から直接接続されたDC電圧又はDC電流は、一般的に、何らかの有益な目的にすぐに用いるのに十分な程度の信頼性がないからである。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態の態様によれば、被試験燃料電池によって生成される電気エネルギーを、単に放射熱エネルギーとして放出するのとは対照的に、何らかの有益な目的に利用することのできる別の信頼性のある形式のエネルギーに変換する、エネルギー変換システムを備えた燃料電池試験システムが提供される。つまり、本発明のいくつかの実施形態は、被試験燃料電池によって生成される電気エネルギーを何らかの有益な形式のエネルギーに変換する、エネルギー変換手段を含む。
【0018】
図1を参照すると、本発明の一実施形態の態様による、エネルギー変換システム(ECS:Energy Conversion System)22を備える燃料電池試験システム20の略図が示されている。より具体的には、図1に示されている略図には、ECS22及び燃料電池試験ステーション21を備える燃料電池試験システム20が含まれている。これらの燃料電池試験ステーション21及びECS22はどちらも燃料電池10に接続されており、ECS22はさらに負荷(若しくはシンク)40に接続されている。
【0019】
一般的な燃料電池試験ステーションは、プロセス・ガス及び/又は流体を供給して排出し、作動状態を制御し、試験中に燃料電池の性能を示す様々なパラメータをモニターするための、被試験燃料電池への接続部を、適切な数且つ適切な組み合わせで含む。単純化のため、これらの接続部の全てが、図1に示されているわけではない。単なる具体例として図1に示されている、燃料電池試験ステーション21と燃料電池10との接続部には、燃料(例えば、水素)供給ライン12、酸化剤供給ライン14、及び制御/フィードバック・バス16が含まれる。燃料電池10は、DC出力ライン32を介してECS22に接続されている。
【0020】
別の実施形態では、燃料電池試験ステーションは、被試験燃料電池との間で、冷却剤、燃料、及び酸化剤のうちの少なくとも1つを、それぞれの供給ライン及び戻りラインを介して循環させる。このような実施形態では、循環されるプロセス・ガス及び/又は流体のそれぞれに対して少なくとも1つの戻りラインが設けられている。或いは、別の実施形態では、図1に示されている構造と同様に、燃料電池は、デッドエンド(行き止まり)モードで作動するように設計されていてもよく、このデッドエンドモードでは、1種類以上のプロセス・ガス及び/又は流体は、燃料電池に供給されるが、その燃料電池試験ステーション又はその他の供給源には循環して戻されない。さらに、当業者には理解されるであろうが、燃料電池試験システムは、1つ以上の作動モードをサポートするのに必要とされるハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、及び機械システムの適切な組み合わせを含む。
【0021】
図1に示されているように、ECS22は、電力を送給するために、供給ライン34を介して負荷40に接続されている。ある実施形態では、ECSは、燃料電池からの入力と負荷/シンク及び燃料電池試験システムの残りの部分への出力とをモニターして制御し、燃料電池試験システムにフィードバック及び状態情報を提供するための、様々なその他の接続部を含む。
【0022】
一般的には、燃料電池は、DC形式で電気エネルギーを提供するように作動される。つまり、燃料電池は、何らかの目的に利用され得る一定の電圧レベル及び電流レベルのうちの少なくとも一方を提供するように作動される。図1に概略的に示されている燃料電池10をさらに参照すると、この燃料電池10は、DC形式で未処理の電力を生成し、この電力はDC出力ライン32を介してECS22に接続されている。前述したように、被試験燃料電池(例えば、燃料電池10)によって提供される未処理のDC電力は、負荷/シンクによって安全に利用されるのに十分な程度には信頼性がない。
【0023】
ECS22は、試験中に生成される未処理のDC電力を望ましく且つ有効(利用可能)な形式に変換するように作動する。ある実施形態では、燃料電池試験システムに備えられたECSは、未処理のDC電力が比較される下限値を用いる。別の実施形態では、燃料電池の出力電圧又は電流を、このような比較に用いることができる。未処理のDC電力がこの下限値を下回る場合、ECSは、この未処理のDC電力を別の望ましく且つ有効な形式に変換するようには作動しない。その理由は、この未処理のDC電力は、変換処理が妥当である程度に十分に高くなく、変換処理から得られる出力エネルギーが、変換処理を行うのに必要とされるエネルギーよりも少なくなってしまうためである。いからである。ある実施形態では、この下限値の具体的数値は、被試験燃料電池から得られる電力の期待される大きさによって決まる。さらに、関連した実施形態では、この下限値は、ECSからの出力の用途によっても決まる。別の実施形態では、ECSは、未処理のDC電力が比較される上限値と下限値との両方を用いる。未処理のDC電力がこの上限値と下限値との間に当てはまらない場合、ECSは、この未処理のDC電力を別の望ましく且つ有効な形式に変換するようには作動しない。このような実施形態では、この未処理のDC電力は、小さすぎて変換を保証できないか、或いは、大きすぎてECSの一部を損傷することがある。これらの上限値及び下限値はどちらも、ECSの電流及び/又は電圧処理能力、ECSの電気出力の期待される用途、並びに、被試験燃料電池から直接接続(出力)された期待される電気出力を含む、いくつかの要素に基づき得るが、これらの要素に限定されるわけではない。
【0024】
ある実施形態では、未処理のDC電力(即ち、被試験燃料電池から直接接続された電圧又は電流)が、1つ以上の閾値(例えば、上記上限値及び/又は下限値)を満たさない場合、分流器へ接続され、熱として放散される。
【0025】
ある実施形態では、燃料電池試験システムに備えられたECSからの望ましい電気出力の形式として、DC電流、DC電圧、単相AC電流、単相AC電圧、多相AC電流、多相AC電圧のうちの少なくとも1つが挙げられる。これらのような異なる形式の望ましい電気出力を利用することによって、様々な形式の有益な仕事をすることができる。例えば、燃料電池試験システムに備えられたECSが、被試験燃料電池から直接得られる未処理のDC電力を、単相AC電力に変換する場合、この単相AC電力は、ACモータを駆動するのに利用され得る。別の例では、燃料電池試験システムに備えられたECSが、被試験燃料電池から直接得られる未処理のDC電力を、電力網に適合する多相AC電力に変換する場合、この多相AC電力は、ローカルに(その場で)用いられるか電力会社に販売され得る。従って、ある実施形態では、燃料電池試験ステーション及びECSは、その燃料電池試験ステーションが設置されている研究室又は工場用の電力を生成するのに用いられ、これにより、電力網からこの研究室又は工場によって消費される電力が減少し、場合によっては、このような研究室又は工場を稼動させるコストが削減される。
【0026】
燃料電池自動車によって生成される電力をリアルタイムで売買できるようにするシステムが、米国特許出願第2002/0132144号に開示されており、この出願を参照することによりその全体が本明細書中に組み込まれる。当業者には理解されるであろうが、このようなシステムの態様は、本発明の実施形態と組み合わせることができると共に、さらに、本発明の一実施形態の態様によるECSを備えた燃料電池試験システムと組み合わされた被試験燃料電池によって生成される電力を販売するのに利用することもできる。
【0027】
別の実施形態では、ECSを備えた燃料電池試験システムによって回収された電力を、いくつかの電力貯蔵デバイス(例えば、充電池等)を用いて蓄えることができる。別の実施形態では、この電力をすぐに利用して、燃料電池試験システムに付加的に備えられた電解デバイスを作動させる。このような実施形態では、この電解デバイスは、被試験燃料電池用の燃料及び酸化剤(例えば、水素及び酸素)を局所的(ローカル)に生成するのに用いられ、これにより、燃料電池の試験中における作動コストがさらに削減され得る。
【0028】
図2を参照すると、図1に概略的に示されたECS22の非常に具体的な一例の略図が示されている。ECS22は、入力断路器59、DC−DC変換器及び増幅器55、並びに、出力断路器57を含み、これらはそれぞれ直列に接続されている。
【0029】
入力断路器59は、外部に接続可能であって、燃料電池10からDC電力出力ライン32を介して得られる未処理のDC電力を受容する。この入力断路器59は、DC−DC変換器及び増幅器55にも接続されており、次に、このDC−DC変換器及び増幅器55は、出力断路器57に直列接続されている。この出力断路器57は、外部に接続可能であって、有効な形式の電気エネルギーを負荷40に提供する。
【0030】
入力断路器59は、閾値検出器51及びスイッチ53を含み、これらは、それぞれDC電力出力ライン32を介して未処理のDC電力を受容するよう接続されている。また、閾値検出器51は、スイッチ53に接続されており、このスイッチ53に制御信号を提供する。このスイッチ53は、DC−DC変換器及び増幅器55に接続されている。
【0031】
出力断路器57は、負荷若しくは電力網からのフィードバックからECS22を保護すると共に、ECS22内部における電力の急増から負荷若しくは電力網を保護する、電気回路の適切な組み合わせである。いくつかの実施形態では、この出力断路器57は、絶縁変圧器である。別の実施形態では、この出力断路器57は、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)又はガリウムヒ素(GaAs)MESFETである。
【0032】
作動中、図2に示されたECS22は、(図1に示された)燃料電池10からDC電力出力ライン32を介して未処理のDC電力を受容する。この未処理のDC電力は、入力断路器59に接続され、この入力断路器59において、閾値検出器51とスイッチ53との両方により並列受容される。閾値検出器51は、この未処理のDC電力の大きさを、上限値及び下限値のうちの少なくとも一方と比較し、この未処理のDC電力をより有効な形式の電気エネルギーに変換することが安全且つ/又は妥当であるかどうかを、ECS22のその他の要素の限度及びそれらの入力電力要件を考慮して判定する。つまり、閾値検出器51は、この未処理のDC電力が変換が十分に妥当な程度に有効なエネルギーをもたらすかどうか、また、場合によっては、この変換処理がECS22の残りの部分を損傷することなく行われ得るかどうかを判定する。
【0033】
閾値検出器51は、この未処理のDC電力をより有効な形式のエネルギーに変換するべきではない、又は変換することができない、のうちの少なくとも一方と判定した場合、スイッチ53に負の制御信号を送信し、次に、このスイッチ53は、未処理のDC電力をそれ以上ECS22に接続しないようにする。一方、閾値検出器51は、この未処理のDC電力が変換要件を満たすと判定した場合、スイッチ53に正の制御信号を送信する。スイッチ53は、この正の制御信号を受信すると、未処理のDC電力をDC−DC変換器及び増幅器55に接続する。
【0034】
DC−DC変換器及び増幅器55は、この未処理のDC電力を、実質的に一定の大きさ、電圧レベル、電流レベルの少なくともいずれかである有効な形式のDC電力に変換する。この電圧レベルは、未処理のDC電力と直接関連する電圧より高くてもよいし低くてもよい。次に、DC−DC変換器及び増幅器55は、このDC電力を出力断路器57に接続する。この出力断路器57は、外部に接続されて、このDC電力を負荷40に供給する。
【0035】
図3を参照すると、図1に概略的に示されたECS22の非常に具体的な別の例の略図が示されている。図3に概略的に示されたECS22は、入力断路器59、DC−DC変換器及び増幅器55、並びに、出力断路器57を備える点においては、図2に示されたECS22と同様である。しかしながら、図3に示されたこのECS22は、さらに、DC−DC変換器及び増幅器55と出力断路器57との間に直列接続されたDC−AC変換器及び増幅器61も備える。
【0036】
図3に示された図2と共通の構成要素の動作は、図2に関して上述した動作と実質的に同一である。図2に示されていない構成要素は、DC−AC変換器及び増幅器61であり、作動中、このDC−AC変換器及び増幅器61は、DC−DC変換器及び増幅器55からDC電力を受容し、このDC電力を単相AC電力及び多相AC電力のうちの少なくとも一方に変換する。このAC電力は次いで、出力断路器40を介して負荷40に接続される。
【0037】
上記説明は、単に本発明の原理の適用例にすぎない。当業者は、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲を逸脱しない限り、他の構造も実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】燃料電池と組み合わされた本発明の一実施形態の態様によるエネルギー変換システムを備える燃料電池試験ステーションの略図である。
【図2】本発明の一実施形態の態様によるエネルギー変換システムの非常に具体的な一例の略図である。
【図3】本発明の一実施形態の態様によるエネルギー変換システムの非常に具体的な別の例の略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池を試験する燃料電池試験ステーションであって、前記燃料電池を制御及びモニターするように作動可能である燃料電池試験ステーションと、
前記燃料電池から直接接続された未処理のDC電力を、有効な形式の電力に変換する、エネルギー変換システムと、
を備える、燃料電池を試験して電力を生成するシステム。
【請求項2】
前記エネルギー変換システムが、
前記燃料電池に接続可能であって、前記エネルギー変換システムを前記燃料電池において生じる電力の急増から保護する、入力断路器と、
負荷に接続可能であって、前記負荷と前記エネルギー変換システムとの両方を互いから生じる電力の急増からそれぞれ保護する、出力断路器と、
前記未処理のDC電力を前記入力断路器を介して受容するように接続されており、前記未処理のDC電力を有効な形式の電力に変換すると共に、前記有効な形式の電力を前記出力断路器を介して前記負荷に供給する、DC−DC変換器と、
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記有効な形式の電力が、実質的に一定のDC電圧及び実質的に一定のDC電流のうちの一方の形式である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記入力断路器が、
前記未処理のDC電力が下限値を上回っているかどうかを判定すると共に、上回っている場合には正の信号を生成し、上回っていない場合には負の信号を生成する、閾値検出器と、
前記未処理のDC電力及び前記閾値検出器からの前記信号を受容するように接続され、前記閾値検出器から前記正の信号を受信すると、前記未処理のDC電力を前記DC−DC変換器に接続するように作動可能であると共に、前記負の信号を受信すると、前記未処理のDC電力を前記DC−DC変換器に接続しないように作動可能である、スイッチと、
を備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記入力断路器が、
前記未処理のDC電力が上限値を下回っているかどうかを判定すると共に、下回っている場合には正の信号を生成し、下回っていない場合には負の信号を生成する、閾値検出器と、
前記未処理のDC電力及び前記閾値検出器からの前記信号を受容するように接続され、前記閾値検出器から前記正の信号を受信すると、前記未処理のDC電力を前記DC−DC変換器に接続するように作動可能であると共に、前記負の信号を受信すると、前記未処理のDC電力を前記DC−DC変換器に接続しないように作動可能である、スイッチと、
を備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記入力断路器が、
前記未処理のDC電力が上限値と下限値との間に当てはまるかどうかを判定すると共に、当てはまる場合には正の信号を生成し、当てはまらない場合には負の信号を生成する、閾値検出器と、
前記未処理のDC電力及び前記閾値検出器からの前記信号を受容するように接続され、前記閾値検出器から前記正の信号を受信すると、前記未処理のDC電力を前記DC−DC変換器に接続するように作動可能であると共に、前記負の信号を受信すると、前記未処理のDC電力を前記DC−DC変換器に接続しないように作動可能である、スイッチと、
を備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記エネルギー変換システムが、
前記DC−DC変換器と前記出力断路器との間に直列接続され、DC電力を有効な形式のAC電力に変換する、DC−AC変換器、
をさらに備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項8】
前記有効な形式の電力が、単相AC電圧、単相AC電流、多相AC電圧、及び多相AC電流のうちの1つの形式である、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記出力断路器が、絶縁変圧器、BJT、及びMESFETのうちの1つである、請求項2に記載のシステム。
【請求項10】
前記エネルギー変換システムが、前記燃料電池から直接接続された前記未処理のDC電力を、電力網に適合する形式のAC電力に変換するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記エネルギー変換システムが、変換された前記AC電力を前記電力網と同期させる同期デバイスをさらに備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
燃料電池を試験する燃料電池試験ステーションであって、前記燃料電池を制御及びモニターするように作動可能である燃料電池試験ステーションと、
前記燃料電池から直接接続された未処理の電圧を、有効な形式の電気エネルギーに変換する、エネルギー変換システムと、
を備える、燃料電池を試験して電力を生成するシステム。
【請求項13】
前記エネルギー変換システムが、
前記燃料電池に接続可能であって、前記エネルギー変換システムを前記燃料電池において生じる電圧レベルの急上昇から保護する、入力断路器と、
負荷に接続可能であって、前記負荷と前記エネルギー変換システムとの両方を互いから生じる電圧レベルの急上昇からそれぞれ保護する、出力断路器と、
前記燃料電池から直接接続された前記未処理の電圧を前記入力断路器を介して受容するように接続され、前記未処理の電圧を有効な形式の電気エネルギーに変換すると共に、前記有効な形式の電気エネルギーを前記出力断路器を介して前記負荷に供給する、DC−DC変換器と、
をさらに備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記有効な形式の電気エネルギーが、実質的に一定のDC電圧及び実質的に一定のDC電流のうちの一方の形式である、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記入力断路器が、
前記未処理の電圧が下限値を上回っているかどうかを判定すると共に、上回っている場合には正の信号を生成し、上回っていない場合には負の信号を生成する、閾値検出器と、
前記未処理の電圧及び前記閾値検出器からの前記信号を受容するように接続され、前記閾値検出器から前記正の信号を受信すると、前記未処理の電圧を前記DC−DC変換器に接続するように作動可能であると共に、前記負の信号を受信すると、前記未処理の電圧を前記DC−DC変換器に接続しないように作動可能である、スイッチと、
を備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記入力断路器が、
前記未処理の電圧が上限値を下回っているかどうかを判定すると共に、下回っている場合には正の信号を生成し、下回っていない場合には負の信号を生成する、閾値検出器と、
前記未処理の電圧及び前記閾値検出器からの前記信号を受容するように接続され、前記閾値検出器から前記正の信号を受信すると、前記未処理の電圧を前記DC−DC変換器に接続するように作動可能であると共に、前記負の信号を受信すると、前記未処理の電圧を前記DC−DC変換器に接続しないように作動可能である、スイッチと、
を備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記入力断路器が、
前記未処理の電圧が上限値と下限値との間に当てはまるかどうかを判定すると共に、当てはまる場合には正の信号を生成し、当てはまらない場合には負の信号を生成する、閾値検出器と、
前記未処理の電圧及び前記閾値検出器からの前記信号を受容するように接続され、前記閾値検出器から前記正の信号を受信すると、前記未処理の電圧を前記DC−DC変換器に接続するように作動可能であると共に、前記負の信号を受信すると、前記未処理の電圧を前記DC−DC変換器に接続しないように作動可能である、スイッチと、
を備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
前記エネルギー変換システムが、
前記DC−DC変換器と前記出力断路器との間に直列接続され、有効な形式のACエネルギーを生成する、DC−AC変換器、
をさらに備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項19】
前記有効な形式の電気エネルギーが、単相AC電圧、単相AC電流、多相AC電圧、及び多相AC電流のうちの1つの形式である、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記出力断路器が、絶縁変圧器、BJT、及びMESFETのうちの1つである、請求項13に記載のシステム。
【請求項21】
前記エネルギー変換システムが、前記燃料電池から直接接続された前記未処理の電圧を、電力網に適合する形式のACエネルギーに変換するように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項22】
前記エネルギー変換システムが、変換された前記ACエネルギーを前記電力網と同期させる同期デバイスをさらに備える、請求項21に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−513462(P2007−513462A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529488(P2006−529488)
【出願日】平成16年5月14日(2004.5.14)
【国際出願番号】PCT/CA2004/000723
【国際公開番号】WO2004/102218
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(502451258)ハイドロジェニクス コーポレイション (21)
【Fターム(参考)】