説明

燃料電池車両

【課題】燃料電池に対し状況に応じた走行風による適切な冷却を行う。
【解決手段】フロントグリル31と吸気ダクト32との間にはグリルシャッター36が配置されている。このグリルシャッター36はシャッター部材37を開閉でき、また、開くときにはその開度を調整することができる。走行風による最大供給空気流量が水素燃料電池11の要求空気流量より大きいときは、グリルシャッター開度指令によるグリルシャッター36のシャッター部材37の開閉制御のみで水素燃料電池11の要求空気流量をまかなう。そうでないときは、グリルシャッター開度指令によりグリルシャッター36のシャッター部材37を全開にして、フロントグリル31から取り込む走行風を最大量にし、また、水素燃料電池11の要求空気流量の不足分の空気はブロア速度指令によりブロア22を動作させてまかなう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池を搭載した燃料電池車両に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、空冷式燃料電池を搭載した車両について開示されている。この技術では、車両の走行風を用いて燃料電池を冷却している。また、通風機のような別の圧力源が燃料電池の冷却のために準備されており、その制御として、車速を検出し、低速の際には通風機が作動して燃料電池の冷却を行う。また、外部温度が高い場合も通風機を作動させて燃料電池の冷却を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2000‐514745
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、走行風を調節するための手段がなく、燃料電池に対し状況に応じた走行風による適切な冷却を行うことができないという不具合がある。
本発明の目的は、燃料電池に対し状況に応じた走行風による適切な冷却を行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明の一実施態様は、駆動用のモータと、前記モータに電力を供給する燃料電池とを備えている燃料電池車両において、車両前部に設けられた第1の空気取入口と、前記第1の空気取入口から取り入れた空気を前記燃料電池に供給する空気供給路と、前記空気供給路に設けられ当該空気供給路から前記燃料電池に供給する空気の量を調節する調節部材と、前記燃料電池に送風する送風機と、前記調節部材及び前記送風機を制御して前記空気供給路及び前記送風機により前記燃料電池に供給する空気量を調節する制御手段と、を備えていることを特徴とする燃料電池車両である。
【0006】
(2)(1)の実施態様において、車速を検出する車速検出手段をさらに備え、前記制御手段は、前記燃料電池の出力から当該燃料電池の要求空気流量を求めて当該要求空気流量及び前記車速に基づいて前記調節部材を制御して前記空気供給路から前記燃料電池に供給する空気の量を調節し、かつ、前記要求空気流量が前記調節部材により前記空気供給路から前記燃料電池に供給できる最大空気量より多い場合はさらに前記送風機を制御して不足分の空気量をまかなう、ことを特徴とするようにしてもよい。
【0007】
(3)(2)の実施態様において、前記燃料電池の温度を検出する温度検出手段をさらに備え、前記制御手段は、前記燃料電池の目標温度と前記温度検出手段の検出した温度との差を解消するように前記調節部材の制御及び前記送風機の制御を行う、ことを特徴とするようにしてもよい。
(4)(1)の実施態様において、車両下部側から前記空気供給路に空気を取り入れる第2の空気取入口と、前記第2の空気取入口を開閉する開閉部材と、降雨を検出する降雨検出手段と、をさらに備え、前記制御手段は、前記降雨検出手段で降雨を検出したときは前記調節部材で前記空気供給路から前記燃料電池への空気の供給を停止し、かつ、前記開閉部材で前記第2の空気取入口を開く、ことを特徴とするようにしてもよい。
【0008】
(5)(1)の実施態様において、前記制御手段は、前記燃料電池のシャットダウンの際には前記調節部材で前記空気供給路から前記燃料電池への空気の供給を停止する、ことを特徴とするようにしてもよい。
(6)(1)の実施態様において、前記燃料電池の温度を検出する温度検出手段をさらに備え、前記制御手段は、前記温度検出手段の検出した温度があらかじめ設定した温度より低いときには前記調節部材で前記空気供給路から前記燃料電池への空気の供給を停止する、ことを特徴とするようにしてもよい。
【発明の効果】
【0009】
(1)の実施態様によれば、燃料電池に供給する走行風の量を状況に応じ調節部材により調節することができる。
(2)の実施態様によれば、燃料電池に必要な空気量を送風機を極力使用することなくまかなうことができるので、消費電力を抑制することができる。
(3)の実施態様によれば、燃料電池を発電に適した温度に保つことができる。
【0010】
(4)の実施態様によれば、雨滴が燃料電池にかからないようにすることができる。
(5)の実施態様によれば、シャットダウン後は水や異物が燃料電池に侵入することを防止することができる。
(6)の実施態様によれば、燃料電池を速やかに暖機することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態である燃料電池車両に搭載された燃料電池の構成、動作について説明する説明図である。
【図2】本発明の一実施形態である燃料電池車両のシステムのブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態である燃料電池車両の前部の縦断面図である。
【図4】本発明の一実施形態である燃料電池車両の制御系を中心とした各部の配置を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態である燃料電池車両のグリルシャッターのフィードフォワード制御について説明するブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態である燃料電池車両においてグリルシャッター開度指令とブロア速度指令との使い分けについて説明するフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態である燃料電池車両において水素燃料電池の要求空気流量と、グリルシャッター開度指令及びブロア速度指令との関係を示すグラフである。
【図8】本発明の一実施形態である燃料電池車両においてグリルシャッター及びブロアのフィードバック制御について説明するブロック図である。
【図9】本発明の一実施形態である燃料電池車両において水素燃料電池の要求空気流量と、グリルシャッター開度指令及びブロア速度指令との関係を示すグラフである。
【図10】本発明の一実施形態である燃料電池車両における降雨検出手段の検出結果に基づく制御について説明するフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態である燃料電池車両における水素燃料電池をシャットダウンする場合の制御について説明するフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態である燃料電池車両における温度センサの検出結果に基づく制御について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施の形態について説明する。
本実施の形態にかかる燃料電池車両は、車両を駆動するためのモータと、このモータに電力を供給する燃料電池とを搭載している。
図1は、この燃料電池車両1(図2〜図4参照)に搭載された燃料電池の構成、動作について説明する説明図である。最初に、この水素燃料電池11の電気化学反応と、それに付随する水の生成について説明する。水素燃料電池11はセルと呼ばれる最小構成単位を多数積層してスタックを構成している。図1図示の構成もセルの一つを示すものである。通常の固体高分子型燃料電池において、各セルには、水素及び空気(酸素)をそれぞれ供給するアノード極12とカソード極13に挟まれた拡散層14と、拡散層14に挟まれた反応活性化のための触媒層15と、触媒層15に挟まれていて水素イオンを選択的に透過させる電界質膜16とを備えている。
【0013】
アノード極12に供給された水素分子は、アノード極12の電解質表面にある触媒層15において活性な水素原子となり、さらに水素イオンになって電子を放出する。図1において“1”で示されるこの反応は、以下の(1)式で表わされる。
→ 2H + 2e ……(1)
【0014】
(1)式により発生した水素イオンは電解質膜に含まれる水分を伴ってアノード極12側からカソード極13側への電解質膜16中を移動し、また、電子は外部回路を通じてカソード極13に移動する。一方のカソード極13に供給された空気中の酸素分子は、触媒層15において外部回路から供給された電子を受け取って酸素イオンとなり、電界質膜16を移動してきた水素イオンと結合して水となる。図1において“2”で示されるこの反応は、以下の(2)式で表わされる。
1/2O + 2H + 2e → HO ……(2)
【0015】
このようにして生成された水分の一部は濃度拡散によりカソード極13からアノード極12へと移動する。
このような化学反応において、燃料電池内部では電界質膜16や電極の電気抵抗に起因する抵抗過電圧、水素と酸素が電気化学反応を起こすための活性化過電圧、拡散層14中を水素や酸素が移動するための拡散過電圧など様々な損失が発生し、それにより発生した廃熱は冷却する必要がある。
【0016】
図2は、本実施形態の燃料電池車両1のシステムのブロック図である。この燃料電池車両1のシステムは、燃料電池の発生する排熱を空冷式で冷却する。すなわち水素燃料電池11はフィルタ21を介してブロア22により空気の供給を受ける。供給された空気は、水素燃料電池11における発電反応に供するのみでなく、水素燃料電池11の廃熱を奪い、冷却する役割も担う。なお、水素燃料電池11への空気の供給は走行風によっても行うことは後述する。また、水素タンク23内の水素は減圧弁24により降圧した後に水素燃料電池11に供給される。アノード排気はパージ弁25を介してカソード排気に連結し、アノード側のパージを行う際には排気水素ガスをカソード側排気により可燃下限濃度以下に希釈して外気に放出する。
【0017】
図3は、本実施形態の燃料電池車両1の前部の縦断面図である。車両前部の先端部分に形成されたフロントグリル31は第1の空気取入口となるもので、走行風を車両前方から採り入れる。この走行風は空気供給路となる吸気ダクト32を介して車両後方側に向かって導かれ、吸気ダクト32の後段に配置された燃料電池ケース33内の水素燃料電池11に供給される。また、水素燃料電池11の後部には水素燃料電池11に送風する送風機となるブロア22が設けられている。ブロア22はPWM制御などで回転数、出力を変えることができる。なお、図3では水素燃料電池11が上下2段示されていて、上段の水素燃料電池11に送風するブロア22は、図3においてはカバー34に隠れている。フロントグリル31と吸気ダクト32との間には調節部材となるグリルシャッター36が配置されている。このグリルシャッター36はシャッター部材37を開閉でき、また、開くときにはその開度を調整することができる。これにより、フロントグリル31から取り込む空気の量を調節することができる。
【0018】
また、吸気ダクト32の下部には、車両下部から空気を取り入れる第2の空気取入口となる開口部38と、この開口部38を開閉する開閉部材となるフラップ39とが設けられている。なお、図3の各部における空気の流れを矢印により示している。
図4は、本実施形態の燃料電池車両1の制御系を中心とした各部の配置を示すブロック図である。駆動輪となる前輪41の車軸42には駆動用のモータ43、変速機のギヤボックス44が配置されている。車両の前方部には前述の水素燃料電池11が搭載されている。また、後輪45の車軸46近傍には前述の水素タンク23が配置されている。
【0019】
制御手段となる制御装置51は、マイクロコンピュータを中心に構成され、燃料電池車両1の各部を集中的に制御する。制御装置51には、車速を検出する車速検出手段となる車速センサ52、水素燃料電池11の温度を検出する温度検出手段となる温度センサ53、降雨を検出する降雨検出手段54がそれぞれ接続されている。降雨検出手段54は、車両のワイパ(図示せず)を作動させるワイパスイッチや、雨滴を検出する雨滴センサなどにより実現することができる。
【0020】
また、制御装置51には、グリルシャッター36のシャッター部材37を開閉動作するアクチュエータ55と、フラップ39を開閉動作するアクチュエータ56とが接続されている。
以上の構成の燃料電池車両1においては、グリルシャッター36のシャッター部材37の開度を調整することにより、フロントグリル31から採り入れる走行風の水素燃料電池11への供給量を状況に応じてさまざまに調節することができる。
【0021】
以下では、本実施形態の燃料電池車両1で制御装置51が実行する制御の内容について説明する。
図5は、グリルシャッター36のフィードフォワード制御について説明するブロック図である。制御装置51は、まず、予め用意された変換マップにより、水素燃料電池11の出力から水素燃料電池11の要求空気流量を求める。次に、予め用意された変換マップにより、水素燃料電池11の要求空気流量と、車速センサ52で検出した車速とに基づいて、グリルシャッター開度指令と、ブロア速度指令とが生成され、グリルシャッター開度指令はグリルシャッター36に与えられ、ブロア速度指令はブロア22に与えられる。グリルシャッター開度指令はグリルシャッター36のシャッター部材37の開度を指示する制御信号であり、ブロア速度指令はブロア22の送風量を指示する制御信号である。ここで使用される変換マップは予め実験により求めておく。
【0022】
図6は、図5の制御において、グリルシャッター開度指令とブロア速度指令との使い分けについて説明するフローチャートである。まず、制御装置51は、走行風による最大供給空気流量が水素燃料電池11の要求空気流量より大きいか否かを判断する(ステップS1)。走行風による最大供給空気流量は、グリルシャッター36のシャッター部材37を全開にしたときにフロントグリル31から水素燃料電池11に供給される空気流量であり、車速から計算することができる。走行風による最大供給空気流量が水素燃料電池11の要求空気流量より大きいときは(ステップS1のY)、水素燃料電池11に供給すべき空気流量はフロントグリル31から取り込む走行風で全てまかなえるので、グリルシャッター開度指令によるグリルシャッター36のシャッター部材37の開閉制御のみで水素燃料電池11の要求空気流量をまかない、ブロア22は動作させない(ステップS2)。走行風による最大供給空気流量が水素燃料電池11の要求空気流量以下のときは(ステップS1のN)、グリルシャッター開度指令によりグリルシャッター36のシャッター部材37を全開にして、フロントグリル31から取り込む走行風を最大量にし、また、水素燃料電池11の要求空気流量の不足分の空気はブロア速度指令によりブロア22を動作させてまかなう(ステップS3)。
【0023】
図7は、水素燃料電池11の要求空気流量と、グリルシャッター開度指令及びブロア速度指令との関係を示すグラフである。横軸には要求空気流量をとり、縦軸にはグリルシャッター開度指令及びブロア速度指令をとっている。グリルシャッター開度指令は高くなるほどグリルシャッター36のシャッター部材37の開度が大きくなり、ブロア速度指令は高くなるほどブロア22の風量が大きくなる。要求空気流量が小さいうちはフロントグリル31から取り込む走行風ですべてまかなえるので、グリルシャッター開度指令によるグリルシャッター36のシャッター部材37の開度調節のみで対処する。そして、要求空気流量が増大してグリルシャッター36のシャッター部材37の開度が全開になって以後は、その全開状態を維持したままブロア速度指令によりブロア22の風量を要求空気流量の増大に応じて拡大していく。
【0024】
このように、まずはグリルシャッター36の調節によりフロントグリル31からの走行風で水素燃料電池11の要求空気流量をまかない、これで足りない場合にのみブロア22を駆動するようにしているので、消費電力を抑制することができる。
図8は、グリルシャッター36及びブロア22のフィードバック制御について説明するブロック図である。制御装置51は、温度センサ53による水素燃料電池11の測定温度を予め用意された水素燃料電池11の目標温度と比較し、その差分を解消するようにグリルシャッター開度指令、ブロア速度指令をグリルシャッター36及びブロア22に出力し、グリルシャッター36を介して取り込む走行風の量やブロア22の風量を調節し、水素燃料電池11の温度が目標温度になるようにする。
【0025】
図9は、この場合の水素燃料電池11の要求空気流量と、グリルシャッター開度指令及びブロア速度指令との関係を示すグラフである。横軸には要求空気流量をとり、縦軸にはグリルシャッター開度指令及びブロア速度指令をとっている。グリルシャッター開度指令は高くなるほどグリルシャッター36のシャッター部材37の開度が大きくなり、ブロア速度指令は高くなるほどブロア22の風量が大きくなる。この制御の場合も要求空気流量が小さいうちはフロントグリル31から取り込む走行風ですべてまかなえるので、グリルシャッター開度指令によるグリルシャッター36のシャッター部材37の開度調節のみで対処する。そして、要求空気流量が増大してグリルシャッター36のシャッター部材37の開度が全開になって以後は、その全開状態を維持したままブロア速度指令によりブロア22の風量を要求空気流量の増大に応じて拡大していく。
【0026】
このようなフィードバック制御をおこなうことにより、水素燃料電池11を発電に適した温度に保つことができる。
本実施形態では、フィードフォワード制御のみでは望む制御の状態が外れることがあり、また、フィードバック制御のみでは制御が遅れることがあるため、前述のとおりフィードフォワード制御とフィードバック制御とを組み合わせて、応答性の良い制御を実現している。
【0027】
図10は、降雨検出手段54の検出結果に基づく制御について説明するフローチャートである。制御装置51は、降雨検出手段54で降雨を検出したときは(ステップS11のY)、グリルシャッター36をシャッター部材37の駆動により閉じて、走行風の水素燃料電池11への供給を停止し、また、開口部38をフラップ39の動作により開く(ステップS12)。そして、その後、降雨を検出しなくなったときは(ステップS11のN)、グリルシャッター36のシャッター部材37の駆動による開閉制御(図5〜図9を参照して前述した制御)を開始し、また、開口部38をフラップ39の動作により閉じる(ステップS13)。
【0028】
かかる制御により、雨滴が水素燃料電池11にかからないようにすることができる。また、シャッター部材37を閉じても開口部38を開くことで車両の下部から空気を取り入れることはできる。
図11は、水素燃料電池11をシャットダウンする場合の制御について説明するフローチャートである。制御装置51は、水素燃料電池11をシャットダウン(水素燃料電池11の化学反応を停止し、水素燃料電池11からの電力供給を停止した状態)したときは(ステップS21のY)、グリルシャッター36をシャッター部材37の駆動により閉じる(ステップS22)。
【0029】
このような制御により、水素燃料電池11のシャットダウン後には、水や異物が水素燃料電池11に侵入することを防止することができる。
図12は、温度センサ53の検出結果に基づく制御について説明するフローチャートである。制御装置51は、温度センサ53の検出温度が予め設定された温度より低いときには(ステップS31のY)、グリルシャッター36をシャッター部材37の駆動により閉じて、走行風の水素燃料電池11への供給を停止する(ステップS32)。そして、その後、温度センサ53の検出温度が予め設定された温度以上となったときは(ステップS31のN)、グリルシャッター36のシャッター部材37の駆動による開閉制御(図5〜図9を参照して前述した制御)を開始する(ステップS33)。
【0030】
かかる制御により、燃料電池車両1の運転開始初期の場合などに、水素燃料電池11を速やかに暖機することができる。
なお、以上説明した事項が本発明を限定するものではないことは言うまでもない。例えば、前述の説明は4輪車両の例で説明したが、本発明を2輪車両に適用してもよい。
また、二次電池等の冷却に対しても本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0031】
11 水素燃料電池
22 ブロア
31 フロントグリル
32 吸気ダクト
36 グリルシャッター
38 開口部
39 フラップ
51 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動用のモータと、前記モータに電力を供給する燃料電池とを備えている燃料電池車両において、
車両前部に設けられた第1の空気取入口と、
前記第1の空気取入口から取り入れた空気を前記燃料電池に供給する空気供給路と、
前記空気供給路に設けられ当該空気供給路から前記燃料電池に供給する空気の量を調節する調節部材と、
前記燃料電池に送風する送風機と、
前記調節部材及び前記送風機を制御して前記空気供給路及び前記送風機により前記燃料電池に供給する空気量を調節する制御手段と、
を備えていることを特徴とする燃料電池車両。
【請求項2】
車速を検出する車速検出手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記燃料電池の出力から当該燃料電池の要求空気流量を求めて当該要求空気流量及び前記車速に基づいて前記調節部材を制御して前記空気供給路から前記燃料電池に供給する空気の量を調節し、かつ、前記要求空気流量が前記調節部材により前記空気供給路から前記燃料電池に供給できる最大空気量より多い場合はさらに前記送風機を制御して不足分の空気量をまかなう、
ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池車両。
【請求項3】
前記燃料電池の温度を検出する温度検出手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記燃料電池の目標温度と前記温度検出手段の検出した温度との差を解消するように前記調節部材の制御及び前記送風機の制御を行う、
ことを特徴とする請求項2に記載の燃料電池車両。
【請求項4】
車両下部側から前記空気供給路に空気を取り入れる第2の空気取入口と、
前記第2の空気取入口を開閉する開閉部材と、
降雨を検出する降雨検出手段と、
をさらに備え、
前記制御手段は、前記降雨検出手段で降雨を検出したときは前記調節部材で前記空気供給路から前記燃料電池への空気の供給を停止し、かつ、前記開閉部材で前記第2の空気取入口を開く、
ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池車両。
【請求項5】
前記制御手段は、前記燃料電池のシャットダウンの際には前記調節部材で前記空気供給路から前記燃料電池への空気の供給を停止する、ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池車両。
【請求項6】
前記燃料電池の温度を検出する温度検出手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記温度検出手段の検出した温度があらかじめ設定した温度より低いときには前記調節部材で前記空気供給路から前記燃料電池への空気の供給を停止する、
ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−49350(P2013−49350A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−188237(P2011−188237)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】