説明

燃焼加熱器

【課題】内管の過度の高温化を抑制し、また加熱効率も向上させる燃焼加熱器を提供する。
【解決手段】内部に燃焼用ガスGの供給路21を有する内管20と、内管の外周に燃焼空間30を隔てて配置された外管10とを有し、燃焼用ガスを噴出する孔部24が内管の管壁に形成される。内管の外周に塗装、コーティング等による輻射促進面20Bを有し、燃焼空間30の火炎からの輻射熱及び内管20からの輻射熱を効果的に外管10に吸収させて、内管20の過度の高温化を抑制し、また加熱効率も向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料ガスと燃焼用空気との予混合ガス等を燃焼させる燃焼加熱器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、耐熱材製の円管(放熱管)内で、燃料ガスと燃焼用空気との全予混合気を燃焼させ、この炎で該放熱管を赤熱させるラジアントチューブバーナが製造されており、炎が露出しない細長い発熱源として加熱炉、暖房などに使用されている。また、燃焼用ガスを内管中で燃焼させ、燃焼ガスの噴流を直交的に設置した遮蔽面に衝突させて流れの向きを変え、放熱管から熱を取り出す燃焼バーナが公知である。
【0003】
この種の燃焼加熱器は、燃焼が放熱管の途中部分で終了してしまい、全長に沿って均一な温度分布が得られ難いとともに、窒素酸化物(NOx)の発生が多いという欠点がある。そこで、特許文献1には、内部が予混合気の供給路となっている多孔質管と、多孔質管の外周に同軸的に配設した放熱管とからなり、多孔質管から放射状に噴出させ層流となっている予混合ガスを、放熱管と多孔質管との中間において、火炎伝播速度と予混合気の流速とが釣り合う円筒面において燃焼させることにより、放熱管の全体を均一に高温化でき、大発熱量化が容易であり、低NOxを実現可能な燃焼加熱器が開示されている。
【特許文献1】特開平6−241419号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような従来技術には、以下のような問題が存在する。
放熱管である外管の内部に配置される内管は、外周を流れる燃焼ガスにより非常に高温になるため、内管内を流れる未燃ガスの温度が上昇しすぎ、未燃ガスが燃料と酸化剤との混合ガスであった場合には自発着火が生じて焼損を引き起こす可能性がある。
また、内管が熱により歪むことにより残留変形等が生じ、所望の燃焼特性(加熱特性)が得られなくなるという虞もある。
【0005】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、内管の過度の高温化を抑制し、また加熱効率も向上させることが可能な燃焼加熱器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために本発明は、以下の構成を採用している。
本発明の燃焼加熱器は、内部に燃焼用ガスの供給路を有する内管と、該内管の外周に燃焼空間を隔てて配置された外管とを有し、前記燃焼用ガスを噴出する孔部が前記内管の管壁に形成された燃焼加熱器であって、前記内管の外周に輻射促進面を有することを特徴とするものである。
従って、本発明の燃焼加熱器では、加熱されて温度上昇した内管から輻射熱(放射熱)として熱の放射が促進されるため、内管の過度の高温化を抑制することができる。また、内管から放射された輻射熱により外管が加熱されるため、外管を介した加熱効率も向上させることが可能になる。なお、内管が低温である場合、輻射による熱伝達量は小さいため、供給路の燃焼用ガス(未燃ガス)の加熱には、ほとんど支障はない(輻射による熱伝達は、温度の4乗に比例する)。
【0007】
前記輻射促進面としては、前記内管の外周面に設けられた被膜層である構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、塗装、コーティング等により内管の外周面に輻射促進材を被覆することにより、容易に輻射促進面を形成することができる。
【0008】
また、本発明では、前記外管の内周面に前記輻射促進面を有する構成も好適に採用できる。
これにより、本発明では、燃焼空間の火炎からの輻射熱及び内管(輻射促進面)からの輻射熱を効果的に外管に吸収させて、外管を介した加熱効率を一層向上させることが可能になる。
【0009】
上記構成では、前記輻射促進面が前記内周面に設けられた被膜層である構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、塗装、コーティング等により外管の内周面に輻射促進材を被覆することにより、容易に輻射促進面を形成することができる。
なお、前記輻射促進面としては、被膜層以外にも、輻射促進材により内管、外管が形成される構成であってもよい。
また、前記輻射促進面としては、セラミックバインダーを用いて形成される構成を好適に採用できる。
【0010】
さらに、本発明は、前記燃焼空間で前記外管と前記内管とに連結され、前記外管と前記内管との間で伝熱させる伝熱部材が設けられる構成も好適に採用できる。
これにより、本発明では、内管の熱を伝熱部材を介して外管に伝熱させることができるため、内管の過度の高温化を抑制できるとともに、外管を介した加熱効率も向上させることが可能になる。
【0011】
また、本発明では、前記内管の外周面は、前記外管の内周面との距離が最も短い第1領域と、前記第1領域よりも長い第2領域とを有し、前記孔部は、前記第1領域に配置されて前記外管の内周面上に前記燃焼用ガスのよどみ点を形成する構成も好適に採用できる。
従って、本発明の燃焼加熱器では、流速がゼロに近いよどみ点周辺の燃焼用ガスに点火(着火)することにより、容易に(すなわち、コストアップを招くことなく)安定した火炎を形成して保持することができる。従来では、よどみ点を形成するためにガスの流速を大きくする必要があり、この場合燃焼ガスの排気経路を十分に確保できないとともに、火炎が外管の内周面に達してしまい、軸方向の両端側のみに火炎が形成されてしまうことになる可能性があるが、本発明では外管の内周面との距離が短い第2領域に孔部を形成することにより、孔部と対向する外管の内周面に火炎を安定して形成・保持することができるとともに、例えば第1領域と逆側の領域を含む第2領域と外管の内周面との間に燃焼ガスの排気経路を確保することが可能になる。
さらに、本発明では、外管の内周面のよどみ点に火炎が形成・保持されることから、外管を介して効率的に加熱することが可能になる。
【0012】
前記内管としては、前記外管に対して偏心した位置に配置され、前記孔部が前記内管の偏心方向に位置する外周面に形成される構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、内管の外周面と外管の内周面との距離が短い第1領域を容易に形成することができる。
内管を外管に対して偏心して配置する場合、前記内管を前記外管の中心軸周りに、周方向に間隔をあけて複数配設する構成も好適に採用できる。
これにより、本発明では、外管の内周面に対して周方向に間隔をあけて複数火炎を形成・保持することが可能になり、より効果的に加熱することが可能になる。
また、本発明では、前記内管と前記外管とが同心に配置される構成にも適用可能である。
【0013】
また、本発明では、基端側で片持ち支持された前記内管の先端側を該内管と前記外管との間で支持して、前記内管の外周面と前記外管の内周面との間隔を保持する支持部材を有する構成を好適に採用できる。この支持部材としては、板状のものとすることもでき、また外管と内管との間に懸架されたロッド状のものとすることもできる。
これにより、本発明では、内管の先端部に振れが生じ、基端側と先端側とで内管の外周面と外管の内周面との間隔が一定にならなくなることを防止して、孔部が形成された第1領域と外管の内周面との間隔を一定に保持することが可能になり、よどみ点を安定して継続的に形成することができ、結果として安定、且つ継続的に火炎を形成・保持することが可能になる。
【0014】
また、本発明では、前記燃焼空間に軸方向に沿って前記孔部と対向して設けられ、前記孔部から噴出された前記燃焼用ガスのよどみ点を形成するよどみ点形成部材を有する構成を好適に採用できる。
従って、本発明の燃焼加熱器では、よどみ点形成部材の表面に形成され流速がゼロに近いよどみ点周辺の燃焼用ガスに点火(着火)することにより、容易に(すなわち、コストアップを招くことなく)安定した火炎を形成して保持することができる。従来では、よどみ点を形成するためにガスの流速を大きくする必要があり、この場合燃焼ガスの排気経路を十分に確保できないとともに、火炎が外管の内周面に達してしまい、軸方向の両端側のみに火炎が形成されてしまうことになる可能性があるが、本発明では孔部と対向するよどみ点形成部材の表面に火炎を安定して形成・保持することができるとともに、内管とよどみ点形成部材とが対向しない領域に燃焼ガスの排気経路を確保することが可能になる。
【0015】
前記よどみ点形成部材は、前記外管の中心軸上に配置され、前記内管は、前記孔部を前記中心軸に向けて、該中心軸周りに複数配置される構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、外管の中心軸周りに燃焼用ガスのよどみ点及び火炎を安定して形成・保持することが可能になり、温度分布を抑制しつつ外管を加熱することができる。
【0016】
また、本発明では、基端側で片持ち支持された前記内管及び前記よどみ点形成部材の先端側を前記外管との間で支持して、前記内管及び前記よどみ点形成部材の外周面と前記外管の内周面との間隔を保持する支持部材を有する構成を好適に採用できる。この支持部材としては、板状のものとすることもでき、また外管と内管との間に懸架されたロッド状のものとすることもできる。
これにより、本発明では、内管及びよどみ点形成部材の先端部に振れが生じ、基端側と先端側とで内管及びよどみ点形成部材の外周面と外管の内周面との間隔が一定にならなくなることを防止して、孔部及びよどみ点形成部材と外管の内周面との間隔を一定に保持することが可能になり、よどみ点を安定して継続的に形成することができ、結果として安定、且つ継続的に火炎を形成・保持することが可能になる。
【0017】
また、本発明では、最も先端側に位置する前記孔部よりも先端側に配置された前記支持部材が前記燃焼空間全体を閉塞する大きさで設けられる構成も好適に採用できる。
これにより、本発明では、低温の外管先端部に燃焼用ガスが滞留し未燃状態となってCOが生じたりする事態を回避することが可能になる。
【0018】
前記支持板は、前記外管に対して軸方向に相対移動自在に設けられる構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、外管と内管の温度差により、特に軸方向に熱膨張量に大きな差が生じた場合でも、支持板が外管に相対移動するため、支持板に変形等が生じることなく、内管の外周面と外管の内周面との間隔を保持することが可能になる。
【0019】
また、本発明では、前記内管に前記よどみ点と離間した位置に前記燃焼用ガスを噴出する第2孔部が設けられる構成も好適に採用できる。
これにより、本発明では、よどみ点に形成・保持された火炎を第2孔部から噴出した燃焼用ガスに火移りさせることが可能になる。そのため、本発明では、多孔質体を用いる場合のように圧力損失を生じさせず、また内管及び外管を長くすることなく、投入熱量を増加させることが可能になり、内管及び外管を長くした場合のように、機器の大型化を防ぐことが可能になる。そして、本発明では、圧力損失を抑えることができるため、低圧の都市ガスラインでも使用可能となる。
【0020】
前記第2孔部としては、前記第1領域を挟んだ両側に配置されるとともに、前記第1領域に沿う方向に前記孔部と交互に配置される構成や、前記よどみ点形成部材と対向する領域を挟んだ両側に配置されるとともに、前記対向する領域に沿う方向に前記孔部と交互に配置される構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、火炎の形成・保持及び火炎の火移りを等分布で生じさせることが可能になる。
【0021】
また、本発明では、前記内管の前記供給路が前記先端側で閉塞されている構成も好適に採用できる。
これにより、本発明では、基端側から燃焼用ガスを供給するとともに、排気ガスを排気できる小型で低価格の燃焼加熱器を実現することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明では、内管の過度の高温化を抑制し、また加熱効率も向上させることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の燃焼加熱器の実施の形態を、図1ないし図8を参照して説明する。
なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0024】
(第1実施形態)
図1(a)は、第1実施形態に係る燃焼加熱器1の正面断面図であり、図1(b)は側面断面図である。
燃焼加熱器1は、先端が閉塞された耐熱金属製の放熱管としての外管10と、基端側(図1(a)の左側)で図示しない支持手段により片持ちで支持されて外管10の内部に配設され、内部に燃焼用ガスGの供給路21を有する耐熱金属製の内管20とから概略構成されている。
【0025】
燃焼用ガスGとしては、燃料と空気とを予混合したガスや、燃料と酸素含有ガスとを予混合したガスを用いることができ、燃料としては、メタンやプロパンなどが用いられる。また、液体燃料も予蒸発させる箇所を設けることで使用可能である。
【0026】
外管10は、先端が閉塞された有底円筒形状を呈しており、基端側には燃焼したガスを排気する排気管11が接続されている。また、外管10の内周面10Aには、輻射を促進させる輻射促進層(輻射促進面)10Bが成膜されている。この輻射促進層10Bについては後述する。
【0027】
内管20は、外管10と同様に、先端が閉塞された有底円筒形状を呈しており、基端側には、上述した燃焼用ガスGを供給する予混合気供給機構(図示せず)が接続され、例えば空気過剰率1.0〜1.6程度の全予混合気が供給される。
この内管20は、先端側において外管10の内側に偏心して配置され、外周面20Aと外管10の内周面10Aとの間に燃焼空間30を形成する。内管20の燃焼空間30に臨む外周面20Aには、上記輻射促進層10Bと同様に、輻射を促進させる輻射促進層(輻射促進面)20Bが成膜されている。
【0028】
輻射促進層10B、20Bは、例えばセラミックバインダーを用い、熔射により内周面10A、外周面20Aに被覆して設けられた被覆層で形成されている。この被覆層としては、例えば耐熱温度が800℃程度のものが用いられる。また、輻射促進層10B、20Bを熔射で形成することにより、高密着力、長寿命を図ることができる。
【0029】
内管20の外周面20Aは、外管10の内周面10Aとの距離が最も短い第1領域22と、第1領域22よりも長い第2領域23とを有している。より具体的には、内管20の偏心方向(図1中、下方向、図1(b)参照)に位置する外周面20Aは、外管10の内周面10Aとの距離が最も短い第1領域(母線)22が軸方向に沿って形成され、他の領域には第1領域22よりも内周面10Aとの距離が長い第2領域23が形成される。
【0030】
この第1領域22には、先端側に位置し、当該第1領域22に沿って互いに間隔をあけて複数(ここでは5つ)の孔部24が径方向に管壁を貫通して形成されている。外管10の孔部24と対向する位置の近傍には、図示しない着火装置が設けられている。
なお、孔部24が形成された領域よりも基端側(図1(a)では左側)の外周面20Aは、燃焼したガス(火炎)により供給路21の燃焼用ガスGを予熱するための予熱領域Pとされている。
【0031】
次に、上記の燃焼加熱器1における燃焼動作について説明する。
予混合気供給機構から内管20の供給路21に供給された燃焼用ガスGは、孔部24から外管10の内周面10Aに向けて噴出される。
ここで、孔部24は外管10の内周面10Aとの距離が最も短い第1領域22に形成されていることから、孔部24から噴出された燃焼用ガスGは、対向する外管10の内周面10Aと衝突し、各孔部24毎に内周面10A上によどみ点Sを形成し、このよどみ点Sを境として内周面10Aに沿って分岐される。
【0032】
そして、着火装置により、よどみ点S近傍の燃焼用ガスGに着火することにより、火炎を形成する。また、よどみ点Sで分岐した燃焼用ガスGは断面積が小さい第1領域22の近傍から断面積が大きい第1領域22とは逆側の燃焼空間に流れ、図1(b)に示すように、燃焼空間30の内管20を挟んだ両側に火炎Fが形成される。
このとき、よどみ点Sにおけるガスの流速はゼロであるため、また、よどみ点Sに向かう噴流周囲に形成される循環流によって形成した火炎は安定して保持される。
【0033】
そして、燃焼ガスは、燃焼空間30を流れて排気管11から排気されるが、燃焼空間30から排気管11に至る中途において、内管20の予熱領域Pで内管20の管壁を介して、燃焼用ガス(未燃ガス)Gとの熱交換が行われる。
これにより、供給路21における燃焼用ガスGは、高温に予熱された状態で孔部24から噴出することになり、火炎Fの安定性が増し、狭隘な燃焼空間30に噴出されても、未燃分を生じさせることなく、安定に燃焼することができる。
【0034】
また、燃焼ガスによる熱、及び火炎Fによる熱で特に内管20は高温になるが、内管20の外周面20Aに輻射促進層20Bが設けられているため、内管20の熱放射率が増加し輻射熱としての放射(輻射)が促進される。一方、外管10においても内周面10Aに輻射促進層10Bが設けられているため、内管20からの輻射熱及び火炎Fからの輻射熱の吸収が促進される。
【0035】
以上のように本実施の形態では、内管20が輻射促進層20Bを有しており、内管20の熱が輻射熱として放射促進されるため、内管20の過度の高温化を抑制することが可能になるとともに、温度が低い場合でも輻射能力が落ちることで内管20が有する熱の大部分を内部の燃焼用ガスGの加熱(予熱)に用いることができ、加熱特性を維持することができる。従って、輻射促進層20Bの構造(材質、厚さ、分布等)を調整することにより、燃焼用ガスGに対する予熱温度を調整することも可能になる。
【0036】
また、この輻射熱により外管10を加熱することができ、外管10を介した加熱効率も向上させることができる。特に、本実施形態では、外管10の内周面10Aにも輻射促進層10Bが設けられているため、燃焼空間30の熱を効果的に外管10に吸収させることが可能になり、外管10を介した加熱効率を一層向上させることができる。
また、本実施形態では、内管20の管壁に形成された孔部24から燃焼用ガスGを噴出させ、よどみ点Sに火炎Fを保持させるため、多孔質管を設ける場合のようにコストアップを招くことなく、流量を変えた場合でも容易に安定した火炎Fを形成することが可能になる。加えて、本実施形態では、燃焼量を増加させるためには、孔部24の数を増やすだけで済み、従って、構成部品も少なく、構造もシンプルであることから、製造コストも抑えることができるとともに、多孔質管を用いた場合のように、燃焼用ガスGの供給圧を大幅に上げる必要もなく、低圧の都市ガスラインであっても十分に適用可能になる。さらに、本実施形態では、内管20の外周面20Aと、外管10の内周面10Aとの距離が短い第1領域22を、外管10に対して内管20を偏心させて配置するという簡単な構成で形成しているため、容易、且つ低コストで安定して火炎Fを形成・保持することが可能になる。
【0037】
また、多孔質管を用いてガスの供給圧を高めた場合には、火炎が外管に達して保持できなくなるとともに、燃焼したガスの排気経路を充分に確保できなくなる可能性があるが、本実施形態では第1領域22と逆側の領域(第2領域)と対向する燃焼空間30において十分な排気系路を確保することができる。
【0038】
また、本実施形態では、よどみ点Sが外管10の内周面10A上に形成され、火炎Fも内周面10A上に沿って保持されることから、管状火炎のように外管10から離間して形成された場合のように熱が取り出しにくくなることなく、外管10を介した加熱効率を向上させることができる。
【0039】
(第2実施形態)
続いて、燃焼加熱器1の第2実施形態について図2を参照して説明する。
なお、この図において、図1に示す第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
第2の実施の形態と上記の第1の実施の形態とが異なる点は、孔部24とは別に、ガスの圧力損失を低下させるための第2孔部を設けたことである。
【0040】
図2(a)は、内管20を第1領域22側から視た平面図であり、図2(b)は、この内管20が配設された燃焼加熱器1の側面断面図である。
図2(a)に示すように、内管20の管壁には、第1領域22に位置して孔部24が設けられるとともに、第1領域22に沿う方向に孔部24と交互に、且つ第1領域22を挟んだ両側に位置して第2孔部25が設けられている。
これら第2孔部25からは、図2(b)に示すように、よどみ点Sから離間した位置に向けて燃焼ガスGが噴出される。
また、第2孔部25は、当該第2孔部25から噴出された燃焼用ガスGによどみ点Sで形成された火炎Sから安定して火移りする位置に設けられる。
他の構成は、内管20の外周面20Aに輻射促進層20Bが設けられ、外管10の内周面10Aに輻射促進層10Bが設けられる点も含めて上記第1実施形態と同様である。
【0041】
上記の構成の燃焼加熱器1では、上記第1実施形態と同様の作用・効果が得られることに加えて、よどみ点Sに形成・保持された火炎Fを第2孔部25から噴出した燃焼用ガスGに火移りさせることが可能になり、容易に流量を大きくした状態でガスを燃焼させることができる。そのため、本実施形態では、多孔質体を用いる場合のように圧力損失を生じさせず、また流量を増やすために、内管20及び外管10を長くすることなく、投入熱量を増加させることが可能になり、内管20及び外管10を長くした場合のように、機器の大型化を防ぐことが可能になるとともに、圧力損失を抑えることができるため、低圧の都市ガスラインでも使用可能となる。
また、本実施形態では、孔部24と第2孔部25とが第1領域22に沿って交互に、また第2孔部25が第1領域22を挟んだ両側に配置されることから、火炎Fの形成・保持及び火炎の火移りをほぼ等分布で安定した状態で生じさせることが可能になる。
【0042】
(第3実施形態)
続いて、燃焼加熱器1の第3実施形態について図3を参照して説明する。
なお、この図において、図1に示す第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
第3の実施形態と上記の第1実施形態とが異なる点は、内管20の先端側に支持板を設けたことである。
【0043】
図3(a)に示すように、内管20の孔部24よりも先端側には、軸方向と直交する方向に沿って耐熱金属等で形成された支持板(支持部材)40が設けられている。この支持板40は、図3(b)に示すように、貫通孔40Aで内管20の外周面20Aに嵌合固定され、外周面40Bで外管10の内周面10Aに軸方向に移動自在に支持される。
すなわち、支持板40は、燃焼空間30の全体を閉塞する大きさを有して内管20と一体的に構成され、外管10に対して軸方向に移動自在に設けられている。
他の構成は、内管20の外周面20Aに輻射促進層20Bが設けられ、外管10の内周面10Aに輻射促進層10Bが設けられる点も含めて上記第1実施形態と同様である(ただし、図3(a)の部分拡大図及び図3(b)においては、輻射促進層10B、20Bは図示略)。
【0044】
上記の構成の燃焼加熱器1においては、上記第1実施形態と同様の作用・効果が得られることに加えて、基端側で片持ちで支持された内管20の先端側が支持板40で支持されることにより、内管20の外周面20A(すなわち第1領域22)と、外管10の内周面10Aとの間隔が一定に保持される。また、外管10と内管20との温度差に起因して、高温となる内管20が熱膨張した場合でも、内管20と一体的に構成された支持板40が外管10の内周面10Aと軸方向に相対移動するため、変形や歪を生じることが防止される。
【0045】
また、最も先端側に位置する孔部24から噴出された燃焼用ガスGは、対向する外管10の内周面10Aと衝突し、各孔部24毎に内周面10A上によどみ点Sを形成し、このよどみ点Sを境として内周面10Aに沿って分岐されるが、支持板40により第1領域22と対向する燃焼空間30が閉塞されていることから、支持板40に向けて分岐された燃焼用ガスGは、支持板40に衝突した後に第1領域22と逆側(第2領域23)と対向する燃焼空間30に導かれる。そのため、よどみ点Sで保持される火炎により、周辺の燃焼用ガスGに着火させやすくなる。
【0046】
さらに、本実施形態では、支持板40によって燃焼空間30が区画されているため、比較的低温である外管10の先端部に燃焼用ガスGが滞留し未燃状態となってCOが生じたりする事態を回避することが可能になる。
なお、上記実施形態では、支持部材として板状の支持板40を用いる構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば外管10の内周面10Aに軸方向に移動自在に支持されたリング部材と、このリング部材と内管20とを連結するロッド部材とからなる支持部材を用いてもよい。
【0047】
(第4実施形態)
続いて、上記第3実施形態の変形例としての第4実施形態について、図4を参照して説明する。
なお、この図において、図3に示す第3実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0048】
図4に示すように、本実施形態における内管20の外周面20Aには、支持板40よりも基端側で孔部24に対応するよどみ点Sを挟む孔部24の配列方向両側に支持板41がそれぞれ設けられている。この支持板41は、第1領域22と対向する燃焼空間30を閉塞する大きさで設けられている。具体的には、各支持板41は、孔部24から噴出された燃焼用ガスGが逆側の燃焼空間30に流れて排気管11から排気可能なように、支持板40のように燃焼空間30を全体的に閉塞するのではなく、第1領域22の周辺の燃焼空間30のみを閉塞し、且つ外管10に対する内管20の位置を保持可能なように、内管20の管壁から第1領域22の周辺においてのみ外管10に向けて突出し、内周面10Aに支持される、例えば扇形形状に形成される。
他の構成は、内管20の外周面20Aに輻射促進層20Bが設けられ、外管10の内周面10Aに輻射促進層10Bが設けられる点も含めて上記第3実施形態と同様である。
【0049】
上記の構成の燃焼加熱器1においては、上記第3実施形態と同様の作用・効果が得られることに加えて、各孔部24から噴出された燃焼用ガスGが支持板41に衝突した後に第1領域22と逆側(第2領域23)と対向する燃焼空間30にそれぞれ導かれる。そのため、よどみ点Sで保持される火炎により、周辺の燃焼用ガスGにより効果的に着火させやすくなる。
【0050】
(第5実施形態)
続いて、燃焼加熱器1の第5実施形態について、図5を参照して説明する。
図5は、外管10及び内管20を模式的に示した図である。
この図に示すように、本実施形態における燃焼加熱器1においては、内管20が外管10内の燃焼空間30に、外管10の中心軸周りに周方向に間隔をあけて、且つそれぞれが外管10と偏心して複数(図5では、60°間隔で6つ)配置されている。
また、各内管20には、外周面20Aと外管10の内周面10Aとが最も短い距離となる第1領域22に位置して、孔部24(図5では図示せず)が軸方向に間隔をあけて複数形成されている。
他の構成は、内管20の外周面20Aに輻射促進層20Bが設けられ、外管10の内周面10Aに輻射促進層10Bが設けられる点も含めて上記第1実施形態と同様である。
【0051】
上記の構成の燃焼加熱器1においては、複数設けられた内管20(の孔部)からそれぞれ燃焼用ガスGが噴出されて、外管10の内周面10A上によどみ点を形成することになり、燃焼用ガスGに着火することにより、外管10の内周面に沿った軸周りに複数の安定した火炎が形成されることになる。
従って、本実施形態では、上記第1実施形態と同様の作用・効果が得られることに加えて、より高温に外管10を加熱することが可能になる。
【0052】
(第6実施形態)
続いて、燃焼加熱器1の第6実施形態について図6を参照して説明する。
なお、この図において、図1に示す第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
上記第1乃至第5実施形態では、いずれも、よどみ点Sを外管10の内周面10A上に形成する構成としたが、第6実施形態では、ブラフボディ(よどみ点および循環流形成部材)の表面に形成する場合について説明する。
【0053】
図6(a)に示すように、本実施形態の燃焼加熱器1は、基端側(図6(a)の左側)で図示しない支持手段により片持ちで支持されて外管10の内部の燃焼空間30に配設され、内部に燃焼用ガスGの供給路21を有する耐熱金属製の複数の内管20及びブラフボディ(よどみ点および循環流形成部材)50を有している。
【0054】
内管20は、図6(b)に示すように、外管10の中心軸周りに複数(ここでは60°間隔で6つ)互いに間隔をあけて配置される。
各内管20は、先端側でブラフボディ50と対向し外管10の中心軸に向く位置に、軸方向に沿って互いに間隔をあけて複数(ここでは5つ)の孔部24が径方向に管壁を貫通して形成されている。
【0055】
ブラフボディ50は、軸線を外管10の中心軸上に合致させ、周囲を内管20に囲まれて配置されており、各内管20(孔部24)と対向する位置には、当該内管20の軸周りに形成された凹曲面50Aが軸方向に沿って形成されている。
他の構成は、内管20の外周面20Aに輻射促進層20Bが設けられ、外管10の内周面10Aに輻射促進層10Bが設けられる点も含めて上記第1実施形態と同様である(ただし、図6(b)、(c)においては、輻射促進層10B、20Bは図示略)。
【0056】
上記の構成の燃焼加熱器1においては、内管20の供給路21に供給された燃焼用ガスGは、図6(c)に示すように、それぞれ孔部24からブラフボディ50の凹曲面50Aに向けて噴出される。
孔部24から噴出された燃焼用ガスGは、対向するブラフボディ50の凹曲面50Aと衝突し、各孔部24毎に凹曲面50A上によどみ点Sを形成し、このよどみ点Sを境として凹曲面50Aに沿って分岐される。
【0057】
そして、着火装置により、よどみ点S近傍の燃焼用ガスGに着火することにより、よどみ点Sにおいて火炎を形成・保持させる。このとき、よどみ点Sにおけるガスの流速はゼロであるため、また、よどみ点Sに向かう噴流周囲に形成される循環流によって形成した火炎はよどみ点Sに安定して保持される。
そして、よどみ点Sで分岐した燃焼用ガスGは、ガス圧が高いブラフボディ50の近傍から、内管20に対してブラフボディ50と逆側である外管10の内周面10A側の燃焼空間30に流れる。
【0058】
そして、燃焼ガスは、燃焼空間30を流れて排気管11から排気されるが、燃焼空間30から排気管11に至る中途において、内管20の予熱領域Pで内管20の管壁を介して、燃焼用ガス(未燃ガス)Gとの熱交換が行われる。
これにより、供給路21における燃焼用ガスGは、高温に予熱された状態で孔部24から噴出することになり、火炎Fの安定性が増し、狭隘な燃焼空間30に噴出されても、未燃分を生じさせることなく、安定に燃焼することができる。
【0059】
このように本実施の形態では、内管20の管壁に形成された孔部24からブラフボディ50の凹曲面50Aに向けて燃焼用ガスGを噴出させ、よどみ点Sに火炎Fを保持させるため、多孔質管を設ける場合のようにコストアップを招くことなく、流量を変えた場合でも容易に安定した火炎Fを形成・保持することが可能になる。加えて、本実施形態では、燃焼量を増加させるためには、孔部24の数を増やすだけで済み、従って、構成部品も少なく、構造もシンプルであることから、製造コストも抑えることができるとともに、多孔質管を用いた場合のように、燃焼用ガスGの供給圧を大幅に上げる必要もなく、低圧の都市ガスラインであっても十分に適用可能になる。
また、各内管20の外周面20Aに輻射促進層20Bが設けられ、外管10の内周面10Aにも輻射促進層10Bが設けられているため、燃焼空間30の熱を効果的に外管10に吸収させることが可能になり、外管10を介した加熱効率を一層向上させることができる。
【0060】
(第7実施形態)
続いて、燃焼加熱器1の第7実施形態について図7を参照して説明する。
なお、この図において、図に示す第6実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
第7実施形態と上記の第6実施形態とが異なる点は、外管10の中心軸上に内管20と同様の円管を配置したことである。
【0061】
すなわち、図7(c)の部分拡大図に示すように、本実施形態では、外管10の中心軸に軸線を合致させ、且つ内管20と間隔をあけて内管(よどみ点形成部材)120が配置されている。内管120は、先端が閉塞された有底円筒形状を呈しており、基端側には、上述した燃焼用ガスGを内部の供給路121に供給する予混合気供給機構(図示せず)が接続されれいる。また、内管120の外周面120Aには、上記輻射促進層20Bと同様の輻射促進層120Bが設けられている。
【0062】
また、内管120は、周囲に配された各配管20と対向する位置に燃焼用ガスGを噴出する孔部124がそれぞれ形成されている。この孔部124は、図7(d)に示すように、軸方向については、各内管20に対して孔部24とは対向せずに外周面20Aと対向する位置に形成されている。すなわち、内管20の孔部24も、内管120の孔部124とは対向せずに外周面120Aと対向している。
他の構成は、内管20の外周面20Aに輻射促進層20Bが設けられ、外管10の内周面10Aに輻射促進層10Bが設けられる点も含めて上記第6実施形態と同様である(ただし、図7(b)においては、輻射促進層10B、20B、120Bは図示略)。
【0063】
上記構成の燃焼加熱器1においては、予混合気供給機構から内管20の供給路21に供給された燃焼用ガスGは、それぞれ孔部24から内管120の外周面120Aに向けて噴出される。この外周面120Aには、燃焼用ガスGのよどみ点Sが形成され、燃焼用ガスGはよどみ点Sで分岐して外周面120Aに沿って流れることになる。
【0064】
一方、内管120の供給路121に供給された燃焼用ガスGは、それぞれ孔部124から内管20の外周面20Aに向けて噴出される。この外周面20Aには、燃焼用ガスGのよどみ点Sが形成され、燃焼用ガスGはよどみ点Sで分岐して外周面20Aに沿って流れることになる。つまり、本実施形態では、内管120のみならず、内管20もよどみ点形成部材として作用することになる。
【0065】
そして、よどみ点S近傍の燃焼用ガスGに着火することにより、よどみ点Sにおいて火炎を形成・保持させる。このとき、よどみ点Sにおけるガスの流速はゼロであるため、形成した火炎はよどみ点Sに安定して保持される。
そして、よどみ点Sで分岐した燃焼用ガスGは、ガス圧が相対的に低い外管10の内周面10A側の燃焼空間30に流れる。燃焼したガスは、排気管11から排気される。
【0066】
このように、本実施形態では、上記第6実施形態と同様の作用・効果が得られることに加えて、内管120からも燃焼用ガスGが噴出されるため、より効果的に加熱することが可能になるとともに、周囲に配置された内管20の外周面20Aにもよどみ点Sが形成されて火炎が形成・保持されるため、より広範囲に、且つ安定した火炎を形成・保持することができる。
なお、内管20の孔部24と、内管120の孔部124とは、互いに対向する位置に設けてもよいが、よどみ点Sをより安定して形成するためには、互いに外周面120A、20Aに対向する位置に設けることが好ましい。
【0067】
(第8実施形態)
続いて、燃焼加熱器1の第8実施形態について図8を参照して説明する。
なお、この図において、図6に示す第6実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0068】
図8(b)に示すように、本実施形態では、外管1の中心軸上に内管を設けずに、中心軸周りに周方向に互いに間隔をあけて内管20が複数(ここでは60°間隔で6つ)設けられている。
各内管20は、図8(c)の部分拡大図に示すように、隣り合う内管20と対向する位置にそれぞれ燃焼用ガスGを噴出する孔部24が設けられている。
また、孔部24の軸方向の位置については、第7実施形態と同様に、噴出した燃焼用ガスGが隣り合う内管20の外周面20Aに衝突するように、図7(d)の部分拡大図に示したように、隣り合う内管20同士で互い違いになるように配置することが好ましい。
他の構成は、内管20の外周面20Aに輻射促進層20Bが設けられ、外管10の内周面10Aに輻射促進層10Bが設けられる点も含めて上記第6実施形態と同様である(ただし、図8(b)においては、輻射促進層10B、20Bは図示略)。
【0069】
上記の構成の燃焼加熱器1においては、上記第6実施形態と同様の作用・効果が得られることに加えて、よどみ点S及び火炎がより放熱管としての外管10に近接した位置に形成されることになるため、外管10を介してより熱を取り出しやすくなり、加熱効率を向上させることが可能になる。
【0070】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0071】
例えば、上記第2実施形態では、孔部24の他に第2孔部25を設ける構成について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば第3実施形態〜第8実施形態で示した内管20についても、孔部24の他に第2孔部を設ける構成としてもよい。
同様に、上記第3実施形態では、内管20の先端側に支持板40を設ける構成としたが、第4乃至第8実施形態においても、先端側を支持板を支持する構成とすることにより、第3実施形態と同様の作用・効果を奏することが可能になる。
【0072】
また、上記実施形態では、いずれも内管20が外管10に対して偏心して配置されることにより、外周面20Aが外管10の内周面10Aに対して最も距離が短い第1領域22が形成される構成としたが、これに限られるものではなく、同心で配置する構成としてもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、内管20の外周面20A及び外管10の内周面10Aの双方に輻射促進層を設ける構成として説明したが、これに限られず、内管20の外周面20Aのみに輻射促進層を設ける構成であってもよい。
さらに、上記実施形態では、輻射促進面が輻射促進層10B、20B(120B)で形成される構成として説明したが、これ以外にも、例えば外管10及び内管20、120が輻射促進層10B、20B、120Bを形成する材料で構成され、内周面10A、外周面20A、120A自身が輻射促進特性を有する構成であってもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、いずれも内管20を外管10に対して偏心して配置する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば図9に示すように、孔部24が放射状に配され輻射促進層20Bを有する内管20を、輻射促進層10Bを有する外管10と同心に配置する構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】第1実施形態に係る燃焼加熱器1の(a)は正面断面図であり、(b)は側面断面図である。
【図2】(a)は、内管20を第1領域22側から視た平面図であり、図2(b)は、この内管20が配設された燃焼加熱器1の側面断面図である。
【図3】第3実施形態に係る燃焼加熱器1の(a)は正面断面図であり、(b)は側面断面図である。
【図4】第4実施形態に係る燃焼加熱器1の要部詳細図である。
【図5】第5実施形態に係る外管10及び内管20を模式的に示した図である。
【図6】第6実施形態に係る燃焼加熱器1の(a)は正面断面図であり、(b)は側面断面図、(c)は要部拡大図である。
【図7】第7実施形態に係る燃焼加熱器1の(a)は正面断面図であり、(b)は側面断面図、(c)および(d)は要部拡大図である。
【図8】第8実施形態に係る燃焼加熱器1の(a)は正面断面図であり、(b)は側面断面図、(c)は要部拡大図である。
【図9】内管が外管と同心に配置された燃焼加熱器1の要部詳細図である。
【符号の説明】
【0076】
G…燃焼用ガス、 S…よどみ点、 1…燃焼加熱器、 10…外管(放熱管)、 10A…内周面、 10B、20B…輻射促進層(輻射促進面)、 20…内管、 20A…外周面、 21…供給路、 22…第1領域、 23…第2領域、 24…孔部、 25…第2孔部、 30…燃焼空間、 40、41…支持板(支持部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に燃焼用ガスの供給路を有する内管と、該内管の外周に燃焼空間を隔てて配置された外管とを有し、前記燃焼用ガスを噴出する孔部が前記内管の管壁に形成された燃焼加熱器であって、
前記内管の外周に輻射促進面を有することを特徴とする燃焼加熱器。
【請求項2】
請求項1記載の燃焼加熱器において、
前記輻射促進面は、前記内管の外周面に設けられた被膜層であることを特徴とする燃焼加熱器。
【請求項3】
請求項1または2記載の燃焼加熱器において、
前記外管の内周面に前記輻射促進面を有することを特徴とする燃焼加熱器。
【請求項4】
請求項3記載の燃焼加熱器において、
前記輻射促進面は、前記内周面に設けられた被膜層であることを特徴とする燃焼加熱器。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の燃焼加熱器において、
前記輻射促進面は、セラミックバインダーを用いて形成されることを特徴とする燃焼加熱器。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の燃焼加熱器において、
前記燃焼空間で前記外管と前記内管とに連結され、前記外管と前記内管との間で伝熱させる伝熱部材が設けられることを特徴とする燃焼加熱器。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の燃焼加熱器において、
前記内管と前記外管とは、同心に配置されることを特徴とする燃焼加熱器。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか一項に記載の燃焼加熱器において、
前記内管は、前記外管に対して偏心して配置されることを特徴とする燃焼加熱器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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